知的障がい特別支援学校 高等部 作業学習学習指導案 1 題材名 「ペンケースの製作」 2 指導観 ○ 対象生徒(以下、生徒Aとする。)は、高等部第2学年の男子生徒である。軽度の知的障がい があるが、小学校5、6年生程度の漢字の読み書きができ、基本的な四則計算を理解している。 分からない漢字を調べたり、計算における疑問を教師に質問したりする等、探究心があるが、活 動の目的や理由を理解せずに行動していることも多い。卒業後は一般就労を目指している。 作業学習については、生徒Aの希望で、今年度よりさをり織り班に所属している。昨年度の作 業学習充実週間において、さをり織り班で織りの作業を経験し、自分が意図した色の組合せや模 様を織り表すことに楽しさを感じ、好印象をもったと思われる。今年度の作業学習では、初めに 織りの作業に取り組み、5月の連休明けより製品化の担当となり、ポーチの製作を中心に製品化 に取り組んできた。ポーチの製作には、作業の工程や写真、留意点を示した手順カードを使用し ているが、工程数が多く、一つ一つの工程についても細かい作業が必要とされることがある。生 徒Aは、ミシン縫いの基本的な技術は習得しているものの、何度も教師に質問したりやり直した りする姿が見られる。また、自分が失敗したことを振り返ることができる一方で、失敗した理由 については具体的に答えることが難しい。作業中の様子から、手順カードを見ても細かい作業内 容を十分に理解していないことがあり、なぜその作業が必要なのか、何に注意すべきなのか等に 気付かずに作業していることが推測される。例えば、布とファスナーをミシンで縫い合わせる工 程では、布の端を縫おうとして、布とファスナーが重なっていない部分を縫ってしまい、ミシン 糸を全て取ってやり直すことがあった。また、布2枚を縫い合わせるための、待ち針で布を留め る工程では、あらかじめミシンで縫う所が線で示されているにもかかわらず、線が描かれていな い面を留めていた。その結果、ミシンで縫うときに邪魔になる位置に留めてしまっており、待ち 針を全て外してやり直すことがあった。以上のような状況により、製品を完成させることができ ても、十分な達成感を味わうには至っていないと考えられる。 ○ 本題材は製品化の作業において、自分で標的行動の手掛かりを与え(自己教示)、標的行動と 実際に行った行動を振り返り自分で評価し(自己評価)、標的行動の遂行を自分で強化する(自 己強化)セルフ・マネージメントの手法を取り入れることで、生徒Aが、工程の意図や関連性に 応じて作業できるようになることをねらいとしている。工程の意図や関連性に応じて作業できる とは、現在の工程が後の工程や製品の完成にどう影響するかが分かり、それらに応じた留意点を 実践し、仕上がりの良い製品を完成させることである。そのため、各工程の留意点を生徒A自身 が見付けて手順カードに追加し、手順カードを作成して実践していく活動を工夫し、生徒Aが、 自己教示、自己評価、自己強化できるようにしていく。 6月に行った「ランチョンマットの製作」(全2時間)では、手順カードに、一つの工程を細 分化して(以下、細工程とする。)文章とともに写真を示し、作業の終了をチェックする欄を設 けた。第2時では、作業開始前に三つの留意点を伝え、生徒Aが付箋紙に書いて手順カードに貼 付し、作業中に確認できるようにした。一点は、完成時の見た目を良くするための留意点、他の 二点は、次の工程の作業に取り組みやすくするための留意点であった。その結果、自信をもって 作業に取り組む様子が見られ、高い自己評価につながった。一方、ランチョンマットの製作は、 ポーチの製作と比較して、工程数が少なく、工程の内容も簡易で留意点が少ないものであったこ とから、生徒Aは「簡単だったからできた。」と認識している可能性が高く、工程を順番どおり に作業すればよいと考えている。しかし、工程数が増えれば工程の内容も複雑化し、工程を順番 どおりに作業するだけでは、仕上がりの良い製品を完成させることは難しくなる。そこで、工程 数が多く工程の内容も複雑であるが、これまで身に付けた知識や技術を基に、生徒Aが作業でき るペンケースの製作を題材として取り上げる。ポーチと同様の工程1~7によって完成する(表 ※ 本指導案は「福岡県教育センター長期派遣研修」における主題研究に基づき作成されています。 教育センターホームページの「長期研修報告書:平成 30 年度:各研修報告書」と併せて御覧ください。
1)。各工程には、順序性だけでなく、それぞれ関連性が存在する。例えば工程2には、工程3 のミシン縫いに取り組みやすくするという意図があり、工程2が適切になされなければ、工程3 のみならず、その後の全ての工程に影響を及ぼすこととなる。また、細工程同士にも関連性が存 在する。つまり、順序性を追いながら、関連性を意識して作業する必要がある。後の工程との関 連性から生じる、完成時の見た目を良くしたり作業に取り組みやすくしたりするための重要なポ イントとなる留意点を実践しながら作業する必要があると言える。 多くの職場では、与えられた仕事を手順どおりに行うことはもちろん、作業の各工程の意図や 関連性を理解したり、それらに応じて作業するために、メモを取って行動したりすることが求め られると予想される。生徒Aが卒業後の就労の場において、やりがいをもって仕事をして職場の 方の信頼を得たり、生活の質を高めたりするために、工程の意図や関連性に応じて作業できるよ うになることは意義深いと考え、本題材を設定した。 ○ 指導に当たっては、「分かる」「つかむ」「できる」の三つの段階により、計7時間の授業を 行う。まず、工程の順序性を確認し、その後、後の工程との関連性から生じる留意点を見付けて 実践していく指導を行う。 「分かる」段階では、製品を作る方法と手順を確認することをねらいとする。第1時で、各工 程において、細工程を示したカードを適切な順に並べる活動を行い、作業内容を理解して作業に 工程 細工程 良い例の注目する点 留意点 ※番号は実践する細工程 1 布2枚及びファス ナーを準備する。 2 ファスナーに布2 枚を仮留めする。 ①作業台に、ファスナーを、表を上にして横向きに置く。 ②ファスナーの線の外側に、仮留め用ボンドを塗る。 ③ファスナーのボンドを塗った部分に、布の折り曲げてある部分を重 ねて置き、押さえる。 ※2か所目も同様に行う。 ・ファスナーと布の両 端がそろっている。 ・布とファスナーが平 行に付いている。 ③:ファスナーと布の両端を そろえて布を置く。 ③:ファスナーの線に合わせ て布を置く。 3 ファスナーと布2 枚をミシンで縫い 合わせる。 ①返し縫いの縫い始めの位置を考慮して、布をミシンに置く。 ②針と押さえを下ろし、布の端まで返し縫いをする。 ③布の反対の端まで縫う。 ④返し縫いをし、押さえと針を上げる。 ⑤ミシンから布を取り、ミシン糸を切る。 ⑥布から飛び出たミシン糸の根元を切る。 ※2か所目も同様に行う。 ・布の最もファスナー 側が、まっすぐに縫 われている。 ②:布の最もファスナー側の 位置に、針を刺す。 ③:押さえがファスナーの金 具に当たる前に、針を刺 したままファスナーを針 より奥まで開け、続きを 縫う。 4 布2枚を中表にし て合わせ、待ち針 で留める。 ①布の表が内側になるように、2枚の布を合わせる。 ②チャコで線が描かれている面を上にして、2枚の布を待ち針で留め る。 ・布2枚の上部が合っ ている。 ・待ち針が、適切な本 数で適切な位置に留 められている。 ①:ファスナーを少し開けて 布2枚の上部の高さを合 わせる。 ②:最初に上2か所を留め、 次に下2か所を留める。 ②:待ち針がチャコの線に掛 からないように留める。 ②:待ち針の先を内側に向け て留める。 5 布2枚をミシンで 縫い合わせる。 ①返し縫いの縫い始めの位置を考慮して、布をミシンに置く。 ②針と押さえを下ろし、ファスナーの金具の下まで返し縫いをする。 ③チャコで描かれた線の角まで縫う。 ④押さえを上げて、布の向きを変える。 ⑤押さえを下ろし、チャコで描かれた線の反対側の角まで縫う。 ⑥押さえを上げて、布の向きを変える。 ⑦押さえを下ろし、ファスナーの金具の下まで縫う。 ⑧返し縫いをして、押さえと針を上げる。 ⑨ミシンから布を取り、ミシン糸を切る。 ⑩布から飛び出たミシン糸の根元を切る。 ⑪待ち針を外す。 ・チャコで描かれた線 の上が、縫われてい る。 ①の前:ファスナーに、縫い 始めと縫い終わりの 位置の印を入れる。 ④⑥:針を刺したまま布の向 きを変える。 6 布の角(2か所)を 切る。 ①布の角を、2枚一緒に三角形に切り取る。 ※2か所目も同様に行う。 ・ミシン縫いの角の、 ぎりぎりの所が切ら れている。 ①:ミシン糸を切らないよう に注意して、角のぎりぎ りの所を切る。 7 表に返す。 ①ファスナーを開け、表に返す。 ②形を整える。 ・角(2か所)がきれ いに出ている。 ②:角の部分に指を入れて、 角を押し出す。 表1 ペンケース製作における各工程の細工程、良い例の注目する点及び留意点
取り組む。工程のみが記された手順カードに、生徒Aが、細工程カードを適切な順に並べて追加 する。見本となる動画を準備しておき、確認しながら行えるようにする。正確に並べることがで きたら、実際に作業に取り組むようにする。 「つかむ」段階では、留意点を見付けて実践することで、工程の意図や関連性を理解すること をねらいとする。各工程の留意点を見付けて手順カードを作成及び活用する活動を工夫する。第 2時から第5時において、工程の関連性を考慮して、第2時では2、第3時では3と、一つ又は 二つの工程を順に取り上げる。生徒Aが、各工程の、仕上がりの良い状態が分かり、なぜその状 態が良いのかが分かるように、作業後の良い例と悪い例の実物を提示し、留意点を見付けるため に注目すべき点を明らかにする。また、良い状態に仕上げるためにはどうしたらよいか、留意点 を見付けて言語化することができるように、留意点を実践している動画に、手掛かりとなる文字 や印を表示して提示する。見付けた留意点を付箋紙に書いて手順カードに貼付し、留意点を実践 する理由を理解できるよう、留意点に気付かずに悪い例のまま作業を続けた完成品を提示する。 その後、自分で見付けた留意点を基に実践し、うまく作業できたり仕上がりが良くなったりする ことが、次時への意欲につながると考える。また、振り返りでは、留意点を実践する理由を確認 し、生徒Aの取組の過程を価値付けたい。各時間において、前時までに取り組んだことも含めて 実践することで、各工程を複数回経験できるようにして習熟を図っていく。自分で見付けた留意 点を実践する活動が時間ごとに増し、第5時には、生徒A独自の手順カードが完成し、全ての工 程の留意点を実践して作業することとなる。 「できる」段階では、留意点を実践して、仕上がりの良い製品を完成させることをねらいとす る。第6時、第7時において、「分かる」「つかむ」段階で細工程や留意点を追加して完成させ た手順カードを手掛かりに、全ての工程で留意点を実践して作業に取り組む活動を行う。自分で 完成させた手順カードを使用することで、作業後の達成感につながると考える。 全ての段階で共通して、作業の終了をチェックし、取組が適切であったか自己評価しながら作 業するよう指導する。より適切に作業を進められるようにするため、作業する場や手順カードを 見たりチェックしたりする場の環境の整理を行う。また、手順カードは、生徒Aが使用しやすい ように大きさや形態に配慮し、ミシンには布を置く位置の手掛かりとなる印を付けておく。 3 目標 ◯ 細工程カードを、適切な順に並べて手順カードに追加することができる。 ◯ 良い例と悪い例の実物を比較したり動画を視聴したりすることにより、留意点を言語化して、 付箋紙に書いて手順カードに貼付し、実践することができる。 ◯ 留意点を実践して、製品を完成させることができる。 4 指導計画 ○ 全7時間(本時4/7) 段階 「分かる」 「つかむ」 「できる」 配時 第1時 第2時 第3時 第4時 第5時 第6時 第7時 題材 ペンケースの製作 目指 す姿 ・製品を作る方法と手 順を確認することが できる。 ・留意点を見付けて実践することで、工程の意図や関連性を理解 することができる。 ・留意点を実践し、仕上がりの 良い製品を完成させることが できる。 活動 内容 ・細工程カードを並び 替え、作業内容を確 認し、実践する。 ・良い例と悪い例の実物を比較したり動画を視聴したりすること で、工程の意図や関連性に応じた留意点を見付け、実践する。 ・全ての工程の留意点を実践し て、製品を完成させる。 留意点を見 付ける活動 2 3 4 5 6 7 留意点を実 践する活動 2 2 3 2 3 4 5 2 3 4 5 6 7 2 3 4 5 6 7 2 3 4 5 6 7
5 本時 平成○○年○○月○○日 ○曜日 ○~○校時 於 ○○室 (1)本時指導の考え方 生徒Aは、第1時に、ペンケースの作り方を確認して作業し、完成させることができた。しか し、完成したペンケースは、ファスナーと布とに縫い合わされていない部分があり、大きく穴が 空いていた。細工程には示されていない留意点があることを理解し、前時までに工程2及び3の 留意点を見付けて実践した。留意すべき点が明確になったことで、これまでより丁寧に一つ一つ の作業に取り組む姿が見られた。しかし、工程3(ファスナーに布を縫い合わせる工程)につい ては、1回目は布の端をまっすぐ縫うことができたが、2回目以降は縫い目が布の端から離れて しまい、その仕上がりに本人も納得していなかった。 そこで本時は、工程4及び5の留意点を見付けた後に工程3について再度確認を行い、工程3 4 5を実践する。 工程4は、ファスナーを縫い合わせた2枚の布を中表に合わせて待ち針で留める工程である。 第1時では、布を待ち針で留めることはできたが、後の工程や完成時の見た目を意識して、布2 枚の上部を合わせることができていなかった。また、待ち針を留める場所や向きについては、手 順カードの写真どおりに行うことができていたが、その意図については理解していないと考えら れる。提示する悪い例は、布2枚の上部がずれており、待ち針がチャコで描かれた線上に留めら れたり、ばらばらの向きで留められたりしている物とする。提示する動画は、「布2枚の上部を 合わせる」こと、待ち針は「上2か所、下2か所の順に留める」、「チャコの線に掛からないよ うに留める」、「先を内側に向けて留める」ことに気付いて言語化できるように表示する印を表 示し、言葉掛けを工夫する。待ち針を留める順については、合わせた布2枚の上部がずれないよ うに、先に上2か所を留めるという理由を理解できるようにしたい。 工程5は、布2枚をミシンで縫い合わる工程である。提示する悪い例は、縫い始めと縫い終わ りの位置の高さが異なっており、縫い目の角の部分がチャコで描かれた線のとおりに縫われてい ない物とする。提示する動画は、「縫い始めと縫い終わりの位置(ファスナーの金具の下)に印 を描く」こと、「角は、針を刺したまま布の向きを変える」ことに気付いて言語化できるように 工夫する。針を刺したまま布の向きを変えることについては、細工程のとおりに作業すればよい こともあり、第1時においても行うことができていた。しかし、行わなかった場合にどのような 状態になるのかという点については、気付いていないと考えられる。手順どおりに作業できるだ けでなく、その意図についても理解を促す機会としたい。 工程3については、まず前時に見付けた留意点を確認する。前時に設定していた留意点が縫い 始めと縫い終わりに関するものであったため、縫っている途中に関する助言を行い、改善を促し たい。その後、工程3 4 5を実践する。これまでと同様、細工程の作業の終了をチェックしな がら作業を行い、工程終了時は、自己評価を行って教師に報告することとする。 (2)本時の目標 ○ 工程4、5について、動画を視聴することにより、良い状態に仕上げるための留意点を見付 け、付箋紙に書いて手順カードに貼付することができる。 ○ 工程4、5の留意点を実践しなかった場合、後の工程や製品の完成にどのような影響がある かに気付くことができる。 ○ 工程3について、教師の助言を基に良い状態に仕上げる方法を考え、実践できる。 ○ 工程3、4、5ついて、留意点を守って作業に取り組むことができる。 (3)準備 ①日誌 ②日誌の用紙 ③手順カード ④生徒Aが前時に作業した物 ⑤活動計画表 ⑥目標 及び振り返りの記入用紙 ⑦良い例と悪い例の実物 ⑧悪い例の状態で作業を続けた完成品
⑨パソコン ⑩提示用ホワイトボード ⑪付箋紙 ⑫裁断及び接着芯貼付済みのさをり織りの 布 ⑬ファスナー ⑭自己評価の記入用紙 (4)展開 配時 活動内容(○学習内容) 指導上の留意点 準備 15分 1 始めの挨拶をする。 2 本時の活動内容を確認する。 ・教師の説明を聞き、日誌の用紙に記 入する。 ○ 本時の自分の活動が分かること 3 挨拶の練習をする。 ○ 挨拶を声に出して確認すること 【一斉指導】 ・生徒が自分の役割を理解できるよう、一人一人呼名 し、活動内容をホワイトボードに提示しながら確認 を行う。 ・生徒の実態に応じた日誌の用紙を準備する。 ・適度な声の大きさで挨拶の声を出すよう促す。 ① ② 15分 65分 4 本時の具体的な活動内容を確認す る。 ・前時に立てた活動計画を見て本時の 活動内容を確認し、目標を決める。 ○ 本時の活動内容が分かること。 5 ペンケースの製作における、工程 4及び5の留意点を見付ける。 <工程4について> ・良い例と悪い例の実物を比較する。 ○ 仕上がりの良い状態及び悪い例の 理由が分かること ・見本となる動画を見て、留意点を見 付ける。 ○ 悪い例のようにならないための留 意点が分かること ・留意点を付箋紙に書き、手順カード に貼付する。 ○ 見付けた留意点を言語化し、付箋 紙に書いて手順カードに貼付できる こと ○ 留意点について、その後の作業と の関連性が分かること 【個別指導】 ・前時の活動を想起できるよう、手順カードを見なが ら確認する。また、第2時に立てた活動計画を見る ように促す。 ・前時、布の端を縫うことができなかったことを想起 できるよう、前時に生徒Aが作業した物を提示し、 予定していなかった工程3についても再度確認する 意欲を喚起する。 ・本時の活動内容について問い掛け、生徒Aの発言を 促し、目標を決めるようにする。 ・工程4の作業後の良い例と悪い例の実物を提示し、 どちらが良い状態か及び悪い例の理由を尋ねる。答 えることが難しければ、相違点を尋ねて確認する。 ・生徒Aの発言や指さしにより、「布の上部(又は下 部)がずれている」(理由ア)、「待ち針の留め方」 (理由イ)の点に気付いているかを判断する。 ・悪い例の状態で作業を続けた完成品を提示し、生 徒Aに切実感や留意点を見付ける必然性が生じる よう働き掛け、動画を提示する。 ・理由アについて気付いたことを尋ね、「布の上部」 又は「ファスナー側」、「合わせる」と同等の言葉 を引き出す問い掛けや言葉掛けをする。 ・生徒Aが言語化した言葉を提示用ホワイトボードに ③ ④ ⑤ ⑥ ⑦ ⑧ ⑨ ⑩ ⑪ ④ ⑭ 【悪い例の理由】 ア:布2枚の上部がずれている。 イ:待ち針が、チャコで描かれた線の上に、ばらばらの向 きで留められている。 【留意点】 ・細工程①:布の上部を合わせる。 ・細工程②:待ち針を上2か所、下2か所の順に留める。 待ち針をチャコの線に掛からないように留め る。 待ち針の先を内側に向けて留める。 今日の目標(例) ・工程4と5のポイントを見付けて 作業する。 ・工程3の仕上がりを良くする方法 を考える。
<工程5について> ※ 工程4と同様の流れで行う。 6 前時に見付けた工程3の留意点を 再確認し、仕上がりを良くするため の方法を考える。 ○ 教師の話を聞いて注目すべき点に 気付き、どうすべきか考えることが できること 7 工程3、4、5を実践する。 ○ 手順カードに作業の終了をチェッ クしながら、留意点を守って作業で きること ○ 自分の取組について、良い例の実 物と比較して適切に自己評価できる こと 書き留めておく。 ・必要に応じて、実物や動画を再度確認することを促 し、一緒に確認する。 ・必要に応じて、見付けた留意点をどうすべきか問い 掛ける。 ・理由イについて気付いたことを尋ね、待ち針を留め る「順番」「位置」「向き」についての言葉を引き 出す問い掛けや言葉掛けをする。 ・悪い例のように仕上げると、後にどのような影響が あるか問い掛け、留意点を実践することでどのよう な効果があるかやその後の作業との関連性に気付く ことができるようにする。 ・生徒Aの発言や指さしにより、「縫い始めと縫い終 わりの高さ」(理由ア)、「角の部分」(理由イ)の点 に気付いているかを判断する。 ・理由アについて気付いたことを尋ね、「ファスナー の金具の下(又は縫い目部分)」「印を描く」と同 等の言葉を引き出す問い掛けや言葉掛けをする。 ・理由イについて気付いたことを尋ね、待ち針を留め る「針を刺したまま」と同等の言葉を引き出す問い 掛けや言葉掛けをする。 ・前時に見付けた工程3の留意点について発問する。 必要に応じて、手順カードに貼付した付箋紙を確認 するよう促す。 ・前時に見付けた留意点や仕上がりから、縫っている 途中に課題があることが理解できるよう話をする。 ・作業の終了をチェックすることについて、必ずしも 細工程ごとでなくてもよいが、どの細工程でチェッ クをするか自分で判断するように促す。 ・各工程が全て終了したら、自分の取組について自己 評価を行い、報告するよう指導する。 ・自己評価の際に判断しやすいように、記入用紙に観 点及び段階を示しておく。また、良い例の実物と比 較するよう促す。 ⑫ ⑬ ⑭ 10分 8 まとめ、振り返りをする。 ・本時の活動で分かったことやできた ことを確認し、活動を振り返る。 【個別指導】 ・今日の目標が達成できたかについては、工程4及び 5のポイントを見付けられたか、工程3の仕上がり を良くする方法を考えることができたか、見付けた ⑥ ⑭ 【悪い例の理由】 ア:縫い始めと縫い終わりの位置の高さが異なる。 イ:縫い目の角の部分が、チャコの線のとおりに縫われて いない。 【留意点】 ・細工程①前:縫い始めと縫い終わりの位置(ファスナー の金具の下又は縫い目部分)に印を描く。 ・細工程④⑥:角は、針を刺したまま向きを変える。
◯ 今日の目標が達成できたかどうか 確認すること ○ 自分で留意点を見付けて作業した ことが、良い仕上がりにつながった ということが分かること ・次時の活動について知る。 ○ 次時の活動について分かること ポイントを実践できたかの3点について考えること ができるよう、提示用ホワイトボードに示して言葉 掛けを行う。 ・良い状態や悪い例の理由を確認し、悪い例のように ならないための留意点に気付けたことを称賛する。 気付いたことを実践できたことにより、仕上がりが 良くなり、書き留めたことにより、今後も同様に作 業できることを確認し、活動を価値付ける。 ・次時の活動について問い掛け、活動計画表を確認す るよう促す。 ・本時に取り組んだ内容についても併せて取り組むこ とを伝える。 ⑤ (5)評価 本時の目標 評価基準 評価 備考 ○ 工程4、5について、動 画を視聴することにより、 良い状態に仕上げるための 留意点を見付け、付箋紙に 書いて手順カードに貼付す ることができる。 ◎:動画を視聴することにより、留意点を言語化して付箋紙に 書いて手順カードに貼付することができた。 ○:動画を視聴することにより、教師の支援によって留意点を 言語化し、付箋紙に書いて手順カードに貼付することがで きた。 △:留意点を言語化することが難しかった。 ○ 工程4、5の留意点を実 践しなかった場合、後の工 程や製品の完成にどのよう な影響があるかに気付くこ とができる。 ◎:後にどのような影響があるかの問い掛けに対して、答える ことができた。 ○:後にどのような影響があるかの問い掛けに対して、教師に よる手掛かりや促しを基に、答えることができた。 △:後にどのような影響があるかの問い掛けに対して、答える ことが難しかった。 ○ 工程3について、教師の 助言を基に良い状態に仕上 げる方法を考え、実践でき る。 ◎:教師の助言を基に良い状態に仕上げる方法を考えて実践で きた。 ○:縫っている途中に課題があることが理解できた。 △:縫っている途中に課題があることを、理解することが難し かった。 ○ 工程2、3、4、5につ いて、留意点を守って作業 に取り組むことができる。 ◎:手順カードを参考に、常に留意点を守って作業できた。 ◯:手順カードを参考に、留意点を守って作業できるときとで きないときがあった。 △:留意点を守って作業することが難しかった。 (6)配置図(個別指導)