香川県におけるアオバズクNinox scutulataの営巣状況と食性-香川大学学術情報リポジトリ

Loading.... (view fulltext now)

Loading....

Loading....

Loading....

Loading....

全文

(1)

香川県におけるアオバズクⅣ言乃α∫C助JJαgαの営巣状況と食性

野 口 和 恵

〒760−8522香川県高松市幸町1−1香川大学大学院教育学研究科生物学教室

Nestingsituationandfeedinghabitofthebrown−hawkowl,Ninoxscutulata・

inKagawaPrefecture,Japan.

KazueNogucIli,βわわg血圧α♭0川わr外Po5喀′α血αねCo〟′5ら肋gβWαU〝ルe′正軌 7七丘α椚αわ〟760−β・522ノ岬肌 アオバズクの食性を明らかにした。また,営巣 状況として,営巣木および幼鳥数を報告する。 調査地および方法 調査地は,高松市宮脇町1−30−3 石滴尾八 幡神社(東経134度02分,北緯34度20分)である。 境内は人家に囲まれ,裏手は山(雑木林)の斜 面である。境内の樹種構成は,エノキCeJJ∫55′一 肌∽正5PeIS=,クスノキC血棚似仙椚α明血那 (L)presl,ムクノキAダムα〝α〝助e叩e′・α(Thunb・・) Planchon,アラカシQuercusglaucaThunb‖,およ びイチョウGよ乃短0ムよわムαL.などである。調査期

間は,1999年6月1日∼9月18日で,1∼2日

ごとに境内に通った。 7月の1ケ月間,アオバズクの観察を日没30 分前から日没30分後まで行った。成鳥が出入り した樹洞のある木を営巣木とした。営巣木の樹 鼠 胸高直径および樹洞の高さを,巻尺と樹高 計(牛方商会製アルテイ・レベル)を用いて計 測した。 境内に散乱していた,昆虫の頭部・胸部・鞘 麹,および哺乳類の前肢等の動物遊休を残し餌 とみなした。採集した残し餌は,種ごとに頭部, 胸部,左右の上辺あるいは前後麹に分け,最も 多く残っている体の部分の数をその種の採集 摘 要 香川県の石酒尾八幡神社において,アオバズ クを観察し,営巣状況を調べた。営巣木はクス ノキで,幼鳥4羽が巣立った。また,残し餌を採 集し,アオバズクの食性を明らかにした。内容 物は,昆虫綱5日18科54種および哺乳綱巽宇目 1種から成り,全採集数は1442であった。残し 餌の採集数をま2山型に変化した。残し餌の目構 成は巣立ちの前後で変化し,鱗麹目および鞘麹 目からおもに半題目になった。また,残し餌中 で高い割合を占めた科は,スズメガ科,ヤガ科, コガネムシ科,カミキリムシ科,およびセミ科 であった。 は じ め に アオバズク〃f〝孤5C〟血JαJαは,夏鳥として日本 に渡来し,繁殖する。昆虫を主食とし,習性と して飛翔中の昆虫を捕らえ,電柱や枝にとまっ て頭部や麹をむしりとって落とす(′ト林,1976; 谷口,1983)。その食痕を残し餌といい,これま で佐賀県(谷口,1983),神奈川県(飯村,1984), および石川県(富沢,2001)でその内容物が調 査されて−いる。 そこで,香川県においても残し餌を採集し, − 39 −

(2)

麹目,直麹目,および蟻蛤目)18科54種,およ び哺乳綱巽宇目1種(種は不明)から成り,全 採集数は1442であった(付録1)。 残し餌の目構成は巣立ちの前後で変化した (図1)。巣立ち前はおもに鱗麹目と鞘廼目で あったが,巣立ち後はおもに半麹目となった。 残し餌のうち最も出現頻度の高い5科は,鱗 麹目のスズメガ科とヤガ科,鞘麹目のコガネム シ科とカミキリムシ科,および半週目のセミ科 であった。これら5科が残し餌の93。4%を占め た(付録1)。 考 察 小林(1976)および大庭(1997)によれば, アオバズクの巣立ち時期は7月未頃で,1腹卵 数は2∼5個である。したがって,石清尾八幡 神社におけるアオバズクの巣立ち時期(7月23 日)と幼鳥数(4羽)は,これまでの報告と違 いはなかった。 a ▼ 数とし,5日ごとに合計した。 結 果 観察時に,成鳥2羽がクスノキC∼〝〝α朋0朋〟椚 cα〝甲ゐoJd(L.)PfeSlの樹洞に頻繁に出入りして いたことから,この木を営巣木とみなした。営 巣木は2本のクスノキが根元でつながってお り,樹洞のある木の樹高は13‖2m,胸高直径は 1..28mで,樹洞の高さは6一4mであった。もう1 本の樹高は16,.5m,ノ胸高直径は0.71mであっ た。7月23日19時23∼27分に,成鳥2羽以外の 3羽が樹洞から出た。7月31日の昼間に,成鳥 2羽と幼鳥4羽を確認した.ので,4羽の幼鳥が 巣立ったとみなした。1羽の巣立ちの日時は不 明である。 残し餌の採集数は2山型に変化した(図1)。 採集数が減少したのは,巣立ちの前後の頃であ った。 残し餌は,屈虫網5日(鱗週目,鞘遡目,半 蚕挑成合虔コ悠

161116212616111621263151015202530 4 91419

6月 7月 8月 図1‖ 石清尾八幡神社における,アオバズクの残し餌の目別の採集数の変化. ぬりつぶり,鱗麺目;斜線,鞘題目;空白,半題目;縦線,その他. a,幼鳥の巣立ち臥 9月

(3)

残し餌の採集数は,アオバズクの行動とその 範囲に影響される。今回,2山型(図1)にな ったのは,巣立ちの前後でアオバズクの生息場 所が変化し,残し餌を発見できなかったからで ある。また,アオバズクの行動範囲は境内を越 えていたので,すべて−の残し餌を採集できてい ない可能性がある。したがって,残し餌の量的 分析は難しいだろう。 残し餌の目構成は,巣立ちの時期を境に変化 した(図1)。このことを佐賀県(谷口,1983) のデー・夕に当てはめてみると,巣立ち前は鱗麹 目と鞘廼目からなり,巣立ち後に半廼目が含ま れていた(図2)。残し餌中の昆虫が発生しはじ める時期は,鱗麹目や鞘廼目では5・6月から, 一・方,半連日では7月からである(江崎ほか, 1971;林はか,1984;伊藤ほか,1977;黒澤ほ か,1985;上野はか,1985)。したがって,昆虫 の発生時期にはずれがあり,それが残し餌の目 構成の変化に反映したと考えられる。そして−そ の時期が巣立ち頃なのであろう。石川県(富沢, 2001)のデータに半題目が含まれて−いないの は,巣立ち後の残し餌を調査していないためか もしれない。 残し餌中で出現頻度の高い科について−,佐賀 県(谷口,1983)および石川県(富沢,2001) の報告をみてみると,スズメガ科,ヤガ科,コ ガネムシ科,カミキリムシ科,タマムシ科,お よびセミ科であり,その多くが今回の結果と共 通していた。これらの科は,夜間に飛翔する比 較的大型の昆虫を多く含んでおり,アオバズク の狩りの行動や時間帯に合うものであろう。 謝 辞 本研究を行うにあたって,昆虫を同定して頂 いた出場利明氏,増井武彦氏,三木武司氏,高 木真人氏,その他瀬戸内むしの会の方々に御礼 申し上げる。また,川口敏氏には研究内容につ いて多くの助言を頂いた。最後に論文作成およ 0 0 0 5 0 0 1 2 泰雄鰭e墓﹂憬

161116212616111621263151015202530

6月 7月 8月 図2い 佐賀県における1981年の残し餌の目別の採集数の変化(谷口,1983より作成) ぬりつぶり,鱗題目;斜線,鞘麹目;空白,半廼目;縦線,その他. a,幼鳥の巣立ち臥 − 41−

(4)

び樹木の計測調査にあたり,御指導頂いた香川 大学教育学部生物学教室の金子之史教授なら びに末広喜代一・教授に感謝する。

引 用 文 献

江崎悌三・一・色周知・六浦晃・井上寛・岡恒弘・ 緒方正美・黒子浩.1971…原色日本蛾類図鑑 (下)(改訂版)… 保育社,大阪… 304pp… 林匡夫・森本桂・木元新作小1984…原色日本甲虫 図鑑(Ⅳ)..保育社,大阪 438pp。 飯村武.1984∴アオバズク購〝α5C〟J〟ねね/呼0〝− ∫cαの繁殖生態に関する知見‖神奈川自然誌資 料5:44−49“ 伊藤修四郎・奥谷禎一L・日浦勇“1977い原色日本 昆虫図鑑(下).保育社,大阪.385ppり 小林桂幼心1976,.原色日本鳥類図鑑(改訂版) 保育社,大阪.248pp 黒澤良彦・久松定成・佐々治寛之.1985い原色日 本甲虫図鑑(Ⅲ)い 保育社,大阪い 500pp 大庭照代.1997.アオバズ久 日高敏隆(監修), 日本動物大百科4鳥類Ⅱ:39−40い 平凡社,東 谷口一・夫い1983..繁殖期におけるアオバズク 〟玩0ズ5C〟加ゎぬの残し餌について..TbIi32: 145−152 富沢章巾 2001.アオバズクが捕食する昆虫につ いて−「落とし餌」からの検討−.STRIX19: 121−127 上野俊一・・黒澤良彦・佐藤正拳.1985り原色日本 甲虫図鑑(Ⅱ).保育社,大阪 514pp

(5)

鹿慄器畏畏宗男雲慧コ頂N N N−−−1巴:ヨ慧qロー−−1ヨー巨‥”一INト

寸t一叫.....∝〉 ▼−{ †・−1 の一票 寸−の 宍・一門 Ln の N ̄N (=〉_寸 N N L口_....(フl ▼−・} ▼・−1 く⊃_寸 l−・−t − Lr)−Ch 宗一寸 器一票 ▼・・■ uつ N ̄N ID__く⊃ ▼・■ N ▼} uつ †−→ ■・■ り−ヨ ーーuつ くエ〉_⊂> N m ▼・■ tn N N ヨ一式 − し【) ▼・■ ▼−1 ¢−ヨ ▼・・■−Lr) N ▼■ N N − ■・■ − くlつ N I・■ − − ●・■ しQ 寸 m 寸 ⊂ヾ l・■ −■ N ▼・・■ ■・■ I・−1 ⊂ヽlの 寸l・可 N N N N く.D q> 亡ヾ N く‘) の N N 亡り 一 寸ILロ ー」しゎ くわ(乃1N しq N †J ▼} ヨ一寸崎卜サー的の− N N q〇 − N 寸 ●一弓 ▼・・■ 亡ヾ −」 ▼・・」 N ▼・■ N r■ −■ ■■ ▼・・■ の ▼・■ r叫 N N N ▼・■ N・一・・・■ M 寸 の の N ▼・・■ ▼・叫 Ln N 寸 寸 ▼{ − I・} Lr) のI・・■ ▼−ぺ ▼→ の N − N ▼・■I・− ▼」 ▼一1▼・・■ 二=÷、ノ三一∵ご.ミコ手二三r〓で・、ノ、∴㌧、十.∴二∵.∵二三き.せノ.∴三。こ L忠正 ヨU 旬日0【誌叫蔓

0可 q竃]【−き月雇拐 芸卓、コきqqモUq旨】叱qU 竜もむ詠3日噌P勺岩Q や眉已勇象買二当局由 眉蔓OqO弓重 昭昏U B℃P巳拐 ○息1巴qu眉 ⊇邑】欄匂可 q琶QOむ】2d、 薫q】邑月曜UQ】qU 岳点む薫lで礼者むQ 登記頓馬「登竜2受竃く 3q薫q塗雲眉JむR覇 やー○名月苫童貞じ 記じ眉岩ヒ官竜邑6 召Q長句巳亀ぶき、む言 む咄萄眉月ヨQ巴】P石戸卜 雲喝む貞l重義じ 眉2屈「巴uむ恕薫ト 一8冨む肇0邑ぷ弓5葛 篭ぶ眉岩宍二月且ぞ ヒ官二軍害岳薫尋 笥竃邑q克巳3鳥篭 叫∋叫叫むq巴】P司竜一 認弓葛qOトごむ目的8可 霊巴じ眉琶ち量

喝】

q一 堂。 超 霊堰賀 叫 ∈

3

取 n 佑≠ ト ム 萱 農 握

笠 碇 ヽ恥 恥 遥︶ 月雲S曽 ↓ 取へL 碇敬司トト㌻ 壷衷′ヽユ東 蔭取誉VへK 藤牧か 皿殿麗 43

(6)

N寸寸l ∽N の寸 寸寸 仇○− のコ t の . ¢ 寸 l 刊封 ■ 1 寸トl 淫道 矧 t N ︻ l N N M ト l¢ ﹁ N の 寸 ト lt の頂 ¢∽ 討州 . 印判 l t t − N 寸 の トニ QNt ののーSのl lコ l寸 N∽ ■・」 ▼・・」 ●・■ N しゎ ▼・■ − ▼・一 lト ▼・・■ −ぺ −一 く8 ■■ ナ・■ − ヨの− − ○¢ のN 寸 m N 超項︶噌噌§q呈0︼已LU 勺嵩じ怠q肇︼笥叫旨宣巴U 喝

眉的室賀LqOQ芦薫じ 巴甥l彗q弓巴Q重恩邑じ毒 暦薫ち諷昂じ祖霊竃ちぷ 切ヨ山田§】匂ゎヨ弓qqOQq彗 豊美Oq旦句喜 的名叫0嵩 月薫 .d詠 =ヨ奏 ゼ正

う→ ヰ 顎 r‥ 一

0

牒ぺ牒弓 量 産心 m≠ ′\も 東 卜 恕 義q弓む遥巴コ薫 治 山 U 巴 巳 童 2U 眉く 碇 ふ 弓 恥取

n

恥 父竃Sぢ鵬ぷ題Sジ 應 ヱき ミ 主 ‥} づヽ モ ヽ .千 丁

鹿 野に 冨柊 富に 罫柊 富柊 潮田1 富柊 蔭ふ可n柑〃只 」…芸 ヽ 終 皿 腰 越 罫∵平冊誠 〓〓閻附=闇鼠 ll」封呵 村−‥ 率さ荘単相 蔭ふ勺卜 碇〃中正頗鈷 罫柊 正殿迂

Updating...

参照

Updating...

関連した話題 :