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バレーボールのパフォーマンスに関係する知覚的要因の検討

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Academic year: 2021

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(1)学位論文. バレーボーノレのパフォーマンスに 関係する知覚的要因の検討. 広島大学大学院教育学研究科 文化教育開発専攻. 古田久.

(2) 目次. 第 1章 研 究 の 背 景 と 目 的. 節 第 2節. 先行研究の検討. 第 3節. 問題の所在と研究目的. 第 2章. 12U. 第 1節 緒 言. 攻撃的及び守備的な運動課題別の検討. 第 2節. サーブレシーブにおける検討. 1ょi o AQdAtd t. アタックにおける検討. 795. 第 1節. 第 3節 総 合 考 察. 第 3章. 熟達段階別の検討 サーブレシーブにおける検討. 第 2節. 熟達段階別考察. 第 3節 発 達 論 的 考 察. QUAHAQOQA QUQOQU A吐. 第 1節. 第 4節 総 合 考 察. 第 4章 総 括. 第 2節. 要約と本研究の意義. 引用文献. 氾. 第 3節 今 後 の 課 題. 79 99M. 第 1節 全 体 的 考 察. 104.

(3) 第 1章. 研究の背景と目的. 第 1節 緒 言 今日,社会の至るところで見られるスポーツは,いかに定義されるで あ ろ う か . ジ レ ( 1952)は 「 一 つ の 運 動 を ス ポ ー ツ と し て 認 め る た め に , われわれは三つの要素,即ち,遊技,闘争,及びはげしい肉体活動を要. 要素をもってス 求する J と 述 べ , 遊 戯 , 闘 争 , 及 び 激 し い 肉 体 活 動 の 3 3要. 1981)は ス ポ ー ツ を 「 遊 び の ポーツを定義している.また,グートマン( 要素に満ちた肉体的競技である」と定義している.これらの定義が示唆 するように,遊戯性,身体運動と共に競技性がスポーツを規定する本質 的要素であると考えられる. 事実,競技性はスポーツと称されるほとんど全ての活動の中に見受け られる.例えば,スポーツの祭典といわれるオリンピックにおいては, 国家間で蛾烈なメダル獲得競争が展開されている.このような国際レベ. N a t i o n a ls p o r t sf e s t i v a l )や 各 種 ス ルに限らず,国内レベルの国民体育大会( ポーツ種目における競技会においても競争が繰り広げられている.この ように,スポーツ活動においては,相手と成績を競いあいそれに優るこ と,つまり,より優れたパフォーマンスを追求することが,本質的な価 値であると考えられる.この価値に基づき体育・スポーツ心理学の領域 では,優れたスポーツパフォーマンスを生み出す心理的メカニズムを明 らかにしようと多くの研究が行われている. 直接観察することができない人間の心理的メカニズムを研究対象と するためには,何らかのモデルが必要である.このモデルとしてコンピ ュータのような情報処理システムを想定して研究を進めるのが情報処理 的 ア プ ロ ー チ で あ る . 伊 藤 ( 1999)に 倣 い , ゲ ー ム 機 を 例 に 考 え て み よ う . ゲーム機はコントローラから「入力 J された情報をゲーム機本体でプロ.

(4) グ ラ ム に し た が っ て 処 理 し , そ の 結 果 を モ ニ タ に 「 出 力 Jする.ここで, コントローラを操作し,モニタを見つめてゲームを行っている人に着目 すると,視覚や聴覚から入ってくる情報(入力)に基づいて(必要があれば 過去の記憶を利用しながら),思考し指を動かしてコントローラのボタン を 操 作 し て い る ( 出 力 ). 入 力 さ れ た 情 報 を 処 理 し , 最 終 的 に 何 ら か の 出 力をするという点に着目すると,ゲームをしている人の様子は,ゲーム 機が動作している様子とよく似ている.スポーツのような運動場面にお いても,情報は入力として人間に呈示され,その情報に基づいてシステ ム内の様々な情報処理過程が一連の処理を行い. 最終的な出力として運. p . 1 5 4 4 ) . この情報処 動 が 産 出 さ れ る と 考 え ら れ る ( シ ュ ミ ッ ト , 1994,p l993,2001)は 知 覚 過 程 , 意 思 決 定 過 程 , 効 果 器 理過程として, Wrisberg( 過 程 の 3つ の 情 報 処 理 過 程 を 想 定 し て い る . テ ニ ス や サ ッ カ ー , バ レ ー ボールなどのオープンスキルを必要とするスポーツでは環境条件が絶え ず変化し,その変化に合わせて運動を実行することが求められる.これ は,環境の情報を取り入れる知覚過程において適切な情報処理が行われ ていなければ,高い水準のスポーツパフォーマンスは期待できないこと を意味している.このようなことから,行動の知覚的側面が非常に重要 であると考えられる.. 第 2節. 先行研究の検討. 知覚とスポーツパフォーマンスの関連を検討した研究は,測定・評価. pecifict e s t )を 用 い て 「 視 覚 的 能 力 J を の 観 点 か ら , 一 般 的 テ ス ト (Non-s ct 測定し,スポーツパフォーマンスとの関連を検討した研究と,種目特殊. s t )を 用 い て 種 目 特 殊 的 な 「 情 報 処 理 方 略 要 因 J S p o r t s s p e c i f i ct e 的テスト ( を 測 定 し , ス ポ ー ツ パ フ ォ ー マ ン ス と の 関 連 を 検 討 し た 研 究 , の 2つ の. 2.

(5) タ イ プ に 分 類 す る こ と が で き る (Helsen and S t a r k e s, 1999; Ward and. Williams,2003). 以 下 , こ の 2つ の タ イ プ の 研 究 に つ い て , S t a r k e s and Deakin(1984), Abernethy(1987), Abernethy e t a1 . ( 1998b)等 を 参 考 に し な がらレビューする.. 1.一般的テストを用いた研究. n s p e c i f i ct e s t )と は , 測 定 の 際 に ス ポ ー ツ 種 目 特 有 の 一 般 的 テ ス ト (No 課題状況や刺激を全く用いないテストのことである.このテストを用い て測定される知覚的要因は,主として静止視力や動体視力,深視力(瞳孔 間距離)などの視覚的能力である.これらの要因は知覚的情報処理のメカ ニカルな側面に着目しており,しばしば知覚の「ハードウェア的特性J. e . g .,S t a r k e sandDeakin,1984;Wrisberg,1993). として言及される ( 視覚的能力とスポ ポー ーツ ツパ パフ フォ ォー ーマ マン ンス スの の関 関連 連に に関 関す する る研 研究 究は は古 古く く,. 1930年 代 ま で 朔 る こ と が で き る . Banister and Blackburn(1931)は , ボ ー ルゲームにおけるゲームプレー能力と瞳孔間距離の聞に関連があると報 告し,瞳孔間距離が広いほど,両眼視差による奥行き知覚(深視力)が有 利になりポロやテニスなどのスポーツにおいて高い熟練性を獲得できる と主張している.しかしながら,瞳孔間距離と深視力との相関を調べた. ClarkandWarren(1935)は , こ の 両 者 の 間 に は か な り 弱 い 相 関 (r=.124)しか 認められず,さらに,瞳孔間距離と深視力の両方においてボールゲーム の競技者と非競技者を比較した結果,有意な差は認められなかったと報 告している.このように,初期の研究においても視覚的能力とスポーツ パフォーマンスの関連について一致した見解は得られていない.その後, 瞳孔間距離がスポーツパフォーマンスに関連するという仮説は検討され. t て い な い が , 深 視 力 に 対 す る 関 心 は 絶 え な か っ た . 例 え ば , Graybiel e 3.

(6) al . ( 1955)は , ボ ー ル ゲ ー ム 競 技 者 と 非 競 技 者 の 深 視 力 に お い て 違 い が 認. められたと報告している.しかし,. Deshaies and Pargman(1976),. Cockeril 1 ( 1981a ), 及 び Isaacs(1981)の 研 究 の よ う に , 深 視 力 と ス ポ ー ツ パフォーマンスの聞に関連は認められないとする報告もあり,未だコン センサスを得るには至っていない. 視覚的能力の最も基礎となる静止視力においても,両義的な研究結果 が報告されている.例えば,ボ}ルゲーム競技者は,非競技者より静止. e . g .,Tussing,1940; Winograd, 視力において優れているとする報告がある ( 1 9 4 2 ) . しかし,その一方で,静止視力においてプロアイスホッケープレ ー ヤ ー の 約 25%に 臨 床 的 に 治 療 が 必 要 な レ ベ ル の 欠 陥 が 認 め ら れ た と い う 報 告 や (Garner,1977), バ ス ケ ッ ト ボ ー ル の フ リ ー ス ロ ー の パ フ ォ ー マ ンスを低下させることなく,静止視力を実験的操作によって劇的に低下. 9 9 2 ) . さ せ る こ と が で き る と い う 報 告 も あ る (ApplegateandApplegate,1 e . g .,RaschandPierson,1963),色覚 ( e . g .,Mizusawa この他,視覚反応時間 ( e . g .,C o c k e r i l l,1981b )等 様 々 な 静 的 な 視 覚 的 能 力 に つ eta, . l 1983), 視 野 ( いて異なるパフォーマンスレベル間で比較されているが,そのほとんど が視覚的能力とスポーツパフォーマンスの間に関連性を見出していない. パフォーマンスレベルに対応した視覚的能力における違いが明らかに 1っ と し て , 問 題 と し た 視 覚 的 能 力 を 測 定 す る た め さ れ な か っ た 理 由 の 1っ. に用いられたテストがダイナミックなスポーツ環境とかけ離れた静的な. 9 8 7 ) . 1970年代に入ると, 課 題 で あ っ た こ と が 挙 げ ら れ る (Abernethy,1 isual Acuity)の よ う な 動 的 な 視 覚 的 能 力 に 関 す る 研 究 は DVA(Dynamic V 視 覚 的 能 力 に つ い て 研 究 が 行 わ れ る よ う に な る . 例 え ば , Sandersonand 1974,1978)は DVAと 捕 球 課 題 の パ フ ォ ー マ ン ス の 関 連 を 検 討 し Whiting( ている.これらの研究の結果,. DVA と 捕 球 パ フ ォ ー マ ン ス の 聞 に. 4.

(7) r=.30-. 45 程 度 の 有 意 な 相 関 が あ る こ と が 認 め ら れ た . し か し な が ら , SandersonandWhiting( 1974,1978)の 用 い た 捕 球 課 題 は 実 験 室 的 に か な り 統 制 さ れ た 運 動 課 題 で あ り , ス ポ ー ツ パ フ ォ ー マ ン ス と DVAの 関 連 を 調 べた MorrisandKreighbaum(1977)が バ ス ケ ッ ト ボ ー ル の シ ュ ー ト パ フ ォ ー マ ン ス と DVAの 聞 に 関 連 性 を 見 出 し て い な い こ と か ら も , 明 確 に 結 論 す る こ と は で き な い . こ の よ う な こ と か ら , DVAは 静 的 な 視 覚 的 能 力 よ りも動的なスポーツ課題におけるパフォーマンスに重要である可能性は 高いが, DVAに よ っ て 説 明 さ れ る パ フ ォ ー マ ン ス 変 動 性 は そ れ ほ ど 大 き. 987;Abernethye ta , . l 1 998b). な も の で は な い と 考 え ら れ る (Abernethy,1 また,この頃に,米国における矯正レンズの処方や視能訓練の専門家で あるオプトメトリスト ( Optometrist)の 組 織 で あ る American Optometric. p o r t sVisionSectionが 設 立 さ れ , 視 覚 的 能 力 と ス ポ ー ツ Association に S パフォーマンスの関連について組織的に研究しようという動きが認めら れるようになる. そして, 1990年 以 降 に な る と , ス ポ ー ツ 競 技 者 の 視 覚 を 複 数 の 測 度 を. t 用 い て 包 括 的 に 捉 え よ う と い う 試 み が 活 発 に な る . 例 え ば , Hughes e .(1993)は , パ フ ォ ー マ ン ス レ ベ ル の 異 な る 3 グ ル ー プ の 卓 球 プ レ ー ヤ al. 5項 目 の 視 覚 的 能 力 を 比 較 し て い ー を 対 象 に , 静 止 視 力 や DVAな ど の 1 l (1999)も パ フ ォ ー マ ン ス レ ベ ル の 異 な る ク a る.また, AbernethyandNe 1項 目 の 視 覚 的 能 力 を 比 較 し て い る . こ の よ レー射撃の競技者を対象に 1 うに多変量的に視覚的能力を測定し,パフォーマンスとの関連を検討し ているが,パフォーマンスレベルに対応した違いが視覚的能力において. g .,S t a r k e s, 1987; Helsen and S t a r k e s, 1999; e . 認められないことも多く ( WardandWilliams,2003), 実 際 に 視 覚 的 能 力 を ト レ ー ニ ン グ し で も ス ポ e . g .,Wood ーツパフォーマンスの改善が認められないなどの理由から ( 5 5.

(8) andAbernethy,1997;AbernethyandWood,2001), 近 年 , 視 覚 的 能 力 と ス ポーツパフォーマンスの関連性は疑問視されている ( e . g .,Abernethy,. 1 9 9 6 ;Wi i l 1 iamse l l ta, . l 1999,pp.60・9 5 ;WilliamsandWard,2 0 0 3 ) . 以上のように,ここまでは主として欧米において行われた研究を中心 に述べてきたが,日本国内においても視覚的能力とスポーツパフォーマ ンスの関連を検討した研究が行われている.このテーマに関する初期の 研 究 と し て 中 川 ( 1981)の 研 究 が 挙 げ ら れ る . こ の 研 究 で は , 静 止 視 力 ,. i s u a l Acuity), 視 野 の 広 さ , 瞳 孔 間 距 離 , 深 視 力 及 び 水 平 KVA(Kinetic V 限 筋 平 衡 機 能 お い て パ フ ォ ー マ ン ス レ ベ ル の 異 な る 3グ ル ー プ の ラ グ ビ ープレーヤーを比較している.その結果,水平眼筋平衡機能においての み有意な違いが認められたと報告している.他にも幾つかの研究が散見 さ れ る が , わ が 国 に お け る 視 覚 的 能 力 に 関 す る 研 究 は , 主 と し て 1988 年に発足したスポーツビジョン研究会によって組織的に進められている. 9 9 7 ) . スポーツビジョン研究会は,発 ( e . g ., ス ポ ー ツ ビ ジ ョ ン 研 究 会 , 1 足 以 来 , ① 静 止 視 力 , ② KVA, ③ DVA, ④ コ ン ト ラ ス ト 感 度 , ⑤ 眼 球 運 動 , ⑥ 深 視 力 , ⑦ 瞬 間 視 , ③ 眼 と 手 の 協 応 動 作 の 8項 目 の 測 定 を シ ス テ ム 化 し , 約 2000 名 の ス ポ ー ツ 選 手 の 視 覚 的 能 力 を 測 定 し て い る ( 石 垣 ,. 2 0 0 0 ) . また,これらの視覚的能力とスポーツパフォーマンスの関連を検 9 9 7 ) . し 討し,両者には確かに関連が認められると結論している(真下, 1 かしながら,近年の海外における研究結果を考慮すると,視覚的能力と スポーツパフォーマンスの関連については,未だ暖味な点が多く,明確 な結論を下せる段階にはないと考えられる.. 2 .種 目 特 殊 的 テ ス ト を 用 い た 研 究 S p o r t s s p e c i f i ct e s t )と は , 測 定 の 際 に ス ポ ー ツ 種 目 種目特殊的テスト ( 6.

(9) 特有の課題状況や刺激を用いるテストのことである.例えば,パレ}ボ ーノレの場合であれば,実際のゲーム場面に存在する敵プレーヤーやボー ルの動きなどをシミュレートしたテスト課題や刺激を用いて測定する. この種のテス下においては,主として各々のスポーツ種目に特殊的に必 要とされる情報処理方略が測定の対象となる.これらの要因は,スポー ツ場面において如何にして情報を獲得して処理するかという方略的な側 面 に 関 連 し て い る の で , し ば し ば 知 覚 の 「 ソ フ ト ウ ェ ア 的 特 性 j として 言及される ( e . g . .StarkesandDeakin.1984;Wrisberg.1993). 種 目 特 殊 的 テ ストを用いて測定される知覚的要因は 「注意スタイルJ,. r目 標 検 出 J (Object detection),. 予 測 ス キ ル J, そ し て r パターン認知J, r. r 視覚探索. 方 略 」 の 5つ の 要 因 に 整 理 さ れ る . 1980)の 研 究 が 挙 げ ら 目 標 検 出 に 関 す る 研 究 と し て , AllardandStarkes( れる.彼らは,短時間呈示されるバレーボールの競技場面を写したスラ イドの中からボールの存在を検出する課題において,バレーボール競技 者と非競技者の反応の速さと正確性を比較した.その結果,反応の速さ においてはバレーボール競技者の方が有意に速かったが,反応の正確性 に違いは認められなかったと報告している.この結果を支持する報告が S t a r k e s,1987),このよう フィールドホッケーにおいて認められているが( なパフォーマンスレベルの高い者の知覚的な優位性が実際のスポーツ場 面 に お い て ど の よ う な 意 味 を 持 っ か に つ い て は 不 明 確 で あ る (Abernethy e ta , . l 1998b). 1976,1990)は , 環 境 か ら 情 報 を ピ ッ ク 注 意 ス タ イ ル に つ い て Nideffer( アップする方略に関して,幅(広いー狭い)と方向(外的ー内的)の 2次 元 の 組 合 せ か ら な る 4つ の 注 意 ス タ イ ル を 提 案 し , ス ポ ー ツ 場 面 で は , こ れ らのスタイルを適切に使い分け,不必要な情報を排除し適切な情報のみ 7.

(10) を獲得することによって優れたスポーツパフォーマンスは得られると主 張している.この観点から作成されたテストが,注意・対人スタイル診 断テスト ( T e s tofA t t e n t i o n a l and I n t e r p e r s o n a lS t y l e ; TAIS)で あ る . TAIS のオリジナルパージョンの有効性に対しては,その基準関連妥当性にお いて批判が認められるが ( e . g .,ReisandBird,1982;Vallerand,1983),種目 特殊的なパージョンの有効性は支持されているようである.例えば,杉 原・吉田(1989)は 大 学 テ ニ ス プ レ ー ヤ ー の ス キ ル レ ベ ル と , オ リ ジ ナ ル パ ー ジ ョ ン 及 び テ ニ ス パ ー ジ ョ ン の 両 方 の TAIS の 下 位 尺 度 と の 関 連 を 検討している.その結果,オリジナルパージョンとテニスパージョンの 下位尺度聞には中程度 (r= .4 0~.50) の相闘が認められるものの,スキルレ. ベルの予測という点では,種目特殊的なテニスパージョンの方が優れて いたと報告している.これと同様の結果が,野球・ソフトボールの打撃. (AlbrechtandF e l t z,1987)等 に お い て 得 ら れ て い る が , バ ス ケ ッ ト ボ ー ル の パ フ ォ ー マ ン ス と は 関 連 が 認 め ら れ な い と す る 報 告 も あ り (Summers. e ta , . l 1991), ス ポ ー ツ パ フ ォ ー マ ン ス と の 関 連 に つ い て 不 明 確 な 点 も 多 し、-. tal .(1980)の 研 究 が 挙 げ パ タ ー ン 認 知 に 関 す る 研 究 と し て は , Allard e られる.この研究では,バスケットボールのゲーム状況を写したスライ ドを短時間観察した後に,そのゲ}ムの中のプレーヤーのポジションを 再生するという課題を用いて,バスケットボール競技者と非競技者の再 生パフォーマンスの比較を行った.観察されるスライドは全てバスケッ トボールのゲーム状況を写しているが,その半分は代表的な攻撃パター ンを写したゲーム状況(構造的ゲーム状況)であり,残りの半分はタイム アウト時のような典型的なパターンを含まないゲーム状況(非構造的ゲ 」ム状況)であった.両群の比較の結果,バスケットボール競技者の再生. 8.

(11) パフォーマンスは非構造的なゲーム状況においては非競技者と同程度で あったが,構造的なゲーム状況においては非競技者より有意に優れてい た.この結果は,優れたスポーツパフォーマンスには一般的な記憶能力 ではなく,種目特殊的な情報の獲得とパターンの符号化が関連している ことを示しており,このような知覚的スキルの背景には種目特殊的な構 造化されたパターンの膨大な貯蔵と,観察されたパターンと貯蔵されて いるパターンとのマッチングに関する優れた識別過程があると考えられ ,1 9 9 6 ) . この研究と同様の結果が,フィールドホッケ ている (Abernethy. e s, 1987),ラグビー(中川, 1982) , バ レ ー ボ ー ル (Borgeaud and ー( S t a r k 1987), ス ヌ ー カ ー (Abernethy e t a, . l 1994)及 び サ ッ カ ー Abernethy, (WilliamsandDavids,1995)な ど に お い て も 確 認 さ れ て い る . 予測スキルは,スポーツにおける情報処理方略に関する研究において, っと思われる.予測スキルに関 最も多くの研究が行われている要因の 1 1っ す る 初 期 の 研 究 と し て , JonesandMiles(1978)は , フ ィ ル ム に よ っ て 呈 示 されるサーバーのサーブ動作からボールの落下地点を予測する課題にお いて,テニスのプロコーチと競技経験のない大学生を比較している.こ の実験では,サーバーのラケットとボールのコンタクトを基準に映像が,. 336ms前 に 遮 蔽 さ れ る 条 件 , 42ms前 に 遮 蔽 さ れ る 条 件 , 及 び コ ン タ ク ト 後 126msに 遮 蔽 さ れ る 条 件 , の 3条 件 の フ ィ ル ム が 用 い ら れ た . 実 験 の 結 果 , コ ン タ ク ト 前 42ms前 に 遮 蔽 さ れ る 条 件 と コ ン タ ク ト 後 126ms後 に 遮 蔽 さ れ る 2条 件 に お い て プ ロ コ ー チ の 方 が 学 生 よ り 予 測 の 正 確 性 に おいて有意に優れていたと報告している.また,. Abernethy and. R u s s e l l( 1987a)は バ ド ミ ン ト ン の 熟 練 者 と 未 熟 練 者 を 対 象 に 同 様 の 研 究 を行っている.この研究で用いられた映像は,ラケットとシャトルコッ. 6 7 n i sに遮蔽,コンタクト前 クのコンタクトを基準に,コンタクト前 1. 9.

(12) 83msに 遮 蔽 , コ ン タ ク ト 時 に 遮 蔽 , コ ン タ ク ト 後 83msに 遮 蔽 , 及 び 遮 蔽 な し の 5条 件 で あ っ た . 実 験 の 結 果 , コ ン タ ク ト 前 167ms以 外 の 条 件 の予測の正確性において熟練者の方が未熟練者より有意に優れていたと 報告している.他にも同様の検討がなされているが ( e . g .,I s a a c sandFinch,. 1 9 8 3 ;S t a r k e s,1987; Abernethy,1990a; Wright e t a, . 1 1 990; Williams and Burwitz,1993;Tenenbaume ta, . 1 2000; 西野ら, 1991), ス ポ ー ツ 種 目 に か かわらず,ほぽ一貫してパフオ}マンスレベルの高いプレーヤーの方が 低いプレーヤーよりも早い段階で次に生起する事態について正確に予測 することができると報告されている.したがって,予測スキルは優れた ス ポ ー ツ パ フ ォ ー マ ン ス を 構 成 す る 重 要 な 要 因 の 1つ で あ る と 考 え ら れ. る. 予測スキルに関しては,空間的遮蔽法と呼ばれる上記とは異なるアプ ローチを用いた研究がある.それは,プレーしている相手の身体部位の 一部をマスキングして見えないように加工(すなわち,遮蔽)した映像を 被験者に呈示し,その系列の最終的な結果を予測させる方法である.被 験者は遮蔽された部位からは情報を得ることができないために,予測正 確性の測度において低下が認められることが推察され,この予測正確性 の低下を手がかりに,被験者が予測に利用している情報源を明らかにし よ う と す る . 武 田 ほ か (2002)は テ ニ ス の サ ー ビ ス コ ー ス と 球 種 の 予 測 に 重要となる手がかりを明らかにするために,この空間遮蔽法を用いた検 討を行っている.この研究では,遮蔽条件として,サーバーのラケット, ラケットと腕,ボール,上半身,そして下半身が用いられた.予測スキ ルが優れていると考えられる群( Superior 群 ) と 劣 っ て い る と 考 え ら れ る 群(In f e r i o r群)の 2群 を 被 験 者 と し た 結 果 , I n f e r i o r群 で は ボ ー ル や 下 半 身などの部位が遮蔽された条件において予測正確性が有意に低下したが, 1 0.

(13) n f e r i o r群 S u p e r i o r群 で は 一 定 し た 予 測 正 確 性 が 保 た れ て い た . こ れ は , I がボールなどの特定の予測手がかりに頼っていた一方で. Superior 群 は. 相手のサーブ動作全体を予測手がかりとしていたことを示唆しており, 情報処理方略において違いがあることを示している. 予測スキルと同様に,視覚探索方略も多くのスポーツ科学研究者の関 心を集めた要因である.視覚探索方略は,被験者がスポーツ課題を遂行 している最中の眼球運動を計測することによって記述される.中山 ( 19 87)は サ ッ カ } の ゴ ー ル キ ー パ ー の 視 覚 探 索 方 略 を 検 討 し て い る . こ. の研究では, 2 対 1の 状 況 か ら シ ュ ー ト に 至 る ま で の 映 像 を 実 際 に ゴ ー ルキーパーの視点で観察する課題において,レギュラー群と非レギュラ ー群の注視点の移動パターンと注視時間・注視頻度が比較された.その 結果,レギュラー群の方が非レギュラー群より,ボールを追従する注視 点の移動パターンが少ない一方で,特定の対象に対する注視頻度が多く, l回あたりの注視時聞が短い傾向が認められた.また,野球の打者の視. 覚探索方略を検討した近年の研究よると,熟練打者は,投手の肘付近に 視線を集中させるのに対して,未熟練者の視線配置はバラツキが大きく,. 002). こ の よ う な 視 一 貫 性 が な い (KatoandFukuda,2002; 加藤・福田, 2 . g ., 覚 探 索 方 略 に お け る 違 い が , サ ッ カ ー な ど の 攻 守 混 合 型 競 技 (e Williamse ta, . l 1 994;Naganoe ta, . l 2004), テ ニ ス な ど の ネ ッ ト 分 離 型 競 e . g ., 技( e . g .,Goulete tal . , 1989;Singere tal . , 1996), 空 手 や 剣 道 な ど の 格 技 ( WilliamsandE l l i o t t,1999; 田村ら, 2004)等 に お い て 報 告 さ れ て い る . し かしながら,ラケットスポーツのストローク動作を観察するというよう な課題では,視覚探索方略の違いは相対的にかなり小さいことが指摘さ れている ( e . g .,AbernethyandR u s s e l l,1987b;Abernethy,1990b). これは, 異なるパフォーマンスレベル間で同じような視覚探索方略が認められて 1 1.

(14) も,そこから獲得される情報の有用性が異なることが考えられ,この点 を評価できないことが眼球運動計測法を用いた研究の方法論的な限界で あろう. ま た , 上 記 の 5つ の 要 因 に 加 え て , ス ポ ー ツ 場 面 で は , 適 切 な 情 報 収 集に基づいて状況判断を行うことが重要となるため,状況判断能力も知. S t a r k e s and Deakin, 1984; 覚的要因として研究が行われている ( ) . 例 え ば , 中 川 (1984)は , 大 学 生 ラ グ ビ ー ChamberlainandCoelho,1993 プレーヤーを対象に状況判断能力とスキルの関連を検討している.その 結果,スキルレベルと適切な状況判断を必要とするフィルムを用いて測 定した状況判断能力との聞に r =.55 と い う 有 意 な 相 闘 が 認 め ら れ , さ ら に,スキルの重要な構成要素であると考えられるテクニック(ゲーム状況. =.38と い う 有 意 な 相 との関わりなしに遂行する運動能力)を統制しても r 闘 が 認 め ら れ た . ま た , 中 川 ほ か (1990)は ラ グ ビ ー プ レ ー ヤ ー の 状 況 判 断能力を実戦場面の観察によって評価しても,状況判断能力とスキルの 聞に有意な相関を認められたと報告してる.このようなことから,状況 判断能力はパフォーマンスに関連する重要な要因であると考えられる. 以上のように,スポーツパフォーマンスとの関連において暖味な点が 多く認められる視覚的能力に関する研究と比べて,情報処理方略要因に 関する研究は,スポーツパフォーマンスとの関連という点で比較的一致 した研究結果を導き出している.. 3 .知 覚 ト レ ー ニ ン グ に 関 す る 実 験 的 研 究 これまで述べてきた多くの研究は,競技歴等を参考に異なると仮定さ れるパフォーマンスレベルやスキルレベルに基づいて複数の被験者群を 選定し,被験者群の間で視覚的能力又は情報処理方略要因において比較. 1 2.

(15) すす るる 方方 法法 かか ,, もも しし くく はは,,特特定定ののススポポー : ーツ ツ集 集団 団に にお おけ ける るス スポ ポー ーツ ツパ パフ ォ ー マンスと何らかの知覚的要因との相関を分析する方法を用いている.つ まり,これらの研究は共変関係を検討する相関的研究であるので,たと え,何らかの知覚的要因とスポーツパフォーマンスの間に共変関係が認 められたとしても,その要因がパフォーマンスの違いを生じさせるとい うような因果関係について断定的に言及することは適切ではない.また, このような因果関係の推論に関する問題に加えて,より優れたスポーツ パフォーマンスを得るための効果的な練習方法やトレーニング方法の開 発という実践的な問題から,近年,実際に何らかの知覚的要因のトレー ニングを試みる研究や,さらには知覚的要因のトレーニングによってス ポーツパフォーマンスの改善が認められるかどうかを検討する実験的研 究が行われているィこれらの実験的研究は知覚トレーニングと呼ばれる が,これまで述べてきた相関的研究と同様に,視覚的能力に着目してト. e . g ., McLeod, 1991; Long, 1994; Kluka e t レーニングを試みる研究( , . l1 996; Wood and Abernethy, 1997; Abernethy and Wood,2001; 石垣, a. e . g ., 2002)と , 情 報 処 理 方 略 要 因 に 着 目 し て ト レ ー ニ ン グ を 試 み る 研 究 ( tal . , 1 997;Farrowe tal . , 1 998; Haskins,1965;Burroughs,1984;Adolphee . , 1999;FarrowandAbernethy ,2002; 海野・杉原, 1 989; 羽 tal Abernethye 島ら, 2000)の 2つ の タ イ プ に 分 類 す る こ と が で き る . こ の よ う な 知 覚 ト レーニングに関する実験的研究は,相関的研究と比べて少ないのが現状 である.しかしながら,特に実践的問題,つまり実際のスポーツ活動に おいて効果的な教授・学習方法の開発に大きな影響を与えうる可能性が あることから,知覚トレーニングに関する研究は今後さらに行われるべ きであろう.. 1 3.

(16) 第 3節. 問題の所在と研究目的. これまでの研究によってスポーツパフォーマンスには様々な知覚的要 因 が 関 連 し て い る こ と が 明 ら か に な っ た が , 以 下 の 3つ の 観 点 か ら 問 題 点が指摘される. ①多次元主義・多変量主義. 先行研究のほとんどが視覚的能力又は情報. 処理方略要因のどちらか一方に着目した一次元的アプローチを用いてお り,しかも,そのほとんどが単一の要因のみを扱っている.スポ}ツパ フォーマンスは多くの情報処理的要因の配列に基づいていると考えられ る の で , 単 一 の 要 因 で は そ の 変 動 性 を 十 分 に 説 明 で き な い (Wrisberg,. ta1 .(1993) 2 0 0 1 ) . ま た , た と え 複 数 の 要 因 を 考 慮 し て い て も , Hughese msandDavids(1995)の よ う に , そ れ ら の 要 因 は い ず れ も 同 次 元 や Willia の要因であり,知覚的要因とスポーツパフォーマンスの関連についての 全体像に近づくためには,これも問題点として指摘される.したがって, 一次元的・一変量的なアプローチの限界を克服するためには,知覚的要 因とスポーツパフォーマンスの関連を,視覚的能力と情報処理方略要因 の両方から捉える多次元的多変量的アプローチによって検討する必要が ある (Wrisberg,2001). ま た , 多 変 量 的 に デ ー タ を 収 集 す る こ と に よ り , 知覚的要因のスポーツパフォーマンスに対する相対的貢献度を明らかに. 9 9 5 ) . しかし す る こ と が で き る と い う 利 点 も あ る (WilliamsandDavids,1 ながら,これまで多次元的多変量的アプローチによる検討は少なく,わ. S t a r k e s,1987)及 び サ ッ カ ー (Helsenand ずかにフィールドホッケー( S t a r k e s,1999;WardandWilliams,2003)の よ う な 攻 守 混 合 型 競 技 に お い て 行われているのみである. ②運動スキルとパフォーマンスの課題特殊性. 運動スキルとパフォーマンス. 42 5 ) . ある特定の運動課題のパフォ オ は課題特殊的である(杉原, 2003,pp. 1 4.

(17) }マンスにおいて優れた者でも,全く異なる別の運動課題においても同 様に優れたパフォーマンスを産出できるとは限らない.なぜなら,ある 特定の運動課題におけるパフォーマンスには,その運動課題に特化した 能力ないし構成要素のパターンが要求されるからである(シュミット,. 1994,pp.125・1 4 9 ) . したがって,上で述べた多次元的多変量的アプローチを用いた研究に おいても,運動パフオ}マンスの課題特殊性の観点からみると十分な検 討が行われているとは言えない.これについて競技種目のレベルで考え ると,多次元的多変量的アプローチを用いた研究は攻守混合型競技を中 心に行われており,ネット分離型競技のような競技種目においてはほと ん E行 わ れ て い な い . ま た. 個々の競技種目に含まれる運動課題のレベ. ルで考えると,オープンスキルを必要とするバレーボール等のスポーツ は異なる複数の運動課題から構成されるため,それぞれの運動課題別に そのパフォーマンスに関連する知覚的要因を検討する必要がある. ③熟達段階. E x p e r t i s e )は , 練 習 及 び 競 技 経 験 スポーツにおける熟達化(. と 身 体 的 心 理 的 発 達 と の 相 互 作 用 の 結 果 で あ る (Thomas and Thomas,. 1 9 9 4 ) .運動学習領域の個人差に関する研究によると,運動能力のスポー ツパフォーマンスに対する貢献は練習経験とともに変化することが示唆 さ れ て い る (BoyleandAckerman,2004). こ れ は , 視 覚 的 能 力 に お い て , スポーツパフォーマンスに対する貢献度が熟達段階によって質的にも量 的にも異なる可能性があることを示唆している.また,その一方で,情 報処理方略要因においても,スポーツパフォーマンスに対する貢献度が. ta , . l 1 9 9 3 ) . したがっ 相 対 的 に 変 化 す る 可 能 性 が 指 摘 さ れ る (Abernethye て,スポーツパフォーマンスに関連する知覚的要因を明らかにしようと 試みる際には,このような熟達段階を踏まえた検討が必要である.. 1 5.

(18) 以 上 の 問 題 点 を 踏 ま え , 本 研 究 で は , 図 1・1 に 示 す よ う に , 視 覚 的 能 力と情報処理方略要因の両方から,どのような知覚的要因がどの程度バ レーボールのパフォーマンスに関連するかを明らかにすることを目的と す る . こ の 目 的 の 達 成 の た め に , 第 2章 に お い て は , 攻 撃 的 な 運 動 課 題 としてアタックを,守備的な運動課題としてサーブレシーブを採り上げ, これらの運動課題別にそのパフォーマンスに関連する知覚的要因の検討 を 行 う . そ し て , 第 3章 で は , サ } ブ レ シ ー ブ に 着 目 し , 熟 達 段 階 別 に そのパフォーマンスに関連する知覚的要因を多次元的多変量的に検討す る.. 凶レーポールのパフォーマンス│. どのような知覚的要因が どの程度パフォーマンスに関係するのか? 陣 覚 的 能 力 情 報 処 理 方 │情報処理方略要因│ 略 要 因 │ 図 1-1 本研究の目的. 1 6.

(19) 第 2章 第 第 1節. 攻撃的及び守備的な運動課題別の検討 アタックにおける検討. 1.目的 この節の目的は,どのような知覚的要因がどの程度アタックパフォー マンスに関連するかを,視覚的能力と情報処理方略要因の両方から明ら かにすることである.. 2 .方 法 1)被験者 男 子 大 学 生 バ レ ー ボ ー ル プ レ ー ヤ ー 21名 が 本 研 究 の 被 験 者 で あ っ た . .2歳 , 平 均 競 技 年 数 は 8 . 8+2 . 5年 で あ っ た . 被 験 者 の 平 均 年 齢 は 19.4+1 こ れ ら の 被 験 者 全 員 は , 中 園 地 区 の 1部 リ ー グ に 属 す る チ ー ム に 所 属 し て い る . こ の う ち 2名 は 多 数 の 欠 損 値 が あ っ た た め , 分 析 対 象 か ら 除 外 し , 残 り の 19名 に つ い て 分 析 を 行 っ た .. 2 )アタックパフォーマンスの評価. 一対比較法を用いてチームメイトによる相互評価でアタックパフォ } マ ン ス を 評 価 し た . 19名 の 被 験 者 ( 評 価 者 で あ り 被 評 価 者 で あ る ) に 対. 8名 分 の 対 を 記 載 し た 質 問 紙 を 配 付 し , ア タ して,評価者自身を除いた 1 ック決定率が高いと思われる方を選択するように求めた.このとき,ア タック決定率とは,実際のゲーム場面を想定して,どの程度の確率でア タックが決まるかと考えるように教示した.そして,回答を回収し,心 理 学 実 験 指 導 研 究 会 ( 1985)を参考に, Thurstoneの 方 法 で 尺 度 構 成 し た . な お , 本 研 究 の 被 験 者 は , 平 均 で 8.8+2.5年 と い う 比 較 的 長 い 競 技 経 験を持つ大学生であるので,アタックパフォーマンスの優劣の判断にお. 1 7.

(20) いては,一定の妥当性のある判断ができるものと考えられる.実際,大 学生 生に にお おい いて て一 一対 対比 較 法 に よ る 相 互 評 価 と ス キ ル テ ス ト の 成 績 の 間 に は 学 高 い 相 関 が 認 め ら れ る こ と が 報 告 さ れ て い る ( 麓 , 1981)・. 3 )視 覚 的 能 力 の 測 定. 視 覚 的 能 力 と し て , 以 下 の 8項 目 を 測 定 し た . ①静止視力 :①静止視力. 静止した視標の形状を見極める最も基本となる視機能であ. 戸る.動体視力計(コーワ製 る . 動 体 視 力 計 ( コ ー ワ 製 AS・4D)を 用 い て , 右 眼 , 左 眼 及 び 両 眼 の 条 件 で測定した. ② KVA(Kinetic V isual Acuity) 眼 前 に 直 線 的 に 近 づ い て く る 視 標 の 形 状. を 見 極 め る 能 力 で あ る . 動 体 視 力 計 ( コ ー ワ 製 AS-4D)を用いて,右眼, 左 眼 及 び 両 眼 の 条 件 で 3回 ず つ 測 定 を 行 い , そ れ ぞ れ の 平 均 値 を 当 該 の 視 力 と し た . 視 標 の 移 動 速 度 は 30km/hで あ っ た . な お , 静 止 視 力 と KVA. . 1 " " '1 .6の 範 囲 内 と な る . の測定値は, 0 ③ DVA(DynamicVisualAcuity) 眼 前 か ら 一 定 距 離 の 前 額 平 行 面 を 横 に 移. 動する視標の形状を眼の動きだけで見極める能力である.横方向動体視 力 計 ( コ ー ワ 製 HI・1 0 )を 用 い て , 視 標 が 左 か ら 右 へ 移 動 す る 条 件 , 及 び 力計(コーワ製 右 か ら 左 へ 移 動 す る 条 件 を 3回 ず つ 測 定 し , 各 条 件 の 平 均 値 を 当 該 の 視 一力とした. 力とした. ④コントラスト感度. コントラストの微妙な違いを識別する能力である.コ. ン ト ラ ス ト 表 (StereoOptical製 SineWaveContrastT e s t )を 用 い て , 空 間 周 波 数 の 異 な る 5条 件 で 測 定 し た . な お , 被 験 者 と コ ン ト ラ ス ト 表 の 間 の 距 離 は 3mで あ っ た . ⑤眼球運動. 眼球運動を有効に利用して,視標を速くかっ正確に捉える. 一 ど 能 力 で あ る . 測 定 は 石 垣 (1996)に よ っ て 開 発 さ れ た コ ン ビ ュ ー タ プ ロ グ. 1 8.

(21) ザラム(コーワ製)を使用して行い,正反応率を測定値とした. :⑥深視力 J ⑥深視力. 視標の相対的な位置関係を認識する能力である.電動式深視. ユカ計(コーワ製 J S1 )を 用 い て 5回 測 定 し , そ の 平 均 値 で 示 し た . こ 力計(コーワ製 AS・7. の測定項目は誤差の大きさを測定するため,少ない値の方が正確な位置 関係の認識ができることを意味している. 一関係、の認識ができることを意味している. ⑦瞬間視. 必要な視覚情報を瞬間的に認識する能力である.タキストス. 了ヨープ ( 司ヨープ Perceptamatic製 ) を 用 い て 測 定 し た . 白 色 の OHP スクリーン(リ. . 1秒 間 呈 示 し , そ の う ち 被 験 者 が 正 確 に 書 き コー製)上に 6つ の 数 字 を 0 取 る こ と が で き た 数 字 の 個 数 を 記 録 し た . こ れ を 3回 行 い , そ の 合 計 個 数を当該視力とした. ょ⑧眼と手の協応動作 J ⑧眼と手の協応動作. 周辺視野で捉えた視標に手で素早く,かつ っ正確に. 反 応 す る 能 力 で あ る . 32個 の ラ ン プ か ら 構 成 さ れ る サ ー カ デ ィ ッ ク フ ィ イ グゼーターの原理に基づいた機器(自作)を用いて測定した.本研究では 32個 の ラ ン プ を 全 て 押 す た め に 要 し た 時 間 を 利 き 手 , 非 利 き 手 及 び 両 手. の 条 件 で そ れ ぞ れ 2回 ず つ 測 定 し , そ の 平 均 値 を そ れ ぞ れ の 測 定 値 と し た.なお,この測定における利き手とはバレーボールにおいてアタック を打つ方の手とした.. 4 )情報処理方略要因の測定. 情報処理方略要因として,注意スタイルと状況判断能力を次のように 測定した. ①注意スタイル. T A I S ( N i d e f f e r,1 9 7 6, 1 9 9 0 )の バ レ ー ボ ー ル パ ー ジ ョ ン で. 9 9 1 )を 用 い て 測 定 し た . こ れ は 6つ の 下 位 尺 度 か ら AIS-V(遠藤, 1 ある T 構 成 さ れ る 質 問 紙 法 に よ る テ ス ト で あ り , そ の 下 位 尺 度 を 表 2・1に 示 し. た.. 1 9.

(22) 表2-1 TAIS-Y の下位尺度 BET(Broade x t e r n a la t t e n t i o n a lf o c u s ) :. 広く外的な注意.複雑な場面での外界の多くの情報を効果的に処理する注意の能力. OET(Overloadedbye x t e r n a ls t i m 叫 0 : u l i ) :. 外的な刺激による過剰負荷.外界の刺激によって気が散りミスをする傾向を示す.. B I T ( B r o a di n t e r n a la t t e n t i o n a lf o c u s ) :. 広く内的な注意.多くのことを考え,様々な内的な情報を統合する能力. O I T { O v e r l o a d e dbyi n t e r n a ls t i m u l i ) :. 内的な刺激による過剰負荷.一度に多くのことを考えすぎてミスをする傾向を示す. NAR(Narrowa t t e n t i o n a lおc u s ) :. 狭い注意.注意の幅を効果的に狭くする能力. RED(Reduceda t t e n t i o n a lf o c u s ) :. 狭すぎる注意.注意の幅が狭いためにミスをする傾向を示す.. ②状況判断能力. , セ リ ン ジ ャ ー ・ ア ッ カ ー マ ン ・ ブ ル ン ト (1993)が. r アタ. ックは相手ブロックとコート守備を,パワーで打ち破ろうとしたり,ご まかしによってそれらの裏をかこうとする一連の戦いである. j. と述べて. い いる るよ よう うに に, ,ゲ ゲー ーム ム場 場面 面に にお おい いて てア アタ タッ ック クを 確 実 に 決 め る た め に は , 敵 のブロックをかわし,かつレシーパーの守備範囲外のエリアにアタック を打ち込むことが必要であろう.そこで本研究では,アタック遂行時の 状況判断過程は相手ブロッカーとレシーパーの両方に対応しなければな らない緩やかな二重課題状況であると想定し,次のような測定場面を設 定 し た . す な わ ち , 図 2・1に 示 す よ う な 設 定 で , 被 験 者 の 課 題 は , セ ッ タ ー か ら ト ス さ れ た ボ ー ル を 2名 の ブ ロ ッ カ ー と 1名 の レ シ ー パ ー の 動 きに応じて打ち分けるというものであった.つまり,ブロックへの対応 が第 1課 題 と な り , レ シ ー パ ー へ の 対 応 が 第 2課 題 と な る . 測定手順として,まずアタッカー(被験者)は,攻撃側コートの中央部 にスタンパイした.そして,守備側コートから投入されるチャンスボー ルをレシーブしてセッターに返し,そこからトスされたボールを実際に アタックした.その際. 2名 の ブ ロ ッ カ ー の う ち ど ち ら か 一 方 の み が ブ. 2 0.

(23) ③. ③. ωマ→│③. ③:レシーバー ⑤:ブロッ力一 ③:セッタ( A ):アタッ力一 -(被験者). 図2 1 アタック遂行時における状況判断能力の測定場面. ロック動作を開始するので,被験者はそれを把握し(状況認知①),ブロ ックの無いコースにアタックを狙うことが要求された(意志決定①).ま ー た ,. トスピークとほぼ同時にレシーパーが左右どちらかのレシーブポジ. ションに入るため,それを把握し(状況認知②),もしブロックの無いコ ースにレシーパーが入っていれば,レシーパーの前にフェイントを落と し,そのコースにレシーパーが入っていなければ,強打することが要求 された(意志決定②).この手順で 2回 練 習 し た 後 , 本 試 行 と し て 16試 行 行 っ た . 試 行 の 組 み 合 わ せ は , ブ ロ ッ カ ー の ジ ャ ン プ ( 左 右 2 カ 所 )Xレ シーパーの移動(左右 2方 向 )X4反 復 で あ り , 実 行 順 序 は ラ ン ダ ム に な る ように予め計画した. 状 況 判 断 能 力 の 得 点 化 に つ い て は , 中 川 (2000)を 参 考 に 情 報 処 理 的 ア プローチの観点からアタック遂行時の状況判断過程をモデル化し,それ を基に 2つ の 測 度 を 用 い た ( 図 2・2参照).その 1つ は , ブ ロ ッ カ ー に 関. 2 1.

(24) ; ; ; ; ; P M R 得 : 点 B 得点 状 況 認 知. II 意 II 志 II 決 II 定. ブロックに対する 状況判断過程 レシーパーに対する 状況判断過程. . 1 3 M R 得 : 歳 ; ; ; ; ; 1 3 M F T 得 点 図2 2アタック遂行時における状況判断過程とその測度. o rB l o c k e r )得 ずる状況判断過程の測度としての D M-B(Decisionmaking f 点である.もう. 1つは,レシーパーに関する状況判断過程としての. DM・R ( D e c i s i o nMakingf o rR e c e i v e r )得 点 で あ る . こ れ ら の 2つの測度は, そ れ ぞ れ 状 況 認 知 過 程 と 意 思 決 定 過 程 の 2段 階 の 測 定 か ら 構 成 さ れ て い る.状況認知過程の測定は,アタック動作終了後に実施された質問紙の 回答により行った.つまり,被験者がブロッカー文はレシーパーの動き を 把 握 で き た と 回 答 し た 場 合 に は そ れ ぞ れ 1点 ず つ 加 点 し , で き な か っ たと回答した場合には加点しなかった( 2分法).意思決定過程の測定は, 測定状況を被験者の後方から撮影したビデオ映像をもとに,バレーボー ル 競 技 歴 10年 以 上 の 者 3名 が 評 定 者 と な り ブ ロ ッ カ ー と レ シ ー パ ー の 動きに対する被験者の意志決定の適否を判定した.そして, 3名 の 判 定 者 の う ち 2名 以 上 の 一 致 が 認 め ら れ た 方 を 採 用 し た . 意 志 決 定 が 適 切 に 行 わ れ た と 判 定 さ れ た 場 合 に は , そ れ ぞ れ 1点 を 加 点 し , 適 切 で は な い. 2 2.

(25) と判定された場合には加点しなかった( 2 分法).したがって,. 16試 行 分. の DM-B得 点 ( 状 況 認 知 ① + 意 志 決 定 ① ) 及 び DM-R得 点 ( 状 況 認 知 ② + 意 志 . . . . . .32点 と な る . な お , 本 研 究 は 意 思 決 志決 決定 ② ) の 各 得 点 幅 は そ れ ぞ れ 0 定過程までを測定の対象としているので,運動実行過程におけるエラー e . g ., ア タ ッ ク ボ ー ル の ラ イ ン オ ー バ ー な ど ) は 判 定 と推測されるもの (. の材料としないものとし,あくまで状況判断能力という認知的側面のみ に着目した測定を行った.. 5 )データ分析. デ ー タ 分 析 に お い て は , 以 下 の 3つ の 観 点 か ら 分 析 し た . 統 計 的 検 定 に お け る 有 意 水 準 は い ず れ も 5%未 満 に 設 定 し た . 使 用 し た 統 計 プ ロ グ ラムは S PSS10.0jで あ っ た . ①パフォーマンスレベル聞の差違. アタックパフォーマンスの評価におい. して上位 6名 に ラ ン ク さ れ た 者 を 上 位 群 , 下 位 6名 を 下 位 群 と し て グ ル ー プ化を行った.そして,この「グループ」を独立変数とし,視覚的能力 及び情報処理方略要因を従属変数としてそれぞれ分散分析を行い,知覚 的要因における両群間の差違を検討した.このとき,グループに加えて 付 加 的 な 独 立 変 数 と し て , 静 止 視 力 と KVAに お い て は 「 測 定 眼 J(右眼, 左眼,両眼), DVAに お い て は 「 移 動 方 向 J (左から右,右から左),コン ト ラ ス ト 感 度 に お い て は 「 空 間 周 波 数 J (A,B,C,D,E), 眼 と 手 の 協 応 動 作 に お い て は 「 測 定 条 件 J(利き手,非利き手,両手)をそれぞれ設定した. ②知覚的要因とアタックパフォーマンスの相関. 全被験者のデータに基づき,. アタックパフォーマンスの評価値と,視覚的能力及び情報処理方略要因 との関連をピアソンの相関係数を用いて分析した.視覚的能力の測定項 目 で は , 表 2・3に 示 し た 変 数 を 代 表 値 と し て 分 析 し た .. 2 3.

(26) ③アタックパフォーマンスの予測・説明 一③アタックパフォーマンスの予測・説明. 知覚的要因によってアタックパフ. ォーマンスをどの程度予測・説明できるかを,ステップワイズ重回帰分 析を用いて分析した.. 3 .結 果 1 )パ フ ォ ー マ ン ス レ ベ ル 聞 の 差 違. 表 2・2は , 上 位 群 と 下 位 群 の 視 覚 的 能 力 に お け る 測 定 値 の 平 均 と 標 準 偏偏 差差 をを 測測 定定 項項 目目 ごごととにに示示ししたたももの : ので であ ある る. .こ これ れら らの のど どの の測 測定 定項 項目 に お い. ーても両群聞に有意な差は認められなかった.また,有意な交互作用効果 も認められなかった.. 表2 2 アタックパフォーマンス上位群と下位群の視覚的能力. 上位群(n=6) M. 静止視力(小数視力). KVA( 小数視力). 叩m ) DVA(. コントラスト感度 (視標番号). 右眼 左眼 両眼 右眼 左眼 両眼 左→右 右→左 d ) A(1 .5 c / / d ) B ( 3 c / d ) C ( 6 c d ) D( I2 c / d ) E( I8 c /. 眼球運動(%) 眼球運動(扮 深視力 (mm) 瞬間視(個). 眼と手の協応動作 ( s ). 利き手 非利き手 両手. 1 .0 0 1 .1 0 1 .1 5 0 . 5 1 0 . 5 7 0 . 6 6 3 8 . 1 9 3 7 . 1 2. 5 . 3 3 6 . 0 0 6 . 3 3 5 . 6 6 6 . 3 3 71 .3 3 6 . 9 9 1 1 .5 0 2 3 . 5 8 24. 4 4 2 2 . 7 3. 24. 下位群(n=6). m m. M. SD. 0. 4 5 0. 4 4 0 . 3 2 0 . 2 8 0 . 1 9 0 . 2 7 0. 41 2 . 0 0 1 .0 3 0 . 0 0. 1 .3 3 1 .2 1 1 .4 3 0 . 8 4 0 . 7 5 0 . 9 1 3 7 . 1 3 3 7 . 0 0. 1 .3 6 0 . 8 1 1 .2 1. 6 . 8 3 5 . 8 3 5 . 8 3 81 .0 0 9 . 0 8 1 2 . 5 0 2 2 . 5 3 2 2 . 8 7 21 .9 5. 0 . 1 6 0 . 1 4 0 . 1 6 0 . 1 7 0 . 1 8 0 . 2 0 1 .2 6 1 .4 8 1 .0 4 0 . 5 1 0 . 7 5 0 . 7 5 1 .4 7 1 2 . 3 7 4 . 7 2 3 . 1 4 3 . 5 4 2 . 9 7 3 . 3 7. 1 2 . 5 6 3 . 3 5 4 . 2 3 3 . 3 3 3 . 0 5 4 . 9 2. 6 . 5 0 6 . 3 3.

(27) 本. 円. 45 40. 目上位群(n=6) ロ下位群(n=6). *. 35. 1 1 1. 円 . . .. 暖 3 30 ぎ 0. 唱 睦 樹 睦2 5 区 25. 壁. 20. 1 5 1 0. BE B ET T. OE O ET T. 8π πo oπNAR 8 下位尺度. 図2-3 アタック上位群及び下位群の注意スタイル得点. RED 0 5 *p〈.. (誤差線は標準偏差). それに対して,情報処理方略要因の注意スタイルに関しては,幾っか ι γ. の 下 位 尺 度 に お い て 両 群 聞 に 有 意 な 差 が 認 め ら れ た . 図 2・3 は 上 位 群 と. 下 位 群 の 注 意 ス タ イ ル の 得 点 を TAIS-V の 下 位 尺 度 ご と に 示 し た も の で ある.効果的な注意の使用に関する尺度においては上位群の方が高い傾 ( F ( I,10)=7.77,pく . 0 5 )に 有 意 ( 1 , 10)=5.29,p<.05)と BIT T ( F ( 1 , 向にあり, BET(F な差が認められた.これとは逆に,特定の注意のスタイルによる失敗の しやすさに関する尺度においては下位群の方が高い傾向にあり,特に. OETに 有 意 な 差 (F( 1 , 10)=5.02,p<.05)が 認 め ら れ た . 図 2・4は , 状 況 判 断 能 力 の 測 度 で あ る DM-B得 点 及 び DM-R得 点 を 上 位群と下位群の間で比較したものである.ブロッカーへの対応を示す. DM-B 得 点 に お い て は 両 群 聞 に 有 意 な 差 は 認 め ら れ な か っ た . し か し ,. DM-R得 点 で は 両 群 聞 に 有 意 な 差 (F( 1 , 10)=5.98,p<.05)が 認 め ら れ , レ シ 2 5.

(28) ーパ パー ーの の動 き に 対 し て 上 位 群 の 方 が 下 位 群 よ り 適 切 に 対 応 で き る こ と が ー 示された.. 2 )知 覚 的 要 因 と ア タ ッ ク パ フ ォ ー マ ン ス の 相 関 アタックパフォーマンスの評価値と,視覚的能力及び情報処理方略要 因 と の 相 関 係 数 を 表 2・3に 示 し た . 視 覚 的 能 力 と ア タ ッ ク パ フ ォ ー マ ン スの聞に有意な相関は認められなかった.それに対して,注意スタイル. 30. 円. 25. 固上位群(n=6) ロ下位群(n=6). g20 唱. 喜 道 15 罫 雲10 固1 1 1 ; '. 5. o DM-R 得点. DM-B得点. 図2 4 アタック上位群と下位群の状況判断能力得点. *p〈. 0 5. (誤差線は標準偏差). 表2 3 アタックパフォーマンスと知覚的要因の相関係数 視覚的能力 静止視力(両眼) KVA( 両眼) DVA(両方向の平均) コントラスト感度(( E ) 日. 眼球運動(正反応率) 深視力 瞬間視 眼と手の協応動作(利き手). 相関係数. 一 . 426 一 . 448 . 1 0 5 . 0 5 6 一. 2 6 1 一. 1 7 9 一. 1 3 3 . 1 8 3. 情報処理方略要因. BET OET B I T O I T NAR. RED DM-B 得 点 、 得点 DM-R 得点. 相関係数. . 454 一. 5 5 0 * . 45 7 * 一. 3 1 6 一. 0 9 4 一 . 450 一. 0 4 1 . 5 6 8 * * pく. 0 5. n=19. 26.

(29) ミ 弓 ; の OET及 び BITと , ア タ ッ ク パ フ ォ ー マ ン ス の 聞 に 有 意 な 相 闘 が 認 め ら. 0 5 )・ さ ら に , 上 で 見 た よ う に , 両 群 聞 に 有 意 な 差 が 認 め ら れ た ;れた 'ーれた (pく . 注 意 ス タ イ ル の BETと ア タ ッ ク パ フ ォ ー マ ン ス の 間 の 相 関 に は , 有 意 な 傾 傾 向 が 認 め ら れ た (p=.051)・ ま た , 状 況 判 断 能 力 の DM-R得 点 と ア タ ッ. 0 5 ) . この結果は, ユ 聞に にも も有 有意 意な な相 相関 関が が認 認め め ら れ た (pく . グク パパ フフ ォォ ーーママンンススのの聞 先の分散分析の結果を支持し,アタックパフォーマンスに関連するのは, 視覚的能力ではなく,情報処理方略要因といえる.. 3 )アタックパフォーマンスの予測・説明. ス テ ッ プ ワ イ ズ 重 回 帰 分 析 の 結 果 , 予 測 ・ 説 明 変 数 は DM-R 得 点 (β =.578,p<.Ol)及 び RED(β=一 . 463,p<.O1 )で あ っ た . ま た , 重 決 定 係 数. は. 5 3 7(F(2,16)=9.26,p<.Ol) で あ っ た .. 4 .考察 視 覚 的 能 力 と ア タ ッ ク パ フ ォ ー マ ン ス の 関 連 に つ い て は , 本 章 第 3節 : にに おお いい てて ,, ササーーブブレレシシーーブブパ パフ フォ ォー ーマ マン ンス スの の結 結果 果と と合 合わ わせ せて て考 考察 す る . :よよっってて,,ここここででは は主 主と とし して て, ,情 情報 報処 処理 理方 方略 略要 要因 因と とア アタ タッ ック クパ フ ォ ー マ ン r. スの関連について考察する. 情 報 処 理 方 略 要 因 の 注 意 ス タ イ ル を 測 定 す る TAIS に つ い て. Van. 1981)は , TAISの 6つ の 下 位 尺 度 は 独 立 し た 因 子 構 造 SchoyckandGrasha(. ではなく, Scanfactor(BET及 び BITに 影 響 を 及 ぼ し て い る と 想 定 さ れ る 潜在因子)と Focusfactor(OET,OIT及 び NARに 影 響 を 及 ぼ し て い る と 想 定される潜在因子)の 2 つ の 因 子 か ら 主 と し て 構 成 さ れ て い る と 報 告 し ている.本研究では, BETと BITに お い て 両 群 聞 に 有 意 な 差 が 認 め ら れ た.これは,アタックパフォーマンスに優れている者は,アタックの遂 27.

(30) e . g ., レ シ ー パ ー の 状 態 ) と 内 的 情 報 :行場面に存在する広く外的な情報 ( ( e . g ., 典 型 的 な 防 御 パ タ ー ン に つ い て の 知 識 ) を 広 く 収 集 し , そ れ ら を 統 合 す る こ と が で き る こ と を 示 唆 し て い る . ま た , OETも 上 記 と 同 様 の 結 果を示したことから,アタックパフォーマンスに優れている者は妨害的 な外的情報を適切に排除することによって,過剰な外的刺激によるオー ノミーロードを防ぐことができると考えられる.さらに,重回帰分析の結 果, REDは ア タ ッ ク パ フ オ } マ ン ス の 予 測 ・ 説 明 変 数 と し て 有 意 な 負 の J. 貢 献 を 示 し て い た . こ の こ と は , 潜 在 的 に REDが ア タ ッ ク パ フ ォ ー マ ン スに関連している可能性を示唆している.つまり,アタック遂行時にお いて,アタックパフォーマンスの低い者は特定の手がかりに注意しすぎ て,その他の重要な手がかりを見逃してしまい,適切な情報の検出がで きないのではないかと考えられる. 本 研 究 で は , ブ ロ ッ ク へ の 対 応 と い う 第 1課 題 (DM-B得点)とレシーパ ー へ の 対 応 と い う 第 2課 題 (DM-R得 点 ) に よ り 状 況 判 断 能 力 を 測 定 し た . DM~B 得点には両群聞に差が認められなかった一方で,. DM-R得 点 に は. 両 群 聞 に 有 意 な 差 が 認 め ら れ た . ま た , DM-B得 点 と ア タ ッ ク パ フ ォ ー マ ン ス の 聞 に は 相 関 が 認 め ら れ な か っ た も の の , DM-R得 点 と ア タ ッ ク パフォーマンスの聞には有意な相関が認められた.この結果については,. 1iamse ta, . l 1999, 注 意 を 容 量 ・ 資 源 と し て 捉 え る 視 点 (Kahneman,1973;Wil. pp.26・59)に よ っ て 合 理 的 な 説 明 が 可 能 で あ る . つ ま り , ア タ ッ ク パ フ ォ ー マ ン ス に 優 れ た 者 は , そ う で は な い 者 と 比 べ て , 第 1課題(ブロックへ の対応)の成績を一定水準に維持したままで,より多くの注意資源を第 2 課題(レシーパーへの対応)に分配できると考えられる.このため,アタ ッ ク パ フ ォ ー マ ン ス に 優 れ て い る 者 ほ ど 第 2課 題 の 成 績 に お い て も 優 れ ていると考えられる.このような注意資源の分配が可能なのは,アタッ 28.

(31) : クパフォーマンスに優れた者は,アタヅクの遂行においてより高い自動 ...~.パフォーマンスに優れた者は,アタヅクの遂行においてより高い自動 化の のレ レベ ベル ルに に達 達し して てい いる るた ため めに に, 注 意 資 源 を 効 率 よ く 利 用 で き る か ら で 化 あろう.この結果は,二重課題法(プローブ法)によるスキルテストによ って卓球プレーヤーのスキルレベルの予測が可能であることを示した 章・坂手(1990)の 研 究 結 果 と 一 致 す る .. このように,注意資源の効率的な利用はネット分離型スポーツにおけ るスキルもしくはパフォーマンスと関連があると考えられる.スポーツ : に関 関す する る先 先行 行研 研究 究で では は, ,優 優れ れた た状 状況 況判 判断 能 力 を 説 にに おおけけるる状状況況判判断断能能力力に. e . g .,C h a m b e r : . . 明する要因として知識構造の重要性が指摘されているが( h l l a i nandCoelho,1993), バ レ ー ボ ー ル の ア タ ッ ク に お い て は , 本 研 究 で 示 :されたような注意資源から状況判断能力を捉える視点も有効であると考 ; えられる.. 第 2節. サーブレシープにおける検討. し目的 この節の目的は,どのような知覚的要因がどの程度サーブレシーブパ フォーマンスに関連するかを視覚的能力と情報処理方略要因の両方から 明らかにすることである.. 2 .方 法 1 )被 験 者. 1名 が 被 験 者 で あ っ た . 第 2章 第 1節 と 同 じ 男 子 大 学 生 プ レ ー ャ ー 2. 2 )サーブレシーブパフォーマンスの評価. 先行研究におけるスポーツパフォーマンスの評価方法を概観すると, 29.

(32) J あ る 領 域 に お け る 未 熟 練 者 (Novice)と 熟 練 者 (Expert)を サ ン プ リ ン グ し , そそ れれ をを もも っっ てて パパ フフ ォォ ーーママンンススにに違 二 違い いが があ ある ると と仮 仮定 定す する る方 法 ( e . g ., :λbernethyandRussell,1987a), 対 象 と し た 被 験 者 の 所 属 す る チ ー ム の 監 <~bernethy 督やコーチの評価に基づく方法( e . g .,村田・杉足, 2000), 野 球 に お け る 打率のような試合シーズンを通しての何らかのパフォーマンス測度を用 t z,1987)と い う よ う に , ス ポ ー ツ パ フ ォ ー いる方法 ( e . g .,AlbrechtandF e l 一 リ 人ヤ マン ンス スの の評 評価 価方 方法 法は は必 必ず ずし しも も一 一致 致し した た方 方法 で 行 わ れ て い な い . こ れ は 同 じスポーツパフォーマンスの評価値であっても,評価方法が異なれば, 九その評価方法特有のバイアスが評価値に反映されることを意味しており, ¥ て問 問題 題が があ ある ると と考 考え えら られ れる る. .そ そこ こで で本 研 究 で は 評評 価価のの妥妥当当性性ににおおいいて. 2. つの方法でサーブレシーブパフォーマンスの評価を行い,さらに,その 2つ の 評 価 方 法 か ら 得 ら れ た 評 価 値 を 収 束 的 妥 当性に基づいて合成した. 変数をパフォーマンスの評価値に加えた.つまり,本研究ではサーブレ シ ー ブ パ フ ォ ー マ ン ス を 次 の 3つ の 方 法 で 評 価 し た . J. ①チームメイトによる相互評価. 一対比較法を用いてチームメイトによる. 相 互 評 価 を 行 っ た . 21名 の 被 験 者 ( 評 価 者 で あ り 被 評 価 者 で あ る ) に 対 し て , 評 価 者 自 身 を 除 い た 20名 分 の 対 を 記 載 し た 質 問 紙 を 配 付 し , サ ー ブ レシーブの返球率が高いと思われる方を選択するように求めた.このと き,返球率とは,実際のゲーム場面を想定して,どの程度の確率でコン ビ攻 攻撃 撃が が可 可能 能な なレ レシ シー ーブ ブボ ボー ール ルを をセ ッ タ ー に 返 球 す る こ と が で き る か と ビ 考 え る よ う に 教 示 し た . そ し て , 回 答 を 心 理 学 実 験 指 導 研 究 会 ( 1985)を 参 考 に Thurstoneの 方 法 で 尺 度 構 成 を 行 っ た . ②パフォーマンステスト. 被 験 者 に コ ー ト 上 で 実 際 に 32 回 の サ ー ブ レ シ ー. プを行わせ,その返球率でサーブレシーブパフォーマンスを評価した.. 0年 前 後 の バ レ ー ボ ー ル 経 験 を 持 つ 4名が行った.その内訳は, サ」ブは 1 30.

(33) フ タ ロ ー タ ー サ ー ブ を 打 つ 者 が 2名 , ジ ャ ン プ フ ロ ー タ ー サ ー ブ を 打 つ 者. が 1名 , ス パ イ ク サ ー ブ を 打 つ 者 が 1名 で あ っ た . こ の サ ー ブ を 被 験 者 が実際にレシーブする様子を,ビデオカメラを用いて被験者の後方の観 客席から撮影した.そして,この映像をもとにして,サーブレシーブの 返球率を導き出した.その方法は,被験者によってレシーブされたボー 2分 法 ) と い う 観 点 か ら , 本 研 究 の 著 者 を ルからコンビ攻撃が可能か否か(. 含む競技歴 1 0年 以 上 の バ レ ー ボ } ノ レ 経 験 者 3名 に よ っ て , コ ン ピ 攻 撃 が. 2 可能 能と と判 判断 断さ され た 回 数 を 3 (全 試 行 数 ) で 除 す こ と に よ っ て 求 め た . コ ン 可 名以上の一致が認、 ビ 以上の一致が認 ビ攻 攻撃 撃が が可 可能 能か か否 か の 判 断 は , 3名 の 判 定 者 の う ち , 2名 められた方を採用した. :められた方を採用した. ι. ③総合的評価. 上 記 の 2つ の 方 法 か ら 得 ら れ た サ ー ブ レ シ ー ブ パ フ ォ ー. マンスの評価値をもとに主成分分析を行い,これらの変数を合成した. 主成分分析は,変数聞に共変関係、が認められるときに測定変数が共有す る主要な情報を合成変数として集約する統計的手法である(服部・海保,. 1 9 9 6 ).. 3 )視 覚 的 能 力 の 測 定. 前節で得たデータを用いた.. 4 )情報処理方略要因の測定. 知覚過程は刺激の検出(選択)とパターン認知の 2つ の サ ブ プ ロ セ ス に. W r i s b e r g,1 9 9 3 ) . そこで本研究では,刺激の検 分けることが可能である ( 出に関する要因として注意スタイルを,パターン認知に関する要因とし て予測スキルをそれぞれ選択した.以下,それらの測定方法について述. べる.. 3 1.

(34) 1 ①注意スタイル E eD注意スタイル :②予測スキル ②予測スキル. 視覚的能力と同じく,前節で得たデータを用いた. 予測に関する先行研究( e . g .,Aberne均 andRussel 1 , 1987a;. べ武田ら, 武田ら, 2002)で し ば し ば 用 い ら れ る ビ デ オ 呈 示 に よ る 時 間 的 遮 蔽 法 で 被 干 二験 者 の 予 測 ス キ ル を 測 定 し た . 時 間 的 遮 蔽 法とは,被験者に呈示される す のの ササ ーー ブブ 動動 作作 等等 のの 映映 像像 をを ああるる特特定定の :ー サパ ーー バー の時 時間 間条 条件 件で で遮 遮蔽 蔽し し, ,そ れ 以 降の映像を呈示しないで,被験者に最終的な結果を予測させるという方. 法で であ ある る. こ の 実 験 に お け る 被 験 者 の 課 題 は , パ レ } ボ } ル の ハ ー フ コ 法 ートを ー トを 1 150に 縮 小 し て 記 載 し た 紙 に , サ } パ ー が 打 っ た サ ー ブ ボ ー ル の 落下地点を予測し,記入することであった. 被験者に呈示するビデオ映像のモデルにはフローターサーブとスパ. イク クサ サー ーブ ブを を打 打 つ サ ー バ ー を 2名 ず つ , 計 4名 を 用 い た . サ ー ブ は サ ー イ 一 ゼピ ススエエリリアアのの左 一 左右 右の の両 両サ サイ イド ドか か ら 約 1.5m 内 側 の 2 ヶ 所 か ら 行 わ せ た . その際,サーブボールの落下地点がコート上の特定のエリアに偏らない よ う に 打 た せ た . そ し て , こ の 様 子 を 3台 の デ ジ タ ル ビ デ オ カ メ ラ で 撮 影 し た . こ の う ち の 1台 は レ シ ー ブ 側 コ ー ト の エ ン ド ラ イ ン 中 央 の 約 2m 後方の地点に設置した.これは被験者に呈示するサ}パーの映像を撮影 す る た め の も の で あ る . 残 る 2台 は レ シ ー ブ 側 コ ー ト の 後 方 の 観 客 席 に 設 置 し , こ の コ ー ト の 9m 四 方 が 撮 影 可 能 と な る よ う に 設 定 し た . こ ち らの 2台 は , サ ー ブ ボ ー ル の 落 下 地 点 を 特 定 す る た め に 行 う 画 像 解 析 用 の映像を得るためのものである. 上 記 の プ ロ セ ス を 経 て 撮 影 さ れ た ピ デ オ 映 像 か ら 1人 1人 の サ ー バ ー に つ き 8パ タ ー ン ず つ 選 び 出 し , ビ デ オ 編 集 プ ロ グ ラ ム P remire5.1jを 用 い て 一 き. 1:ボー 図 2・5に 示 す 4つ の 遮 蔽 条 件 に 編 集 し た . す な わ ち , そ れ ら は , t フ レ ー ム 前 ( 1 秒 間 は 30 フ レ ー ム か ら 構 成 さ ル と 手 の コ ン タ ク ト か ら 4 フレーム前(1秒間は. : 同 じ く コ ン タ ク ト か ら 2フレ}ム前, t 3 : ボールと手のコン 2 れる), t 3 2.

(35) ・ 九. :il'~ J. 崎討. ~. 『 也 管 司 "'0 '. ~.-'i.! ~.-'i'!. 噌白~.'. 事 t E 砂 査 でh. t 1. t 2. t 3. t 4. 図2 5 時間的遮蔽法における遮蔽条件. タクト時, t 4 : ボールと手のコンタクトの 2フレーム後,である.呈示 す る 映 像 は , フ ロ ー タ ー サ ー ブ と ス パ イ ク サ ー ブ の そ れ ぞ れ に つ き 64(2 J. 名 X4 遮 蔽 条 件 X8 パ タ ー ン ) 試 行 分 用 意 し , 映 像 の 呈 示 順 序 は ラ ン ダ ム. l こ編集した. 次に,測定の手続きについてであるが,被験者に対してまず回答方法 人 実験 験に に関 関す する る教 教 示 と 2回 2回 の 練 習 を 行 い , そ の 後 に 本 試 行 に は い っ ななどどのの実 た . サ ー バ ー の 映 像 は 白 色 の ス ク リ ー ン ( リ コ ー 製 OHPSCREEN)に 液 晶 プ ロ ジ ェ ク タ ー ( エ プ ソ ン 製 ELP・7700)で 呈 示 さ れ , サ ー バ ー の イ メ ー ジ サ イ ズ は 縦 方 向 に 6。 の 視 角 ( ほ ぽ 実 物 大 に 等 し い ) で あ っ た . な お , フ ロ ーターサーブとスパイクサーブの予測スキルの測定は別の日に行った. 予 測 ス キ ル の 測 度 と し て は , 図 2・6 に 示 し た よ う に , 実 際 の 落 下 地 点 と 被 験 者 の 予 測 落 下 地 点 の 直 線 的 な ズ レ の 大 き さ MRE(Mean Radial. a t e r a lE r r o r ), 及 び 深 さ 方 向 の E r r or ) , 横 方 向 の ズ レ の 大 き さ MLE(MeanL r r o r )を 用 い た (Abernethy and Russell, ズ レ の 大 き さ MDE(Mean Depth E 1 9 8 7 a ;Hancocke ta, . l 1 9 9 5 ) . ボールの実際の落下地点は画像解析プログ I1 . 1 4を 用 い て 特 定 し た . ラム ラ ム ToMoCoI 3 3.

(36) 図2 6 予測スキルの3 測度. 5 )デ ー タ 分 析 デ ー タ の 分 析 に は , 第 2章 第 1節と同様に, 3つ の 観 点 か ら 分 析 し た . ①パフォーマンスレベル聞の差違. 先述のサーブレシーブパフォーマンス. の 総 合 的 評 価 に お い て 上 位 7名 に ラ ン ク さ れ た 者 を 上 位 群 , 下 位 7名 に ランクされた者を下位群としてグループ化を行った.そして,このグル ープを独立変数とし,視覚的能力及び情報処理方略要因のそれぞれの測 定値を従属変数として分散分析を行った.このとき,付加的な独立変数 と し て , 前 節 と 同 様 に , 静 止 視 力 及 び KVA に お い て は 測 定 眼 ( 右 眼 , 左 眼,両日艮), DVAに お い て は 移 動 方 向 ( 左 か ら 右 , 右 か ら 左 ) , コ ン ト ラ ス ト 感 度 に お い て は 空 間 周 波 数 (A,B,C,D,E), 眼 と 手 の 協 応 動 作 に お い て は測定条件(右手,左手,両手)を設定し,予測スキルにおいては遮蔽条件. 4 )と サ ー ブ 条 件 ( フ ロ } タ ー サ ー ブ , ス パ イ ク サ ー ブ ) を 設 定 ( t 1 , t 2,t 3,t した した.. 34.

図 2 ‑ 6 予測スキルの3 測度 5 ) デ ー タ 分 析 デ ー タ の 分 析 に は , 第 2章 第 1 節と同様に, 3 つ の 観 点 か ら 分 析 し た
表 3 ‑ 4 a 視覚的能力とサープレシーブパフォーマンスの相 パフォーマンステスト 詳 定 法 止視力 ー . 2 6 2 ‑ . 1 4 9  ‑ . 2 3 1  KVA  ‑
表 3 ‑ 6 a 視覚的能力とサープレシーブパフォーマンスの相関(全データ) パフォーマンステスト 詳 定 法 総 合 的 評 価 静止視力 . 2 2 2  . 1 2 5 
表 3 ‑ 1 0 全データを用いたステップワイズ重回帰分析の結果 従属変数 予測・説明変数 β  R2( 調整済) 予測横誤差 一 . 5 0 ③ 時 パフォーマンス効果的注意
+2

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