学位申請論文:
タイワンコブラ(Naja naja atra)毒の
トキソイド化に関する実験的研究
( 要 旨 )
福 山 民 夫
(東京大学医科学研究所)
地球上に棲息する蛇の種類は,およそ2,800種とされこのうち約400種が毒 蛇であるが,実際に人畜に被害を与えるのは150種あまりである。世界におけ るこれらの毒蛇による咬症患者の正確な数字を把握することは,極めて困難であ るが,WHOの統計によると年間の死亡者数は30,000〜40,000人にのぼるも のと推定されている。この大部分(25,000〜30,000人目は東南アジアにおけ るものであり,中でもインド,パキスタン,ビルマ地方に多い。コブラは東南ア ジア,中近東,アフリカに亘る広い地域に分布しており,沢井等による東南アジ ア諸国に事ける蛇咬症の調査研究においても,最も高い致命率を示すのはコブラ 咬症患者であり,治療血清の注射を受ける以前に死亡する者の多いことが報告さ れ,予防接種の必要性が指摘されている。コブラ咬症の臨床症状及び毒の毒性に ついて簡単に述べると,受傷後の比較的早期にねむけ,言語障害,えん下困難,
流誕,意識障害,呼吸困難等の神経麻痺性の全身症状が主徴としてあらわれるこ とが特徴で,嘔気,嘔吐,腹痛などを伴うこともあり・激烈な症例では受傷後1 時間以内に死亡することもある。このようにコブラ毒は神経毒ではあるが,多く の咬症患者の受傷局所には限局性の壊死がみられ,中には機能障害を残した症例
も報告されている。コブラ毒には壊死因子も存在すうことが知られている。以上 のごとくコブラ咬症における症状は,神経麻痺と局所壊死である。今までにも高 力価の治療用抗毒素血清をつくる目的で,馬の免疫を行なうために種々なコブラ 毒のトキソイド化の研究が行なわれてきたが,その無毒化や免疫原性に関しては 一様に満足すべき成績は得られなかった。特に無毒化剤としてホルマリンを用い た場合には・コブラ毒の無毒化は非常に困難であり『ホルマリンでは無毒化され ない』とまで言われ,且つその免疫原性も弱いことなどから,ホルマリンによる
トキソイド化は不可能であると思われていた。またこれらの研究においては,ト キソイドの無毒化試験や免疫原性については,コブラ毒の毒性のうち致死につい てのみ検討され潔白たついては全く調べられていなかった.しか噸死活齢
見逃すことができない重要な因子であるので,トキソイド化の研究で最も重視さ れる毒の無毒化においては,致死のみならず壊死因子も充分にその毒性を失活さ せなければならない。またトキソイド接種による免疫の効果については,コブラ
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毒の強い致死作用を防御することが第一に要求される最も重要なことではあるが 同時に局所の壊死も防御できることが望ましい。しかしながらこれまで,コブラ 毒による局所病変に注目した研究報告は少なく,それも筋肉内注射によるもので 咬症患者に見られるものとは全く異なったものであった。このような理由から壊 死について検討を加えるためには,まず適当な実験方法を開発する必要がある。
著者はこのような観点から・咬症患者に見られるものと同様な病変をウサギやモ ルモットに再現すべく研究を試みたところ,後に述べるようにその芳法を見出す ことができた。
そこで今回は実験動物に作られた局所壊死の性状について詳しく検討を加え,.
且つ人体接種が可能なタイワンコブラ毒トキソイドを試作するため,ホルマリン による無毒化の条件及びその致死あるいは局所の壊死に対する抗原性について検 討した結果,確実に無毒化され,しかも優れた免疫原性を有するなど,人体に応 用することが期待できるトキソイドを作ることに成功し,かっこの研究にかかわ
る一連の実験から2,3の新知見を得参ので以下これらの概要について述べる。
1)タイワンコブラ毒による致死及び局所壊死に関する実験成績ゴ
マウスを用いて50%致死量及び最小致死量の信証を筋肉内,腹腔内及び静 脈内にそれぞれ注射し,その生死を経時的に観察した結果,静脈内あるいは腹 腔内に注射した動物のうち死亡したマウスは全て毒の注射後2時間以内であっ た。また筋肉内注射によるものでは大部分が2時間以内に死亡したが,4時間 程度生き延びたものも若干認められた。ここで発症はしていても,この時間を 耐過したマウスはその援症状は漸次消退して元気に生存する現象炉観察された。
このようにコブラ毒を注射された動物の生死は注射経路や毒量の相違にはあま りかかわらずに,毒の注入後短時間内に決足されることが明らかなった。
次に筋肉内注射及び皮内注射の二つの方法を用、・て,注射経路による局所壊 i死の差異について検討を行なった。筋肉内注射を行なった場合には,外部から の観察では皮膚表面の変化は全く認められなかったが,皮内注射では皮膚表面 に注射部位を中心として,円形に近い健康部との境界が明瞭な壊死が認められ
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た。この病変は臨床報告Ol
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や 沢 井 ら に よ る 調 査 研 究 で 観 察 さ れ た 唆 症 患 者 に み られる壊死と酷似していた。コブラ組事300mcgを ウ サ ギ の 背 部 皮 内 に 注 射 して 24時 間 自 の 局 所 病 変 を 病 理 組 織 学 的 に 観 察 し た と こ ろ , 表 皮 は 萎 縮 し て 皮 下 に 好 中 球 の 限 局 的 穆 出 が み ら れ た 。 ま た 皮 下 は 一 般 に 水 腫 性 で 皮 下 筋 層 の 融解壊死が認められた。このような組織学的変化は, 20 Omcgを モ ル モ ッ トの皮内に注射してから 2時間後の比較的早期の病変においても同様であった。
こ れ ら の 組 織 に は い ず れ も 出 血 は 全 く 認 め ら れ な か っ た 。 種 々 な 毒 量 を ウ サ ギ や モ ル モ ッ ト の 皮 肉 拡 注 射 し て , そ の 大 き さ を 経 略 的 に 践 定 し た 或 績 に お い て も,注射後 1~2 時間で形成された壊死は,時男が経過してもその大きさはあ
ま り 変 ら な い 傾 向 が み ら れ , 局 所 の 壊 死 は 毒 の 注 入 後 の 早 い 時 期 に 形 成 さ れ る こ と が 明 ら か に さ れ た 。 ま た こ の よ う な 組 織 の 障 害 は , タ イ ワ ン コ ブ ラ 毒 の 主 要な致死活性物質として精製されたコブロトキシンでは全く観察されなかった。
以 上 の よ う に コ ブ ラ 攻 症 患 者 に み ら れ る 局 所 壊 死 と 酷 似 し た 壊 死 を 毒 の 皮 内 注 射 法 に よ り , 実 験 動 物 に 容 易 に つ く る こ と が で き , そ の 性 状 を 明 ら か に す る こ
とができた。そこで今までのコプラ毒のトキソイドイじの研究においては,無毒 匙 試 験 や ト キ ソ イ ド の 免 疫 原 性 に 関 す る 試 験 は い ず れ も 致 死 毒 性 に つ い て の み 追究されてきたが,本報においては壊死毒性についても検討が加えられた。
2) タ イ ヲ ン コ ブ ラ 毒 の 無 毒 化 に 関 す る 実 験 成 績
こ こ で は タ イ ヲ ン コ ブ ラ の 粗 毒 を 用 い , 毒 濃 震 を 1
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としてホルマリンによ る無毒イじの条件について検討した。毒溶液に 0.4%にホルマリンを加え,pH7.0で37・0において無毒イちした場合は, 7日闘には完全に無毒化したが,
0.2 %ではやや遅れ 14日闘であった。 また 0.1%以下では無毒イじされなかっ た。次に0.2% の ホ ル マ リ ン を 含 む 毒 落 渡 のp廷 を 変 え て 行 な っ た 実 験 に つ い て述べると,溶液の予廷が8.0の ア ル カ 守 偲 で は5日 呂 で そ の 毒 性 は 完 全 に 失 なわれたが, pHが7.0では14日 目 で も ま だ 若 干 の 毒 性 が 残 さ れ て お り , 21 日目で無毒化された。これに対して pHが5.0, 6.0の 酸 性 側 で は , ホ ル マ リ γを添加した当初にやや毒性の低下がみられたにすぎず, 5酒後でも無毒{己さ
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れ な か フ た 。 し か し な が ら こ の よ う な 場 合 で も , ホ ル マ ザ ン 濃 度 を 高 く す れ ば 無 毒 匙 を 促 進 さ せ る こ と が で き た 。 す な わ ちpH6.0の 毒 溶 液 に ホ ル マ リ ン を O. 8 %に添加すると, 5遇後には無毒化されたが, 0.4% の 濃 度 で は ま だ か な り の 毒 性 が 残 さ れ て い た 。 こ の よ う に タ イ ワ ン コ ブ ラ 毒 を ホ ル マ リ ン で 処 理 す る 場 合 に は , 粗 毒 溶 液 の pHとホルマザンの濃度が相互に密接な役割を演じ,
溶 液 のpHあ る い は ホ ル マ リ ン の 濃 度 が 高 い ほ ど , 無 毒 化 の 時 間 が 短 か く な る こ と が 明 ら か に さ れ た 。 し か し い ず れ の 場 合 で も 無 毒 化 の 途 中 で , そ の 溶 液 中 に 多 量 の 白 色 の 沈 降 物 が あ ら わ れ る こ と が 特 徴 的 で あ ヲ た が , コ ブ ロ ト キ シ ン で は こ の よ う な 沈 麓 物 が 生 乙 な い こ と か ら , 組 議 に よ っ て 生 ず る 沈 毅 物 は , 致 死 因 子 と は 無 関 長 な も の と 思 わ れ た 。 一 方 で は コ ブ ラ 審 に は 致 死 以 外 に 壊 死 を 起 す 園 芸 も 含 ま れ て い る こ と か ら , 毒 素 の 一 部 に 変 性 を も た ら す よ う な 無 毒 化 の 方 法 は , こ れ ら の 免 疫 原 性 を で き る だ け 損 な わ な い た め に も 避 け た 方 が よ い 。 そ こ で 蛋 白 保 護 荊 と し て 各 種 む ア ミ ノ 酸 す な わ ち グ リ シ ン , グ ル タ ミ ン 稜 , ァ
ラニン,アルギニン,リジン等について検討した。 1'7'0の 粗 毒 溶 液 に ア ミ ノ 酸 を0.05Mに加え,毒溶液の pHを6.5としホルマリンを O.2 %ずつ4‑5日間 隔で徐々に加え, 37・0に お い て 無 毒 化 し た と こ ろ , リ ジ ン 塩 酸 塩 ま た は アJレ ギニγを 含 む 溶 液 に は 沈 降 聴 は 全 く 出 現 し な か っ た が , そ の 他 の ア ミ ノ 酸 を 担 えたものには,無添加の対照と国議に多量の担い誌澱拐が形成された。
次 に リ ジ ン 塩 酸2簡を0.05Mの 濃 度 に 含 む 1%粗 毒 溶 液 に 最 初0.2%にホルマ リンを加え,以後5日間隔で3回 添 加 し て , 溶 液 の pHを6.5に保ちながら37 '0で 無 毒 化 し た と こ ろ , 壊 死 活 性 は 13日百で消失し,致死活性も 20百自に は 完 全 に 不 活 化 さ れ た 。 従 来 タ イ ヲ ン コ ブ ラ 毒 の ホ ル マ リ ン に よ る 無 毒 化 は , 非 常 に 困 難 で あ る と さ れ て い た が , 無 毒 化 の 条 件 に つ い て 種 々 検 討 し た 結 果 , 比 較 的 綾 和 な 条 件 の も と で も , 致 死 因 子 の み な ら ず 壊 死 因 子 も 確 実 に 再 現 性 よ
く無毒化することができた。
3) コ ブ ラ 毒 ホ ル マ リ ン ト キ ソ イ ド の 免 疫 原 性 に 関 す る 実 験 成 績
タ イ ワ ン コ ブ ラ 粗 毒 を ホ ル マ リ ン 処 理 す る と 多 量 の 抗 降 物 が 生 ず る が , コ ブ
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ロ ト キ シ ン で は あ ら わ れ な い こ と か ら , 致 死 因 子 の 主 要 な 免 疫 震 は 上 溝 に 害 在 す る こ と が 示 唆 さ れ た 。 そ こ で こ の 沈 澱 及 び 上 清 部 分 を 免 疫 原 と し て モ ル モ ッ
トに接種し,両分画の免疫原性の比較を試みたところ,上清を注射したモルモ ッ ト が 詑 澱 を 免 疫 原 と し た も の に 誌 較 し て 出 中 抗 毒 素 価 も 高 く , 蔀 接 毒 の 攻 撃 に 対 し て も よ り よ い 致 死 防 御 や 延 命 効 果 を 示 し た 。 し か し な が ら 沈 澱 物 で 免 疫 したモルモット群も無処理対照群に比較して救命効果や延命効果が認められ,
若干の免疫原は沈澱分画にも移行していることが示された。
次 に ア ミ ノ 離 を 漆 加 し て 沈 設 の 形 成 を 防 い だ 糧 毒 及 び 属 製 毒 ト キ ソ イ ド む 免 疫 原 性 に つ い て 検 討 し た 。 精 製 は 硫 安 分 画 法 で 行 な っ た 結 果 蹟 製 毒 の 比 活 性 は 4. 6倍 に 上 昇 し た 。 そ こ で1 %の 組 毒 及 びO.5 %の精製毒溶液をつくり,それ ぞ れ の 毒 液 に0.05Mに リ ジ ン 塩 酸 塩 を 加 え , さ ら に ホ ル マ リ ン を0.2% ず つ 4,.......6 8関 需 で5毘 添 加 し .pHを6.5 ~こ保ちながら無毒也して抗澱のない透 明 な ト キ ソ イ ド を 得 た 。 そ こ で1回の接種最を 2m gと定め. 3週 間 隔 で4回 ウ サ ギ の 皮 下 に 注 射 し た 。 両 ト キ ソ イ ド の 免 疫 群 の 血 中 抗 致 死 価 の 平 均 値 を 血 清 0.411ltが 中 和 し た 器 量 で あ ら わ す と 組 毒 ト キ ソ イ ド は 23.3mcg ( 3.3 M LD.) で あ っ た が , 精 製 毒 ト キ ソ イ ド 免 疫 群 でtま42.5mcg ( 6.1認LD)で爵者に比し て約1.8倍 高 い 抗 体 部 を 示 し た 。 次 に 粗 毒 及 び 窮 製 毒 ト キ ソ イ ド 群 の 中 か ら 比 較 的 高 い 血 中 抗 毒 素 価 を 示 し た ウ サ ギ を , そ れ ぞ れ 212!!ずつ選び,抗壊死価の 爵j定を行なったが,いずれのウサギからも壊死中和抗体は検出きれなかった。
次にこれらのウサギに1.8呼 か ら 最 高 14呼 の 粗 器 を 筋 肉 内 に 注 射 し 致 死 訪 御 効果を観察したが,全てのウサギは生煩った。これに対して1.3呼 の 毒 を 注 射 し た 対 照 の ウ サ ギ は 全 部 死 亡 し た 。 こ の よ う に 優 れ た 致 死 防 御 能 を 示 し た ウ サ ギも,毒の直接皮内への攻撃に対しては壊死の発住を防ぐことはできなかった。
こ れ ま で 述 べ た 免 疫 原 性 に 興 ず る 実 験 に お い て は い ず れ も 拐 昌 該 種 時 に フ ロ イ ン ト ・ ア ジ ュ バ ン ド を 用 い た が , こ こ で は 沈 降 ト キ ソ イ ド の 免 疫 原 性 に つ い て述べる。 1% 粗 毒 溶 液 に リ ジ ン 塩 酸 植 を 加 え , 前 に 述 べ た と 同 様 な 条 件 で 無 毒 犯 し た ト キ ソ イ ド 溶 液 に , 塩 抱 ア ル ミ ニ ウ ム 及 び リ ン 酸 ナ ト リ ウ ム を 加 え て 1 1J!t中 に 21119のコブラ毒と 1呼 の ア ル ミ ニ ウ ム を 合 む 詑 降 ト キ ソ イ ド を 作 製 し
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た。1回の接種量を2瑚・.1㎎・0.5瑚と定め・1群7羽のウサギに3週間隔 で4回皮下注射して,血中の抗毒素価を調べた。その抗体価は,血清1認が原 毒を中和する致死活性であらわすと・その平均値はそれぞれ1α8・10・4・5・2
LD 50の争力を中和した。またこれらのウサギに直接2昭〜16町の無毒を筋 肉内に攻撃して,致死防御ならびに延命効果などを観察すると同時に,血中抗 体価とこれらとの関連について検討したところ,血清1認が5LD50の毒力を
中和すればそのウサギは2〜4㎎の攻撃に耐え,また血清が10LD50を中和 した場合には・4ML,Dに相当する8解の毒の攻撃にも耐えることが明らかに され,優れた致死防御と延命効果が観察された。
以上のようにコブラ咬症による死亡や局所の壊死を最小限に留めるための予防 を目的として,タイワンコブラ毒トキソイドを開発すべく実験を行なった結果,
本研究によりはじめて人体接種が可能なトキソイドを得ることができた。
またこの研究を進める過程で明らかにされた主な新知見を説明すれば次のよう に要約することができる。
(1)タイワンコブラ毒のホルマリンによる無毒化では,毒素溶液のpHやホルマ リンの濃度が,重要な役割を演じていることを明らかにすることができた。
② 粗面をホルマリンで無毒化する場合には・その毒性が完全に失わ航るまでに 乏の溶液中に多量の沈降物を生ずるのが常であったが,タイワンコブラ毒の致 子因子であるコプロトキシン溶液には現れ塗いこと・またこのような沈降物は リジンあるいはアルギニンを添加することにより・防止することができること を明らかにした。
(3)粗毒溶液中にリジン塩酸塩を加え・37℃で・pHを6・5に保ちつつ・ホルマ リシを0.2%ずつ4〜6日間隔で添加し,徐々に増量するなど比較的緩和な条 件の下でトキソイド化を行なっても,致死,壊死の両因子とも確実に無毒化で きることを実証し,その免疫原性も高いことから,タイワンコブラ毒ホルモー ルトキソイドを得るための,トキソイド化の一つの方法を提示することができ
た。
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(4)直接毒の攻撃に対して・致死防御に必要な免疫動物の血中抗毒素価を知るこ とができた。
㈲ タイワンコブラ毒の致死作用の特徴を明らかにした。
(6) コブラ咬症患者にみられる壊死と酷似した壊死をウサギやモルモット等の実 験動物に容易に作る方法を見出し,今までほとんど知られていなかった局所壊 死の特徴を明らかにすることができた。
特に局所壊死に関する実験方法を開発しだことにより・この面での研究が大 いに進展することが期待される。一方では優れた免疫原性を保持するトキソイ ドが作られたことにより,高単位の治療用抗血清を得るための馬の免疫が容易 に行なわれるばかりでなく,将来トキソイドの人体接種が有望である。これら のことから,本研究はタイワンコブラのみならず,他のコブラ咬症の治療や予 防の前進に大きく貢献するものと信じる。』
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