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下垂体前葉に於ける濾胞星細胞の役割-下垂体門脈系と並走する情報伝達系の存在の提言-

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Academic year: 2021

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(1)日本福祉大学健康科学論集. 第13巻. 研究紹介. 

(2)    !. ". 日本福祉大学. . # 健康科学部.          . 

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(12) Faculty of Health Sciences, Nihon Fukushi University.     濾胞星細胞, 黄体化ホルモン放出ホルモン, ラット, 細隙結合, カルシウム. 本題に入る前に殆どの下垂体前葉の研究に使用されて. ある下垂体隆起部の毛細血管に至りその血管内に下垂体. いるラットの下垂体前葉について概略の説明を述べてお. ホルモン放出因子を分泌 (神経内分泌) し, それぞれの. く. ラットの下垂体はヒトと同じく, 脳幹である視床脳. 下垂体ホルモン放出因子は血管 (下垂体門脈系) を介し. の下部, 蝶形骨骨体にある下垂体窩, 所謂トルコ鞍に収. て下垂体前葉のホルモン分泌細胞を刺激して, 下垂体前. まった約 100 mg. (ヒトでは約 1 g) ほどのマッチの頭. 葉ホルモン分泌細胞からホルモンを分泌させる. 従来は,. (ヒトでは小指の頭) ほどの器官である. 下垂体は直接. 下垂体分泌制御は, この下垂体門脈系だけで行われてい. 視床脳からのニューロンを受けている神経葉 (後葉) と. ると考えられていたが, もうひとつの制御系が存在する. 下垂体門脈で視床脳と繋がっている腺葉 (中間葉, 前葉). 事を示したのが, この総説で述べる私どもの一連の研究. に分けられる. 神経葉は vasopressin (バゾプレシン),. である.. oxytocin (オキシトシン) を分泌して血圧, 腎再吸収,. 以下の総説は, 日本神経内分泌学会雑誌に発表した総. 陣痛乳汁の放出の制御をしている. 一方腺葉は前葉と中. 説を整理し, 加筆訂正した総説で, 著者の一連の研究を. 間葉に分けられるが, この総説は前葉の細胞について述. よく説明しているので, 自己紹介に替えて敢えて御掲載. べているので前葉についての説明にとどめる. この器官. 頂いた物です, 御一読いただきたい.. は小さいけれどすぐ上にある視床脳と協力して膵臓以外 の殆どの内分泌器官を制御している. 特にこの総説に述. Farquhar 1) は, 瀘胞腔の周囲の無顆粒細胞を副腎皮. べられている性ホルモンの制御, 第二次性徴, 雌の性周. 質刺激ホルモン分泌細胞 (ACTH-細胞) と推定して米. 期の制御は一義的にこの器官で制御されている. この視. 国解剖学会に報告した. その後瀘胞腔周囲の色素嫌性,. 床下部の下垂体前葉制御は, 視床下部にある核 (視索上. 乃至は無顆粒細胞は, その形態学的な特徴から. 核, 室旁核, 弓状核等) からの神経繊維が第三脳室底に. 細胞. ― 47 ―. 2). 瀘胞星. と呼ばれようになり, Nakajima ら は, その細.

(13) 日本福祉大学健康科学論集. 第13巻. 2010年3月. 胞が, S-100 蛋白を持つ事から, この細胞が, 神経外胚. てる関門であると理解されている20). 一方, 一般の上. 葉由来の細胞であると推測し, ホルモン分泌細胞とは,. 皮の細胞間隙よりも極めて狭い細胞間隙が観察される. 別の細胞分類に入れられるべき非分泌細胞であるとした.. 事がある (図 1-a). この形の結合は, あたかも隣接. この細胞の研究はヒトを含む多くの動物で展開され,. する細胞同士が細胞間隙を失って, 互いに結合したか. 形態学的類似性から ACTH-細胞. 1, 3). , とする説以外に,. 下垂体前葉の立体構築の維持細胞とする説. 4-7,). の様に見えるが, よく解像された標本では, 約 2 nm. , この細. の細胞間隙が観察されるので. 細隙結合 (gap junc-. 20). 胞が弱い貪食能を示す事から, 清掃細胞あるいは, 分泌. tion). 細胞の周囲の微小環境 (私の嫌いな用語) を整える介護. カ法では, 膜内顆粒 (膜の構成蛋白でチャンネル蛋白. 7). と呼ばれる . 細隙結合は, 凍結割断レプリ. 細胞とする説 が提唱された. 一方ではこの細胞は, 成. も含まれる) の集積として観察されるので (図 2, 4),. 長期の成長ホルモン分泌細胞の様に, 単に脱顆粒した顆. 発見は比較的容易である. 細隙結合は, 細胞間連絡の. 粒細胞である, とする説. 8, 9). や, 乳腺刺激ホルモン分泌. 為の装置であると理解されている. 細隙結合で結合さ. 10). 細胞 (prolactin cell) との強い関連性を示す研究 もあ. れている細胞群は生理学的には合胞体として一つの細. る. 主として, この細胞の無顆粒性と細胞分裂の旺んな. 胞として振舞うと理解されている.. 日齢 (ほぼ 20 日齢) から, この細胞に下垂体前葉顆粒 細胞の母細胞の役割を考える研究者もいる 11-14). 吉村は, この細胞が, 顆粒細胞に形態変化し, 顆粒細胞を供給す る 「細胞更新系」 と呼ばれるべき新しい概念を提出し た14). この下垂体前葉顆粒細胞の母細胞の役割は, 我々 の一連の研究過程で, 瀘胞腔とは独立に存在する無顆粒 細胞で, S-100 蛋白に対する振る舞いが少し異なる細胞 をよく見る事が在り, その細胞がこの幹細胞に当るかも しれないと考えている. その後, 下垂体前葉顆粒細胞間 の相互作用に関する新しい考えが興り 15-19), 電子顕微鏡 による凍結割断レプリカ法で下垂体前葉細胞の細胞膜上 に細隙結合の存在が示された15, 17, 18). Fretcher らはラッ ト15)で Abraham らは 硬骨魚 17) で Wilfinger らは ラッ ト培養細胞 18) でその存在をしめした. この総説は, 著者らの下垂体前葉の細隙結合の細胞間 結合の研究を振り返り, 下垂体前葉に於ける濾胞星細胞 による細胞間連絡が下垂体前葉機能遂行に重要な役割を 果たしている事を示すのが目的である.. 正常濾胞星細胞細隙結合 変化 ) 正常成熟 (日令) . 図  正常成熟雄ラット下垂体前葉に見られる典型的な細隙結 合 (a) と密着結合 (b). 密着結合は隣接する細胞膜が融合 している様に見える (矢頭). 密着結合の傍らには接着帯が 観察される. 極めて狭い細胞間隙を挟んで隣接細胞が相対 している (矢印). ("Intercellular communication between rat anterior pituitary cells" Soji and Herbert, Anatomical Record, 1989, Wiley Liss, Inc. より引用) A: 160,000 倍 B: 35,000 倍. 細隙結合 (gap junction) と密着結合 (tight junction; Zonula occludence) は一般に上皮細胞間に観察. 下垂体前葉の細隙結合は, Fletcher ら15) によってラッ. される接着複合体である. 密着結合は上皮組織の表面. ト下垂体前葉で報告され, つづいて, Abraham ら17). 直下に隣接する細胞の細胞膜外層の融合として観察さ. によって硬骨魚類で報告された. これらの結果はいず. れ (図 1-b), その直下に接着帯 (intermediate junc-. れも凍結割断レプリカ法での報告で細胞同定には至っ. tion) が付属する. 凍結割断レプリカ法では膜内顆粒. ていない. 成熟ラット下垂体前葉の構造は著者らの先. の網状乃至は線状の配列として観察される (図 2).. 行する論文 21, 22) に詳しいが, 濾胞星細胞と瀘胞の形態. 密着結合は浸透圧関門または, 細胞間隙と外環境を隔. 学的な特徴を述べるのは, 著者らの研究の背景を説明. ― 48 ―.

(14) 日本福祉大学健康科学論集. 図  密着結合と細隙結合の凍結割断レプリカによる表現. 密 着結合は瀘胞腔 (矢頭) ちょっか膜内粒子のネットワーク 状の配列として観察される. 密着結合の傍らには瀘胞腔の 微絨毛の断端 (星) が検察出来る. 細隙結合の膜内粒子の 集積 (矢印) が密着結合の膜内粒子のネットワーク状の配 列の中に観察される. ("Intercellular communication between rat anterior pituitary cells" Soji and Herbert, Anatomical Record, 1989, Wiley Liss, Inc. より引用) 60,000 倍. する上で無駄ではないと思われるので重複を怖れず説. 第13巻. 図  下垂体前葉の小葉. 基底膜とコラーゲン繊維が小葉の表 面を覆っている. 表面を走る血管 (矢印) の分枝が小葉の 中に侵入している (矢頭). ("Intercellular communication between rat anterior pituitary cells" Soji and Herbert, Anatomical Record, 1989, Wiley Liss, Inc. より引用) 750 倍. 明する. ラット下垂体前葉は基底膜で包まれた偽小葉とも呼 ばれるべき細胞集団の集積で構成されている (図 3). 無顆粒細胞の集団である濾胞星細胞は, その小葉の中 央の瀘胞腔周囲に見られる. いわゆる瀘胞は, 無顆粒 細胞だけで構成され, 周囲の顆粒細胞は瀘胞の構成に は参加しない. 極めて例外的に瀘胞に顆粒細胞の参加 が観察されるが, 概ね成長途上の下垂体である. 濾胞 星細胞の細胞質には, 豊富な自由リボゾームと, 細胞 の中央部には比較的大型の球形の核が観察される (図 5). 濾胞星細胞は周囲に配列する顆粒細胞の細胞間隙 に細胞突起を伸ばし, ほとんどの顆粒細胞と接してい る (図 5). 接着複合体は多くの下垂体前葉細胞に観 察されるが, 細隙結合は, 濾胞星細胞にしか観察され ない (図 6). 下垂体前葉細胞の細胞間の接着特殊装置は以前から 報告されている15-18, 21) が, 細隙結合は膜内顆粒の集積. 図  無顆粒細胞の細胞突起上の細隙結合 (矢頭). 成長ホル モン分泌細胞と思しき細胞が観察される. ("Intercellular communication between rat anterior pituitary cells" Soji and Herbert, Anatomical Record, 1989, Wiley Liss, Inc. より引用) 9,000 倍. としてラットで Fletcher ら15) が最初で, 続いで Soji and Herbert 21), 硬骨魚で Abraham ら17)と Wilfinger. Soji and Herbert 21) は, その顆粒分泌像は膜内顆粒の. ら18) , が報告している. Abraham ら17) と Wilfinger. 網目状の配列の外側 (瀘胞腔側) に観察されること,. 18). ら は, 凍結割断レプリカ法で, 細隙結合近傍に大型. お よ び 切 片 標 本 の 観 察 か ら , Abraham ら17) と. の顆粒分泌像が観察されるとして, 細隙結合は顆粒細. Wilfinger ら18) の観察した. 胞, 特にプロラクチン細胞に観察されると報告した.. 瀘胞腔の微絨毛の断片と判断した (図 4).. ― 49 ―. 大型の顆粒分泌像. は,.

(15) 日本福祉大学健康科学論集. 第13巻. 2010年3月. 消失する. 一般に細隙結合は濾胞星細胞の細胞体に高 頻度に観察されるが, 細胞突起と細胞突起の間にも比 較的よく観察され21, 22) 密度の高い細胞ネットワークを 前葉内に張り巡らしている. ) 濾胞星細胞生後発生 濾胞星細胞の生後発生, 特に下垂体前葉の細隙結合 による細胞ネットワークの変遷に関して我々の研 究 22, 23) に先行する研究はない. 10 日齢のラット下垂 体前葉で, 瀘胞は無顆粒性の円柱上皮様細胞で構成さ れ, その瀘胞腔は著しく伸張し, 少量の微絨毛を持ち, その構造はラトケの遺残腔の構造と酷似している. こ 図  小葉構造の透過電子顕微鏡像. 小葉の周辺部には顆粒細 胞 (黒星) が観察され中央部には無顆粒細胞 (白星) が観 察される. 無顆粒細胞の細胞突起が各顆粒細胞間に放射し ている (矢印). 全ての顆粒細胞が無顆粒細胞に接している 事に注意. ("Intercellular communication between rat anterior pituitary cells" Soji and Herbert, Anatomical Record, 1989, Wiley Liss, Inc. より引用) 2,000 倍. の無顆粒性の円柱様細胞間には密着結合の発達は悪く 細胞間隙と瀘胞腔には, 明瞭な境界は観察されなかっ た. 20 日齢では, 大きく伸長していた瀘胞は, 徐々 に細分化し微絨毛も増加し, 個々の細分化した瀘胞は 孤立を深めていく. その細分化と共に円柱状であった 上皮細胞はその高さを減じ多角化し, 周囲の細胞間隙 に細胞突起を伸ばし始め, 細胞頂には微絨毛が密生し, その断面も星状を呈する様になり濾胞星細胞の名に相 応しい形態をとり始める. この時期には, 極めて稀で はあるが, 濾胞星細胞間に細隙結合が観察される (雄: 20 日齢, 雌:25 日齢). 30 日齢に達すると, 濾胞星細胞は, その高さを減 じて, いよいよ立方形乃至は多角形になり, 多くの細 胞突起を周囲の細胞間隙に伸ばしはじめる. ほとんど の瀘胞は細分化され, 瀘胞腔と濾胞星細胞の細胞間隙 は密着結合で分離される. この時期になると, 濾胞星 細胞間に観察される細隙結合の数は増加し, 細胞突起 と細胞突起の間にも細隙結合が観察される様になる. 40 乃至は 45 日齢になると, 濾胞星細胞間の細隙結合 の観察頻度は増加し成熟ラット (60 日齢) と変わら なくなる21, 22) (図 7).. 図  瀘胞周囲の濾胞星細胞 (無顆粒細胞) の細胞体に見られ た細隙結合 (矢印). ("Intercellular communication between rat anterior pituitary cells" Soji and Herbert, Anatomical Record, 1989, Wiley Liss, Inc. より引用) 25,000 倍. Pfeiffer ら (1970) はラット神経膠細胞の培養で S100 蛋白と細胞間連絡の相関について報告している. ちなみに S-100 蛋白とは, 硫安飽和溶液に可溶性を示 す蛋白でカルシューム結合能有する. 一方, Nakajina ら2)と Shrasawa ら25) は, ラット下垂体前葉 では, 唯一濾胞星細胞にだけ S-100 蛋白が陽性である. 細隙結合と密着結合は無顆粒細胞にだけ観察され,. ことを示した. Soji ら26) はラット生後発生で S-100. 顆粒細胞には観察されない. これらの結合特殊装置は. 蛋白が濾胞星細胞の指標蛋白であること示した. Soji. 稀に起こる細胞分裂の際には, 無顆粒細胞と言えども. ら26)によると, S-100 蛋白は, 10 日齢では, わずかに. ― 50 ―.

(16) 日本福祉大学健康科学論集. 第13巻. 図  生後発生による瀘胞あたりの細隙結合の数の変化. 初め ての細隙結合の観察は雄では 20 日齢, 雌では 25 日齢である. 両性ともに 40 日齢で略成熟ラットと同じ観察頻度に達する. ("Intercellular communication within the rat anterior pituitary gland. III. Postnatal development and periodic changes of cell-to-cell communications in female rats." Soji et al. Anatomical Record, 1991, Wiley Liss, Inc. と "Intercellular communication within the rat anterior pituitary gland. I. Postnatal development and changes after injection of luteinizing hormone-releasing hormone (LH-RH) or testosterone." Anatomical Record, 1990, Wiley Liss, Inc. から引用, 一部改変). 辺縁細胞 (ラトケの遺残腔上皮細胞) とラトケの遺残 腔の近傍の所謂 postero-lateral wing の ラトケの遺 残腔に接する部位に弱い陽性を示すが, 概ね強い陽性 を示す細胞は観察されない. 日齢が進むに従って, S100 蛋白陽性細胞はその数を増し, 40 日齢に達すると. 図  生後発生に於ける S-100 蛋白陽性細胞の変化の模式図. 陽性細胞は生後 10 日齢で最初に前葉のラトケ遺残腔の先端 部, いわゆる“postero-lateral”領域に現れる. その後日 齢とともに急速に陽性細胞とその細胞突起は数を増し 40 日 齢で下垂体前葉全域に略均等に分散する. ("Immunohistochemical study of postnatal development of the folliculo-stellate cells in the rat anterior pituitary gland." Soji et al., Tissue and Cell, 1994, Longman Group UK より引用). 下垂体前葉全体に均等に分散する. その後は日齢が進 んでも陽性細胞は同じ頻度で観察される (図 8). こ. しても 2 年以上生存する個体は数%である. そのため. の結果は, 濾胞星細胞は, 辺縁細胞とラトケの遺残腔. 例数がとれずに発表出来ない実験結果ではあるが, 約. に接する部位から供給されると考えられる. 一般にラ. 2.5 年齢の雄ラット下垂体前葉濾胞星細胞には壮年期. トケ遺残腔上皮細胞 (辺縁細胞) 間には, 細隙結合は. (90 日齢) の下垂体前葉と大きな差はなかった. 吉村. 殆ど観察されない.. らは, 下垂体前葉を不老の器官と表現した. 加齢以外. 生後発生に沿って下垂体前葉濾胞星細胞を観察する. に性周期, 妊娠, 授乳等雌には内分泌環境の激変を伴. と, S-100 蛋白陽性細胞数と細隙結合の密度の間に極. う生理的変化がある. Soji らは細隙結合を指標に,. めて興味深い相関を見いだす. すなわち, S-100 蛋白. 雌の生殖生理に関わる細胞間連絡の変化を報告してい. 陽性細胞が初めて観察される 10 日齢に細隙結合も初. る22, 27). 性周期に伴って, 細隙結合の密度は大きく変. めて発見され, その後 S-100 蛋白陽性細胞の増加と共. 化する22). 発情前期, 発情期に比べると発情後期には,. に細隙結合も急速に増加する. この一致は S-100 蛋白. その密度は半減する (図 9). この性周期での濾胞星. が細胞間連絡に極めて強く関与していることを示して. 細胞の変化は性ステロイドと同様にプロラクチンの影. おり, この細胞が, 下垂体前葉機能の成熟, ひいては. 響下にある可能性も否定出来ないが, 後に述べる様に. 個体の成熟, 就中, 性成熟に関与していることは明ら. 授乳期では, 細隙結合の密度は変化しない. 妊娠期間. かである.. を通じてプロラクチン分泌細胞と性腺刺激ホルモン分 泌細胞には, 拡張した粗面小胞体, 発達したゴルジ装. ) 濾胞星細胞性周期, 妊娠, 授乳伴変化. 置などが観察され, 機能亢進常態にあることをうかが. ラットの寿命は概ね 2 年で最初 100 頭からスタート. ― 51 ―. わせる. 就中, プロラクチン細胞には多量のプロラク.

(17) 日本福祉大学健康科学論集. 第13巻. 2010年3月. 図  性周期に伴う細隙結合の変化. 発情期から発情後期にか けて著明に減少する. グラフは平均値+−標準誤差. **: 発 情期に対して 5%の危険率で有意. ("Intercellular communication within the rat anterior pituitary gland. I. Postnatal development and changes after injection of luteinizing hormone-releasing hormone (LH-RH) or testosterone." Soji et al., Anatomical Record, 1990, Wiley Liss, Inc. から引用). 図  妊娠期間の細隙結合の変化. グラフは平均値+−標準 誤差. **: 正常群に対して 5%の危険率で有意. ("Intercellular communication within the rat anterior pituitary gland. IV. Changes of cell-to-cell communications during pregnancy." Soji et al., Anatatomical Record, 1992. Wiley Liss, Inc. から引用). 実験条件下濾胞星細胞細隙結合 結合変化 )    

(18) 影響. チン顆粒と, 層板状と言うよりは螺旋状配列の粗面小. 3, 13, 23, 33 日齢の雄ラットにそれぞれ 100 mg/. 胞体が観察される. プロラクチン分泌細胞と性腺刺激. kg の LHRH または 25 mg/kg のテストステロンを 1. ホルモン分泌細胞はよく隣り合わせで観察される. こ. 日 1 回, 1 週間投与し, それぞれ 10 日, 20 日, 30 日,. の時期の性腺刺激ホルモン分泌細胞にはリング状に配. 40 日で下垂体前葉を剔出し, 電子顕微鏡で観察した.. 列したゴルジ装置と, 大量の分泌顆粒, それも二種類. 10 日齢では, テストステロン投与群に少量の細隙結. の分泌顆粒が観察される. ひとつは, 直径 200 nm の. 合が観察されたが, 無投与群, LHRH 投与群では,. 小型の顆粒で, これが大半を占め比較的少数の 400. 細隙結合は観察されなかった. しかし日齢を追うに従っ. nm の分泌顆粒である. この二種類の細胞は位置的に. て, LHRH, テストステロン投与群は細隙結合の観. は極めて親密であるが, いかなる条件下でも両者の間. 察頻度が増加し, 30 日齢での LHRH, テストステロ. にも顆粒細胞間に細隙結合による結合はなかった. 例. ン投与群の観察頻度は, 無投与群の 40 日齢のそれと. 外的に未成熟ラット (雌雄ともに 20 日齢前後で) 顆. ほぼ等しかった. すなはち, LHRH, テストステロ. 粒細胞間に, 特にプロラクチン細胞と性腺刺激ホルモ. ン投与群での観察頻度は, 無投与群のそれより 10 日. ン細胞間または性腺刺激ホルモン細胞間に長大な細隙. 早く完成すると考えられる (図 11).. 結合が観察されることがある. しかし 30 日齢では最 ) 生腺摘出影響. 早, 観察されることは無い28). 妊娠末期 (妊娠 17-21 日) を除いて, 妊娠前中期を. 去勢は濾胞星細胞の細隙結合のネットワークの形成. 通じて下垂体前葉濾胞星細胞に大きな変化は無い. 妊. に極めて深刻な影響を与える. 5 日齢で去勢, 或いは. 娠末期になると, わずかな変化が観察される. 妊娠末. 卵巣摘出し, それぞれ 10, 20, 30, 40 日齢で下垂体前. 期の 17, 19, 21 日で細隙結合の観察頻度が増加する.. 葉を観察すると全ての例で極めて未熟な細隙結合の発. 出産後は, 授乳期にも拘らず, 細隙結合の観察頻度が. 達状態で, 正常群の 10-20 日齢に相当した. 去勢乃至. 増加せず, 正常雌の発情期と同様である (図 10). こ. は卵巣摘出群の 40 日齢では, 無処置群の同日齢 (45. の結果は, プロラクチンは下垂体前葉濾胞星細胞の細. 日齢で性成熟) の細隙結合密度の四分の一乃至は, そ. 胞間連絡の制御の主要な要因ではなく, むしろ性ステ. れ以下であった29) (図 11, 12). 去勢の時期が細隙結. ロイドがその要因と考えるのが妥当であると考えられ. 合の形成に重要な要素であることが Nishizono ら30). る.. によって報告されている. Nishizono らは一度形成さ. ― 52 ―.

(19) 日本福祉大学健康科学論集. 第13巻. れた細隙結合のネットワークはその後の去勢での影響 はない, と報告している. また 10 日齢までの去勢で は, 去勢個体の成熟後の高濃度の性ステロイド投与で, ネットワークの形成は見られないと報告している. )   性腺摘出  対

(20) 影響 5 日齢での性腺摘出後, ラットに LH-RH またはテ ストステロン投与を行ってみると, LH-RH は, 生腺 摘出ラット濾胞星細胞ネットワーク形成に対してまっ たく無効であったが, テストステロン投与は極めて有 効で, その日齢による変化は, 正常ラットと同様の増 加を示した (図 12)23, 29). 雌に対してプロゲステロン,. 図  生後発生に於ける細隙結合の変化と LHRH, テストス テロン投与による変化. グラフは平均値+−標準誤差. *: 正常群に対して 5%, **: 1%の危険率で有意. ("Intercellular communication within the rat anterior pituitary gland. I. Postnatal development and changes after injection of luteinizing hormone-releasing hormone (LH-RH) or testosterone." Soji et al., Anatomical Record, 1990, Wiley Liss, Inc. から引用). エストゲンもテストステロンと同様に有効であった. プロゲステロンはテストステロンに変換されその後エ スロゲンに変換される31). 他方, アンドロステロンは エストラジオール, 乃至はエストロンに変換される32). テストステロンは副腎皮質で合成されることは周知の ことである. 性腺摘出ラットのゆっくりとした濾胞星 細胞ネットワーク形成は, 主に副腎皮質由来の性ホル モンによると考えられる. これらの形態学的なデータは, 下垂体前葉濾胞星細 胞の細隙結合のネットワークの完成は, 性成熟は精巣 や卵巣の性ステロイドに極めて強く依存しており, ま た, いちど形成されたネットワークは性腺摘出では影 響を受けないことを示している.. 下垂体腺葉濾胞星細胞生理学的 側面 ) 濾胞星細胞下垂体前葉隆起部分布 下垂体前葉内での濾胞星細胞の分布は一部を除いて 小葉に従って, ほぼ均一に分布している. 主細胞の名 図  出生後 5 日齢で去勢したラットの生後発生に於ける細 隙結合の変化と LHRH, テストステロン投与による変化. 全群ともに 10 日齢では細隙結合は観察出来なかった. 去勢 群, 去勢+LHRH 投与群ではでは正常群に対して著しく細 隙結合の数の増加は鈍化しているが, テストステロン投与 群では正常群と同程度の増加を示している. グラフは平均 値+-標準誤差. *: 正常群に対して 5%, **: 1%の危険率で 有意. ("Intercellular communication within the rat anterior pituitary gland. II. Castration effects and changes after injection of luteinized hormone-releasing hormone (LH-RH) or testosteron," Soji and Herbert., Anatomical Record, 1991, Wiley Liss, Inc. から引用). が示すように, 前葉細胞の約 30%を占める. 前葉中 央部から観察点を前方に移動して行くと中間葉との会 合点付近から顆粒細胞が少なくなり無顆粒細胞 (濾胞 星細胞) が増加してくる. さらに前方に向かって観察 を進めていくと, 隆起部に移行する手前で, 無顆粒細 胞が腺細胞全体のほぼ 90%以上を占める場所が出現 する (図 13). この部位を (前葉) 移行部と仮に呼ぶ ことにした33). この部位には無顆粒細胞の増加と共に 細隙結合も高密度で観察される. これより前方に観察 点を移動すると下垂体隆起部を観察することになる. 隆起部は殆どの腺細胞が無顆粒細胞で, たまに直径. ― 53 ―.

(21) 日本福祉大学健康科学論集. 第13巻. 2010年3月. 図  下垂体矢状断, 正中矢状面から約 50 um 離れている. いわゆる移行部には多数の S-100 蛋白陽性細胞の集積があ る (星印). ("Are potal vessels present in the pituitary gland "veins"? A histological study." Yoshida et al., Biomedical Research, 2004, から引用). S-100 蛋白抗体染色. 500 倍. 図  下垂体隆起部. 瀘胞腔 (矢印) の周囲に無顆粒細胞 (濾胞星細胞) が観察される. その周辺には極めて豊富な神 経内分泌と思われる顆粒を持った神経繊維 (矢頭) が観察 される. ("Are potal vessels present in the pituitary gland "veins"? A histological study." Yoshida et al., Biomedical Research, 2004, から引用). 20,000 倍. 200 nm 以下の分泌顆粒をもつ TSH 細胞と思しき顆 粒細胞が観察される (図 14). この部は細胞 8-10 層 位の厚さで, 薄い間質を隔てて視床下部第三脳室底に 付いている. この第三脳室底と隆起部の間をいわゆる 下垂体門脈が太い毛細血管として走っている34). この 部位では最早小葉構造は観察されないが, この無顆粒 細胞が濾胞星細胞であることは, この細胞が長大な蘆 胞腔の周囲に配列していることで理解できる (図 14). この部の濾胞星細胞も密に細隙結合で結合されている. この細隙結合の列を前葉の方向にたどって行くと前葉 移行部に逢着する. 一方, 隆起部には LHRH の陽性反応が極めて濃厚 に検出される. 周知のように, LHRH は視床下部ニュー ロンから下垂体門脈に放出される下垂体前葉の制御因 子である. 一般に下垂体前葉には神経要素はないと信 じられており, ニューロフィラメントの抗体染色でも 陽性反応は極めて稀であり, 隆起部においても同断で あると考えられてきた. しかし隆起部に見られる比較 的頻繁に LHRH の陽性反応を示すニューロンはどこ か ら 来 る ニ ュ ー ロ ン な の か ? Mabuchi ら35) は , LHRH の 抗 体 染 色 で 視 床 下 部 か ら 隆 起 部 に 至 る LHRH 陽性繊維を明らかにし, 透過電顕で視床下部 から隆起部に侵入し, 隆起部の濾胞星細胞の周囲に終 わる神経内分泌ニューロンを示した (図 15). この観. 図  下垂体隆起部と視床底. 図の上半は視床底で内分泌顆 粒を持つニューロンが多数観察出来る. 下半は下垂体隆起 部である. 上半と下半の間に内分泌顆粒を持つ神経繊維束 が観察される. その神経繊維束は下半の隆起部に侵入し (矢印), 分散し (矢頭), 周囲の無顆粒細胞 (白と黒星印) の間にマイクロへリング小体とも言うべき構造で観察され る. ("Intercellular Communication within the rat anterior pituitary; relationship between LH-RH neurons and folliculostellate cells in the pars tuberalis. Mabuchi et al., Cell Tissue Res, 2004. から引用). 10,000 倍. 察は, LHRH ニューロンを含む神経内分泌ニューロ. ― 54 ―.

(22) 日本福祉大学健康科学論集. 第13巻. ンは下垂体門脈第一次毛細血管網に放出ホルモンを投. 二本の電極を細胞に刺入した後, 一方の電極から 1-3. 入して血管性に下垂体前葉細胞を制御するだけではな. nA の電流を流した36). 二本のうち一本でも静止膜電. く, 隆起部濾胞星細胞の周囲で放出ホルモンを放出し. 位の浅い (-36 mV) 細胞に電極が刺入された場合は,. て, 濾胞星細胞のネットワークを介して下垂体前葉細. 他方の電極から電圧を検知する事は出来なかったが,. 胞を制御している事を極めて強く示している.. 両方ともに静止膜電位の深い (-56 mV) 群に刺入さ れた場合は 1 nA 当り -1 uV の電圧を検知した (図 17. ) 濾胞星細胞電気生理学的特徴. a). この事は約 200um 離れた細胞に何らかの電気的. さきに述べた様に下垂体前葉移行部には, 極めて大. 共役があり, その間のインピーダンスは 1 M ohm で. 量の瀘胞星細胞が観察される. そこで濾胞星細胞の電. ある事を示している. この共役には濾胞星細胞間の細. 気生理学的な特徴を調べる為に, 下垂体から中間葉と. 隙結合が関与していると考えられるが, それを確認す. 後葉を取り去り, ラトケ遺残腔側から硝子電極を刺入. る為に, 細隙結合の可逆的阻害剤である carbeno-. 35). し静止膜電位を測定した (図 16) . 100 細胞につい. xolone 37) を作用させた所, 電気的共役は消失した. そ. て静止膜電位を測定したところ, おおきくふたつの細. の後灌流液で carbenoxolone を洗浄すると電気的共. 胞群に分けられた. ひとつは静止膜電位 -56 mV を中. 役は復活し, この電気的共役は細隙結合に依る事がわ. 央値とする群と, -36 mV を中央値とする群に分かれ. かった. その時, 共役の消失とともに静止膜電位が約. た (図 16). -56 mV の群は約 70%で, -36 mV の群は. 10 mV 上昇したが, 共役復活とともに静止膜電位も. 30%であった. この結果は, この部位の S-100 蛋白の. もとに復した (図 17b). 顆粒細胞の膜電位が浅い事. 抗体染色の結果とよく一致し, 静止膜電位の深い (-56 mV) 群が濾胞星細胞である事を示している.. 図  移行部細胞の静止膜電位. ラトケ遺残腔で中間葉と後 葉を反転して前葉内の移行部を露出し, 電極を刺入する (a). 所謂“移行部”に分布する細胞群は静止膜電位で見ると膜 電位の中央値が-35 mV の群と-56 mV の群とに大別され, 前者は約 30%, 後者は約 70%で, 後者の割合は S-100 蛋白 の免疫染色で得られた移行部の S-100 蛋白陽性細胞 (濾胞 星細胞) によく一致する.. 濾胞星細胞がこの部位の実質細胞の 70%以上を占 めているならば, 二本の硝子電極を刺入すれば, 二回 に一回は二本の電極が共に濾胞星細胞に刺入されると 期待される. そこで, この部位に二本の電極を距離役 200 um で刺入した. 約二分の一の確率で両電極とも に静止膜電位の深い (-56 mV) 群に刺入された. 残 り二分の一はどちらか一方, または両方ともに電極が 静止膜電位の浅い (-36 mV) 群に刺入されていた.. 図  移行部細胞の電気的共役. 二本の電極が共に静止膜電 位の深い群 (-56 mV の群) に刺入された場合は両者の間に 電気的共役が観察される (A) が, 二本のうち一方でも静 止膜電位の浅い細胞に刺入されると電気的共役は観察され ない (B). 電気共役は電流−電圧相関が観察された (C).. ― 55 ―.

(23) 日本福祉大学健康科学論集. 第13巻. 2010年3月. 図  移行部伸展標本の抗 S-100 染色. 暗い血管 (星印) に 沿って高密度に明るい陽性細胞がが配列している. 30 倍. 色 33), 電気生理学による結果 36) を裏打ちしている. これ 図  移行部細胞の電気的共役の消失. この電気的共役は細 隙結合の阻害剤で可逆的に消失する.. らの細胞を任意に 5 個選択して, その LHRH 負荷時の カルシウムの変化を観察した. LHRH は二回に分けて 負荷した. 初回は標本の準備に約 3 時間あまり掛るので,. や細隙結合の欠如など, 何らかの関連が考えられるが,. 午後 1 時に LHRH 負荷を開始し約 5 分間負荷した. そ. 膜電位上昇の原因は不明である.. の結果選択した細胞の殆どが LHRH に反応して一過性 の細胞内カルシウムの著明な遊離を観察した. 5 分後に. ) 変化見 濾胞星細胞. 一旦 LHRH 負荷を中止し, 約 3 時間に亘って標本を洗. 以下に示す実験結果は未発表の結果で, 現在投稿準. 浄し, その後再度 LHRH 負荷を再開した. 二回目の負. 備中の為, 引用文献はないことを付記しておく. 下垂. 荷では再度カルシウムの遊離が期待されたが遊離は起こ. 体前葉とくに移行部の濾胞星細胞が LHRH に対して. らなかった (図 19).. どのような反応を示すかをカルシュウムの蛍光をめど に観察した. 下垂体前葉を切り出し (午前 9 時 30 分 切り出し, この時間は比較的重要である), カルシウ ム感受性蛋白 (Fula-2) を負荷した後, 移行部を灌流 チャンバーに伸展, 固定し (図 18), チャンバーに LHRH を還流した. あらかじめデイスプレイ上で 5 個の細胞を選択してカルシウムに対する Fula-2 の蛍 光の強度を測定した. 灌流開始からチャンバーに LHRH が到達するまでに約 1 分掛るので灌流開始よ り 1 分後を実際の灌流開始時間とした. 伸展した隆起 部は LHRH 負荷後 S-100 蛋白, LH 等の抗体で染色 した.. 成熟雄

(24) 反応 60 日齢の雄ラット移行部では, 伸展標本で観察する. 図  成熟ラット移行部の LHRH に対する反応. 第一回の LHRH 負荷では選択した細胞全てが一過性の反応を示した (a). しかし, 一時間の洗浄の後二回目の負荷には全く無反 応であった (b). 一部の例では負荷後長時間に亘って脈動 (oscillation) が観察された.. と太い血管の沿線に多数の S-100 蛋白陽性細胞と少数の LH陽性細胞が観察され (図 18), 先述の S-100 蛋白染. ― 56 ―. 以下の記述は私どもの戒めとして記載する. 実験を続.

(25) 日本福祉大学健康科学論集. 第13巻. けていくうちに初回の負荷でも細胞が全く反応しない例. 器官として振舞う為には濾胞星細胞のネットワークの完. が何例か観察された. 始めのうちは, 何故この様な結果. 成が必要である事を示している.. になるのかがなかなか判明しなかったが, 実験を続けて いくうちに開始時間がルーズになり解剖時間が午前 10. 引用文献 (引用順). 時 30 分を過ぎるようになった群にだけこの様な現象が. 1 ) Farquhar MG, 1957. "Corticotrophs" of the rat. 観察された. この観察から実験時間を守ることが実験精. adenohypophysis as revealed by electron micros-. 度を保つ上で大変重要である事を改めて学習したことと,. copy. Anat. Rec., 127: 291. このことから, LHRH のサージは一日一回で, 朝の比. 2 ) Nakajima T, Yamaguchi H, Takahashi K, 1980.. 較的遅い (おそらく, 午前 10 時前後) 時間に起こり,. S100 protein in folliculo-stellate cells of the rat pi-. 一度 LHRH に暴露されると, しばらく (少なくとも 3. tuitary anterior lobe. Brain Res., 191: 523-531. 時間以上) は腺細胞, 少なくとも濾胞星細胞, LH 細胞. 3 ) Schechter J, 1969. The ultrastructure of the. は LHRH に対して不応期を維持すると考えられる. こ. stellate cell in the rabbit pars distalis. Am J.. の現象はホルモン等の概日変動の制御に極めて合理的で. Anat. 126: 477-488. あり, これに濾胞星細胞のネットワークが深く関与して. 4 ) Kagayama M, 1965. The follicular cells in the pars distalis of the dog pituitary gland.; an elec-. いる事を示唆していると考えられる.. tron microscopic study. Endocrinology 77: 1053-. そこで濾胞星細胞のネットワークがまだ完成していな. 1060. い日齢のラット下垂体前葉移行部について同様の実験を 行った. 午前 9 時 30 分に解剖する群 (第 1 群) と午前. 5 ) Salazar H. 1968. Ultrastructural evidence for the. 11 時 30 分解剖する群 (第 2 群) とに分けた. LHRH. existence of a non-secretory sustentacular cell in. に対する反応は成熟群とは異なり, 選択した細胞がてん. the human adenohypophysis. Anat. Rec. 160: 419-. でに反応して実験群による差は観察されなかった. 約 3. 420. 時間後の再負荷にもやはりてんでに反応を示し, 下垂体. 6 ) Candell RR, 1969. The ultrastructure of stellate. としての統制のとれた反応は観察されなかった (図 20).. cells in the pars distalis of the salamander pitui-. このように濾胞星細胞のネットワークが完成していない. tary gland. Am. J. Anat. 126: 429-456 7 ) Shiotani Y, 1980. An electron microscopic study. 日齢では器官としての下垂体はまだ完成していないと考. on stellate cells in the rabbit adenohypophysis. えられ, 下垂体前葉が単なる分泌細胞の集団ではなく,. under various endocrine conditions. Cell Tissue Res. 213: 237-246 8 ) Amat P, Boya J, 1973. Ultrastructural observations on the genesis and extrusion of secretory granules in the adenohypophysis. Acta Anat. (Basel) 86: 44-52 9 ) Horvath E, Kovacs K, Penz G, Ezrin C, 1974.. Origin, possible function and fate of "follicular cells" in the anterior lobe of the human pituitary. An electron microscopic study. Amer J Pathol 77: 199-205 図  成熟例に比べて幼若例 (10 日齢) では LHRH に対す る反応は著しく異なり LHRH 負荷に対して成熟例のように 促進的に反応する細胞だけではなく, 抑制的に反応する細 胞, 無反応の細胞など, その反応は大変多様である. 第二 回目の負荷に対しても同様に促進的, あるいは抑制的な反 応を示した (A). 成熟群とこと代わり幼若群では午後の解 剖でも LHRH に反応を示した.. 10) Sbarbati A, Zancanaro C, Barbatelli G, Cinti S,. ― 57 ―. Osculati F, 1989. Ultrastracture of pituitary folliculo-stellate cells of lactating rat during treatment with 2-bromo-a-ergocristine. Tissue Cell 21: 841-847.

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(28)

図  下垂体前葉の小葉. 基底膜とコラーゲン繊維が小葉の表 面を覆っている. 表面を走る血管 (矢印) の分枝が小葉の 中に侵入している (矢頭).
図  瀘胞周囲の濾胞星細胞 (無顆粒細胞) の細胞体に見られ た細隙結合 (矢印).
図  妊娠期間の細隙結合の変化. グラフは平均値+−標準 誤差. **: 正常群に対して 5%の危険率で有意.

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