• 検索結果がありません。

【 問題 と目的】

N/A
N/A
Protected

Academic year: 2021

シェア "【 問題 と目的】"

Copied!
2
0
0

読み込み中.... (全文を見る)

全文

(1)

〔 修士論文要旨〕

【 問題 と目的】

自閉性 障害児 (者 )は 生涯 にわたつて様 々な支 援 を受 ける必要 とその機会 があ るが ,  どの よ うな 施設 に よる保育や療育 ,生 活支援 な どの支援 を選 択す るに して も ,  自開性 障害児 (者 )本 人 に とつ

て一番身近な支援者 としての存在 は養育者 である 親 では ないだ ろ うか。 西 田 (2011)が ,  自閉性 障害児 に対す る早期介入・早期療 育の有効性 につ いて専門家 と親の認識の共有を挙げているよ うに

,

療育 とい う観 点で も親 の存在 は重要 なもの となっ てい る と考 え られ る。

渡部 。岩 永 。鷲 田 (2002)に よれ ば ,対 人 関 係 の障害や知的障害 を持つ児 の母親 の育児 ス トレ ス と疲労感 は健常児や運動障害 を主体 とした児 の 母 親 よ り も高 い と述 べ て い る。   山 岡 。中 村

(2008)は ,「 高機 能広汎性 発 達 障害児 の父親 が 最初 に子 どもの問題 に気付 いた時期 は平均 して 4 歳 であ り ,母 親 よ り気付 きが遅 い こ とを明 らかに

してお り ,障 害認識 においては否定的感情 のみ を 抱 く人が多い」 と述べてい る。 この よ うに ,  自開 性 障害児 (者 )の 母親 と父親 は ,  自分 の子 どもに 障害があるとい うことにシ ョックを受 けなが らも

,

それ を徐 々に受 け止 め ,子 どもに向かい合 ってい るのではないだ ろ うか。

二木 。山本 (2002)は ,障 害 の告知 と受 容 の 観 点か ら親 の会 な どのセル フケア グループの果 た す役割 の重要性 を示唆 してお り ,母 親 に とつて親 の会は重要なサポー ト源 となってい る。

一方 で ,父 親 に とつて も三原 (2004)が ,  自 閉症の子をもつ父親 の診断のシ ョックが少 な くなっ たのは ,  自開症 をもつ親 の会 に参加 していた こと によるとして ,自 助 グループが大 きな精神 的サポー トとな り ,そ の重要性 を示唆 してい る。そ うであ るに も関わ らず ,井 (2008)が 指摘 して い る

よ うに様 々な疾患や課題 の親 の会 についての研究

自閉性 障 害 児 (者 )親 の会 に所 属 す る母 親 と父 親 に関す る 臨床 心 理 学 的研 究

― 親の会が主催する活動への参加プロセスを通 して一

松   岡 拓

は多 くない。   こ うした こ とか ら ,  自閉性 障害児

(者 )の 親 の会 につ いての研 究 を行 うこ とは意義 があることだ と思われ る。

また ,こ れ まで親 の会 はサポー ト源 の一つであ る とい う結果 に終わることが多 く ,会 員 であ る親 の側 か らの視点で親 の会 を扱 った先行研究はほ と ん ど無 い。 山岡 。中村 (2008)が ,高 機 能 広汎 性発達障害児 の母親 と父親 それ ぞれ で ,障 害認識

の相違 を見出 してい るよ うに ,こ の親 の側か らの 親 の会への視′ れにおいて も異 な ると考 え られ る。

さらに, 金子 (1978)や 宮本 (1988)が 自閉 症親の会の発展過程や活動や歴史の紹介 を してい るよ うに ,  自開性 障害児 (者 )親 の会では様 々な 活動 が行 われ てい る。 こ うした親 の会 が主催す る 活動 に参加 してい くこ とによつて ,親 は様 々なサ ポー トを得てい るのではないか と考 え られ る。

また ,山 (2008)に よれ ば ,発 達 障害児・

者 の親 の会 に入会 した多 くの親 において ,子 ども への対応が望ま しい方向に変わってきている。 こ の よ うに ,親 の会 に入会 した親 には何 らかの変化 が生 じてお り ,入 会前 か ら入会後 にかけて ,時

の経過 によつて変化す る面があるとい うプ ロセス としての要素があると考 え られ る。その中で も特 に ,親 の会 が主催 す る活 動 へ参加 す るプ ロセ ス

(事 前 のアナ ウンスが あってか ら活動 に参加 し

,

参加 を終 えるまでのプ ロセ ス :以 下 ,参 カロプ ロセ

ス )に 何 らかの特徴 が見 られ るのではないか と思 われ る。

そ こで ,本 研 究では ,  自閉性 障害児 (者 )親

会 に所属す る母親 と父親 にお ける ,  自開性 障害児

(者 )親 の会 が主催す る活動へ の参加 プ ロセ スを 明 らかにす ることを 目的 とす る。

【 方法】

研究協力者 は A県 自閉症協会 (以 下 ,『 親 の会』

)

会員 とした。探索的な研 究で ある点や ,研 究 の蓄

‑62‑

(2)

積 がな され ていない分野であるこ とか らも質的研 究 に よるアプ ローチ を採用 した。

デー タの収集 では ,イ ンタ ビュー・ガイ ドを作 成 し ,半 構造化面接法を用いてイ ンタビューを行 っ た。 イ ンタ ビュー・ ガイ ドの内容 につ いては

,

『 親 の会』 会長 と話 した内容 を参考 に し ,大 学院

生 との ロール プ レイ を通 して作成 した

c

2012年 8月 に『 親 の会』会長 の協力の下 ,会 員 に向けて研究協力の依頼を郵送 した。インタビュー は返信 の あった会員 であ る母親 7名 父親 6名13 名 に対 して, 2012年 9月 か ら 10月 にか けて , X心

理 臨床相談セ ンター及び ,協 力者 が希望す る場所 で行 った。

研 究協力者 の属性 等 につ いては ,母 7名 (平

均年齢 48.4歳 )で あ り ,そ の うち専業主婦 が 3名 でそ の他 はパー ト等であった。 父親 は 6名 (平 均 年齢 55.8歳 )で あ り ,そ の うち定年 による無職 が 2名 お り ,そ の他 は会社員等であった。 また ,夫

婦 で の協 力 が4組 あ つた。『 親 の会』 の入会年数 は ,1年 未 満 が 2名 ,1〜 5年 が 5名 ,6〜 10年 が 2

名 ,10年 以上が 4名 で あつた。 障害 をもつ子 ども の平均年齢 は重複 を除 くと 19.8歳 であ り ,小 学生 4名 ,20歳 以上が 5名 とやや偏 つた。

デー タの分析には ,修 正版 グラウンデ ッ ド・セ オ リー・ アプ ローチ (以 下 ,M― GTAと 略す

)

を用 いた。 M― GTAは デー タに密着 した分析か ら独 自の理論 を生成す る研 究法 と して考案 された グラウンデ ッ ド・セオ リー・ アプ ローチの一つで あ り ,木 下 (2003)に よつてそ の方 法論 が確 立 され てい る。

【 結果 と考察】

分析 にはイ ンタ ビューで得 られ た全ての研究協 力者 のデー タを用いた。母親のデータ分析の結果

,

10の カテ ゴ リー ,37の 概 念 が生成 され た。 父親 のデー タ分析 の結果 ,11の カテ ゴ リー ,27の 概 念が生成 され た。 そ して母親 と父親 それぞれ で

,

『 親 の会』 力` 主催す る活動への参加 プ ロセ スが生 成 され た。

明 らかに され た参加 プ ロセスでは ,  自閉性 障害 児 (者 )の 母親 は『 親 の会』が主催す る活動 に対 して ,出 来 る限 り参加 す る とい うものか ら自分 の

自開性障害児

(者

)親 の会に所属す る

1■

親 と父親に関す る臨床心理学的研究   松岡拓

子 どもに合 った ものだけを選択 して参加 す る とい うものまで ,様 々な参加 の仕方で臨んでお り ,  自 分 自身や子 どもの体調 な どに合 わせ ,将 来への見

通 しをもつて活動 に参加 していた。 また ,活 動 に 参加す ることで母親 は ,他 の親 との関わ りや子 ど もの観 察 に よつて母親 自身や父親 ,子 どもに変化 があることや ,居 心地の良 さを感 じた り ,活 動 に 対 して今 ひ とつ とい う思い を抱 くのではないか と 考 え られ た。

自開性 障害児 (者 )の 父親 もまた『親 の会』が 主催す る活動 に対 して ,若 い父親 に 自分の経験 を 伝 えてい こ うとい う態度や 出来 る限 り運営の手伝 いを しよ うとい う協力姿勢 な ど ,様 々な参加 の仕 方で臨んでお り ,子 どもの体調 に合わせ ,活 動参

加への見通 しをもつて参加 していた。活動 に参加 す るこ とで父親 は母親や子 ども ,  自分 自身 に変化 が あ るこ とを感 じ ,『 親 の会』 に対す る居 心地 の 良 さを感 じていた り ,活 動 が今 ひ とつ とい う思い を抱 いていた。母親 と異なる点 として ,『 親 の会』

の運営な どの組織面に着 目している姿が明 らかに なった。

全体 を通 して ,母 親 は父親 に比 して子 どもの こ とを良 く考え ,子 どものために活動 に参加 してい る部分が強 く ,父 親 は子 どものた めだ けでな く

,

母親 を支 える姿勢 をもつて活動 に参加 している面 があるよ うであつた。

この明 らかになった参加 プ ロセスによって ,例

えば親 が困つた ときに『親 の会』が頼れ る存在 に なつてい ることな ど,  どの よ うな点がサポー トに な つてい るのか想 定 出来 る点や ,『 親 の会』 に入 会 しない理 由や退会 してい く理 由について考 える

ことが出来 るのではないか と考 え られ る。

一方で ,今 回の結果 は ,対 象 と した『 親 の会』

とその会員 に限定 された参加 プ ロセスである可能 性や ,子 どもの年齢 によつて生成 され る参加 プ ロ セ スが違 うのではないか とい うことが限界や課題 として挙 げ られ る。 また ,経 年 に よる参加 プ ロセ ス 自体の変化や ,他 の発達障害児 (者 )親 の会 の

参加 プ ロセ ス との差異 に も着 目す る必要 がある と 思われ る。

‑63‑

参照

関連したドキュメント

 介護問題研究は、介護者の負担軽減を目的とし、負担 に影響する要因やストレスを追究するが、普遍的結論を

目的 今日,青年期における疲労の訴えが問題視されている。特に慢性疲労は,慢性疲労症候群

例えば,立証責任分配問題については,配分的正義の概念説明,立証責任分配が原・被告 間での手続負担公正配分の問題であること,配分的正義に関する

例えば,立証責任分配問題については,配分的正義の概念説明,立証責任分配が原・被告 間での手続負担公正配分の問題であること,配分的正義に関する

研究計画題目.

*課題関連的訓練(task-related training)は,目的志向的訓練(task-oriented

2.シニア層に対する活躍支援 (3) 目標と課題認識 ○ 戦力として期待する一方で、さまざまな課題も・・・

おそらく︑中止未遂の法的性格の問題とかかわるであろう︒すなわち︑中止未遂の