平成17年度
(財)21世紀ヒューマンケア研究機構
中高年の生涯学習に対する意識と
まえがき
この調査研究報告書は、平成 17 年度に自由研究として実施した「中高年の生涯学習に関 する意識と実態に関する調査」の成果をとりまとめたものです。 高齢化の進展は大量な自由時間を持つ高齢者をもたらしました。これらの高齢者が如何 に自由時間を利用し、充実した高齢期の生活を営むかが高齢化社会において重要な問題と なっています。その中で大きな可能性をもつものとして、生涯学習をあげることができま す。 本調査研究では、55 歳以上の中高年を調査対象とし、生涯学習に対する意識、学習内容、 学習方法、学習成果などを調査するとともに、高齢者の生涯学習活動を推進するための課 題を検討しました。 調査研究の結果、学習活動の目的として高度な知識の修得を挙げているものが少ないこ と、学習内容が、文書で用いるものよりも具体的な活動が多いこと、一人よりも団体で学 習活動を行っていること、現在学習活動を行っていない人も、客観的な条件が整えば学習 活動への希望が高いことなどが明らかになりました。 この報告書が、これからの長寿社会に向けて、行政はもとより関係団体、研究者の方々 にご活用いただければ幸いです。 終わりに、アンケート調査を含め、調査研究にご協力いただいた関係者の方々に厚く御 礼申し上げます。 2006 年(平成 18 年)3 月 (財)21 世紀ヒューマンケア研究機構 長寿社会研究所長 足 立 正 樹研 究 体 制
研 究 責 任 者 足 立 正 樹 長 寿 社 会 研 究 所 長 神戸大学大学院経済学研究科教授 研 究 者 永 合 位 行 長 寿 社 会 研 究 所 主 任 研 究 員 神戸大学大学院経済学研究科助教授 研究員(報告書執筆) 張 帆 長 寿 社 会 研 究 所 研 究 員 神 戸 大 学 大 学 院 経 済 学 研 究 科 博 士 後 期 課 程 院 生目 次
まえがき
第1章 調査の目的と方法 1.調査の目的 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 1 2.調査の方法 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 1 3.基本属性 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 2 第2章 自由時間について 1.自由時間 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 7 2.自由時間の行動 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・11 第3章 「生涯学習」の意識について 1.生涯学習の必要性 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・18 2.生涯学習が必要と思う理由 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・20 第4章 学習活動について 1.学習状況 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・24 2.学習内容 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・28 3.学習動機 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・32 4.学習方法 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・36 5.学習成果 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・40 6.学習費用 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・44 7.学習活動による変化 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・47 8.学習希望 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・54 9.学習をしない理由 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・60 10. 学習しない人の学習希望 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・66第5章 その他の問題について 1.利用する情報メディア ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・71 2.講師役の引き受け ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・74 3.学習活動推進のための課題 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・78 4.生活満足度 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・82 5.自由記載 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・85 第6章 総括と提言 1.調査結果の総括 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・89 2.提言 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・94 参考資料 1.調査票 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・99 2.単純集計 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 111
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調査の目的と方法
調査の目的と方法
調査の目的と方法
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調査の目的
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調査の目的
調査の目的
近年の日本においては、人々を取り巻く社会環境は大きくかつ急激に変化している。このよう な社会の変化に対応していくために、日常な生活をしていく上でも、絶えず生み出される新しい 知識や技術を学んで行く必要があると言えよう。 そして、日本では、急激に高齢化が進んでいる。平成 17 年 9 月の人口推計によると日本の 65 歳以上人口は 2556 万人に上り、総人口の 20.0%と 5 人に 1 人を占め、初めて 2 割の水準に達し た。この高齢化率は今後も上昇しつづけ、平成 27 年(2015 年)には 26.0%、平成 62 年(2050 年)には 35.7%に達すると見込まれている。このような超高齢社会の原因の 1 つは、戦後平均寿 命の大幅な伸びにある。平成 15 年の統計によるとそれが男性では 78.36 歳、女性では 85.33 歳 となっている。 高齢者が定年退職によって大量の自由時間を得られる。一般的な退職年齢である 60 歳時の平 均余命は男性 21.98 年、女性 27.49 年となっており、人生の 3 分の 1 近くに相当する。決して短 くない期間において、変化しつつある社会に対応するために、学習活動による趣味やスポーツ・ 文化活動、社会参加活動などを推進することが必要となるであろう。さらに、生涯学習活動によ って、高齢者が自分の可能性に気づき、生きがいを見出すこともできるであろう。このように、 活力のある高齢社会を維持・発展していくために、生涯学習はきわめて重要な課題となっている。 今回の調査研究の目的は、55 歳以上の県民の生涯学習に対する学習状況や学習意向の実態を 調査し、調査で得られた生涯学習に関する県民の実態や意識を総合的に分析し、今後の生涯学習 推進施策の基本的方向性を探ることである。 以下では、まず、本章において調査の概要ならびに基本属性について示した上で、第 2 章にお いては自由時間の長さおよび自由時間の行動についてみている。第 3 章では「生涯学習」に対す る意識について、第 4 章では学習活動の現状について、第 5 章では学習活動推進の課題などにつ いて、それぞれ分析する。最後に第 6 章において若干の総括と提言を行う。
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調査の方法と概要
調査の方法と概要
調査の方法と概要
調査の方法と概要
「中高年の生涯学習に対する意識と実態に関する調査」を以下の要領で実施した。 (1) 調査対象 兵庫県内に居住する満 55 歳以上(平成 17 年 10 月 1 日現在)の者 (2) 対象数 2,000 人
(3) 対象抽出方法 兵庫県下 9 地域 10 市区町を選び、住民基本台帳から 2,000 人を層化 2 段階無作為抽出した。 抽出した市区町は以下の通りである。 (神戸) 灘区、須磨区 (中播磨) 市川町 (阪神南) 芦屋市 (西播磨) 龍野市 (阪神北) 伊丹市 (但馬・丹波) 朝来市 (東播磨) 加古川市 (淡路) 淡路市 (北播磨) 社町 (4) 調査方法 郵送による調査票調査 (5) 調査期間 平成 17 年 9 月 29 日から 10 月 14 日 (6) 回収状況 回収数 862 (回収率 43.1%) 有効回収数 855 (有効回収率 42.8%)
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基本属性
基本属性
基本属性
基本属性
(1) 性別 性別は、男性が 383 人(48.7%)、女性が 403 人(51.3%)とほぼ同数となっている(なお、不 明・無回答 69)。 図表 0-1 性別 度数 % 男性 383 48.7 女性 403 51.3 合計 786 100.0 不明・無回答 69 (2) 年齢構成 年齢構成を 5 歳刻みでみると、55 歳∼59 歳が 35.3%と最も多く、以下、60 歳∼64 歳が 30.0%、 65 歳∼69 歳が 24.1%、70 歳∼74 歳が 8.9%、75 歳∼79 歳が 1.7%と年齢とともに標本数が少なく
なっている。また、80 歳以上の標本は存在していない。 図表 0-2-a 年齢構成 度数 % 55歳~59歳 277 35.3 60歳~64歳 235 30.0 65歳~69歳 189 24.1 70歳~74歳 70 8.9 75歳~79歳 13 1.7 80歳~84歳 0 0.0 85歳以上 0 0.0 合計 784 100.0 不明・無回答 71 年齢構成を男女別にみると(図表 1-2-b)、女性は 60 歳∼64 歳の層が 31.9%と男性より高いが、 男性では 70 歳∼74 歳が 10.4%と女性より高い。 図表 0-2-b 年齢構成(性別) この構成をさらに 60 歳未満の低年齢層と 60 歳以上の高年齢層の世代別に分けて性別にみると、 両者とも男性より女性のほうが若干多い。
図表 0-2-c 性別構成(世代別) (3) 就業状況 就業状況をみると、現役で働いている者が 48.3%と約半分を占めている。また、働いていない 者については、「引退している」のが 22.3%、現在「職業についていない」のが 29.3%となってい る。 図表 0-3-a 就業状況 度数 % 職業についている 379 48.3 引退している 175 22.3 職業にはついていない 230 29.3 合計 784 100.0 不明・無回答 71 図表 0-3-b 職業 図表 0-3-c 引退前の職業 度数 % 度数 % 無職 379 51.2 農林漁業従事者 5 2.9 農林漁業従事者 13 1.8 商工サービス従事者 11 6.5 商工サービス従事者 64 8.6 自由業 4 2.4 自由業 21 2.8 管理職 24 14.1 管理職 57 7.7 被用者 102 60.0 被用者 110 14.9 臨時雇い・日雇い・パート等 18 10.6 臨時雇い・日雇い・パート等 74 10.0 その他 6 3.5 その他 22 3.0 合計 170 100.0 合計 740 100.0 不明・無回答 5 不明・無回答 115
さらに、働いていないを無職とみなし、具体的な職業を整理したものが表 0-3-b で示している。 「無職」が 51.2%と最も多く、以下、「被用者」が 14.9%、「臨時雇い・日雇い・パート等」が 10.0%、 「商工サービス従事者」が 8.6%と続いている。また、引退している者の引退前の職業をみてみ ると、「被用者」が 60.0%と大多数を占めている。次いで、「管理職」が 14.1%、「臨時雇い・日雇 い・パート等」が 10.6%となっている。 (4) 年収 世帯の収入については、約 3 分の 2 の年収が 500 万円以下となっており、それぞれ「300 万円 以下」が 34.9%、「300 万円∼500 万円」が 30.0%となっている。年収が 500 万円以上は「500 万 円∼750 万円」が 17.1%、「750 万円∼1000 万円」が 8.7%、「1000 万円∼1500 万円」が 6.1%、「1500 万円以上」が 3.3%と続いている。このように、年収の高い世帯が少なく、年収の低い世帯のほ うが多くなっている。 図表 0-4 年収 度数 % 300万円以下 282 34.9 300万円~500万円 242 30.0 500万円~750万円 138 17.1 750万円~1000万円 70 8.7 1000万円~1500万円 49 6.1 1500万円以上 27 3.3 合計 808 100.0 不明・無回答 47 (5) 学歴 「新制高等学校・旧制中学校」が約半数の 47.5%を占めている。以下、「新制中学校・高等小 学校」が 21.5%、「大学・大学院」が 19.4%、「短期大学・高等専門学校・旧制高等学校」が 10.8%、 「小学校」が 0.6%、「その他」が 0.2%となっている。「その他」を除き、学歴を「中卒以下」、「高 卒」、「短大卒程度」、「大卒程度」の 4 つに整理したものを図表 0-5-b で示している。
図表 0-5-a 学歴 図表 0-5-b 学歴(4 分類) 度数 % 度数 % 小学校 5 0.6 中卒以下 184 22.1 新制中学校・高等小学校 179 21.5 高卒 396 47.6 新制高等学校・旧制中学校 396 47.5 短大卒程度 90 10.8 短期大学・高等専門学校・旧制高等学校 90 10.8 大卒程度 162 19.5 大学・大学院 162 19.4 合計 832 100.0 その他 2 0.2 不明・無回答 23 合計 834 100.0 不明・無回答 21 (6) 居住地域 回答者の居住地域(図表 0−6)については、「神戸地域」が 25.7%と最も多く、「東播磨地域」、 「阪神北地域」、「阪神南地域」が 12%∼14%程度となっており、他の地域は 1 割未満となって いる。 図表 0-6 居住地域 度数 % 神戸地域 215 25.7 阪神南地域 101 12.1 阪神北地域 102 12.2 東播磨地域 115 13.7 北播磨地域 70 8.4 中播磨地域 61 7.3 西播磨地域 74 8.8 但馬地域 41 4.9 淡路地域 59 7.0 合計 838 100.0 不明・無回答 17
第
第
第
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2章
章
章
章
自由時間について
自由時間について
自由時間について
自由時間について
生涯学習の状況を分析する前に、ここではまず、55 歳以上の中高年層において、平日および 休日の自由時間はどの程度あるか、またこれらの自由時間をどのように過ごしているのかをたず ねている。
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1 自由時間(問
自由時間(問
自由時間(問
自由時間(問 1
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自由時間は仕事のある「平日」と仕事をしない「休日」において、それぞれ大きく異なると考 えられ、そこで、自由時間の長さについて、「平日」と「休日」に分けみてみることにした。 (1) 平日 まず、「平日」の自由時間がどの程度あるかをたずねたところ(図表 1(1)−1、単一回答)、 「2∼3 時間」が 19.0%と最も多く、中高年層を対象者としたためであろうか、「8 時間以上」が 16.0%と 2 番目に多い。以下、「3∼4 時間」が 15.3%、「1∼2 時間」が 13.7%、「4∼5 時間」が 12.2%、 「5∼6 時間」11.1%、「1 時間未満」が 4.6%、「6∼7 時間」が 4.2%、「7∼8 時間」が 3.9%の順に なっている。 図表 1(1)-1 平日自由時間 図表 1(1)-2 平日自由時間統計量 度数 % 全体 就業者 非就業者 1時間未満 38 4.6 平均値 4.562 3.056 5.927 1~2時間 112 13.7 中央値 3.5 2.5 5.5 2~3時間 156 19.0 最頻値 2.5 2.5 10.0 3~4時間 125 15.3 標準偏差 2.892 2.036 2.906 4~5時間 100 12.2 分散 8.361 4.145 8.447 5~6時間 91 11.1 範囲 9.5 9.5 9.5 6~7時間 34 4.2 最小値 0.5 0.5 0.5 7~8時間 32 3.9 最大値 10.0 10.0 10.0 8時間以上 131 16.0 度数 819 367 386 合計 819 100.0 不明・無回答 36 有意確率 -15.765 0.000 t値 続いて、「1 時間未満」を 0.5 時間、「1∼2 時間」を 1.5 時間、「2∼3 時間」を 2.5 時間、「3∼ 4 時間」を 3.5 時間、「4∼5 時間」を 4.5 時間、「5∼6 時間」を 5.5 時間、「6∼7 時間」を 6.5 時 間、「7∼8 時間」を 7.5 時間、「8 時間以上」を 10 時間と階級値を設定し、全体の自由時間の統 計量を求めた。それに加え、現在職業に就いている者を「就業者」、引退しているおよび職業に
就いていない者を「非就業者」とし、それぞれの統計量を求めた。結果は図表 1(1)-2 で示して いる。 平日自由時間の平均値は 4.562 時間であり、「分散」は 8.361 である。「就業者」については、 平均値が 3.056 時間である。一方、「非就業者」については、平均値が 5.927 時間である。両者 の平均の差について、t 検定を行ったところ、t 値が-15.765、有意確率が 0.000 という結果が得 られた。つまり、統計的に、「非就業者」と比べ、「就業者」の平日平均時間は有意に 2.871 時間 少ない。また、「就業者」の分散が 4.145 であるのに対し、「非就業者」の分散が 8.447 となって おり、「非就業者」の自由時間のほうがばらつきが大きく、多様性が存在していると言えよう。 「非就業者」では最頻値は 10.0、つまり「8 時間以上」が最も多い。これは、仕事に就いていな いため 1 日すべてが自由時間であるという者が最も多いためであろう。 次に、平日の自由時間の長さについて、世代別に平均値の比較を行ったところ(図表 1(1)-3)、 低年齢層の平均値は 3.605 時間、高年齢層の平均値は 5.072 時間である。両者の自由時間につい て、t検定を行った結果、2 世代間に有意な差がみられる。また、高年齢層の自由時間が低年齢 層より長いほか、分散も大きい。これは、高年齢層の平日自由時間の長さについて個人の間の差 が大きいことを意味している。高年齢層において、引退者が増え、また就業形態もさまざまであ ることを反映した結果と考えられる。 図表 1(1)-3 平日自由時間平均値(世代別) 低年齢層 高年齢層 合計 平均値 3.605 5.072 4.542 度数 272 481 753 標準偏差 2.657 2.903 2.902 分散 7.058 8.430 8.421 t値 有意確率 -7.036 0.000 そこで、就業状況ごとに、世代別の自由時間の平均値をみると(図表 1(1)-4)、「就業者」の 場合、「低年齢層」の平均値が 2.612 時間、「高年齢層」の平均値が 3.543 時間、「低年齢層」の ほうが 0.931 時間少なくなっている。一方、「非就業者」の場合、「低年齢層」と「高年齢層」の 自由時間の平均値がほぼ同じであり、また、両者の差は有意ではない。つまり、平日の自由時間 の長さについて、「非就業者」では世代間の違いはあるとは言えない。
図表 1(1)-4 就業状況ごとの平日自由時間平均値(世代別)
就業者
非就業者
低年齢層
高年齢層
合計
低年齢層
高年齢層
合計
平均値
2.612
3.543
3.055
平均値
5.988
5.930
5.942
度数
192
174
366
度数
80
305
385
標準偏差
1.633
2.317
2.039
標準偏差
3.102
2.846
2.897
分散
2.667
5.367
4.156
分散
9.620
8.099
8.392
t値
t値
有意確率
有意確率
-4.402
0.000
0.159
0.880
また、就業状況別に男女間の違いについてみると(図表 1(1)-5)、「就業者」の場合、女性の自 由時間は男性より若干少ないものの、両者の差は統計的に有意ではなく、働いている男女ともに平 日の自由時間が 3 時間前後である。一方、「非就業者」の場合、男性の平均値が 7.165 時間である のに対し、女性の平均時間が 5.299 時間と男女間で 2 時間近く差が出ており、統計的にも有意な結 果である。これは、仕事についていない女性は家事に代表されるような就業以外の活動に従事して いることが多いのではないかと考えられる。 図表 1(1)-5 就業状況ごとの平日自由時間平均値(性別) 就業者 非就業者 男性 女性 合計 男性 女性 合計 平均値 3.091 2.992 3.056 平均値 7.165 5.299 5.927 度数 237 130 367 度数 130 256 386 標準偏差 2.045 2.026 2.036 標準偏差 2.878 2.717 2.906 分散 4.143 4.125 0.000 分散 7.821 7.897 0.000 t値 t値 有意確率 有意確率 0.442 6.251 0.658 0.000 (2) 休日 ここで、「平日」と同様に「休日」の自由時間の長さについてたずねたところ(図表 1(2)-1、 単一回答)、「8 時間以上」が 29.2%ともっとも多く、以下、「5∼6 時間」が 13.6%、「4∼5 時間」 が 12.8%、「3∼4 時間」が 11.5%、「7∼8 時間」が 9.5%、「2∼3 時間」が 9.3%、「6∼7 時間」 が 7.7%、「1∼2 時間」が 4.0%と続いている。また、「1 時間未満」が 2.4%と最も少なくなって いる。図表 1(2)-1 休日自由時間 図表 1(2)-2 休日自由時間統計量 度数 % 全体 就業者 非就業者 1時間未満 19 2.4 平均値 6.160 5.971 6.247 1~2時間 32 4.0 中央値 5.5 5.5 5.5 2~3時間 74 9.3 最頻値 10.0 10.0 10.0 3~4時間 91 11.5 標準偏差 2.935 2.986 2.921 4~5時間 101 12.8 分散 8.612 8.915 8.534 5~6時間 108 13.6 範囲 9.5 9.5 9.5 6~7時間 61 7.7 最小値 0.5 0.5 0.5 7~8時間 75 9.5 最大値 10.0 10.0 10.0 8時間以上 231 29.2 度数 792 356 371 合計 792 100.0 不明・無回答 63 0.208 t値 有意確率 -1.260 ここでも、「平日」と同じように、「就業者」と「非就業者」に分けて、「1 時間未満」を 0.5 時間、「1∼2 時間」を 1.5 時間、「2∼3 時間」を 2.5 時間、「3∼4 時間」を 3.5 時間、「4∼5 時間」 を 4.5 時間、「5∼6 時間」を 5.5 時間、「6∼7 時間」を 6.5 時間、「7∼8 時間」を 7.5 時間、「8 時間以上」を 10 時間と設定し、それぞれの自由時間の統計量を求めた。結果は図表 1(2)-2 の通 りである。「全体」の平均値は 6.160 時間、分散が 8.612、「就業者」の平均値が 5.971 時間、分 散が 8.915、「非就業者」の平均値が 6.247 時間、分散が 8.534 となっている。また、いずれの 最頻値と中央値が同じで、大きな違いはない。t検定を行ったところ、「就業者」と「非就業者」 の平均値に統計的に有意な差が見られず、休日の自由時間はともに 6 時間前後であると言えよう。 一方、世代別に休日の自由時間の平均値をみると、世代間で大きな差がみられず、両者の平均 値の差にも統計的に有意ではなかった。さらに、就業状況ごとに世帯サンプル別にみても同じよ うな結果が得られた。したがって、世代間において、休日自由時間について就業状態では大きな 違いはないと言えよう。 続いて、男女別にみると(図表 1(2)-3)、男性の休日平均自由時間は約 7 時間、女性は 5 時間 あまり、女性よりも男性のほうが休日自由時間が長くなっている。また、男女間の差が統計的に 有意である。
図表 1(2)-3 休日自由時間平均値(性別) 男性 女性 合計 平均値 6.916 5.324 6.115 度数 362 367 729 標準偏差 2.924 2.769 2.954 t値 有意確率 7.544 0.000 この男女別の結果をさらに就業状態ごとにみてみると(図表 1(2)-4)、「就業者」、「被就業者」 ともに男性のほうが女性よりも休日自由時間が有意に長いとの結果が見られる。平日の場合は 「就業者」の男女別においては両者の自由時間に有意な差がみられなかったが、休日の場合は就 業状態にかかわらず、女性が家事、介護などの就業以外の活動に多くの時間をかけていると考え られる。 図表 1(2)-4 就業状況ごとの休日自由時間平均値(性別) 就業者 非就業者 男性 女性 合計 男性 女性 合計 平均値 6.571 4.860 5.971 平均値 7.546 5.546 6.247 度数 231 125 356 度数 130 241 371 標準偏差 2.951 2.731 2.986 標準偏差 2.783 2.754 2.921 t値 t値 有意確率 有意確率 6.650 0.000 5.485 0.000 2 22 2 自由時間の自由時間の自由時間の自由時間の行動行動行動行動(問(問(問 2(問222)))) 自由時間をどのように過ごしているかについても、「平日」と「休日」において、それぞれ異 なると考え、二つに分けることにした。 (1) 平日 平日の自由時間の過ごし方を示したのが図表 2(1)-1 である(無制限複数回答)、平日の自由時 間において、「自宅でのんびり」している者が 70.4%と高く、2 番目に高いのは「読書や学習(自 宅で)」の 32.4%である。次いで、「ショッピング」が 30.5%、「家族とのだんらん」が 27.7%、「ス
ポーツ」が 18.6%となっている。ショッピングやスポーツなど戸外活動より、自宅でのんびりす る、あるいは、学習をする者のほうが多くなっている。しかし、「学習活動(老人大学等で)」を 行っている者は 7.4%と 1 割にも満たない。 図表 2(1)-1 平日自由時間の行動(性別) 男女別にみると(図表 2(1)-1)、自宅で自由時間を過ごしている「家族とのだんらん」、「自宅 でのんびり」が女性よりも男性のほうがそれぞれ 8.3 ポイント、5.5 ポイント高くなっている。 一方、外出を伴う「ショッピング」、団体で行動する「グループ・サークル活動」は男性よりも 女性のほうが高い。特に「ショッピング」は男女間で約 24 ポイントの差がみられる。全体とし て、男性よりも女性のほうが様々なことで平日の自由時間をより活発に過ごしている様子がうか がえる。 次いで、これを世代別にみてみると(図表 2(1)-2)、低年齢層も高年齢層も「自宅でのんびり」 が最も高くなっている。2 番目に高いのは、低年齢層では「家族とのだんらん」であるのに対し、 高年齢層では「読書や学習(自宅で)」である。また、「自宅でのんびり」、「家族とのだんらん」 以外の項目については、低年齢層よりも高年齢層のほうが高くなっている。両者の間に 10 ポイ ント以上の差がついているのは、「ショッピング」と「旅行やドライブ」であり、ともに高年齢 層のほうが高い。高年齢層のほうが休日の自由時間を利用して家でのくつろぎ以外に、戸外活動 を多く行っているようである。これは、高年齢層の平日自由時間の平均値が低年齢層より長いた め、ゆっくりと比較的長い時間をかけて自由時間を過ごすことができるからと考えられる。
図表 2(1)-2 平日自由時間の行動(世代別) さらに、低年齢層と高年齢層ごとに男女別についてみると(図表 2(1)−3)、いずれにおい ても、「自宅でのんびり」が 7 割前後と 1 位を占めており、いずれも女性より男性のほうが高く なっている。 図表 2(1)-3 平日自由時間の行動(世代別・性別) 項目 順位 % 順位 % 順位 % 順位 % 自宅でのんびり 1 78.8 1 71.0 1 69.6 1 65.1 家族とのだんらん 2 40.9 4 26.1 3 27.9 5 23.4 読書や学習(自宅で) 3 25.0 3 33.3 2 30.0 3 39.3 その他 4 13.6 7 13.0 4 25.0 10 14.3 スポーツ 5 10.6 6 14.5 5 24.2 6 20.6 ショッピング 6 9.8 2 36.2 6 22.5 2 45.2 ボランティア活動や地域活動 7 6.8 10 10.1 9 12.1 7 19.8 映画・観劇・コンサート 8 6.1 8 11.6 11 5.8 9 16.3 旅行やドライブ 9 4.5 8 11.6 7 16.7 8 19.4 グループ・サークル活動 10 3.8 5 15.9 8 14.6 4 25.0 学習活動(老人大学等で) 11 0.8 11 8.0 10 6.7 11 11.1 低年齢層 高年齢層 男性(N=132) 女性(N=138) 男性(N=240) 女性(N=252)
低年齢層については、男性の「家族とのだんらん」が 40.9%と 2 番目に高いが、女性の場合「シ ョッピング」は 36.2%と 2 位になっている。平日自由時間で男性が「家族とのだんらん」をする 者の割合は女性より 15 ポイント高く、それ以外の項目については、女性が男性より高いか同じ ぐらいである。 高年齢層については、男性の 2 位は「読書や学習(自宅で)」の 30.0%、女性の 2 位は低年齢 層と同じ「ショッピング」(45.2%)である。男性が女性より高い項目は「家族とのだんらん」 と「スポーツ」であり、それ以外は女性が男性より高くなっている。 以上のように、年齢層にかかわらず「家族とのだんらん」は男性が女性より高いことがわかる。 しかし、本調査では、55 歳以上の中高年を対象としており、家族とのだんらんは主に配偶者と 考えられ、男女間での違いはそれほど大きくないはずである。したがって、このような大きな違 いはむしろ男女間の意識の違いを反映しているのではないかと考えられる。 (2) 休日 休日の自由時間についてどのように過ごしているについては(図表 2(2)-1、無制限複数回答)、 「自宅でのんびり」が 71.9%と最も多く、以下、「ショッピング」が 39.7%、「家族とのだんらん」 が 39.6%、「読書や学習(自宅で)」が 28.3%、「旅行やドライブ」が 26.0%と続いている。一方、 1 割に満たないのが「ボランティア活動や地域活動」(9.6%)、「学習活動(老人大学等で)」(2.3%) の 2 項目である。 図表 2(2)-1 休日自由時間の行動(性別)
性別にみると(図表 2(2)-1)、「ショッピング」については、男性より女性のほうが約 13 ポイ ント高くなっているが、「スポーツ」については、女性より男性のほうが約 19 ポイント高くなっ ている。平日自由時間の行動と同じように、これらの活動や趣味についは、男女間でかなりの差 がみられる。これ以外の項目については大きな差がみられない。 図表 2(2)-2 自由時間行動(平日・休日) 休日自由時間の行動と平日自由時間の行動を比較するものが図表 2(2)-2 である。第 1 位はと もに「自宅でのんびり」であり、約 7 割を占めている。平日の 2 番目に高いのが「読書や学習(自 宅で)」となっているが、休日は「ショッピング」となっている。平日の自由時間は自宅で、休 日の自由時間は外出するのも多いようである。また、平日と比べ休日では家族をそろって、歓談 したりする「家族とのだんらん」も高くなっている。それ以外に、休日では「旅行やドライブ」 をしたり、「映画・観劇・コンサート」などを観賞したりする者の割合は高いが、逆に自宅や学 習機関での「学習活動」をする者または「グループ・サークル活動」や「ボランティア活動や地 域活動」をする者の割合は低い。このように、平日、休日関わらず自宅でくつろいでいる者が最 も多いものの、両者の間に違いがみられた。
世代別にみてみると(図表 2(2)-3)、自宅での行動と考えられる「自宅でのんびり」、「家族と のだんらん」、「読書や学習(自宅で)」は高年齢層より低年齢層のほうが高く、それ以外の項目 は高年齢層が高い。平日の場合と同じように、低年齢層は自宅で自由時間を過ごしている傾向が 高いと言えよう。 図表 2(2)-3 休日自由時間の行動(世代別) さらに世代サンプルごとに男女別にみたものを図表 2(2)-4 で示している。両世代において男 女ともに「自宅でのんびり」が最も高くなっている。一方、休日の自由時間を利用して「学習活 動」を行っている者がいずれも 5%未満と極めて少ない。 低年齢層については、男女ともに「自宅でのんびり」、「家族とのだんらん」、「ショッピング」、 「読書や学習(自宅で)」が上位 1 位から 4 位を占めている。その中で、「ショッピング」は女性 が男性より約 10 ポイント高くなっている。また、男性の 5 位である「スポーツ」は女性では 10 位となっており、男女間での差が 20 ポイントを越えた。それ以外に、男性が女性より高いのは 「映画・観劇・コンサート」、「ボランティア活動や地域活動」であり、女性が男性より高いのは 「旅行やドライブ」、「グループ・サークル活動」である。 高年齢層については、男女間で順位が大きく変わったのが「スポーツ」と「映画・観劇・コン サート」である。「スポーツ」は男性の 6 位(26.6%)であるが、女性の場合は 10 位(9.8%)と なっている。それと対応して、「映画・観劇・コンサート」は女性の 6 位(14.2%)となっている
が、男性の場合は 10 位(10.5%)である。それ以外の項目の順位については、男女間で大きな違 いはない。低年齢層と同じように男女間での差が 10 ポイントを超えているのは「ショッピング」 と「スポーツ」であり、この 2 項目について、年齢とは関係なく、男女間の違いが現れている。 図表 2(2)-4 休日自由時間の行動(世代別・性別) 項目 順位 % 順位 % 順位 % 順位 % 自宅でのんびり 1 78.9 1 78.4 1 67.9 1 70.7 家族とのだんらん 2 41.4 2 43.9 2 36.7 3 41.5 ショッピング 3 32.3 2 43.9 3 33.8 2 48.0 読書や学習(自宅で) 4 31.6 4 26.6 4 27.8 5 28.9 スポーツ 5 27.8 10 5.0 6 26.6 10 9.8 その他 6 26.3 6 10.8 7 21.1 7 13.0 旅行やドライブ 7 21.8 5 25.2 4 27.8 4 29.3 映画・観劇・コンサート 8 12.8 8 10.1 10 10.5 6 14.2 ボランティア活動や地域活動 9 9.0 9 5.8 9 11.4 8 11.4 グループ・サークル活動 10 8.3 7 10.8 8 16.9 9 10.6 学習活動(老人大学等で) 11 0.0 11 2.2 11 2.1 11 4.1 低年齢層 高年齢層 男性(N=133) 女性(N=139) 男性(N=230) 女性(N=246)
第
第
第
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3 章
章
章
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「生涯学習」の意識について
「生涯学習」の意識について
「生涯学習」の意識について
「生涯学習」の意識について
本章では、生涯学習に対する意識として、まず、生涯学習の必要性を全員に、次に、生涯学習 が必要だと思う者にその理由をたずねている。
1
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生涯学習の必要性(問
生涯学習の必要性(問
生涯学習の必要性(問
生涯学習の必要性(問 3
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3)
)
)
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生涯学習を行うことは必要かどうかをたずねたところ(図表 3-1、単一回答)、「必要である」 と答えた者は 75.7%と非常に多い。一方、「必要でない」と答えたものはわずか 3.6%に過ぎない。 しかし、生涯学習が必要であるかどうか「わからない」が 18.0%と、2 割近くの者が生涯学習に 対して明確な意識を持っていないことがわかる。 図表 3-1 生涯学習の必要性 (N=855) 性別にみると(図表 3-2)、「必要である」については、男性が 77.0%、女性が 78.6%と女性 のほうがわずかながら高くなっている。はっきりと生涯学習が「必要でない」と答えた男性は女 性より 4.6 ポイント高くなっており、逆に「わからない」と答えた女性は男性より 3.0 ポイント 高くなっている。 男女ともに世代別にみると(図表 3-2)、男性については、高年齢層よりも低年齢層のほうが 生涯学習が「必要である」と考えている割合が約 5 ポイント高くなっている。一方、女性につい ては、高年齢層において、「必要である」と捉えている割合が低年齢層のそれより約 2 ポイント 高くなっている。しかし、低年齢層か高年齢層かによっては生涯学習に関する必要性の考え方は、 統計的に有意な関連が見られない。これは男女ともに共通している。
図表 3-2 生涯学習の必要性 (属性別) 学歴別にみると(図表 3-3)、生涯学習が「必要である」と考えている中卒以下の者が 64.0% と最も低いが、短期大学・専門学校のほうが 86.4%と最も高い。学歴が高くなるにつれて生涯学 習を必要と考える人の割合が高くなる傾向が読み取れる。さらに、学歴との関連があるかどうか を統計的にみると、有意な結果が得られ(
x
2=
34
.
901
,
p
=
0
.
000
)、両者に関連があることが確 認できる。 図表 3‐3 生涯学習の必要性 (学歴別)2
22
2
生涯学習が必要と思う理由(問
生涯学習が必要と思う理由(問
生涯学習が必要と思う理由(問
生涯学習が必要と思う理由(問 4
44
4)
)
)
)
問 3 で生涯学習を行うことが「必要である」と答えた者に、その理由をたずねたところ(図表 4-1、無制限複数回答)、「充実した老後を過ごすため」が 79.0%と最も多く、以下、「健康を維持・ 増進するため」が 61.8%、「趣味を豊かにするため」が 56.1%、「生きがいを求めるため」が 48.2% と続いており、上位4項目となっている。一方、生涯学習を実用的に捉えている「仕事や就職・ 転職に生かすため」、「高度な専門知識をつけるため」、「資格を取得するため」が 2%∼6%と低 い。生涯学習を行うことによって仕事などに役立てると考えるより生活を豊かにする活動である と考えているようである。 図表 4-1 生涯学習の必要理由 (性別) 男女別にみると(図表 4-1)、多くの項目においては、男性より女性のほうが高く、また両者 の差も大きい。上位4項目以外に、「家庭生活や日常生活をよりよくするため」および「友達を 増やすため」、全部で 6 項目について女性が男性を約 10 ポイント前後上回っている。一方、男性 が女性より高い項目は、「世の中の変化に対応するため」が女性より 7.5 ポイント高くなってお り、それ以外に、仕事や資格に関する項目は女性より若干高くなっている。
世代別にみると(図表 4−2)、低年齢層が高年齢層より高いのは「家庭生活や日常生活をより よくするため」、「生きがいを求めるため」、「自由時間を有意義に使うため」、「教養を高めるため」 および仕事や資格に関する項目である。一方、高年齢層が高くなっているのは「充実した老後を 過ごすため」、「健康を維持・増進するため」、「友だちを増やすため」、「社会や地域をよくするた め」などである。このことから、高年齢層は、日々の生活を精神的に豊かに、そして健康的に過 ごすことを意識していると思われる。 図表 4-2 生涯学習の必要理由 (世代別)
生涯学習が必要だと思う理由の中で、最も必要だと思う理由について分析結果は図表 4−3 で ある(単一回答)。「充実した老後を過ごすため」と答えた者は約 4 割と最も多くなっている。次 いで、「健康を維持・増進するため」が 14.0%と 2 番目に多い。それ以外は、「生きがいを求める ため」が 9.8%、「世の中の変化に対応するため」が 7.7%、「家庭生活や日常生活をよりよくする ため」が 7.6%と続いている。 性別にみると(図表 4−3)、男女ともに生涯学習が必要と思う最も重要な理由を「充実した老 後を過ごすため」としている割合が最も高いが、女性が男性より約 10 ポイント高くなっている。 それ以外には、男女間の差が 5 ポイントを越えた項目がない。 図表 4-3 生涯学習の最も必要な理由 (性別)
世代別にみると(図表 4−4)、低年齢層は「家庭生活や日常生活をよりよくするため」、「教養 を高めるため」などが高年齢層より高く、日常生活など実用的な理由を考えている。一方、高年 齢層は「充実した老後を過ごすため」、「健康を維持・増進するため」、「趣味を豊かにするため」 など、健康で充実した老後生活を中心に考えている様子がうかがえる。
第
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第 4
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4 章
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学習活動について
学習活動について
学習活動について
学習活動について
本章では、まず、現在生涯学習を行っているかどうかをたずねている。生涯学習を行っている 者に対して、学習内容、学習動機、学習方法、学習成果、学習費用および学習希望を探っている。 一方、学習活動を行っていない者に対して、学習しない理由および学習希望を聞くこととする。
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学習状況(問
学習状況(問
学習状況(問
学習状況(問 5
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)
)
現在生涯学習を行っているかどうかをたずねたところ(図表 5-1、単一回答)、学習活動を「行 っている」と答えた者が 35.3%、「行っていない」と答えた者が 64.6%となっており、約 3 分の 1 の者が学習活動をしていることがわかる。 図表 5−1 学習状況 (N=855) 男女別にみると(図表 5-2)、学習を行っている女性のほうが 39.5%、と男性より約 6 ポイント 高くなっている。 世代別にみると(図表 5-2)、高年齢層のほうが生涯学習を行っている割合が高く、低年齢層 を 10.5 ポイント上回っている。 さらに、世代別に男女別にみたものが図表 5-2 に示している。低年齢層の男性が仕事の忙しさ からか、学習活動を行っている割合が 24.4%と最も低く、低年齢層の女性と比べ、約 10 ポイン ト低くなっている。一方、高年齢層においては、男女とも 4 割前後が学習活動を行っており、男 女間で大きな差はないと言えよう。
図表 5−2 学習状況 (属性別) さらに、学習状況と就業状況の間に関連があるかどうかを調べるために、非就業者・就業者の 間の違いを検証する(図表 5-3)。その結果、非就業者より就業者のほうが生涯学習に取り組ん で いる 者が約 12.7 ポイ ント 少なく なっ ている 。ま た、カ イ二 乗検定 を行 ったと ころ 、
000
.
0
,
675
.
13
2=
p
=
χ
であり、両者が有意に関連をもっていることが確認できた。 図表 5-3 学習状況 (職業別) また、学習状況と学歴との関連をみたものを図表 5-4 で示している。中卒以下の 20.8%、高校 の 34.3%、短期大学・専門学校の 46.7%、大学・大学院の 48.8%が現在生涯学習を行っている。 このように、学歴が高くなるにつれて、学習活動に取り組んでいる割合が高くなることがわかっ た。また、両者の関連について統計的にも有意な結果が得られた(x
2=
34
.
935
,
p
=
0
.
000
)。図表 5-4 学習状況 (学歴別) さらに、学習の実行と収入との関連をみてみると(図表 5-5)、世帯の年収が 1500 万円以上の 51.9%が学習活動を行っており、ほかの年収階級と比べ、唯一学習活動を行っていない割合を上 回っている。全体的に、収入が高くなるにつれて生涯学習の実行率が高くなる傾向が読み取れた。 カイ二乗検定の結果、
χ
2=
12
.
537
,
p
=
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.
028
、学習活動への取り組みの度合は、年収に反映さ れる金銭的な余裕と関連があることが示される。 図表 5-5 学習状況(年収別)生涯学習に対する考えは学習活動の実行に影響を与えているかどうかをみるために、問 3 と のクロスを取ってみることにした(図表 5-6)、生涯学習が「必要である」と考えている者の 44.4% が学習活動を行っているのに対し、「必要でない」と考えている者の 6.5%が学習活動を行ってい る。一方、生涯学習の必要性について「わからない」を答えたものの 2.6%が学習活動を行って いる。また、両者の間に統計的に有意な結果が得られ(
x
2=
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.
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,
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=
0
.
000
)、生涯学習を 重要と捉えている者ほど、これに取り組んでいることが分かる。 図表 5-6 学習状況(必要性とのクロス) 地域別にみると(図表 5−7)、阪神南地域では 47.5%の者が何らかの学習活動を行っており、 最も高い。それ以外に、4 割を越えているのは、西播磨地域の 45.9%と但馬地域の 43.9%である。 一方、学習活動を行っている割合が最も低いのは北播磨の 18.6%、2 番目に低いのは淡路の 20.3% となっている。図表 5-7 学習状況(地域別)
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学習内容(問
学習内容(問
学習内容(問
学習内容(問 6
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)
)
)
生涯学習を行っている者にその学習内容をたずねたところ(図表 6-1、無制限複数回答)、「健 康の維持・増進に関する学習」が最も多く 48.3%、以下、「芸術・芸能に関する学習」が 35.4%、 「農業、農芸に関する学習」が 21.9%、「文学、歴史、哲学、思想に関する学習」が 19.9%、「資 格取得や仕事に必要な知識や技能(コンピューター、車の免許など)の学習」が 19.2%と続いて いる。一方、「人権・平和に関する学習」が 8.6%、「国際理解や国際交流に関する学習」が 4.0% と少なくなっている。しかし、半数を超える項目はなく、半分以上の項目が 1 割∼2 割程度にな っており、ばらつきがそれほど大きくなく、学習内容が多様な範囲に及んでいると言えよう。 図表 6-1 学習内容(性別)性別にみると(図表 6-1)、「健康の維持・増進に関する学習」、「芸術、芸能に関する学習」、「宗 教に関する学習」の 3 項目が女性のほうが高くなっている。特に、「芸術、芸能に関する学習」 を行っている男性が 22.3%であるのに対し、女性が 45.6%になっており、男性の倍以上に高くな っている。上記以外の 13 項目については、男性が女性より高くなっている。10 ポイント以上差 がついているのが「資格取得や仕事に必要な知識や技能(コンピューター、車の免許など)の学 習」と「政治、経済に関する学習」である。このように、男女間の生涯学習の内容についての違 いが見られた。また、問 5 では学習活動を行っている女性が男性より 6 ポイント高くなっている が、男性のほうがより多様な学習を行っていることが分かった。 図表 6-2 学習内容(世代別)
世代別にみると(図表 6−2)、就業率の違いを反映しているのか、「資格取得や仕事に必要な 知識や技能(コンピューター、車の免許など)の学習」を行っている低年齢層が高年齢層より 10.4 ポイント上回っている。これ以外に、5 ポイント以上高年齢層より高いのが「芸術、芸能に 関する学習」、「語学(英会話など)の学習」および「ライフプラン、老後の人生設計に関する学 習」の 3 項目である。一方、高年齢層が低年齢層より 5 ポイント以上高くなっているのは「ボラ ンティア活動に関する学習」である。 図表 6-3 学習内容(低年齢層・性別)
このように、男女別、世代別にそれぞれ学習内容について違いが見られた。さらに、ここでは、 世代別に加えて性別に分けてみたものを図表 6-3、6-4 で示している。 低年齢層については、「健康の維持・増進に関する学習」、「芸術、芸能に関する学習」は男性 よりも女性のほうが高く、「資格取得や仕事に必要な知識や技能(コンピューター、車の免許な ど)の学習」、「文学、歴史、哲学、思想に関する学習」、「政治、経済に関する学習」は女性より も男性のほうが高い。その差はいずれも 14 ポイント以上と大きく、倍以上の違いも見られた。 図表 6-4 学習内容(高年齢層・性別)
高年齢層については、2 割以上の高年齢層が「ボランティア活動に関する学習」を行っており、 第 3 位と高くなっている。低年齢層と違って、「健康の維持・増進に関する学習」について男女 間の違いがほとんどみられない。男性が女性を大きく上回っているのは「資格取得や仕事に必要 な知識や技能(コンピューター、車の免許など)の学習」、「農業・園芸に関する学習」、「政治、 経済に関する学習」の 3 項目であり、両差の差が 10 ポイント前後で、低年齢層の男女差より縮 小している。一方、女性が男性を大きく上回っているのは「芸術、芸能に関する学習」であるが、 両差の差も低年齢層と比べると小さい。男女間の違いは低年齢層より小さいことが言えよう。
3
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学習動機(問
学習動機(問
学習動機(問
学習動機(問 7
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)
)
)
学習を行っている理由は図表 7−1 に示される(無制限複数回答)。 図表 7−1 学習動機(性別)その結果、「老後の生活を充実させたいから」を挙げた者が 62.2%と最も多く、以下、「趣味を 豊かにしたいから」が 55.2%、「健康を維持・増進したいから」が 54.8%、「生きがいを持ちたい から」が 52.2%と上位 4 項目となっている。順番に若干違いがあるものの、これらは問 4 の生涯 学習の必要理由の上位 4 項目と同じである。一方、「今の仕事や就職・転職に役立てたいから」 が 9.0%、「高度な専門知識を身につけたいから」が 7.0%、「資格を取りたいから」が 3.7%といず れも 1 割未満の低い水準となっている。専門的な知識を学び、仕事に役立てたいなどの意識を反 映するこれらの項目についても、問 4 の生涯学習の必要性における回答と一致しており、低い順 番となっている。 男女別にみると(図表 7−1)、「学習することが好きだから」、「家庭生活、日常生活をよりよ くしたいから」、「健康を維持・増進したいから」、「趣味を豊かにしたいから」を挙げた者の割合 は男性より女性のほうが高く、10 ポイント以上の差がついている。一方、男性が女性より 10 ポ イント高いのは、「社会の変化に遅れたくないから」と「教養を高めたいから」である。このよ うに、女性は好みや趣味、または自分自身に関する理由で学習を行っているのに対し、男性のほ うは自分自身の理由以外に、自分の社会的な位置付けをした上で、学習活動を行っていることが うかがえる。 世代別にみると(図表 7−2)、「家庭生活、日常生活をよりよくしたいから」、「生きがいを持 ちたいから」、「今の仕事や就職・転職に役立てたいから」はそれぞれ 16.7、13.4、13.4 ポイン ト、低年齢層が高年齢層を上回っている。一方、高年齢層が低年齢層を 10 ポイント以上上回っ ているのは、「老後の生活を充実させたいから」であり、両者の差が 17.5 ポイントである。
図表 7−2 学習動機(世代別) 次いで、学習活動を行う理由の中で最も重要だと思われる理由について各属性別にまとめた者 は図表 7−3 である(単一回答)。全体にみると、2 割以上の者が「老後の生活を充実させたいか ら」を挙げており、最も多い。2 位が「生きがいを持ちたいから」の 17.9%である。なお、複数 回答(図表 7-1)では第 4 位であった。「健康を維持・増進したいから」が 14.2%、「趣味を豊か にしたいから」が 11.0%と続いている。上位 4 項目は、順番は若干違うが、無制限複数回答と変 わらない。しかし、挙げた者が少ない順からみると、「資格を取りたいから」を選んだ人が1人
もおらず最も少なく、これは複数回答と同じであるが、2 番目と 3 番目に少ないのが「家族や知 人に勧められた・誘われたから」と「学習することが好きだから」である。しかし、図表 7−2 で示された複数回答の結果と異なっている。 図表 7−3 学習動機-最も重要な理由(全体、性別、世代別) 項目 順位 % 順位 % 順位 % 順位 % 順位 % 老後の生活を充実させたいから 1 23.4 1 21.5 1 24.6 2 20.3 1 24.5 生きがいを持ちたいから 2 17.9 2 15.1 2 19.3 1 25.0 3 14.0 健康を維持・増進したいから 3 14.2 3 14.0 3 14.0 5 7.8 2 16.8 趣味を豊かにしたいから 4 11.0 4 10.8 4 11.4 3 10.9 4 11.2 家庭生活、日常生活をよりよくしたいから 5 5.5 8 4.3 5 7.0 4 9.4 8 4.2 社会の変化に遅れたくないから 6 5.0 7 4.3 6 5.3 9 1.6 6 6.3 自由時間をより有効に活用したいから 7 5.0 5 8.6 9 2.6 - 0.0 5 7.7 今の仕事や就職・転職に役立てたいから 8 4.1 6 5.4 10 2.6 6 7.8 9 2.1 社会や地域をよくしたいから 9 3.7 9 3.2 7 4.4 10 1.6 7 4.9 教養を高めたいから 10 3.2 10 3.2 8 3.5 7 6.3 10 2.1 高度な専門知識を身につけたいから 11 1.8 13 2.2 11 1.8 8 4.7 13 0.7 夫婦一緒に行動したいから 12 1.4 12 2.2 12 0.9 - 0.0 11 2.1 その他 13 1.4 11 3.2 - 0.0 11 1.6 12 1.4 友だちをもっと作りたいから 14 0.9 14 1.1 13 0.9 11 1.6 13 0.7 学習することが好きだから 15 0.9 15 1.1 14 0.9 11 1.6 13 0.7 家族や知人に勧められた・誘われたから 16 0.5 - 0.0 15 0.9 - 0.0 13 0.0 資格を取りたいから - 0.0 - 0.0 - 0.0 - 0.0 - 0.0 なんとなく - 0.0 - 0.0 - 0.0 - 0.0 - 0.0 (N=143) 全体 男性 女性 低年齢層 高年齢層 (N=218) (N=93) 女性(N=114) (N=64) 男女別にみると、男女ともに上位 4 項目は全体と同様であり、両者に違いがない。また、これ らの項目について、いずれにおいても女性が男性より高くなっている。これ以外の項目について は、「自由時間をより有効に活用したいから」、「今の仕事や就職・転職に役立てたいから」は男 性が女性より重要視しており、順位が高く、逆に、女性は「家庭生活、日常生活をよりよくした いから」、「社会の変化に遅れたくないから」がより高くなっている。しかし、両者に 5 ポイント の差があるのは「自由時間をより有効に活用したいから」の 1 項目だけである。 世代別の結果をみると、「生きがいを持ちたいから」を学習動機の最も重要な理由としている 低年齢層が 25.0%と最も高いが、高年齢層では 14.0%となっており、第 2 位になっている。一方、 高年齢層の 2 位と上位に位置している「健康を維持・増進したいから」は低年齢層では第 5 位と なっており、両者の差が 9 ポイントと大きい。また、仕事が忙しく、自由時間の少なさからか「自 由時間をより有効に活用したいから」を挙げた者は低年齢層に 1 人もおらず、高年齢層の 7.7 ポ イントと対照的である。このように、世代間には大きな違いがあると言えよう。
4
44
4
学習方法(問
学習方法(問
学習方法(問
学習方法(問 8
88
8)
)
)
)
どのような方法で学習を行っているかをたずねたところ(図表 8−1、複数無制限回答)、半数 以上の 51.3%の者が「自分一人で本を読むなどして」と答えた。それに、「県や市町の行う講座 や教室などに参加して」が 40.9%、「民間の講座や教室等に参加して」が 36.6%、「老人クラブ等 地域のグループなどに参加して」が 28.9%と続いている。一方、学校などへ通ったり、職場の学 習活動を行ったりなど「大学などの公開講座に参加して」、「職場のサークルなどに参加して」、 「通信教育、放送大学を利用して」、「各種学校、専門学校へ行って」がいずれも 1 割未満の低い 水準となっている。 図表 8−1 学習方法(性別) 男女別にみると(図表 8−1)、男性の 62.7%が「自分一人が本を読むなどして」学習を行って おり、1 位となっているのに対し、女性が 44.3%と 3 位になっている。男性が女性より 20 ポイン ト近く上回っている。一方、一人で学習活動するのではなく、いろんな講座や教室またはグルー プで学習する「県や市町の行う講座や教室等に参加して」、「民間の講座や教室等に参加して」、 「老人クラブ等地域のグループなどに参加して」は男性より女性のほうが高くなっている。特に、 「民間の講座や教室等に参加して」は男性より 24.6 ポイント高い。このように、男性は一人で、 女性は複数の人と一緒に学習活動を行っている様子がうかがえる。 世代別にみた結果は図表 8−2 である。低年齢層も高年齢層も上位 4 項目の順番は共通してお り両者に違いはない。しかし、低年齢層では「自分一人で本を読むなどして」および「民間の講 座や教室などに参加して」が高年齢層より高く、逆に、高年齢層では、「県や市町の行う講座や 教室等に参加して」および「老人クラブ等地域のグループなどに参加して」が低年齢層より高くなっている。高年齢層のほうがより公的・地域の学習活動に参加していることが分かる。 図表 8−2 学習方法(世代別) さらに、低年齢層、高年齢層それぞれについて個別に、男女別にみたものが図表 8−3 である。 低年齢層については、男性の 8 割以上が「自分一人で本を読むなどして」学習を行っており、 ほかの学習方法と比べて圧倒的に多く、1 位となっている。一方、女性の 4 割が一人で学習活動 をしており、男性の半分しかない。女性の 1 位が「県や市町の行う講座や教室などに参加して」 となっており、男性では 2 位となっている。3 位には男女ともに「民間の講座や教室等に参加し て」となっているが、女性が男性より高く、男女間で約 30 ポイントの差がある。それ以外に、 女性が男性より大きく高くなっているのは「老人クラブ等地域のグループなどに参加して」であ り、男女間で 20 ポイント以上の差がみられる。このように、低年齢層の男性のほとんどが一人 で学習活動をしているのに対し、女性の学習方法がより豊富かつグループでの学習活動に参加し ていることがわかる。 高年齢層については、1 位から最後の 9 位までの順番はすべて男女間共通しており両者の違い はない。男性では「自分一人で本を読むなどして」が女性より高い、女性では「県や市町の行う 教室などに参加して」、「民間の講座や教室等に参加して」が男性より高くなっている。
図表 8−3 学習方法(世代別・性別) 項目 順位 % 順位 % 順位 % 順位 % 自分一人で本を読むなどして 1 84.4 2 42.0 1 55.3 1 45.4 県や市町の行う講座や教室等に参加して 2 31.3 1 54.0 2 38.3 2 46.3 民間の講座や教室等に参加して 3 12.5 3 42.0 3 25.5 3 43.5 その他 4 9.4 5 10.0 5 21.3 5 12.0 職場のサークルなどに参加して 5 9.4 6 6.0 7 7.4 7 4.6 老人クラブ等地域のグループなどに参加して 6 6.3 4 30.0 4 29.8 4 34.3 大学などの公開講座に参加して 7 6.3 6 6.0 6 9.6 6 6.5 通信教育、放送大学を利用して 8 6.3 6 6.0 8 6.4 8 2.8 各種学校、専修学校へ行って 9 0.0 9 2.0 9 1.1 9 1.9 女性(N=108) 低年齢層 高年齢層 男性(N=32) 女性(N=50) 男性(N=94) ここでは、一人で学習活動を行っていると思われる「自分一人で本を読むなどして」、「通信教 育、放送大学を利用して」の二項目のみを選択し、他の選択肢を選択していないものを[一人で 学習する]とする(図表 8−4)。それ以外の(その他を除く)選択をしたものを[複数の人と学 習する]とする。さらに、[一人で学習する]と[複数の人と学習する]の両方を選択したもの を[一人でも複数の人とも学習する]とし、学習方法を三つに分類した。その結果、[一人で学 習する]が 41 人、13.6%、[複数の人と学習する]が 113 人、37.4%、[一人でも複数の人とも学 習する]は 132 人、43.7%と最も多い。 図表 8−4 学習方法の 3 分類(N=302)
学習方法の 3 分類を利用して、問 6 の学習内容をもう一度みてみると(図表 6−5)、[一人で 学習する]と[複数の人と学習する]の学習内容が大きく異なっていることがわかる。[一人で学習 する]者の中で、「資格取得や仕事に必要な知識や技能(コンピューター、車の免許など)の学習」、 「農業、園芸に関する学習」、「文学、歴史、哲学、思想に関する学習」を行っている割合が[複 数の人と学習する]者より高い。逆に、「芸術、芸能に関する学習」、「ボランティア活動に関する 学習」、「健康の維持・増進に関する学習」、「スポーツに関する学習」、「社会福祉に関する学習」 については、[複数の人と学習する]の方が高くなっている。 図表 6−5 学習内容 (学習方法別)
5
55
5
学習成果
学習成果
学習成果
学習成果
(問(問(問(問 9999))))学習活動によってどのような成果が得られたかとたずねたところ(図表 9−1、複数無制限回 答)、「話し相手や友だちが増えた」が 51.4%と 1 位である。以下、「自由時間を有意義に過ごす ことができた」が 50.0%、「趣味が広がった」が 49.0%、「健康の維持・増進に効果があった」が 46.9%と続いている。このように、上位 4 項目を挙げた者はともに 5 割前後と大きな差がない。 「自分の隠れた才能に気がついた」および「資格を得た」がともに 1 割未満であり、低くなって いる。一方、「以前と変わらない」が 1.0%と極めて少なく、生涯学習によってなんらかの成果 を挙げたと言えよう。 図表 9−1 学習成果(性別)
男女別にみると(図表 9−2)、男性の 1 位は「自由時間を有意義に過ごすことができた」であ るが、女性の 1 位は「話し相手や友だちが増えた」であり、女性が男性より 20 ポイント近く高 くなっている。これは、問 8 の学習方法の回答で、男性では 1 人で、女性ではグループで行動し ている割合が高いことを反映した結果と考えられる。それ以外に女性が男性より 2 割近く上回っ ているのは「学ぶよろこびを知った」である。それ以外の多くの項目においても、女性が男性よ り高くなっている。男性が女性より高くなっているのは、「教養が高まった」、「社会や地域に貢 献できた」、「仕事の上で役立った」と「高度な専門知識が身についた」である。このことから、 男性は学習成果を捉える際にも、仕事や社会との関わりを念頭においていることがわかる。これ は、問 7 学習を行う理由の回答と共通している。 図表 9−2 学習成果(世代別)
世代別にみると(図表 9−2)、低年齢層の 1 位は「趣味が広がった」の 50.6%であり、高年 齢層の 1 位は「話し相手や友だちが増えた」の 53.1%である。2 位はともに「自由時間を有意義 に過ごすことができた」である。高年齢層では「健康の維持・増進に効果があった」が 3 位であ るが、低年齢層では 4 位となっており、また、高年齢層が低年齢層より約 10 ポイント高くなっ ている。一方、世代間の就業状況の差を反映しているのか、低年齢層が高年齢層より 10 ポイン ト以上高くなっているのは「仕事の上で役だった」、「資格を得た」の 2 項目および「家庭生活や 日常生活に役立った」である。全体として、低年齢層が高年齢層と比べて学習活動を行っている 割合が低いにもかかわらず、学習活動によって得られた成果を高く評価しているとみることがで きるだろう。 次いで、低年齢層、高年齢層にそれぞれ性別について見た結果が図表 9−3 である。 低年齢層の場合、男性では「仕事の上で役だった」と「自由時間を有意義に過ごすことができ た」がともに 43.8%と 1 位である。一方、女性の 1 位は「趣味が広がった」と「話し相手や友だ ちが増えた」であり、ともに 59.2%である。特に、学習活動によって、43.8%の男性が「仕事の 上で役だった」(1 位)と挙げたが、女性が 14.3%に過ぎず、12 位となっており、男女間で 30 ポ イント近くの差がある。また、女性の 1 位である「話し相手や友だちが増えた」(59.2%)が男性 の場合は 7 位(25.0%)となっており、男性より約 34 ポイント高くなっている。それ以外にも、 「趣味が広がった」、「学ぶよろこびを知った」、「生きがいを持てるようになった」などの項目に ついて、女性が男性より約 20 ポイント高くなっている。男女間の違いは大きいと言えよう。 高年齢層の場合、男女ともに、順番は若干違うものの、最上位 3 位はともに「健康の維持・増 進に効果があった」、「自由時間を有意義に過ごすことができた」、「趣味が広がった」、「話し相手 や友だちが増えた」である。また、上記項目について、男女間での差がそれほど多くないが、い ずれも男性より女性のほうが高くなっている。一方、男性が女性より高くなっているのは「仕事 の上で役立った」、「教養が高まった」、「高度な専門知識が身についた」、「社会や地域に貢献でき た」などである。しかし、すべての項目について、男女間での差が 20 ポイントを超えたものが ない。