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グラフ化のうらおもて

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Academic year: 2021

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グラフイt のうらおもて

高井英造

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時系列予測の宿命

石油産業のような装置産業においては,将来の需要予 測が各企業の投資等を決定するのにきわめ 石油換算 (億kJ)

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のいわゆる予測と称するものが,後から見直してみると いかに限られた要因によってなされているものか,ある いは,実は願望の表現ではなかったか,というようなこ とに気づかせてくれる.このようなグラフをインディア ンの羽根飾りと称するそうであるが,誠に言いえて妙な 表現ではある. 石油需給の計画も,エネルギー需給予測と同じような パターンで様変わりしているが,問題はむしろわれわれ の考え方が安定成長期の方法論を脱却できず,外的な状 況の予測を基本におかなければ計画が立てられないとこ ろにあるとも言えよう.

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グラフ化のねらい

それでは,このような需要の変化は何が要因であった のだろうか 図 3 は石油製品別の需要量の変化を示した ものであるが,統計資料に載せられているままの図 A に 手を加えて図 B のようにすると,電力や産業用の需要を 中心とする B ・ C 重油の需要の減退が大きな要素であり, 石油換算 (億kl)

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6 ト, て重要な役割を持っている.時系列的な予 測において,結果のグラフ化は説得力のあ る説明手段であるが,図 1 に示した各年度 におけるエ tネルギー需要予測からも,その 時々における予測はそれなりに妥当と忠わ れたものだということが理解されよう.し かしながら 2 度のオイルショックによっ て大きな変化を受けたエネルギー需要につ いて,その間の予測を重ね合わせてみると

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図 2 のようになる. このような重ね合せグラフは,われわれ たかし、 えいぞう 三菱石油紛企画二部 干 105 港区虎ノ門 1-2-4

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図 2 総合エネルキギe 一調査会長期エネノルL ギ一需給見遜しの変遷と実績 (グラフ出所:第20回エネルギー経済シンポジウム資料.日本エ 係について視点を変えてグラフ化 ネルギー経済研究所) することによって,新しい結果が得られた例もある. 運輸・民生を中心とするガソリン 石油換算

灯軽油などのいわゆる軽質油の需

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要は落ちていないことがよく理解

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できる.需要形態や,性状,製法 などの異なる重油を他の池種と分 けることで図の持っている説得力 が違ってきていることがわかる. グラフ化を行なうさいに,機械 的にお座なりのものをつくるので なしに, 目的意識を持って整理す ることによってみえてくるものが 異なってくるのである.技術的な データについても,研究所のある 報告についてモデル化する立場か ら,軸の取り方やパラメータの関

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62/10計画: 70, 75, 80年度 ットしただけのお座なり」グラフからはほとんど何 もわからない.そこで,ある年度を起点にしてそこから の変化量をプロットしたのが図 E である.これによって 縦軸のスケーんが変わり,各企業の動きがよりわかりや すくなったが,規模に差のあるもの同士の (A社と C 社 のような)比較になっている点は注意する必要がある. 百万kl

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これからの需要動向からみても,現在の収益率からみ ても,石油業にとっての主力製品であるガソリンについ て,主要な数社の販売と生産の推移をグラフにしたのが 図 4 である.しかし,このような,機械的に変化をプロ 百万kl

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60 年度 図 3 石油製品(燃料油)需要量の推移 (A) ,石油製品(燃料油)需要量の推移 (B) (グラフ出所:石油事情資料.石油情報センター,通産省「エネルギ一生産・需給統計年報 J , r昭和61-65年 度石油供給計画 J による)

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(18) © 日本オペレーションズ・リサーチ学会. 無断複写・複製・転載を禁ず. オベレーションズ・リサーチ

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さらに,昭和55年を起点とした図 A と 56年を起点とした図 B を比べてみてい ただきたい.ずいぶんと違った印象を 持たれるのではないだろうか. 55年と 60年の聞の差をみるのか, 56年以降の 変化について,各社の間にあまり差が なかった点を述べるのかによって,同 じ数字に違った受けとめかたが可能な のである. 特に社会的な現象については,グラ フをみる時にこのような点にも留意し て,相手の意図を推し量ることも必要 であろう.逆にこのような方法で自分 に都合の良い処だけを説明することも 可能である.

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何かがみえてくる

先に述べた,規模による見掛けの差 を避けるための 1 つの方法は,比率を 使う方法である.図 6 はこのような考 えから,対前年伸び率をグラフ化した ものである.いささか余談めくが,生 産の伸び率の劇的とも言える一致に注 目されたい.販売の方にはかなりの差 があることをみても,強力な人為的な 力,たとえば行政的な指示や指導など が働かなければ,こうは上手くいくは ずがないことはおわかりいただけるで あろう. グラフ化によって,はからず もある構造が明らかになった例といえ るであろう民 ガソリンの販売において,何といっ てもその中I~\になるのがガソリンスタ (千kJ)

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59ω 図 5-A ガソリンの販売・生産量の推移 (55年起点) (出所:石連統計)

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ほとんど変化がないが,各社の状況を

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みると各々の政策の差が表われている 主

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りの売上げについても図 S のように変 化している.いわば量をとるか効率を とるかの戦略の違いであるが,これを まとめてグラブ化したものが図 9 であ る一見,

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s を増やしてガソリンも 増やしたのが B 社で,

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s を減らして 売上げも伸ばしたのが D 社といえそう である.しかし,この場合でも,比較 の目的によっては全国平均の伸びによ る補正を行ない,自然増分を勘案する こと等が必要である

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ガソリン販売量の対前年伸び率 図 S

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ここに述べたことは,現在の石油業 グラフは語る OR ともいえないような,ごく単純な例ばかり上げた が,たかがグラフと甘く考えられては困る場合も多いの である. うまく使えば,非常に有効な表現手段で、あるグ ラフについて,教育の場においても,軽視せずに,基本 的な手法をきちんと教えてやっていただきたいと思う. パソコンのソフトで簡単に書けるようになってきただけ に, いっそう基本的なところをしっかりと押さえて, 「お座なりグラフ J や誤解を生むグラフを書かないよう に心がけたいと思うのである. この

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80∞ 界の状況のごく一部に過ぎない.需要 の低迷と海外からの製品輸入による生 産設備の低稼動率や,製品構成の軽質 化に対応する 2 次精製設備の増強にどう対応するかも, 重要な課題である.これについては,種々の意見がある が,図 10は日本エネルギー経済研究所が分析結果として 発表したもので,欧米 5 カ国の平均値を I つの指標とし 現在の状況を示したものである. グラフというものは良 くも悪くも書いた人の意図や価値観の表現であるが,そ れを読みとる側としては,その狙いや,変数の合目的性 や,スケールがはたして意味のあるものかどうかなどを よく考えてみる必要があろう.そういった視点で, グラフを考えてみていただきたい. 7ωo

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わが国石油精製業の国際化に向けてのスタディ一一欧米レベル製油所への構造改善へのアプローチ一一

(グラフ出所:第20回エネルギーシンポジウム資料. 日本エネルギー経済研究所)

(注)

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1991年度の石油製品の内需を園内生産で充足させるための原油処理を適正稼動率

(80%) で操業する場合の必要量を超過する能力. 2)

供給計画における側年度の原油処理を適正稼動率(同)で操業する場合の必要

量を超過する能力. (21)

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1988 年 4 月号

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図 10

参照

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