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犬の姉動脈狭窄症に対する開心下での右室流出路拡大形成術に関する研究

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Academic year: 2021

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Title

犬の姉動脈狭窄症に対する開心下での右室流出路拡大形成

術に関する研究( 内容の要旨 )

Author(s)

松本, 英樹

Report No.(Doctoral

Degree)

博士(獣医学) 乙第058号

Issue Date

2003-03-13

Type

博士論文

Version

URL

http://hdl.handle.net/20.500.12099/2042

※この資料の著作権は、各資料の著者・学協会・出版社等に帰属します。

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氏名(本籍) 学 位 の 種 類 学 位 記 番 号 学位授与年月日 学位授与の要件 学位論文題目 審 査 委 員 松 本 英 樹(北海道)◆ 博士(獣医) 獣医博乙第58号 平成15年3月13日 学位規則第4条第2項該当 犬の肺動脈狭窄症に対する関心下での右室流出路拡大形成 術に関する研究 主査 東京農工大学 副査 帯広畜産大学 副査 岩 手 大 学 副査 東京農工大学 副査 岐 阜 大 学 久 夫 助一明 義 明 幸 栄忠 根 田 田 江 藤 久 山 山 岡 小 工 授 授 授 授 授 教教教 教 教 論 文 の 内 容 の 要 旨 肺動脈狭窄症(PS)は、犬において先天性心臓血管疾患の中でも動脈管開存症、大動 脈狭窄症に次いで多く報告されている疾患である。本疾患の治療としては、生体侵襲が少 ない方法として経皮的バルーン拡大術が知.られているが、十分な効果が得られない場合が あること、施行後に再・狭窄を起こす頻度が多く、時には危険を伴うことがあり、治療法と して確実な方法とは言いがたい。人医領域では、冠動脈走行異常などにより右室流出路切 開が行えない場合以外は、関心下無血視野での弁形成術、パッチグラフトによる右室流出

路拡大形成術が一般的である。しかし、小動物臨床飯域におい七は、未だ人工心肺などを

使用する体外循環法が一般的でないため一部の施設での報告しかみられず、ましてやバッ チグラフトの素材を言及するような研究はみられない。本研究では、犬におけるPSの外 科的治凛法の一つである開心下でのパ・ツチグラフトを用し)ての右主流出路拡大形成術につ いて、より安全で確実な術式の確立を行った。また、親水性の架橋剤であるエポキシ化合 物のDenacoIEX-313液にて処理してまた抗血栓性を賦与したウシ頸静脈片(Denacol グラフト)と、⊥般的な人工材料について急性期の病態が残る移植後2週間での比較検討 と、移植後1カ月から12カ月以上におよぶ長期間移植による比較検討を行った。また、 それらの結果を踏まえて臨床応用したところ、良好な成績を得た。 Ⅰ章では、緒論として犬における循環器疾患、特に先天性の心臓血管疾患の発生頻度と その臨床的な位置付けを文献的に検討した。特にPSについては、現在まで行われてきた 治療法やその間題点を検証し、重要な問題であるパッチグラフトの素材については、過去 から現在までの変遷と、各素材の問題点を検討した。 Ⅱ章では、犬におけるPSのモデルを想定し、健常犬22頭を供試して,、・人工心肺を用 いた体外循環下でパッチグラフトを使用しての右室流出路拡大形成術の術式の確立を試み

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た。特に、犬におけるPSにおける体外循環法の細かな注意点を検討した。本術式で実施 された全頭で2週間以上経過後、重大な臨床的な異常は認あられなかった。 Ⅲ章では、パッチグラフトとしてDenacolグラフトを使用した群(Denacol群)と人 工材料のテフロンを伸展処理したexpandedpolytetrafluoroethylene(EfyTFE)を使用 した群(EPTFE群)の2種類の材料を使用して、実験的に人工心肺使用によ卑体外循環 法により開心下で右室流出路拡大形成術を実施した。移植術中のグラフトの取り扱い性は、 DenacolグラフトではEFⅣEに比較してトリミングしやすく、グラフト辺縁のほつれが 全くなく、縫合針の貴通時の抵抗が少ないなど操作性に優れていた。また移植後2週間で 両グラフトを比較検討したところ、Denacol群ではEFrFE群に比較してグラフトの短縮 および肥厚が有意に少なかった。具体的にはパッチグラフトの心内腔面から確認できる最 大開口横幅が、Denacdl群ではEFrFE群に比較して有意に広く、またグラフト中央部切 断厚がDenacol群ではEFTFE群に比較して有意に薄い結果であった。組織学的には、 Denacol群ではグラフト内部への細胞浸潤が多く観察されたのに対して、EPTFE群では グラフトの周囲を取り囲むように細胞成分の少ない厚い膠原線維層がみられる傾向にあっ \\た。以上のように、狭窄解除を目的とする拡大形成術においては、グラフトの短縮、肥厚 という術後再狭窄が危倶される結果がEmE群でみらゎたことからも、Denacolグラフ トのEmEグラフトに対する優位性が示唆された。 Ⅳ章では、パッチグラフトとしてDenacolグラフトを使用した群(Denacol群)と代 表的な人工材料であるポリエステル繊維を特殊加工して作製した超極細ポリエステル繊維 (ultrafinepolyesterfiber,UFPF)を使用した群(UFPF群)について、.最長で1年以 上におよぶ長期的観察を行った。移植術中のグラフトの取り扱い性は、UFPFグラフトで J手前章のEFrFEグラフトより柔軟性、伸展性に優れていたが、Denacol群グラフトの方が 操作性に優れていた。また、移植後のグラフトの短縮は両群間で著しい差は認められなか ったが、グラフトの肥厚はほぼ全期間を通してUFPF群でDenacol群に比較して強く認 められる傾向にあった。組織学的には、グラフト周囲の新生組織層はUFPF群でDenacol 群に比較して全移植期間を通して厚く観察された。グラフト内部への細胞浸潤は、前章と 同様にDenacol群で多く琴められ、.移植期間が長くなるに従いDenacol群のグラフトの 基本骨格である中膜弾性板を残してグラフトは徐々に吸収され、宿主組織に同化されてい くように観察された。それに対してUFPF群では、.短期間移植のEPTFE群グラフト同様 に、グラフトの周囲は細胞成分の少ない厚い膠原線維層で被われていた。移植後6カ月以 上のDenacolグラフトの一部で軽度な軟骨化生が確認されたが、血行動態的および形態 的に大きな異常は認められなかった。今後はこの点についてはさらに長期的、かつ各方面 からの詳細な検討が必要であると思われた。 Ⅴ章では、犬のPSの臨床例に対して、Ⅳ章までの実験でその有用性が確認された Denacolグラフトを/iッチグラフトとして使用した。その結果、3例の体重3kg前後の小 型犬に対して、安全に体外循環が実施でき、関心下でPSの程度を正確に把握した上で、

弁形成術および適切に右筆流出路拡大形成術が実施できた。移植術中のパッチグラフトの

操作性も良好であり、術後の抗血栓治療の必要もなく良好に経過した。 本研究により、犬におけるPSに対する人工心肺使用による体外循環下、開心術で行う 右室流出路拡大形成術がはぼ確立され、また生体組織を材料とするDenacolグラフトは

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EFWE,UFPFなどの人工材料と比較して、有用な/iッチグラフトであることが示唆され た。 審 査 結 果 の 犬の肺動脈狭窄症(PS)の外科的治療において、人医領域と同様に冠動脈走 行異常などにより右室流出路切開が行えない場合以外は、関心下無血視野での 弁形成術とパッチグラフトによる右室流出路拡大形成術が理想的である。しか

し、小動物臨床額域においては未だ人工心肺などを使用する体外循環法が一般

的ではなく、ましてやパッチグラフトの素材を言及するような研究はみられな い。本研究は、 犬におけるPSの外科的治療法の一つであるパッチグラフトを 用いての関心下、右室流出路拡大形成術について、より安全で確実な術式の確 立と、使用するパッチグラフトの材質の開発を目的として実施したものである。 1.術式の確立 PSを想定して、22頭の健常犬に対して人工心肺重用いた体外循環下でパッ チグラフトを使用しての右室流出路拡大形成術の術式の確立を試みた。本術式

で実嘩された全頭で2週間以上経過後、重大な臨床的な異常は認められなかっ

た。 2・本術式で使用するパッチグラフトの短期間移植による検討 パッチグラフトとして、Denac01EX-313液で架橋処理・してヘパリンを分子 結合させ抗血栓性を賦与したウシ頸静脈片(Denac01グラフト)を使用した群 (Denac01群)とexpandedp01ytetrafluoroethylene(EFrFE)を使用した 群(EPTFE群)の両群において、急性期の病態が残る移植後2週間で比較検

討した。その結果、Denacolr群はEPTFE群に比較して、グラフトの短縮およ

び肥厚が有意に少なかった。またDenacol群ではグラフト内部への細胞浸潤が 多く観察されたのに対して、EFrFE群ではグラフト周囲を取り囲むように細

胞成分の少ない厚い膠原線維層がみられる傾向にあった。

3・本術式で使用するパッチグラフトの長期間移植による検討 パッチグラフトとして、Denac01グラフトを使用した群と超極細ポリエステ ル繊維(UFPF)を使用した群(UFPF群)め両群において、最長で1年以上 におよぶ長期的な移植による比較検討を行った。全頭で全移植期間を通じて重 大な臨床的異常は認められず、また移植満了時の形態的、血行動態的な検討に おいても大きな異常は認められなかった。Denac01群はUFPF群に比較して移

植後にグラフトの肥痙が少ない傾向にあった。しかし短期間移植のEmE群

で強く認められたグラ■フトの短縮はUFPF群では顕著に認められなかったこ前 章と同様にDenac01群ではグラフト内部への細胞浸潤を多く認め、移植期間が

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長くなるとDenac01グラフトの骨格である中膜弾性板を残して生体に吸収され、 新生組織に置換されるような組織像が認められた。それに対してUFPF群は短 期間移植のEPTFE群同様にグラフト内部への細胞浸潤は少なく、グラフト周 囲を細胞成分の少ない厚い膠原線維層で被われ、.宿主組織と一線を画していた。 移植6カ月後以上のDenacolグラフトの一部で軽度な軟骨化生が確認された が、血行動態的および形態的に大きな異常は認められなかった。今後はこの点 についてさらに長期的、かつ各方面からの検討が必要があると思われた。 移植術中のグラフトの取り扱い性に関して、Denac01グラフトはEPTFE、 UFPFグラフトに比較してトリミングがしやすく、グラフト辺縁のほつれが全 くなく、連続的な縫合針の刺入における貫通時の抵抗が少ないなど操作性に優 れていた。 4Denac01グラフトをパッチグラフトで使用した犬のPSの臨床例に対しての 治療成績 本法によりDenacolグラフトを使用して、3例の体重3kg前後の小型犬に 対して、安全に体外循環が実施でき、開心下で肺動脈弁の狭窄程度を把握した 上で適切に弁形成術および右室流出路拡大形成術が実施できた。移植術中のパ ッチグラフトの操作性も良好であり、術後の抗血栓治療の必要もなく良好に経 過した。 本研究により、犬における■PSに対する人工心肺使用による体外循環施行に

よる関心下での右室流出路拡大形成術はほぼ確立さ担たものとなり、Denac01

グラフトはEPTFE、UFPFグラフトなどの人工材料と比較して、有用なパッ チグラフトであることが示唆された。 以上について、審査委員全員一致で本論文が岐阜大学大学院連合獣医学研究 科の学位論文として十分価値があると認めた。 基礎となる学術論文 1)題 目:TheuseofepoxypatchgraRsfortherepairofexperimentally-Createddiaphragmaticdefbctsindogs\ 著 者 名:MjUSUMOTO,鱒dekiOGUCHI,YbkoMIYÅⅩ凰Ybkari MASUDA,ⅦkoMASADA,SanaeKUNO,Ybshihiro SHIBAHARA,IneTAKASHIMA,KazuakiYAMANE,Hisae YÅMAGATA,ShizuoNOISHIKI,Yasuharuand YAMANE,Ybshihisa

学術雑誌名:TheJournalofVbterinaryMedicalScience

巻・号′・貢・発行年:58(7):685∼687,1996

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2)題 目:Experimentalstudyofmaterialsforpatchgrattonrightventricular OutnOWtraCtunderextracorporealcirculationindogs-comparisonbetweenDenacoIREX-313-treatedbovineJugular Veingraftandexpandedpolytetranuoroethylene(EPTFE)graft 学術雑誌名:動物臨床医学 巻・号・頁・発行年:2(1):15∼・22,1993 4)題 目:再発を繰り返した犬の腹腔内腫瘍(schwannOma)の1例 著 者 名:河野史郎,上月茂和,苗野光興,榎本浩文,桑原康人, 金尾 滋,松本英樹,田口淳子,鯉江 洋,山根義久 学術雑誌名:動物臨床医学 巻・号・貢・発行年:2(2):49∼52,1994 5)題 目:悪性中皮腫に肺葉捻転を伴ったイヌの1例 著 者 名:松本英樹,上月茂和,河野史郎,鯉江 洋,増田裕子,

政田早苗,久野由博,柴原イネ,中ロ洋子,坂井尚子,

山根義久 学術雑誌名:動物臨床医学

巻・号・声・発行年:2(2):59∼65,--1994

6)題 目:犬に対する非ステロイド系鎮痛抗炎症剤(フルニキシン) の臨床的応用 著 者 名:民政雄揮,松本英樹,山根義久 学術雑誌名:動物臨床医学 巻・号・頁・発行年:4(1):9∼17,1995 7)題 目:犬の慢性心不全に対するマレイン酸エナラブリルの治療試 験 著 者 名:永田 正,竹村直行,鷲巣 誠,本好茂一,若尾義人, 高橋 貢,松本英樹,山根義久,RaffaleA.Roncalli 学術雑誌名:動物の循環器 巻 ・号・貢・発行年:29(1・):14∼26,1996 8)題

目:犬の会陰ヘルニアにデナコール処理牛静脈片を使用した

Plugrepairの1例 著

名:松本英樹,増田裕子,小口洋子,高島一昭,山根久恵, 三宅ゆかり,野一色泰晴,山根義久 学術雑誌名:獣医畜産新報 巻・号・頁・発行年:49(4):273∼276,1996

(7)

9)題 目:体外循環による心室中隔欠損症の手術中に発生した犬の 心筋棲塞のl例 山根久恵,三宅ゆかり,山本 滋,久野由博,政田早苗, 虞田尚享,坂井尚子,山根義久 学術雑誌名:動物臨床医学 巻・号・貢・発行年:6(2):21∼25,1997 15)題 目:小動物用人工心肺装置の開発と臨床応用に関する研究 著 者 名:山形静夫,山根義久,柴崎 哲,松本英樹,高島一昭, 高島久恵,久野由博,政田早苗,増田裕子,.小口洋子, 野一色泰晴 学術雑誌名:動物臨床医学 巻・号・貢・発行年:6(4):13∼25,1998 16ト題 目:臨床現場における迅速かつ簡便なラテックス凝集反応によ る犬パルボウイルスおよび猫汎白血球減少症ウイルスの 検出 著 者 名:政田早苗,松本英樹,増田裕子,小口洋子,柴原イネ,

久野由博,高皐一昭,高島久恵,三宅ゆかり,呉

俊照, 坂井尚子,岡田展広,貴方 剛,山根義久 学術雑誌名:動物臨床医学 巻・号・頁・発行年:7(3):127∼132,1998 17)題 目:Acom声arativestudybetweenhypothermicandnormothemic Cardiopulmonarybypassinopenheartsurgeryindogs-e蝕ctson SyStemichemodynamics-著 者 名:SHIBAZAKI,AkiraMArSUMOTO,HidekiSHIROSHnA, YbkihitoNOISHIKI,Y由uharuandYÅMANE,Ybshihisa 学術雑誌名:TheJournalofVbterinaryMedicalScience 巻・号・頁・発行年:61(4):331∼336,1999 18)題 目‥Balloondilationofrightventricularoutnowtractinadogwith tetralogyofFallot 著 者 名‥OGUCHI,YbkoMÅTSUMOTO,HidekiMASUDA,Ⅶko TAKASHIMA,HisaeTAKASHIMA,Kazuakiand YÅMANE,Ybshihisa 学術雑誌名:TheJoumalofVbterinaryMedicalScience 巻・号・頁・発行年:61(9):1067∼1069,1999

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