齋藤美雄教授を称えて
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(2) 生は商経学部長補佐になられ, 2002年 9月にかけての3 年半にわたって, 学部長であった 私と組んでともに手がけた大きな仕事, それは商経学部の改組分離を成就させることであ りました。 商経学部教職員全体が一 丸となり目標に向かって努力したのでありますが, 先 生は文字通り陣頭指揮をとられたのです。 先生の学部改組にかかわるご功績は, 学部の社 会的評価を高めるうえで多大な貢献をなすものでした。 この期間が私にとって, 齋藤先生 との最も思い出深い時期であったのです。 齋藤先生の改組への情熱は, 先生ご自身が書かれた文書にあらわれています。「商経学 部の現状と課題. 学部改組の必要性と方向性 一 」(2001年3月) と題する草稿はすぺて. 先生ご自身が書かれたもので, じつに約3万字に及ぶ厖大なものでした。 改組への理論的 裏づけ, 方向性が論じられたこの精緻かつ明解な文章は, まさに渾身の力を込めて作成さ れた改組への熱情溢れる論稿でした。 まず問題提起としてこの文書は, 学部の競争力の低下を裏づける他大学との志願者数の 比較, 低下しつつある商経学部の市場地位を統計的に裏づけることから始めています。 そ こから緊急を要する改組転換の必要性を説き, マンモス複合学部体制の限界の打破, 教学 面における逆機能の多様性(尖鋭化する過大組織の弊害, 教学システムの構造的複雑性), 複合学部のメリット, デメリットの明確化を詳述したのです。 そこでどのような方向性で 学部の改組転換を実行していくべきかに論をすすめ, マンモス複合学部のマイナス面, 基 礎体力を蝕むマンモス教育の悪循環, 少人数教育の充実強化, 昼夜開講制の実施の円滑化, 教育力の充実強化, 学部分割のメリット等々について細かく主張され, すでに「商経学部」 の看板は過去の遺物と化しているとまで断定し, 学部改組の緊急性を説いたのです。 さら に学部分割の戦略的課題として, 大学の制度的環境変化への重要性, とくに経済社会的動 向にも注目すべきであることが主張されました。 結論として, 大学としての立地条件, 規模, 伝統, 総合大学としての特性は他大学と比 較して遜色ないものの, たとえば志願者数が劣っているのはなぜかなど, 商経学部の改組 転換は, まず問題意識の共有から出発すぺきであること, 危機感の共有のないところに組 織変革の成功はないと断じ,「何事もやればできる」という信念の共有にもとづく実行力こ そが, すべてを可能にするものであると結論づけられたのです。 この詳細な理論分析は, 日頃考えてきた私の意見と完全に 一 致するものでした。 商経学部の変革期, 大きな課題に直面したときにも, 先生は学部改革で抜きん出た手腕 を発揮されました。 私が長年のお付合いのなかで感じた先生の該博な知識, 感覚の鮮烈 さ, 温厚な人柄のなかにもときに垣間見たご教説の断乎さには頭の下がる思いでした。 素.
(3) 朴さを主張することが近年だんだんと困難に思える世の空気のなかにあって, 先生は誠実 性という言葉がじつにぴったりする個性をお持ちでした。 責任感つよく熱意をもって行動 する積極性, 的確な判断力, 親しみ易く折目正しい人間性は先生の思想と行動につよくあ らわれています。 2003年4月から商経学部はめでたく経済学部と経営学部に分離改組され, 齋藤先生は経 営学部長の要職に就任されました。 この分離改組を可能にしたのも, 商経学部における先 生のリ ー ダ ー シップを通じて, その基盤かしっかりと確立されていたからでありました。 経営学部長になられてからも, 新学部充実のためにさらなる力量を発揮されました。 円滑 な学部運営はひとえに先生の信望の厚さによるものでありました。 先生が身をもって示さ れた理論と実践を今後も大切に継承していくことは, 後進の教員にとって心すべきことと いわなければなりません。 ぜひその精神を 2 つの新学部において受け継いでいただきたい と思います。 齋藤美雄教授は, これまで述べてきましたように, 多方面にわたって学部及び大学の発 展に貢献されてきました。 定年退職されることはたいへん淋しい気持ちがいたします。 長 い間本当にご苦労様てした。 今後は, 近畿大学名誉教授として, 経営学部の充実発展のた めに, 折に触れてご高見を賜りたいと存じます。 ご健康に留意されて, 長い人生における 新たなご活躍を心から祈念する次第であります。.
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