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寒冷乾燥地における土壌の凍結・融解に伴う水分・塩分・熱の移動に関する研究

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Academic year: 2021

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Title

寒冷乾燥地における土壌の凍結・融解に伴う水分・塩分・

熱の移動に関する研究( 内容の要旨 )

Author(s)

劉, 霞

Report No.(Doctoral

Degree)

博士(農学) 甲第336号

Issue Date

2004-03-15

Type

博士論文

Version

URL

http://hdl.handle.net/20.500.12099/2677

※この資料の著作権は、各資料の著者・学協会・出版社等に帰属します。

(2)

氏 名(本掴)籍) 学 位 の 種 類 学 位 記 番 号 学位授与年月 日 学位授与の要件 研究科及び専攻 研究指導を受けた大学 学 位 論 文 題 目 審 査 ■委 員 会 霞 (中華人民共和国) 博士(農学) 農博甲第336号 平成16年3月15日 学位規則第4条第1項該当 連合農学研究科 生物環境科学専攻 岐阜大学 寒冷乾燥地における土壌の凍結・融解に伴う水分・ 塩分・熱の移動に関する研究 主査 岐阜大学 授 副査 岐阜大学 助教授 副査 信州大学 教 授 副査 静岡大学 教▲授 副査 岐阜大学 教 授 夫 正 弘 智 照 孝 直 和 ・正 谷 村 村 屋 家 天 西 木 土 千 論 文 の 内 容 の 要 旨 本研究では,寒冷乾煉地における塩分集積の一原因になっている,土の凍結・融解過程 に伴う水分と塩分の移動機橋を解明するため,現地における土壌の凍結・融解特性の観察 と室内での凍結・融解実験によって,土壌凍結の進行,水分の上昇移動を明らかにすると 共に,土壌の融解に伴う表層への塩分集積の発生を実験的に確かめた。また,土壌凍結・

融解に伴う水分移動を解析する.ことを目的に,水分パラメータの測定方法を開発し,現地

および室内実験により凍土の不飽和透水係数を測定した。その結果,将来的には節水潅漑, 塩害地改良などの対策を検討すると共に,寒冷乾煉地における適正な潅漑法および農地管

理法を確立すること考目的とするものである。

Ⅰ.土壌の凍結・融解に伴う移動現象の観測

沙壕渠試験場において,土壌の凍結・融解特性および移動現象を観察した。特に,秋季

清水港漑後の土壌の凍結・融解によって,凍土層土壌の保水性および春先の地表面への塩 分集積のメカニズムを検討した。さらに,実験室内において試料の上面に直接冷却槽を密 着させて土壌を凍結・融解させ,水分・塩分・温度分布の変化を調べた。

(3)

集積の傾向が明らかとなった。 3・室内実験での土壌の凍結前線は温度0℃より1∼2em上方に位置しており,土壌水のマ トリックポテンシャル勾配によって水分が未凍土から凍土へ移動した結果,含水此はい ずれの場合も・凍結探直下で最小となった。また,塩分は凍掛こ伴い水分の上昇移動と 共に未凍土から凍土へ移動し・融解後は表層への塩分集墳傾向が示された。 4・塩分が多い方が凍土中の不凍水分量が多いため,凍結面の上下層における土壌▲水のポテ ンシャル勾配が小さくなり,凍土層への水分移動量も減少した。 Ⅱ・凍土および未凍土の不飽和透水係数に対する遠心測定法の開発

寒冷乾痩地における凍結融解に伴う水分移動を解析するためには,凍土の不飽和透水係

数を正しく把握することが重要である。ここで・凍結土壌に遠心力場を作用させ,その時の

水分排出量および試料中の水分分布変化から不飽和透水係数を測定する方法を考案し,そ

の適用性に関する検討を行った。 1・未凍土の透水係数測定において・遠心法は実験時間が短く測定も容易であり,上昇吸引 法よりも低い含水此の不飽和透水係数を測定する方法として,有効であることがわかっ た。ただし・試料にかける遠心力が大きくなると圧縮の影響を考える必要がある。 2・凍土の場合・凍結により構造が安定化し圧縮が生じないため,回転速度は透水係数へ影 響しないことが明らかになった。シルト質土壌(SCL,CO,粘性土(LiC)の凍土の不飽和 透水係数として,10 ,cm/sから10・8cm/sの値が得られた。 3・未凍土では,砂、シルトより粘土の透水係数が小さいのが一般的であるが,凍土では粘 土は不凍水分量が多いため,同じ凍結温度の不飽和透水係数が臥 シルトより逆に大き くなることが実験結果から示された。 Ⅲ.凍土中における温度勾配下の水分と塩分の上昇移動 凍結土壌に温度勾配を与えた時の凍土中における水分の上昇移動を測定するために,あ らかじめ凍結させた土壌カラムを上方から連続冷却するカラム試験を行うとともに,現地

で凍土中の体墳含水率分布と温度分布を連続測定した結界から,温度勾配下の凍土中にお

ける水分と塩分の上昇移動の存在を確認した。 1・室内実験では・試料に温度勾配を与えたことにより、水分ポテンシャル勾配が生じた。 そして・その時の凍土中の水分と塩分の上昇移動現象を明確にした。現地でも地温分布 およびTDR法により体墳水分率を測定し,凍結期間中の凍土を通じて下層から表層への 水分移動が発生していることを確かめた。 2・凍土の水分分布からプロファイル法で水分フラックスを求め,温度分布の測定結果から 水分ポテンシャル勾配を推定し・これをグルシー式に適用して,凍土中の水分移動に関 する不飽和透水係数の推定を試みた。

3・室内カラム奏験及び現地測定により求めた凍土の両不飽和透水係数と温度とは連続した

位置にプロットされ・温度の低下とともに不飽和透水係数が低下する傾向を示した。

(4)

tlO8-審 査 結 果 の 要 旨 本研究は、寒冷乾燥地における塩分集積の一原因である,土の凍結・融解過程に伴う水分 と塩分の移動機構を解明することを目的とする。研究手法としては,現地における土壌の 凍結・融解特性の観察と室内での凍結・融解実験によって,土壌凍結の進行,水分の上昇 移動を明らかにすると共に,土壌の融解に伴う表層への塩分集積の発生を実験的に確かめ るものである。また,土壌凍結・融解に伴う水分移動を解析するために,水分パラメ ータの測定方法を開発し,現地および室内実験により凍土の不飽和透水係数を測定した。 その結果,節水潅漑,塩害地改良などの対策を検討すると共に,寒冷乾燥地における適正 な潅漑法および農地管理法の確立を目指すものである。 主要な成果は,以下の通りである。 1.沙壕渠試験場において,土壌の凍結・融解特性および移動現象を観察した。特に,秋 季湛水潅漑後の土壌の凍結・融解によって,凍土層土壌の保水性および春先の地表面への 塩分集積のメカニズムを検討した。さらに,実験室内において試料の上面に直接冷却槽を 密着させて土壌を凍結・融解させ,水分・塩分・温度分布の変化を調べた。その結果,① 現地での凍結・融解の進行過程は,秋季湛水潅漑後の地下水位および気温の影響を受けて いること,■また相変化に伴う潜熱エネルギーの変化が,土の凍結・融解過程の温度分布の 形成に重要な役割を果たしていることが明らかとなった。②秋季湛水潅漑後の凍結過程で

は,地下水からの補給により水分・塩分は凍土層へ上昇移動し凍土層に保水され一散解後

には蒸発による表層水分量の減少および表層への塩分集積の傾向が明らかとなった。③室 内実験での土壌の凍結前線は温度0℃より1∼2cm上方に位置しており,土壌水のマトリッ クポテンシャル勾配によって水分が未凍土から凍土へ移動した結果,含水比はいずれの場 合も,凍結深直下で最小となった。また,塩分は凍結に伴い水分の上昇移動と共に未 凍土から凍土へ移動し,融解後は表層への塩分集積傾向が示された。

2.寒冷轟煉地における凍結融解に伴う水分移動の解析に重要な,凍土の不飽和透水係数

を正しく把握するために,凍結土壌に遠心力場を作用させ,そ甲時の水分排出量および試

料中の水分分布変化から不飽和透水係数を測定する方法を考案し,その適用性に関する検討を 行った。その結果,①未凍土の透水係数において,遠心法は実験時間が短く測定も容易であり, 上昇吸引よりも低い含水比の不飽和透水係数を測定する方法として,有効であることが分か

った。②痍土の場合,凍結により構造が安定化し圧縮が生じないため,回転速度は透水係数へ

影響しないことが明らかとなった。シルト質土壌(∝Lα),枯牲土(LiC)の凍土の不飽和透水係

数として,10

,cm/sから10

8cm/sの値が得られた。③枯土の不飽和透水係数は,凍土で

は不凍水分量が多.くなるため,砂やシルトでは不凍土の場合と逆に大きくなる奏験結果と

なった。

3.凍結土壌に温度勾配を与えた時の凍土中における水分の上昇移動を測定するために,

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以上について,審査委貞全点一致で本論文が岐阜大学大学院連合農学研究科の学位論文

として十分価値あるものと認めた。

[学位論文の基礎となる学術論文]

1)劉霞,天谷孝夫,赤江剛夫,西村直正(2003).遠心法による凍土および未凍土の不飽和透水

係数測定.農業土木学会論文集 71(1),39∼46. 2)劉霞,天谷孝夫,赤江剛兎西村直正(2004).凍土中における温度勾配下の水分の上昇移動. 農業土木学会論文集,掲載予定.

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