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16.家族性大腸腺腫症に合併した上部消化管癌の2例 萩原 ,小野里康博,飯塚 春尚 蘇原 直人,石原 弘(しらかわ診療所 群馬消化器内視鏡医療センター) 柿崎 暁 (群馬大医・附属病院・肝臓・代謝内科) 小川 哲 ,富澤 直樹(前橋赤十字病院 消化器病センター 外科) 伊藤 秀明 (同 病理部) 【はじめに】 家族性大腸腺腫症に合併する十二指腸癌は 十二指腸乳頭部に多く, 胃幽門部に胃腺腫を合併する頻 度は約 10%と言われているが, 癌化する危険性は低いと されている. 今回我々は, 家族性大腸腺腫症に十二指腸 球部の早期十二指腸癌および多発早期胃癌を合併し, い ずれも内視鏡治療し得た症例を 2例経験したので, 若干 の文献的 察も加え報告する. 【症例1】 69 歳女性 [現病歴]41歳時, 家族性大腸腺腫症にて大腸全摘を 行った. 61歳時, 胃腺腫に対し EMR 施行された. 64歳 時, 委縮性胃炎を認めヘリコバクター・ピロリ菌を除菌. 69 歳時, 近医で多発胃腺腫を指摘され当院紹介となっ た.[家族歴]母 52歳時,大腸癌で死亡.姉 33歳時,大腸 癌で死亡. 母方兄弟の 3人が大腸癌で死亡.[経過]当院 での上部内視鏡検査にて体中部小弯にⅡa様の小隆起が 多発し, 表面構造の軽度不整を認めたが, 異常血管は目 立たず生検は中等度異型を伴う管状腺腫 GroupⅢであ り, 経過観察することとした. 一方, 同時に十二指腸球部 前壁に褪色調の小陥凹性病変を認め, NBI 拡大観察では, 口径不同で樹枝状に枝 かれした異常血管が明瞭に観察 され, 腫瘍性病変を疑い生検を施行したが, GroupⅢ atypical gland ( 枝を伴う異型腺管で核異型を認める) であった. 家族性大腸腺腫症は十二指腸にも腺腫や腺癌 の発生が多いことが知られ, 生命予後に影響すると言わ れるため, 内視鏡的切除の方針とし EMR-C を施行した. 病理結果は高 化腺癌, 粘膜癌, 脈管侵襲なし, 完全切除 であり治癒切除と診断した. 【症例2】 62歳女性 [現 病歴]43歳時,直腸癌,家族性大腸腺腫症にて大腸全摘を 行った. 62歳時, 前 部のビランの生検にて GroupⅢで あり当院紹介となった.[家族歴]母 46歳時,死亡 (詳細 不明). 母方の従兄 大腸癌で死亡. 子 10歳時, 癌死 (詳 細不明)[経過]当院の上部消化管内視鏡検査にて前 部 にタコイボビラン様の所見が多発しており, 2か所より Group Ⅲ atypical gland を認めたが明らかな癌とは言え ず経過観察となった. 半年後の再検にて前 部大弯のⅡ a+Ⅱc病変より Group Ⅳ adenocarcinoma suspected に て ESD を行った. 同時に幽門前壁のⅡaも ESD を施行した. 病理結果は両病変とも高 化腺癌, 粘膜癌, 脈管侵 襲なし, 完全切除であり治癒切除と診断した. に 3ヶ月 後に前 部後壁, 前 部小弯前壁の 2か所のⅡa+Ⅱc病 変の ESD を行った. こちらも病理結果は両病変とも高 化腺癌, 粘膜癌, 脈管侵襲なし, 完全切除であり, 治癒 切除と診断した. 【おわりに】 家族性大腸腺腫症に十 二指腸球部の早期十二指腸癌および多発早期胃癌を合併 し, いずれも内視鏡治療し得た症例を 2例経験した. 同 疾患に対しては上部消化管癌の合併にも十 に留意する 必要があると えられた. 17.胃原発腺扁平上皮癌の1例 山田 達也,坂元 一郎,大木 孝 中村 正治(国立病院機構 高崎 合医療センター 外科) 【患 者】 80歳, 女性. 【主 訴】 労作時息切れ, 心窩 部痛. 【既往歴】 28年前 (52歳) より, 再生不良性 血 で, 蛋白同化ステロイドの投与を受けていた. 【現病歴】 平成 20年 10月, 労作時息切れ, 心窩部痛があり, 再生不 良性 血で治療を受けていた当院内科に入院, 小球性の 血の進行を指摘された. 消化管の精査の結果, 多発ポ リープを併存した, 前 部から体下部の進行胃癌と診断 された. 腫瘍部の生検では, 中 化腺癌の所見であった. 同年 11月上旬, 幽門側胃切除, D2郭清術を施行した. 病 理所見は,腺扁平上皮癌で,pT3(SE),pN0,H0,P0,CY0, M0, fStage であった. 胃内の多発ポリープの病理所見 は, 過形成性ポリープであった. 術後は, 血の改善に加 え, 因果関係は明らかでないが, 血小板数の改善も認め られた. 再生不良性 血による汎血球減少のため, 術後 補助化学療法は施行できなかった. 術後 1年を経過した 現在, 無再発で生存している. 【 察】 胃原発の腺扁 平上皮癌は比較的まれで, その頻度は 1%未満とされて いる. 今回, 再生不良性 血に併発し, 切除後に 血の改 善に加え, 血小板数の改善をみたまれな 1例を経験した ので報告する. 18.内視鏡センターの現状 和田 正浩 (高崎PET 合画像診断センター 内視鏡部) 藤田 欣一,新井 昌明,真木 武志 (真木病院 外科) 当内視鏡センターでは 2006年 5月の開院以来, 31000 件以上 (上部 ; 約 26500件, 下部 ; 約 4500件) の消化管 内視鏡を施行した. 治療内視鏡は, 大腸 EMR・PPを約 1100件, ESD を 180件 (胃 ; 115件, 大腸 ; 60件, 食道 ; 3件, 十二指腸 ; 2件), また, ダブルバルーン内視鏡 (DBE) を 69 件施行した. 内視鏡センターの現状を報告 282 第 28回群馬消化器病研究会