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ROCKY NOTE 血球貪食症候群 (130221) 完全に知識から抜けているので基本的なところを勉強しておく HPS(hemophagocytic syndrome) はリンパ球とマクロファージの過剰な活性

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Academic year: 2021

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血球貪食症候群(130221)

完全に知識から抜けているので基本的なところを勉強しておく。  HPS(hemophagocytic syndrome)はリンパ球とマクロファージの過剰な活性化が持続し、制 御不能なサイトカイン過剰産生に陥る高サイトカイン血症が共通病態である。活性化した組 織球は血球を貧食し、臓器に浸潤する。1)  血球貧食症候群は元来病原体や障害を受けた血球等を貪食する機能を持つ組織球がサイ トカインの影響を受け制御機能を失い無秩序に異常増殖および活性化することにより引き起 こされる一連の症候群である。2)  血球貧食症候群(hemophagocytic syndrome:HPS)はさまざまな原因により正常な免疫反 応が破綻し、過剰に産生されたサイトカインによって、発熱、血球減少、肝機能異常、凝固異 常などを呈し、骨髄、肝、脾でのマクロファージの増殖と血球貧食像を特徴とする。3)  血球貧食症候群(HPS)は、単一遺伝子病として、また感染症、膠原病や悪性腫瘍の合併症 として発症する。1)  HPS を、基礎疾患と誘因から「原発性・遺伝性」と「続発性・後天性」に分類する。  小児では EB ウイルス関連、成人ではリンパ腫関連が多い。1)  成人発症 FHL も見つかり、EBV-HLH 成人例の報告も増加している。(FHL:家族性血球貪食

症候群 familial hemophagocytic lymphohistiocytosis 、HLH:血球貪食性リンパ組織球症 hemophagocytic lymphohistiocytosis)1)

 続発性には、脂肪製剤・抗痙攣薬などによる薬剤性のものがある。3)

 EBV とリンパ腫が日本の HPS における主な背景因子である。3)

 感染症関連血球貪食症候群(infection-associated-HPS/HLH:IAHS):あらゆる病原微生物

が IAHS の発症原因となり得るが、ウイルスが圧倒的に多くウイルス関連血球面食症候群 (virus-associated hemophagocytic syndrome:VAHS)はよく知られるところである。2)

 EBV-HPS/HLH は最も頻度が高く、重症化し急激な経過をたどる疾患である。2)

 リンパ腫関連血球貪食症候群(lymphoma-associated hemophagocytic syndrome:LAHS): Ishii らの全国調査によると LAHS の疾患別頻度は 19%と IAHS に次いで高く、15 歳以上の症 例では 192 例中 84 例と最も高頻度に認める。2)

 自己免疫関連血球貧食症候群(autoimmune assoeiated hemophagocytic syndrome):全 国調査では 9.3%の症例に認めている。基礎疾患として全身性エリテマトーデス(systemic erythematosus:SLE)、成人発症型スティル病(adult onset Still’s disease:AOSD)が代表 的であるが、関節リウマチ、若年性特発性関節炎、混合性結合組織病、強皮症等でも報告さ れている。2)

(2)

(参考文献 1 より引用) (参考文献 3 より引用)  抗菌薬に不応の高熱が持続し、血球減少、播種性血管内凝固および肝脾腫がみられたら、 血球貧食症候群を疑う。1)  高熱と血球減少がみられる場合には HPS を念頭におき、早期診断、早期治療に心掛けるこ とが重要である。3)

(3)

 HPS/HLH は進行性で診断の遅れにより重症化することがしばしば認められ、迅速に診断す ることが重要である。診断の根拠として、①7 日以上の発熱、②2 系統以上の血球減少、③ 骨髄、リンパ節、肝臓、脾臓や脊髄液における組織球の増殖と血球貧食像が挙げられる。 高熱が持続して血球減少を認める場合はまず本症を疑うところから診断が始まる。2)  小児においては遺伝性/一次性 HPS/HLH を念頭に、病歴(先行感染の有無)や診察所見 (白皮症や奇形等)を取得することが重要である。2)  一次性 HPS はまれであり、遺伝性で乳幼児期に発症し、致死的経過をとる。3)  基礎疾患が不明であることも少なくない。3)  HPS の ほ と ん ど は 二次 性 で 、小児で は 感染症 に起 因す るも のが多 く 、そ のな かで も Epstein-Barr virus( EBV)感染関連のものが多い。一方、成人で は悪性疾患関連 HPS (MAHS)が半数を占め、骨髄球性白血病や固形腫瘍関連 HPS の報告もあるが、大半は悪 性リンパ腫関連 HPS(Lymphoma associated HPS:LAHS)である。3)

 臨床的特徴としては高熱、肝脾腫、高 LDH 血症、高フェリチン血症、播種性血管内凝固症候 群(DIC)、血球減少と網内系組織での組織球増殖と貧食像を呈する。また、しばしば急激に 進行し多臓器不全に陥りやすいことも本疾患の特徴であり、的確な診断と早期治療介入を 行うことは極めて重要である。2)  発熱と DIC の進行が病勢を反映する。HPS を疑ったら、診断項目をよく検討し、原発性か続 発性か、何による続発性かを考える。鑑別すべき疾患が多いため、可能な検査を早急に進 めながら血液専門医へ紹介する。感染症関連では無治療軽快例もあるが、EBV-HLH は重 症化することが多い。1)  血清フェリチン高値の特異性は高い。slL-2R、IFNγなどが血中に増加する。高トリグリセリド かつ低コレステロール血症がみられる。IFNγ産生を示す血中および尿中のβ2-ミクログロ ブリン、ネオプテリンもマーカーとなる。血清リゾチーム、アンギオテンシン転換酵素なども組 織球活性化の指標である。空包化した成熟組織球と血球貧食組織球が骨髄・脾・リンパ節、 末梢血や脳脊髄液に出現する。1)  肝機能上昇(AST>ALT、LDH)、高フェリチン血症、高トリグリセリド血症、低フィブリノーゲン 血症、FDP 上昇、尿中β2 マイクログロブリンは重要である。小児においては NK 活性低下の 有無が FHL 診断に重要とされている。骨髄検査は血球貧食細胞や悪性リンパ腫細胞の検出 に有用であり、HPS/HLH の診断には必須であるが、一次性/遺伝性 HPS/HLH においては二 次性 HPS/HLH に比較して血球貧食細胞の検出率が低いとの報告があり注意を要する。骨 髄で検出できない場合は肝臓や脾臓の組織診を行うが、生検の際に血小板や凝固因子の 補充を必要とする。2)  成人においては LAHS:リンパ腫関連血球貪食症候群が HPS/HLH の大半を占めるため、悪 性リンパ腫を念頭に診断を進める。2)  (LAHS は)とにかくリンパ腫細胞を病理組織学的に見つける努力をすることである。腫瘤が あれば、可能な限り腫瘤の生検を実施する。3)

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 感染症は培養、ウイルス抗体価遺伝子検査などから評価する。EBV-HLH の診断に、EBV DNA 定量が有用である。1)

 IAHS の代表格である EBV-HPS/HLH の診断には EBV 感染の証明が必要となるが、従来の

血清学的診断法では定型的な抗体反応を示さないことがあり、Real-time PCR 法による血中 EBV-DNA 定量が必要とされている。2)  組織・細胞学的な確認が重要であり、画像診断にあまり時間をかけすぎると生検の機会を失 い、診断がつかないことになる。3) (参考文献 1 より引用) (参考文献 2 より引用)

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(参考文献 3 より引用)  HPS/HLH 治療の基本概念は T 細胞とマクロファージの異常活性化の抑制を図ることにある。 初期治療としてシクロスポリン、デキサメサゾンを中心とした、免疫化学療法を行い、その後 基礎疾患、重症度により治療法を選択する。2)  早期診断、早期治療が何より重要である。HPS の治療は、①高サイトカイン血症の是正と活 性化された T リンパ球やマクロファージの制御、②その原因となった疾患に対する治療であ る。3)  急性期の出血と臓器不全に注意し、適切な免疫化学療法を行う。膠原病関連にはシクロス ポリンが有効である。感染が否定できない場合は大量γグロブリンから開始する。大量ステ ロイド療法はリンパ腫の有無を確認して使用したい。不応な場合は速やかにエトポシドを開 始する。HLH-2004 プロトコールに反応すれば 8 週以内に治療を中止する。1)  原発性には同種造血細胞移植を計画するが、造血細胞移植が必要な EBV-HLH はきわめて まれである。1)  遺伝性のものは同種造血幹細胞移植が適応となるので、ドナー検索を速やかに実施し、移 植時期を逃さないようにする。3)  一次性/遺伝性 HPS/HLH は原則として同種造血幹細胞移植の適応となるが、二次性

(6)

HPS/HLH に対して Kawa は重症度による段階的な治療戦略を提唱している。2)

 二次性/反応性 HPS は基礎疾患の治療を行うとともに、表 4 の治療を実施していく。ただこ

れらの治療を実施することで感染症が悪化する危険性を認識する。3)

(参考文献 2 より引用)

(7)

何が起こっているのかを想像するときには、マクロな視点だけでなく、ミクロの視点も合わせ持っ た方がより良いと思う。何が起こっているのか、何を考えているのか、想像力だけが頼りだ。 参考文献 1. 大賀正一.血球貪食症候群.治療 92(10): 2401-2406, 2010. 2. 今村豊, 岡村孝.血球貧食症候群.医学と薬学 63(2): 151-162, 2010. 3. 鈴木恵子, 鈴宮淳司.血球貪食症候群.87(増刊): 1205-1208, 2005.

参照

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