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箸の持ち方の決定要因 : 中学生について

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(1)

平 成6年12月(1994年) 一53一

箸 の持 ち方 の決 定 要 因一 中学 生 に つ い て

坂 田 由紀子

The Decisive

Factor in Using Chopsticks

In the Case of Junior High school Boys and Girls

Yukiko

Sakata

1.は じ め に 前 報 に お い て1),著 者 は 京 都 市 内 の 女 子 大 生235名 の 箸 の 持 ち 方 に つ い て,作 法 に示 さ れ る持 ち 方(伝 統 的 持 ち 方 一Sl型)と,そ れ 以 外 の持 ち 方(S2型) に 分 類 し,機 能 的 にこはS1型 が 優 れ て お り, S1型 は 繰 り返 し両 親 か ら教 育 され た者 に 多 い 結 果 を 得 た 。 しか し,現 在 は,家 庭 の 教育 が 期 待 で きな くな っ て い く風 潮 で あ り,学 校 が 家庭 教 育 の 肩 が わ りを せ ざ るを 得 な くな っ て い る。 一方 学 校 給 食 で も正 しい 食 習 慣 の形 成 を 目的 と して 指 導 が 行 わ れ て お り2,3), や が て そ の効 果 が期 待 し得 るの で は な い か と結 ん で い る。 今 回 著 者 は,中 学 生 を 対 象 と し,箸 の 持 ち 方 とそ の 決 定 要 因 に つ い て 検 討 した。 中 学 生 を 対 象 と した の は,米 飯 給 食 で育 った 世 代 で あ り,そ の 教 育 効 果 を 期 待 で き る こ と,中 学 生 は 自己,生 活 習 慣 等 が 未 確 立 の 世 代4・5)で,箸 の 持 ち方 も加 令 と共 に 確 立 さ れ る とす る橋 本 らの 報 告6)よ り,移 行 の 時 期 と して 意 義 の あ る こ と,橋 本 ら の調 査 時 期 か ら10年 以 上 経 過 して い る こ と,箸 の 持 ち 方 に 関 す る報 告 は,中 学 生 を 対 象 に した 報 告 が 少 な い こ と で あ る。 今 回 は,大 学 生(自 己 確 立 が ほ ぼ 出 来 上 が って い る)を 対 照 と して7)検 討 した 。 *京 都 女 子 大 学 家 政 部 食 物 栄 養 学 科 衛 生 学 第 二 研 究 室 京 都 市 東 山 区 今 熊 野 北 日 吉 町35

Department of Food and Nutrition, Kyoto Women's University 2.研 究 方 法 1)超 桟 敷 お よび 調 査 対 象 調 査 は1988年(昭 和63年)7月 ∼12月,1990年(平 成2年)5月 ∼12月 に 行 った 。 対 象 は 京 都 市 内 の 中 学 生,女 子199名,男 子161名, 計360名,大 学 生 女 子18∼21才300名,男 子18∼25才 255名 の 計555名 で,調 査 人 数 の 総 計 は915名 で,そ れ ぞ れ の 平 均 年 齢 は,中 学 生 は 男 女 共13.1才,大 学 生 女 子20.5才}男 子23.5才 で あ っ た 。 中 学 生 は,私 立 の 高 等 学 校 ま で 一 貫 教 育 の 女 子 校 1校,男 子 校2校,男 女 教 学 校1校 の 計4校 の 精 と で,通 学 圏 は 京 都 市 内 ・府 下,奈 良 県,兵 庫 県,滋 賀 県,大 阪 府 の 近 郊 で あ る。 大 学 生 は,女 子 は 私 立 の 短 期 大 学 お よ び 女 子 大 学 の学 生 で,専 攻 は,文 系(文 学 部)164名 一54.6%, 理 系(家 政 学 部)136名 一45.4%で,名 古 屋 以 西, 近 畿,中 国,九 州,四 国 地 方 出 身 の 者 が 多 い 。 男 子 は,学 部,大 学 院 の 国 立,公 立,私 立 の 全 国 型 の4大 学 の 学 生 で 文 系(法 学,経 済,教 育,文 学) 94名 一36.9%と 理 系(工 学,農 学,医 学,理 学,薬 学)161名 一63.1%で あ る。 3.調 査 方 法 調 査 は,中 学 生 に っ い て は,生 徒 の 登 下 校 時,休 憩 時 間 に校 門 付 近,校 庭 等 で 調 査 者 が 個 別 に 調 査 依 頼 し,大 学 生 は 休 憩,昼 食,放 課 後 に 学 生 食 堂 の 出 口付 近,も し くは 研 究 室 で 無 差 別 に 調 査 依 頼 した 。 調 査 方 法 は いず れ も対 面 式 個 別 聞 き取 りに よ った 。 調 査 の 内 容 は,箸 の 持 ち 方 の 分 類 と箸 に よ る作 業

(2)

- 54-

食物学会誌・第

4

9

号 量の測定および15項目に渉る箸の持ち方と,受けた 教育に関するアンケート調査である。 し 伝 統 型 をSl,それ以外の型をS2とした。機能 性の測定も前報と同様に行った。測定材料は大豆, 紙の2種である。 a)箸の持ち方の分類及び機能性の測定 前報と同様に箸の持ち方の分類は,調査者が判定 。掌の大きさ一中学生は成長期で,体格の差が著 表1 質問内容とカテゴリー 属性 年齢 性別 (専攻) …あなたの家族は次のどちらですか。

l

両親と子供(核家族)

2

両親と子供と両親の親(世代家族) 一ご両親の年齢 l お父さん 2 お母さん …あなたは兄弟姉妹の何番目ですか。 l 第1子 2 第2子 3 第3子 4 第4子 .いお母さんは仕事を持っていますか。 1 持っている

2

持っていない 3 パートタイマー 箸の教育 …箸の持ち方を教えられましたか。

l

はい

2

,、¥L、ぇ …箸の持ち方は誰に教えられましたか。 l 両親 2 両親以外の肉親 3 その他 …初めて箸を持ったのは何才頃で、したか。 1 3 ,..,_,6歳 2 6歳 3 覚えていない …それは食事の度ごとでしたか。

1

はい

2

¥,、し、し、ぇ …食事をする時椅子,畳どちらでしたか。 l 椅子

2

畳 3 両方 …食事中す'っと正座ができますか。 1 はい 2 ¥,、し、ぇ ・・・食事の前にし、ただきますを言いますか。 箸の使用 …学校給食で箸を使いましたか。

l

はい

2

¥,、し、え …あなたの効き手は右,左のどちらですか。 1 右 2

・・・効き手で箸を使いますか。 l はい 2 ¥,、し、え …1日のうち,ご飯を食べる回数は。 1 1回 2 2回 3 3回 箸の持ち方についての意識 …箸を持ちにくいと感じたことがありますか。

1

ない

2

ある …箸の持ち方を直したし、と思いますか。

1

はい

2

、¥,L、ぇ ...箸使いの作法を知っていますか。 l はい 2 ¥,、し、ぇ

(3)

平成6年12月(1994年) しいと考えられるので,箸の大きさと箸使いの作業 能率の関連をみた。測定方法は以下のようである。 すなわち,被調査者の効き手の指を揃えて紙に押 し付けさせ,手の平から中指の先までを掌の大きさ とした。(他にもいくつかの測定法を検討したが, 簡便性に欠け,フィールド調査としてはこの方法が 最も再現性,簡便性に優れており採用した。) 。箸使いによる指の移動距離の測定一箸の作業時 に指の位置を移動して調節するものが見られるの で,箸上の指の移動を測定した。 すなわち,調査者が箸の作業前後に被調査者の箸 を持つ親指の先の位置を箸上に印し,指の移動距離 とした。この測定も迅速性と簡便性が要求されるが, この方法は,再現性もよく採用した。 b)箸に関するアンケート調査 アンケートの質問項目は,被調査者の属性として, 年齢,性別,専攻,家族に関する項目(家族構成, 両親の年齢,兄弟姉妹構成,母親の就労状況)およ び箸に関する項目(箸の教育,箸の使用,箸に関す る意識等についての15項目)で表1にその内容を示 す。

4

.

結 果

1 )箸の持ち方の分類,その機能性について 中学生360名,対照の大学生555名の箸の持ち方の タイプの分類結果を図lに示す。中学生全体の SI は46.7%,S2は53.3%で,大学生はそれぞれ50.6

100

今も

中学女子

中学男子

- 55-%, 49.9%で,中学生は S2がSIを上回った。 男女の内訳では,女子SI53.3%, S2 46.7%" 男子SI38.0%, S2 62.0%,大学生女子SI50%, S250%,男子SI51.3%, S2 48.7%で,中学生男 子は女子より SIの割合が低く,大学生男子に比較 しでも有意に低かった (5%水準)。 次に箸の持ち方の作業量の結果を表

2

に示し,そ の検定結果を表3に示す。 大豆の作業量は(¥,、ずれも平均値),中学生全体 では26.0個,大学生全体では24.4個で,中学生の作 業量が有意に多かった (1%水準)。作業量の最高 値は中学生は男女共S1の40個で,大学生はS1男 子の45個であった。タイプ別の作業量は,女子S1 126.0個, S2 23.2個,男子S128.4個, S2 26.6個で いずれも S1の者の作業量が有意に多かった(女子 1%水準,男子5 %水準)男女の比較では,両タイ プ共男子の作業量が有意に多かった(1%水準)。 同タイプの中学生と大学生を比較すると,女子で はS126.0個,大学生25.3個,S2 23.2個,大学生23.3 個で有意差はなく,男子はS128.4個,大学生25.2 個, S2 26.6個,大学生23.9個で両タイプ共中学生 が有意に多かった(1%水準)。 紙の作業量は,試料の紙が薄く軽いために作業が 困難であり,大豆の作業量の 1/3近くに減少する。 作業量は中学生全体で9.6枚,大学生12.6枚で,大 学生が有意に多かった (1%水準)。最高値は中学 生S2女子の26枚,大学生男子は S1の30枚であっ

大学女子

大学男子

臨調

S

I

~S2 図

1

箸の持ち方の分類

(4)

- 56-

食物学会誌・第

4

9

号 表

2

箸の持ち方と作業量 大 旦 女 子 男 子 X

SD

最高値 最低値 χ

SD

最高値 最低値

S

l

2

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2

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草寺

3

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l

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S2 p<O. 0

5

網 か け 大 学 生 紙 女 子 男 子 X

SD

最高値 最低値 χ

SD

最高値 最低値

S

l

1

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S

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1

大豆 表

3

作業量の検定 紙 性別 (平中学均値生) 検定 (大平学均値生) 検定

2

6

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6

S2 2

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9

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た。作業量は女子

S

l1

2

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4

枚,

S2 8

.

7

枚,男子

S

1

9

.

7

枚,

S

2

7

.

8

枚で男女とも

S

l

の作業量が有意に 多かった(女子

1%

水準,男子

5%

水準)。 男女の比較では,女子の作業量が多く,

S

l

には 有意差が見られたが

(

1

%水準),

S

2

では有意差は 性別 (平中学均値生) 検定 (平大学均値生) 検定

9

.

6

1

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6

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男子

S

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8

S

2

1

1

.

6 p<O.Ol

なかった。中学生と大学生との比較では,女子は,

S

l

1

2

.

4

枚,大学生

1

3

.

2

枚で有意差はなかったが,

S2

では

8

.

7

枚,大学生

1

0

枚で大学生の作業量が有意に 多く(1%水準),男子は

Sl9

.

7

枚,大学生

1

5

.

0

枚,

S

2

では

7

.

8

枚,大学生

1

1

.

6

枚で両タイプ共に大学生

(5)

-

57-平 成6年12月(1994年) 掌の大きさと身長 表

4

掌の大きさ(平均値cm) 身長(平均値cm)

1

6

.

7

1

7

.

6

1

5

3

.

8

1

5

8

.

6

女子 男子 次に紙の作業時における,指の移動距離の測定結 果を表5に示した。指の移動距離の最大値はS2男 子の 7cmであった。女子は平均値でS20.7 cm, S2 1. 0 cm,男子Sl0.9 cm, 82 1. 3 cmで,男女共に 指の移動距離はS2が大きかった。タイプ別の比較 では,女子では有意差は見られなかったが,男子の S,l S2聞には有意差が見られた。(1%水準)同タ イプの男女の比較では,

S

I

では有意差は見られな が有意に多かった。 次に中学生の掌の縦の測定結果をいずれも平均値 で表

4

に示し,更に

2

つの試料間の作業量の相互関 係を図

2

に,作業量と掌の大きさの関係を図

3

,図

4

に散布図として示した。 図

2

に示すように大豆と紙の作業量聞には有意の 相関が見られた。 (1%水準)又,大豆,紙の作業 量と掌の大きさの相互間には関係は見られなかった。

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40

大豆

(

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20

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紙(枚)

大豆と紙の作業量 図

2

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30

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1

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20

手の縦の長さ (cm)

掌の大きさと大豆の作業量

1

0

図 3

(6)

食物学会誌・第

4

9

40

紙(枚)

-

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30

20

10

30

20

10

手の縦の長さ (cm)

掌の大きさと紙の作業量 図

4

指の移動距離 表5 男子 女子 平均値 (cm) 平均値 (cm) 標準偏差 最高値 最低値 標準偏差 最高値 最低値

6

.

2

7.0 0.91 1. 29 0.8 1.

5

4.8

4

.

2

0.86 1.

1

7

0.7 1.0 S1 S2 男子S1:S2p<0.01 女子S2:男子S2p<O. 05

100

%

~核家族

瞳 盟 世 帯 家 族

80

60

40

20

0

中学女子

大学女子

中学男子

大学男子

家族構成

2

)箸に関するアンケート調査 調査対象となった中学生(大学生)の‘家族構成' 図

5

かったが, S2では男子が有意に大きかった。 (1

%

水準)

(7)

平成

6

1

2

月(1

9

9

4

年) 一

5

9-ハ ﹀ ヅ 句 ハ ﹀ ハ ﹀ c t Q U

60

1

2

3

そのイ也

男 子

Sl

S2

100

80

60

20

1

2

女 子

_

Sl

S2

3

その他

6

兄弟姉妹構成 を図

5

,‘兄弟姉妹構成'を図

6

,‘両親の年齢',‘母 親の就労'についての結果を表

6

に示す。 ‘家族構成'は,中学生全体で‘核家族,

67.2%

, ‘世代家族,

32.8%

で,大学生は

60.1%

39.9%

で, この世代間では核家族化に大きな変化は見られなか った。 ‘兄弟姉妹構成'と家庭教育の関連について,女 子では差が見られなかった。男子の‘第l子'は‘第

2

子'の約

2

倍で,‘第

1

子,

S

l

48.3%

S

2

6

8

.

8

%, ‘第

2

子,

S

l

41.7%

S225%

で第

1

子は

S

2

が 多かった

(5%

水準)。 ‘母親の就労'が家庭教育に与える影響を見るべ く,被調査者の

6

才以前,現在について質問した。 男女共に

6

才以前,現在も‘就労している'母親は

4

0

%前後で,

6

歳時より現在の方が約

2%

増加してい る。母親の就労と

S

lS

2

タイプの関連をみたが,男 女間,タイプ聞にも有意差はみられず,母親の就労 が箸の持ち方の決定に関係するとは考えられなかっ た。

(8)

6

0

-項 目 *属性 同oの年舗 兄 鋤 姉 妹 鍋 底 母 観 由 鉱 労 現 在 事箸申敏宵 箸申拘ち方を敏え られたか tl宵した人 初めて司EをIt..た 年 飾 歓宵申鍋底 食.. 正廊 市 テ ゴ リ ー 1 Z I • 表6 S1.S2グ。ループの各質問条項に対する頻度 h ~ゴリー 8.il時 n u . , . a O 噌 , . B

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8議 問 調 女 子51 72.7 27.S 開服軍 1';1雪~~'" 52 10.2 29.8 間際初河理lliO河 It11.6 21.6 f,明闘病.事灘1i'~司 男子51 81.6 38.6 F職問訴事;,,58:} 52 87.9 32.1 F郡 市ommd8

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践 の 事 禽 *箸の使

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4

9

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(9)

平 成

6

1

2

(

1

9

9

4

年)

a

.

箸の教育に関する項目 ‘箸の持ち方を教えられたか'では,女子の

9

2

.

4

%が‘教育された事がある'としており,男子の

7

9

.

5

%に比較して有意に多かった (1%水準)。男女と も両タイプに差はなかった。又男女間の比較では,

S

l

の男女では差が見られなかったが,

S

2

の男子に ‘教育されていない者'が

23.2%

あり,女子

S28

.

7

%と有意に差が見られた(1%水準)。中学生と大 学生の比較では,

S

l

女子で‘教育されなかった' 者は,大学生

27.3%

で中学生の

4

倍,

S2

では

5

倍 であり,両タイプとも有意に差が見られた。 (1

%

水準)男子でも‘教育されなかった者'は,

S

l

の 大学生が

35.1%

で,中学生の

2

倍であり,有意に差 が見られた (1%水準)。 ‘箸の持ち方を教育した人'は, ‘両親'が

75%

以 上で, ‘その他の肉親'の約5倍を占めた。当該中 学生は大学生より,米飯給食による学校給食での箸 の指導を多く受けていることから,箸の指導をした 人が‘その他'と答える者の増加を期待したが,中 学生と大学生に差は見られなかった。 ‘初めて箸を持った時期'は,女子は‘6歳以下' の者が

50.3%

, ‘

6

歳以上'の者が

18.4%

,男子は ‘

6

歳以下'が

5

1.

1%

,‘

6

歳以上'が

2

1.

0%

でいず れも‘6歳以下'で、教育を受けた者が2倍以上であ ったが,男女差は見られなかった。タイプ別では女 子,男子共に

S

,l

S

2

聞に有意差はみられず,タイ プの決定に影響を与えているとは考えられなかっ た。大学生との比較では,

S

l

女子は‘

6

歳以上'

1

3

.

8

,大学生

36.7%

S

l

男子も‘

6

歳以上'は

23.1%

, 大学生

43.7%

でいずれも有意に差が見られた

(

1%

水準)0

S2

の女子は,‘

6

歳以下,

48.2%

,大学生

5

6

.

5

%, ‘

6

歳以上,

24.1%

,大学生

3

1.

8%

と差が見ら れ

(5

%水準),男子でも‘

6

歳以上'の者が

1

9

.

8

%,大学生

4

1.

3%

と有意差がみられた(1%水準)。 ‘教育の頻度'は,中学生男女では‘食事の度ご と'の者が女子

7

1.

5%

,男子

65.4%

で,全体で

6

8

.

5

%であり,‘食事の度ごとでない'者の

2

倍以上で あったが,男女間,女子

S

,l

S2

間,男子

S

,l

S2

間に有意差は見られなかった。大学生との比較では 女子の

S

,l

S2

間,男子の

S

,l

S2

聞のいずれにも 差が見られ(女子

S

lS

2

男子

S

21

%,

S

l

5

%水準), 中学生は両親から食事の度ごとに注意を受けている 者が多く,大学生との差が見られた。 ‘食事の間正座が出来るか'は,女子

58.6%

,男 子

63.5%

が‘出来る'と答えているが,女子

S

lS2

間,男女聞に有意差は見られなかった。大学生との

- 6

1

-比較では,女子では,

S

l

S2

聞に有意差は見られな かったが,男子の場合,

S

l

では, ‘正座が出来る' 者は

58.3%

,大学生は

36.6%

S2

は,

66.7%

,大 学生51.

6%

で両タイプ共大学生に正座が出来ない者 が多L。、

(

S

l 1

%水準,

S

2

5%

水準)。 ‘食前食後の挨拶をするか'は,女子の

78.9%

, 男子の

74.4%

が‘挨拶をする'と答えている。大学 生との比較では,大学生の

S

l

女子を除いては,大 学生は‘挨拶をしない'とL、う者の方が多く,中学 生と有意に差が見られた(1%水準)。 b. 箸の使用に関する項目 ‘学校給食での箸の使用'は,女子

2.7%

,男子

8

0

.

5

%が‘使用した'と答えたが,男女間では,有意差 はみられず,

S

l

S

2

聞にも有意差は見られなかった。 大学生との比較では,大学生

S

l

女子

44%

,男子

30.5%

S2

女子

40%

,男子

32.5%

で,箸を‘使っ たことがない'者が

50%

以上を占め,当然、の事なが ら米飯給食実施状況との関連を示している。 ‘効き手は左右のどちらか'は,女子

97.5%

,男 子

94.8%

の者が‘右利き'と答え男女差はなく,女 子

S198.1%

S2 9

6

.

8%

,男子

S

l95.2%

S

2

9

4

.

7

%が‘右利き'で,若干男子の方が女子

2.5%

に対 し

5.2%

と‘左利き'が多かったが,有意差ではな かった。大学生も

90%

以上の者が右利きであったが, 女子

5.4%

,男子

6.3%

と中学生より‘左利き'が多 かったが有意の差で、はなかった。 又,中学生,大学生のいずれも有意差はないが,

S

2

に‘左利き'が多かった。 ‘利き手で箸を使うか'では,女子

97.9%

,男子

96.8%

が,‘利き手で箸を使う'と答えた。しかし ‘左利きで箸は右で持っている'者は女子

S2

に左 利きの

68%

,男子

S

2

に左利きの

40%

いた。大学生 では,有意の差ではないが,

S

l

女子

81%

S282%

S

l

男子

72%

S2 76.7%

であった。 ‘一日にお米を食べる回数'については,男女共 一日

2

回の者が最も多く, (女子

59.1%

,男子

5

2

.

8

%),一日

3

回と答えた者と両方を併せると

90%

以 上であった。一日に 1回と答えた者は,

S

l

女子

4

.

7

%,

S2 12.9%

S

l

男子

4.8%

S2 1

1.

1%

であり, 男女共

S

2

が多く,有意の差が見られた

(5%

水準)。 大学生との比較では,大学生は男女の両タイプ共一 日

l

回と答える者が中学生より多く,なかでも

S

l

女子では

l

回の者は,中学生

4.7%

,大学生

19.5%

で有意に差が見られた。 (1%水準) C. 箸に対する意識 ‘箸を持ちにくし、と感じるか'については, ‘持ち

(10)

ー l

N │ │ 数量化

2

類による分析結果 表7 ケース得点の外的基準別平均値と標準偏差 女子 スタイノレ 女子 相関比 1 2 体

S

S

全 正判別率(%) 73/106 (68.9) 68/ 93 (73. 1) 141/191 (70.8) SD 0.78 0.91 X 0.5 -0.6 偏相関係数 初めて箸を持った年齢 レ ン ジ ウ エ イ ト 0.27 -0.84 O. 10 カ テ ゴ リ ー 1.6歳以下 2. 6歳以上 3.不明 目 項 0.12 0.22 0.29 0.41 0.25 している していない 2. 母親の就労 0.12 0.66 0.34 -0.18 0.09 1.2-3回 2. 1回 3.不明 一日に米を食べる回数 0.11 0.52 レ ィ ‘

子タ

男 ス 相関比 1 2 体

S

S

全 正判別率(%) 48/ 93 (76. 2) 73/ 99 (73.7) 121/162 (74.7) SD 0.84 0.92 X 0.6 -0.4 男子 一日に米を食べる回数 -0.36 0.29 1.50 1.2-3回 2. 1回 3.不明 0.13 1.80 0.20 0.15 -0.45 1.する

2

.

しない 食前食後の挨拶 0.12 0.61 1.知っている

2

.

知らない 箸の作法を知っているか

ゆき特ゆ誹・瀧

s h w

0.11 0.41 0.13 -0.17

(11)

平 成

6

1

2

月(1

9

9

4

年) にくいと感じる'者は女子

30.7%

,男子

20.8%

で, ‘持ちやすい'と言う者の

1

/

3

で,

S

1

での男女差は 見られなかったが,

S

2

では,女子の‘持ちにくい' 者が

4

1.

9%

で男子の

2

倍であり,有意差が見られた。 (1%水準)タイプ別では,女子の

S

2

に‘持ちに くい'者が有意に多かった。(1%水準) 大学生との比較では,

S

2

女子では,大学生の

60.7%

が‘持ちにくい'と答えており,中学生

4

1.

9

%と差が見られた。

(5%

水準)男子は

S

2

の大学 生

4

1.

3%

が‘持ちにくい'と答えており,中学生の 2倍で,有意の差が見られた。 (1%水準) ‘箸の持ち方を直したし、か'は‘直したい'者は 女子

47.7%

,男子

35.6%

で,女子は‘直したい'と 思う者が有意に多かった (5%水準)。タイプ別で は女子

S

1S

2

間,男子

S

1S

2

聞に有意差は見られな かった。大学生との比較では,‘直したい'者が女子

S

1

4

1.

5%

,大学生

79.2%

で大学生に多く,

S

2

も中 学生

54.8%

,大学生

75.8%

で,いずれも有意差がみ られた (1%水準)。 ‘箸の作法を知っているか'では,男女共‘知っ ている'者の方が多く,女子では

77%

,男子

71.3%

が‘知っている'と答え,

S

1

の男女間,

S

2

の男女 間では有意差が見られた(

5%

水準)。大学生との 比較では,大学生は

S

1

女子

90%

S

2

83.3%

S

1

男子

71.8%

S

2

71%

と中学生より‘知っている' 者が多かったが,有意差は見られなかった。

d

.

数量化

2

類による分析 表7は,質問事項の中で箸の教育に関する 8項目 (属性のうち,特に家庭教育と関係する項目一母の 就労を含む),箸の使用状況に関する

4

項目,箸の 意識に関する 3項目の

1

5

項目を説明変数とし,箸の 持ち方

S

,l

S

2

を目的変数(外的基準)とし,数量 化

2

類による分析の結果を示した。(この際カテゴ リーの中で回答数の少ないもの,類似しているもの はlつのカテゴリーとしてまとめた。)相関比は女 子

0

.

2

9

,男子

0

.

2

0

であり,高い値は得られなかった。 正判別率は,女子

S

168.9%

S

2

73.1%

,男子

S

1

76.2%

S

2

7

3

.

7%

であった。男女の

S

1

クゃループと

S

2

グループの決定に寄与する要因,各レンジ及偏 相関係数の大きい上位3つは,女子は‘初めて箸を 持った時期'が‘6歳以上である'が

S

2

ク'ループ に判別され,‘一日に米を食べる回数'の‘一日に

2

回以上'が

S

1

ク守ループに判別された。 男子は,‘一日に米を食べる回数'が‘不明¥‘食 事の挨拶'を‘しない¥‘箸の作法を知っているか' の‘知らない'が

S

2

グループに判別された。

6

3

5

.

中学生の箸の持ち方は,男女全体では

S

2

S

1

を上回り,特に男子では,

62%

S

2

であった。こ れは,両タイプがほぼ同数である大学生の分布と相 違が見られた。男子に

S

2

が多いのは,本調査の結 果でも示されるように,家庭で箸の持ち方の教育も 女子よりも緩やかで、,

S

2

は,明らかに教育を受け ていない者で構成されていると考えられる。これは, 男子は女子より食欲が旺盛で,食事の意義が空腹を 満たすだけにあるように考えられる。大学生になる と男子でも箸の持ち方を直したし、者や,箸の作法を 知っている者が増加するのが,中学生男子は食事作 法については関心が薄く,家庭でも女子より放任す る傾向があるように思われる。 箸の持ち方と機能性については,今回の調査で

S

1

が明確に機能的に優れていると結論づけられる。し か し 中 学 生 男 子 は

S

2

が多いにもかかわらず,大 豆の作業量が他の

3

者(中学生女子,大学生男女) より多かったが,これは調査時に男子は友人と競争 する者が多く,まだ子供っぽさの抜けきらない中学 生の一面を示している。又,大豆の場合は作業がし やすいため,反射神経の良い者は作業量が増加した ためと考えられる。しかし困難な紙の作業量は他 の 3者より低く,箸を持つ手の移動距離も大きかった。 箸の持ち方に関する教育では,教育を受けた経験, 頻度共に中学生の方が多く,家庭のしつけの不在が 喧伝される昨今9.10),本調査の両親の

4

0

歳台(団塊 の世代前後)の世代を考えると意外な結果であった。 これは,中学生は現在両親と同居しているため,食 事の度に,注意を受ける年代にあることが理由とし て考えられる。大学生では,記憶で答えているためか, 世代差によるものかについては,明確ではなかった。 米飯給食の普及率の高い環境で育った中学生は, 学校給食での箸の使用は

80%

以上であったが,‘箸 の教育をした人'が‘両親以外'の人と答えた者は 大学生と変わらず,学校給食の教育効果は期待出来 なかった。 しかし神谷は,学校給食の噌好における教育効 果は多大なものがあり,給食の献立は,児童期はも とより,成人後も食曙好に影響を与えているとして いる

l

I

L

米飯給食の多かった中学生に

S

2

の者が多 かった事は,箸の教育が人間の欲求に直接的な食噌 好程に影響を与えなかったのか,柳沢の指摘するほ どに,学校給食が学校教育の一環として,十分な位 置づけが為されていない事に起因しているためだっ

(12)

- 6

4

たかは結論づけられなかった12)。 大学生の中に左利きでありながら,箸は右手で持 って矯正している者が増加する傾向が見られること は,橋本らの指摘するように,加令とともに,箸の 持ち方が他人とのかかわりの中で固定していくこと を示している。 又,数量化

2

類による分析での箸の持ち方の決定 因子は,前報の女子大生の場合より,男女共に,生 活習慣の因子が強く影響していると考えられた。 この稿を終わるに当たり,この調査に関して多大 なるご協力をいただきました大谷中学校,東山中学 校,立命館中学校,京都女子中学校,ならびに京都 大学,京都女子大学,同短期大学部,京都府立医科 大学,龍谷大学の生徒,学生の皆様方,ならびに教 職員の皆様方にたし、し,厚く御礼申し上げます。

文 献

1

)

坂田由紀子:家政誌,

4

1

6

3

7

-6

4

5

(1

9

9

0

)

食物学会誌・第

4

9

2

)

向井由紀子,橋本慶子:家政誌,

2

9

4

6

7

-

4

7

3

(1

9

7

8

)

3

)

小沢和郎:学校の食事,

2

1

5

-

1

8

(1

9

8

3

)

4

)

橋本勝嗣:食料管理月報,

4

3

2

5

-

3

1

(1

9

9

1) 5)塩見邦邑雄,吉野要:中学,高校生の心理と 指導,

1

8

-

1

9

(1

9

9

0

)

6

)

詫 間 武 敏 , 安 香 広 : 中 学 生 の 心 理 ,

6

-

1

4

(1

9

8

0

)

7

)

関 順 一 , 返 田 健 : 大 学 生 の 心 理 ,

2

6

-

8

2

(

1

9

8

3

)

8

)

向井由紀子,橋本慶子:家政誌,

3

4

2

6

9

-

2

7

5

(

1

9

8

3

)

9

)

新掘道也:教育と医学,

3

6

1

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