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小型トカマクプラズマの水平位置フィードバック制 御システム

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小型トカマクプラズマの水平位置フィードバック制 御システム

著者 水野 保則

雑誌名 静岡大学大学院電子科学研究科研究報告

巻 23

ページ 115‑117

発行年 2002‑03‑29

出版者 静岡大学大学院電子科学研究科

URL http://hdl.handle.net/10297/1458

(2)

氏名 。

(本

籍 )   水    野    保    則 (静 岡県

)

学位 の種 類         (工   学

)

学位 記 番 号    工博乙第   92   号 学位授与の日付    平成 12年 4月 26日

学位授与の要件    学位規貝 1第 4条 第 2項 該当

学位論文題目   J` 型 トカマクプラズマの水平位置フィー ドバ ック制御 シス テム

論 文 審 査 委 員    (委 員長

)

教 授 窪 野 隆 能   助教授 犬 塚   博 教 授 渡 邊 健 蔵   教 授 染 谷 太 郎 教 授   市 り │1  

論 文 内 容 の 要 旨

次世代の発電をめざして核融合研究が行われている。核融合エネルギ実現のためには高温 0高 密度 のプラズマを一定時間以上容器内に閉じこめ、十分な熱核融合反応を起こさなければならない。 トカ マクはプラズマ閉じ込め実験装置の一つである。小型 トカマク装置は核融合反応を生 じないが、プラ ズマ制御やプラズマ物理を研究する。小型 トカマク装置は小型であるがゆえに装置固有の問題を有す る。小半径の小 さい小型装置において、   トロイダル ドリフ トによって生成粒子は短時間で トーラス真 空容器外壁 に到達 し消滅する。 さらに、生成後 もプラズマは磁気圧勾配やプラズマ圧力によって生 じ

る外向 きのフープカによって高速に外向 き変位する。本研究の HAMANA― Tは 世界的に研究 されてい る小型 トカマク装置に比べ さらに主半径や小半径力Ⅵヽさい。その上厚肉シェルを持たないので、荷電 粒子はより高速に外向き変位する。電子温度・密度などのプラズマパラメータを計測する場合、プラ ズマは トーラス真空容器中心付近に長時間安定に閉 じ込める必要がある。

本研究は、 HAMANA… Tの 高速 に外向き変位するプラズマを トーラス真空容器中心付近に生成 し、

プラズマ水平位置 を検出、フイー ドバ ック制御 して長時間安定に留めることにある。そのため、初期 プラズマの基本垂直磁界印加 タイミング制御回路、矩形垂直磁界発生回路、制御垂直磁界発生用デイ ジタル ドライブ回路およびプラズマ水平位置 フイー ドバ ック制御回路を研究・開発することによって システムを構成する。

本研究によって、プラズマを トーラス真空容器内に生成 し、 トーラス真空容器中心付近に安定に閉 じ込めることに成功 した。 このことにより、プラズマ電流持続時間が伸長 し、後のプラズマパラメー

H5‑

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夕の計測お よび二段 ジユール加熱実験 に重要な役割 を果た している。

本論文は次の7章 お よび付録で構成 されている。

1章 「序論」では核融合研究の現状 と小型 トカマク装置の意義、 L蝸 麒NA―Tの研究のねらいを述べ ている。

第2章 は本研究用に組み立てられた実験装置 HAMANA― Tお よびШに ついて述べ る。 HAMANA¨ Tは 装置本体 ・電源系 ・排気系 お よび計測系 か ら構成 されてお り、   トー ラス真空容器 の大 きさは

HAMANA― Tの 場合、主半径 20[cm]0リ ミタ半径

3.5[cm]、

TIIの 場合主半径 23[cm]0リ ミタ物 。 25 [cm]で ある。

第 3章 は 「初期 プラズマの基本垂直磁界印加 タイミング制御」について述べている。基本垂直磁界の 印加 タイミングを制御するプラズマ同期パルスは、プラズマ生成時の微弱な放電発光をフォトマルで 検出 し、直ちにパルス化することによって得 られる。プラズマ同期パルスを基準 として、基本垂直磁 界がプラズマに印加 されれば、変流器一次電圧印加か らプラズマ生成 までの遅れは 100[μ s]か ら24

[ハ

]に 、ジッタの標準偏差は

48[μ

s]か ら

7[μ

s]に 減少する。プラズマ同期パルスにより、基本垂直磁 界の所望の効果がプラズマ生成期 に得 られる。

第4章 は 「矩形垂直磁界発生回路」について述べている。矩形垂直磁界回路はそれまでのクローバ回 路 に代わって考案 された。矩形垂直磁界回路は複数のコンデンサに充電 された電荷 を、   トランジスタ を介 して同時に定電流放電する。矩形垂直磁界回路の電流出力波形は、同 じ並列コンデンサ容量 を持 つクローバ回路 に比較 して、電流上昇率は大 きく、電流下降率はほぼ零である。

5章 は陥

J御

垂直磁界発生用デイジタル ドライブ回路」について述べている。 ドライブ回路は、 コ ンデンサ、コンパ レータ、 トランジスタからなるユニ ットを正負 10ユ ニ ット組み合わせて構成 され る。それぞれのユニ ットはコンパ レータを組み合わせて構成 されるリエアレベルセンサの指示にした がって動作 し、出力電流の大 きさはデイジタル的な階段状 に変化する。 ドライブ回路がプラズマ水平 位置制御回路 に組み込 まれ動作 した結果、プラズマ水平位置を トーラス真空容器中心付近に安定に制 御す る。 この とき、プラズマ電流 は2.79[kA]か ら2.94[kA]に 増大 し、プラズマ電流持続時間は

1.64

[ms]か ら 2.26[ms]ま で伸長する。

第6章 は 「プラズマ水平位置 フイー ドバ ック制御 システム」について述べている。 プラズマ水平位置 を生成初期から制御するプラズマ水平位置フイー ドバ ック制御 システムは、プラズマ位置を検出する 磁気プローブとロゴスキーコイル、それら演算のための積分回路、水平変位演算回路、プラズマ水平 位置設定回路、 PID十J御 回路、 ドライブ回路および制御垂直磁界 コイルか ら構成 される。この制御 シ ステムによって、プラズマ水平変位の変動幅は3.5[cm]か ら o.5[cm]に 縮小 し、   トーラス真空容器の内 側領域 においてプラズマ生成初期か ら水平位置 を正確 に設定することが可能になる。

第7章「総括」では、各章で得 られた結論 を総括 している。

付録 Aは 著者 らが開発 した垂直磁界電源用 トリガギャップスイッチを提案 している。 この トリガ ギャップスイッチの使用電圧範囲は1.25[kV]か ら 4.0[kV]と 低 く、 しか も自爆放電や不始動が発生 し ない。

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論 文 審 査 結 果 の 要 旨

制御熱核融合発電の炉心プラズマを実現する トカマク装置は経験則から極めて大型に設計 されてい る。 しか しプラズマの輸送現象、閉じ込め、計測および位置制御等は小型 トカマク装置においても研 究で きる。環状 プラズマは外向 きに変位する傾向を持つので、この変位朋 を検出 しその復元のため に垂直磁界 を印加する水平位置フイー ドバ ック制御 システムが必要である。このシステムは小型装置 においては高速動作 を強いられ、技術面に困難であるためにあまり成功 していない。当研究では、極 く小型な トカマク装置用 にこの制御システムを開発 し、プラズマを中心位置により長い時間にわたっ て保持で きるようにしている。

1章 は緒論であ り研究の背景 と目的を述べている。

第2章 は研究に用いた小型 トカマク装 ELHAMANA― T(改造Ⅲ )の 説明である。装置は主半径力池 0(23)

[cm]、

小半径が

5。

6(5.4)[cm]で あ り、変位 Mの 復元 を助ける導電性シェルを備 えないので、制御 シ ステムヘの精度要求は一層厳 しい。

3〜 5章 は垂直磁界の印加 タイミング回路、矩形垂直磁界の発生回路および制御用垂直磁界の電流 駆動 (デ イジタル ドライブ )回 路の開発 をそれぞれ述べている。タイミング回路はプラズマ生成時の微 弱発光 を光電子増倍管で捉え、発光に同期 して磁界の印加 タイミングパルスを発生する。基本垂直磁 界はこのパルスによリプラズマ生成から約

25[μ

s]以 内に確実に印加 され、その効果を発揮で きる。矩 形垂直磁界の発生回路は複数の基本ユニ ットから構成 され、各ユニットは充電コンデンサ、入カ レベ ル識別 コンパ レータ、その出力に応 じてコンデンサを放電させる定電流 トランジスタおよび保護抵抗 からなる。入カ レベルに比例する数のコンデンサが同時に放電 し、殆 ど減衰 しない矩形磁界を発生す る。この磁界は従来のクローバ回路の減衰形磁界 よりもプラズマを中心位置に長 く保持できる。ディ ジタル ドライブ回路 も多数の上記基本ユニ ットから構成 され、入カ レベルに応 じた数のコンデンサを 放電 させデイジタル

(階

段状 )電 流 を出力する。この回路 は5[ms]の 間に約±45[A](〜 10帥陀 ])を 出 力で きる。

第6章 は前章 までに開発 した回路 を軸 に総合水平位置制御 システムを述べている。 このシステム は、アナログ回路 により磁気プロープ信号から詔 を演算 し、PID制御回路を介 してこれを上記デイジ タル ドライブ回路 にフイー ドバ ックし、諸種の擾乱 に対 してプラズマを設定位置に保持する。このシ ステムはプラズマ電流の持続時間を 1.6[ms]か ら 2.3[ms]に 伸長 し、 Mの 変動幅を3.5[cm]か ら

o。

5[cm]

に縮小 した。

第7章 は総括 である。付録では垂直磁界 のコンデ ンサ電源回路 のために考案 した低気圧 トリガ ギャップスイッチを説明 している。

当論文の研究は、極 く小型な トカマク装置用の垂直磁界の発生 と印加のために特徴ある回路 を開発 して上述のシステムにまとめ上げ、プラズマ位置制御 を成功 させてお り、博士

(工

学 )の 学位 を授 ける に値する。

H7‑

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