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他者意識に対する非対面型コミュニケーションの影響

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Academic year: 2021

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他 者 意 識 に対 す る非 対 面 型 コ ミュニ ケ ー シ ョ ンの影 響

Effects

of computer-mediated

communications

on consciousness

of others

野中

壽子

Hisako

Nonaka

要 旨  本 研 究 で は、携 帯 メー ルや イ ン タ ー ネ ッ トに よ る非 対 面 型 コ ミュニ ケ ー シ ョンへ の 意 識 や 依 存 度 が 、 他 者 へ の 関 心 や 他 者 に 対 す る行 動 に どの よ う に影 響 を与 え る の か につ い て検 討 した 。 大 学 生739名 を対 象 に、 携 帯 メー ルや イ ン ター ネ ッ ト利用 実態 とそれ らに対 す る 意 識 、他 者 へ の 関 心 や他 者 に対 す る行 動 につ い て質 問紙 に よ る意 識 調 査 を行 っ た とこ ろ、 メー ル依 存 の場 合 は他 者 に対 す る 関心 も高 く行 動 に つ い て も社 会 的 に容 認 さ れ る行 動 を とる傾 向が み られ た の に対 し、 匿 名 性 を志 向 して い る場 合 に は そ の傾 向 はみ られ な か っ た。 キ ー ワ ー ド:他 者 意識  非対 面 型 コ ミュニ ケ ー シ ョ ン 行 動 様 式 1は じ め に 現 代 社 会 は、好 き な時 に地 域 規 模 の 情 報 が 得 られ る よ う に な り、 情 報 の取 得 に 関 して い え ば 時 間 や物 理 的 距 離 の 問題 が 一 挙 に解 決 した。 情 報 のや り取 りにつ い て世 界 は ます ます 縮 ま りつ つ あ る一 方 で 、 す ぐ近 くの 人 とで も携 帯 メ ー ルで や り取 りす る よ うな 「対 面 し ない コ ミ ュニ ケ ー シ ョ ノ ン」の行 動 様 式 が特 に若 年 層 の 間 で 定 着 しつ つ あ る。 実 際 に相 手 と対 面 して コ ミ ュニ ケ ー シ ョ ンを取 る場 合 は、 相 手 の表 情 や動 作 、 声 の調 子 等 、微 妙 な非 言 語 的 手 が か りとす る こ とが で き、 そ れ らを迅 速 に読 み取 り、 社 会 に あ る文 化 規 範 や規 制 と照 ら し合 わ せ て 対 応 す る こ とが 必 要 とな っ て くる。 携 帯 メ ー ル や イ ンタ ー ネ ッ トに よ る コ ミュ ニ ケ ー ショ ン にお い て は、 非 謡 的 手 力・か りは希 薄 、 あ る い は存 在 しない た め、 対面型 コ ミュ ニ ケ ー シ ョンで培 わ れ る はず の 他 者 の様 子 や 行 動 の持 つ 意 味 を読 み取 っ て 自分 の行 動 様 式 に 反 映 さ せ て い くとい う、社 会 的 ス キ ル の獲 得 に も影 響 を与 え る と考 え られ る。 本研 究 で は、携 帯 メー ルや イ ン タ ー ネ ッ トに よ る非 対 面 型 コ ミュ ニ ケ ー シ ョ ンが、 他 者 へ の 関 心 や他 者 に対 す る行 動 に どの よ う に影 響 を与 え る のか につ い て検 討 した。

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2方 法 対 象:東 海 地 方 の9大 学 の 大 学 生739名(男 性334名 、 女 性405名:平 均 年 齢19.2±1.1歳)。 対 象 者 の所 属 学 部 は 表1に 示 した 。 表1対 象 者 の性 別 ・所 属 学 部 別 人 数 割合 調 査 内容:質 問 紙 に よ る携 帯 メ ー ル や イ ン タ ー ネ ッ ト利 用 の 実 態 調 査 とそ れ らに対 す る意 識 調 査 、他 者 へ の 関心 や他 者 に対 す る行 動 の 意 識 調 査 を行 な った 。 質 問 紙 は、フ ェ イ ス シ ー ト、 ネ ッ ト接 触 頻 度 に 関す る質 問項 目お よ び普 段 の 考 え 方 を 問 う下 記 の尺 度項 目に よ り構 成 され る。 (a)イ ン タ ー ネ ッ ト意識(12項 目):内 閣府 が2007年 に 実 施 した 「第5回 情 報 化 社 会 と青 少 年 に 関 す る調 査 」の 資 料 を参 考 に作 成 した 。 (b)他 者 へ の 関心(13項 目):辻(1993)の 他 者 意 識 尺 度 の う ち 内 的他 者 意 識6項 目、外 的 他 者 意 識4項 目、 空想 的他 者 意 識3項 目を用 い た。 (c)日 常 生 活 の他 者 に 対 す る 行 動 様 式(5項 目)' 質 問項 目の配 列 は ラ ンダ ム に並 び変 え た。

集 計 と統 計 解 析 に はSPSS  for Windows  Ver,16を 用 い 、 ネ ッ ト意 識 の 因子 分 析 、 分 散 分析 を 行 っ た。 有 意 水 準 は5%と した。 3結 果 ① 余 暇 ・睡 眠 ・ネ ッ ト利 用 状 況 表2は 余 暇 時 問 ・睡 眠 時 間 ・メ ー ル 送信 数 ・情 報 サ ー ビス 利 用 時 間 ・家 族 と の会 話 時 間 につ い て、 性 別 、所 属 学 部 別 の平 均 値 と標 準偏 差 を示 した もの で あ る。 平 日 ・休 日の余 暇 時 間 と休 日の 睡 眠 時 間 、家 族 との 会 話 時 間 に 有 意 な 性 差 が み られ た 。 余 暇 時 間 に差 が み られ た の は、 余 暇 時 間

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の定 義 の曖 昧 さに よ り、 男 性 で ば らつ きが多 か った こ とが 影 響 して い る と考 え られ る。 家 族 と の 会 話 時 間 は 明 らか に女 性 の方 が多 く、 妥 当 な 結 果 で あ っ た。 所 属 学 部 別 で は 同様 に、 平 日 ・休 日の余 暇 時 間 に有 意 な差 が み られ た。 こ の結 果 は学 部 の特 性 を反 映 して い る と も考 え られ る が、 回答 者 の多 くが1年 生 で あ っ た こ とか ら、 専 門教 育 の 影 響 と い う よ り、 余 暇 時 間 の捉 え方 に よる誤 差 と考 え る こ とが 妥 当 と思 われ る。 携 帯 メ ー ル送 信 数 につ い て、 性 差 は み られ な か っ た の に対 し、 顕 著 な 学 部 差 が み られ た。 しか し、 理 系 学 部 ・文 系 学 部 で一 貫 性 は み られず 、 学 部 の どの よ うな特 性 が 影響 して い るの か は不 明 で あ っ た。 パ ソ コ ン メ ー ル は あ ま り用 いず 、 携 帯 メ ー ル を多 用 す る傾 向 は全 学 部 にあ て は ま り、 や は り1年 生 が 多 か っ た こ とに よ る と思 わ れ る。 家 族 との会 話 時 間 は、 平 均 値 に学 部 差 が み られ るが 、 標 準 偏 差 の 値 が 高 い、 す な わ ち個 人 差 が 大 きか っ た た め、 有 意 な差 とは な ら なか った 。 ② ネ ッ ト意 識 普 段 の考 え を 問 う30項 目の質 問項 目の うち、 イ ン ター ネ ッ トや携 帯 メー ル につ い て の 意 識 につ い て聞 い た12項 目につ い て 「非 常 に あ て は ま る」か ら 「全 くあ て は ま ら ない 」ま で の5段 階 を 「ネ ッ ト意 識 得 点 」 と して平 均 値 と標 準偏 差 を しめ した の が 表3で あ る。 なお 、 質 問紙 で は これ らの 質 問 項 目は 連 続 させ ず 、 ば らば ら に配 置 さ れ て い る。 有 意 差 が み られ た う ち、 「悩 み を 聞 い て も ら う人 が 身近 に い る 」得 点 が 最 も低 か っ た薬 学 で 「実 生 活 で仲 間 が 見 つ か らない 」得 点 が 最 も高 い 、 とい う こ と以 外 は、 学 部 の特 徴 を反 映 して い る とは 考 え に くい 。 ③ 他 者 に対 す る行 動 様 式 日常 生 活 に お け る他 者 に対 す る行 動 につ い て 表4に 示 した 。 「電 車 内 で 知 合 い と話 す 時 は声 の 大 きさ に注 意 す る」「エ レベ ー タで 扉 を押 さえ て も らっ た ら会釈 す る」「階段 で 後 ろか ら急 い で い る 人 が 来 る気 配 を感 じた ら脇 に よ け る」「傘 を さ しな が ら狭 い 道 で 人 とす れ 違 う時 、 至 近 距 離 で す れ 違 う気 まず さを軽 減 す る た め に傘 で 身 を 隠 す 」「電 車 で 人 が 来 た ら席 を つ め て ス ペ ー ス を あ け る」 の5項 目の う ち「電車 内 … 」を除 く4項 目に有 意 差 が み られ た 。 しか し、こ こで 注 目す べ きは、「傘 」 以 外 は、 マ ナ ー と して 社 会 的 に容 認 さ れ る行 動 様 式 が 明確 で あ る質 問項 目で あ り、 肯 定 的 な回 答 が 多 か った こ とで あ る。 実 際 の 行 動 が 回答 通 りで あ る か は と もか く、 本研 究 の対 象 者 らは 一 般 的 な規 範 意 識 は 高 い こ とが 窺 え る 。 一 方 「傘 」の 項 目は 、 良 否 の 判 断 が 難 しい 項 目 で あ る と思 わ れ るが 、 や や 否 定 的 な意 見 が 多 か っ た。

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表4所 属学部別にみた 日常生活 にお ける行動得点 の平均値 と標準偏差 ④ 他 者 意識 表5・ 表6・ 表7は 、他 者 意 識 尺 度 の 学 部 別 得 点 を示 した。 内 的 他 者 意 識 の3項 目と、 空 想 的 他 者 意 識 の3項 目に統 計 的 に は 有 意 差 が み られ たが 、 学 部 別 の特 色 を反 映 した もの と は考 え に く い 。 む しろ、 全 体 の平 均 は3点 近 辺 に 収 束 し、 標 準 偏 差 の 値 もそ れ ほ ど高 くない こ とか ら、 「ど ち ら と もい え な い」の を選 択 す る 傾 向 にあ る と い え る。 他 者 に対 して 全 く無 関 心 で あ っ た り、 他 者 を強 く意 識 して い る、 とい う極 端 な例 は少 な い こ とが 窺 え た。

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表5所 属 学部別にみた内的他者意識得点の平均値 と標準偏差

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表7所 属学部別 にみ た空想 的他者意識得点 の平均値 と標準偏差 ⑤ ネ ッ ト意 識 の 因子 分 析 ネ ッ ト意 識 に 関す る12項 目 の質 問 項 目 を用 い て 主 因子 法 に よ る 因子 分 析(プ ロマ ック ス 回 転) を行 っ た。各 項 目の うち 因子 負 荷 がα35に 満 た なか った2項 目を 削 除 した の ち 再 び 因 子分 析 を行 っ た 。 結 果 を表8に 示 す 。 表8ネ ッ ト意 識 尺 度 の 因子 分 析 結 果 第1因 子 は 「顔 は知 ら ない が イ ン ター ネ ッ トや 携 帯 メ ー ル で 連 絡 す る 友 人 が い る」な ど、 実 面 識 が な い 人 との コ ミュニ ケ ー シ ョ ンを志 向 して い る項 目が 高 い正 の負 荷 量 を示 した の で 「匿 名 性 」

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因 子 と した 。 第2因 子 は 「友 人 や 家 族 と話 す よ り もイ ン ター ネ ッ トを利 用 して い る方 が 楽 しい 」 な ど、 実 生 活 で の コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン よ りネ ッ トを好 む と して 「ネ ッ ト逃 避 」因 子 と した。 第3 因子 は 「す ぐ近 くに い る 友 人 と もメ ー ル で や り取 りす る」「メー ル の返 事 が す ぐに来 な い と不 安 に な る 」な ど、 「メー ル依 存 」因 子 と した 。 これ ら ネ ッ ト意 識 の 下 位 尺 度 得 点 で、 性 差 や所 属 学 部 に よる差 は み られ な か った 。 ⑥ ネ ッ ト意 識 と行 動 表9は 行 動 得 点 を ネ ッ ト意 識 の 各 因子 の 高群 と低 群 で 比 較 す る た めt検 定 を 行 った 結 果 を表 に ま とめた もの で あ る 。 匿 名 性 因 子 は 他 者 に対 す る行 動 との 関 連 はみ られず 、 メ ー ル依 存 因子 は全 て の行 動 に 関連 が み られ た。 ま た ネ ッ ト逃 避 因 子 も 「電 車 で声 の 大 き さ に注 意 す る」以 外 の 行 動 に 関連 が あ っ た 。 匿 名性 因 子 は 他 者 に対 す る 行 動 に影 響 して い ない こ とか ら、 逆 に他 者 に対 す る 無 関心 さ を 反 映 して い る と考 え られ る 。 ⑦ ネ ッ ト意 識 と 内 的他 者 意 識 表10は 内 的他 者 意 識 得 点 を ネ ッ ト意 識 の各 因 子 の高 群 と低 群 で 比 較 す る た めt検 定 を行 っ た 結 果 を表 に ま とめ た も の で あ る。 メー ル依 存 因子 の高 い と 「他 者 の態 度 や 表 情 に気 を つ け る」「人 の 気 持 ち を理解 す る よ う心 が けて い る」「人 の考 え を絶 え ず読 み取 ろ う とす る」の得 点 も高 く、 内 的 他 者 意 識 との 関 連 が 示 され た 。 これ らの 結 果 か ら、 メー ル依 存 型 は他 者 へ の 関心 が 高 く、社 会 的 に容 認 され や す い 行 動 様 式 を取 る傾 向 が み られ た 。

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4考 察 対 人 コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン に 関 わ る 諸 問題 につ い て 、 高 橋 は、 イ ン タ ー ネ ッ トや 携 帯 メ ー ル を 利 用 し た 非 対 面 型 コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン(CMC:Computer-Mediated  Communication)に お い て は 、 画 面 に表 示 され た文 章(テ キ ス ト)に よ っ て情 報 の 送 受 信 が 行 な わ れ 、 そ こ に は他 者 の様 子 を観 察 す る こ とで 得 られ る非 言 語 的手 が か り とい え る 「身体 言 語 」に 関 わ る情 報 は全 く存 在 せ ず 、 CMCは 対 面 型 コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョン と異 な る心 理 的特 性 を 有 す る こ とが 明 らか に さ れつ つ あ る こ とが 指 摘 され て きて い る。 今 回行 動 様 式 で取 り上 げ た 「傘 を さ しな が ら狭 い 道 で 人 とす れ 違 う時 至 近距 離 の 気 まず さ を軽 減 す る た め相 手側 に傘 を傾 け て 自分 を 隠 す 」とい う質 問 項 目 は、 越 川(2001)が 「江 戸 し ぐさ」 と して紹 介 して い る伝 統 的 な 日本 人 の 立 ち 居 振 る舞 い の動 作 の 「傘 か しげ 」を参 考 と した 。 江 戸 し ぐさ とは、 元 々江 戸 時代 の 将 軍家 御 用 達 商 人 た ちが 、 商 売 をす る上 で 支 障 を き た さ な い よ う、 人 間 関係 を 円滑 にす る た め の ノ ウハ ウ と して 培 って き た社 会 的 ス キ ル と さ れ、 単 に礼 儀 作 法 な どで は な く、 相 手 を尊 重 す る精神 が そ の 根 幹 に あ る とい われ る。 本 来 の傘 か しげ は相 手 に しず くが か か らな い よ うに外 側 す なわ ち相 手 と は反 対 側 に傘 を傾 け る も の で あ る。 今 回 の調 査 で は2割 が相 手 の方 に傘 を傾 け る とい う結 果 と な っ たが 、 こ れ は、Goffman(1980)の い う 「儀 礼 的 無 関心 」を 装 うた め に 、相 手 の視 線 を避 け る こ と を重 視 した上 で の行 動 で あ る とい え る。 人 と人 との コ ミュ ニ ケ ー シ ョ ンに お い て 、 身 振 り、 表 情 、 視 線 な どの ノ ンバ ーバ ル な情 報 は 、 実 際 に対 面 して さ ま ざ まな 文脈 にお い て や りと り して く中 で、 そ れ を読 解 す る 能力 が培 わ れ て い くもの で あ る が 、 対 面 しな い で 頻 繁 にや りと りす る若 年 層 に お い て は、 そ れ 以前 の世 代 とは 異 な っ た 能 力 を有 して い

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るの か も しれ な い。 ま た、 小 此 木(2000)は かつ て 、1対1の 二 者 関 係 を2.0の か か わ りと呼 び、1対1の 関係 とは 異 な る 次 元 の 人 間 関 係 で あ る 三 者 関 係 を3.0の か か わ り と呼 ん だ 。 三 者 関 係 を 円滑 に発 展 させ る た め に は、 二 者 関 係 と は型 の違 う適 応 能 力 が 必 要 で あ り、 よ り社 会 性 の 高 い 集 団 心理 の 原 型 で も あ る こ とか ら、社 会 的 ス キ ル の 向上 の た め に必 須 の人 間 関係 で あ っ た 。 しか し、 現代 社 会 に お い て は 、1.0の 人 間 と、 テ レ ビゲ ー ム に代 表 され る よ うな0.5の対 象 との 関係 を指 す 「1.5のか か わ り」 が 、 現 在 の コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ンの あ り方 に大 きな 影 響 を 及 ぼ して い る こ と も指摘 して い る。15 の か か わ りが 日常 化 す る につ れ 、伝 統 的 な規 範 や 道 徳 に よ る3.0の世 界 の秩 序 が 力 を失 い、2.0、 す な わ ち1対1の 人 と人 との 関係 で す ら ます ます 希 薄 に な っ て い る と い う。1.5の か か わ りを持 つ こ と に よ っ て 、 人 々 は1.0の本 当 の孤 独 に直 面 しな い で 済 む よ う に な っ た 半 面 、2.0や そ れ以 上 の対 人 関係 を 持 ち た い と思 う、 人 に対 す る ニ ー ズ を あ ま り抱 か な くな っ た。1.5の 関 わ りに留 ま る とい う こ とは 、 よ り大 きな 集 団 に も適応 可 能 な社 会 的 ス キ ル を構 築 す る機 会 を得 られ な い こ と につ なが る。 冒頭 に も述 べ た よ う に、 若 年 層 で は す ぐ近 くの 人 とで も携 帯 メ ー ル で や り取 りす る よ う な 「対 面 しな い コ ミュ ニ ケ ー シ ョ ン」が 当 た り前 に な り、 本 来2.0のか か わ りで あ る は ず の 関係 まで も1.5 の か か わ りに変 容 させ て い る 。 現 代 は、 「ケ ー タ イ ・イ ン タ ー ネ ッ ト」上 で構 築 さ れ た 人 間 関 係 が 現 実 社 会 で の適 応 に結 びつ くか ど うか、 十 分 な知 見 を得 て い ない ま ま、 情 報 通 信 ツー ル だ けが 発 達 して きて しま つ た とい え る。 しか し、 非 言 語 的情 報 の処 理 能力 、 す なわ ち、 微 妙 な非 言 語 的 手 が か りを迅 速 に読 み 取 り、 社 会 に あ る文 化 規 範 や 規 制 と照 ら し合 わ せ て 臨 機 応 変 に行 動 す る よ う な コ ミュニ ケ ー シ ョ ン能 力 は、 人 と人 が 実 際 に対 面 してや り と りす る中 で しか培 わ れ ない は ず で あ る。 今 後 、 対 面 しない コ ミュニ ケー シ ョ ンのみ で事 足 りる よ うに な っ た ら、他 者 の様 子 や 行 動 を読 み 取 る とい う社 会 的 ス キル 獲 得 の 機 会 を完 全 に逸 して しま う よ うに な る こ とを危 惧 す る 。 ※本研 究は平成20年度文部科学省科学研 究補助費(萌 芽研 究:課 題番号19650163)の 補助 を受 けた。

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参 考 文 献 [1]小 此 本 啓 吾 、 『「ケ ー タ イ ・ネ ッ ト人 間 」の 精 神 分 析 』、 飛 鳥 新 社 、 東 京 、2000年. [2]辻 平 治 郎 、 『自 己 意 識 と他 者 意 識 』、 北 大 路 書 房 、 京 都 、1993年. [3]Bull  P.著 、 市 河 淳 章 、 高 橋 超 編 訳 『姿 勢 と し ぐ さ の 心 理 学 』、 北 大 路 書 房 、 京 都 、2001年 、 [4]越 川 禮 子 、 『商 人 道 「江 戸 し ぐ さ 」の 知 恵 袋 』、 講 談 社+α 新 書 、 講 談 社 、 東 京 、2001年 、 [5]大 坊 郁 夫 、 『し ぐ さ の コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン 』、 サ イ エ ン ス 社 、 東 京1998年. [6]Goffman E著 、 丸 木 恵 祐 、 本 名 信 行 訳 、 『集 ま り の 構 造 』、 誠 信 書 房、 東 京 、1980年. [7]川 上 義 郎 編 著 、 『晴 報 行 動 の 社 会 心 理 学 』、 北 大 路 書 房 、 京 都 、2001年. [8]酒 井 朗 、 子 ど も の ケ ー タ イ 、 ネ ッ トの 利 用 状 況 、 児 童 心 理 、No.885、pp20-28、 金 子 書 房 、2008年. [9]NTTア ド編 、 『ネ ッ ト&ケ ー タ イ 人 類 白 書 「多 感 階 級 」の 誕 生 』、NTT出 版 、 京 都 、2000年

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