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IRUCAA@TDC : 平成24年度大学院Elective Study 報告(3)

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Academic year: 2021

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Posted at the Institutional Resources for Unique Collection and Academic Archives at Tokyo Dental College, Available from http://ir.tdc.ac.jp/

Title

平成24年度大学院Elective Study 報告(3)

Author(s)

藤瀬, 和隆; 重政, 理香

Journal

歯科学報, 114(1): 20-22

URL

http://hdl.handle.net/10130/3239

Right

(2)

2013年3月5日より3月10日まで藤瀬和隆大学院 生(微生物学講座)と重政理香大学院生(口腔外科学 講座)が金子 譲理事長,井出吉信学長,井上 孝 大学院研究科長,各所属講座主任教授ならびに大学 のご厚意により,大学院 Elective study の一環とし て,シンガポールでの海外研修の機会を得ることが できた。2名は国立大学法人鹿児島大学北米教育セ ンター(井手祐二センター長,カルフォルニア州サ ンタクララ)主催する海外研修プログラムに参加し た。研修は実質4日間であった。内容は,1日目は シンガポール国立博物館,チャイナタウン,リトル インディア,アラブストリートなどを訪ね,多民族 国家であるシンガポールの概要を知った。2日目は 五洋建設やシンガポール国立大学医学部を訪問し, それぞれ鹿児島大学 OB の話を聴いた。シンガポー ル国立大学日本語コースの学生とディカッション (医療,教育,環境,経済について),早稲田シンガ ポール校訪問を行った。3日目はバイオポリス(理 研シンガポール事務所,JST 事務所),ビジネスイ ンキュベーションセンター訪問,シンガポール日本 人会訪問を行った。最終日は War Memorial Park, 都市開発庁訪問を行った。 なお,本稿では藤瀬和隆大学院生がシンガポール の概要およびシンガポール全体の印象について,ま た重政理香大学院生がシンガポール国立大学および 今回の経験について報告する。 1.シンガポールの概要 藤瀬和隆(微生物学講座) 1)シンガポールの地理 今回,筆者と重政理香大学院生はシンガポールを 訪ねる機会を得られた。シンガポールは赤道直下に 位置するマレー半島の先端の島で,東南アジアの中 心に位置している。 面積はおおよそ700平方キロメートルで,これは 淡路島や東京23区とほぼ同じ大きさである。この狭 い国土の中に,473万人もの人々が暮らしており, 人口密度は世界2位となっている。 キーワード:Elective Study,シ ン ガ ポ ー ル,多 民 族 国 家,シンガポール国立大学,バイオポリス 1)東京歯科大学微生物学講座 2)東京歯科大学口腔外科学講座 (2013年8月1日受付) (2013年9月9日受理) 別刷請求先:〒101‐0061 東京都千代田区三崎町2−1−14 東京歯科大学微生物学講座 藤瀬和隆

Kazutaka FUJISE1), Rika SHIGEMASA2):Graduate

Pro-gram 2012:Elective Study report ⑶(1)Department of

Microbiolgy, Tokyo Dental College,2)Department of Oral

and Maxillofacial Surgery, Tokyo Dental College)

海外研究レポート

平成24年度 大学院 Elective Study 報告 ⑶

藤瀬和隆

1)

重政理香

2) 図1 マーライオン前にて 20 ― 20 ―

(3)

2)シンガポールの歴史 7世紀の漁村トマセックがシンガポールの始まり とされている。14世紀にはサンスクリット語で「ラ イオンの町」を意味するシンガプラという名称が定 着した。1513年にポルトガルの徹底した侵略を受 け,シンガプラは荒廃。1641年,オランダとジョ ホール王国が協力してポルトガル領マラッカを攻撃 し,オランダ領となった。1819年,人口わずか150 人のこの島に,イギリス東インド会社で書記官を務 めていたイギリス人トーマス・ラッフルズが上陸を 果たす。ラッフルズはシンガプラの地理的重要性に 着目し,当時島を支配していたジョホール王国より 商館建設の許可を取り付けた。名称を英語風のシン ガポールと改め,都市化計画を推し進めた。1824年 には植民地としてジョホール王国から正式にイギリ スによる植民地となった。イギリスによる植民地と なった後は,同じくイギリスの植民地であるインド やオーストラリア,中国大陸との間でのアヘンや茶 などとの貿易港として発展し,多民族国家の形成へ と繋がっていった。1965年マレーシアより独立し, 人民行動党のリー・クアンユーの絶対的な指導の 下,現在の都市国家シンガポールへと急速な成長を 遂げた。 3)シンガポール全体の印象について 今回の研修では4泊6日の中で10か所以上に渡る 場所をかなりタイトな日程で回ってきた。研修先と しては国立博物館や都市開発庁など施設の見学,五 洋建設や理化学研究所などの現地で働く日本人の 方々の講義,シンガポール国立大学の学生とのディ カッションを通じた交流,リトルインディアやアラ ブストリートなどの街並みの見学など多岐に渡るも のであった。また街並みに関しては,シンガポール は地震が起きないという理由から奇抜とも言える自 由なデザインの建物が目についた。街ゆく人々は多 民族国家だけあり様々な人種を認めた。勢いのある 都市国家シンガポールの基盤を肌で感じることがで き,とても刺激的な研修となった。 2.シンガポール国立大学 重政理香(口腔外科学講座) 今回,筆者と藤瀬和隆大学院生(微生物学講座)は シンガポール国立大学を訪問する機会を得られた。 同大学は1905年に設立され,東南アジア諸国,中国, 欧米やアフリカなどを含め100カ国以上からの留学 生を迎える国際色豊かな大学。11の学部とスクー ル,研究所,図書館,学生寮,食堂,病院,レクリ エーション施設などの建物が,緑に囲まれた広大な 敷地内に集まっている。キャンパスはシンガポール の南西部,ケントリッジと呼ばれる丘の一帯にあ る。英国「タイムズ・ハイアーエデュケーション」 誌による「世界大学評判ランキング2013」において 世界22位(アジア2位)とされている。 今回,日本語コースの学生達とディカッションを 行ったテーマは医療,教育,環境,経済についてで あった。これらの課題でも特にお互いの国で違った ものは教育と保険のシステムであり,話し合う前に まずそれぞれの国のシステムを理解するところから 始まった。 まず教育についてであるが,シンガポールの教育 体系における一般的な進路は初等教育6年,中等教 育4∼5年,大学準備教育2年,大学3∼4年であ るが,中等教育から専門教育3年というコースもあ る。シンガポールの児童は,日本での小学校に当 たる初等教育卒業時に PSLE(The Primary School Leaving Examination)と言う共通試験を受けること になっている。この試験の目的は2つあり,児童が 小学校教育を一定基準のレベルで終了させるための 審査,そして中等教育へ導き中等教育機関が生徒を 選択することにある。 この試験結果を基に,児童のその後の進路が決ま 図2 都市開発庁前にて 歯科学報 Vol.114,No.1(2014) 21 ― 21 ―

(4)

る。初等教育までは義務教育であるが,中等教育の 段階ではっきりした学力の選別が行われる。 また,シンガポールの保険システムも独特のもの である。シンガポールには CPF(Central Provident Fund:中央積立基金)という制度がある。この基金 は被雇用者と雇用者により毎月積み立てられる。こ の CPF は日本の年金制度と異なり,ある年齢に達 すると,積み立て分を自分で引き出すことが可能と なり,老後の生活費の一部とすることができる。つ まり,CPF は強制的に自分自身で貯蓄するような 制度である。医療費はこの CPF の一部で賄われる。 積立率の6%がメディセーブという口座に入る。病 院での治療費などはこのメディセーブの一部から当 てることになる。しかし,このメディセーブだけで は長期入院や高額な医療に対応できないために,メ ディシールドと言う制度もある。これはメディセー ブ口座の一部を民間の医療保険会社の支払いに回 し,メディセーブ口座残高で対応できないような治 療に対しては民間の医療保険会社に対応させようと するものである。 また CPF に加入できないような低所得層を救済 するためのメディファンドと言う制度を設けてい る。シンガポールの医療制度はこのメディセーブ, メディシールド,メディファンドという3つの M で支えられている。 このようなお互いの国の環境やシステムの違いを 理解した上でディスカッションを行った。 シンガポールでは英語は公用語であるため皆かな り流暢ではあったが,シングリッシュと呼ばれる独 特の発音を伴う英語であり,時々ヒアリングも困難 であった。お互いの意見を重ね合わせ,話し合いを 発表形式で行った。 シンガポール国立大学の学生達は英語力の高さに 加え,高い理解力や論理的思考能力,また人柄の良 さも伴っており,シンガポールが誇る人材の質の高 さを目の当たりした気がする。 今回の経験について 私は,今回の研修を通して,シンガポールの文化 に触れながら様々なことを学ぶことができました。 まず,シンガポールにおける日本に対するイメージ についてです。現地で活躍している日本人の講習を 受けることで,日本人の技術が高く評価されている ことを知り,日本人としての誇りをもちました。し かし一方で,日本人は英会話ができないというマイ ナスイメージが強く,現地の学生からは留学先の第 一候補に挙がることは少ないという事実があること を知りました。次に,様々な人との交流の必要性に ついてです。様々な人とのかかわりは,イメージを 共有することで自分自身の視野を広げることもで き,また一方で,他人の視野を広げることもできる と感じました。そこで,様々な人と交流するために は,世界の共通語になりつつある英語はしっかり学 ぶ必要があり,どんな境遇においても前向きに努力 し,自信と積極性を持ってチャレンジしていくこと が大切であると感じました。 図3 シンガポール国立大生とのディスカッション 22 藤瀬,他:平成24年度 大学院 Elective Study 報告 ⑶ ― 22 ―

参照

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