山梨大学教育人間科学部における教育相談事業の展望 利用統計を見る
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(2) 表1. 曜. 日. 教育相談室の使用. 午. 前. 午. 後. 月曜日. 学部相談員. 学部相談員. 火曜日. 学部相談員. 非常勤相談員. 水曜日. 学部相談員. (学部相談員). 木曜日. 学部相談員. 非常勤相談員. 金曜日. 学部相談員. 附属養護学校. 2. 相談件数の状況. 「 教 師 の た め の 教 育 相 談 」の相談件数について、2002年度から2005年度までの状況 を図1に示した。総相談延べ件数では2002年度が14件、2003年度が45件、2004年度は84件、 2005年度は119件と年々増えている。2004年度は月平均4件ほどの相談が寄せられていたが、 2005年度は10件ほどになった。 なお、今年度(2006年度)8月末現在 、「教師のための教育相談」が24件、附属学校へ の教育相談が51件、附属養護学校「相談支援室」の相談が21件であった。このうち、教育 相談室を使用したものは31件であった。. 4~9月. 総件数. 2003年. 2004年. 140 120. (件). 100 80 60 40 20 0 2002年. 2005年. 図1 相談総延べ件数. 3.教育相談の内容. 図2に2005年度の相談内容について示した。なお、相談内容の内訳は、教科内容や指導 方法に関する「指導方法」、評価に関する「評価方法 」、情報教育関連の「情報教育」、不 登校など不適応状態の子どもなどの「不登校等 」、注意欠陥/多動性障害(ADHD)などの. - 128 -.
(3) 「発達障害 」、授業研究や事例研究などの「研究指導 」、職場の人間関係などの悩みであ る「職場不適応」、大学院や内地留学などの「進学他」、校内研修などの講師に関する「研 修相談」等である。「その他」の中には、保護者対応、児童、生徒の行動問題(暴力等)、 学校の支援体制整備への助言などが含まれる。毎年、多様な相談が寄せられている。その 中でも指導方法、発達障害、研究指導、研修相談に関するものが多い傾向があった。. (件) 0. 10. 20. 30. 40. 指導方法 評価方法 情報教育 不登校等 発達障害 研究指導 職場不適応 進学他 研修相談 その他 図2 相談内容(2005年度) 4.相談者の地域. 図3に2005年度の相談者の所属地域を示した。相談者のほとんどは県内の教員であった が、全国各地から相談が寄せられている。 *県外の内訳:神奈川県(5)、東京都(3)、長野県(2)、富山県、兵庫県、秋田県、石川県. 神奈川 東京 山梨. 長野 兵庫 秋田 金沢 富山. 図3 相談者の地域(2005年度) - 129 -.
(4) なお、「教師のための教育相談」は、教師が相談しやすいように、電話、Fax、メール、 面接等多様な連絡方法を設けている。現在のところ、教育相談室を使用した教師からの相 談は少ないが、独立した面接の場が確保された点は大きい。周知を図るため、図4のよう な相談室リーフレットを県内の学校に配布した。. 図4. 教育相談室のリーフレット. Ⅲ.教育相談事業の新たな展開に向けて. 1.教育相談室の充実と発展. 教育相談事業の充実を目指して2005年3月に教育相談室が総合研究棟Y304室に開設され た意義は大きい。現在、2006年度から5年間の「山梨大学地域社会連携融合プロジェクト」 により教育相談事業を拡充しているところである。具体的には、附属養護学校の「相談支 援室」との連携を強化すること、将来的に山梨大学医学部、山梨県教育委員会等地域の関 連機関等との連携も考えられる。これらにより、学校現場に対して支援できる相談事業の 領域が一層拡大することが期待できる。. - 130 -.
(5) 教育相談室の新しいリーフレット(図4)は、従来のパンフレットよりコンパクトにし、 見やすさを心がけた。山梨県内の学校、幼稚園等も含めた教育機関に配布した他、附属養 護学校や教育実践総合センター主催の各種研修会でも配布した。今後も山梨大学の教育相 談事業について周知を図りたい。. 2.教育相談室連絡協議会の充実. 大学の相談員3名と附属養護学校「相談支援室」担当教諭1名から成る教育相談室連絡協 議会を設け、2006年4月18日、5月23日、7月18日、9月11日に開催した。大学のメンバーは 以前から「附属学校園のためのカウンセラーチーム」として活動していた教員3名である。 今後、教育相談の充実のためには、構成員の拡充についても検討することが必要であろう。. 3.附属養護学校との連携. 「山梨大学地域社会連携融合プロジェクト」の事業名は「教育相談事業―学内相談事業 のコラボレーション」である。附属養護学校とは教育相談だけでなく、それぞれの行った 以下の公開研修会においても連携を図った。 ・2006年8月 2日:特別支援教育研修会「自閉症の関わりと支援の手だて」 香川大学教育学部. 坂井聡氏(附属養護学校主催、大学共催). ・2006年8月18日:特別支援教育基礎研修「発達障害を認知科学的に理解するために」 山梨大学医学部. 相原正男氏(大学主催・附属養護学校共催) *前者の研修会に137名、後者には111名が参加した。. 4.学内教育相談協議会の開催. 資料1のように、2001年度の相談事業の開始にあたり、報告資料の活用について教員や 学生の研究に資することや事例研究会の開催等の案が出されていた。そこで、第1回目の 学内教育相談協議会を2005年度末2月22日(水)に開催し、「教育相談事業運用上の内規 (資料2 )」及び「教育相談室」について協議を行った。今後、この学内教育相談協議会 について継続、充実が望まれる。. - 131 -.
(6) 資料1. 教員に関する相談事業(2001年度). ◎ 目的 教育現場が抱える問題に対して山梨大学の頭脳が直接支援すると共に今後の教員養成に対する参考 資料とする。また地域の国立大学として県民の期待・要請に応える。. ◎ 対象 主として教育上の課題・悩み、人間関係等で生じたストレス等を持つ教員からの相談を受け付ける。 特に教員として経験の浅く教科指導上の悩み、生徒指導上の悩み、教員相互の人間関係等に起因する 悩み等を抱えがちな採用二年目教員の相談には積極的に対応する。. ◎ キャッチコピー 「あなたの教育上の悩みの解消に梨大が応援します!」. ◎ 対応 次の二通りで対応する。 ① 附属教育実践総合センター臨床教育研究部門担当が毎週午後1時から4時の間電話で受け付 け、相談内容を聞いて専門教官を紹介する。該当教官には別紙により通知する。 ② 直接教官に相談する。あらかじめ本事業に賛同した「相談対応教官一覧」により相談者から、 対応できる曜日・時間帯に直接電話相談、展開によっては直接対面対応。. ◎ 相談内容の記録 相談教官個人の研究に資する場合の書式は問わないが、個人情報保護の視点から取り扱いは厳重注 意とする。 教育実践総合センターへの報告は別紙において所定の時期( 前期及び後期に各1回程度)に報告する。. ◎ 資料の有効活用 報告は教育実践総合センターで保管し、必要に応じて各教官の研究や学生の研究に資するものとす る。 また、教育実践総合センター主催の事例研究会を年1回程度開催することを今後検討する。. (2001年度に学内教員に配布した資料より抜粋). - 132 -.
(7) 資料2. 「教育相談事業運用上の内規(留意事項)についての案」 (2001年度客員教授手塚氏による案). ○. 教育相談事業の担当:あらかじめ登録された「相談スタッフ」のみが携わる。. ○. 教育相談業務の費用:無料とする。. ○. 守秘義務:相談者のプライバシーを保護する。以下の場合を除き、相談者の秘密を厳 守する。ただし、相談者の同意がある場合はこの限りではない。 ①相談者が特定できない形で記録、研究、保存され、相応な場、機会に報告・発 表する場合、 ②法に従って証言の義務が課せられる場合、③相談者や他者に重 大な危険が及ぶと判断された場合. ○. 相談内容の範囲:心理的・教育的なものを主とし、医療に関わるものは除く。. ○. 責任の所在:相談は相談者自身の意志と責任において行われていること、最終的な決 定とそれに伴う責任も相談者自身に帰すること、相談の継続の有無も相談者の意 志にあることを確認する。ただし、相談者の重大な約束違反や相談スタッフに多 大な迷惑をかけるなどにより継続が困難な場合には相談を打ち切ることができ る。. ○. 相談記録(報告 ):教育実践総合センターが保管し、相談記録は相談者本人であって も開示しない。. ○. 問題が生じた時の対応:教育実践総合センターに報告する。重大と思われるものは文 書報告とする。. 引用・参考文献. 1) 山梨大学(2002).教育人間科学部附属教育実践総合センターニュース,10,P1~3. 2) 山梨大学(2003).教育人間科学部附属教育実践総合センターニュース,11,P1~4. 3) 山梨大学(2004).教育人間科学部附属教育実践総合センターニュース,11,P10. 4) 山梨大学(2005).教育人間科学部附属教育実践総合センターニュース,12,P10. 5) 鳥海順子(2005).「教師のための教育相談」の現状と課題,山梨大学教育人間科学紀要, Vol .6,No.2,P246~251. 6) 山梨大学(2005),平成15/16年度地域貢献特別支援事業費実施報告書,P17~18. 7) 鳥海順子(2006).「教師のための教育相談」の現状と課題Ⅱ,山梨大学教育人間科学紀 要,Vol .7,No.2,P211~217.. - 133 -.
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