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光熱磁気記録から光・磁気制御へ

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Academic year: 2021

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1(1) 光と磁気 ― 最近の展開 ―

巻頭言

光熱磁気記録から光・磁気制御へ

伊 藤 彰 義

(日本大学)  光と磁気を利用した光熱磁気(MO)記録は,レーザースポットの微小性と磁気の可 逆性を生かし,書き換え可能大容量メモリーとして実用化を果たした.レーザース ポットの微小性は当時の磁気ディスクの密度を凌駕していたから,MO 記録の将来は 大変明るいと皆信じていた.一方,非晶質,結晶質間の可逆性を利用した「相変化光 記録(PC)」も実用化されていた.PC は原子配置の変化を引き起こすのに対し,MO は磁化状態の変化のみで原子移動を伴わず,かつ磁界という別の制御手段があるから 有利であると,研究・実用化にしのぎを削っていた.実際,MO では層間の磁気的結 合を利用した,磁気超解像や磁区拡大再生(MAMMOS)等が実用化された.しかし, 結局は光ヘッドの複雑性から,MO はフラッシュメモリー,磁気ディスク(HD)に凌 駕され,レーザーの短波長化と多層化により光メモリーがアーカイブメモリーとして 地位を何とか保っていることとなった.  高密度化において光メモリーを超えた HD も,その媒体の微小化とともに熱安定性 の観点から磁気異方性の大きな媒体が要求され,磁気ヘッドの能力を超えた記録磁界 が必要となる矛盾を生じている.記録時にのみ等価的異方性を減少させるため,光に よる熱を利用する光熱補助磁気記録が研究されている.  これに対し最近,超短時間(40 fs 程度)円偏光レーザーによる GdFeCo 薄膜への 「全光型超高速磁化反転」に Tsukamoto らが成功1)し,世界的に注目を浴びている.ま た,GdFeCo フェリ磁性体で超短時間レーザー照射後にフェロ磁性状態が発現するな ど,興味深い新規な現象が次々に報告されている.  これらのように従来の格子温度の関数としての媒体定数の温度特性ではなく,超短 時間内での電子温度に起因すると考えられる現象があり,それらに励起光のカイラリ ティーが関連している.これらのことから今後,単なる熱源としての光熱磁気現象か ら,光の角運動量と媒体の相互作用の利用など,光がより直接媒体の光学,磁気,磁 気光学特性を制御する新たな光・磁気現象の新分野が大きく開けると信じる. 文   献

1) C. D. Stanciu, F. Hansteen, A. V. Kimel, A. Kirilyuk, A. Tsukamoto, A. Itoh and Th. Rasing: “All-optical magnetic recording with circularly polarized light,” Phys. Rev. Lett., 99 (2007) 047601.

参照

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