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平方メートルあたりの価格が3万円以上の 3大都市圏の特定市の市街化区域内農地である。

ドキュメント内 土地税制の理論的・計量的分析 (ページ 46-51)

ここに課税の適正化とは、原則として宅地と同 じように課税することをいう。その場合の税額 は、原則としてうえに述べた評価額の2分の1 に税率を乗じて求めた額とする。これにより一 般の住宅用地に対する課税と同じになる。

長期営農継続農地制度

  ただし、面積が990平方メートル以上で、現に 耕作の用に供され、かつ、10年以上営農を継続 することが適当と認められる長期営農継続農地 については、農地課税相当額を上回る税額が、

徴収猶予される。5年ごとに営農継続の実績を 確認の上、徴収猶予税額が免除される。ただし、

営農が継続されないことになった場合には、原 則として徴収猶予税額すべてがさかのぼって徴 収される。補論表II-3は、3大都市圏の特定市の 市街化区域内農地面積等を示したものである。

適正化措置までの経緯

  市街化区域内農地に対する固定資産税につい ては、原則として宅地化すべきであるというこ とおよび周辺の宅地との税の公平性という観点

から、

1971年度以来宅地並みに課税する適正化

措置がとられてきた。まず1971年度に農地がA、

B、Cの3種類の農地に分けられ、A農地は

1972年度から、B農地は1973年度から宅地並み

に課税する予定であった。また、C農地につい ては1976年度から実施する予定であった。

  A農地とは1972年度において3.3平方メート ルあたり評価額が宅地の平均価格以上または5 万円以上の農地をいう。B農地は、同じく評価 額が宅地の平均価額の2分の1以上で平均価額 未満の農地(1万円未満の農地を除く)をいい、

C農地とは同じく評価額が宅地の平均価額の2 分の1未満の農地または平均価額が1万円未満 の農地をいう。

  ところが、

1972年度から予定されていたA農

地の宅地並み課税の実施は、事実上見送りとな り、B農地についても1973年度からの実施は見 送りになった。また、三大都市圏の特定市のA 農地、B農地については、前者は1973年度から、

後者は1975年度からそれぞれ宅地並みに課税 することになったが、各市が独自に補助金を公 布したため、実際には宅地並み課税にはならな かった。さらに1976年度以降1981年度までは、

A農地とB農地の両方について、現に耕作の用 に供され引続き3年以上農地として保全するこ

補論表II−3  長期営農継続農地面積等の推移

(a),(b):上段  1982年1月1日  (c):上段  1983年3月31日

下段 

1988年1月1日    下段  1989年3月31日

地 域

特定市内の 市街化区域 農地面積(a)

宅地並み課 税の対象農 地面積 (b)

長期営農継 続農地面積

(c)

宅地並み課 税農地面積

(b−c)

宅地並み課 税の対象農 地率 (b/a)

認定率

(c/b)

(ha) (ha) (ha) (ha) (%) (%)

東 京 圏

37,522 30,307 24,510 5,797 80.8 80.9

30,716 27,722 23,384 4,338 90.3 84.4

大 阪 圏

15,979 7,649 6,609 1,040 47.9 86.4

13,507 9,579 8,469 1,110 70.9 88.4

名古屋圏

13,740 4,610 3,912 698 33.6 84.9

11,542 6,688 5,803 885 57.9 86.8

67,241 42,566 35,030 7,536 63.3 82.3

55,765 43,989 37,655 6,334 78.9 85.6

(注)1.特定市とは、次に掲げる地域をいう。

東京圏:東京都の特別区並びに首都圏整備法の既成市街地及び近郊整備地帯のある市 大阪圏:近畿圏整備法の既成市街区域及び近郊整備区域のある市

名古屋圏:中部圏開発整備法の都市整備区域のある市

2.宅地並み課税の対象農地(特定市街化区域農地)とは、特定市の旧A農地及び旧B農地

(既適用市街化区域農地)と、旧C農地及び新たに市街化区域農地となったもののうち

3.3 m

2当たりの評価額が3万円以上のものをいう。

(出所)  国土庁『土地白書(平成元年版)』

とが適当なものについては、条例により減額で きることとされた。またC農地については、

1981年度以降宅地並み課税を実施する予定で

あったが、実際には見送りとなった。このよう な経過を経た後、1982年度以降、上の適正化措 置および長期営農継続農地制度が導入されて、

現在(1990年現在)に至っている。

付録I  地価の作成手順

  市街化区域内の地価を計算する際の基礎デー タとして、地価公示価格を採用した。しかし、

地価公示では、必ずしも同一地点が毎年調査さ れているわけではなく、調査地点は随時入れ換 えられている。したがって、データの単純平均 を用いて地価の上昇率を計算すると、サンプル の変更による偏り(バイアス)が生じる。とく に、住宅地と商業地の調査地点は、必ずしも、

用途地域面積の分布に対応しているとは限らな い。したがって、住宅地と商業地の調査地点の 地価を単純平均すると、商業地の地価は住宅地 のそれよりも高いために、ある年に商業地域の 調査地点数が増加しただけで地価の上昇が生じ てしまう。これらのバイアスを取り除くために、

本研究では以下の方法により地価を計算した。

付録表I−1  地価の算出で用いる変数 記  号 説      明

ij

KHt 地価公示調査地点の住宅地の地価

ij

KCt 地価公示調査地点の商業地の地価

i

RHt 住宅地の地価上昇率

i

RCt 商業地の地価上昇率

i

PHt 住宅地の地価

i

PCt 商業地の地価

i

UHt 住宅地の地積

i

UCt 商業地の地積

i

Pt 第i番目の平均地価

(注)添字tij は、それぞれ、年(西暦)、市、

調査地点を表す。

地価上昇率の計算

  まず、各市町村ごとに、今年と前年のサンプ ルの中から前年と継続している地点の地価のサ ンプルだけを抽出して、地価上昇率を商業地と 住宅地について個別に計算する。ここで問題と なるのは、商業地の調査地点は必ずしも多くな

いため、ある年については、商業地の継続調査 地点が存在しないという事態が生じることであ る。そこで、商業地の地価上昇率に欠値がある 場合には、その年の商業地の地価上昇率は住宅 地のそれに等しいと仮定し、地価上昇率を計算 した。

1 /

1 1 1

  −

 ∑ ∑

=

= =

n j

n j

ij t ij

i t

t

KH KH

RH

(n は宅地の継続地点数)

[ ∑

1

/

1 1

] − 1

=

= =

m k

m k

tik tik

ti

KC KC

RC

(m は商業地の継続地点数)

平均的地価の計算

  次に、計算された住宅地と商業地の地価上昇 率を使い、市街化区域の宅地の地価を計算する。

住宅地と商業地の地価は、個別に計算された

1989年(翌年1月1日調査)の住宅地と商業地

の単純平均地価をベンチ・マークとし、それぞ れの地価上昇率で、過去に向かって順次割り引 いて行くことにより求められる。宅地の平均的 地価は、住宅地と商業地の地積をウェイトとし て、それぞれを加重平均して求められる。

) 89 (t =

 

  ∑

=

=

n j i ij

t

KH n

PH

1 89

/

[ ]

=

=

m k

ik

ti

KH m

PC

1 89

/

) 89 76

( < t <

= ∏ +

= +

t s

i s i t

ti

PH RH

PH

89

89

/

1

( 1 )

= ∏ +

= +

t s

i s i t

ti

PC RC

PC

89

89

/

1

( 1 )

[ (

ti ti

) (

ti ti

) ]

ti

UH PH UC PC

P = × + ×

) (

/

i ti

t

UC

UH +

付録II  市街化区域内農地の実効税率算出の手 順 

  市街化区域内農地の実効税率は次の計算式に より求められる。実効税率=固定資産税の納税 総額÷(総農地面積×付録Iの地価)。ここで、

農家の納税総額は、農地の課税標準に1.4%を乗 じた値から、固定資産税の減免額および猶予額 を差し引いた金額である。しかし、減免額およ び猶予額が公表資料から部分的にしか得られな いことから、本研究では、農家が実際に負担し ている税額を以下の方法により推定し、市街化 区域内農地の実効税率を算出した。

農地の種類と課税制度の変遷

  分析の対象となっている市街化区域内農地は、

固定資産税の課税状況により次の三つに分類さ れる。(1)「宅地並み課税」(これは、税法上の 概念で、実質的な宅地並みではない点に注意し たい。以下では、この点を考慮して、「宅地並み 課税」と呼ぶ)を受けている農地、(2)「宅地 並み課税」を適用されながら、一定の納税額を 減免または猶予されている農地、(3)一般農地 として課税される農地。しかし、(1)(2)(3)

の適用範囲は地方税法の改正(1972、

82年)に

ともない変化してきた。ここでは固定資産税を 計算するまえに、課税制度の変遷について簡単 に説明する。

 

1972年の地方税法の改正により、市街化区域

内農地は、農地の評価額にしたがってA農地、

B農地、C農地の3種頬に区分された(付録表

II-1)

。しかし、この分類は農家が実際に支払っ

ている納税額に必ずしも対応していない。

原則として、A、B農地には「宅地並み課税」

(該当市街化区域農地と状況が類似する宅地の 価格を基準として求められた価格から、造成費 を控除した価格の1/2を課税標準として課 税)が適用され、C農地は一般農地として課税 された。

  ただし、三大都市圏の市街化区域内のA、B 農地については、農地が現に耕作されているこ とを条件に、市町村の条例により固定資産税を 一般農地相当まで減額することが可能であった。

つまり、本研究で対象にした地域においては、

A、B農地のなかに、「宅地並み課税」を受ける 農地と、一般農地相当の課税を受けている農地 の二種類が存在した。

 

1982年の地方税法改正では、従来のA農地、

B農地、C農地の区分が撤廃され、代わって、

旧A、B農地を既適用市街化区域内農地(以下、

既適用農地)、旧C農地の一部(評価額が3.3m2 あたり3万円以上)を新適用市街化区域内農地

(以下、新適用農地)、その他の旧C農地をその 他市街化区域内農地(以下、その他農地)とし て再区分した。同時に、既適用農地と新適用農 地には「宅地並み課税」が適用され、その他農 地は一般農地として課税されることになった。

  一方、旧A、B農地に認められていた市町村 条例による固定資産税の減免制度が廃止され、

代わって、既適用および新適用農地に対して長 期営農継続農地制度(以下、長営農地)が新設 された。これは、農地面積が990m2以上で、

1982

年1月1日から10年間営農を継続することが 適当と認められる場合、一般農地課税相当を上 臥る税額を徴収猶予する制度である。これによ り、「宅地並み課税」の範囲が、従来一般農地と

付録表II−1  A・B・C農地の区分

定      義

1972年度の評価額(3.3m

2当り)が宅地の平均価格以上、又は5万円以上

1972年度の評価額(3.3m

2当り)が宅地の平均価格の1/2以上平均未満かつ1万円以上

1972

年度の評価額(

3.3m

2当り)が宅地の平均価格の

1/2

未満、又は1万円未満

ドキュメント内 土地税制の理論的・計量的分析 (ページ 46-51)

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