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脳動脈瘤モデルを用いた治療法の開発

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Academic year: 2021

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(1)● シンポジウム 6 脳出血,もやもや病,SAH. 脳動脈瘤モデルを用いた治療法の開発 野崎 和彦. 要 旨  脳卒中の 10%を占めるくも膜下出血の主原因である脳動脈瘤の成因,治療に関する研究において使用され る脳動脈瘤の動物モデルには,1)動脈に対する直接的な外科処置を用い動脈壁に直接損傷を起こし形成する方 法,2)脳動脈瘤形成の原因因子を動物に負荷することにより誘発する方法の 2 つがある.後者のモデルでは, 組織学的に内弾性板の消失,中膜平滑筋細胞層のヒハク化・消失など,ヒトの脳動脈瘤に類似した所見を有し ており,脳動脈瘤の病態解明に有用である.当施設では,ラットの脳動脈瘤誘発モデルに加えて,雌カニクイ ザルに対して両側卵巣摘出術,片側腎動脈・総頸動脈結紮術を行い,術後より食塩水,コラーゲン結合阻害作 用を有する薬剤を投与して作成したモデルを開発中であり,MRI での画像追跡による薬物効果判定を進行中で ある.脳動脈瘤に対する薬物治療の可能性を含め概説する. (脳循環代謝 26:107∼112,2015). キーワード : 脳動脈瘤,くも膜下出血,炎症,分子機構,薬物治療. 上の男性では喫煙歴が関与し,高脂血症は,5 mm 以. 未破裂脳動脈瘤の破裂の危険因子と病理. 下の小さな脳動脈瘤の破裂を下げる因子,糖尿病,心 臓病は 60 歳以上の女性の破裂率を下げる因子である..  本邦における破裂脳動脈瘤は,人口 100,000 人あた.  脳動脈瘤の病理所見として,内弾性板の消失,中膜. り 15∼20 人 / 年の発症率で,欧米に比べて高い.日. 平滑筋細胞消失が見られる(図 1).また,動脈瘤の外. 本脳神経外科学会 HP によると,2010 年の破裂脳動脈. 膜にはリンパ球やマクロファージなどの炎症細胞の浸. 瘤の治療数は年間約 18000 人で,この 5 年間ではほぼ. 潤があり,外膜から中膜にかけて補体や免疫グロブリ. 横ばいか減少傾向で,未破裂脳動脈瘤の治療件数は約. ンの沈着がみられ,炎症反応の所見を呈する.内膜を. 15000 件と徐々に増加傾向である.. 覆う一層の内皮細胞では ballooning や vacuole forma-.  未破裂脳動脈瘤悉皆調査(UCAS Japan)では,脳ドッ. tion などの形態学的変化がみられ,内皮機能障害が示. クなどで発見される 20 歳以上で 3 mm 以上の未破裂. 唆される.内弾性板は光学顕微鏡レベルでは完全に消. 脳 動 脈 瘤 6697 個(91% が 無 症 候 性 で 平 均 サ イ ズ 5.7. 失し,電子顕微鏡でみると弾性線維は断裂し線維状の. mm)の年間破裂率は 0.95%で,動脈瘤の大きさ,動脈. 構造を失っている.Kataoka らの報告3)によると,ヒト. 瘤の位置と形が破裂危険因子として重要である .本. における破裂脳動脈瘤では未破裂瘤に比べて,内膜障. 邦の島根における疫学調査では,脳動脈瘤発生の危険. 害,中膜平滑筋障害,コラーゲン線維の断裂,炎症細. 因子は,年齢,性別に関わりなく高血圧が重要で,以. 胞浸潤が顕著である.各種因子により惹起された瘤壁. 下,高脂血症,心臓病,喫煙歴が続き,糖尿病や飲酒. を構成する細胞の機能障害や瘤壁自体の変性は壁在血. 歴は関与していない .また,脳動脈瘤の破裂の危険. 栓形成や修復障害につながり,炎症関連物質産生など. 因子として,高血圧,飲酒歴は関与しないが,60 歳以. により動脈瘤壁が変性し,動脈瘤の増大,破裂に関与. 1). 2). 滋賀医科大学医学部脳神経外科 〒 520-2192 滋賀県大津市瀬田月輪町 TEL: 077-548-2257 FAX: 077-548-2531 E-mail: [email protected]. する可能性がある(図 2).. ─ 107 ─.

(2) 脳循環代謝 第 26 巻 第 2 号. Adventitia Media Internal elastic lamina Intima. Aneurysm. <Pathological features> Hemodynamic stress. 1. Fragmentation of internal elastic lamina 2. Thinning of media 図 1.脳動脈瘤の発生と増大における組織変化. Hemodynamic stress. TNF-a NFkB in EC, Mφ. Signal transduction in vascular wall. VCAM-1, MCP-1㻌 in EC eNOS. in EC. Macrophage IL-1b. in SMC. iNOS. in SMC. ETB receptor MMP. Remodeling Impairment of repair. in SMC. in Macrophage. TIMP in Macrophage apoptosis of SMC. Rupture. ECM degradation 図 2.脳動脈瘤の発生,増大,破裂に関わる因子. ─ 108 ─.

(3) 脳動脈瘤モデルを用いた治療法の開発. とができる.ラットやマウスにおいて,descending. 脳動脈瘤モデル. thoracic aorta を同系統の個体の infrarenal abdominal aorta に end-to-side anastomosis を行う side wall type の 動脈瘤を形成するモデルがある.ブタにおいては,総.  臨床所見に類似した脳動脈瘤モデルを作成すること は脳動脈瘤の発生,増大,破裂の病態解明のために必. 頸動脈に静脈の断片を end-to-side suture し,vein の. 須である.これまでに,1)動脈瘤を形成する血管部分. open end を最終的に結紮することで,lateral wall type. に何らかの外科的処置を加えるモデル,2)ヒトで見ら. の動脈瘤を形成でき,比較的短時間で動脈瘤の形成が. れる脳動脈瘤に類似したモデルを作成すべく,頭蓋内. 可能であること,neck の形状作成を意図的に行えるこ. 主幹動脈分岐部に脳動脈瘤を誘発する処置を加えて作. となどより,脳血管内治療の研究分野で応用されて. 成するモデル,が開発されてきた(表 1,2).後者で. いる.. は,ヒトの脳動脈瘤が血行ストレス負荷に伴い誘発さ.  Patch graft などを用いた動脈瘤形成モデルは,主に. れることから,何らかの形で脳血管分岐部へ強い血行. coil や stent などの脳血管内治療のデバイス開発や血管. ストレスを負荷することが行われている.. 内治療の長期成績の検討を行うための研究など,ヒト への臨床応用の前段階として用いられることが多い が,人工的に作成したモデルで場所が頭蓋内ではな. 1.動脈壁への外科処置または損傷による方法 1)Patch graft を用いた実験的動脈瘤の形成モデル. く,脳動脈瘤モデルとして適切か,coil 塞栓術などの.  German と Black により報告されたモデルが最初と. 長期成績を観察において正確な長期成績の評価ができ. 思われ,全身麻酔下にイヌの総頸動脈と外頸静脈を露. るか,といった疑問が残る.. 出し,外頸静脈の断片を graft として総頸動脈に連続. 2)Elastase を用いた実験的動脈瘤の形成モデル. 縫合するもので,ラットにおいても同様に形成するこ.  大動脈瘤では elastase を用いたモデルが有名で,脳. 表 1.各動物種における実験的脳動脈瘤モデル 外科処置によ る作成モデル 動物種 マウス ラット ラビット ブタ イヌ. 作成者. 発表年. 作成方法. Nishikawa Raymond Abrahams Cloft Altes Guglielmi Germa, Black Nishikawa. 1976 2004 2001 1990 2000 1994 1954 1976. vein patch graft CCA trapping + coiling CCA trapping + coiling CCA ligation + Elastase CCA ligation + Elastase vein graft graft patch vein graft patch. CCA; common carotid artery. 表 2.各動物種における実験的脳動脈瘤モデル hemodynamic stress による誘 発モデル 動物種. 作成者. 発表年. 作成方法. マウス ラット. Fukuda Hashimoto Jamous Eldawoody Tada. 2000 1978 2005 2009 2009. ラビット サル. Gao Hashimoto Ours. 2008 1987 2014. CCA trapping + Renal HT CCA trapping + Renal HT CCA trapping + Renal HT + oophorectomy CCA trapping + Renal HT + oophorectomy CCA trapping + Renal HT + oophorectomy + mineral corticoid receptor blocker Bilateral CCA ligation CCA trapping + Renal HT CCA trapping + Renal HT + oophorectomy. CCA; common carotid artery, HT; hypertension. ─ 109 ─.

(4) 脳循環代謝 第 26 巻 第 2 号. 動脈瘤においても,主にラビットの頸動脈を用い elas-. oophorectomy を行うことで,その 3 カ月後に,頭蓋内. tase によって誘発される嚢状動脈瘤モデルが開発さ. 主幹動脈分岐部に嚢状脳動脈瘤の形成を誘導するモデ. れ,約 2 週間後に嚢状動脈瘤の形成を認め,その発生. ルがある.Hashimoto らの原法では,deoxycorticoste-. 率はおよそ 90%程度である.このモデルを基にして,. rone の投与により estrogen の働きを抑制していたが,. trans-femoral approach で行う方法や,balloon catheter の. 両側の oophorectomy を行い,estrogen の血液中濃度を. 代わりに temporary clip で血流遮断するなどの多くの. 低下させているものと考えられる.これらの multi step. 変法が報告されている.. surgery を one step surgery として行う方法が報告さ.  このモデルでは,比較的短期間で動脈瘤形成を認め. れ,片側の総頸動脈および両側腎動脈後枝の結紮と両. ること,発生率が高率であること,比較的大きな動脈. 側の oophorectomy を同時に行い,術後より高塩分負. 瘤が形成できること,鎖骨下動脈の彎曲の外則部分に. 荷をかけ,術後 3 カ月後に頭蓋内主幹動脈に脳動脈瘤. 形成されることなどの特徴があり,脳血管内治療のデ. の形成を認める.ラビットを用い両側総頸動脈を結紮. バイス開発や,ヒトへの応用の前段階としての実験的. し 12 週間後に脳底動脈先端部に脳動脈瘤形成の初期. 研究の際に主に用いられることが多いが,patch graft. 変化を認めるモデルも報告されている.. などを用いた動脈瘤形成モデルと同様,病態および部. 3)遺伝子改変マウスへの応用. 位の点から頭蓋内脳動脈瘤のモデルとしての適切性の.  Hashimoto らによるラット脳動脈瘤誘発モデルと同. 検討が必要である.. 様の処置を行い,遺伝的改変が可能なマウスにおいて 脳動脈瘤を誘発することができる.7∼9 週齢の C57/. 2.脳動脈瘤誘発モデル. BL6 mice に対し,1%∼2%の halothane による全身麻. 1)頭蓋内主幹動脈分岐部の嚢状動脈瘤誘発モデル. 酔 下 に て, 左 総 頸 動 脈 お よ び 左 腎 動 脈 後 枝 を 10-0.  実験的脳動脈瘤の動物モデルとして,Hashimoto ら. nylon にて結紮し,その 1 週間後に右腎動脈後枝を. によるラットにおける嚢状動脈瘤の誘発モデルがあ. 10-0 nylon にて結紮し,1%NaCl を飲水投与する.1%. り,頸動脈の片側結紮および高血圧負荷により,脳主. NaCl のかわりに,8%NaCl と 0.12%BAPN の混餌飼料. 幹動脈分岐部に血行力学的ストレスが加わることによ. を用いるモデルも報告されている.遺伝的改変マウス. り脳動脈瘤が形成される .このモデルでは,一側の. を用い,特定遺伝子が脳動脈瘤形成,増大に関与する. 総頸動脈の結紮,高塩分負荷による高血圧誘導,col-. かどうかの検討を行うことが可能である.. lagen の架橋構造形成を抑制する beta-aminopropionitrile. 4)霊長類への応用. 4). (BAPN)を添加した食餌の投与による結合組織の強度.  サルにおける頭蓋内実験的脳動脈瘤の形成は,基本. 低下を通し,頭蓋内主幹動脈分岐部に嚢状動脈瘤の形. 的に上述のラットにおける方法と同じである5).3∼. 成を誘発している.腎動脈血流低下による高血圧誘. 3.5 kg のメスの cynomolgous monkey(Macaca fascicu-. 導,deoxycorticosterone 負荷による高血圧誘導など,. laris)を用い,ケタミンによる全身麻酔下に,左総頸動. いくつかの modification も行われている.現時点で. 脈の結紮と右腎動脈後枝の結紮を同時に行い,その 1. は,7 週齢オス SD ラットの片側の総頸動脈および両. 週間後,全身麻酔下に,左腎動脈後枝の結紮を行う.. 側腎動脈後枝の結紮を一期的に行い,高塩分食による. 手術終了後より,1%の NaCl を含んだ飲水投与を継続. 塩分の負荷をかけ高血圧を誘発させる方法が用いら. し,最終手術 1 週間後より 0.2%の BAPN が添加され. れ,数カ月後に,結紮側とは対側の anterior cerebral. た標準飼料の投与が継続される.7 匹すべてを sacri-. artery-olfactory artery(ACA/OA)分岐部をはじめ,頭蓋. fice した結果,7 匹中 6 匹において 13 個の脳動脈瘤が. 内の血管分岐部に嚢状動脈瘤の形成を誘発でき,脳動. 確認され,組織学的に脳動脈瘤壁の内弾性板の消失と. 脈瘤誘発率は高い.このモデルによる脳動脈瘤では,. 中膜平滑筋の消失が確認されている.サルのモデルは. 組織学的に内弾性板の消失,中膜平滑筋細胞層のヒハ. 費用や実験期間の面からの制限もあり汎用性はない. ク化・消失などが見られ,ヒトの脳動脈瘤に類似した. が,ヒトへの応用を考慮した新たな治療の開発の実験. 所見を有しているのが最大の特徴である.. 動物としては有用と思われる.原法では著明な血圧上. 2)その他の頭蓋内主幹動脈分岐部の嚢状動脈瘤誘発モ. 昇が得られたとしているが,現在,我々が進行中のサ. デル. ルモデルでは,ラットモデルと同様に oophorectomy.  上述の方法を原法とし,7 週齢のメスのラットに,2∼. を追加しているが,血圧上昇がそれほど強くなく,組. 4%の isofluren の吸入による全身麻酔を行い,右側の. 織学的動脈瘤の形成は確認できているが,MRA で追. 総頸動脈および両側腎動脈後枝の結紮を行い,1 週間. 跡可能は肉眼的動脈瘤の形成には更なる改良を要. 後より 1%NaCl の飲水投与を行い,1 カ月後に両側の. する.. ─ 110 ─.

(5) 脳動脈瘤モデルを用いた治療法の開発. 3.脳動脈瘤における薬物療法の可能性  脳動脈瘤の発生から増大に至る過程には,血流スト. 文 献. レスに起因する血管壁の慢性炎症性変化に伴う変性が. 1) UCAS Japan Investigators, Morita A, Kirino T, Hashi K,. 重要な役割を果たしており,慢性炎症性反応を司る中. Aoki N, Fukuhara S, Hashimoto N, Nakayama T, Sakai M,. 心的な因子として NF-kB や TNF-α などが注目されて. Teramoto A, Tominari S, Yoshimoto T: The natural course. いる6~10).未破裂脳動脈瘤の薬物治療法の開発を目指. of unruptured cerebral aneurysms in a Japanese cohort. N. して,HMG-CoA 還元酵素阻害薬(スタチン製剤),抗. Engl J Med 366: 2474–2482, 2012 2) Inagawa T: Risk factors for the formation and rupture of. NF-kB 作用,抗 TNF-α などの抗炎症作用を有する薬. intracranial saccular aneurysms in Shimane, Japan. World. 剤について脳動脈瘤モデル動物を用いた動物実験が行. Neurosurg 73: 155–164; discussion e23, 2010. われ,抗炎症作用を有する数種類の薬剤においてモデ. 3) Kataoka K, Taneda M, Asai T, Kinoshita A, Ito M, Kuroda. ル動物に誘発された脳動脈瘤の増大抑制効果が確認さ. R: Structural fragility and inflammatory response of rup-. れている11~14).. tured cerebral aneurysms. A comparative study between.  現在までに臨床的にスタチン製剤の有用性が示唆さ. ruptured and unruptured cerebral aneurysms. Stroke. れている動脈硬化や大動脈瘤とは異なり,脂質異常症. 30:1396–1401, 1999. は脳動脈瘤の危険因子ではなく,脳動脈瘤患者の多く. 4) Hashimoto N, Handa H, Nagata I, Hazama F: Saccular. が非脂質異常症であるため,非脂質異常症症例に対し. cerebral aneurysms in rats. Am J Pathol 110: 397–399,. てスタチン製剤を投与する場合は,安全性,低コレス. 1983 5) Hashimoto N, Kim C, Kikuchi H, Kojima M, Kang Y,. テロール血症が誘導されることに対する安全性が十分. Hazama F: Experimental induction of cerebral aneurysms. に保障されることが前提となる.実際,高脂血症がく. in monkeys. J Neurosurg 67: 903–905, 1987. も膜下出血のリスクを軽減しているとの疫学データが. 6) Aoki T, Kataoka H, Shimamura M, Nakagami H,. 報告されており,スタチン製剤の種類や量についての. Wakayama K, Moriwaki T, Ishibashi R, Nozaki K, Mor-. データはなく,スタチン製剤による未破裂脳動脈瘤増. ishita R, Hashimoto N: NF-kappaB is a key mediator of. 大破裂予防効果についての臨床的検討が慎重に行われ. cerebral aneurysm formation. Circulation 116: 2830–2840,. る必要がある.. 2007.  最近,ISUIA に登録された患者の follow up データを. 7) Aoki T, Nishimura M: Targeting chronic inflammation in. 用いた解析から,アスピリン服用者では,脳動脈瘤の. cerebral aneurysms: focusing on NF-κB as a putative tar-. 破裂率が低いと報告され,古典的抗炎症剤であるアス. get of medical therapy. Expert Opin Ther Targets 14: 265–. ピリンが未破裂脳動脈瘤の破裂抑制剤の候補となりう. 273, 2010 8) Jayaraman T, Paget A, Shin YS, Li X, Mayer J, Chaudhry. ることが示されており,アスピリンによる脳動脈瘤の. H, Niimi Y, Silane M, Berenstein A: TNF-alpha-mediated. 炎症性変化抑制効果も示唆されている15, 16)が,脳動脈. inflammation in cerebral aneurysms: a potential link to. 瘤の破裂予防効果についてのエビデンスはない.. growth and rupture. Vasc Health Risk Manag 4: 805–817, 2008. むすび. 9) Aoki T, Fukuda M, Nishimura M, Nozaki K, Narumiya S: Critical role of TNF-alpha-TNFR1 signaling in intracra-.  開発された動物モデルを用いた解析は,脳動脈瘤の. nial aneurysm formation. Acta Neuropathol Commun 2:. 発生,増大,破裂の機構の解明や新たな治療法の開発. 34, 2014. に有用であるが,それぞれの脳動脈瘤モデルを,その. 10) Starke RM, Chalouhi N, Jabbour PM, Tjoumakaris SI,. 作成方法や誘導メカニズムなどを十分に理解した上. Gonzalez LF, Rosenwasser RH, Wada K, Shimada K,. で,目的とする実験内容によって適切に使い分けるこ. Hasan DM, Greig NH, Owens GK, Dumont AS: Critical role of TNF-α in cerebral aneurysm formation and pro-. とが重要である.脳動脈瘤形成の過程の中で,炎症病 態,血管内皮細胞の機能障害,apoptosis,細胞外基質 の分解などの過程が関わっている可能性があり,今後. gression to rupture. J Neuroinflammation 11: 77, 2014 11) Aoki T, Kataoka H, Ishibashi R, Nozaki K, Hashimoto N: Simvastatin suppresses the progression of experimentally. の研究により,脳動脈瘤増大,破裂を予防する非外科. induced cerebral aneurysms in rats. Stroke 39: 1276–1285,. 的治療法の確立が期待される.. 2008 12) Aoki T, Kataoka H, Ishibashi R, Nakagami H, Nozaki K, Morishita R, Hashimoto N: Pitavastatin suppresses formation and progression of cerebral aneurysms through inhibi─ 111 ─.

(6) 脳循環代謝 第 26 巻 第 2 号. tion of the nuclear factor kappaB pathway. Neurosurgery. tional Study of Unruptured Intracranial Aneurysms Inves-. 64: 357–365; discussion 365–366, 2009. tigators: Aspirin as a promising agent for decreasing inci-. 13) Yokoi T, Isono T, Saitoh M, Yoshimura Y, Nozaki K:. dence of cerebral aneurysm rupture. Stroke 42: 3156–. Suppression of cerebral aneurysm formation in rats by a tumor necrosis factor-α inhibitor. J Neurosurg 120: 1193–. 3162, 2011 16) Hasan DM, Chalouhi N, Jabbour P, Dumont AS, Kung. 1200, 2014. DK, Magnotta VA, Young WL, Hashimoto T, Richard. 14) 青木友浩,野崎和彦:巻頭トピックス 未破裂脳動. Winn H, Heistad D: Evidence that acetylsalicylic acid. 脈 瘤 に 対 す る 薬 物 療 法.In: 神 経 疾 患 最 新 の 治 療. attenuates inflammation in the walls of human cerebral. 2012–2014,南江堂,東京,2012,pp 6–9. aneurysms: preliminary results. J Am Heart Assoc 2:. 15) Hasan DM, Mahaney KB, Brown RD, Meissner I,. e000019, 2013. Piepgras DG, Huston J, Capuano AW, Torner JC: Interna-. Abstract Development of new treatments for cerebral aneurysms using animal models Kazuhiko Nozaki Department of Neurosurgery, Shiga University of Medical Science, Shiga, Japan In order to elucidate the mechanisms of cerebral aneurysmal development, growth and rupture, animal models are requisite. The models include 1) direct injury models against arterial walls by direct surgical procedures, and 2) indirect induced models by burdening aneurysm-induction factors. The latter model can induce characteristic histological features similar to human cerebral aneurysms such as disappearance of internal elastic lamina and destruction of smooth muscle layer, and is useful for analyzing pathogenesis of the lesion. We have introduced rat and monkey models by performing unilateral common carotid occlusion and renal artery occlusion with bilateral oophorectomy and fed by high salt diet with a collagen synthesis inhibitor. Possible medical treatments against cerebral aneurysm development are discussed. Key words: cerebral aneurysm, subarachnoid hemorrhage, inflammation, molecular mechanism, medical treatment. ─ 112 ─.

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