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土地税制の理論的・計量的分析

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Academic year: 2021

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第III章 全国都道府県レベル地価関数の推定とシミュレー

ション

本章では全国の都道府県レベルの宅地地価関 数を推定する。東京・神奈川モデルでは地価関 数とともに構造方程式である土地の需要関数を 計測し、その結果地価動向に加えて宅地および 農地面積の推移を推定した。これに対して、本 章の全国モデルでは誘導型の地価関数が計測さ れるのみであり、その手法は前章までの東京・ 神奈川モデルに比べて簡便であることは否めな い。しかしながら本章のモデルは、土地問題が 東京およびその周辺地域に限定されたものでは なく、全国規模の課題であるとの指摘に応える のみならず、東京・神奈川モデルに比べてより 長期の地価動向を分析しているという利点があ る。その意味で、先の東京・神奈川モデルと本 章の全国モデルとは相互補完の関係にあり、両 者の結果を合わせ検討することによって、日本 の土地問題に対する確かな政策的インプリケー ションを導くことができると考えられる。 1.全国における地価の長期動向 都道府県別地価の推定 モデルの検討に入る前に、全国における宅地 価格の長期的動向を概観してみよう。各都道府 県および全国平均の長期地価動向をある程度正 確に把握するのは、それ自体かなり難しい問題 である。つまり、いくつかの地点の地価推移は 国土庁『地価公示』、また全国規模での長期動向 は日本不動産研究所『全国市街地価格指数』で、 それぞれ得られる。しかしながら前者では各県 別の平均的な宅地価格は得られず、また後者で はすべての系列が特定年月を基準とした指数で 表示されており、絶対水準は明らかではない。 このように既存の資料から直接的に、本章で利 用できるデータを抽出するのは不可能であった。 本章で使用される各都道府県別平均宅地価格 の長期系列は、以下の手順で求めた。経済企画 庁『国民経済計算年報』のストック編参考表の なかに土地および森林資産額の都道府県別内訳 (民有地)がある。同表は、土地および森林資 産額を都道府県別、地目別に表したものであり、 同表から各都道府県の宅地総資産額の長期系列 を得ることができる。 また、固定資産税に関連するデータが詳細に 整理されている自治省『固定資産の価格等の概 要調書』のなかの土地・都道府県別表には、各 都道府県の宅地地積のデータが掲載されている。 したがって、前者の宅地総資産額を後者の宅地 地積で除することによって、全国平均および各 都道府県の平均的な宅地価格を求めることがで きる。 全国平均地価動向 まず最初に、全国平均の宅地地価およびその 変動率を、1971年から1988年の時系列でみてみ よう(表III−1参照)。平均地価水準は、1971 年には1m2あたり1万6,000円にとどまってい たが、1988年には10万9,000円に達し、17年間 に6.6倍の上昇を示した。同期間に日本の名目G NPは、4.5倍の伸びにとどまっていることから、 地価の上昇テンポは財およびサービスの生産の 伸びを大幅に上回ったといえる。地価変動率の 推移をみると、1974年を除いてプラスの上昇を 示し、とりわけ三回の高騰局面が観察される。 第一回は高度成長末期の1971∼73年にかけて の期間17)であり、二回目は第二次石油ショック の時期と重なる1978∼81年、そして1986∼87 年が三回目である。 17) ただし日本不動産研究所の市街地価格指数のデ ータをみると、実際にはこの時期の地価高騰は、 1950年代後半から断続的に生じている現象であ ることがわかる。

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表III−1 全国宅地地価の推移 年 宅 地 地 価 上 昇 率 (円/m2) (%) 1971 16,470 15.53 1972 21,550 30.84 1973 26,817 24.44 1974 24,973 △6.88 1975 25,549 2.31 1976 26,212 2.60 1977 27,482 4.84 1978 30,898 12.43 1979 36,896 19.41 1980 43,531 17.98 1981 49,126 12.85 1982 51,860 5.56 1983 53,219 2.62 1984 54,941 3.24 1985 59,050 7.48 1986 74,637 26.40 1987 100,162 34.20 1988 108,839 8.66 (注)1971、72年は沖縄県を除く。 (資料)経済企画庁『国民経済計算』、自治省 『固定資産税の価格等の概要調書』 により作成。 今回の地価高騰は、1987年の上昇率が34.2% に達したことに象徴されるように、1970年代お よび1980年代を通じて最も激しいものであっ た。全国平均の宅地価格、消費者物価および卸 売物価のそれぞれの指数(1971年=100)を時 系列で比較すると(図III−1参照)、1980年代 に入って地価上昇率が一般物価上昇率を上回り はじめ、1986、87年には円高の寄与により卸売 物価が下落し、また消費者物価が安定基調で推 移したのに対して、地価は逆に高騰した。その 結果1988年の指数値は、卸売物価が180また消 費者物価が258にとどまったのに対し、地価は 661となり、土地の他の財に対する相対価格は 大きく上昇した。 都道府県別地価動向 続いて、都道府県別の宅地地価動向をみてみ よう。表III−2は、1988年の宅地平均価格水準 に基づいた47都道府県のランキング表であり、 合わせて1971年と88年との間の地価上昇の倍率 が表示されている。従来から最も平均地価が高 い東京では、1988年には1m2あたりおよそ98 万1,000円と圧倒的な水準に達している。71年 時点では、東京の地価は7万8,000円/m2と大阪 (5万1,000円/m2)の約1.5倍程度であったが、 その後の東京の地価高騰の激しさを反映して、 1988年時点では大阪(30万3,000円/m2)との 格差は3.2倍にまで拡大している。ランキングの 上位には、東京、大阪、神奈川など三大都市圏 18)の都府県が顔を揃え、一方下位には、宮崎、 島根、秋田などの地方圏の各県が並んでいる。 1971年と1988年の地価水準を比較すると、すべ ての都道府県で2倍以上の上昇が観察される。 地価上昇倍率は、全般的にみて三大都市圏が地 方圏を上回っており、なかでも東京と埼玉では 両年の間に10倍以上の上昇を示している。 宅地資産額の動向 次に、表III−3により全国の宅地資産額の長 期動向を概観してみよう。1971年時点では、全 国の宅地を合わせた資産額は140兆円と、同年 の名目GNPの1.7倍の水準であった。その後も 1970年代には、72、73年を除いて宅地資産額の 対GNP比は、2倍弱にとどまった。しかしな がら、1980年代に入ると同比率は2倍を上回り、 さらに1986、87年の地価高騰時にはGNPの伸 びが相対的に低位にとどまる一方、宅地資産額 は著増した。1988年の宅地資産額は、1971年当 時 の お よ そ10倍の1,450兆円に達し、対G 18) 本章の分析では、たびたび三大都市圏と地方 圏という分類が用いられる。三大都市圏とは厳 密にいえば、首都圏整備法、近畿圏整備法およ び中部圏開発整備法によってそれぞれ指定され た地域を指し、それ以外の地域を地方圏とする のが妥当である。しかしながら、これらの根拠 法に基づくと、いくつかの県の一部は三大都市 圏に含まれ、その他の部分は地方圏に分類され るという本章での分析上の不都合が生じる。し たがってここでは便宜的に、東京、神奈川、埼 玉、千葉の首都圏4県、大阪、京都、兵庫の近 畿圏3県そして愛知を加えた8都府県を三大都 市圏と呼び、その他の道県を地方圏としている。

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図III−1 地価と物価の推移(1971年=100) (資料)経済企画庁『国民経済計算』、自治省『固定資産の価格等の概要調書』、総務庁 『消費者物価指数年報』、日本銀行『経済統計年報』により作成。 NP比も3.9倍にまで上昇している19) 全国の宅地資産額に占める三大都市圏のシェ アをみると、1970年代前半にはおよそ7割で あったものが、1970年代後半から1980年代前半 にかけては63%程度に低下するなど、必ずしも 資産額の三大都市圏への集中化傾向は観察され なかった。しかしながら、1985年から1987年に かけて同シェアは大幅に上昇し、1987年には 77%に達している。とりわけ、1970年代後半か ら1980年代前半にかけて2割強で推移していた 東京の資産額シェアは、1986、87年には著しく 19) この宅地資産額の変化(約10倍)は、地価の変 化(約6.6倍)と宅地面積の変化(約1.6倍)に分 けて考えることができる。全国モデルの宅地の 概念は、固定資産税の課税に使われている概念 に等しい。固定資産税の課税に際して、土地は(1) 宅地 (2)田 (3)畑 (4)塩田 (5)鉱泉地 (6)池 沼 (7)山林 (8)牧場 (9)原野 10)雑種地(ゴ ルフ場・鉄道用地含む)に分類される。この分 類の間の転換を、転換先と転換元を結びつけた 形で集計した統計表はない。 一方、国土庁の推計結果によると、農地から 宅地への転換面積が、宅地増分の6∼7割を占 めていることがわかる(資料表III−6)。国土 庁の推計に宅地という概念はでてこないが、住 宅用地、鉱工業用地、その他建物用地の三つが 概ね同じ概念と考えられる。農地以外の転換元 としては、林地、原野、埋め立てによる増加が 考えられる。同じく国土庁の推計によると、林 地からの転換は30∼40km2で推移しており、埋 め立てによる増加は、1975年に34km2だったも のが減少を続け、1988年には10km2となってい る。原野からの転換のデータはない。

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表III−2 都道府県別の地価動向 順位 都道府県 1971年地価 1988年地価 1971年∼1988年の 倍率 (円/m2) (円/m2) (倍) 1 東 京 都 78,152 980,695 12.55 2 大 阪 府 51,462 303,220 5.89 3 神奈川県 37,192 251,292 6.76 4 京 都 府 31,039 191,879 6.18 5 兵 庫 県 24,856 159,791 6.43 6 埼 玉 県 14,938 151,153 10.12 7 千 葉 県 17,677 144,586 8.18 8 奈 良 県 15,106 102,421 6.78 9 愛 知 県 13,687 87,624 6.40 10 静 岡 県 12,909 65,320 5.06 11 広 島 県 17,134 61,783 3.61 12 沖 縄 県 − 57,893 − 13 和歌山県 16,791 53,635 3.19 14 福 岡 県 10,683 53,118 4.97 15 石 川 県 9,669 51,535 5.33 16 高 知 県 10,918 47,441 4.35 17 滋 賀 県 8,799 47,068 5.35 18 愛 媛 県 10,320 43,942 4.26 19 宮 城 県 9,144 41,916 4.58 20 岐 阜 県 7,387 38,408 5.20 21 福 井 県 9,515 37,381 3.93 22 長 崎 県 8,075 37,241 4.61 23 新 潟 県 5,755 37,028 6.43 24 富 山 県 7,432 35,492 4.78 25 長 野 県 6,268 35,231 5.62 26 山 梨 県 5,978 34,595 5.79 27 群 馬 県 6,050 31,801 5.26 28 香 川 県 11,056 31,723 2.87 29 山 口 県 6,565 31,079 4.73 30 徳 島 県 7,226 30,549 4.23 31 茨 城 県 5,074 30,537 6.02 32 岡 山 県 7,920 29,789 3.76 33 栃 木 県 6,576 28,867 4.39 34 鳥 取 県 5,935 28,421 4.79 35 三 重 県 6,982 27,522 3.94 36 熊 本 県 3,371 27,341 8.11 37 福 島 県 5,820 26,684 4.58 38 大 分 県 6,693 26,539 3.97 39 鹿児島県 5,008 26,447 5.28 40 青 森 県 7,682 26,343 3.43 41 北 海 道 6,315 23,420 3.71 42 岩 手 県 4,959 21,519 4.34 43 山 形 県 4,811 20,703 4.30 44 佐 賀 県 4,491 20,545 4.57 45 秋 田 県 4,924 19,232 3.91 46 島 根 県 3,008 19,152 6.37 47 宮 崎 県 3,675 16,833 4.58 (資料)表III−1に同じ。 上昇し、87年には全国のおよそ4割にも達して いる。ただし、1988年には同シェアは一転低下 した(36%)。この事実は、今回の地価高騰が全 国一様に生じたものではなく、東京の急激な上 表III−3 全国宅地資産額と三大都市圏、東京都の シェア及び対GNP比の推移 年 宅地資産額 (全国) 増 減 率 三大都市圏の シ ェ ア シ ェ ア 東京都の の対GNP比 宅地資産額 (10億円) (%) (%) (%) (倍) 1971 140,390.4 21.0 68.66 24.99 1.74 1972 191,954.2 36.7 70.50 26.00 2.08 1973 252,481.4 31.5 69.22 24.60 2.24 1974 247,917.4 △1.8 67.22 23.32 1.85 1975 263,200.4 6.2 65.35 21.83 1.78 1976 280,102.9 6.4 64.48 21.79 1.68 1977 301,526.4 7.6 63.83 21.78 1.63 1978 347,698.0 15.3 63.80 22.01 1.70 1979 424,538.1 22.1 64.75 22.92 1.91 1980 510,503.6 20.2 64.99 22.77 2.13 1981 586,992.4 15.0 63.99 22.45 2.28 1982 632,104.6 7.7 63.32 22.05 2.34 1983 659,057.2 4.3 63.03 21.99 2.34 1984 690,312.7 4.7 62.75 22.27 2.29 1985 753,691.0 9.2 64.26 25.49 2.34 1986 966,779.6 28.3 71.12 37.01 2.88 1987 1,313,861.0 35.9 77.16 39.87 3.75 1988 1,450,297.0 10.4 76.72 35.57 3.88 (注)1.1971、72年は沖縄県を除いた数値。 2.宅地資産額は暦年末の値、GNPは暦年の値である。 3.宅地資産額の対GNP比は、全国ベースの数値。 (資料)経済企面庁『国民経済計算』 昇に端を発し、それがその他の大都市圏に波及 し、さらにその後地方の中核都市にも波及しつ つあることを示している。 2.推定モデルと主要データ モデルの基本型 本章で用いられる地価関数は、基本的には第I 章と、第II章で用いた東京・神奈川モデルの地 価関数と同様に、土地の需給均衡条件から解か れた誘導型モデルである。当期の地価の決定要 因の一つとして予想地価を想定し、予想地価関 数の内挿値を当期の地価の説明変数として用い るという二段階の推定となっているのも、東 京・神奈川モデルと同様である。またデータに 関しては、復帰以前のデータの入手が難しい沖 縄県20)を除く46都道府県のクロスセクション・ データを1971年∼87年について収集してプール 20) 沖縄県のデータの場合には、固定資産税関連お よび建築着工床面積などいくつかの系列の始期 が1972、73年であり、他の都道府県に比べてデ ータ期間が短いため推定から除外せざるをえな かった。

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表III−4 モデルの変数 記 号 変 数 pt 宅地平均地価 ct 建築着工床面積 kt マーシャルのk(M2+CD)/(国民総生産) wt 宅地資産額 lt 宅地地積 τt 宅地固定資産税額(m2あたり) yt 県内総生産 dummy1 (三大都市圏)埼玉県・千葉県・東京都・神奈川県のダミー dummy2 (三大都市圏)愛知県のダミー dummy3 (三大都市圏)京都府・大阪府・兵庫県のダミー dummy4 (三大都市圏)東京都1986年のダミー dummy5 (三大都市圏)東京都1987年のダミー dummy6 (三大都市圏)埼玉県・千葉県・神奈川県1987年のダミー dummy7 (地方圏)北海道・青森県・岩手県・宮城県・秋田県・山形県・福島県のダミー dummy8 (地方圏)茨城県・栃木県・群馬県・新潟県・富山県・石川県・福井県・山梨県・長野県・岐阜県・ 静岡県・三重県・滋賀県・奈良県・和歌山県のダミー dummy9 (地方圏)鳥取県・島根県・岡山県・広島県・山口県・徳島県・香川県・愛媛県・高知県・福岡県・ 佐賀県・長崎県・熊本県・大分県・宮崎県・鹿児島県のダミー (注)1.添字tは、t期における当該数値を示す。 2.ptctktwtltτtyt は、対数変換されている。 し、東京・神奈川モデルと同様にヴァリアン ス・コンポーネント・モデルを用いて推定して いる。 本章の地価モデルは、次式のとおり定式化さ れる。なお各変数の意味は表III−4のとおりで ある。また実際の計測の際には、次式の各変数 はすべて対数変換されている。 (19) Pt =ƒ(Pt*+1, yt,ct,kt,wt,lt,τt) ) ( ) ( ) ( ) ( ) ( ) ( ) (+ + + + + − − 各変数の下の括弧内には、理論から想定され るパラメーター推定値の符号が示されている。 すなわち予想地価、県内総生産、建築物の着工 床面積(土地の限界生産性の指標)、マーシャ ルのk(金融の緩和、引き締めの程度を指す指 標)および宅地資産額がそれぞれ増加すると現 在地価は上昇し、宅地地積および宅地固定資産 税額が増加すると地価は下落すると考えられる。 ここで、東京・神奈川モデルにおいて内生変数 であった宅地地積が、本章のモデルにおいては 外生変数となっている。なおマーシャルのk に ついては、全国共通のマクロ・データが使われ ているが、その他の変数はすべて各都道府県に 固有なクロスセクションの特性を持ったデータ である。 データの収集と加工 ここで推定に用いたデータの収集あるいは算 出方法を簡単に説明しよう。まず最初に、宅地 の固定資産税額については、自治省『固定資産 の価格等の概要調書』から宅地の課税標準を抽 出し、それに固定資産税の標準税率1.4%を乗じ、 さらに『同調書』の宅地地積で除して1m2

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表III−5 単位面積あたり宅地固定資産税額の推移 (単位:円/m2 年 岩 手 県 東 京 都 神 奈 川 県 新 潟 県 愛 知 県 大 阪 府 香 川 県 長 崎 県 1971 5.55 82.79 31.17 9.34 21.91 60.45 9.57 12.24 1972 6.97 107.74 39.80 12.00 27.69 77.17 12.27 15.37 1973 9.62 177.87 67.65 17.09 40.72 123.02 20.84 22.85 1974 11.29 217.51 91.54 20.97 44.92 155.92 27.55 24.53 1975 14.17 276.40 118.70 26.79 55.44 197.77 37.30 31.00 1976 16.71 314.00 140.18 31.34 65.61 230.30 42.98 35.84 1977 19.45 349.86 165.07 36.04 75.75 263.04 49.57 40.70 1978 21.00 361.85 176.97 38.48 79.55 278.73 53.19 42.04 1979 23.60 396.92 196.98 42.97 88.02 303.07 58.70 45.20 1980 25.68 415.77 215.10 46.82 95.24 315.69 63.88 47.05 1981 25.96 417.34 219.62 47.47 96.49 315.64 65.11 47.15 1982 29.46 461.00 243.14 53.25 108.23 351.08 72.77 52.28 1983 32.94 507.33 265.41 59.29 120.71 386.76 81.07 57.77 1984 34.93 531.30 273.64 61.77 125.21 396.83 83.78 59.83 1985 38.91 588.45 297.53 68.73 138.57 435.73 92.22 65.46 1986 43.94 637.97 315.11 75.84 152.30 468.31 102.42 71.27 1987 46.07 645.42 318.08 78.34 156.32 471.29 105.47 71.54 1988 48.26 699.34 333.49 81.91 164.90 502.16 108.89 75.03 (資料)自治省『固定資産の価格等の概要調書』 あたりの税額を求めている。また、県内総生産 21)は経済企画庁『県民経済計算年報』、建築物の 着工床面積22)は建設省『建築統計年報』から、 それぞれデータをとっている。マーシャルのk は、日本銀行『経済統計年報』のマネーサプラ イ(M2+CD)平残を経済企画庁『国民経済 計算年報』の名目GNPで除して算出している。 なお、宅地平均地価と宅地資産額については、 本章第1節で説明されたとおりである。 第I章と第II章の東京・神奈川モデルと本章の 全国都道府県モデルは、前者の給与所得と後者 の県内総生産のように、基本的には類似の説明 変数が採用されている。ただし全国都道府県レ ベルにおける建築物の着工床面積のように、一 方のみに採用されている変数も存在する。両者 間のこのような差異は、各市レベルのデータと 各都道府県レベルのデータとの入手可能性の違 いを反映するものである。 とりわけ東京・神奈川モデルにおいては、土 地が宅地と農地とに分けられて分析されていた が、都道府県モデルでは宅地のみが分析の対象 とされているという大きな差異が存在する。本 章の都道府県モデルにおいて農地が分析から除 外されているのは、最も重要性の高い固定資産 税関連のデータが、農地に関して長期にわたっ ては十分に得られなかったためである23) 21) 県内総生産のデータは、推計作業に手間がかか るため公表時期が他の変数に比べて一年程度遅 れる。したがって、モデルの推定期間が短くなる デメリットを回避するために、ここでは県内総生 産の一期ラグを説明変数に用いている。 22) 地価の説明変数として、フローの建築着工床面 積を採用するか、ストックの建築物床面積を採用 するかについては、理論的な観点から興味深い間 題が提起されると考えられる。しかしながらここ では、後者についてのすべての建築物をカバーす る都道府県別データが得られないため、フロー変 数を採用した。 23) 自治省『固定資産の価格等の概要調書』など公 表資料では、市街化区域内における長期営農認定 農地、同認定率など農地をモデル分析上取り上げ るうえで基本的なデータが、長期にわたっては得 られないために、農地に関する分析を割愛せざる をえなかった。

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固定資産税関連データ ここで説明変数の中でも重要性が高く、後の シミュレーション分析においても焦点が当てら れる固定資産税のデータを、都道府県別に整理 してみよう。固定資産税については、単位面積 あたりの税額と税額を土地の市場価格で除した 実効税率という二つの概念が、それぞれ意味を 持つ。 1m2あたりの固定資産税額をいくつかの都 府県について時系列的に比較すると(表III−5 参照)長期的な地価上昇傾向を反映して、各年 着実に増加していることがわかる。東京都では、 1971年の税額が1m2あたり83円程度であった が1988年には699円にまで増加し、この17年間 で8倍以上となっている。また同表で最も税額 の低い岩手県でも、1971年の6円/m2弱から 1988年の48円/m2強へと、同じく8倍以上の 増加を示している。1988年時点における1m2 あたり税額を多い順に並べると、表III−6のと おりとなる。上位には、東京(699円/m2、大 阪(502円/m2、神奈川(333円/m2)など地 価の高い大都市地域が顔を並べ、他方税額の低 い地域としては、沖縄(40円/m2、鹿児島(43 円/m2、宮崎(46円/m2)などの各県が挙げ られる。 同表において1988年の順位を1971年時点と 比較すると、上位の顔触れを中心に概ね安定し ていることがわかる。若干の変動を指摘すれば、 埼玉(1971年:28位→1988年:9位)、奈良(1971 年:17位→1988年:8位)などが順位を上げ、 福岡(1971年:6位→1988年:11位)、山口(1971 年:11位→1988年:19位)などでは順位が低下 している。 次に実効税率について考察しよう。1988年の 実効税率を都道府県別にみると(表III−7参 照)、各都道府県の実効税率は、固定資産税の標 準税率(1.4%)に比べて著しく低い水準にとど まっていることがわかる。同税率は、全国で最 も高い岡山、香川の二県においても標準税率の4 分の1の0.35%程度にしか過ぎず、最も低い沖縄、 東京などでは0.1%にも達していない。 いくつかの都府県について時系列でみると (表III−8参照)、地価が相対的に安定してい る地方圏の各県では、実効税率も比較的安定し た推移を示しているが、地価の変動が激しい大 都市圏では、実効税率にもかなりの乱高下がみ られる。東京を例にとると、1971∼72年にはお よそ0.1%であった税率は、その後上昇トレンド を辿り、1977年には0.26%に達した。それ以降 は、1980年代前半の一時期を除いて総じて低下 し、1987年には0.06%にまで落ち込んでいる。 すなわちこの約10年間に、東京の実効税率は4 分の1程度の水準にまで下落している。言うま でもなく、このような実効税率の変動は、土地 の市場価格の変動スピードに比べて課税標準の 調整が緩やかにとどまっていることに起因して いる。 3.モデルの推定結果 三大都市圏と地方圏における構造の相違 前述のとおり、ここでは46都道府県の時系列 データをプールしたパネル・データを用いて、 地価関数を推定する。ただし46都道府県をすべ て対象にした場合には、推定式のパフォーマン スは必ずしも満足できるものではなかった。そ こで、三大都市圏と地方圏とに分けて推定する と、総じて良好な結果が得られた。これは、三 大都市圏と地方圏とにおいて、それぞれの推定 モデルの構造が異なる可能性があることを示唆 するものである。推定結果の検討に入る前に、 三大都市圏と地方圏の構造が異なるか否かを、 Chow(1960)の手法を用いて統計的に検定し てみよう。 チャウの係数パラメーター相等性テスト(T- est of Equality of a Set of Regression Coeff- icients in Two Regressions)とは、異なったサ ンプルについて各々推定した複数組の計測式が、 同一の母集団から抽出されたサンプルに基づい て推定されたものであるか否かを検定するもの である。すなわちサンプルを二つに分割した場 合に、それぞれのデータ数をn1n2 それぞれの

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表III−6 単位面積あたり宅地固定資産税額の順位リスト 表III−7 宅地固定資産税実効税率の順位リスト 1998年 (参考)1971年 順位 都道府県 固定資産税額 固定資産税額 順位 (円/m2) (円/m2) 1 東 京 都 699.34 82.73 1 2 大 阪 府 502.16 60.45 2 3 神奈川県 333.49 31.17 3 4 兵 庫 県 222.05 28.62 4 5 京 都 府 191.20 24.64 5 6 広 島 県 187.75 17.68 8 7 愛 知 県 164.90 21.92 7 8 奈 良 県 138.29 11.90 17 9 埼 玉 県 138.27 9.11 28 10 和歌山県 128.51 13.24 13 11 福 岡 県 126.78 22.22 6 12 千 葉 県 119.98 14.60 10 13 静 岡 県 118.54 14.94 9 14 香 川 県 108.89 9.56 26 15 岡 山 県 103.23 13.32 12 16 高 知 県 102.49 8.48 33 17 岐 阜 県 97.81 10.13 21 18 宮 城 県 96.38 9.98 23 19 山 口 県 94.74 13.52 11 20 愛 媛 県 94.63 10.79 18 21 石 川 県 88.73 12.69 14 22 滋 賀 県 82.29 8.60 32 23 新 潟 県 81.91 9.34 27 24 大 分 県 81.59 10.19 20 25 山 梨 県 80.78 8.05 34 26 徳 島 県 77.14 8.89 29 27 長 崎 県 75.03 12.24 15 28 福 井 県 74.10 10.26 19 29 富 山 県 72.82 9.87 24 30 栃 木 県 71.07 6.81 43 31 群 馬 県 70.56 7.96 35 32 三 重 県 66.63 12.13 16 33 北 海 道 66.63 10.12 22 34 山 形 県 64.68 8.65 30 35 長 野 県 63.78 7.43 37 36 熊 本 県 59.71 9.58 25 37 島 根 県 58.89 7.15 41 38 福 島 県 58.58 7.07 42 39 青 森 県 58.57 7.43 36 40 佐 賀 県 58.16 7.40 38 41 秋 田 県 55.75 7.24 40 42 鳥 取 県 55.35 8.61 31 43 茨 城 県 53.12 5.29 46 44 岩 手 県 48.26 5.55 45 45 宮 崎 県 45.51 7.29 39 46 鹿児島県 42.70 6.07 44 47 沖 縄 県 40.18 N.A N.A (資料)表III−5に同じ。 1998年 (参考)1971年 順位 都道府県 実 効 税 率 実 効 税 率 順位 (%) (%) 1 岡 山 県 0.3465 0.1682 8 2 香 川 県 0.3433 0.0865 39 3 山 形 県 0.3124 0.1799 6 4 島 根 県 0.3075 0.2376 2 5 大 分 県 0.3074 0.1522 13 6 山 口 県 0.3048 0.2059 4 7 広 島 県 0.3039 0.1032 36 8 秋 田 県 0.2899 0.1471 15 9 北 海 道 0.2845 0.1603 11 10 佐 賀 県 0.2831 0.1649 9 11 宮 崎 県 0.2703 0.1984 5 12 岐 阜 県 0.2547 0.1372 17 13 徳 島 県 0.2525 0.1230 22 14 栃 木 県 0.2462 0.1036 35 15 三 重 県 0.2421 0.1737 7 16 和歌山県 0.2396 0.0788 43 17 福 岡 県 0.2387 0.2080 3 18 山 梨 県 0.2335 0.1346 18 19 宮 城 県 0.2299 0.1091 30 20 岩 手 県 0.2243 0.1118 29 21 青 森 県 0.2223 0.0967 38 22 群 馬 県 0.2219 0.1315 20 23 新 潟 県 0.2212 0.1623 10 24 福 島 県 0.2196 0.1215 23 25 熊 本 県 0.2184 0.2841 1 26 高 知 県 0.2160 0.0777 45 27 愛 媛 県 0.2154 0.1046 33 28 富 山 県 0.2052 0.1328 19 29 長 崎 県 0.2015 0.1516 14 30 福 井 県 0.1982 0.1078 31 31 鳥 取 県 0.1948 0.1451 16 32 愛 知 県 0.1882 0.1602 12 33 静 岡 県 0.1815 0.1158 27 34 長 野 県 0.1810 0.1185 25 35 滋 賀 県 0.1748 0.0978 37 36 茨 城 県 0.1739 0.1042 34 37 石 川 県 0.1722 0.1312 21 38 大 阪 府 0.1656 0.1175 26 39 鹿児島県 0.1615 0.1212 24 40 兵 庫 県 0.1390 0.1151 28 41 奈 良 県 0.1350 0.0788 44 42 神奈川県 0.1327 0.0838 40 43 京 都 府 0.0996 0.0794 42 44 埼 玉 県 0.0915 0.0610 46 45 千 葉 県 0.0830 0.0826 41 46 東 京 都 0.0713 0.1059 32 47 沖 縄 県 0.0694 N.A N.A (資料)自治省『固定資産の価格等の概要調書』、経済企 画庁『国民経済計算』により作成。

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表III−8 宅地固定資産税実効税率の推移 (単位:%) 年 岩 手 県 東 京 都 神 奈 川 県 新 潟 県 愛 知 県 大 阪 府 香 川 県 長 崎 県 1971 0.112 0.106 0.084 0.160 0.162 0.117 0.087 0.152 1972 0.115 0.100 0.079 0.166 0.139 0.123 0.080 0.158 1973 0.130 0.134 0.107 0.165 0.159 0.159 0.112 0.219 1974 0.148 0.180 0.159 0.204 0.180 0.220 0.151 0.230 1975 0.186 0.232 0.204 0.182 0.218 0.276 0.214 0.257 1976 0.197 0.252 0.237 0.209 0.247 0.318 0.254 0.272 1977 0.209 0.263 0.274 0.229 0.270 0.354 0.289 0.282 1978 0.193 0.235 0.267 0.220 0.249 0.339 0.296 0.236 1979 0.193 0.204 0.244 0.197 0.226 0.311 0.304 0.214 1980 0.172 0.180 0.226 0.179 0.207 0.276 0.304 0.178 1981 0.152 0.160 0.221 0.159 0.187 0.250 0.257 0.151 1982 0.156 0.169 0.238 0.166 0.197 0.261 0.276 0.152 1983 0.171 0.179 0.255 0.180 0.215 0.277 0.300 0.163 1984 0.179 0.178 0.263 0.184 0.217 0.277 0.307 0.166 1985 0.196 0.158 0.271 0.204 0.233 0.289 0.326 0.179 1986 0.219 0.093 0.225 0.225 0.248 0.293 0.358 0.198 1987 0.222 0.064 0.128 0.226 0.218 0.228 0.361 0.202 1988 0.224 0.071 0.133 0.221 0.188 0.166 0.343 0.201 (資料)表III−7に同じ。 図III−2−1 予想地価の内挿テスト(三大都市圏) (千円/m2

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図III−2−2 予想地価の内挿テスト(地方圏) (千円/m2 残差平方和をs 1、s 2、サンプルを分割せずに推 定した場合の残差平方和をs 、パラメーター数k と置き、さらにs t=s 1+s 2,sd s−stと すれば、両サンプルに構造的差異がない場合に は、統計量 (20) F (k, n1+n2−2k) =(sdk)/{s t/(n1+n2−2k)} は、自由度(k, n 1+n 2−2k )のF 分布に従う から、これを用いて両者の構造が同質的か否か をチェックすることができるのである。 以下で詳細に検討する三大都市圏(サンプル 1)と地方圏(サンプル2)の地価関数推定結 果を(20)式に当てはめれば、n1=136,n2=646, s1=l.28,s2=17.63,k=で16であるから、F 値 は8.76となる。この値は、F 分布の5%臨界値 (1.66)および1%臨界値(2.03)をともに大 幅に上回っており、三大都市圏と地方圏との間 に有意な構造的差異が存在することが、統計的 に確認された。 予想地価関数の推定結果 地価関数の推定は、第I章と同様に合理的期待 形成を仮定して予想地価関数をまず推定し、そ の内挿値を現在地価の説明変数の一つに加える という手順によって進められる。現在地価関数 には、基本的には(19)式の各変数が説明変数と して採用され、また予想地価関数には現在地価 関数で使用される各変数の当期の値および一期 ラグ値の両方、あるいはいずれか一方が含まれ ている。 ただし1m2あたり宅地固定資産税額について は、三大都市圏を首都圏、中部圏、近畿圏の3 地域、また地方圏を北海道・東北、関東・中部・ 近畿、中国・四国・九州の3地域にそれぞれ分 割し、係数値を算出している。さらに近年の異 常な地価高騰プロセスを追跡するために、東

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表III−9−1 予想地価関数の推定結果(三大都市 圏) 推定期間:1971年∼1987年 対象地域:埼玉県・千葉県・東京都・神奈川県・愛 知県・京都府・大阪府・兵庫県 推定式:Pt*+1 =α0 +α1yt−2 +α2ct−1 +α3kt +α4kt−1 1 5 − +αwt 1 1 7 6 + − dummy +αlt ατt 2 1 8 − dummy +ατt 1 10 3 1 9τt dummy α τtdummy α + + − 2 11τtdummy α + i i i t + = + ∑ + + 4 2 0 13 3 12τ dummy α dummy α 説明変数 パラメータ t 値 定数項 α0 23.0850 15.36 yt-2 α1 0.4918 3.59 ct-1 α2 0.3383 3.72 kt α3 3.7712 4.86 kt-1 α4 △1.8336 △2.26 wt-1 α5 0.4791 4.50 lt α6 △1.2833 △12.30 τt-1dummy1 α7 0.1952 1.15 τt-1dummy2 α8 0.2694 0.83 τt-1dummy3 α9 0.2582 1.10 τt dummy1 α10 △0.3279 △1.69 τt dummy2 α11 △0.4928 △1.48 τt dummy3 α12 △0.4206 △1.74 自由度:120 京では1986、87年、埼玉、千葉、神奈川の3県 では1987年を、それぞれ対象とした3つのダミ ー変数が加えられている。 まず最初に、第一段階の予想地価関数の推定 結果をみてみよう(表III−9参照)。三大都市圏 (表III−9−1参照)および地方圏(表III−9 −2参照)ともにパラメーター推定値の符号は、 総じて理論から導かれるものと整合的であり、 多くの場合有意性も高い。当期および一期ラグ の双方が説明変数に加えられている場合には、 一 方 の 符 号 条 件 が 満 た さ れ な い も の の 、 双 表III−9−2 予想地価関数の推定結果(地方圏) 推定期間:1971年∼1987年 対象地域:三大都市圏及び沖縄県を除く38道県 推定式:Pt*+1 =α0+α1yt−2+α2ct−1 +α3kt +α4kt−1 1 5 − +αwt 7 1 7 6 + − dummy +α lt ατt 8 1 8 − dummy +ατt 7 10 9 1 9τt dummy α τtdummy α + + − 8 11τtdummy α + 9 12τtdummy α + 説明変数 パラメータ t 値 定数項 α0 21.1579 41.29 yt-2 α1 0.2687 5.27 ct-1 α2 0.1758 5.65 kt α3 1.4692 2.70 kt-1 α4 △1.3496 △2.50 wt-1 α5 0.7593 31.00 lt α6 △1.1968 △27.55 τt-1dummy7 α7 0.0197 0.18 τt-1dummy8 α8 0.1579 1.68 τt-1dummy9 α9 0.1804 1.90 τt dummy7 α10 △0.1324 △1.12 τt dummy8 α11 △0.2492 △2.44 τt dummy9 α12 △0.2853 △2.81 自由度:633 方の係数値を合算すると理論どおりの符号条件 となる。図III−2によって実績値と推定値との 関係をチェックすると、全般的に両者の乖離幅 は小さく、推定値が実績値を比較的良くフォロ ーしていることがわかる。ただし三大都市圏 (図III−2−1参照)における近年の推移をみ ると、実績値に比べて過小推定が続いており、 実際の地価高騰がモデルで予想された以上に大 幅なものであったことがうかがわれる。 なお、1986年から1987年における上記以外の 地域の予想地価はダミー変数なしに比較的良好

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表III−10−1 地価関数の推定結果(三大都市圏) 推定期間:1971年∼1987年 対象地域:埼玉県・千葉県・東京都・神奈川県・愛 知県・京都府・大阪府・兵庫県 推定式:Pt =β0 +β1Pt−1+β2yt−1 +β3ct +β4kt * 1 7 6 1 5wt βlt βτtdummy β + + + − 3 9 8τtdummy2 βτtdummy β + + i i= +i + ∑ + 4 2 0 10 ummy d β 説明変数 パラメーター t 値 定数項 β 0 18.0826 6.71 p t+1 β 1 0.1163 0.99 yt-1 β 2 0.0935 1.10 ct β 3 0.1846 4.12 kt β 4 0.6535 2.28 wt-1 β 5 0.7624 10.74 lt β 6 △1.0130 △6.68 τt dummy1 β 7 △0.0601 △1.56 τt dummy2 β 8 △0.0795 △1.66 τt dummy3 β 9 △0.0629 △1.57 自由度:123 に追えることを考えると、当時の首都圏の地価 高騰は、マーシャルのk の著しい上昇という金 融緩和要因だけによっては説明されず、飛躍的 な国際金融都市化への期待の高まりという要因 が考慮されるべきであると考えられる。 現在地価関数の推定結果 次に、上の予想地価関数の推定値を説明変数 の一つに含んだ現在地価関数の推定結果を検討 しよう(表III−10参照)。現在地価関数につい ても、パラメーターの符号条件および有意性と も比較的満足できる結果が得られた。ただし、 三大都市圏(表III−10−1参照)では予想地価 および県内総生産、また地方圏(表III−10−2 参照)ではマーシャルのk などの係数のt 値は、 低水準にとどまっている。 三大都市圏と地方圏における各パラメーター 表III−10−2 地価関数の推定結果(地方圏) 推定期間:1971年∼1987年 対象地域:三大都市圏及び沖縄県を除く38道県 推定式:Pt =β0+β1Pt−1 +β2yt−1+β3ct +β4kt * 7 7 6 1 5wt βlt βτtdummy β + + + − 9 9 8 8τtdummy βτtdummy β + + 説明変数 パラメーター t 値 定数項 β 0 14.7442 6.11 p t+1 β 1 0.2643 2.29 yt-1 β 2 0.0619 1.33 ct β 3 0.0622 2.58 kt β 4 0.0173 0.10 wt-1 β 5 0.7110 7.86 lt β 6 △0.8321 △6.07 τt dummy7 β 7 △0.0421 △1.99 τt dummy8 β 8 △0.0408 △2.08 τt dummy9 β 9 △0.0419 △2.04 自由度:636 推定値を比較すると、両者の間に相違点と類似 点がそれぞれ観察される。三大都市圏のマー シャルのk は、係数が有意であるうえに、地方 圏に比べて弾性値が圧倒的に高い。その背景と しては、経済規模の面で三大都市圏が地方圏に 比べて大きいために、マクロ・データであるマ ーシャルのk と三大都市圏の地価との相関が 高くなる傾向にあるものと思われる。 建築着工床面積においても三大都市圏の弾性 値が地方圏を大幅に上回り、県内総生産では両 者の差異は相対的に小さいものの、やはり三大 都市圏が地方圏より高い値を示している。一方 予想地価については、地方圏の予想地価関数が かなり実績値をフォローしたことを反映して、 地方圏のパラメーターが有意性と弾力性の両面 で三大都市圏を上回っている。また宅地資産額 は、両者とも比較的似通った弾力的な推定値を

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図III−3−1 地価の内挿テスト(三大都市圏) (千円/m2 示している。 宅地地積および宅地固定資産税額のパラメー ターは、三大都市圏および地方圏とも理論どお りマイナスの符号が得られた。パラメーター推 定値を絶対値で比較すると、地積については両 者とも高い弾性値(三大都市圏:−1.0、地方圏 :−0.8)を示している。固定資産税額において は、税額に前述の地域別ダミー(三大都市圏お よび地方圏ともそれぞれ3地域に分割)を乗じ ることによって、各地域ごとの推定値を算出し ている。地方圏における3地域の固定資産税額 のパラメーターは、すべて−0.04を若干上回る ほぼ同等な値を示し、t値も2.0程度の有意な 水準にある。このように地方圏においては、固 定資産税額の変化に対する地価の感応度は、地 域別にみて極めて同質的かつ安定的であるこ とがわかる。一方三大都市圏においては、税額 のパラメーターの絶対値は地方圏に比べて若干 高く、かつ地域別にも相違が観察される。中部 圏の係数値が−0.08と最も高く、首都圏と近畿 圏は−0.06程度でほぼ拮抗している。ただし三 大都市圏の場合には、税額の係数の有意性が若 干低いという問題点がある。 現在地価関数の全体的な説明力を、図III−3 によって確認することができる。三大都市圏(図 III−3−1参照)および地方圏(図III−3−2 参照)とも、実績値と推定値との乖離は総じて 小幅にとどまっており、モデルのパフォーマン スが全般的にみて良好であることがわかる。と りわけ近年の三大都市圏の地価高騰局面におい ても、推定値が実績値を忠実に追跡している点 は注目される24) 24) ただし前述のとおり、首都圏の各都県には近年 の地価高騰局面に対応するダミー変数が導入さ れており、その寄与によりモデルの説明力が向上 している面は否定できない。

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図III−3−2 地価の内挿テスト(地方圏) (千円/m2 4.地価のシミュレーション分析 標準解の地価動向 前節で推定された地価関数のパラメーター推 定値を用いて、税率変更が地価に及ぼす効果を 定量的に把握しようというのが本節の目的であ る。第II章で用いられた手法と同様に、まず最 初にモデルの外生変数を2000年まで延長して 標準解の地価の推移を算出し、その後に固定資 産税を変更してモデルをシミュレートさせ、標 準解との乖離幅で税率変更の効果を捉えようと いうのが、基本的な考え方である。 2000年に至るまでの標準解の外生変数の設定 状況が、表III−11に整理されている。各変数の 将来への延長については、基本的には過去のト レンドを踏襲している。まず宅地面積について は、推定期間内の数値を直線回帰により延長し た。宅地課税標準額は、三大都市圏については、 地価高騰によって低下した実効税率が次第に上 昇して、2000年の実効税率が1978年の値に戻る よう設定した。地方圏の宅地課税標準額は、毎 年6.0%で安定的に推移すると想定した。また県 内総生産については、国民総生産の1978年から 1988年の平均伸び率で延長した。さらに建築着 工床面積は、1988年の水準がかなり高いとの 判断のもとに横這いとし、マーシャルのk につ いては当面低下し、以後微増していくと想定し た。 以上のような外生変数の設定に基づいた標準 解の地価動向が、表III−12に示されている。三 大都市圏(表III−12−1参照)の1m2あたり平 均地価は、1988年の実績値28万5,000円から2000 年には41万5,000円程度まで、およそ5割近い上 昇を示す。ただし年平均上昇率でみると、モデル の推定値ベースで2.7%という比較的モデレート な上昇にとどまる。地方圏(表III−12−2参照) で は 、1 9 8 8 年 の 実 績 値 3 万 6 , 0 0 0 円/ m2

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表III−11−1 標準解の外生変数の設定(三大都市圏) 年 宅地地積 伸び率 宅地課税標準額 伸び率 県内総生産 伸び率 建築着工床面積 伸び率 (100万m2) (%) (億円) (%) (億円) (%) (千m2) (%) 1971 2,759 5.51 71,677 33.85 387,951 18.35 92,095 △6.78 1972 2,900 5.10 96,215 34.23 422,626 8.94 113,087 22.79 1973 3,015 3.96 160,586 66.90 503,504 19.14 118,478 4.77 1974 3,143 4.23 207,167 29.01 639,565 27.02 77,166 △34.87 1975 3,231 2.81 269,364 30.02 718,821 12.39 74,973 △2.84 1976 3,312 2.52 318,570 18.27 772,734 7.50 82,714 10.33 1977 3,388 2.30 369,882 16.11 869,687 12.55 86,917 5.08 1978 3,452 1.87 394,399 6.63 948,849 9.10 90,263 3.85 1979 3,504 1.50 437,839 11.01 1,036,076 9.19 94,490 4.68 1980 3,556 1.49 469,331 7.19 1,152,960 11.28 87,332 △7.58 1981 3,604 1.36 477,713 1.79 1,254,422 8.80 81,803 △6.33 1982 3,653 1.35 535,538 12.10 1,332,142 6.20 76,969 △5.91 1983 3,700 1.27 594,846 11.07 1,389,623 4.31 77,390 0.55 1984 3,742 1.15 621,589 4.50 1,469,264 5.73 79,689 2.97 1985 3,774 0.86 688,099 10.70 1,547,041 5.29 85,771 7.63 1986 3,821 1.23 751,706 9.24 1,647,564 6.50 91,739 6.96 1987 3,862 1.07 768,750 2.27 1,712,359 3.93 105,934 15.47 1988 3,910 1.25 825,930 7.44 1,844,427 7.71 112,350 6.06 1989 3,984 1.90 1,032,410 25.00 1,951,403 5.80 112,350 0.00 1990 4,059 1.87 1,238,893 20.00 2,064,583 5.80 112,350 0.00 1991 4,133 1.84 1,424,728 15.00 2,184,328 5.80 112,350 0.00 1992 4,208 1.82 1,624,186 14.00 2,311,018 5.80 112,350 0.00 1993 4,284 1.79 1,835,330 13.00 2,445,056 5.80 112,350 0.00 1994 4,360 1.77 2,055,570 12.00 2,586,869 5.80 112,350 0.00 1995 4,435 1.74 2,281,682 11.00 2,736,906 5.80 112,350 0.00 1996 4,512 1.72 2,509,848 10.00 2,895,645 5.80 112,350 0.00 1997 4,588 1.70 2,735,734 9.00 3,063,590 5.80 112,350 0.00 1998 4,665 1.67 2,954,590 8.00 3,241,276 5.80 112,350 0.00 1999 4,742 1.65 3,161,410 7.00 3,429,269 5.80 112,350 0.00 2000 4,819 1.63 3,351,091 6.00 3,628,165 5.80 112,350 0.00 (注)1.外生変数の算出方法:1971∼88年は、実績値。1989∼2000年は、宅地地積は過去の趨勢で延長、宅地課税標準は 伸び率は次第に鈍化すると仮定、県内総生産は全国の長期的成長率で延長、建築着工床面積は最近値横這いと仮定。 2.数値は、推計都府県の合計である。 から2000年には5万円/m2までおよそ4割上 昇する(推定値の年平均上昇率:3.1%)。なお 以下で実施するシミュレーションでの標準解か らの乖離は、標準解の設定を変えてもほとんど 変わらない。 このような標準解を前提として、三つの税率 変更のシミュレーションを実施した。第一は、 固定資産税の実効税率を1991年以降徐々に引 き上げ、2000年に実効税率を1.4%に等しくお くケース(以下、ケース11と呼ぶ)であり、第 二は、0.7%ポイントの固定資産税を1992年か ら標準解の実効税率に上乗せするケース(以下、 ケース12と呼ぶ)、また第三は、ケース12(実 効税率0.7%ポイント上乗せ)の半分に相当する 0.35%ポイントの固定資産税を1992年から標 準解の実効税率に上乗せするケース(以下、ケ ース13と呼ぶ)である。これら三種類の政策シ ミュレーションは、第II章の東京・神奈川モデ ルにおいても同様に検討されている。ただし東 京・神奈川モデルでは、農地の宅地並み課税実 施と抱き合わせで宅地および農地の固定資産税 増額がなされるのに対し、本章では第2節で述 べたデータ制約により農地は分析対象から除外 されており、宅地の固定資産税アップのみの効

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表III−11−2 標準解の外生変数の設定(地方圏) 年 宅地地積 伸び率 宅地課税標準額 伸び率 県内総生産 伸び率 建築着工床面積 伸び率 (100万m2) (%) (億円) (%) (億円) (%) (千m2) (%) 1971 5,764 4.36 42,692 31.87 344,863 16.82 105,639 △0.65 1972 6,007 4.21 56,245 31.75 382,626 10.95 129,221 22.32 1973 6,321 5.22 86,131 53.14 456,021 19.18 160,467 24.18 1974 6,704 6.05 108,950 26.49 585,832 28.47 119,522 △25.52 1975 6,987 4.23 144,077 32.24 687,586 17.37 119,254 △0.22 1976 7,285 4.26 175,210 21.61 747,551 8.72 130,737 9.63 1977 7,492 2.84 206,854 18.06 838,625 12.18 129,799 △0.72 1978 7,706 2.86 224,979 8.76 928,178 10.68 139,826 7.73 1979 7,907 2.61 254,515 13.13 1,023,025 10.22 148,472 6.18 1980 8,075 2.12 278,021 9.24 1,127,809 10.24 131,769 △11.25 1981 8,246 2.12 286,825 3.17 1,218,221 8.02 119,062 △9.64 1982 8,436 2.31 327,319 14.12 1,281,440 5.19 116,731 △1.96 1983 8,584 1.75 369,250 12.81 1,334,392 4.13 109,706 △6.02 1984 8,720 1.59 389,479 5.48 1,384,770 3.78 114,164 4.06 1985 8,886 1.90 438,511 12.59 1,468,369 6.04 111,059 △2.72 1986 9,027 1.59 489,469 11.62 1,538,169 4.75 113,586 2.28 1987 9,149 1.35 509,257 4.04 1,589,710 3.35 128,793 13.39 1988 9,307 1.73 543,559 6.74 1,674,918 5.36 140,912 9.41 1989 9,517 2.25 576,172 6.00 1,772,065 5.80 140,912 0.00 1990 9,726 2.20 610,740 6.00 1,874,841 5.80 140,912 0.00 1991 9,936 2.15 647,384 6.00 1,983,578 5.80 140,912 0.00 1992 10,145 2.11 686,227 6.00 2,098,627 5.80 140,912 0.00 1993 10,355 2.07 727,402 6.00 2,220,348 5.80 140,912 0.00 1994 10,564 2.02 771,048 6.00 2,349,125 5.80 140,912 0.00 1995 10,774 1.98 817,310 6.00 2,485,375 5.80 140,912 0.00 1996 10,984 1.95 866,344 6.00 2,629,524 5.80 140,912 0.00 1997 11,193 1.91 918,327 6.00 2,782,036 5.80 140,912 0.00 1998 11,403 1.87 973,426 6.00 2,943,392 5.80 140,912 0.00 1999 11,612 1.84 1,031,829 6.00 3,114,106 5.80 140,912 0.00 2000 11,822 1.80 1,093,736 6.00 3,294,724 5.80 140,912 0.00 (注)1.外生変数の算出方法は、宅地課税標準を除き、表III−11−1と同じ。宅地課税標準は各年6%の伸びと仮定。 2.数値は、推計道県の合計である。 果が分析されている。 実効税率1.4%のケース ケース11(2000年時価評価課税)のシミュレ ーション結果が、三大都市圏、地方圏別に表III −13−1および2にまとめられている。各カテ ゴ リ ー の 右 側 二 列 に は 、 標 準 解 と ケ ー ス11 (2000年時価評価課税)のシミュレーションに おける固定資産税の実効税率の推移が表示され ている。三大都市圏の実効税率は、昨今の地価 高騰局面では低下傾向を辿ったものの、標準解 のもとでは今後は課税標準の伸びが地価上昇率 を上回ると予想されることから徐々に上昇し、 2000年には過去のピークとほぼ同等な0.235% に達する。一方地方圏の場合には、過去におい ても実効税率は比較的安定的な推移を辿ってお り、標準解のもとでは今後もわずかな上昇にと どまる。ケース11(2000年時価評価課税)のシ ミュレーション内容は、右端の列の実効税率の 推移に表れている。すなわち、三大都市圏およ び地方圏とも、1991年以降逐次実効税率が標準 解に比べて上昇しており、2000年には同率が 1.4%に達する。 このような条件のもとでの地価の将来動向を

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表III−11−3 標準解の外生変数の設定(マクロ変数) 年 マーシャルのk 上昇ポイント 1971 0.73501 0.067 1972 0.78939 0.054 1973 0.79730 0.008 1974 0.75561 △ 0.042 1975 0.77032 0.015 1976 0.79021 0.020 1977 0.78988 △ 0.000 1978 0.80212 0.012 1979 0.82486 0.023 1980 0.82696 0.002 1981 0.84185 0.015 1982 0.87774 0.036 1983 0.90369 0.026 1984 0.91502 0.011 1985 0.93094 0.016 1986 0.96961 0.039 1987 1.02500 0.055 1988 1.07020 0.045 1989 1.10535 0.035 1990 1.07627 △ 0.029 1991 1.04719 △ 0.029 1992 1.01811 △ 0.029 1993 1.02811 0.010 1994 1.03811 0.010 1995 1.04811 0.010 1996 1.05811 0.010 1997 1.06811 0.010 1998 1.07811 0.010 1999 1.08811 0.010 2000 1.09811 0.010 (注)設定方法は、1971∼1989年が実績値。 1992年まで減少し、以降趨勢的に微増と仮定。 みると、固定資産税増税の政策施行後すぐに上 昇率がマイナスに転じていることがわかる。そ の結果2000年における地価水準は、三大都市圏 で は26 万 2,000 円 / m2ま た 地 方 圏 で は 3 万 1,000円/m2と、1988年の推定値に比べてそれ ぞれ1割以上低下している。政策変更の効果を 定量的に捉えるために、標準解と政策変更後の 地価の推移を比較してみよう。表III−13に示さ れているように、二つの地価は政策変更がなさ れた1991年から乖離しはじめ、年々乖離幅が拡 大している。2000年には政策変更後の推定地価 は、標準解の地価を3割以上下回っており(三大 都市圏:36.8%、地方圏:38.8%)、同政策がか なりの効果を発揮することが確認される。 次に各都道府県別にケース11(2000年時価評 価課税)のシミュレーションを実施し、政策効 果を比較してみよう。表III−14には、個別都道 府県のシミュレーション結果のうち、2000年に おける標準解とケース11(2000年時価評価課 税)のそれぞれの推定地価および両者の乖離率 が、乖離率の大きい順に整理されている。同表 から明らかなように、政策変更に伴う地価の下 落は、すべての都道府県で観察される。最も下 落率の大きい滋賀の場合には、同率は49%にも 達し、逆に下落率の最も小さい山口でも、26% というかなりの下落が予測されている。地方圏 での政策効果が三大都市圏を若干上回るという 表III−13での結果を裏付けるように、表III− 14の上位には地方圏の各県が顔を揃え、三大都 市圏では埼玉、千葉、東京の首都圏の都県が比 較的高い下落率となっている。 実効税率0.7%ポイント上乗せのケース 続いて、ケース12(実効税率0.7%ポイント上 乗せ)の政策シミュレーション効果を分析して みよう。表III−15で示されているように、ケー ス12(実効税率0.7%ポイント上乗せ)では1991 年までの実効税率は標準解と同値であり、1992 年以降2000年までの間は、標準解の実効税率に 0.7%ポイント上乗せされた率が設定されてい る。 当シミュレーションの特徴は、1992年に直ち に実効税率を引き上げる点にあり、その結果同 年の地価水準はかなりの下落を示す(前年に対 する下落率 三大都市圏:16.6%、地方圏: 10.4%)。ただしそれ以降については、税率大幅 上昇の影響が徐々に緩和されることから、地価 の下落率はしだいに小さくなり、三大都市圏で は1998年以降また地方圏では1999年以降、地価 は再び上昇に転じる。2000年の地価水準は、三 大都市圏では27万5,000円/m2また地方圏では 3万2,000円/m2と、ケース11(2000年時価評 価課税)のシミュレーション結果より若干高い 水準となった。

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表III−12−1 標準解の推定結果(三大都市圏) 実 績 値 標準解の推定値 年 地価 (a) 上昇率 地価(b) 上昇率 乖 離 率 (b)−(a) (a) 標準解の固定 資産税実効税 率 (千円) (%) (千円) (%) (%) (%) 1971 34.9 15.07 36.6 20.48 4.70 0.099 1972 46.7 33.58 45.9 25.62 △1.54 0.101 1973 58.0 24.22 54.5 18.63 △5.97 0.137 1974 53.0 △8.52 54.6 0.24 3.03 0.169 1975 53.2 0.39 55.8 2.14 4.83 0.209 1976 54.5 2.41 59.2 6.02 8.51 0.228 1977 56.8 4.18 62.7 6.03 10.44 0.244 1978 64.3 13.15 68.2 8.79 6.18 0.234 1979 78.5 22.08 76.0 11.33 △3.17 0.230 1980 93.3 18.93 82.0 7.98 △ 12.08 0.225 1981 104.2 11.69 88.8 8.20 △ 14.83 0.209 1982 109.6 5.13 97.0 9.27 △ 11.47 0.212 1983 112.3 2.48 106.6 9.91 △ 5.05 0.211 1984 115.7 3.09 117.0 9.78 1.11 0.199 1985 128.3 10.87 130.1 11.13 1.35 0.196 1986 180.0 40.25 184.7 42.04 2.65 0.149 1987 262.5 45.88 259.1 40.25 △1.31 0.108 1988 284.6 8.39 302.0 16.55 6.11 0.098 1989 − − 344.9 14.22 − 0.105 1990 − − 367.6 6.57 − 0.116 1991 − − 375.8 2.23 − 0.128 1992 − − 371.0 △1.28 − 0.146 1993 − − 371.3 0.08 − 0.162 1994 − − 373.0 0.46 − 0.177 1995 − − 376.2 0.84 − 0.191 1996 − − 380.8 1.22 − 0.205 1997 − − 386.8 1.59 − 0.216 1998 − − 394.5 1.98 − 0.225 1999 − − 403.8 2.37 − 0.231 2000 − − 415.0 2.76 − 0.235 標準解とケース12(実効税率0.7%ポイント上 乗せ)の地価推定値の推移をみると、政策が施 行される1992年から両者は1割を上回る乖離 を示し、以降乖離率は年々拡大している。ただ し2000年に近づくにつれて、m2あたり税額が安 定した動きになるため乖離率の拡大スピードは 鈍化する。2000年時点の各都道府県別下落率 (表III−16参照)は、概ねケース11(2000年時 価評価課税)(表III−14参照)と同様な結果で あり、滋賀の下落率が45%と最も高く、27%の 大阪が最も低くなっている。 実効税率0.35%ポイント上乗せのケース 最後に、ケース13(実効税率0.35%ポイント 上乗せ)の政策効果をみてみよう(表III−17参 照)。ケース12(実効税率0.7%ポイント上乗

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表III−12−2 標準解の推定結果(地方圏) 実 績 値 標準解の推定値 年 地価 (a) 上昇率 地価(b) 上昇率 乖 離 率 (b)−(a) (a) 標準解の固定 資産税実効税 率 (千円) (%) (千円) (%) (%) (%) 1971 7.6 15.05 8.0 20.18 4.45 0.130 1972 9.4 23.50 9.4 18.36 0.11 0.139 1973 12.0 27.81 10.6 12.81 △ 11.65 0.179 1974 11.9 △1.10 11.5 8.07 △3.45 0.198 1975 12.8 7.65 12.7 10.37 △1.01 0.227 1976 13.4 4.72 14.0 10.25 4.21 0.241 1977 14.3 6.60 15.4 9.84 7.38 0.251 1978 16.1 12.20 17.0 10.86 6.09 0.240 1979 18.6 15.84 19.0 11.46 2.08 0.237 1980 21.6 16.13 20.9 9.92 △3.38 0.231 1981 25.2 16.71 22.8 9.31 △9.51 0.213 1982 27.0 7.17 24.6 7.98 △8.83 0.220 1983 27.9 3.25 26.2 6.46 △5.99 0.229 1984 29.0 3.93 27.7 5.55 △4.52 0.226 1985 29.8 2.66 28.9 4.31 △2.98 0.239 1986 30.4 1.93 30.4 5.06 △0.01 0.250 1987 32.2 5.99 32.5 6.93 0.87 0.240 1988 35.6 10.66 34.6 6.64 △2.79 0.236 1989 − − 36.6 5.77 − 0.232 1990 − − 37.7 2.98 − 0.233 1991 − − 38.7 2.60 − 0.236 1992 − − 39.6 2.26 − 0.239 1993 − − 41.0 3.56 − 0.240 1994 − − 42.3 3.35 − 0.241 1995 − − 43.7 3.16 − 0.243 1996 − − 45.0 3.00 − 0.246 1997 − − 46.3 2.85 − 0.248 1998 − − 47.5 2.72 − 0.252 1999 − − 48.8 2.60 − 0.255 2000 − − 50.0 2.50 − 0.259 せ)に比べてちょうど半分に相当する0.35%ポ イントの税率を上乗せする当ケースでは、当然 予想されるように地価変化のパターンはケース 12(実効税率0.7%ポイント上乗せ)に似通った ものとなる。1992年の地価水準はかなりの下落 (前年に対する下落率三大都市圏:12.3%、地 方圏:6.3%)を示すが、その後の下落率は小 さくなり、三大都市圏では1997年以降また 地方圏では1996年以降、地価は再び上昇に転じ る。2000年における政策効果は三大都市圏が 24.2%、地方圏が26.1%の地価下落率となる。 ケース12とケース13を比較すると、ケース12 (実効税率0.7%ポイント上乗せ)はケース13 (実効税率0.35%ポイント上乗せ)に対して2 倍の税率が掛けられているが、標準解に対する 地価の下落率はケース13に対して1.4倍である。

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表III−13−1 ケース11の結果 (1991年から実効税率を段階的に引き上げ、2000年に1.4%とするケース:三大都市圏) 標準解の推定値 ケース11の推定値 固定資産税の実効税率 年 地価 (a) 上昇率 地価 (b) 上昇率 乖 離 率 (b)−(a) (a) 標 準 解 ケ ー ス1 1 (千円) (%) (千円) (%) (%) (%) (%) 1991 375.8 2.23 352.4 △4.13 △6.22 0.128 0.246 1992 371.0 △1.28 327.1 △7.17 △ 11.82 0.146 0.375 1993 371.3 0.08 309.0 △5.56 △ 16.80 0.162 0.504 1994 373.0 0.46 294.5 △4.69 △ 21.06 0.177 0.632 1995 376.2 0.84 283.3 △3.78 △ 24.69 0.191 0.760 1996 380.8 1.22 275.0 △2.93 △ 27.77 0.205 0.888 1997 386.8 1.59 269.1 △2.15 △ 30.43 0.216 1.016 1998 394.5 1.98 265.3 △1.44 △ 32.76 0.225 1.144 1999 403.8 2.37 263.1 △0.82 △ 34.85 0.231 1.272 2000 415.0 2.76 262.4 △0.28 △ 36.77 0.235 1.400 表III−13−2 ケース11の結果 (1991年から実効税率を段階的に引き上げ、2000年に1.4%とするケース:地方圏) 標準解の推定値 ケース11の推定値 固定資産税の実効税率 年 地価 (a) 上昇率 地価 (b) 上昇率 乖 離 率 (b)−(a) (a) 標 準 解 ケ ー ス1 1 (千円) (%) (千円) (%) (%) (%) (%) 1991 38.7 2.60 37.2 △1.34 △3.84 0.236 0.350 1992 39.6 2.26 36.3 △2.37 △8.19 0.239 0.467 1993 41.0 3.56 35.7 △1.65 △12.80 0.240 0.584 1994 42.3 3.35 35.0 △2.06 △17.36 0.241 0.701 1995 43.7 3.16 34.2 △2.27 △21.71 0.243 0.817 1996 45.0 3.00 33.4 △2.35 △25.78 0.246 0.934 1997 46.3 2.85 32.6 △2.34 △29.52 0.248 1.051 1998 47.5 2.72 31.9 △2.26 △32.93 0.252 1.167 1999 48.8 2.60 31.2 △2.13 △36.02 0.255 1.284 2000 50.0 2.50 30.6 △1.97 △38.81 0.259 1.400 これは当シミュレーションで用いた推計式がロ グ・リニアであるため、本研究で行っているよ うな大幅の税率の変更に対しては、実効税率の 変化が地価に与える影響は非線型となるためで ある。 地価下落パターンの相違 三つのケースのシミュレーションにおける 年々の地価の推移を、図III−4でみてみよう。 前述したように、地価水準を2000年時点で比較 す る と 、 実 効 税 率 の 高 さ に 応 じ て ケ ー ス11 (2000年時価評価課税)が最も低水準となり、 ケース12(実効税率0.7%ポイント上乗せ)、 ケース13(実効税率0.35%ポイント上乗せ)の 順序となっている。 また2000年に至るまでのプロセスは、ケース 11(2000年時価評価課税)とケース12(実効税 率0.7%ポイント上乗せ)および13(実効税率 0.35%ポイント上乗せ)とでは大きく異なる。 すなわち、ケース11(2000年時価評価課税)の 場合には毎年税率上昇のショックが加わるため に、低下する地価が比較的直線に近い軌跡を描 くのに対し、ケース12(実効税率0.7%ポイント 上乗せ)およびケース13(実効税率0.35%ポイ ント上乗せ)では、92年だけに税率上昇の ショックが加わって、その後その水準が維持さ

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表III−14 ケース11の都道府県別地価下落率の順 位リスト 推定地価(2000年) 順位 都道府県 標準ケース 増税ケース 下 落 率 (円/m2) (円/m2) (%) 1 滋 賀 県 103,146 52,388 △49.2 2 鳥 取 県 49,048 26,697 △45.6 3 三 重 県 61,726 33,770 △45.3 4 長 野 県 58,919 32,626 △44.6 5 長 崎 県 59,136 33,380 △43.5 6 石 川 県 78,022 44,117 △43.5 7 佐 賀 県 44,445 25,244 △43.2 8 宮 崎 県 33,905 19,295 △43.1 9 栃 木 県 60,599 34,777 △42.6 10 鹿児島県 30,972 17,852 △42.4 11 福 井 県 59,497 34,302 △42.3 12 茨 城 県 39,533 23,050 △41.7 13 熊 本 県 42,369 24,719 △41.7 14 群 馬 県 54,415 31,842 △41.5 15 埼 玉 県 284,638 166,588 △41.5 16 富 山 県 54,488 32,093 △41.1 17 千 葉 県 232,283 138,205 △40.5 18 静 岡 県 84,056 50,214 △40.3 19 東 京 都 1,314,039 785,436 △40.2 20 北 海 道 42,075 25,358 △39.7 21 新 潟 県 58,143 35,050 △39.7 22 福 島 県 35,877 21,727 △39.4 23 徳 島 県 48,343 29,330 △39.3 24 島 根 県 36,540 22,431 △38.6 25 岩 手 県 27,876 17,346 △37.8 26 山 梨 県 48,551 30,465 △37.3 27 福 岡 県 70,067 44,441 △36.6 28 高 知 県 54,828 34,957 △36.2 29 岐 阜 県 54,273 35,105 △35.3 30 京 都 府 237,101 154,184 △35.0 31 大 分 県 42,124 27,394 △35.0 32 秋 田 県 27,146 17,773 △34.5 33 神奈川県 439,277 289,210 △34.2 34 奈 良 県 67,486 44,620 △33.9 35 青 森 県 24,884 16,781 △32.6 36 愛 媛 県 40,395 27,491 △31.9 37 宮 城 県 39,785 27,369 △31.2 38 和歌山県 53,344 36,699 △31.2 39 山 形 県 26,794 18,474 △31.0 40 兵 庫 県 214,826 149,911 △30.2 41 愛 知 県 124,984 87,326 △30.1 42 広 島 県 70,185 50,097 △28.6 43 大 阪 府 430,820 310,588 △27.9 44 岡 山 県 36,237 26,318 △27.4 45 香 川 県 35,160 25,883 △26.4 46 山 口 県 32,255 23,782 △26.3 表III−16 ケース12の都道府県別地価下落率の順 位リスト 推定地価(2000年) 順位 都道府県 標準ケース 増税ケース 下 落 率 (円/m2) (円/m2) (%) 1 滋 賀 県 103,146 56,357 △45.4 2 鳥 取 県 49,048 28,383 △42.1 3 三 重 県 61,726 35,907 △41.8 4 長 野 県 58,919 34,615 △41.3 5 長 崎 県 59,136 35,257 △40.4 6 石 川 県 78,022 46,666 △40.2 7 佐 賀 県 44,445 26,637 △40.1 8 宮 崎 県 33,905 20,353 △40.0 9 鹿児島県 30,972 18,768 △39.4 10 栃 木 県 60,599 36,747 △39.4 11 福 井 県 59,497 36,132 △39.3 12 熊 本 県 42,369 25,976 △38.7 13 茨 城 県 39,533 24,259 △38.6 14 群 馬 県 54,415 33,513 △38.4 15 富 山 県 54,488 33,692 △38.2 16 北 海 道 42,075 26,159 △37.8 17 福 島 県 35,877 22,403 △37.6 18 埼 玉 県 284,638 177,991 △37.5 19 静 岡 県 84,056 52,606 △37.4 20 新 潟 県 58,143 36,648 △37.0 21 徳 島 県 48,343 30,527 △36.8 22 千 葉 県 232,283 147,258 △36.6 23 東 京 都 1,314,039 835,758 △36.4 24 岩 手 県 27,876 17,770 △36.3 25 島 根 県 36,540 23,292 △36.3 26 山 梨 県 48,551 31,657 △34.8 27 福 岡 県 70,067 45,848 △34.6 28 高 知 県 54,828 35,940 △34.4 29 秋 田 県 27,146 17,953 △33.9 30 大 分 県 42,124 28,046 △33.4 31 岐 阜 県 54,273 36,177 △33.3 32 青 森 県 24,884 16,825 △32.4 33 奈 良 県 67,486 45,671 △32.3 34 京 都 府 237,101 161,148 △32.0 35 神奈川県 439,277 301,950 △31.3 36 愛 媛 県 40,395 27,786 △31.2 37 宮 城 県 39,785 27,375 △31.2 38 山 形 県 26.794 18,448 △31.1 39 和歌山県 53,344 37,057 △30.5 40 愛 知 県 124,984 88,141 △29.5 41 広 島 県 70,185 50,033 △28.7 42 兵 庫 県 214,826 153,938 △28.3 43 岡 山 県 36,237 26,149 △27.8 44 香 川 県 35,160 25,580 △27.3 45 山 口 県 32,255 23,478 △27.2 46 大 阪 府 430,820 315,823 △26.7

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図III−4−1 ケース11・12・13の結果(三大都市圏) (千円/m2 れるために、政策発動当初のマイナス勾配がと くに険しく、しだいに緩やかになったのち、プ ラスの勾配に変化している。 このような地価下落パターンの相違からも明 らかなように、ある程度の率の固定資産税をあ る年以降恒久的に導入する政策は、地価下落に 対してかなりの即効性が期待できる反面、4年 から6年程度が経過した後には再び地価の上昇 傾向が復活する。一方、毎年段階的に実効税率 を引き上げていく政策は、各年の地価下落率こ そ必ずしも大幅ではないものの、下落局面が長 期にわたって継続するという効果が期待できる。 ただし、いずれにせよ両ケースとも、何も政策 が講じられない場合に比べて、かなりの地価水 準引き下げ効果を持つことは事実であり、高地 価問題緩和の有力な政策の一つとなりうると考 えられよう。 固定資産税負担に関する試算 本節の最後に、以上のような政策が実施され た場合に固定資産税負担がどのように変化する のかを試算してみよう。まず最初に、本章で使 用したデータから全国の都道府県を合わせた宅 地固定資産税額を試算すると、1988年時点でお よそ1兆9,000億円となる。そして、現行の固定 資産税の仕組みが維持されると仮定したモデ

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図III−4−2 ケース11・12・13の結果(地方圏) (千円/m2 ルの標準解に基づくと、2000年時点の同税額は 約6兆2,000億円へと増加する。 一方、本章の分析から類推されるように、実 効税率を上昇させる三つのシミュレーション・ ケースでは、将来の固定資産税が大幅に増加す る。三つのケースのなかで2000年の実効税率が 最も低く、増税規模が小さいケース13(実効税 率0.35%ポイント上乗せ)の場合でさえ、2000 年時点の税額は11兆6,000億円というかなりの 規模に達するものと試算される。また、ケース 12(実効税率0.7%ポイント上乗せ)では16兆 円、ケース11(2000年時価評価課税)では20 兆円となり、1988年時点の市町村税総額(16 兆2,000億円)に匹敵するか、それを上回る莫大 な水準となる。 マクロの税収増の試算に続いて、この増税に よって個人がどの程度の負担増を強いられるか を算定してみよう。計算の便宜上、ここでは 150m2の宅地を保有する代表的家計を想定し、 その家計が支払うべき固定資産税額および同税

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