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曹禺「雷雨」の人称代名詞 : 言語面からの人物関 係の検証

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(1)

曹禺「雷雨」の人称代名詞 : 言語面からの人物関 係の検証

著者 今井 敬子

雑誌名 人文論集

巻 48

号 1

ページ A209‑A229

発行年 1997‑07‑31

出版者 静岡大学人文学部

URL http://doi.org/10.14945/00001109

(2)

曹呂「雷雨」の人称代名詞

一言語面か らの人物関係の検証一

△ マ

は じめ に

小論は、テクス トの中で使用される言語標識を、テクス ト全体を視野におい て位置づけ、そのはたらきの特性 をテクス トの流れの中で分析することを目的 とする。具体的には、曹呂作の戯曲「雷雨」の台詞に見 られる人称代名詞 (二

人称、三人称 を中心に )を 取 り上げ、必要に応 じて呼びかけ語 も参考にしなが ら、語用論、談話文法論の観点から考察を加える。そして、テクス ト内におけ るそれらの標識の使用特性が、劇中の人物関係、人物特性をいかに反映 してい るか、具体的な人物に即 して検証を試みたい。

小論は次のような構成 になっている。

1.主 要人物 とあらすじ

2。 人称代名詞の使用基準 と使用範囲

3.人 物関係の個別検証 3.1魯 侍沐 と周朴園 3.2周 繁洵と周落

3.3魯 四鳳 と魯貴 t周 落、周沖

なお、引用例は 「曹呂文集   第一巻」 (中 国戯劇出版社  1988)所 収の 「雷雨」 D から収集 している。

1.主 要人物 とあらす じ

主要人物 は、炭坑 を経営す る周家の四人の家族 とその下僕の一家・ 魯家の四 人 の家族である。周家 は、主人・ 朴園 (55歳 )と 妻・ 繁洵 (35歳 )、 朴園の先 妻の生んだ長男・落 (28歳 )と 、繁洵の生 んだ次男の沖 (17歳 )力 れヽる。朴園 は絶対権力 をふ りまわす暴君的な夫、父である。繁洵 と継子の不 は不倫の関係 にあったが、清算 しようとする落 と、執着する索洵とが対立 している。沖は純 真で美 しい夢の中に生 きる人物である。

敬 子 井

― ‑209‑―

(3)

一方の魯家 は、主人・ 魯貴 (48歳 )と 妻・ 侍落 (47歳

)、

侍落の連れ子であ る息子 0大 海 (27歳 )、 魯貴 と侍沐の娘 0四 鳳 (18歳 )の 四人 だが、魯貴 は周 家の下僕で、侍落 は家族 を離れてひ とり遠方で働 き、大海 は周家の炭鉱で働 く 労働運動の指導者、四鳳 は周家の下女 をしている。四鳳 は周家の長男・ 落 と秘 密の恋仲であ り、杯の弟・ 沖か らも想 いを寄せ られている。

30年 前、南方の町 にあった周家 に仕 える下女 の娘・侍落 (当 時 は梅侍落 )は 、 御曹司の朴園 と相愛関係 にな り、ふた りの男児 (落 と大海 )を 生んだが、大海 を生んだ直後 に捨て られ、追い出された。 30年 の後、北方の地で、侍落 と朴園 がはか らず も再会 した ことか ら、侍落が実 は落の生母であること、恋仲の澤 と 四鳳 は同母兄妹であることな ど、すべての秘密が明 らかになる。衝撃で部屋 を 飛び出 した四鳳 と彼女 を追 った沖 は、庭 の電線 に触れて感電死 し、落 はピス ト ル 自殺 をす る。大海 は失踪す る。子供たちを失った二人 の親が後 に残 され、そ の うちの二人一一侍沐 と索治は発狂す る。

四幕構成の ドラマは、ある夏の日の朝か ら翌 日の未明 までの短時間のあいだ に、限 られた空間 (周 家の客間 と魯家 )に おいて始 まり、展開 し、終結する。

主筋の四幕のほかに、プロローグ とエ ピローグが設 けられ、そこでは、時が移 つ て 10年 後の冬、かつての周家の屋敷が今で は教会付属病院 に変わ り、入院 して いる索満 と侍沐 を、老いた朴園が見舞いに訪れ る。

2。 人称代名詞の使用基準 と使用範囲

小論では、単数二人称 と単数二人称 の指示 を中心 に とりあげる。 まず、多用 されている二人称の使用か ら見てい く。

中国語の単数二人称代名詞 には、 ni"と その敬語体 nin"の 二形態があるP この両者 は、上下・ 親疎の違いによる対人関係や場面 に応 じて使 い分 けられ る が、 nin"は 、尊敬、あるいは疎遠、 ni"は 、親近 あるいは軽蔑のニ ュア ンス があることはよ く知 られている。

「雷雨」のテクス トのはじめか ら終わ りまでの流れの中で、使用 されている 二人称代名詞 を、指示者 (発 話者 )と 指示対象 (二 人称代名詞の場合 はすなわ ち聞 き手 )の 関係 ごとに調べ る と、次の ように大別で きる。

(1) ni"あ るいは nin"の 専用 (基 本的に一方だけを使用 ) (2) ni"と nin"の 両用

(2)に ついて、同一場面 における一連の会話 を単位 にして調査す ると、つぎ

のように分 けられ る。

(4)

(2‑1)始 まりでは ni"あ るいは nin"の 一方 を使 い、会話の進行 (時 間 的経過 )に 従 って、別の一方の使用 に移行す る。

(2‑2) ni"と nin"の 両者 を一連 の会話の中で交互 に、あるいは移行 の かたちで使用。

(2‑3)あ る会話 (場 面 )内 では ni"あ るいは nin"の 一方のみ、別の会 話 (場 面 )で は もう一方のみを使用。

(1)の よ うな一方のみの使用 は、 ni"に ついては多 くの人物関係 について 広 く見 られ るが、 nin"の みの使用 は限 られている。 その代表 は子→親 (指 示者

→指示対象 )の 場合である。た とえば、周家では、兄弟 ともに両親 を nin"で 指示し、魯家では兄妹ともに母を nin"で 指示する P父 の魯貴のみ ゴ "も 使 用される。従って、子→親の場合は nin"の使用が標準的で、魯貴の場合はこ の基準から逸脱 しているものと理解できる。魯貴に対 しては、息子の大海は終

始 ni"で 指示する。 これは大海が、周家に卑屈に仕える継父の魯貴を軽蔑 して

いるために、目上の尊敬すべき対象を指示する in"を つかわず、 ni"で 指示 するもの と考えられる。又、娘の四鳳は、 nin"を 基本にしながら ni"を 併用 する。 このケースは (2‑2)に 分類 される。

nin"の 専用に準ずると考えられるのが、下僕→主人の場合である。その状 況はやや複雑で、たとえば魯貴 は、繁洵、沐、沖を nin"で 指示する。四鳳は、

索洵には nin"を 、沖には、 ni"で指示する P沐 に対 しては、両者を使い分け ているため (2‑3)に 分類 される。 このように、魯貴 と四鳳 とでは使用状況 に違いがあることは、ふた りが同じ下僕の身であっても、実際にはその立場が 違っていることがうかがえる。

周家の主人

0本

卜 園は、人称代名詞で指示されることの最 も少ない人物である。

魯貴、四鳳 は、岱名詞を使わずに 老爺 "で 指示するが、 これは nin"の 使用

に関して敬語 ̲Lの 制約がはたらいているのであろう。しかし、第二幕で、名前

を特定 されていない下僕が nin"で 指示 していることを考 えあわせ ると、下僕

→主人 は 亜 n"が 標準的 と理解 して もよいか もしれない。

(2)│ま (1)と はちがって限定 された関係 にだけ見 られる。

(2‑1)の タイプは、時間的経過 にしたがって、指示者 と指示対象の上下・

親疎関係が変わってい くとい う特徴がある。顕著なケースは、侍落→朴園で、

ふた りがはか らず も再会 した とき、本卜園に向かって、侍沐が徐々に素性 を明か してい く過程 に、 nin"か ni"へ のはっきりとした推移が見 られる。 また、

周不→侍沐 は、初対面では ni"を 、後 に四鳳の母であると知 ってか らは nin"

‑211‑

(5)

を使 う。 こち らは一連の会話の中での移行ではないが、 このタイプに準ず るも の として分類で きる。

(2‑2)は 、指示者 と指示対象の関係 は単一で固定 しているが、心理的な 距離、発話効果な どが要因 となってい るタイプである。 ni"と nin"が 同等の 頻度で使用 されるケースはな く、両者の どち らかが使用度が高い。顕著 なケー スは四鳳→魯貴で、 」 n"が 基本であるが、 五 "が 一定程度 (12件 。 この他、

nin老 人家 "が 2件 )使 用 されている。四鳳→周沖 は 」 "が 基本だが、下女

→主人の関係 を強調する効果 をね らった nin"が 2件 見 られ る。 この両 ケース は、 nin"の 連鎖の中に、時 に ni"が 入 り込む とい うかたちである。

また、大海が、労働交渉のために朴園に接見する場面では、冒頭のあいさつ と それに準ず る短い会話だけが nin"で 、 その後 は ni"に 切 り替 わる。 こち ら は一方か らもう一方への移行のかたちである。

(2‑3)は 、指示者 と指示対象が複数の関係 をもつ場合 に、その使い分 け に応 じて ni"と nin"が 交替 して使用 され るタイプである。典型的なケース は、周落→繁洵で、ふた りだけの場面 (か つての愛人関係 )で は ni"を 、第二 者 の面前 (母 子の関係 )で は nin"を 使用す る。 また、四鳳→周落 は、会話場 面のほ とん どがふた りだけの場面であつて ni"が 使用 されているため、 ni"

の専用の ように見 えるが、実 は、第二者の同席す る場面で dn"を 使用 してい る例が一例 あるため、両用 して使い分 けていると考 えてよいだろう。

単数二人称代名詞 ta"り は、話者の眼前 にいる人物 を指示する場合 (現 場指 示 )と 発話 の中に現れ る人物 を指示す る場合 (文 脈指示 )が ある。 また、二人 称 の場合 と違 って、指示対象 と聞 き手が別の人物であ り、聞 き手の立場が ta"

の選択使用 に影響す る場合がある。

敬語上の使用制約が ta"に も認 め られることは、木村 (1990)に 詳 しいが、

「雷雨」で は、現場指示の ta"は 、用例が少ないため見極 めがむずか しい。文 脈指示の場合 は、用例が不十分ではあるが それで も、発話の相手 (聞 き手 )の

影響 に関 して一定の傾向が見 られ る。すなわち、子→親 は、 ta"で指示 してい る。下僕→主人 は、魯貴 と四鳳が、朴園に対 して ta"の 使用 を避 け 大少爺 "

を使 つている。一方、繁洵や周澪、周沖 に対 しては、聞 き手が発話者寄 り (魯 家の家族 な ど )の ときは ta"で 指示 していて、指示対象寄 り (周 家 の家族 )の

ときは、 ta"を 使 いに くい という傾向が見 られ る。

これ とは別 に、テクス トの流れの中で ta"を 見 る と、次の二点の用法 におい

(6)

て顕著な特徴が見 られ る。

(3)文 脈指示の場合、先行詞が前後の文脈内にない もの、あるいは、先行詞 があって もわか りに くい ものがある。 この用法 は全体 として多 くはない が、 索満が指示者である例が最多である。

(4) ta"を 使用 して、二人称以外 (一 人称、二人称 )を 指示す るような指示 の変換がみ られ る。全体の数はわずかだが、索洵に関するものが最多で ある。

以上 の全般的状況 に基づ き次節では、上の分類の (2)、 (3)、

(4)に

ついて、主要 人物の中の侍沐、繁治そして四鳳の三女性 に関心の焦点 を置 き、具体例 を挙げ

なが ら分析 を進 める。

3.人 物関係の個別検証

3.1魯 侍落 と周朴園、周薄

魯侍沐の発話 には、会話の進行 に ともなって人物関係が移 り変わる場合の、

二人称代名詞の典型的な用法が見 られる。

「雷雨」 には、二人の侍率がいる。むか し周家の下女であった梅侍澤、周落 の「亡 くなった」生母の侍沐、そして魯侍率である。第一幕の最後の部分で、

周本の亡母・ 侍澪 について、僕園 と息子の率の比較的長い会話があ り、二人の 侍澪の中で、 まずは彼女 にスポッ トライ トが当て られる。僕園は、亡 き妻・ 侍 沐の写真 を部屋 にかざ り、彼女の生前の習慣 に従って夏で も部屋の窓 を閉め切 り、亡母 に恥ずか しくない生活 をするように、 と自堕落な生活 に苦 しむ息子・

沐 にさとすのである。

魯侍沐 は、八人 の主要人物の中で最 も遅 く、第二幕 になって初 めて登場する が、彼女の出現が糸口になって、すべての秘密が発覚 し、終局の破滅へ と進む

ことになる。

彼女 は、周 繁洵に呼 ばれて周家の屋敷 を訪ねるとい うかたちで登場する。繁 洵が、息子・ 沖の四鳳への純真な想いに危険 を感 じて (周 落 と四鳳 の関係 を断 とうとす る気持 ち もあ り )、 四鳳 を解雇 しようとし、母親 の侍沐にそれ をいいふ くめるべ く呼び寄せたのである。

以前 は南方の無錫の地 にあった周家だが、その後、 ここ北方の地 に居 を移 し ている。朴園に捨 て られてか ら、あらゆる辛酸 をなめ尽 くした末に、今では魯 貴 の妻 となっている侍沐 は、夫 と娘の働 く屋敷が当の周家 とは知 らずに訪れる。

‑213‑

(7)

が、音の ままに保存 された部屋の様子や、箪笥の上の「周家の当主の先妻であ り、長男の亡母」の写真 を見て、かつて仕 えた周家である │と を知 る。

その後侍落 は、部屋 を出る機会 を逸 し、入 ってきた朴園 とはか らず も対面す るはめになって しまう。最初 は新来の下女 と思って何 も気つかなかった本卜 園だ が、侍薄の もの ごしと無錫なまりの口調 に何かを感 じ取 る。 こうして始 まるふ た りの対話 は、前半のクライマ ックスである。

朴園にたずね られて侍落 は無錫で育 った と答 え、対話が始 まる。最初 は 老 爺 "(旦 那 さま )と 朴園 を指示 し、人称代名詞 はまだ使 われない。

朴 :(沈 )三 十多年前、是的、彼遠 唯、我想想、我大概是二十多歳的時 候。那時候我還在無錫

IFL。

(物 思いに沈んで )30年 前、そう、ずいぶん 昔だ、た しか、わ しは 20才 とい くつかの頃だったろう、あの頃 はまだ 無錫 にいた。

侍 :老 爺0是那個地方的人 ?  旦那 さまは無錫 のかたでい らっしゃい ます か。  2‑99

侍落 は、顔 を会わせた当初か ら、相手が朴園であるとわかっていて、た くみ に会話 を続 けてい く。朴園が、むか し無錫で梅 とい う娘の投身 自殺があった こ とに言及す ると、侍落 は四鳳の母だ と名乗 りなが ら、「梅 とい う娘」を ta"で 指示 し、町中で うわさとなった彼女の苦難 の半生 を語 り聞かせ るである。

この間に、 老爺 "で の指示が 3件 あ り、そのあ と初 めて nin"が 使われ る。

最初 は次の例の ように、 nin"の みの指示 よりも丁寧度の高い 老爺、面

n・

¨

"

とい うパ ターンで使われている。侍澪が、梅 とい う娘が実 はまだ生 きているこ と、   しかもこの地にいることを告げると

:

朴 :甚広 ?  地就在這児。此地 ?(な に、あれはここにいるのか、 この地 に )

聰、就在此地。

(え

え、 この地です

)

暇 H(あ あ !)

老爺、恣想見一見地

rFL。

(旦 那 さま、お会いにな りますか

)

不、不、謝謝体。 (い や、いいよ、あ りが とう )2‑102

このあ と、同一会話中に 老爺 "と nin"が 併用 され るかたちを中心に、 nin"

が徐々に使用 を増す

(こ

の間 に 老爺 "3件 、 亘 n"2件 )。

やがて侍不 は、かつて彼女が刺繍 をほどこした朴園のシャツに言及 し、朴園 はついに、 日の前の女が侍落であると気づ く。 ここか ら、侍落の指示の しかた は、 ni"に 切 り替わ る。

本ト

本ト

(8)

(徐 徐立起 )峨 、体、体、体是一一 (や お ら立 ち上が り )お 、お前、お 前 は―

我是従前伺候過老爺的下人。わた しはむか し旦那 さまにお仕 えした下 女で ございます。

峨、侍沐 !(低 声 )想 磨是体 ?  お、 シーピン !(声 を落 して )ど う してお前が ?

体 自然想不到、侍沐的相貌有一天也会老得連体都不認識了。侍不の容 色が、いつの 日にか見わけがつかないほ どに衰 えような どとは、あな た は思って もみなかった ことで しょう。

体―一侍不 ?  お前 は一― シー ピンなのか ? (思 わず箪笥の上の写真 と魯婦 を見比べ る )

朴園、体伐侍沐鳴 ?  侍沐在這児。 プーユエ ン、 あなたはシー ピンを 探 しているんで しょう ?  シー ピンはここにい ますわ。 2‑103

最初 はおずおず と朴園の質問 に答 えるだけであったが、彼が切 に欲 している 情報 を少 しずつ提供 しなが ら、徐々 に会話 を主導す るようにな り、ついには自 ら素性 を明かすのである。 このあ と、侍澪 は一連のふた りの会話の中で、ずっ と ni"で 朴園 を指示 し続 ける。

以上のように、 老爺 "→ 老爺 と nin"の 混在 "→ nin"→ ni"と 、一 連 の会話の流れの中で指示の しかたが推移す る。 老爺 "か ら ni"に 至 るまで の過程 は、現在の魯侍率か ら 30年 前の梅侍澪へ と時 をさかのぼって、朴園 との 関係 を規定 し直 してい く過程 である。侍沐 と朴園はそのほかの人物 と違 って、

卜書 きにおいて人物特性が詳説 され ることな く、 「 もっぱ ら対話 と独 自によって 来歴や心理が明かされ る」つため、第二幕の この部分の一連の対話 は、情報量 が

きわめて多い。

侍澤 は、三度 とふたたび訪れない ことを本卜 園に約 して別れ る。 ところがその 後、 はか らず もまた もや朴園 と顔 を会わす ことにな り、 その ときには nin"で 指示 をす る。第四幕の終盤で、出発 しようとす る周沐 と四鳳 を繁洵が遮 り、夫 の朴園を呼ぶ場面である。階上か ら降 りてきた朴園は、三度 と戻 らない と言っ たはずの侍沐 を見て、思わず彼女の名 を回走 って しまう。 こうして、四鳳の母 が実 は周不の生母であることが、いあわせた劇 中人物全員の前に明 らかになる。

第四幕の山場 である。 この とき侍落 は、不の生母であることを否定 しようとし て、 「旦那様 の朴園」を nin"を 使 って指示す る。彼女 はすでに、何 も知 らない

本ト

本ト

本ト

― ‑215‑―

(9)

四鳳 と周沐を行かせることに同意 している。今さら真実を明かすことはできな

い :

朴 :(明 白地 )急 磨一一一 (向 侍落 )侍 澪、体到底還是回来了。 (事 態 をさ とって )ど うして・・ (侍 落 に向かって )侍 沐、お まえはやっば り戻 っ て きたんだな。

索 :(憶 )甚 磨 ? (驚 いて )な んですって ?

侍 :(慌 )不 、不、恣弄錯了。

(あ

わてて)い え、いいえ、お まちがえです。

4‑198

彼女の必死の否定 にもかかわ らず、すべては明 らかになる。その結果、四鳳 と、彼女 を追 った沖 は、漏電 している電線 に触れて死 に、大海 は失踪する。次 は、大海 を追 うように命 じたあ との朴園の台詞である

:

朴 :(哀 傷地 )我 去了一個児子、不能再云第二個了。 (嘆 いて )息 子 をひ と り失 って、ふた りまで失 うなんて ことはで きない。

侍 :都 EE!  譲他去了也好、我知道這核子。他恨体、我知道他不会回来 見体的。みんな行 ってお しまい !  行 かせればいいの よ。あの子 は、

あなた を恨 んでい ます。あなたに会いに戻 って くるはずなんてないわ。

4‑203

ここで、侍落 は再 び本卜園を 亜"で指示 している。 この直後 に、周落の銃声が 聞 こえ、劇 は終わ る。

10年 後 を描 くプロローグ とエ ピローグを見 ると、ふた りはずっ と、失踪 した 大海の帰 りを待 ち続 けてきた ことがわか る。 もし大海が帰 ってきた ら、新 しい 物語が始 まるのであろうが、エ ピローグの朴園の台詞では、 その可能性 は皆無 に近いようだ。朴園 と侍澪 は、劇物語の根源 にいる男女のペアであ り、すべて の事件がふた りをそ もそ もの起点 にして発生 した。エ ピローグではそのふた り が揃 って姿 をあ らわ し、劇 をしめ くくるのである。

周落が初 めて魯侍落 と会 うのは、周家 に交渉 に来た大海が、 朴園の措置 に怒 っ て暴れ出 し、喧嘩沙汰 になった ときである。侍薄 は思わず周沐の前 に駆 け寄 り、

泣 きなが ら大海 をかばう。侍澪 は、 日の前の青年が周率であることを、すでに 本卜 園か ら聞かされているが、周沐 に とっては、突然見知 らぬ女が飛 び出 して き たのである

:

澪 :体 是誰 ?(あ んたは誰ですか )

侍 :我 是体的―一体 打的這個人的婦。

(あ

なたの・・ あなたがな ぐった この

(10)

子の母です よ )2‑112

その後、四鳳の母であるとわかると、 魯効効 "(魯 おばさん )と 呼びかけ、

亜 n"を 使 うようになる。

落 :魯 効妨 、請恣相信我、我一定好好地待地、我個現在決定就走。

(魯 おばさん、ぼ くを信用 して ください、 きっと四鳳 をだいじにしま す、ぼ くたちいま出発することにしました )。 4‑188

ところが、周落 はこの後、侍澪が亡 くなったはずの生母だ と知 ることになる。

侍落 は彼 に とって、見知 らぬ女→大海 の母→四鳳の母→自分の生母 というふ う に、彼 との関係 を変 えてい く。周漆 にとっては、想像の中で美化 された母 と実 際の母 (侍 沐 )の 姿 とはあま りにかけ離れ、 しか も恋人の四鳳の母で もあると は、耐 え難 い現実であった。周落をとりまく女 は、繁洵 と四鳳の二人だけでは な く、幻想の中の実母 もそのひ とりである。最後 にその実母が もた らした恐 る べ き現実 に直面 した彼 は、耐 えきれずに自らの生 を閉 じるのである。

3.2.周 繁 騎 と周澪

周繁満は、 ni"と nin"の 使 い分 けの指示者ではな く、指示対象であ り、 ま た、 ta"の 用法 に関 しては際だった特徴が見 られ る。

周家の長男・沐 は、父 に対 しては常 に 」 n"で 指示す るが、母の繁洵には、

第二者の面前で nin"を 、ふた りだ けの場合 は ni"を 、 とい う画然 とした使 い分 けをする。彼が 繁洵を nin"で 指示するのは、母 として扱 うべ き公の場面 においてであ り、 面 "を 使 い、 ファンイ (繁 )と 呼ぶ (2‑77)の は、かつ ての愛人で今 は重荷で しかない繁洵と相対するときである。

次 は、繁洵 と周沖の話 しているところへ周落が入 ってきた場面での会話であ る

:

沖 不 繁

耳可。 にいさん。

体在這児。お まえ、 ここにいたのか。

(覚 得没有理地 )薄 !(無 視 された と思 って )ピ ン

!

不 :峨 ?(低 了頭、又拾起 )恋 一一恣也在這児。え ?(う つむき、再び顔

を上げて )あ なた・・ あなた もここでしたか 1‑56

周沐が きわめて意識的に、繁洵を 母親 "と 呼ぶ場面がある。父 と母 を避 け て通 り過 ぎようとした落 を、朴園が呼び止める場面である。落は、生 き直すべ

く周家 を離れ ようとしている

:

朴 :弥 不是明天早車走鳴 ?  あ したの朝早い汽車で行 くん じゃなかったの

‑217‑

(11)

か 。

我忽然想起今天夜晩両点半有一趣車、

汽車があるのを思い出しましたので、

(忽 然 )現 在 ?(突 然に )今 す ぐ ? 唱 。 ええ。

(有 意義地 )心 里就這様 急鳴 ?(意 味 あ りげに )そ んな に急 いでい る の ?

澪 :是 、母親。 はい、おかあさま。 4‑165

上の例で 母親 "と 呼んだそのす ぐあ とで、朴園が退場 し、ふた りだけにな ると、不 は ni"に 切 り替 えて繁治を指示す る。次の対話の中で、周落が「ぼ く の母」 といって指すのは「亡 くなった実母」である。

落 :体 一 (故 意悪役地 )体 自己要走這一条路、我有甚磨亦法 ?  あなたが 一一

(わ

ざ とい じわ る く )あ なたが 自分で道 をみつけるしかない、ぼ く

はどうしてあげることもで きないよ。

繁 :(憤 怒地 )甚 磨、体忘記体 自己的母親也被体父親気死的鳴 ?(憤 然 と

)

なんですって、あなたは自分 の母が、父のせいでひ どい目にあって る の を忘れたの ?

落 :(一 了百了、更恨毒地激惹地 )我 母親不象体、地憧得愛 !地 愛地 自己 的児子、地没有対不起我父親。 (す べて承知 とい うふ うに、さらに毒づ いて )ぼ くの母 はあなたみたい じゃないよ、ぼ くの母 は愛情 というも のがわかっている、子供 を愛 しているし、父 に申し訳 の立たない こと なんか しないよ。 4‑169

繁洵は、朴園の妻、落 と沖の母、不の愛人 とい う 3つ の立場 の中で、沖の母 であることを除 くと、ほかはすべて破綻同然の状態 にある。前妻 にこだわ り続 ける大の朴園、亡母 を美化 してや まない周落、 この自己完結 した トライアング ルか ら繁治はひ とり疎外 されている。それ に、夫か らは精神病扱いにされ、愛 人であった周落か らも今 では疎 まれてい る。財卜 園 は私 に沖 を生 ませただ け」

(2‑77)、 「父子二代 にわたって蝙 され侮辱 された」 (2‑88)の であ り、彼女 はまことに孤独で悲惨 な生存 を続 けている。

繁洵は、最後 には、周落 との関係 をすべてさらけだす。周不 は、そうした彼 女 を、それ まで とは違 って、第二者 の面前であって も ni"で 指示す るようにな

る。

次の会話 は、劇の終盤で、周落が四鳳 を連れて家 を出 ようとした とき、繁洵 沐

繁 落 繁

我預備現在就走。今晩二時半 に

今す ぐに行 くつ もりです。

(12)

がその前 に立 ちふ さが る場面である。彼女は、四鳳 に想いを寄せている息子の 沖 にこの事態 を見せつけるべ く、沖を呼ぶ。現れた弟の沖 を見 ると、周洋は索 治に向か って

:

沐 :(焦 燥、向繁洵 )体 這是干甚磨 ?(あ せって、 繁洵に対 して )こ れ は どうしようってい うんだ ?

繁 :(嘲 弄地 )我 叫体弟弟来限体個送行。 (嘲 弄 して )あ なたの弟 にお見送 りさせ ますわ。

沐 :(気 )体 真卑一― (憤 慨 して )あ んたはなんて、卑劣 004‑193

繁崎はさらに朴園を呼び、その結果、朴園の日か らすべてが明 らかになる。

繁満 は、いあゎせた劇 中人物 みんなの前で、最後の破滅 に至 る引 き金 をひ く役 割 を担 って しまったのである。

以上の ように、索治が指示者ではな く、指示対象 として、 しか も彼女が執着 す る周澪 による ni"、 nin"の 使 いわ けの対象 となっているのは、あたか も、

ひたす ら受 け身で、自己分裂 を強いられた存在であるかのようだが、一方で彼 女 は、 ta"の 使用 においてその使用者 として顕著な特徴 を見せ る。

「雷雨」には、 ta"の 文脈指示の用例 の中に、先行詞 なしにいきな り指示 し た り、あるいは、先行詞が さが しに くいために、聞 き手が指示対象を特定でき ない ものが見 られ る。 このような ta"の 用例が 6件 見 られ るが、その使用者で 最多なのが 繁洵 (3件 )で ある P次 の例では、先行詞 と、 ta"の 指示対象 とが 結びつ きに くいため、わか りに くくなっている。

体父親干甚磨 IFL?  お とうさん (魯 )は 何 をしているの

大概限老爺買檀香去嘘。一一他説、他間太太的病。旦那 さまの自檀 を 買いにまいったので しょう。父が奥様のおかげんをおたずねするよう に との ことで した。

他倒是情記着我。 (停 一下忽然 )他 現在還没起来魔 ?  あの人 は私の こ

とを心配 して くれているのね。

(ち

ょっ としてか ら突然 )あ の人 はまだ 起 きないの。

誰 ?  だれです ?

(没 有想到四鳳這様間、忙収飲一下 )唱 、一― 自然是大少爺。 (四 鳳 に こんなふ うに聞かれるとは思いがけな く、 さっと表情をひきじめて )

ん―一 もちろん上の坊ちゃまの ことですよ )1‑42

問題の ta"は 、引用例 よりさらに前の文脈に先行詞 大少爺 "が あるが、そ の後、他の人物 (魯 貴 )が 話題人物 として介在 し、 しかも、直前の文で ta"で

繁 鳳

鳳 索

―…219‑―

(13)

指示 されているため、それぞれ違 った人物 を指すふたつの ta"が 近接 してしま い、指示対象がわか りに くくなっている。

上の対話での話題 は、 この後、 大少爺 "か ら四鳳 に移 り、 さらに 老爺 "に 及び、その後、繁洵は、突如 として再 び ta"で 大少爺 "を 指す。次の引用箇 所 は、 老爺 "を 話題 にしている部分 の途 中か らである

:

鳳 :我 伯老爺念経喫素、不喜歓我個伺候他、聴説老爺一向是討厭女人家的。

旦那 さまはお経 と精進食でお過 ごしで、わた しどものお世話がお嫌 い だ と思いまして、旦那様 はずつ と、女がおきらいでい らっしゃるとお 聞 きしましたが。

繁 :峨 (看 四鳳、想着 自己的経歴 )咀 、 (低 語 )難 説的役。 (忽 而拾起頭来、

眼晴張開 )這 広説、他在 這幾天就走、究党到甚魔地方去「 FL?ま あ、 (四 鳳 を見て、 自分 の これ まで を思い )ん 、 (小 さい声で )な ん といった ら

よいかむずか しいわね。 (突 然、顔 をあげて、 目を見開 き )そ れ にして も、あの人が ここ数 日いつ も出か けていたのは、結局 どこへ行 ってい たの ?)

鳳 :(胆 怯地 )恋 説的是大少爺 ?(こ わ ごわ と )奥 様がおつしやるのは、

上の坊 ちゃまの ことで しようか。 1‑43

この ように、一連の対話の中で、指示対象の特定 しに くい ta"を 繰 り返 し使 つ ている。周落への関心 とこだわ り、それに、対話の相手の四鳳への こだわ りが 重なって、明示的な指示 を妨 げているのであろう。

次の例では、眼前 にいない人物 を先行詞なしに、い きな り ta"で 指 している。

食堂か ら出てきた繁治が突然、周落 に言 う

:

索 :他 上耶児去了 ?  あの人 は どこへいつたの。

不 :(莫 明其妙 )誰 ?(わ けがわか らず )だ れです。

繁 :体 父親。あなたのお とうさまよ。 2‑75

次 は周澤 に向かって言 う台詞だが、 ta"の 先行詞 失望的女人 "は 話者の繁 治 を指 していて、一人称が使われ るべ きところに ta"が 使われている。

索 :(冷 )小 心、小心 !  体不要把二璽失望的女人逼得太彼了、地是甚 磨事都倣得出来的。 (冷 笑 して )あ ぶない、 あぶない !  失望 した女 を あ まりに追 いつめちゃいけないわ。彼女 は何だつてやつちゃい ますか らね。  2‑117

自身 を■ ta"で指示する例 をもうひ とつ。落、侍沐、四鳳の面前で、息子の沖

に向かっていう台詞である

:

(14)

:・ ・ 略・・ 体的母親早死了、早叫体父親圧死了、悶死了。現在我不是 体的母親。地是見着周沐又活了的女人、 (不 顧一切地 )地 也是要一個男 人真愛地、要真真活着的女人 !お まえのお母 さんは死んじゃったのよ。

お父 さんにお しつぶ されて悶 え死 んだの。今では私 はお まえの母親 じゃない。彼女 は沐 に会 って生 き返 った女、 (す べてを顧 みずに )彼 女 は心底愛 して くれ る男の人 が必要だ し、生 き生 きと暮 したい女なの よ !  4‑196

次 は、上の台詞 にす ぐに続 くもので、沐に向かって言 う台詞の後半部分だが、

聞 き手の沐 を ta"で 指示 している。上の例 の、 自身 を指す ta"と 対応 して使 われているもの と考 えられる

:

:・

・ 略・・ 体的父親只 叫我生了沖了、然而我的心、我這個人還是我的。

(指 落 )就 只有他才要了我整個的人、可是他現在不要我、又不要我了。

あなたの父親 は私 にただ沖 を生 ませただけ、で も私の心は、私はやは り私。 (沐 を指 して )彼 だけが私 をまるごと求めて くれた、で も今では 彼 は私 をい らな くなった、ぃ らな くなったのよ。 4‑196

二人称で指示すべ き対象 を、二人称で指 している例 をさらに一つ挙げる。周 澪が、索洵 と周沖の話 しに加わ らず、部屋 に下がろうとする場面である

:

沖 :不 、耳寄、母親説好久不見体。体不願意一斉坐一坐、談談磨 ?  だめ だ よ、兄 さん、おかあさんが、 しばらく兄 さん と会ってないって言っ てるよ。いっしょにち ょっと坐 って、話 しをしない ?

索 :体 看、体譲可耳欲一歌、他願意一個人坐着的。ほら、お兄 さんに体 ま せてあげなさい。お兄 さんはひ とりでいたいのよ。

不 :(有 些煩 )那 也不見得、我総伯父親 回来、恋復忙、所以一― (煩 わ しそ うに )そ うで もないです よ。お父 さんがかえって くるんじゃないか と 思 って、あなた も忙 しいで しょぅし、だか ら一―

沖 :体 不知道母親病了慶 ?  兄 さんは、母 さんが病気だって こと知 らない の。?

繁 :体 可可急麿会把我的病放在心上 ?  お まえのお兄 さんが、私の病気 を 気 にかけた りす るもんですか。  1‑56

上 の例で、周沐 は繁治を nin"で 指示 しているのに対 し、繁崎は周沖 を聞 き 手 にして、 」 可可

"、

"を 使 い、周澪が第二者であるかの ように指 している。

以上の ように、対象が不明示であった り、直接指示 を回避するような ta"の 使用か らは、索洵の他者 とのコミュニケーションのあ りかたの特徴が うかがえ

― ‑221‑―

(15)

るし、他者 に向かってあ らわに棘 を出 しがちな彼女の性格の一側面が表れてい る と言 えよう。

曹呂は、繁治について、極端、矛盾 といつた特徴 を備 えた最 も「雷雨的な」

人物形象であると述べている

(「

雷雨」序 )が 、その特性 は、上の諸例 に見 られ る繁洵に通 じるものである。

プロローグ とエ ピローグでは、老いた朴園が入院 している繁満 と侍不 を見舞 いに くる Pプ ロローグで、朴園はうつか り侍落の病室のほうへ歩いていつて し まい、教会病院の尼僧 に、 「奥様の病室 は三階です よ。」 とた しなめ られ る場面 がある。エ ピローグでは、大海 を待 ちわびて病室か ら出てきた侍澪 に、朴園が 呼びかける場面がある。 ところが、ひ とり索治のみは、大声で暴れ回る、手の つけられない病人であるためか、舞台 には一切姿 を見せない。朴園の侍落 に対 す る関心 に引 き比べ、索洵はここで もなお十分 に顧 み られずにいる と見 て とれ

るのである。

3.3魯 四鳳 と魯貴、周藩、周沖

魯四鳳の発話 には、心理的な要因による使 い分 け、役割・ 立場の違いによる 使 い分 けの典型例が見 られ る。

四鳳の父・ 魯貴 は、貪欲で抜 け目めのない下僕であるが、同 じ周家 に女中 午 して働 く娘の四鳳が周落 と秘密の恋仲であることを知 っていて、それをほのめ か しては小遣いをせび り取 り、酒、賭博 に使 つている。

四鳳 はそうした父 を基本的には nin"で 指示す るが、 ni"も 使 う (12件 見 られ、その うち 10件 が主語の位置 にある )。 また、わずかであるが、 nin"よ り さ らに敬語性の高い nin老 人家 "も 使 う (2件 )。 次の例で は、一連 の会話 の 中で、 nin老 人家 "→ nin"→ ni"と 指示の しかたが変化す る。

貴 :(着 )鳳 児、体這核子是甚 me心 事 ?体 可是我的親生骸子。

(あ せつて )フ オン、なんて心が けだ ?お 前 は俺の実の娘だぞ。

鳳 :(嘲 笑地 )親 生的女児也没有法子把 自己売了、替恋老人家還賭脹呵 ? (あ ざ笑 って )実 の娘が しかたな く身 を売 っているのに、お とうさん に代わつて賭博 の借金 を返済 しろってわ けですか ?

貴 :(厳 重地 )骸 子、体可放明 白点、体婦疼体、只在嘴上、我可是把体的

甚磨要緊的事情 、都処処替体想。 (い かめしく )フ ォンよ、わか つて く

れ、母 さんがお前 を可愛が るのは回先だけの ことさ、だが、 この俺 は

お前の大切 なことは、どんな ことだつて親身 になってやつてるんだぞ。

(16)

鳳 :(明 白地、但是不知他開的甚広把戯 )恣 心里又要説甚磨 ?(わ かった ようすで、 しか し、父が何 をた くらんでいるかはわか らず )ま だ何か 言いたいんですか。

貴 :(停 一停、四面望了一望、更近地逼着四鳳、伴笑 )我 説、大少爺常眼 我提過体、大少爺、他説―― (話 をやめ、あた りを見 まわ してか ら、四 鳳 にいっそう近づいて、作 り笑い )あ のな、上の坊 ちゃま力ヽゝつ も俺

に向かってお前の ことを話題 になさってな、坊ちゃまが言 うには一 鳳 :(管 不住 自己 )大 少爺、大少爺、体癌了 !(お さえきれずに )上 の坊

ちゃま、上の坊 ちゃまって、お とうさん、おか しくなったんじゃない の !   1‑24

四鳳 は父 を嫌い、耐 え難 く思 っているが、全 く父 を相手 にしない兄の大海 と は違 って、「 どうであろうとや は り自分の父親である」 (1‑28)と い う認識で 父 を受 け入れているため、なだめすか した り、時には強硬な態度に出た り、様々 なス トラテジーを駆使 して父 に対応 している′ )上 の例 の後では、再 び 亜 n"に 戻 るのだが、父 との間のその ときどきの心理的距離の変化 に応 じて、人称指示 の しかた も調節 されるのである。

四鳳 と魯貴 の対話 には、た とえば次例のように、周沐を ta"で暗に指す用法 がい くつか見 られ る。

貴 (笑 、掩飾 自己 )体 看、体看、体又那様。急、急、急甚広 ?我 不眼体 要銭。唄、我説、我説的是―― (低 声 )他 ―一不是也不断地塞給体銭花 磨 ?(笑 って、本心 をか くして )ほ れ、ほれ、 またそんなふ うにす る。

なに、なにを、なにを怒ってるんだ ?  俺 はお前か ら金 をもらお うと してるん じゃない。おい、俺が言ってるのはだな一― (小 声で )あ の人 は一―お前 に欠か さずお金 を くださるんじゃないのか ?

(憶 訪地 )他 ?誰 曙 ?(お どろいて )あ の人 ?誰 の こと?

(索 性説出来 )大 少爺。 (思 い切 って言 う )上 の坊 ちゃまだ よ。

(紅 瞼、声略高、走到魯貴面前 )誰 説大少爺給我銭 ?谷 雀、恋別又窮 癒了、胡説乱道的。 (顔 を赤 くして声 はうわず り、魯貴の前 に来て )上 の坊 ちゃまが私 にお金 を下 さるなんて、誰がいったのよ。お とうさん、

お金 に困っているか らって、めちゃ くちゃなこと言わないでよ。 1‑

19

魯貴は上の発話の中で、 大少爺"(周 澪 )を 先行詞なしに ta"で 指示してい る。 大少爺 "と 四鳳 との特別な関係をほのめかすために、故意にあいまいに指

鳳 貴 鳳

‑223‑

(17)

し示 しているのである。

次の例 では、魯貴が、男女の 鬼 "(幽 )が 出た話 をしているが、 ta"の 用 法 に注 目したい。

鬼磨 ?甚 磨様 ?(停 一下、魯貴四面望一望 )誰 ?  ゆうれい ?ど んな ふ うな ?(し ばら く魯貴 の周囲を見回 して )だ れだったの ?

我這才看見那個女鬼冴、 (回 頭低声 )一 一是我個的太太。俺 はた しかに 女の幽霊 を見たんだ (振 り返 って、小声で )一 一奥様だ よ。

太太 ?一 一部個男的「 FL?  お くさま ?一 一男 のほうは ? 那個男鬼、体別伯、一■就

男の幽霊 はな、驚 くなよ、一 T上

の坊 ちゃまだった。

他 ?  あの人 ?

就是他、他同他的後娘就在這屋子里聞鬼「 FL。 あの人だ よ。 あの人 は義 理の母親 といつしょの部屋で幽霊 になって出たのさ。 1‑34

「男女の幽霊」は索洵 と周落の秘密の関係 を暗 に示 している。四鳳 は、 女鬼 "

が 太太 "だ と聞かされ ると、 太太 "と い う語 を反復 して確認 しているが、 男 鬼 "が 大少爺 "だ と聞かされた ときは、 大少爺 "と い う語 を繰 り返 さずに、

ta"を 使 って応 じている、 というアンバ ランスが見 られる。 この ta"は 、直 前 に先行詞 大少爺 "が あるので、文脈指示の通常の用法のように も見 えるが、

む しろ、無防備 な四鳳が思わず、 ta"と 指示 した ことによつて、 大少爺 "と の 特別 な関係 を自ら露呈 して しまった もの と理解で きよう。

周家の下女 としての四鳳 は、 太太 "(奥 )の 繁洵には nin"を 使 うが

(

老 爺 "(旦 那様 )の 朴園 とは会話 もわずかなため、指示す る場面 は見 られない )、

子息の周落 と周沖 に対 しては、 lni"を 常用 している。 これ は、徹底 して下僕 ら しい振 る舞いの見 られ る父の魯貴が周落、周沖の どち らにも、常 に nin"を 使 うの と、対照的である。

四鳳 は、周落 とは人 目を忍ぶ恋仲であ り、ふた りは、主人 と下女、恋仲 とい う二重の関係 にある。関係 の二重性 は、第二者の前では周澪 を 大少爺 "と び、ふた りだけのときは ピン (落 )"と 呼ぶ という呼び分けをもたらしている。

しかし、二人称代名詞の使用では、わずかな例を除いてほとんど 亘 "が 使われ ている。 というのも、四鳳 と周落の会話場面は、恋愛関係にあるふた りだけの 場面がほとんどなため、 ni"の 使用が際だつているのである。

第二者の面前での会話で、 nin"が 使われている例がひとつだけある。周家の 鳳

貴 鳳 貴

(18)

屋敷 に着いた母の侍沐 を出迎 えに行 くとき、「お母 さんによろしくね」

(

四鳳、

見着体婦、眼我問間好。 ")と 周澪 に言われて、「あ りが とうございます、 また、

あ とで」

(

謝謝恣、回頭見。 ")(2‑74)と 答 える簡単 な応答 の ときである。母 の到着 を知 らせに来た魯貴が面前にいることが、 nin"を 選択 させていると考 え られ る。 この例か ら見て も、四鳳 は ni"と nin"を 使 い分 けていると推察で きるが、 ni"が ほ とん ど常用 されている状況が、彼女の立場 を特徴づけているき。

四鳳が周家か ら解雇 され、周澪が明 日炭坑へ行 って しまうというその前の晩、

周沐 はむ りや りに四鳳 に会 いに魯家 を訪ね る。彼 を拒んで家 に入れ まい とする 四鳳 ともみあ う場面がある。ふた りだけの場面である。執拗 に帰 ろうとしない 周沐 に向かって、四鳳 は、ふだん ピン (落 )"と 名前 を呼んでいるのに反 して、

大少爺 "と よびかけ、ふた りの立場 の違いを気づかせ ようとする。

鳳 :(苦 痛地 )阿 、大少爺、這児不是体的公館、体餞了我

EE。

(苦 しげに )

あ、坊ちゃま、ここはお屋敷じゃありません、許してくださいな。 3‑

152

鳳 :(哀 訴 地 )IIa、 大 少爺 、敗烈再纏我好不好 ?(哀 願 して )あ あ、坊 ちゃ

ま、 もう私 に ま とわ りつか ないで くだ さい。  3‑153

この二 ヶ所 でのみ四鳳 は 大少爺 "と よびか けるが、 それで もなお、 nin"は 使 わ ず に、 ni"で 通 して い る。

四鳳が、第二者の面前で周沐 を指示す る場面が もうか とつだけぁる。終盤近 く、兄の大海の理解 を得て (ふ た りです ぐに家 を出て、再出発 しようとする。

母 の侍落 は、四鳳 と周沐が同母兄妹であることを知 っていなが ら言い出せない まま、ひたす らふた りに抵抗 して行かせ まい とする。その とき、四鳳 は胸 の中 におさめていた事実 を告 げる。

鳳 :沐 、我総是臓着体 ;也 不肯告訴 恋 (乞 怜地望着魯婦 )婦 、窓    ピン、

わた し、ずっ とあなたをだ ましていた し、おかあさんにも言えなかっ たけど (す が るように母 を見 る )お かあさんは・・ 04‑190

四鳳の発話の中の ni"は 周不 を指 し、 nin"は 母の侍澪 を指 している。上の 場面では、面前の侍澪 と大海 には、四鳳 と周澪 との関係がすでに明かされてい るので、 ni"を 使 っているのである。

四鳳 は、周落の弟・周沖 を 二少爺 "と 呼ぶが、同時 に 」 "を 使 う。 もっ と も、場面 に制約があ り、第一幕での繁洵、周沖、四鳳の二人の会話では 二少 爺 "を もっぱ ら使 って人称代名詞 を使 っていないのは、繁洵が同席 しているた

‑225‑

(19)

めであろう。しか し、た とえば魯家の成員の面前では、人称代名詞 を使 い、 ni"

を常用す る。 これは、周沖が平等主義者で、 しか も四鳳 にプロポーズ まで して いることや、四鳳 より年下 (1歳 違い )と い うことな どが ni"の 選択 の要因 と なっているのであろう。

四鳳が解雇 された晩、周沖 は母 に言われて魯家 を訪ね る。在宅 していて迎 え たのは魯貴 と四鳳だが、次例 に見 られ るように、周沖 に対 して魯貴 は nin"を 、 四鳳 は ni"を 使 っている

:

貴 :二 少爺、修先坐下。四鳳、 (指 円卓 )体 把那張好椅子拿過来。坊 ちゃま、

お掛 け ください。スーフォン、 (円 卓 を指 して )そ のいい椅子 をこっち

沖 :(見 四鳳不説話 )四 鳳、想磨、体不舒服鳴 ?(四 鳳が黙 つているのを 見て )ス ーフォン、 どうしたの、気分で も悪いの ?

鳳 :没 有。一一 (規 規矩矩地 )二 少爺、体到這里来干甚磨 ?要 是太太知道了、

体一一 いいえ、一一 (行 儀正 し く )坊 ちゃま、なぜ ここへい らっしゃい ましたの。 もし、奥様のお耳 に入 った ら、坊 ちゃまは一 ‑ 3‑134

周沖 は、解雇 された四鳳 を励 ます うちに気持 ちが高 じて、 日頃の考 えを披露 するが、四鳳 に とってはむ しろ迷惑な発言である。ここで四鳳 は、周沖 に向かっ て 五 n"を 2度 使 う。 これが唯一 nin"が 使われ る箇所である。

不、体不是個平常的女人、体有力量、体能喫苦、 ・・・・ 中略・・我討 厭我的父親、我個都是被圧迫的人、我個是一様。一いや、君 はふつ う の女の人 とは違 うよ、能力があるし、苦労 にもめげないし、 ・・略・・

ぼ くは、父が きらいだ、君 もぼ くも虐 げられている、ぼ くたちは同 じ だ よ。

二少爺、恣渇了

EE、

我眼 恋倒一杯茶。 (靖 起倒茶 )坊 ちゃま、の どがか わいたで しょう。お茶 をお入れ しましょう。 (立 ち上がってお茶 を入れ る )

不、不要。いや、 けっこうだ よ。

不、譲我再伺候伺候 恋。いえ、もう一度 お仕 えさせて くだ さいね  3‑

137

四鳳 は日頃か ら、周沖の一方的な愛情 を疎 ましく感 じている。上の例では、

nin"を 使 うことによって周沖の過剰 な思い入れをかわ し、主人 と使用人 の身 分関係 を呼び起 こさせ ようとしている。

(20)

四鳳は、周家の兄弟のどちらからも愛され、大切にされている。彼女はただ の下女 とは明 らかに違った存在で、一方では周家での快適な立場を享受しなが ら、同時に、本分をわきまえることを信条 とする母の侍落に知 られるのを恐れ ている。そうした矛盾をよく承知 しているのが、父の魯貴 と兄の大海である。

魯貴は彼女の心理を承知の上で、執拗に周落を話題にしたがるし、大海は四鳳 を評して「周家での華やかな暮らしに惑わされ、貧しい自分の家に今ではなじ めな くなっている」 (3‑140)と 言 う。周澪 を ni"で 指示す る場面設定が大多 数であることか らは、そうした四鳳の置かれた立場が よく伝わって くる。

一方で、周沐をめ ぐって四鳳 と三角関係 にある索洵が、 ni"と nin"の 使 い 分 けの対象 になっているの と比べて も、ふた りの女性の立場の対照性 は歴然 と

している。

おわ りに

小論 は、二人称代名詞の選択使用、および二人称代名詞のい くつかの用法を 中心 に取 り上 げ、個別 に語用論的な分析 を加 えなが ら、 これ らの人称指示標識 がテクス トの流れの中でいかに指標 として機能 しているかを、劇内容 との関連 の上で分析 してみた。 もとより、人称代名詞の分析だけからは、限 られた結果 しか得 られないが、複雑な人物関係が、人称指示の用法に反映 しているような ケースについては、ある程度の特徴 を導 き出す ことがで きた と思 う。

パ ラメータを人称指示のみに設定 した今回の試みを、複数の言語標識を抽出 し、多面的・ 立体的な分析 を試みるための最初のステップ としたぃ。

<注 >       ′

1)「 雷雨」の初版 は 1934年 「文学季刊」一巻三期 に載 った もので、 1936年 化生活出版社か ら単行本 として刊行 された。作者は、新中国成立後に、序幕 と 尾声 (エ ピローグ )の 削除 を含 めて相当部分 の書 き直 しをしているが、「曹呂文 集」 は生活文化出版社版 に拠 るものであ り、序幕 と尾声 を備 えていることを含 め、書 き直 し以前の面 目を保 っている。

2)小 論では、 体 "を ni"、 "を nin"と ピンインで表記する。以下同様。

3)た だ し、子→母のふたつの例、四鳳→侍沐および周沖→索洵は、 亜 "が れぞれ 2件 見 られ る。

4)た だ し、四鳳→周沖 は、 nin"が 2件 見 られ る。どちらも同一場面で、発話 効果 をね らった用法である。詳 しくは、 3‑3節 参照。

‑227‑―

(21)

5)小 論で は、 他 "お よび 地 "を 代表 して ta"と ピンインで表記す る。た だ し、必要な場合 は漢字表記 とし、両者 を書 き分 ける。

6)引 用例の中で問題 とす る標識 については、人称代名詞 に、 ̲を 、先行

詞や呼びか け語 な どの固有名詞、普通名詞 に ===を 付 した。 また、台詞の後 の数字 は、幕番号、ページを表す

(た

とえば、 1‑11は 第一幕、 11ペ ージ )。

なお、 日本語では通常、人称代名詞の使用が回避 され ることが多いため、原文 の人称代名詞 は必ず しもそのまま訳出せず、た とえば普通名詞の使用、文体 の 差 な どの方法 によって対応 した。引用例文 の漢字 は、印刷 の都合で 日本語で通 用する漢字 に書 き換 えてある。

7)自 井 (1994)8頁 。なお、 卜書 きの充実が「雷雨」の特徴のひ とつであ り、

読 む戯 曲 としての叙述性・ 文学性が備わっている との指摘がある。

8)繁 洵以外の例 を、指示者→指示対象 (聞 き手 )で 表す と、魯貴→周不 (四 鳳

)、

大海→朴園 (魯 貴 と四鳳 )、 周沖→四鳳 の謎 の恋人 (四 鳳 )が それぞれ

1

件である。

9)牧 (1990)は 「雷雨」 をキ リス ト教的悲劇 として位置づ け、エ ピローグ と プロローグは、朴園の贖罪が描かれている点で積極的な意味 をもつ と分析 して いる。

10)吉 村 (1964)に は、四鳳が魯貴 に向かって投 げつける辛辣な言葉の挙例が ある。 165頁

11)同 じく曹呂の戯 曲「家」 (巴 金 の同名小説の戯 曲化  1942年 作)で は、 1925 年以前 とい う時代設定だが、若主人覚慧 と女中の鳴鳳 との悲恋が重要なモチー フ となって描かれている。巴金の原作では、鳴鳳 は覚慧 を ni"で 指示す るが、

曹呂の戯 曲では nin"で 指す。覚慧が次の ように言 う場面があ り、 nin"の 選 択使用が意識的 にされていることがわかる。 鳴鳳、我限体説過多少次。体為甚 磨還是 恋 "邸 、 恋 "的 称呼我 prL?"(ミ ンフォン、君 に何度 も言 っただろう。

どうして君 は僕 の ことをいつ まで も「 あなた様、あなた様」つて呼ぶんだい ?)

(曹 呂戯劇集「家」四川文芸 出版社、 1985 122頁 )。

<参 考文献 >

1)陳 松琴 1986  北京話 体 " 恣 "使 用規律初探、「語文研究」第 3期 ,24‑

31

2)董 将星 1986  中国語の対称詞 をめ ぐって、 「言語生活」 416,44‑50

3)井 波律子 1977「 雷雨」 論 ,そ の原像 を求めて一、 「金沢大学教養部論集 (人

(22)

文科学篇 )」

15、

39‑55

4)木 村英樹 1987  中国語の敬語、「言語」 Vol.16 No.8,38‑43

5)一 一一 ‑199o  漢語第二人称代詞敬語制約現象的考察、 「 中国語文」第 5期

,

344‑‑354

6)輿 水優 1977  中国語 における敬語「岩波講座 0日 本語 40敬 語」岩波書店 7)牧 陽 ‑1990  キ リス ト教的悲劇 としての曹呂の「雷雨」「 日出」「原野」に

ついて、「 日本中国学会報」 42,242‑257

8)自 井啓介 1994「 雷雨」の舞台指示一曹呂戯 曲研究への一つの模索一、「中国 文化」 52、 漢文学会 , 1‑12

9)王 力 1943‑1944  「 中国現代語法   下巻」

10)吉 村 尚子 1964  中国 における女性会話 の特徴的性格一曹呂の「雷雨」「 日 出」「北京人」 について、「 中京大学論叢 (教 養篇 )」 5,147‑170

11)張 煉強 1982  人称代詞的変換、「 中国語文」第 3期 ,182‑185

‑229‑

参照

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