IRUCAA@TDC : 上顎切歯の生理的動揺度に関する研究
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(2) 2 7 7. ―――― 原. 著 ――――. 上顎切歯の生理的動揺度に関する研究 氏 家 真由子. 久 保 周 平 藥師寺. 丘. 芳 美. 仁. 東京歯科大学小児歯科学講座 (主任:藥師寺. 仁 教授). (2 0 0 2年4月1 7日受付) (2 0 0 2年4月2 5日受理). 抄 録:乳切歯および切歯の生理的動揺度を客観的に評価することを目的に,上顎乳中切歯12 9 歯,乳側切歯2 0 1歯および上顎中切歯1 4 0歯,側切歯1 1 0歯を被検対象として本研究を実施した。こ れら被検歯は,乳切歯では歯根吸収の有無および程度により4群に,また切歯では歯根形成程度に を より4群に区分し,動揺度測定器デンタル・モビリティー・チェッカー!(株式会社ヨシダ社製) 使用して生理的動揺度の測定を行った。その結果,乳切歯では生理的歯根吸収の進行に従い動揺度 測定値は増加していた。一方,切歯では歯根形成程度の進行に従い,動揺度測定値は漸次減少し, 歯根完成に至ると急激に動揺度測定値は減少することが確認された。また,本研究に使用した動揺 度測定器は,測定時に被検者に与える不快感が少ないため,小児から成人までの幅広い年齢層に応 用可能であり,小児歯科臨床のみならず,一般歯科臨床において有効に使用できるものと考えられ た。 キーワード:生理的動揺度,乳切歯,切歯. 緒. 言. 処置の機会が多い歯根未完成永久歯および乳歯を. 歯牙の動揺度の測定は,歯周組織の健康状態を. 対象に,市販の動揺度測定器を用いて動揺度を調. 評価する項目として,きわめて重要な検査の一つ. 査し,その結果について報告した。そこで今回. であり,歯科臨床で頻繁に応用されている。現. は,被検対象歯に歯根の完成した成人永久切歯を. 在,歯牙の動揺度検査は,歯科用ピンセットを使. 加え,乳歯から永久歯に至る切歯の動揺度の変化. 1). 用して Miller の方法 に準じて行うのが一般的で. について調査,検討した。. ある。しかしこの方法は術者間で判定結果に差の 対象および方法. 生じることがある。 近年,歯牙の動揺度をより客観的に評価するこ. 1.被検歯の選択. とを目的に,試作した動揺度測定器や市販されて. 表1は被検歯数を一括表示したものである。被. いる動揺度測定器を用いて,健全歯や歯周疾患罹. 検対象の乳歯は,年齢2歳11か月から9歳4か月. 患歯の 動 揺 度 を 測 定 し た 結 果 が報 告 さ れ て い. までの上顎乳中切歯1 29歯,乳側切歯2 01歯であ. る2,3,4)。他方,著者ら5,6)は小児歯科領域において. る。永久歯は,年齢6歳9か月から13歳8か月ま での歯根未完成上顎中切歯98歯,側切歯73歯であ. 別刷請求先:〒2 6 1 ‐ 8 5 0 2 千葉市美浜区真砂1−2−2 東京歯科大学小児歯科学講座 氏家真由子. る。これらの被検歯は,東京歯科大学千葉病院小 児歯科に来院した小児で,本研究に対し協力を得. ― 37 ―.
(3) 2 7 8. 氏家, 他:上顎切歯の生理的動揺度に関する研究 表1. 永 久 歯. 表2. 被検歯数. 歯. 種. 中切歯. 側切歯. 乳. 歯. 1 2 9. 2 0 1. 歯根未完成. 9 8. 7 3. 歯根完成. 4 2. 3 7. 計. 1 4 0. 1 1 0. 乳歯歯根吸収程度別被検歯数. 被検対象. られた小児から選択し被検対象とした。さらに, 年齢23歳10か月から24歳11か月までの東京歯科大. 被検歯数. 合. 計. 乳 中 切 歯. 歯根吸収0 歯根吸収1 歯根吸収2 歯根吸収3. 2 2 3 5 2 4 4 8. 1 2 9. 乳 側 切 歯. 歯根吸収0 歯根吸収1 歯根吸収2 歯根吸収3. 7 3 7 3 2 6 2 9. 2 0 1. 学歯学部学生の上顎中切歯42歯および側切歯37歯 を歯根完成期の被検対象とした。. および#の4段階に区分した(図1)。すなわち,. 被検歯の選択に際しては,病歴聴取および口腔. 歯根吸収0は,歯根の生理的吸収がほとんど認め. 内の診察から外傷の既往や自発痛,打診痛および. られない被検歯とした。また,歯根吸収!は,歯. 冷温水痛など,歯髄疾患や根端性歯周組織炎が疑. 根吸収が根端側から2分の1以内まで進行したも. われる歯牙は対象から除外した。さらに,歯齦に. の,歯根吸収"は,歯根吸収が根端側2分の1か. 著しい炎症が認められる歯牙,矯正治療の既往の. ら4分の3以内まで進行したもの,歯根吸収#. あるもの,著しい叢生歯列および形態異常歯も除. は,歯根吸収が歯根長の4分の3以上進行したも. 外した。また,本研究は,あらかじめ研究の主旨. のとした。以上の基準に従い4群に区分した各群. を被検者および保護者に十分に説明し,同意を得. の被検歯数は,歯根吸収0が,乳中切歯22歯,乳. た後に行った。. 側切歯73歯,歯根吸収!が35歯および73歯,歯根. 2.乳歯歯根吸収程度の分類. 吸収"が24歯および26歯,歯根吸収#は48歯およ. 動揺度の測定に先立ち,すべての被検歯は,大 多和の分類7)に準じ,標準型デンタルエックス線. び29歯である(表2)。 3.永久歯歯根形成程度の分類. 画像所見から歯根の生理的吸収程度を0,!,". 歯根吸収0. 歯根吸収1 図1. 歯根未完成歯については大多和8)の分類に準. 歯根吸収2 乳歯歯根吸収程度の分類 ― 38 ―. 歯根吸収3.
(4) 歯科学報. 歯根形成". 歯根形成# 図2. 表3. Vol.1 0 2,No.4(2 0 0 2). 歯根形成$. 2 7 9. 歯根完成. 永久歯歯根形成程度の分類. 永久歯歯根形成程度別被検歯数. 被検対象. 被検歯数. 合. 計. 中 切 歯. 歯根形成" 歯根形成# 歯根形成$ 歯根完成. 2 6 2 9 4 3 4 2. 1 4 0. 側 切 歯. 歯根形成" 歯根形成# 歯根形成$ 歯根完成. 2 2 3 0 2 1 3 7. 1 1 0. A:本体 B:インパクトハンマー C:動揺度標準器 図3. じ,標準型デンタルエックス線画像所見から歯根. 動揺度測定器:デンタル・モビリティ・チェッ カー!. の形成程度を",#および$の3段階に区分した (図2)。すなわち,歯根形成"は,根管が根端に 向かって漏斗状に開口しているもの,歯根形成#. 4.動揺度測定器. は,根端部の根管壁がほぼ平行ないしはやや狭窄. 図3は,本研究に用いた動揺度測定器デンタ. しているが,歯根は未だ完成していないもの,歯. ル・モビリティー・チェッカー!(株式会社ヨシ. 根形成$は,歯根はほぼ完成しているが,根端孔. ダ社製) である。本測定器は,図4に示す樹脂製. は未だ完全に狭窄していないものとした。以上の. 円錐形の槌打部を持つインパクトハンマーで測定. 基準に従い3群に分類した歯根未完成歯は,表3. 対象歯を槌打し,振動を起こさせる加振系と,受. に示すとおりで,歯根形成"が,中切歯26歯,側. 振音を採取する全指向性マイクロホンの受振系お. 切歯22歯,歯根形成#が,中切歯29歯,側切歯30. よび採取した振動音を分析するアナライザーとそ. 歯,歯根形成$が,中切歯43歯,側切歯21歯であ. れを記録するグラフィックプリンターから構成さ. る。. れている。 ― 39 ―.
(5) 2 8 0. 氏家, 他:上顎切歯の生理的動揺度に関する研究 表4 動揺度測定値 ― 乳中切歯・中切歯 ― 被検対象. 図4. 樹脂製円錐形槌打部を有するインパクトハン マー. 被検歯数 最大値 最小値 平均値 標準偏差. 歯根吸収0 乳 歯根吸収1 中 切 歯根吸収2 歯 歯根吸収3. 2 2 3 5 2 4 4 8. 3. 0 3. 8 6. 4 1 2. 6. 1. 9 2. 1 2. 1 3. 4. 2. 5 2. 8 4. 0 7. 4. 0. 2 8 0. 4 5 1. 0 8 2. 1 4. 歯根形成! 中 歯根形成" 切 歯根形成# 歯 歯根完成. 2 6 2 9 4 3 4 2. 5. 0 4. 3 3. 5 2. 3. 2. 3 2. 2 1. 8 1. 3. 3. 3 2. 9 2. 8 1. 7. 0. 6 3 0. 5 3 0. 4 6 0. 2 1. 5.測定方法 表5 動揺度測定値 ― 乳側切歯・側切歯 ―. 測定は,被検歯の歯冠唇面中央部を歯面に対し 直角方向から測定器のインパクトハンマーで数回 槌打し,測定器に表示された値を記録して行っ. 被検対象. た。測定にあたっては,測定器の取り扱いに習熟. 歯根吸収0 乳 側 歯根吸収1 切 歯根吸収2 歯 歯根吸収3. 7 3 7 3 2 6 2 9. 4. 5 5. 9 6. 6 1 4. 9. 1. 9 2. 2 3. 1 3. 7. 3. 1 3. 7 4. 3 7. 9. 0. 5 0 0. 8 3 1. 1 6 2. 6 5. 歯根形成! 側 歯根形成" 切 歯根形成# 歯 歯根完成. 2 2 3 0 2 1 3 7. 3. 8 3. 9 4. 3 2. 2. 2. 4 2. 1 2. 1 1. 3. 3. 2 3. 0 2. 8 1. 6. 0. 4 3 0. 3 7 0. 6 6 0. 1 9. した測定者が各被検歯毎に5回行い,各測定値を 記録し,その平均値を各被検歯毎の動揺度測定値 とした。また,歯根状態別にみた動揺度測定値の 平均値を Welch’ s t−test を用いて統計学的に検 討した。 なお,測定器による動揺度測定と同時に,Miller. 被検歯数 最大値 最小値 平均値 標準偏差. の方法に準じ,歯科用ピンセットを使用し動揺度 の判定を行い,この判定結果を臨床的判定法によ あった。. る動揺度とした。. 歯根の状態別に平均値の差の検定を行った結 結. 果. 果,乳歯ではいずれの組合わせにおいても,危険. 1.乳歯から歯根完成永久歯に至る生理的動揺度. 率1%で有意な差が認められた。永久歯では歯根 形成!と#の間および歯根形成!,",#と歯根. の推移. 完成歯との間に危険率1%で,また,歯根形成!. 1)乳中切歯および中切歯 乳中切歯,歯根未完成中切歯および歯根完成中. と"の間には危険率5%でそれぞれ有意な差が認. 切歯のそれぞれについて,生理的動揺度の測定結. められた。. 果を表4および図5に示した。すなわち,乳中切. 2)乳側切歯および側切歯. 歯における動揺度測定の平均値は,歯根吸収0で. 乳側切歯,歯根未完成側切歯および歯根完成側. 2. 5±0. 28,歯根吸収1は2. 8±0. 45,歯根吸収2. 切歯のそれぞれについて,生理的動揺度の測定結. は4. 0±1. 08,歯 根 吸 収3で は7. 4±2. 14で あ っ. 果を表5および図6に示した。すなわち,乳側切. た。. 歯における動揺度測定の平均値は,歯根吸収0で. 中切歯における平均値は,歯根形成!では3. 3. 3. 1±0. 50,歯根吸収1は3. 7±0. 83,歯根吸収2. ±0. 63,歯根形成"は2. 9±0. 53,歯根形 成#で. は4. 3±1. 16,歯根吸収3は7. 9±2. 65であった。. は2. 8±0. 46,歯 根 完 成 中 切 歯 で は1. 7±0. 21で. 側切歯の歯根形成!におけ る 平 均 値 は3. 2±. ― 40 ―.
(6) 歯科学報. Vol.1 0 2,No.4(2 0 0 2). 2 8 1. 動 16 揺 度 測 14 定 値 12 10 8 6 4 2 0 0. 1. 2. 3. 乳中切歯歯根吸収程度 図5. Ⅰ. Ⅱ. Ⅲ. 歯根完成. 中切歯歯根形成程度. 動揺度測定値. ― 乳中切歯・中切歯 ―. 動 16 揺 度 測 14 定 値 12 10 8 6 4 2 0 0. 1. 2. 3. 乳側切歯歯根吸収程度 図6. Ⅰ. Ⅱ. Ⅲ. 側切歯歯根形成程度. 動揺度測定値. ― 乳側切歯・側切歯 ―. ― 41 ―. 歯根完成.
(7) 2 8 2. 氏家, 他:上顎切歯の生理的動揺度に関する研究. 0. 43,歯根形成"では3. 0±0. 37,歯根形成#で. 1が51歯,歯根吸収2が15歯,歯根吸収3が1歯. は2. 8±0. 66,歯 根 完 成 側 切 歯 で は1. 6±0. 19で. であった。側切歯 は1 10歯中103歯が0と判定さ. あった。. れ,そのうち歯根形成!が17歯,歯根形成"が28. 歯根の状態別に平均値の差の検定を行った結. 歯,歯根形成#が21歯であり,歯根完成歯は37歯. 果,乳歯では歯根吸収1と2との間に危険率5%. すべてが臨床的動揺度0と判定された。. で,その他のすべての組み合わせにおいて危険率. 3.動揺度測定値と臨床的動揺度判定結果との関. 1%で,それぞれ有意な差が認められた。永久歯. 連性について. では歯根形成!と#の間に危険率5%で,歯根形. 臨床的判定法による動揺度の分布は,乳切歯,. 成!,",#と歯根完成歯との間に危険率1%で. 切歯ともに臨床的動揺度0と判定されたものが大. それぞれ有意な差が認められた。. 多数を占めていた。そこで,臨床的判定法により. 2.臨床的動揺度の判定結果. 動揺度0と判定された被検歯について,動揺度測. 臨床的判定法による動揺度と乳歯歯根吸収程度. 定器による測定値との関連性をみると,表8,9. および永久歯歯根形成程度との関係について歯種. および図7,8に示すとおりである。すなわち,. 別にみると,表6および表7に示すとおりであ. 乳 中 切 歯 で は,歯 根 吸 収0の 平 均 値 は2. 5±. る。. 0. 29,歯根吸収1は2. 8±0. 45,歯根吸収2は3. 2. 臨床的動揺度0と判定された乳中切歯は1 29歯. ±0. 80,歯根吸収3では4. 7±1. 88であり,乳中. 中63歯で,歯根吸収程度別にみると,歯根吸収0. 切歯全体の平均値は2. 9±0. 87であった。一方,. が20歯,歯根吸収1が29歯,歯根吸収2が9歯,. 中切歯では,歯根形成!の平均値は3. 2±0. 54,. 歯根吸収3が5歯であった。中切歯は140歯中132. 歯 根 形 成"は2. 9±0. 54,歯 根 形 成#は2. 7±. 歯で,歯根形成程度別では,歯根形成!が22歯,. 0. 46,歯根完成歯は1. 7±0. 21であり,中切歯全. 歯根形成"が27歯,歯根形成#が41歯であり,歯. 体の平均値は2. 5±0. 74であった。 同様に乳側切歯では歯根吸収0の平均値は3. 0. 根完成歯は42歯すべてが臨床的動揺度0と判定さ. ±0. 48,歯根吸収1は3. 5±0. 70,歯根吸 収2は. れた。 乳側切歯では201歯中138歯が臨床的動揺度0と. 3. 9±1. 20,歯根吸収3は3. 7で,乳側切歯全体の. 判定され,そのうち歯根吸収0が71歯,歯根吸収. 平均値は3. 3±0. 73であった。また,側切歯では. 表6 臨床的動揺度判定結果 ― 乳中切歯・中切歯 ―. 表7 臨床的動揺度判定結果 ― 乳側切歯・側切歯 ― 臨床 的 動 揺 度. 臨床 的 動 揺 度 被検対象. 合計 0. 1. 2. 3. 2 0 2 9 9 5. 2 6 1 3 1 1. 0 0 2 2 4. 0 0 0 8. 2 2 3 5 2 4 4 8. 計. 6 3. 3 2. 2 6. 8. 1 2 9. 歯根形成!. 2 2 2 7 4 1 4 2. 4 2 2 0. 0 0 0 0. 0 0 0 0. 2 6 2 9 4 3 4 2. 1 3 2. 8. 0. 0. 1 4 0. 歯根吸収0. 乳 歯根吸収1 中 歯根吸収2 切 歯 歯根吸収3. 中 歯根形成" 切 歯根形成# 歯 歯根完成 計. 被検対象 1. 2. 3. 7 1 5 1 1 5 1. 2 2 2 9 1 0. 0 0 2 1 3. 0 0 0 5. 7 3 7 3 2 6 2 9. 計. 1 3 8. 4 3. 1 5. 5. 2 0 1. 歯根形成!. 1 7 2 8 2 1 3 7. 5 2 0 0. 0 0 0 0. 0 0 0 0. 2 2 3 0 2 1 3 7. 1 0 3. 7. 0. 0. 1 1 0. 歯根吸収0. 乳 歯根吸収1 側 歯根吸収2 切 歯 歯根吸収3. 側 歯根形成" 切 歯根形成# 歯 歯根完成 計 ― 42 ―. 合計 0.
(8) 歯科学報. 動 揺 度 測 定 値. Vol.1 0 2,No.4(2 0 0 2). 2 8 3. 10. 8. 6. 4. 2. 0 0. 1. 2. 3. Ⅰ. 乳中切歯歯根吸収程度 図7. 動 揺 度 測 定 値. Ⅱ. Ⅲ. 歯根完成. 中切歯歯根形成程度. 臨床的動揺度0と判定した被検歯の動揺度測定値 ― 乳中切歯・中切歯 ―. 10. 8. 6. 4. 2. 0 0. 1. 2. 3. 乳側切歯歯根吸収程度 図8. Ⅰ. Ⅱ. Ⅲ. 側切歯歯根形成程度. 臨床的動揺度0と判定した被検歯の動揺度測定値 ― 乳側切歯・側切歯 ― ― 43 ―. 歯根完成.
(9) 2 8 4 表8. 氏家, 他:上顎切歯の生理的動揺度に関する研究. 被検対象. 乳 中 切 歯. 表9. 臨床的動揺度0と判定した被検歯の動揺度測 定値 ― 乳中切歯・中切歯 ―. 2 0 2 9 9 5. 3. 0 3. 8 4. 5 8. 0. 1. 9 2. 1 2. 1 3. 4. 2. 5 2. 8 3. 2 4. 7. 0. 2 9 0. 4 5 0. 8 0 1. 8 8. 合 計. 6 3. 8. 0. 1. 9. 2. 9. 0. 8 7. 2 2 2 7 4 1 4 2. 4. 2 4. 0 3. 4 2. 3. 2. 3 2. 2 1. 8 1. 3. 3. 2 2. 9 2. 7 1. 7. 0. 5 4 0. 5 4 0. 4 6 0. 2 1. 1 3 2. 4. 2. 1. 3. 2. 5. 0. 7 4. 歯根形成! 歯根形成" 中 切 歯根形成# 歯 歯根完成 合 計. 被検対象. 被検歯数 最大値 最小値 平均値 標準偏差. 歯根吸収0 歯根吸収1 歯根吸収2 歯根吸収3. 臨床的動揺度0と判定した被検歯の動揺度測 定値 ― 乳側切歯・側切歯 ―. 乳 側 切 歯. 被検歯数 最大値 最小値 平均値 標準偏差. 歯根吸収0 歯根吸収1 歯根吸収2 歯根吸収3. 7 1 5 1 1 5 1. 4. 5 5. 2 6. 6 3. 7. 1. 9 2. 2 2. 9 3. 7. 3. 0 3. 5 3. 9 3. 7. 0. 4 8 0. 7 0 1. 2 0 −. 合 計. 1 3 8. 6. 6. 1. 9. 3. 3. 0. 7 3. 1 7 2 8 2 1 3 7. 3. 8 3. 5 4. 3 2. 2. 2. 4 2. 1 2. 1 1. 3. 3. 1 3. 0 2. 8 1. 7. 0. 4 4 0. 3 4 0. 6 6 0. 1 9. 1 0 3. 4. 3. 1. 3. 2. 5. 0. 7 4. 歯根形成! 歯根形成" 側 切 歯根形成# 歯 歯根完成 合 計. 歯根形成!の平均値は3. 1±0. 44,歯根形成"は. い著しい叢生歯列異常が認められる場合は,被検. 3. 0±0. 34,歯根形成#は2. 8±0. 66,歯根完成歯. 対象から除外した。また,動揺度の測定は,被検. は1. 7±0. 19で,側切歯全体の平均値は2. 5±0. 74. 歯の歯冠唇面中央部を槌打して行うため,矮小歯. であった。. や円錐歯などの形態異常歯は本測定器により正し く測定できない可能性があると考えられる。そこ 考. 察. でこれらの歯牙も対象から除外した。 3.歯根吸収程度および歯根形成程度と動揺度測. 1.供試測定器の選択理由. 定値との関係. 歯牙の動揺度を評価することを目的とした機器 には,ダイヤルゲージ,ひずみゲージ,マグネ. 乳切歯では,歯根吸収0から2までは歯根吸収の. チックセンサならびにレーザーを用いた方法な. 進行に伴い測定値は漸次増加した。しかし,2か. 9∼15). ,その臨床的応用. ら3に至るとその値は急激に増加することが確認. の結果が報告されている。共振周波数を用いて歯. された。また,切歯では歯根形成!から#までは. 周組織の応答を観察し,歯牙の動揺度を数値で評. 漸次減少し,歯根形成#から歯根完成に至ると測. 価する本研究で用いた測定器は,インパクトハン. 定値は急激に減少することが確認された。それぞ. マーによる歯牙槌打時の衝撃が小さく,測定時に. れの測定値の平均値における標準偏差をみると,. 不快感を与えることが少ない。さらに装置が簡便. 乳歯では吸収程度が進行するに従い標準偏差が大. で,測定手技も容易に修得することが可能である. きくなり,永久歯では歯根形成の進行とともに標. ことなどの特徴を有している。従って,本測定器. 準偏差は小さくなり,歯根完成歯の標準偏差は急. は低年齢の小児から成人まで幅広い年齢層で応用. 激に小さな値を示した。この理由として,乳歯で. 可能な機器と考えられる。. は,生理的歯根吸収が一定速度で進行するのでは. 2.被検歯の選択について. なく,吸収の進行期と休止期があるため,同じ程. ど,種々の機器が開発され. 被検歯の選択に際して,動揺度に影響を及ぼす. 度の吸収であっても進行期と休止期では動揺度に. 可能性があると考えられる歯牙,すなわち,外傷. 差が生じると考えられる。加えて,歯根吸収形態. の既往や歯髄疾患,根端性歯周組織炎が疑われる. も測定値に影響していることが考えられる16∼21)。. 歯牙,歯齦に著しい炎症が認められる歯牙,さら. また,山口ら22)は,小児上顎骨切歯部の内部構造. に,矯正治療の既往や隣在歯との重なり量が大き. について観察した結果,乳歯列期から中切歯が咬. ― 44 ―.
(10) 歯科学報. Vol.1 0 2,No.4(2 0 0 2). 2 8 5. 合線に達する時期にかけて,骨梁密度は減少する. に伴う動揺度の変化は,歯槽骨の増齢変化に影響. と報告している。このことから,乳歯の歯根吸収. を受けているものと考えられる。. の進行に伴い,骨梁密度が減少することが考えら. 4.臨床的動揺度と歯根吸収程度および歯根形成. れ,その結果,生理的動揺度にも影響していると. 程度との関係. 推測される。. 本研究では,臨床的動揺度判定および測定器に. 一方,永久歯では,歯根長もさることながら,. よる測定を同一の術者が実施した。そこで,臨床. 歯槽骨など歯周組織の成熟が大きく関係している. 的動揺度が0と判定された被検歯と動揺度測定器. ことが考えられる。すなわち,歯の動揺度は,周. による測定値との比較を試みた。その結果は,表. 囲歯周組織の性状に大きな影響を受けると. 8,表9および図7,図8に示したとおりであ. 23). 24). Muhlemann は報告している。また外木ら は,. る。すなわち,乳切歯の測定値は最小1. 9から最. 小児期における健康な下顎臼歯部の歯槽骨縁の高. 大8. 0までの範囲に,切歯では最小1. 3から最大. さは,永久歯萌出完了2年から5年後に安定した. 4. 3までの広い範囲に分布していた。. と報告している。この報告を参考にすると,本研. このことは,臨床的判定法で動揺度0と判定し. 究の測定部位とした切歯部の歯槽骨縁の高さも歯. た場合は,術者の主観が判定結果に大きく影響す. 牙の萌出に伴い同様の変化がみられるものと考え. る可能性を示している。. られる。さらに山口ら22)は,中切歯萌出後から犬. 5.臨床的動揺度と動揺度測定値との関連性. 歯が咬合線に達する時期にかけ,骨梁密度や緻密. 表6および表7に示したとおり,切歯について. 骨幅が増加したと報告している。以上の研究結果. は Miller の方法により臨床的動揺度が2および. から,本研究における切歯の歯根形成程度の進展. 3を示した被検歯は,中切歯および側切歯ともに. 表1 0 臨床的動揺度と動揺度測定値との関係 ― 乳中切歯 ―. 表1 1 臨床的動揺度と動揺度測定値との関係 ― 乳側切歯 ―. 臨床的動揺度 被検歯数 最小値 最大値 平均値 標準偏差. 臨床的動揺度 被検歯数 最小値 最大値 平均値 標準偏差. Miller0 Miller1 Miller2. 6 3 3 2 2 6. 1. 9 2. 3 3. 1. 8. 0 9. 6 8. 3. 2. 9 4. 8 7. 3. 0. 8 7 1. 7 6 2. 0 2. Miller0 Miller1 Miller2. 1 3 8 4 3 1 5. 1. 9 3. 0 4. 4. 6. 6 8. 1 1 4. 9. 3. 3 4. 9 7. 7. 0. 7 3 1. 2 7 2. 5 2. Miller3. 8. 5. 9. 1 2. 6. 9. 2. 2. 4 3. Miller3. 5. 7. 3. 1 3. 8. 1 0. 8. 3. 0 2. 図9. 臨床的動揺度と動揺度測定値との関係 ― 乳中切歯 ―. 図1 0 臨床的動揺度と動揺度測定値との関係 ― 乳側切歯 ― ― 45 ―.
(11) 2 8 6. 氏家, 他:上顎切歯の生理的動揺度に関する研究. 皆無であった。しかし,乳切歯については,全て. は,臨床的に極めて有効な手段であり,特に乳切. の臨床的動揺度測定値に分布していたため,乳切. 歯においては,臨床的に動揺度が小さい症例から. 歯についてのみ Miller の方法による臨床的動揺. 大きい症例まで客観的に評価することが可能であ. 度と動揺度測定器による測定値との関連性につい. り,切歯においては,歯根の形成程度に関係なく. て詳細に比較した。その結果は,表10,表1 1およ. 測定が可能であることが判明した。. び図9,図10に示すとおりである。すなわち,乳 結. 中切歯の Miller の方法による臨床的動揺度0と. 論. 判定した被検歯6 3歯の動揺度測定値は最小1. 9,. 切歯の生理的動揺度を客観的に評価することを. 最大8. 0であり,平均2. 9±0. 87であった。また,. 目的にデンタル・モビリティー・チェカー!を用. 臨床的動揺度1と判定した被検歯32歯の動揺度測. いて,乳切歯および切歯の動揺度を測定した結. 定値は最小2. 3,最大9. 6,平均4. 8±1. 76,臨床. 果,以下の結論を得た。. 的動揺度2と判定した被検歯26歯の動揺度測定値. 1.乳中切歯では歯根吸収0の平均値は2. 5であ. は最小3. 1,最大8. 3,平均7. 3±2. 02,臨床的動. り,歯根吸収1では2. 8,歯根吸収2では4. 0,. 揺度3と判定した被検歯8歯の動揺度測定値は最. 歯根吸収3では7. 4であった。中切歯では歯根 形成"の平均値は3. 3であり,歯根形成#では. 小5. 9,最大12. 6,平均9. 2±2. 43であった。 同様に,乳側切歯では,Miller の方法による臨. 2. 9,歯根形成$では2. 8,歯根完成歯では1. 7 であった。. 床的動揺度0と判定した被検歯1 38歯の動揺度測 定値は最小1. 9,最大6. 6であり,平均3. 3±0. 73. 2.乳側切歯では歯根吸収0の平均値は3. 1であ. であった。また,臨床的動揺度1と判定した被検. り,歯根吸収1では3. 7,歯根吸収2では4. 3,. 歯43歯の動揺度測定値は最小3. 0,最大8. 1,平均. 歯根吸収3では7. 9であった。側切歯では歯根. 4. 9±1. 27,臨床的動揺度2と判定した被検歯1 5. 形成"の平均値は3. 2であり,歯根形成#では. 歯の動揺度測定値は最小4. 4,最大14. 9,平均7. 7. 3. 0,歯根形成$では2. 8,歯根完成歯では1. 6 であった。. ±2. 52,臨床的動揺度3と判定した被検歯5歯の 動揺度測定値は最小7. 3,最大13. 8,平均10. 8±. 3.乳中切歯,乳側切歯とも歯根吸収の進行に従 い動揺度は増加することが確認された。. 3. 02であった。 以上のように,乳中切歯および乳側切歯ともに. 4.中切歯,側切歯とも歯根形成程度の進行に従. 臨床的動揺度が大きくなるに従い,動揺度測定値. い動揺度測定値は漸次減少し,歯根形成$から. の平均値も等差級数的に増加している。このこと. 歯根完成に至ると急激に減少することが確認さ. から,乳歯については臨床的に動揺度が大きい症. れた。. 例についても,客観的に動揺度を評価することが. 5.Miller の方法に準じた臨床的判定法で同じ動. 可能である。しかし,臨床的動揺度が大きくなる. 揺度を示した被検歯であっても,動揺度測定器. に従い,動揺度測定値の標準偏差も大きくなるこ. を用いることで,より客観的な動揺度を測定す. とから,本測定器を用いて動揺度が大きい症例を. ることが可能であった。. 測定するにあたっては,測定回数を増やしたり,. 6.本研究において使用した測定器は,小児から. 複数の測定者による測定を行うことなどにより,. 成人まで幅広い年齢層で使用可能であり,臨床. 測定値の安定を計る必要があることが示唆され. において有効に使用できるものであると考えら. た。. れた。. 本研究結果から,客観的かつ詳細に歯牙の動揺 度を判定するためには,動揺度測定器を用いるこ とが望ましく,本測定器を用いた動揺度の測定. 本論文の要旨は,第3 9回日本小児歯科学会大会およ び総会(2 0 0 1年5月1 8日,大阪) において発表した。. ― 46 ―.
(12) 歯科学報. 参. 考. 文. Vol.1 0 2,No.4(2 0 0 2). 献. 1)Miller, S. C. : Textbook of periodontia, 3 rd ed., 125, The blakiston company, Philadelphia, 1950. 2)青木宏和:インパクトハンマー測定法による健全歯 の動揺度について.神歯学,2 2:1 3∼3 1,1 9 8 7. 3)大野直人:歯の動揺度自動診断システムによる歯周 組織の機能評価.歯科医学,5 2:6 0 9∼6 2 5,1 9 8 9. 4)鴨井久一,中島 茂:根分岐部病変の動揺度 新し い動揺度測定器を用いて.Dental Diamond,8:7 0 ∼7 8,1 9 9 0. 5)氏家真由子,丘 芳美,久保周平,藥師寺 仁:幼 若永久歯の生理的動揺度に関する研究 ― 特に上顎切 歯について ―.小児歯誌,3 7:1 0 0 9∼1 0 1 4,1 9 9 9. 6)丘 芳美,氏家真由子,久保周平,藥師寺 仁:乳 歯の生理的動揺度に関する研究 ― 上顎乳切歯につい て ― ,小児歯誌,3 9:3 5∼4 1,2 0 0 1. 7)大多和由美:乳歯の電気歯髄診断に関する研究.歯 科学報,9 6:1 2 7∼1 4 0,1 9 9 6. 8)大多和由美,藤居弘通,久保田一見,町田幸雄:歯 根未完成永久歯の電気歯髄診断に関する研究.小児歯 誌,2 4:7 2 5∼7 3 2,1 9 8 6. 9)後藤建機:歯牙の生理的動揺に関する実験的研究. 歯科学報,7 1:1 4 1 5∼1 4 4 4,1 9 7 1. 1 0)五十嵐順正,藍 稔:非接触微小変位センサーによ る歯の動態観察 第1報 装置の概要と測定方法.補 綴誌,2 4:4 5 7∼4 6 9,1 9 8 0. 1 1)加藤 均:歯周組織の機能状態に関する研究 第1 報 2次元微小変位計.補綴誌, 2 5:7 3 3∼7 4 5.1 9 8 1. 1 2)中村正幸:衝撃に対する歯および歯周組織の応答に 関する基礎的研究.歯科学報,8 2:9 1 5∼9 4 8,1 9 8 2.. 2 8 7. 1 3)中澤 章:咬合時に歯が受ける衝撃の加速度と周波 数特性に関する研究.歯科学報,8 6:1 8 7∼2 1 6, 1 9 8 6. 1 4)湯浅慶一郎,近常 正,大平洋志ほか:歯牙の動揺 に関する二次元的解析.補綴誌,3 3:4 2 2∼4 2 8, 1 9 8 9. 1 5)中澤 章, 大川秀樹, 近常 正, 大平洋志, 齋藤文明, 腰原 好:歯の動揺度測定に関する研究 第1報 動 揺度測定装置について.補綴誌,3 7:4 8 0∼4 8 7, 1 9 9 3. 1 6)西口定彦,延島三男:乳歯根の吸収について.日矯 歯誌,2 0:5 9∼6 1,1 9 6 1. 1 7)大野和江:生理的歯根吸収に伴う乳歯歯髄の変化に 関する組織学的研究.口病誌,3 3:4 0 8∼4 2 1,1 9 6 6. 1 8)山下 浩:乳歯の歯根吸収 ― 小児歯科臨床の立場 から ― .歯界展望,3 8:7 5 7∼7 6 6,1 9 7 1. 1 9)一條 尚:乳歯の歯根吸収像に関する形態学的観 察.小児歯誌,1 3:2 2 9∼2 3 5,1 9 7 5. 2 0)伊藤裕一郎:乳歯根吸収に伴う歯の振動特性.小児 歯誌,2 8:7 1 0∼7 1 9,1 9 9 0. 2 1)大野和江:乳前歯歯根の吸収型ならびに吸収速度と 暦 令 と の 関 係 に つ い て.小 児 歯 誌,4:7∼1 2, 1 9 9 6. 2 2)山口雅史,坂 秀樹,清水 泰:小児上顎切歯部の 内 部 構 造 に 関 す る 研 究.小 児 歯 誌,3 7:5 3 9∼5 5 8, 1 9 9 9. 2 3)Muhlemann H. R. : Tooth mobility : A review of clinical aspcts and research findings, J. Periodontol., 3 8:6 8 6∼7 1 3,1 9 6 7. 2 4)外木徳子,町田幸雄:小児歯科における歯周炎の早 期発見に関する臨床エックス線的研究(特に歯槽骨縁 の発育過程における変化について) .小児歯誌,2 9: 8 1 4∼8 2 3,1 9 9 1.. ― 47 ―.
(13) 2 8 8. 氏家, 他:上顎切歯の生理的動揺度に関する研究. Study on Physiological Tooth Mobility in the Maxillary Incisors Mayuko UJIIE, Shuhei KUBO, Yoshimi OKA and Masashi YAKUSHIJI Department of Pediatric Dentistry, Tokyo Dental College (Chair man : Prof. Masashi Yakushiji) Key words : Physiological tooth mobility, Maxillary primary incisor, Maxillary permanent incisor. This study was conducted to estimate the degree of physiological tooth mobility in the maxillary incisors. The materials in this study were 129 maxillary primary central incisors, 201 maxillary primary lateral incisors, 140 maxillary central incisors and 110 maxillary lateral incisors. The tooth mobilities were measured by the“Dental mobility checker” (Yoshida. Co.) . Among the primary incisors, the mobility value increased with root resorption. Among the permanent incisors, the mobility value decreased with root development. There were significant differences in tooth mobility between young permanent tooth and adult permanent tooth. In conclusion, it is suggested that physiological tooth mobility of the incisor can be estimated ob(The Shikwa Gakuho,1 0 2:2 7 7∼2 8 8,2 0 0 2). jectively by the“Dental mobility checker” .. ― 48 ―.
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