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山羊の乳脂の脂肪酸組成に及ぼす尿素-糖蜜飼料の影響-香川大学学術情報リポジトリ

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香川大学農学部学術報告 第35巻 第1号 33∼41,1983

山羊の乳脂の脂肪酸組成に及ぼす尿素間糖蜜飼料の影響

官 辺 藍 紀,今 出

EFFECT OF UREA−MOLASSES FEED ON THE COMPOSITION

OF FATTY ACIDSIN GOAT,S MILK FAT

ToyokiMIYABE and Tamot,ZuIMAD瓦

Thisinvestig・ationwasto s七udy the effect of urea・・mOlasses feed(UMF)on the gros$milk

COmpOSition,milkfatconstants,and七hefatty acidcomponents ofmi1k fat. Nine Saanen goats were usedinthis experiment.

(1)Thetotalsolids,fat,and proteincontentsofmi】kwerefairlyincreased andinparticular,

the protein content beingmOre PrOnOunCed when gOatS Were fed UMF;the fundamentalra七ion

WaSCOnCentrate,rice straw,and raw graSS。The protein was higherinwhey pro七ein thanin

CaSein percentag・eS.Feeding・raWgraSS tO gOatSincreased the contents ofthetotalsolids andfat

inmilk,the proteincontentbeing consistent.Iodinevalue and saponification value were not af−

fectedmarkedlybyUMFintakebuttheformerwasincreased,WllereaStheiatterwasreducedby

raw grassintake.

(2)In七hecase of七heintake ofUMF,the presenceofrawgTaSSinrationcausedagrea七dif−

ferenceincomposition offattyacidsinmi]kfat・・The C18:Oacidremarkablywasreduced bythe

int,ake ofUMF,regardless ofthe presence ofraw grass.The C8=O and C16:Oacidsalsoincreased

andbothofthe C18‥1and C18‥2acids decreased.Ontheotherhand,themajoreffectof non− rawgrasswastooccuramarkedincrease ofC12‥Oacid.Whengoatswere not fedthe U肝,a markeddepressionofC4:0∼C12:Oacidsoccured,eVenin the presence of raw grass,Showing the reduced percentageswiththelowcarbon numbers.TheC18:O acid remarkablyincreased and

the C18:1was COnSistent.

本研究ほ,尿素N糖蜜飼料(Urea−mOlassesfeed,UMF)が乳組成分,脂肪恒数および乳脂の脂肪酸ぬ成東及 ぼす影響について調べたものである。 ザ・−ネソ種山羊9頭を使用した。 (1)山羊に.UMFを給与(基礎飼料は濃厚飼料,稲藁および生草)すると,乳の全固形分,乳脂および蛋白質含

量を増加し,掛こ蛋白質含盈の増加が靡著であった。蛋白質のうち,カゼイソよりもホェ・血蛋白質の首分率を増加し

た。これに塵草を与.えないと,蛋白質含盈の変化はなかったが,全固形分含盈および乳脂含盈が減少した。また, UMFの給与による沃素価とけん化価への影響ほ余りなかったが,生草を与えると,沃素価ほ高くなり,けん化価は やや低くなった。 (2)UMFを給与(基礎飼料ほ濃厚飼料,稲藁および生草)する場合,生草の有無は乳脂甲脂肪酸組成に大きな相 異を生じた。CIS酸は生草の有無に拘わらず著しく減少したが,生草を給与すると,C4酸およびC8酸を著しく増

加し,C8∼C16酸も増加した。また,CISおよびCl弓酸は共に減少した。−L方,生草を与えないと,C12酸が著し

く増加した。U虻Fを給与しない場合は,生草を与えても,C4∼Cは酸が著しく減少し,低級飽和酸の炭素数が減 るにつれて,漸次,減少し・た。Cl,酸は著しく増加し,C18酸の変化は認められなかった。

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香川大学農学部学術報告 第85巻 第1.号(1983) 34 緒 乳脂の脂肪酸組成は飼料に加.え.られた油脂の影響をうけ易いという報告は多い。例えば肝油を給与すると,オ■レイ ン酸(C好)を増加,低級脂肪酸の盈が減少する。綿実油の給与は,C8∼C14酸を減少させ,スデアリソ酸を増加さ せる(1)。またやし油ややし油粕を与えるとラウリソ酸(C12)が増加する(2)。緑草を給与するとC紆酸が増加し(さ),春 期牧場へだすと,不飽和酸が増加し,酪酸(C4)やスデアリソ酸(C18)が減少する(4)という報告がある 。その他,泌 乳期(5),夏季(¢)の影響や糖の多いてん菜($)の影響などの報告もある。しかし尿素や糖蜜飼料については,家畜の飼 料価値の報告は.あるが,乳脂の脂肪酸組成に及ぼす影響の報告はみられない。 著者らは,山羊を用い尿粛一糖蜜飼料の乳組成分および乳脂の脂肪酸組成に及ぼす影響について実験を行ったので 報告する。 実 験 方 法 Ⅰ試験区および飼料の配合 試験区ほ3区に分け∴試験山羊はザ−ネソ種9頭を用いた。Table・1ほ,試験区と1日当りの飼料の給与畳を示 す。試験山羊は3月15日から4月15日の期間に分娩したものを使用した。産次(回)は,試験区Ⅰが2,3,5,試験 区ⅠⅠは2,3,2,試験区ⅠⅠⅠは4,2,3であった。採乳ほ第1回が6月17日,第2回が7月21日(34日後),第3回 が8月26日(70日後)であった。Table.2は尿素一糖蜜飼料(Urea−mOlassesfeed,以下UMFと略す)の成分 を示す(7)。この液体飼料はモレア(Morea)と称.し,7メリカ合衆国のP..Anderson氏に・より創製されたもので ある。岩田ら(即に.よると,乳牛に対して1日当り,500g′が制限給与の適量であるとされている。配合濃厚飼料の組 成分は,粗蛋白質13.0%,粗脂肪1.5%,粗放維10.0%,粗灰分10い0%である。緬羊の場合,1日の濃厚飼料の給 与畳は225−540gの範囲である(9)が,泌乳中であるので,850gを給与した。試験区Ⅰ(無革,糖蜜区)では生草を

Tab】el..Feed and the divisions of examination(per a day)

Assorted Rice

feed straw Mineral Sa】ts (K6en) Goat t一班F GraSS (kg) (g) (kg) (kg・) Divisions Ⅰ・ ̄ ⅠⅠ・告毒欝函 ⅠⅠⅠ・慧詣忍S 1,2,3 160 0.85 1..5 4,5,6 80 0‖85 0り3 7,8,9 0い85 Freeintake l.2 Freein七ake Freeintake Freeintake Note:UMF(Urea−mOlasses feed)

Table2.The constituent of urea−mOlasses feed

Moist11re

85.05%

Ethano1 3,89

Totalsugar

43.95 でotaエnitrogen 5.23

Crude protein

32u69

慧霊誌霊軋琵;〉 9・68 加kthionine O.023 Reducing suffar tTrea Minera】 Pbosphorie acid Non−VOlati】e aeid Vo】atile aeid 21..08% 7.91 6.21 0.82 4…23 0.. 43

This contains Fe,Al,Mn,Zn,Cu,Mo,Ⅰ,Co,Ni,and B as mineralconstituents. After:E.Iwata昏tal(7)

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官辺皇紀,今出保:山羊の乳脂の脂肪酸組成と尿素一億蜜飼料 35 与えず,試験区ⅠⅠ(有草,糖蜜区)では,UMFを半畳にり稲藁を5分の1に腐らし,生草を与えた。試験区ⅠⅠⅠ (有草・無糖蜜区)では,UMFと稲藁を与えず自由採草とした。 Ⅰ 乳組成分の分析 (1)固形分:アルミ秤量缶に精製珪砂(塩酸と苛性ソーダで浸出し,1000C以上で充分乾燥したもの)15gとガラ ス棒を入れて990±10Cの乾燥静で1時間乾燥し,常法に・より恒温を求めた。(2)脂肪:ゲルベル法に.よった。 (3)蛋白質・カゼイン‥蛋白質はケルダ・−・ル法,カゼインは脱脂乳10m】を100mlフラスコに.採り,水80mlを加 え,40OCの湯浴中に・浸し,10%酢酸0・9mlを混和し,10分間保ったのち,1N酢酸ソーダ1miを加え,pH4..6 としてカゼインを凝固させ,濾過して,濾液中の非カゼイン態窒素を定量し,全窒素より差引いた値をカゼイン態窒 素とした。 Ⅲ 乳脂の精製 搾乳した夕乳と朝乳を混和し,遠心脱脂したのち,クリ1−ム分を−塵夜,冷蔵庫に入れて固化させ,その30g・を 300ml容共栓三角プラスコに採り,メタノ・−ル:石油エ・−・テル:・エ・1−・テルの1:5‥5の溶媒300mlに.加え,充分 撹押して一昼夜,場所に瀞督した。これを濾過後,濾液に少量の無水巴硝を加え,30分間放置して脱水した。次に.濾 過して巴硝を除き,ロー・クリ・−・エ/くポレ・一夕にかけて溶媒を除去した。蒸溜は湯浴の温度40−500C,サッか−で減 圧,回転2u5工’pm,所要時間30分でメタノ・−ルの嗅気が消失した。精製した乳脂は褐色瀞に入れ,窒素を充塀して, 冷暗所で低温保存した。 Ⅳ 乳脂の分析 (1)沃素価:試料0・5gを精粋し,四塩化炭素10mlを加えて溶解したのち,25mlのウイス液を加えて溶解した のら・10%ヨウ化カリ溶液を加え,0・1Nチオ■硫酸ソ・−・ダ溶液で滴定し,溶液が淡黄色に・なったとき,デソプソ溶液 数滴を加えて完全無色とする常法に・よった。(2)鹸化価:試料1い5∼2g・を300ml容フラスコに精押し,これに 0・・5N苛性カリアルコ・−・ル溶液を25ml加え,還流冷却器をつけて,30分間加熱した。内容物が寒天状に固まらない うらに,内壁を洗浄後,冷却器をほずし,次いでフユノt−ルフタレイン溶液数滴を加え,過剰の苛性カリアルコ・−ル を0・5N塩酸で満足し,1分間着色しない時点を終末点とした。(3)ライヘルトマイスル価:試料5gを精秤し て300ml容の蒸溜フラスコ軋入れ,20mlのグリセリンカセイソ1−ダ溶液を加え,鹸化液が透明になるまで加熱振 逸した。次に内容物を800Cに冷却し,約800Cの水130mlを加え,石鹸を溶解後,希硫酸5mlを加えて蒸溜装置 で加熱した。流出液が110mlとなったのち,150Cに・受器を冷却して濾過した。濾液100mlに・7コ仁ノ・−ルフタレイ ン溶液数滴を加え.て,0.1N苛性カリアルコ・−リレ溶液で滴定した。盲検偲を差引いた。 Ⅴ ガスクロマトグラフィーによる乳脂の脂肪酸分析(10〉 精製乳脂1gに・OuOO25N苛性カリメタノ・−・ル10mトを加え,丸底フラスコに逆流冷却器をつけ,窒素ガスを通じ ながら,800Cの湯浴上で1時間半,還流加熱を行って,脂肪酸メチルエステルを調製した。次にこのエ・スチルに.20 m】のエ・−テルを加えて,50ml容の分液ロ・−ト中に・流し込み,こ仁・スチルを抽出した。 さらに.,半飽和食塩水10mlで 1回,飽和食塩水10mlで2回洗浄した。洗浄後は下層液を棄て,残ったエ・−・テル周に.少量の無水巴硝を加え,80分 間放置して脱水した。脱水後,耀過して空硝を濾別し,エ・−テル層を450C以下で蒸溜してエ1−・テルを除去した。,エ・ ・−テルは多少残った方が低級エステルの損失を防く小ことができる。このこ=・スチルを褐色瓶に入れ,窒素充喫して低温 で保存し,ガスタロマトグラフイ・−の試料に・供し,日立K−53型で分析した。ガスクロマトグラフイ・−・の条件とし て,空焼き時間を終了したジメチレンクリコ・−ルサクシナ・−・トカラム(担体:アナクロムABS,粒度‥80−90メッ シュ・,含浸率:18Wt%)を設置し,カラムの長さ2m,恒温温度は140−220OCの昇温(昇温率:20C/分),試料 室温虔3000C,キャリヤーガスN2,ガス圧力0・・8kgノcm2,感度10×102mV,チャ・−ト紙駆使速度10mm,試料注 入量1∼2〝】の各条件に固定した。1回の条件で低級酸から高級酸の全脂肪酸メチルエステルを分離するため,昇温 方法を採用した。補依カラムほ採用しなかったので,昇温によるべ・−スラインの上昇を別に求めて,それをべ・−スラ インとした○ピ−・ク面で計算した。同じ条件下で脂肪酸メチルエステル混合標準物質(富畳百分率既知のもの)のピ ー・ク面輩を測定し,重畳百分率に・より,重畳面研換算係数を求めた。その係数を各試料のど・−・ク面積に乗じて,各盈

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香川大学農学部学術報告 第35巻 第1号(1983) 36 畳面積に.換算し,各試料の蛮量面積の和に対する個々の脂肪酸エステルの重畳面積の割合を脂肪酸含有率とした。 実 験 結 果 Ⅰ乳の組成分 Tabe.3および4にイヒ学的組成分と乳脂の化学恒数の値を示す。試験山羊9頭(延べ27試料)の試料乱すべて, 68%アルコ・−・ルテスト陽性を示した。試験区Ⅰ(無草・UMF区)では全固形分含盈が僅かに.減少し(2・8%),試験 区∬(有草・UMF区)でほ僅かに増加(3..7%),試験区Ⅲ(有草・無UMF区)では僅かに減少した(3・・1%)。す なわち,UMF,浪厚飼料,稲藁のみでは全固形分含量ほ減少し,生草を与えて初めて増加することが認められた。 濃厚飼料と生草のみでは全固形分含畳ほ減少した。カツコ中の値ほ試験開姶後,70日後の増減率を示した。月旨肪含盈 ほ,試験区Ⅰが10..4%減,試験区Ⅱが8..3%増,試験区Ⅲが171.5%減,蛋白質含量ほそれぞれ1..7%増,13・・8%増, 6..5%増であった。すなわち,UMF,濃厚飼料,稲藁に生草を与えないと,蛋白質含盈の変化は殆んどないが,脂 肪含畳ほ僅かに減少し,これに生草を与えると,UMFを半畳に.減らしても(Table一.1参照)脂肪含畳が増加し,蛋 白質含盈が著しく増加することが認められた。濃厚飼料と生草のみでほ,脂肪含畳の減少が目立ち,蛋白質含最はす こ、し増加する程度であった。すなわち,UMFの給与ほ乳の蛋白質含盈の増加に寄与す−ることが認められた。またカ ゼイン数(蛋白質中のカゼイソの首分率)は,3つのどの試験区でも1..8−4り4%減少した。なかでも試験区Ⅱの生 草,UMF,濃厚飼料,稲藁の各飼料が全部揃った区が最も減少した。つまり,UMFの給与によって蛋白質含量が 増加サーるが,カゼインの割合ほ減少して,れエ・1−蛋白質を増加することが認められた。

Table3… Effect ofurea−mO】asses feed(UMF)on thegIOSS COmpOSition ofg・Oat’s milk

Fat(%) Protein(%)Casein(%)(彦琶霊i吉宗宝器n) 二 ∴_l_∴ 1..11.9111.6011巾013…10 8。15 2‖75 2..38 3小413小481u75 2り80 2り75 73り5 82..1ね0 2..10,.43 8.50 9.06 2.501.55 2.318い52 2..39 2‖45 2..951..791…84 83り8 74小9 75.1 3.7..92 9〃32 9n36 2..50 200 2.20 2.52 2い49 2.6411.901い731..84 75.4 69..5 69.7 Ⅰ・ ̄ 4.12.9313“4112..72 3.86 4。.60 3り50 3.35 3…43 4い06 2.68 2..56 3..03 80..0 74.6 74.5 ⅠⅠ・㍑欝p王us5・12…8012い1313り424・203・534・・703・243・223い292・532・472…4878り176・・775・・1 6.13.2713.3214り29 3.85 4.6141.70 3、.73 3.69 4.39 3..06 3..05 3..50 82.0 82い7 79.7 7一.11.4112.1310ル60 8…20 3い29 2.50 2..74 3..30 3.05 2..13 2.59 2.33 77.7 78..5 76.4

ⅠIl8り13・6010・・109…303・202・402・・052・・632・422湖1・・981・741・・9075・・371・971‖9

9い11.1211..0611…49 3.00 2.62 3…20 3∴16 3.62 3..38 2,.55 2.75 2..64 80い7 76.0 78..1 10小09 9.81 9.81 2い70 2い23 2..42 281 2..76 2巾86 2..20 2..112.14 77.6 75“5 74一.6 100 97.2 97.2 100 82り6 89.6 100 98一.3101.7 100 95…8 97.4 100 97..3 96.1 Ave. 13い012.9513.48 3.97 4..25 4一.30 3.44 3..45 3.912.76 2.69 3.00 80.0 78.0 76一.4 % 100 99“6103‖7 100107..8108…3 100100.3113り8 100 97一.5108.7 100 97.5 95…6 Ave. 12‖0411..1010叫46 3.13 2..77 2..58 2u84 3.113..02 2.22 2.36 2…29 77…9 75.5 76.5 % 100 92い2 86…9 100 88u5 82.5 100109.5106い5 100106.3103..2 100 96.9 98.2 Ⅱ 乳脂の化学恒数 沃素価とほ脂質100g・に吸収される沃素のg数を表わしたもの■で,脂肪の不飽和脂肪酸の大小を測定するものであ る。乳脂は他の動物脂肪と違って,不飽和酸が少いのが特放で,泌乳期が進むにつれて増加するものである。試験区 Ⅰ(無草・UMF区)の沃素価はすこし低くなったが,試験区.Ⅱ(有草・UMF区),試験区Ⅲ(有草・無UMF区) では高くなった。すなわち,UMFの給与が沃素価に及ぼす影響ほなかったが,生草を与えると,沃素価が高くなる

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官辺畳紀,今出保:山羊の乳脂の脂肪酸組成と尿素一緒蜜飼料

Table4.Effect of urea−mOlasses feed(UMF)on the fat constants of goat’s milk fat

87 t g ∵ 1.. 31.9 33.8 29い4 16.6 16.3 11.8 210.7 205.5 213.5 Ⅰ ̄ 2u

30・・4 26・7 26・0 20・817・3 4・7 219・7202・4204・4

3. 22巾7 31り6 22い9 17.3 15.8 ユ4.2 225.6 195.6 196.4 4. 29り7 31.1 28.0 17.5 17.1 22.8 226.4 199.1 204.5

ⅠⅠplus

5一・

弧132一・7 29・3 19・816・7 21・4 198・8201・2214・1

6. 19..6 29..5 32.8 13.8 18い0 20“7 206.4186.7 208.6 7… 28.1 28〃9 27.5 26.0 18..5 20い6 206.5 195¶5 214.0

ⅠⅠⅠS

8・

28・8 36・8 30・7 20u51乱719一・7 194・・3197・0205・8

9.. 30..8 36.2 35.3 21.5 15..7 21.1 205..6 197.0 207.1 Ave. 28..3 80‖7 26.1 18.2 16.5 10り2 218..7 201.2 204.8 % 100108..5 92い2 100 90.7 56.0 100 92..0 98.6 Aveい 26.5 31.1 30“0 17.0 17.3 21.6 210.5 195.7 209.1 % 100117.4113…2 100101.8127.1 100 93.0 99.3 Ave. 29い1 34.0 31.2 22小7 16.0 20.5 202.1196.5 209.0 % 100116.7107.1 100 70.5 68.2 100 97.2103.4 ことが認められた。つまり不飽和酸含量を増加させた。 ライヘルトマイスル価ほ揮発性水溶性脂肪酸(主に酪酸)を中和するに・要す−る0・1Nのアルカリ溶液のml数で ある。本実験の結果,試験区Ⅰ(無草・UMF区)では,ライヘルト・マイスル価が約44%減となって,著しく低 くなり,次いで試験区Ⅲ(有草・無UMF区)が約32%減,試験区Ⅱ(有草・VMF区)は約27%だけ増加した。 すなわち,生草とUMFの両者を−・緒に給与するとライヘルトマイスル価が高くなり,揮発性水溶性脂肪酸を増加 し,生草とUM甘のいづれかを欠く中と低下した。けん化価とは,脂質1g’をけん化するに要する苛性カリのmg数で

ある。高級脂肪酸が多いもの程,けん化価は低くなる。試験区Ⅰ(無草・UMF区ぅでは,けん化価はやや低くなり,

試験区Ⅰ(有草・UMF区つと試験区Ⅲ(有革・無口MF区)でほ余り変化はみられなかった○ つまり,生草を給与

しない場合ほ,U虻Fを与えると高級脂肪酸含盈が増加することが認められた○ Ⅲ 乳脂の脂肪酸組成

試験区二Ⅰ(無草・UMF区)では,低級飽和酸(C4∼ClO)を減少した。なかでも,水溶性飽和酸(C4∼C¢)をそ・

れぞれ54%,41%減少した。ライヘルト・マイスル価(主にC4酸の含量を示す)も約44%減となっているので,

値が相対比している。ラウリソ酸(C12)は37%−増,ミリスチソ酸(C14)ほ・やや増加し,含盈の最も多いパルミチソ 酸(C16)(全脂肪酸の26い5%)は余り変化ぽなく・スデアリソ酸(C18)は約35%減で著しく減少した。つまり,C4 酸,C廠およびC18酸が著しく減少し,C12酸とC14酸が著しく増加した。微量含まれるプロピオ・ソ酸(C8)はUMF の給与によって消失した。不飽和酸では・オレイン酸(C好)(金牌肪酸中蝕8%)は余り変化はなく,ヘキサデセソ酸 (C圭言)とリノIdl/レ酸(C窟)は増加した0ドデセン酸(C旨)とテトラデセソ酸(C好)は増加した。その他の徴盈不飽和 酸のうち,

へキセソ酸(C去つとオクテソ酸(qd)がUMFの給与によって新しく僅かに現われた0また,試験区Ⅰ(無

草・UMF区ぅで沃素価が低くなったのほ,C窟酸の減少によること・また,けん化価が低くなったのは,C壬言酸お よびC窟酸の増加に・よるものと推察された○試験区Ⅱ(有草・UMF区)では・C4酸およびC6酸をそれぞれ84%, 67%増加した。生草を与えなかった試験区Ⅰでは,これらの酸は著しく減少したが,試験区Ⅱでは,著しく増加し た。すなわち,UMFと生草を併用すると,C4酸とC6酸が増加することが認められた。C8∼C16酸はやや増加し,

C18酸はやや減少した。不飽和酸では,C紆酸(全脂肪酸の33・5%)は約27%減少し,C蒜1酸とC紆酸も減少した。

含量は少いが,Ci;酸ほ増加,C圭;酸は減少した。また微量忙含まれるC基1竣とC皇己酸は,UMFの給与によって,

(6)

香川大学県学部学術報告 第35巻 第1号(1983)

Table5.Effect of urea−mOlasses feed(UMF)onthefattyacidcompositionofgoat’smilk 飴t DivisionI(Non−graSSがus tJMF)

38

Days after giving・feed

Fatty acids

0 √ 八 、 Ave. (%) SatuIated O.11 (100) 0.92 (100) 2.18 (100) 2.70 (100) 9.25 (100) 3.62 (100) 10.98 (100) 26.45 (100) 11.28 (100) Unsatur・ated C 3:0(Propanoic) C 4‥0(3厄tyrie) C 6:0(Caproie) C 8:0(Caprylic) ClO:0(Capric) C12:0(Laurie) C14:0(Myristic) C16:0(Palmitic) C18:0(Stearic) C 6:1(Hexenoic) C 8:1(Oetenoie) ClO:ユ(Deeenoie) C12:1(Dodecenoic) C14:1(Tetradecenoic) C16:1(Hexadecenoic) C18:1(01eie) C18:2(Linoleic) 0.57(62小0) 1.51(70..9) 2.28(84.4) 7.65(82..7) 4.02(ユ.11.、0) 11‖53(105.5) 25.08(94..8) 9,42(83..9) 0.42(45.7) 1..25(58.7) 2.、22(82‖2) 8り27(89.4) 4..96(137.0) 12..88(113.8) 25..57(96り7) 7い28(64い8) 3 4 2 5 9 2 1 1 5 6 0 0 0 1 0 0.13 0.19 (100) 0.15(78.9) 0.78 (1.00) 0.68(93.2) 0..30 (100) 0..48(160.0) 3岬59 (100) 4.68(130.、4) 別.76 (100) 28.90(116.7) 3.17 (100) 2.94(92.7) 5.28(147.1) 24.48(90‖8) 4.69(147.9)

DivisionII(Grass plus UMF)

Days after givingfeed

34 「 < ヽ Ave. (%−) 0 ′ < 、 Ave. (%) Satlユrated O.38 (100) 1.29 (100) 2.26 (100) 7.46 (100) 3.49 (100) 9.02 (100) 24.10 (100) 9.36 (100) UnsatuTated O“06 (100) 0.19 (100) 0.56 (100) 0..34 (100) 2。76 (100) 33..46 (100) 5仙29 (100)

Fatty aeids

︶ ︶ ︶ ︶ ヽ、ノ ︶ ︶ ︶ 4 0 6 4 4 1 5 4 8 4 5 3 7 6 5 8 6 1 8 ︵×︶ 7 9 9 5 1 1 1 ︵︵︵︵︵︵︵︵ 4 06

0011.6。28.

2 C 8:0(Propanoic) C 4:0(おutyrie) C 6:0(Caproie) C 8:0(Caprylie) ClO:0(Capric) C12:0(Laurie) C14:0(Myristie) C16:0(Palmitie) C18:0(Stearie) C 6:1(Hexenoie) C 8:1(Octenoic) ClO:1(Decenoic) C12:1(Dodecenoic) C14:1(Tetradecenoic) C16:1(Hexadecenoic) C18:1(Oleie) C18:2(Linoleic) ︶ ︶ ︶ ︶ ヽノ ︶ ︶ ︶ 2 7 9 1 3 1 2 4 4 6 9 ?リ 0 5 1 9 8 6 1 2 1 2 2 7 1 1 1 1 1 1 1 ︵︵︵︵︵︵︵︵ 0 7157 0 2 2 9 ?U 1 9 7 1 2 0.38 0.22(366.7) 0.18(94..7) 0.78(139..3) 0小18(52…9) 3..66(132..6) 24.50(73..2) 3.61(68..2) 0.10(166.7) 0..19(100.0) 1.08(192.9) 0.47(138.2) 3.97(143.8) 30.65(91.6) 4.06(76.7)

(7)

官辺豊紀,今出保:山芋の乳脂の脂肪酸鼠成と尿素一糖蜜飼料

DivisionIII(Grass p】us non−UMF)

39

Days after glVlng・feed

34 ′ ノし ヽ Ave. (%) 0.77(96.8) 1.62(76.8) 1.92(85.7) 2..10(79.5) 6.75(90.8) 3り13(86、9) 8..92(97.8) 24い07(98.0) 11.91(195..5) 70 ′ ノヽ ヽ Ave. (%) 0.04(5..0) 0.85(40.3) 1.68(75.0) 2,10(79.5) 6.86(92り3) 2.81(78.1) 9.03(99.0) 25.40(98..1) 11.15(183.1) 0.51 0.52(325愴0) 0.68(80..8) 0.52(96.a) 2.96(87,1) さ2.52(109..3) 2.71(49..4) Fatty aeids 0 ′ ∧ ヽ Ave. (%) Saturated O.80 (100) 2.11 (100) 2.24 (100) 2…64 (100) 7.43 (100) 3.60 (100) 9..12 (100) 25≠89 (100) 6い09 (100) tJnsaturated C 3:0(Propanoie) C 4:0(玉uty工ie) C 6:0(Caproie) C 8:0(Caprylic) ClO:0(Capric) C12:0(Laurie) C14:0(Myristie) C16:0(Palmitic) C18:0(Stea∫ic) C 6:1(fIexenoic) C 8:1(Octenoic) ClO:1(Deeenoie) C12:1(Dodeeenoie) C14:1(Tetradecenoic) C16:1(Hexadecenoic) C18:1(01eie) C18:2(Linoleic) 0.16 (100) 0.78 (100) 0.54 (100) 3.40 (100) 29小74 (100) 5..49 (100) 0.16(100.、0) 0.67(85.9) 0.88(153.7) 3.38(99..4) 30.50(102‖6) 3.72(67.8)

These figures were calculated from weight,%u

試験区Ⅰと同様に,C昌宏酸が現われ,C去コ酸は増加した。 以上要するに・,試験区lとⅡを比較してみると,UMFを給与した場合,生草の有無は乳脂の脂肪酸組成鞋大きな 相違を生じた。飽和酸では.,C18酸は生草の有無に関係なく著しく減少し,UMF,濃厚飼料および稲藁の他に.,生 草を与えると,C4酸とC6酸が著しく増加し(無生草ほ著減),C8酸∼C18酸までは,かなり増加した(無生草は C12酸を著増,C18酸を著減)。不飽和酸でほ生草を与えることによって,C壬宗酸とC窟酸が減少した。試験区Ⅷ(有 欝・無UMF区)では,飽和酸のうち,C4酸を約60%減少,C6∼C12酸までほ.8∼25%減少し,低級飽和酸に.な るにつれて減少率が大であった。C18酸は1・8倍も増加した。C16酸の変化は余り認められなかった。微塵飽和酸で あるC3酸は減少した。また,不飽和酸でほ,C好酸(全脂肪酸の29…7%)は余り変化は認められなかった。C窟酸 は減少した。含量のすくないC王言酸はやや減少,C壬盲【酸は増加した。C昌コ酸ほ含まれなかった。C畠ゴ酸は新しく現わ れた。つまり,UMFを給与しないと,生草を与えても,飽和酸でほ,C18酸以外の飽和酸ほすべて減少し,不飽和 酸でほ,C晶1酸以外ほ減少した。 考 察 試験山羊9頭(延べ27試料)の乳の全固形分含量は7.92−13・60%,蛋白質含量は2.39−4サ89%,脂肪含盈は 1・・55−4・60%の範囲であった。片岡,中江(1971)によると,わが国の山羊乳の全固形分含量12..19%,、蛋白質含畳 3リ30%,脂肪含量3・・72%である(11〉。 乳牛に粗飼料のすくない飼料を与えると,乳盈は殆んど変化せずに.,乳の脂肪 率に濁思の減少(0・・5%)が起るが,一定しているわけではなく,泌乳期の初期に・著しく,汲厚飼料の糖質の種済に. 左右される(1218)。また無脂固形分含量は,粗飼料をすこししか給与しなくても著しく影響されない(12)。 乳脂肪の乳腺細胞での合成に利用されるグリセリンは,主としてグルコ・−スに.由来する。この経路はグルコ・−・スの トリオ㌦・スへの分解を経るもので,中間の先駆物質はα−・グリセロ燐酸と考えられている。14C−グルコ・−・スでの実験 によると,乳脂グリセロ・−ルの約半分が血中グルコースに由来し,准流実験ではさらに多く70%である(14・15)。つま り,糖分解によっでできるグリセロ燐酸が乳脂肪の合成に果たす役割ほ大きい。本実験では,UMFの給与による乳

(8)

香川大学農学部学術報告 第35巻 第1号(1983) 40 脂含最の増加を期待したが,乳脂含盈ほ僅かしか増加しなかった。−・方,蛋白質含畳が試験開始後,70E】後に18..8% も頗著に増加した。低蛋白質飼料を給与すると,乳蛋白質含量を幾分,低下するという報告はあるが,飼料中の蛋白 質が乳蛋白質含量に影響することは殆んどないとされている(12〉。本実験では,飼料中の蛋白質は不足していないの で,UMFの給与が乳蛋白質含量を増加させたものと推察された。本実験に使用したUMFの成分はTable一,2に示し た通りである。岩田の著書(1¢〉に.よると,尿素ほ約46%の窒素を含み,熱量はないが,大豆柏の約7倍の蛋白質に相 当する。反爵胃の第一・胃内のバクテリヤおよびプロトゾアによって同化されて,微生物蛋白となり,次いで胃腸で消 化されて,アミノ酸となって二吸収される。低蛋白飼料に.尿素を加えると,セルPl−ズの消化がよくなることが認めら れている。尿素の消化率ほ羊で89%,牛で94%であり,プロトゾアの蛋白質の消化率は86%で,良質蛋白質やメ チオ・エソなどと混ぜるとよいと記載してある。中村(17〉に.よると,糖蜜のエネルギ−・源としての価値を求めた結果, 糖蜜の給与盈を増加すると,利用エ・ネル牟−が減少し,MEの損失も大となり,生産に対する正味有効率が低くなる という。乳牛では乳組成分や風味が劣化するので,乳牛や肉牛の飼料に対して約10%までの添加が適当であること が認められているく18)。著者ら(19・20・21・22)の実験では,UMFを飼料に.混せて,アルコ1−・ル不安定乳をだす乳牛に給与 すると,乳中の塩瑛均衡が正常化して,アルコ1−ソレ陽性から陰性へ転化することを・認めている。 本実験の結果,UMFの給与は乳の蛋白質含量を増加させ,カゼインよりもホエ・−・蛋白質を増加させることが認め られた。乳蛋白質は乳腺細胞で合成される際に.,グルコ・−・スはアミノ酸に.変り得るが,動脈血中の遊離アミノ酸ほ, 合成される乳蛋白質の約2倍あり,ペプチド畳は必要量の10%程度しかない(28〉。つまり,遊離アミノ酸ほ前駆物 質としての可能性ほあるが,ペプチドは前駆物質としてあまりに.も急がすくな過ぎる。また血檜蛋白を乳蛋白合成の 前駆物質と考えるのに・も無理があるとされる(14・24)。Gerristen(25)によると,乳の抗体蛋白質の74%,乳の血漕アル ブミンの77%が直接,血液より移行するという。乳のγ一グロプリンの93−98%が血滑由来であることも証明され ている。乳のアルブミン(α−うクトアルブミンでない)やグロプリン(β−・ラクトグロプリンでない)ほ.血清由来で あるとされている。 次に沃素価であるが,山芋乳の沃素価ほ21・07−83・57である(28)。本実験でほ,沃素価は殆んどこの範囲に入って いたが,例外的にやや高いものもいくつかあった。乳牛の場合,泌乳期が進むにつれて,C4酸やC6酸などの水溶性飽 和酸が減少し,C紆酸が増加する(3・4)。山羊乳のライヘルト・マイスル価は,通常は19・5・−27…2であるが,本乗験で は,11‖.8−22.8の範囲で,全体にやや低かった。試験区Ⅰに・この億が4.7という著しく低いものが1頭(No.2の山 羊)いた。本実験では,生草とUMFを与えると,ライヘルト・・マイスル価が高くなり,生草を与えないと著しく 低くなることが認められた。糖蜜は容易に発酵され易いので,多量に給与すると,ル・−・メソ菌相は低プロピオツ酸一 高酪酸の発酵型に傾き,飼料中の庶糖レベルが高くなる程,ルーメソVFA中のCき酸は減少し,C4酸は増加し易く なるとされる(17)。本実験では,UMFの給与に・よって,ライヘルト・■マイスル価が高くなることを予期したが,予期 した通り高くなった。これはこのUMF成分の特殊性に.よるためとも考えられた。つまり,このUMFほAndarson 氏の創筆削こ.よるが,同氏は反痴胃の「元素飼養標準」を定め,この標準に.基いて,従来の家畜飼養標準のDCPおよ びTDNに相当するものとして:,新しくCCCHを提案し,この値が2.56のとき,反窮胃の発酵が最適となり,l..6 のときほ50%の効果に.さがるという。 試験区Ⅰ(無草・UMF区)で,乳脂中に徴畳含まれるC$酸がUM甘の給与によって消失したのも,ルーメソ菌 相が低プロピオン酸一高酪酸型に変ったためではないかとも考えられるが断定ほ.できない。また,不飽和酸中のC星コ 酸およびC星口酸のUMFの給与に・よる新しい出現は,試験区∬(有草・UMF区ぅでも同様の結果が得られたので, このことに関係があるのかも知れない。乳脂の生合成に使用される脂肪酸には,摂取した脂肪,動物体の蓄欝脂肪, 反霹胃からくる低級脂肪酸,特に酢酸である。プロピオン酸は乳腺内で分解して,1−Cは主に.CO2に,2−Cと 3−Cはクエン酸回路を経て利用され,酢酸のように乳脂合成に成直掛こは利用されない。酪酸はβ一セドロキシ酪酸 に/なるか,またはβ−酸化して利用される(14)。 乳脂の脂肪酸組成ほ飼料に油脂を加えると影響が大きいことは前述の通りである。本案験ほ.後半,夏季に入った が,夏季に.ほ,乳脂の低級飽和酸が減少す−るという(¢・28)。また乳牛は泌乳期が進むと,Cl¢酸が漸次,減少し,C¢ 酸,C8酸,C重言酸が増加することが認められている(5〉。また,山羊の乳脂の脂肪酸組成(モル%)(27・28)は,C47.5, C吟47,C84.3,ClO12..8,C126L.6,C1411.8,C1624小1,Cェ84.7,C18以上の酸0.4,C王言0<,3,C晶10′′3,C王;0.8, C王言2..2,C‡言16り5,C窟2.8,C窟+,C18以上の酸0.2である。牛の乳脂のそれに比べると,CID酸が約5倍,C8酸 とC12酸が約3倍多く含まれ,Cユさ酸が約半畳だけ少なく、C4酸も僅かに少なく含まれている。不飽和酸では,C至言

(9)

官辺亜紀,今出保:山羊の乳脂の脂肪酸組成と尿素一糖蜜飼料 41 酸が約40%も著しく少いのが特徴である。 上記の文献値と比較すると,本実験に使用した山羊の乳脂ほ,C4∼C12酸までの飽和酸舎監が非常に低く,C18酸 とC壬言酸の含急が非常に高かった。特に.C4酸含量が低くかった。これは,試験前に緑草を多く,濃厚飼料を少なく給 与していたためと思われる。一・般にわが国で飼われている山羊の乳脂肪の脂肪酸組成はこのような傾向があるのでは ないかと推察された。 引 用 文 献 (1)HILDITCH,T.P.and SLEIGHTHOLME,J.J,: β五oeんβ肋..J一.,24,1098(1930)“ (2)MoHAMMED,K巾,BROWN,W.H.,RILEY P.W. and STULL,J”W.:JuDairy Sci.,49,386

(1966). (3)佐々木林治郎,津郷友書:乳の化学,p.30,地球出 版社(1957)り (4)DEAN,H.K.and HILDITCH,T.P.:Biochem.. J.,27,889(1938). (5)STULL,JいWり,BROWN,W.H..,VAIJDEZ,C.and TucI柑R,H.:よβα宜γ・yぶeる.,49,1401(1966)¶ (6)BROWN,W・H・tJAREED,A・0.and STULL.J. W.:J.βαL乞γ財ぶcせり50,700(1967)” (7)岩田久敬,小林邦彦:畜産の研究,16,26(1962). (8)岩田久敬,佐藤義親,永田正明:糖蜜飼料研究会扱 告,No.3,88(1963).. (9)須藤浩:飼料学講義,p.166,養賢堂(1969). ㈹ 中西武雄,中江.利孝:日農化会誌36,361;864; 422;988;994(1962). 的 中江刺孝;牛乳・乳製品,p.25,養賢堂(1974). 姻JENNESS,R..,PATTON,S.:Principles ofDairy Chemistry,p.11(1959)石 鯛 BALCH,C.C。,BALCH,D.A.,BARTLETT,S。, HosKING,乙Ⅰ㍉JoHNSON,Ⅴ.Wり RowLAND, S.才.,and TuRNER,J.:JIDairyRes”23,10 (1955)小 掴 樽谷和男:泌乳(星冬四郎,内藤元男編)p.254∼ 257,東京大学出版会(1968).. すうIJUICX,J.R.,KAMEOIこA,K.K.‥JIDairySci., 49,98(1966). 8◎ 岩田久敬著:飼料学給論,p.410,養賢堂(1955). 的 中村菟八郎著:新飼料学,下巻,p.56∼58,テク サン出版社(1981).. ㈹・LopGREEN,G.P.,OTAGAKIK.K.:J.かα宜γy S¢宜〃,43,220(1960).. ㈹ 官辺皇紀,今出保:糖蜜飼料研究会報告,No.2, p.100(1969). 鰯 官辺皇紀,今出保:同上,p.108(1969). ¢カ MIYABE,T.:Jαp.よZoo舌¢¢九ぶ¢壱.,38,8 (1965). 鋤 MIYABE;,T.:肋例.拘c.Agγ宜¢.助gαぴα

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参照

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