教育と医療との連携システムに関する研究 : 肢体不自由養護学校における「医療的ケア」を中心に
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(2) 学校において「医療的ケア」を実施するための. 医療スタッフがかかわっているにもかかわらず、. 条件として、医療スタッフの常駐が強く望まれて. その機会を生かし切れていない実態が明らかにな. いた。しかし、学校に新しい職種を導入したり、. った。ケース・カンファレンスや連絡会などの開. 新しい施設を設置することは望ましいことではあ. 催により、児童・生徒についての情報交換や学校. るが、現実問題としては難しいであろう。そこで. 行事の企画、調整をするなど、その有機的な活用. 地域の医療機関からの看護婦の出向や地域の保健、. が望まれる。. 福祉機関の活用、小児科専門医を校医として配置、. 看護婦免許を持った養護教諭の登用など現有の人 材、資源の活用の再考が必要である。. 主治医や近隣の医療機関との連携については、 「必要なとき」だけの連携ではなく、普段から定. IV 今後の課題 (1)教員の専門性の向上について. 教員の専門性の向上については、現職教員研修 だけではなく教員養成段階での課題が残されてい. 期的なかかわりが重要である。しかし、学校現場. る。今回の研究では触れることはできなかったが、. の多忙さから考えると、現状での学校の態勢では. 教員の専門性の向上という面では教員養成は大き. 難しく、連携に向けての学校態勢作りが急務であ. なウェートを占めている。教員養成段階での教育. る。. 課程へも踏み込んだ検討が必要である。. また、それぞれの持ち場の近くから利用できる という利点を生かし、Eメールやインターネット、. (2)アンケート調査の対象について. テレビ電話システムなどの情報機器を活用した連. 今回の調査は学校と教員を対象にして行い、教. 携も有効である。その活用を視野に入れた連携シ. 育の側の意見は不十分ながらもある程度吸い上げ. ステムの構築も今後必要となるであろう。. られたと思われるが、医療側の考えを聞くことが できていない。指導医や校医、主治医、看護婦、. (3)教員と異職種スタッフとの連携態勢. 訓練士など医療関係者の意見も聞いた上で、教育. 「医療的ケア」に関する研修の必要性について. と医療との連携を再検討することを今後の課題と. はほとんどの教員が認めるところであり、これか. したい。. ら先も「医療的ケア」の実施状況は増加の傾向を 示すであろう。「医療的ケア」に関する教員研修が. 医療機関の協力の下に計画的、継続的に行われて. (3)教育と医療との連携システムの構築につい て. いくためには、都道府県レベルでの研修の企画、. 今回の研究では、教育と医療との連携システム. 実施についての施策が必要である。また、新採用. のモデル構築まで示してみたかったが、実際には. 教員、赴任1年目教員に対しては、医療機関での. 望ましい連携についての私見を述べるにとどまっ. 研修を必須とすることも肢体不自由養護学校教員. た。この反省を生かし、今後の課題としたい。. の専門性の修得、向上の点に置いて有効である。. 校内の医療スタッフとの連携は、児童・生徒の 実態把握や教員の医療的な知識・技術を高める上. 主任指導教官 山口 洋史. で、たいへん重要である。しかし、学校に多くの. 指導教官 河相 善雄.
(3) 平成11年度 学位論文. 教育と医療との連携システムに関する研究 一肢体不自由養護学校における「医療的ケア」を中心に一. 兵庫教育大学大学院 学校教育研究科 障害児教育専攻. M98307B 亀谷正樹.
(4) 目. 次. 序章 問題の所在と研究の目的. 1. 1. 第1節 問題の所在 第2節 研究の目的. 2. 第3節. 4. 第1章. 「医療的ケア」. 「医療的ケア」の問題を巡る背景. 7. 第1節 「医療的ケア」の問題の顕在化. 7. 第2節 「医療的ケア」の各地の動向. 9. 第3節 第2章. 「医療的ケア」についての責任問題. 学校内における「医療的ケア」の実態. 12. 16. 16. 第1節 調査研究の概要 第2節 校内の「医療的ケア」に対する連携体制. 24. 第3節 「医療的ケア」の実施者. 38. 第4節 学校内における「医療的ケア」の実態. 55. 第3章異職種スタッフとの連携態勢. 59 59. 第1節教員の果たすべき役割 第2節学校と異職種スタッフとの連携 第3節 現職教員研修. 63. 第4節教員の役割と異職種スタッフの連携. 79. 72. 終章 研究のまとめと今後の課題. 81. 参考文献一覧. 86.
(5) 巻末資料. 資料1. 肢体不自由養護学校における教育と医療との連携に関する調査 【学校用】. 資料2. 肢体不自由養護学校における教育と医療との連携に関する調査 【教員用】. 資料3 謝辞. 記述回答.
(6) 教育と医療との連携システムに関する研究 一肢体不自由養護学校における「医療的ケア」を中心に一. 序章 問題の所在と研究の目的. 第1節 問題の所在 昭和50年(1975)3月、「重度・重複障害児に対する学校教育の在 り方」が文部省の委嘱に基づいて、「特殊教育の改善に関する調査研究 会」から報告され、どのような重度の障害がある児童・生徒であっても. 教育の努力が払われるべきであり、学校教育の対象とすることが明確に. された。その4年後の昭和54年(1979)養護学校の就学義務制以降、 障害が重く医療的な配慮を要する児童・生徒、すなわち、経管栄養、疾 の吸引、導尿などいわゆる「医療的ケア」を必要とする児童・生徒が就 学するようになり、肢体不自由養護学校では常に教育と医療の在り方が 問われ続けてきた。. ここでいう「医療的ケア」とは、疾患に対して行う高度な知識や技術 を要する診断治療的なものではなく、経管栄養、吸引、導尿などに代表 されるような日常的に行う必要のある医療的生活介護・援助行為をさす ものであり、「医療的ケア」を必要とする児童・生徒にとっては生活を. 構成する不可欠な要素となるものである。換言すれば、その行為自体が 生活の一部であり、その行為なくして彼らの生活は成立しない。医療的 ケアがそのような行為である以上、児童・生徒の発達・自立を保障し、. 生活の質の向上を図るためにも、「医療的ケア」を学校の一つの機能と して積極的に取り込んでいく必要があると考える。. 「医療的ケア」を学校現場で実施するに当たっては、医療的要素を多 1.
(7) 分に含んでいるため、医療との緻密な連携を図りながら、「医療的ケア」. に関する知識・技術のみならず、児童・生徒一人ひとりの障害に対する. 知識・理解の向上も図らなければならない。また、従来の形式的、便宜 的な連携の方法では児童・生徒の多様な障害のニーズには対応できず、. 教育と医療との協働化を視野に入れた連携態勢の確立が必要となってき ている。. 第2節 研究の目的と方法 (1) 研究の目的. 本研究は、養護学校教員の専門性、異職種スタッフとの連携、校内体 制の充実に焦点を当て、それらを巡る課題を整理し、望ましい教育と医 療との連携システムを提示すると共に、安全で確実な「医療的ケア」の 実施に向けての指標を築き上げることを目的とする。. (2) 研究の方法. 教育と医療の連携を考える場合、①教員の専門性の向上、②学校内の 医療スタッフとの連携、③学校外の医療機関との連携、④校内連携態勢 の充実、というような4つの視点が挙げられる。 まずはじめに、「医療的ケア」を学校で実施する場合、それを受ける. 児童・生徒の安全を確実なものとするため、教員の医療面に関する知識 や技術の向上、言うなれば養護学校教員としての専門性の向上を図らな ければならない。そのためには、専門医や看護婦の密接な連携と指導の もと、教員として身につけなければならない知識、技術についての研修 が必要であるが、その目的、内容、方法、などについての検討が必要と なる。. 2.
(8) 専門性の向上については教員養成段階におけるカリキュラムの問題も 重要であるが、「医療的ケア」に関しては実際に障害の重い児童・生徒 とかかわることによって、その状態を見極め、対応する実践力が重要視 される。1. オたがって本研究では、現職研修に限定して検討を行う。. つぎに、学校医、学校看護婦や訪問看護制度による派遣看護婦など の学校内の医療専門スタッフとの連携が挙げられる。児童・生徒の障害 や健康管理についての医療的な情報は、児童・生徒の実態の把握や日々. の教育活動を進めていく上で不可欠なものであり、加えて、新学習指導 要領にうたわれている「自立活動」における「個別指導計画」の作成に おいても重要な位置を占めるものである。従来の連携よりさらに進んだ 機能的な連携の形態が求められる。. また、学校看護婦や派遣看護婦については一部の地域ではすでに実施 され、今後もこの制度の利用が増えると予想されるが、学校現場におい. て今までにはなかった職種であることから、児童・生徒にかかわる際の ケアの範囲、役割分担などの検討が必要である。また、各地でこの制度 を導入しようとする場合、予算や行政組織上の格差があり、現状では一. 律に導入、実施することは困難であると考える。その点についても検討 を加えたい。. 三点目には学校外の医療機関との連携が挙げられる。学校外の医療機i. 関の連携には、学校(学校医、養護教諭、担任)と主治医の連携、緊急 時の対応としての近隣の医療機関との連携、スクールバスあるいはタク シーの通学経路上の医療機関との連携などが考えられるが、それぞれの 場合において、児童・生徒の安全を見据えた連携システムを模索したい。. 四点目には校内体制の充実へ向けての課題がある。ほとんどの肢体不 自由養護学校では医療的ケアをより安全に実施するために学校保健委員 3.
(9) 会や医療的ケア検討委員会などを中心に検討をしているが、それは一部 の教員の取り組みであり、教職員のコンセンサスを形成するに至ってい. ない場合が多い。この点についても、校内組織の見直し、強化を図る必 要がある。. 以上の視点から、肢体不自由養護学校教員の医療的ケアに関する意識 の調査や、医療的ケア実施校の実践事例、校内体制を集約、検討するこ とを通して、望ましい教育と医療の連携システムのあり方を示し、より. 安全で確実な児童・生徒一人ひとりのニーズに対応した医療的ケアを実 施できるようにしたい。. 第3節 「医療的ケア」 (1)「医療的ケア」について. 近年、養護学校に就学する児童・生徒の障害の重度化・重複:化が顕. 著になってきている。その背景には、昭和54年の養護学校への就学義 務制の実施により、障害のある子どもすべてが教育の対象となったこと. や、医療技術の進歩及びノーマライゼーションの流れから、医療機関や 施設における介護から在宅介護に移行する傾向が強くなってきているこ とが挙げられる。このような動向が、健康維持、生活維持に配慮を必要 とする、いわゆる「医療的ケア」の必要な児童・生徒の就学の増加につ ながっていると考える。. 「医療的ケア」については、肢体不自由養護学校を中心として各地で 検討されているが、全国的に統一した見解は出されておらず、各自治体、. 学校独自の取り組みとなっている。しかしながら、全国肢体不自由養護 学校長会の調査(1996)1)によれば、「医療的ケア」の必要な者の在. 学率は年々増加の傾向にあることが指摘されている。現場の校長の半数 4.
(10) 近くは、「医療的ケア」を無視しては養護学校における教育を円滑に行. えなくなる状況にあると考えており、何らかの対策の必要性を感じてい. ることが示されている。このような動きを受けて、文部省は平成10年 度から2力年、「特殊教育における福祉・医療との連携に関する実践研 究」のなかで、『教育における医療的バックアップ』の名の下に「医療. 的ケア」についての具体的な方向性の検討を行い、一定のガイドライン を示そうとしている。. (2)医療行為と「医療的ケア」. 「医療的ケア」の問題が全国的にクローズアップされてから十年余り が経過した。しかし、児童・生徒の障害の重度・重複化が進み、「医療 的ケア」の必要性が高まっているにもかかわらず、現在に至っても対策 の遅れから、この問題に対する進展が見えてこない。その理由として挙 げられるのは、「医療的ケア」に対する法的解釈の相違であろう。そし てその一番の論点は、「医療的ケア」が医療行為か否かということであ る。. 周知のごとく、医療行為は医師として国家資格のある者のみに許され た行為であり、資格のない者が行うと医師法及び保健婦助産婦看護婦法 に抵触するとされている。. 在宅医療の始まりを考えてみると、経管栄養や疾の吸引、酸素吸入、. 導尿などはそれを必要とする人々にとっては生活していく上で不可欠な 行為である。以前は医師や看護婦によって行われてきた行為であるが、. 医師や看護婦のみが行うのであれば明らかに社会参加は望めず、施設や 病院での生活を余儀なくされる。そこで、ノーマライゼーションの理念 の後押しもあり、家庭に居ながらにして医師の指導のもとに必要な実行 5.
(11) 条件2)を満たせば、これらの行為を本人や家族が行ってもよいように なったという経緯がある。このような在宅での家族又は本人が行う行為 は、医師だけに許された治療を目的とする医療行為とは明らかに異なり、. 生活介護の一部=「医療的ケア」ということができる。つまり「医療的 ケア」とは、「生活の援助のために本人もしくは家族や介護者の方が医 師の許可により、医師や看護婦の指導で、行うことを任された行為3>」 なのである。. <註、引用文献>. 1) 全国肢体不自由養護学校校長会(1996) 肢体不自由養護学校部会報告 「医療的ケアの必要な児童生徒の実態について」. 全国特殊学校長会平成8年度研究集録、50−53 2) 鈴木康之(1998);責任問題をどう考えるか. 「はげみ」平成10年12月・11年1月号 社会福祉法人日本肢体不自由児協会発行 必要な実行条件:. ①特定の対象者に対する行為であること。. ②限定された、特定された医療的ケアであること。従って急性期 の治療的な目的ではなく、状態の維持を目的としたものである こと。. ③医師の指導により始められ、その指導監督のもとにあること ④自分もしくは家族などに限られていること。従って、本人もし くは代理者である家族の了解のもとに行われていること。. 3)鈴木康之(1998);同上 6.
(12) 第1章 「医療的ケア」の問題を巡る背景. 序章でも述べたように、障害の重度・重複化、多様化が進み、 「医療. 的ケア」を抜きにしては健康を維持することは言うに及ばず、生活すら. 成り立たない児童・生徒が増加しつつある。学校現場においても、これ らの児童・生徒が通学してくる以上、その教育を保障し、生活の質を向. 上させていくためにも「医療的ケア」の問題は避けては通れず、各地で さまざまな取り組みが行われている。. そこで、本章では「医療的ケア」の問題が顕在化してきた背景及び現 状、また、その問題解決のために各地で行われている取り組みについて 概観しながら、課題、問題点を整理していく。. 第1節. 「医療的ケア」の問題の顕在化. (1) 児童・生徒の障害の重度化・重複化の背景. 養護学校が設置され始めたのは戦後のことであるが、昭和31年 (1956)公立養護学校整備特別措置法や昭和35年(1960)養護学校 設備費補助開始などの国の特殊教育振興策の推進により肢体不自由養護. 学校の設置が進められ、昭和44年(1969)には全国都道府県に肢体不 自由養護学校が設置された。肢体不自由養護学校の増加に加えて昭和54 年(1979)の養i護学校の就学義務制の施行により、就学児童・生徒数:. が増加するとともに、その障害の状態も重度・重複化の様相を呈してき た。. 7.
(13) 全国肢体不自由養護学校児童生徒病因別調査1)によると、昭和40年. 代には脳性麻痺の児童・生徒の就学が在籍児童・生徒の70%台であっ. たが、昭和50年代以降は減少し、近年においては50%を下回ってい る。しかし、脳性麻痺は減少傾向にあるものの、それ以外の脳性疾患に. 起因する運動障害のある児童・生徒が増加している。このことについて 村田(1991)2)は、 「主として周産期に原因のある脳性麻痺が減少し. ていても、それ以外の主として胎生期に原因のある脳性疾患が増加して いることを如実に示している。そして、脳性麻痺以外の脳性疾患に基づ く者の障害の状態は、肢体不自由が重度であり、加えて知的発達の障害 を併せ持っているものが多く、このことが、肢体不自由養護学校就学児 童生徒の障害の状態の重度化・重複化の主たる原因になっている。」と. 述べている。つまり、医療技術、とりわけ、周産期医療の発達による障 害の発生状況の変化が、重度化・重複化の一つの要因となっていると考 えられている。. 養護学校の義務制が始まった当時、このような医療技術の進歩が障害 の重度化、重複化により近年の「医療的ケア」の問題をもたらすであろ うことは予想しがたく、養護学校に医療的な配慮が薄いまま今日に至っ ているのである。. (2) 「医療的ケア」問題の顕在化. 昭和54年(1979)の養護学校の就学義務制以降、上述したような重 度・重複化の背景などから、肢体不自由養護学校に入学してくる児童・ 生徒の中には、疾の吸引や、経管による栄養摂取、酸素吸入、導尿さら. 8.
(14) に気管切開部の管理等「医療的ケア」の必要な児童・生徒が漸増してき. た。そういった児童・生徒が通学するようになり、日々の教育活動を進 めて行く中で、教員がやむを得ず疾の吸引や経管栄養に携わる必要性が 出てきた。しかし、その一方で、 「医療行為」なのか「生活行為」なの. かの判断についてや学校における「医療的ケア」の実施者、また、実施 した場合の責任の所在など種々の問題が持ち上がり、学校現場として統. 一した見解を行政に求めた。それを受けて東京都教育委員会は、東京都. 心身障害教育推進委員会の就学適正化部会の報告書3)「就学措置の適 正化について」 (東京都心身障害教育推進委員会、1988)において、 「医療的ケア」の必要な児童・生徒の就学措置について、 「原則として. 訪問学級とする」との見解を示した。また、それらの行為が「医療行為」. であるからには、これを学校職員(学校看護婦や養護教諭等)が行うに は保健婦助産婦看護婦法や医師法に抵触するのではないかと危惧される ようになった。4)これを受けて三宅(1990)5)は医師の立場から、「東. 京都の障害児を家庭に押し戻そうとする動きが全国に広まることの危機 感を感じる。」と問題を提起したことにより、全国の医療関係者をはじ め教育関係者へもこの問題が波及し、広く関心が高まるようになったの である。. 第2節. 「医療的ケア」の各地の動向. (1) 全国での「医療的ケア」に対する取り組み. 1988年の東京都心身障害教育推進委員会の報告書が出されて以降、. 9.
(15) 「医療的ケア」の問題は広く関心を集めることになると同時に、学校現. 場にも混乱をもたらしたのは上述の通りである。いくつかの都道府県は 「医療的ケア」問題に関する検討委員会等で答申や報告書をまとめ、「医. 療的ケア」についての考え方やその対応策について明らかにしている。. 次に示す表1は都道府県での答申及び報告書の一覧をr「医療的ケア の実情と問題点」下川和洋(1999) 「がんばれ」第53号、7−9 』6) から引用して掲載したものである。 表1 各地の医療的ケアに関する答:申等 都道府県. 1988.9. 東京都. 東京都心身障害教育推進委員会. 1990.3. 横浜市. 障害児生理管理検討委員会. 1991.3. 東京都. 1991.3. 大阪府. 199L3. 大阪府. 1992.3. 埼玉県. 1992.3 1993.3. その他. 神奈川県. 纓テ的ケアに関する提言. 医療行為を必要とする児童・生徒の. ウ育措置等検討委員会 養護教育研究会. 東京都心身障害教育推進委員会第一次 第四部会(就学適正化部会) 養護学校における重度・重複障害児の. ノー. 医療との連携の在り方に関する検討. マ員会. 医療行為を必要とする児童・生徒の教 轤フ在り方について(報告) 今後の養護教育の在り方に関する調査 告. 大阪府立養護教育諸が学校における医 テと望ましい連携について(報告) 答申 本県における特殊教育の振興に. 埼玉県特殊教育振興協議会. ツいて. 国立特殊教育総合研究所病弱教育研. 養護学校における教育と医療の連携に. ?. ヨする研究調査報告書. 神奈川県障害児教育関連医療研究協. 障害児教育関連医療研究協議会のまと. c会. 1994.3. 滋賀県. 障害児教育と医療の連携検討委員会. 1995.3. 高知県. 高知心身障害教育振興対策協議会. 1997.2. 千葉県. 千葉県障害児教育検討委員会. 神戸市. 盲・養護学校における重度・重複障 Q児の健康管理とそれに伴う教育措. 1997.3. 答申書等の名称. 答申した委員会の名称. 年・月. uに係る検討委員会. ゚. 障害児教育と医療の連携について(提 セ). 学校生活において医療行為を必要とす 骼剴カ生徒の教育対応について 本県障害児教育の課題と今後の在り方. ノついて 肢体不自由養護学校における医療的ケ Aについて(報告). 1998.1. 沖縄県. 医療行為を必要とする児童生徒の教. 医療行為を必要とする児童・生徒の教. 迹ホ応検討委員会. 迹ホ応について. 1998.3. 兵庫県. 兵庫県障害児就学指導審議会. vとする児童生徒への対応について. 高等部の訪問教育及び医療的配慮を必 i報告). 10.
(16) 各都道府県での「医療的ケア」の位置づけであるが、 「医療行為」と. とらえているのは、東京都、埼玉県、高知県、滋賀県、宮城県、兵庫県 であり、大阪府は『「ヘルス・ケア」の一環』として考えている。また、. 横浜市は「生活行為の一部」、神奈川県は「教育指導の一環」、千葉県 は「学校生活において教育上の医療的配慮を要する援助行為」、神戸市 は「特別な健康管理を必要とする児童生徒への援助」とそれぞれ位置づ けている。. (2)学校における「医療的ケア」. 各都道府県の「医療的ケア」についてのとらえ方は上述したとおりで あるが、実際の各地の取り組みとして、下川(1999)7)は、 「医療的 ケア」の学校の現場での対応を次の6点にまとめている。すなわち、 ①指導医を配置して学校教職員が対応(試行的な対応も含む). ②校医の指導によって学校教職員が対応 ③主治医の指導によって学校教職員が対応 ④訪問看護婦を配置して校内で対応 ⑤通学籍で保護者や施設職員等に付き添って対応してもらう ⑥訪問籍や病院・施設学級内で保護者や職員に対応してもらう である。. 上記のように、各都道府県は児童・生徒の実態や自治体の財政などに 見合った形態で「医療的ケア」を実施している。しかし、いずれの対応 についても万全ではなく、例えば、指導医の巡回の回数や時間の問題、. 11.
(17) 主治医の学校訪問はこれまでそのようなシステムがなく、その医師の好 意により行われていること、訪問看護制度は現行制度では養護学校等の 訪問は認められず、多ぐは個人負担になっていること、 「医療的ケア」. の多くは保護者の付添いのもとで行われているが、法的な問題はクリア. できたとしても、保護者への負担が重くレスバイト・ケアの必要性があ ること、など数々の課題を抱えている。また、上記以外にも学校での「医. 療的ケア」に対する態勢が不十分であったり、地方自治体によっては全 く「医療的ケア」を禁止しているため、やむを得ず非公式に教職員が「医. 療的ケア」に携わっている場合もあり、学校現場は課題が山積している というのが現状であろう。. 第3節. 「医療的ケア」実施についての責任問題. 北住(1998)8)の調査における「医療的ケア」に関する事故の報告 は、 「注入中に嘔吐」 「注入中に栄養チューブが抜けて呼吸が乱れる事. 故があり、養護教諭の適切な措置により呼吸が安定」 「気管切開管理の 児で、気管カニューレの内管が外れた。来校していた保護者により挿入」 「薬による注入チューブの詰まり」 (2件) 「導尿での感染」の6件の. みであり、いずれも重大な結果には至るものではなかった。 しかし、 「医療的ケア」を実施する際には、いかにその技術に習熟し 知識に富んだ者が行った場合であっても、事故は起こり得るものである。. 教職員の中には事故によって責任問題に発展することを危惧し、 「医療. 的ケア」を行うことについて否定的な考えを持つものも多い。そこで、. 12.
(18) ここでは責任問題についてまとめてみる。. 「医療的ケア」を実施する場合の責任について鈴木(1998)9)は、 依頼責任、実施者責任、指導監督責任、総合責任が存在すると述べてい る。. 依頼責任とは、本人もしくは保護者が「医療的ケア」の実施を学校に 対して依頼、委託したことに対する責任である。 「医療的ケア」を学校. で行う場合には、本人もしくは保護者、すなわち依頼者による申し出が 必要であり、学校はそれを受けて校医や指導医と検討の上、可能と判断 すれば実施するわけである。依頼者は教職員がその行為を行うことにつ いて依頼、委託したことに対する責任を負うのである。. 一方、依頼者からの申し出を受けて「医療的ケア」を実施する側には 実施者責任があり、 「医療的ケア」の内容、手順など医師からの指示通. り実施しているか常に確認し、もし指導された状況と異なれば指導医に 報告し判断を仰ぐ必要がある10)。. 「医療的ケア」を指導する医師には指導監督責任がある。本人あるい は教職員が的確に「医療的ケア」を実施できるように指導すること及び 「医療的ケア」の内容、手順が指示通りに実施されているかどうか監督 する責任を負っている。. 総合責任においては「医療的ケア」が学校において行われている以上、. 学校の責任者である学校長が総合責任を負うことになる。 以上のように、 「医療的ケア」にかかわる回すべてに責任がある。し たがって、 「誰が責任を取る」という議論ではなく、かかわる者それぞ. れがそれぞれの立場で責任を分かち持つという共通認識が必要11)であ. 13.
(19) る。. 学校現場において「医療的ケア」による事故が起こり、児童・生徒に 何らかの害を与えた場合、責任の追求という問題が持ち上がってくるで. あろう。しかし、鈴木(1998)12)は「想定され、指導された範囲外 で起こったことならば不可抗力であり、誰も責任を問われない」と述べ、. 里見(1997)13)は「過失がないのに、単に医療的ケアをしたという ことで無条件に過失が認められるわけではない」と述べているように、. 教職員は医師から指示された内容以外の行為や手順を誤ったり怠ったり することがなければ、その責を免れることになる。. <引用及び参考文献> 1)全国肢体不自由養護学校長会;. 全国肢体不自由養護学校児童生徒病因別調査 各年度版. 2)村田 茂(1991);肢体不自由教育における医療・福祉との連i携 一医療的ケアの今後一. 肢体不自由教育、100、44−51. 3)東京都心身障害教育推進委員会 就学適正部会(1988); 「就学措置の適正化について」 東京都教育委員会. 4)川住隆一(1998);生命活動の極めて脆弱な重複障害児の健康 管理に関する課題と研究動向 特殊教育学研究36(3)、41−49. 14.
(20) 5)三宅捷太(1990);吸引と注入などを必要とする障害児が学校教 育から敬遠されている問題. 脳と発達、2(2)、404 6)下川和洋(1999);医療的ケアの実情と問題点 「がんばれ」第53号、7−12. 7)下川和洋(1999);同上 8)北住映二(1998);『肢体不自由養i護学校における「医療的ケア」. の実施状況の実態調査』 厚生省心身障害研究、 「ハイリスク児の健全育成のシステム化に関する研究」. 平成九年度研究報告書 9)鈴木康之(1998);「責任問題をどう考えるか」. 「はげみ」 平成10年12月1月号 社会福祉法人日本肢体不自由児協会発行. 10)鈴木康之(1998);同上 11)北住映二(1999);学校等における医療的ケアーをめぐって 教育と医療研究会 研修会資料. 12)鈴木康之(1998);再掲 13)里見和夫(1997);大阪養護教育と医療研究会 、. 第2回医療的ケアに関する公開シンポジウム 講演内容より. 15.
(21) 第2章学校内における「医療的ケア」の実態 この章では、後に示す「肢体不自由養護学校における教育と医療との 連携に関する調査」を通して、 「医療的ケア」の実態を明らかにし現状 での課題や問題点を整理、検討していく。. 第1節 調査研究の概要. (1)調査の目的. 本調査では、全国肢体不自由養護学校及びその教職員に対し、医療と の連携態勢、 「医療的ケア」に対する意識、教員の研修、校内体制など. についての調査を質問紙により行い、その実態と課題を知り集約するこ とを通して、教育と医療との望ましい連携態勢のあり方及び「医療的ケ ア」をより安全に安心して実施するための指標を探ることを目的として 行った。. (2)調査の概要. 1) 調査項目 本調査は、. 【調査1−1 学校用】. 1 回答者の属性・設置学部・設置形態・児童・生徒数・教員数:. H 医療との連携について 皿 学校における「医療的ケア」について IV 教員の研修について. V 校内連携態勢について 16.
(22) 【調査1−2 教師用】. 1 回答者の属性・担当学部・学校の所在地 11 医療との連携について IH 「医療的ケア」について IV 教員の研修について. V 校内の連携態勢について のそれぞれ5部構成で作成した。 調査票については巻末資料を参照。. (2) 調査方法. 本調査は、全国肢体不自由養護学校のうち、分校、分教室を除く本校 191校に対して質問紙を送付し、 「調査1−1」は管理職又は「医療的 ケア」に関わる組織・分掌の担当者、「調査1−2」は各校6名(計1146. 名)の教員に記入を依頼した。調査は両調査とも1999年7月に実施し た。回収率、回収校の内訳は以下の通りである。. 【調査1−1 学校用】 〈学校の所在地〉. 表1−1 学校の所在地 地域 発送数 北海道・東北 関東. 中部・北陸 近畿. 中国・四国 九州・沖縄 計. 返送数. 20 48 35 46. 回収率 16. 191校に 80.0%. 30 26 29. 62.5%. 17. 15. 88.2%. 25. 20 136. 191. 回収率は71。2%であった。. 17. 74.3% 63.0%. 80.0% 71.2%. 対し質問紙 を送付し、. 回収したの は136校。.
(23) 右の図1−1は、回収率を. 北海道・東. 九州・沖縄. 北. 6つの地域に分けて示した ものである。どの地域も概 ね同じような回収率であっ. 中国・四国 19.7%. たが中でも中国・四国地方 が高かった。 図14 学校の所在地別回収率. 〈設置学部〉 表1−2 設置学部 設置学部 幼稚部 小学部 中学部 高等部. 設置学部の内訳は、. 11. 133 133 110. 全学部設置…8、 幼、小、中設置…3 小のみ設置…1、 小、中設置…22 小、中、高設置・. 中、高設置…1. ・・. X9. 、高のみ設置…2. 〈学校の設置形態〉 表1−3 学校の設置形態 設置形態 件数 医療施設併設校 福祉施設併設校 肢体不自由単独校 知肢併置校 その他(*) 計. 学校の設置形態は表1−3. % 32. 23.5%. 8. 5.9%. 61 21. 449%. 14. 10.3%. 136. 100.0%. 15.4%. 18. 図1−2の通りである。.
(24) その他. 医療施設 併設校. (*) 知肢併置 10・3%. 23.5%. 1藷%醗繋. 肢体不自 由単独校 44。9%. 図1−2. 学校の設置形態. 「その他」の14は医療施設・福祉施設隣設校、リハビリセンター 隣設、校内に民問診療所あり等すべて施設併設・隣設校であった。した がって設置形態別の集計では「その他」は医療、福祉施設併設・隣設校 に含めた。. 〈回答者の職名〉. 表1−4 回答者の職名 職名 人数 % 9 学校長 57 教頭 11 部主事 27 養護教諭 8 保健主事 24 その他(*) 136 計. 回答者のその他の職名は、 6.6%. 教務主任…10. 41.9% 8.1%. 医療的ケア検討委員会担当…5. 19.9% 5.9%. 養護・訓練専科…2. 17.6%. 100.0%. 研究主任…1 肢体不自由部長…1. 19.
(25) 鞭. 響 保健主事 5.9%. 鱗4. 簿叢. 「曝董. 養護教諭. 、昏み‘・雪;ざ諮. 難職. 19,9%. 部主事 8.1%. 図1−3. 回答者の職名. 【調査1−2 教師用】. 〈学校の所在地〉. 表2−1 学校の所在地 所在地 発送数 返送数 120 北海道・東北 関東 中部・北陸 近畿 中国・四国. 九州・沖縄 計. 288 210 276 102 150. 1146. 回収率%. 88 177 118 148 77 112 720. 73.3% 61.5% 56.2% 53.6% 75.5% 74.7% 62.8%. 肢体不自由養護学校191校より各6名の教員、計1146名に質問紙 を送付した。回収したのは720通、回収率は62。8%であった。. 20.
(26) 図2−1は回答者の所在地を6つの地域に分けて回答率を示したもの である。. 北海道・東北. 九州・沖縄. 関東. 中国・四国. 15.6%. 19.1%. 142%. 13.6%. 回答者の所在地別回収率. 図2−1. 〈回答者の職種〉. 表2−2 回答者の職種 職種 人数 % 教諭 養護教諭 講師 その他(*). 無回答. 回答者の内訳は、教諭が最も多く. 668. 4.3%. 4 2. 0.6%. 2.1%. 護婦、寄宿舎教諭、寄宿舎寮母、. 0.3%. 720. 計. 92.8%であった。その他は学校看. 92.8%. 31 15. 実習助手である。. 100.0%. 〈回答者の年齢〉 表2−3 年齢 年齢 人数 20歳代 30歳代 40歳代 50歳代. % 114. 50歳代. 無回答. 12.2%. 0・3%. 20歳代 158%. 15.8%. 233 283 88. 39.3%. 無回答. 2. 0.3%. 計. 720. 100.0%. 32.4%. 驚磐適〃脇。.. 12.2%. ’30歳代 32。4%. 21. 図2−2. 回答者の年齢.
(27) 回答者の年齢は40歳代が最も多く. (39.3%)、30歳代の32.4%と. 続く。また、男性は274名(38。1%) 、女性は445名(61.8%)、無 回答1名であった。. 〈回答者の肢体不自由養護学校経験:年数〉. 無回答. 表2−4 肢体不自由養護学校経験年数 経験年数 人数 5年未満 5年以上10年未満 10年以上 無回答. 10年以上. %. 283 219 216. 計. 5年未満. 30.0%. 39.3%. 39.3%. 30.4% 30.0%. 2. 0.3%. 720. 100.0%. 5年以上 10年未満 30.4%. 図2−3. 肢体不自由養護学校の経験年数では、. 回答者の経験年数. 5年未満が283名(39。3%). と最も多かった。. 〈回答者の担当学部〉. 表2−5 担当学部 学部 着. 小学部 中学部 高等部. その他* 無回答 計. 人数. その他*. %. 7.2% 1.1%. 8. 272 209 177. 52 2 720. 無回答 幼稚部 03%1.正%. 高等部. 37.8% 29.0%. 24.6%. るパしらヨ. 欝灘謙1蕊拶. 7.2% 0.3%. 蟹. 100.0%. 図2−4. 22. 回答者の担当学部.
(28) 回答者が所属している学部は、小学部が272名(37.8%)と最も多 く、中学部がそれに続く209名(29.0%)。 その他52名の内訳は、. 保健室 16. 訪問部 13. 全学部. 寄宿舎. 重複. 7 1. 事務部. 2 1. 養護・訓練部 7 学校看護婦 教務主任. である。. 23. 1 1.
(29) 第2節 校内の「医療的ケア」に対する連携体制. (1) 校内の連携態勢 学校内に、教育と医療との連携や「医療的ケア」に関して検討する 組織はありますか、という問いに対する回答を表2−1に示した。 表2−1設置形態と組織の有無(学校用) 今はないが はい. ?髀?. いいえ. は. 無回答. 計. @ある 医療・福祉施設. ケ設、隣設校. 16. 29. 53 69. 19. 48. 3. 54. 4. 6. 10. 9. 82 136. 6. 肢体単独・知肢. ケ置校 計. 約半数(50。7%)の学校で、検討委員会等を組織して「医療的ケア」. や教育と医療との連携に関して検討している。特に日頃から医療とのか. かわりが少ないと思われる肢体不自由単独校や知肢併置校では6割を 越える学校で検討組織を持っている。一方、医療、福祉施設併設・隣設 校では「いいえ」と回答した学校が5割を越えた。これは、 「医療的 ケア」に関しては学校では行わず併設、隣接の施設に委せており、校内 で検討する必要がないためと考えられる。. つぎに、組織が「ある」と回答した69校の学校に対して、その組織 はうまく機能していますか、と尋ねた。その問いに対しての回答は表2−2 の通りである。. 24.
(30) (N=69). 表2−2 設置形態と組織の機能(学校用) どちらとも. いいえ. はい. 「えない. 計. 無回答. 医療・福祉施設. ケ設、隣設. 13. 0. 3. 0. 16. 41. 1. 9. 2. 53. 54. 1. 12. 2. 69. 肢体単独・知肢. ケ置校 計. 学校の設置形態にかかわらず、検討委員会心の組織は概ねうまく機能 してるという結果が得られた。「いいえ」と回答した学校は1校(1.4%) のみであった。. また、 「いいえ」 「どちらともいえない」と回答した学校にはその理. 由を尋ね、次のような回答を得られた。 【医療、福祉施設併設・隣設校】. ・ 医療的ケアについて理解不足であり、学習検討中のため ・ 施設に負うところが多いので、学校単独で軽々と動けない。 ・ 歩み始めたばかりなので. ・ 望ましい方向に向かっていると思うが、4月にスタートしたば かりなので ・ 露命の医療機関との関係から必要ないから. ・ 隣設医療機関との連携がうまくいっており、とりたてて検討す る必要性がないため 【肢体不自由単独・知肢併置校】 ・ 医療的ケアについて校内の意思統一・ができていない. ・ 県教委は医療的ケアの実施を見合わせているため. ・ 検討するために十分な知識、情報を持てていない。研修の機会 が少ない。. 25.
(31) 行政の理解ができていない. 実施者、保護者、看護婦などまだまだそれぞれの声を拾い切れ ていない。. 発足して間もないので 今年組織したばかりだから. 設置形態にかかわらず、どちらの回答にも多かったのは、 「組織が発. 足して間がない」という内容のものであった。設置形態別に見ると、施 設併設・隣出校では、併設・隣設の施設との連携がうまく行っている場 合には、医療に関することは施設に委せていることもあり、組織の必要 性を感じてないが、そうでない場合には、施設との兼ね合いという点で 組織運営が円滑に行われていない場合もあり、肢体不自由単独校や知肢 併置校では、実際に教職員が「医療的ケア」携わっていかなければなら. ないということから、校内での意思統一の点や検討するための知識や情 報の不十分さから組織の機能が十分果たせていないとまとめることがで きる。. 校内の検討委員会等の組織の機能については、教員用の調査でも同様 に回答を求めた。結果は表2−3及び図2−1に示す。. 教員用調査においても学校用調査と同様に「いいえ」と回答した学校 表2−3 組織の機能(N=394) 回答数 はい. まあまあ いいえ 計. %. いいえ. 5.8%. 飛翻ン凱. 174 186 22. 45.5%. 382. 100.0%. 48.7% 5.8%. (無回答 12). 図2−1 組織の機能. 26.
(32) は少なく(5B%)、概ね現状の組織の機能で満足していると思われる が、 「まあまあ」と条件付きながら組織の機能を評価している回答が最 も多かった(4&7%)。. 組織がうまく機能しない理由としては、. ・メンバーがよく代わり、教職員間のコンセンサスを形成できない ・これから作り上げていく段階だから ・医i療的ケアの必要な児童・生徒がまだ少なく、職員に危機感がない. ・時間がない。定期的に検討することが困難 などが寄せられた意見の多数を占めた。 (記述回答の詳細は巻末資料参照). ここでも、 「これから作り上げていく段階」と組織の機能について判. 断しかねている意見が多かったが、教職員間の意思統一に関しての意見 や「医療的ケア」に関する意識に関する意見も多く寄せられた。また、. 「時間がない。定期的な検討が困難」との意見も多く寄せられ、多忙な 学校現場の中で、他の研修や会議との時間調整や参加メンバーの調整な どにおいて困難さが伺われた。. 「医療的ケア」は教職員間で、理解が得られていますか、という問い に対しても、学校用と教員用のそれぞれで回答を求めた。. 表2−4 教職員の理解. (学校用) はい. 医療・福祉施設. ケ設、隣設 肢体単独・知肢. ケ置校 計. どちらとも. いいえ. 16. 7. 「えない 25. 29.6%. 13.0%. 27. 9. 32.9%. 43. 無回答. 計. 6. 54. 46.3%. 11.1%. 100.0%. 36. 10. 82. 11.O%. 439%. 12.2%. 正00.0%. 16. 61. 16. 136. 27.
(33) 医療・福祉施設併設、隣設. 肢体単独・知肢併置校. 無回答. 無回答 11,1%. 12.2%. はい. 96%. 29%. どちらと もいえな. い. どちら もいえカ. いえ. 46.3%. はい. い. 13.0%. 11.0%. 43.9%. @. 「一一 一『一一. 一一一. 塵一2教職員の理解遡」 表2−5 教職員の理解. (教員用). 回答数. %. 159 166. 23.1%. 「えない. 360. 50.0%. 無回答. 35 720. はい. いいえ どちらとも. 計. 無回答. 22.1%. 4.9%. 95.1%. はい. 4.9%. 221%. どちら ともい. 》いえ. えない. 231%. 50,0%. 28.
(34) 「はい」と回答したのは、学校用調査では43校、31.6%、教員用調 査では159人、22.1%にすぎなかった。 「どちらともいえない」と回 答したのは、学校用調査で44。9%、教員用調査では50.0%である。そ の理由としては、 「医療的ケア」の必要性の記述回答でもあったように. 必要性は感じているが責任の所在が不明確であることや研修不足による 自信の無さ、教師が行うべきかどうかなど判断に迷うところがあるもの と推測される。. (2) 教員の「医療的ケア」に対する意識 学校で教師による「医療的ケア」は必要だと思いますか、という問い に対する回答を学校、教員の双方に求めた。結果は表2−6及び図2−4に 示す通りである。 表2−6 学校における教員による「医療的ケア」の必要性. 学校用 教員用 52 349 382% 21 68 15.4% 58 285 42.6%. はい. いいえ. 何とも言えない 無回答 計. 485% 9.4%. 39.6%. 5. 3.7%. 18. 2.5%. 136. 100.0%. 720. 100.0%. 「癖「 無回答 3.7%. 何とも 言えな. i…・.・:::.躍 はい. 何とも 言えな い. 42β%. ::. @. @ @. c……、,…・’. ・. 382%. 寒. い. はい. 40%. 48.5%. 曹. : : ,. いいえ. いいえ. 15.4%. 9.4%. 図2−4 学校における教員の「医療的ケア」の必要性. 29.
(35) 「いいえ」と回答したのは学校用、教員用ともそれぞれ15.4%、9.4%. と低かったが、 「何とも言えない」と現状では判断しがたいという回答 が両調査とも多かった。. 教師による「医療的ケア」の必要性について、第3節で述べる「医療 的ケア」の実施状況において地域により差が見られたので、ここでも学 校の所在地別に分けてみた。結果は次の表2−7、8の通りである。また、. 図2−5、6は表2−7、8をグラフ化したものである。これを見ても分か るように、北海道・東北を除く地域においては「はい」の肯定的な意見 が多く、またどの地域においても「何とも言えない」の意見が目立つ。. 特に近畿地方においては、両調査とも「医療的ケア」に関して否定的な. 意見が極めて少なく(学校用3.4%、教員用5。4%)、逆に肯定的な意 見が教員用の調査においては66.9%を占める点は注目すべきである。 関東地方や中部・北陸地方でも同じような傾向はあるが、近畿地方ほど 顕著ではなかった。 表2−7 学校の所在地別「医療的ケア」の必要性(学校用). はい. いいえ 何とも言えない 無回答 6 12 13 13. 0. 0.0%. 2. 6.7%. 50.0%. 1. 3.8%. 44.8%. 1. 3.4%. 5. 33.3%. 0. 0.0%. 15. 9. 45.0%. 1. 5.0%. 20. 42.6%. 5. 3.7%. 136. 18.8%. 7. 43.8%. 40.0%. 4. 13.3%. 10. 38.5%. 2. 7.7%. 48.3%. 1. 3.4%. 46.7%. 3. 20.0%. 30.0%. 4. 20.0%. 38.2%. 21. 15.4%. 58. 14 7 6. 計. 52. 16. 37.5% 40.0%. 3. 12. 北海道・東北 関東 中部・北陸 近畿 中国・四国 九州・沖縄. 計. 30 26 29. 表2−8 学校の所在地と「医療的ケア」の必要性(教員用). 北海道・東北 関東 中部・北陸 近畿 中国・四国 九州・沖縄 計. はい いいえ 何とも言えない 無回答 12 48 55.2% 23 26.4% 138% 14 61 7.9% 103 57.9% 34.3% 8 54 6.8% 53 44.9% 45.8% 8 38 25.7% 5.4% 99 66.9% 10 35 45.5% 13.0% 30 39.0% 16 41 48 42.9% 14.3% 36.6% 9.4% 68 284 39.4% 349 48.5%. 30. 計 4. 4.6%. 0. 0.0%. 3 3 2 7. 6.3%. 19. 2.6%. 2.5% 2.0% 2.6%. 87 178 118 148 77 112 720.
(36) ユ00%. 紫=. , 『モ b. P;ら爵. 劣蛍窓. 騙 噛. ダ避ザ A1;聡二一. 80%. ロ無回答 ヒ ,ご・ 三一≒・。熱ぐ、欲餐藤トニ堂. 60%. 縛痔. 慰i蹴而 門 モ 亮二三戴晦介 @一. 一. 一. 鼈鼈. 死. 厩鳳. 灘㌔. 雫 帖鐙娘. ¥.;寓. 40%. 一. 20%. 一. 嘘. .. 観. 隔. DF. {. 目何とも言えない. り. ロいいえ ロはい. ♂ 、. 0%. 北. 関. 中. 東. 部. 胆. 冒. ,. 国. 九 州. 四 国. 沖 縄. 中. 近 畿. 北 陸. 東 北. 学校の所在地と「医療的ケア」の必要性(学校用). 図2−5. 100%. ‘. 海 道. 」. @藍 q. @霞 q. w訊. 厄. 二r.;』7』. 野. 」懸垂. 叢〃冨譜イ. 旋退. 《船. 襲『 孫壕㌶雛蝉. 1甚・ヅ.へ. 酬「. f雛敢. 80%. 萎震. 口無回答. 麟蹴 =. 鍵審. 60%. ∬. 刷. ロ何とも言えない. 刀g 吐 い. 40%. ‘. 、継 ↑ ”’. 一. 」. 藩ζ卸ピく. @P @: 中㌧. 難. 麟. F♂. 阿. 雪. 」. レ. 20%. 0%. 北 海 道. 東 北 図2−6. 関. 中. 東. 部. 凹いいえ. 1 雷. 近 畿. 北 陸. 国. 九 州. 四 国. 縄. 中. 沖. 学校の所在地と「医療的ケア」の必要性(教員用). 31. ロはい.
(37) さらに、教員の肢体不自由養護学校の経験年数別に見てみると表2−9 及び図2−7のようになった。経験年数が増すごとに「医療的ケア」の必 要性が「ある」と回答した教員の割合が増えていることが読みとれる。. 表2−9 経験年数と「医療的ケア」の必要性 はい. 5年未満’. 何とも言え. 無回答. いいえ. 計. L ない 一. ’8i. 12. 5年以上10年未満 10年以上 無回答 計. 嘩以亘・馬飼. 匹年未郵 何とも言. はい. えない. 45.8%. 45.5%. 鷺. し泌. 10年以上. コ. 何とも 言えな い はい 59%. 32%. いいえ 9%. 塵墾年数と・医療的ケア、の必要司. 32. 283.
(38) 「医療的ケア」の必要性について、 「はい」、 「いいえ」、 「何とも. 言えない」のそれぞれに回答した理由を尋ねた。ここでは回答の多かっ た上位のもののみ挙げておく。 (記述回答の詳細は巻末資料を参照). 【学校用調査】 「はい」. 児童・生徒の教育を保障するため. 緊急時の対応 保護者の負担軽減 重度化に即応できる体制が必要 生命の維持を第一に考えたい 児童・生徒の理解が深まる より良い条件で教育が受けられる. など. 「いいえ」. 専門職である医療職がやるべき 教師としての職務内容に該当しないと思われる 重度化しており、医師が側にいない現状では危険 法に反することはできない. など. 「何とも言えない」. ・ 「医療的ケア」は必要であるが、教師が行うべきかどうか判断 しかねる. 法制上の責任の所在が明確でない 教師の知識、技術、研修不足 など. 33.
(39) 【教員用調査】 「はい」. 教育を受ける権利の保障 保護者の負担軽減. 緊急時の対応 いつも保護者、医師に頼るわけには行かない 生命にかかわる問題であるため. など. 「いいえ」. 医師や看護婦などの専門的知識を持つ人がすべきと思うから 今の法の下では教師がやるべきでない 資格や知識がない 責任が持てない 医療機関が近い(必要ない). 「何とも言えない」. あまりに専門的なことはやはり専門家がするべきと思う 緊急を要する際を考えると必要と思うが、その際の責任はどこ. で負うのか明確でない ・ 「医療的ケア」を行うにはそれなりの研修が必要と思うし、生. 命に関するケアに不安がある ケースによって異なると思う もっと詳しい医学的知識を知る必要がある。. ある程度の限界というか「ここまではよい」という枠は必要だ. と思う. など. 34.
(40) 「医療的ケア」の必要性についての理由は、肯定意見については「保 護者の負担軽減」「児童・生徒の教育を保障するため」「緊急事の対応」、. 否定意見は「教師が行うべきではなく医療職が行うべき」 「法に反する ことはできない」、 「何とも言えない」については「必要とは思うが教 師が行うべきか判断できない」や「法制上の責任の所在が明確でない」 「教員の知識・技術不足」とまとめることができる。. (3)考察. 1)校内の連携態勢 教育と医療との連携や「医療的ケア」に関して、その問題点や課題を 検討し、その解決への方策を探るために約半数(50.7%)の学校が校内. 検討委員会などを組織していた。また、その組織の機能については、学. 校用調査では69忌中54校、78.3%の学校が「機能している」と回答 していた。一方、教員用調査でも45.5%の教員は「機能している」と 回答しているものの、それを上回る48.7%の教員が「まあまあ」と回 答している。その理由として両調査とも上位に挙げられているのは、「組. 織が発足してまだ問がないから」といった内容のものである。これは組 織としてどの方向に進むべきなのか試行錯誤の段階であり、機能してい るか否かは現段階では判断しがたいという状況にあるといえる。. また、今回の調査では、検討する組織の構成メンバーに医師や看護婦 等の医療関係者を含まず、学校関係者だけで構成している学校もあった。. 「医療的ケア」に限らず、児童・生徒の実態把握や学校の環境整備など においても校内だけの取り組みではなく、医療関係者からや必要に応じ て保護者の意見などからさまざまな角度からの意見を吸収すべきである。 そのためにも検討組織のメンバー構成において一考の余地がある。 また、検討組織がうまく機能していない理由として、 「校内の意思統 35.
(41) 一ができていない」という意見が挙げられていた。教員のコンセンサス の形成は「医療的ケア」についてのさまざまな考え方の相違から、どこ の学校でも大きな課題である。 「医療的ケア」が校内での幅広い理解を. 得るためには、検討組織が一部の構成メンバーだけの活動とならないよ う、全教職員に対する検討結果の報告も含めた啓発が必要であろう。. 2)教員の「医療的ケア」に対する意識 学校での教師による「医療的ケア」の必要性について、 「いいえ」と いう否定的な回答は学校用、教員用調査ともそれぞれ15。4%、9.4%と. 低かった。このことは、障害の重度・重複化が進む中で、教員も「医療 的ケア」を行なっていかなければ児童・生徒のニーズに対応できないと いう意識の現れであると考えられる。しかし、 「何とも言えない」との. 回答が、学校用調査で42.6%、教員用調査で39.6%と多く、その理由 として挙げられているものを総合すると、医療的なことはやはり専門家. が行うべきとしながらも教員が行わなければ児童・生徒の教育権を保障 できないといった意見や、児童・生徒のことを考えると必要ではあるが、. 責任の所在が明確にされていない現状では積極的になれないといった意 見であり、現法制上の制約と学校現場の現状との狭間で悩む学校及び教 員の姿が浮き彫りにされた結果となった。. 学校の所在地別に見た「医療的ケア」の必要性において近畿、関東、 中部・北陸での「ある」の回答が多かったことについては、当初この問. 題は、在宅医療の進んだ都市部の養護学校が主に直面した問題Dが全 国に波及していったという経緯があり、いち早く行政や学校が「医療的 ケア」問題に取り組み、指導医の配置や教員の研修の充実、手引き書の 作成などの具体的方策を打ち出した結果、教員が「医療的ケア」に対し て前向きに考える支えになっているといえる。 36.
(42) 肢体不自由養護学校の経験年数と「医療的ケア」の必要性の有無につ いては、経験年数が長いほど必要性が「ある」という回答が増えている。. この理由としては、重度の障害のある児童・生徒とのかかわりを続けて いく中で、 「医療的ケア」が児童・生徒の生活していく上で無くてはな. らないものであり、その緊急性や適時性2)を考慮すると教員も行うべ きであると考えていると解釈できる。. 37.
(43) 第3節. 「医療的ケア」の実施者. (1) 「医療的ケア」の実施状況. 1) 「医療的ケア」必要児童・生徒の在籍数 表34 児童・生徒の在籍数と「医療的ケア」必要児童・生徒数 「医療的ケア」必. 在籍数. v児童・生徒数. 1516 3603 2531 2479 1372 1486 12987. 北海道・東北 関東 中部・北陸 近畿 中国・四国 九州・沖縄 計. 「医療的ケア」必. v児童・生徒の占 ゚る割合. 201. 13.3%. 368 219 212 36 188 1224. 102% 8.7% 8.6% 2.6%. 12.7% 9.4%. 表3−1は児童・生徒の在籍数と「医療的ケア」必要児童・生徒数を示 したものである。また、図3−1は「医療的ケア」必要児童・生徒を通学 籍と訪問籍に分けたグラフである。. 300. 一一一一一一一. Q80一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一}『一一. 250 200 父150 100. ロ通学籍 □訪問籍. 11111111醜. 弩. 50. 0 北 関 海 東 北道 東. 中. 近. 中. 九. 部. 畿. 国. 州. 北. 四. 沖. 陸. 国. 縄. 図3−1 「医療的ケア」必要児童・生徒の在籍. 38.
(44) ただし、この数字は今回の調査により得た数字であり、実際の在籍数 は平成10年度の学校基本調査報告書(文部省)3)によれば障害別の在. 籍数は、肢体不自由4897名、肢体不自由・知的障害14470名、肢体 不自由・病弱・身体虚弱555名であり、 「医療的ケア」の必要児童・. 生徒数は全国肢体不自由養護学校長会の調査(平成9年度)4)では全 児童・生徒数の18%を越えることから推測するとさらに多いものと思 われる。. 2) 「医療的ケア」の実施状況. 学校や訪問教育の時間おける「医療的ケア」の実施状況については表 3−2、図3−2のような結果が得られた。 ・∴よ忍∵弘\. 九州・沖縄 中国・四国. ’脚高バ. ♂蕗、. 、競取露聡了澱齢=・・麗藤・諦・. ロ学校のみで行っている 口訪問のみで行っている. 近畿. 。べ病制蟻愚ぎ気亭:ご二:∴ゴ寝∴. ロ両方で行っている. 寮寒議㌧圏、窟ぎ……・亨レ. 中部・北陸. ロ全く行っていない. 拭噸献曽箒藩邸説ら・贈:ジ. 関東. 回無回答. 1ウ. 北海道・東北. 0%. 弼1謡 20%. 40%. 60%. 80%. 正00%. 図3−2 「医療的ケア」の実施状況. 表3−2 「医療的ケア」の実施状況. 学校のみで 訪問のみで 両方で行っ 全く行って. @いない. sっている sっている @ている 北海道・東北 関東 中部・北陸 近畿 中国・四国 九州・沖縄 計. 4. 2. 8. 1. 11. 0. 10 8. 2 2 3. 42. 10. 1. 9 16 12 10. 39. 0 0 1. 5. 0 0. 5. 57. 計. 無回答 1. 16. 5 2. 30 26 29. 1. 7 7 3. 20. 2. 25. 136. 15.
(45) 「医療的ケア」を「全く行っていない」と回答した学校は無回答を除. く111校の内わずか2校(1。8%)のみであり、残りの学校は学校と訪 問教育の両方で、あるいはどちらかで行っていることになる。. このことからも「医療的ケア」は全国的な取り組みになっていること が明らかである。. 3) 「医療的ケア」の実施者. 次の表3−3∼9は「医療的ケア」の内容について、 「誰が主に行って いますか」という問いに対する回答を表にまとめたものである。. 表3−3 経管栄養(鼻腔) してい. ネい. 養護教諭. 教諭. 看護婦. 保護者. その他. 無回答. 計. 医療・福祉施設 7. 3. 0. 21. 17. 3. 3. 54. 10 17. 20 23. 1. 8. 29. 38 55. 0 3. 5. 1. 82 136. ケ設・隣遺墨 肢体単独・知肢. ケ置校 計. 8. 表34 経管栄養(胃痩) してい. ネい. 養護教諭. 教諭. 看護婦. 保護者. 無回答. その他. 計. 医療・福祉施設. ケ設・隣設校. 31. 1. 0. 39 70. 11. 1. 12. 1. 3. 54. 1. 5. 1. 8. 82 136. 7. 0. 6. 19. 18. 26. 12. 肢体単独・知肢. ケ置校 計. 40.
(46) 表3−5 鼻腔・口腔内吸引 してい. ネい. 養護教諭. 教諭. 看護婦. 保護者. 無回答. その他. 計. 医療・福祉施設. ケ設・隣設校. 13. 3. 1. 19. 13. 1. 3. 54. 16. 22 25. 2. 9. 28. 0. 5. 3. 28. 41. 2. 8. 82 136. 肢体単独・知肢. ケ置校. 29. 計. 表3−6 気管内吸引 してい. ネい. 養護教諭 看護婦. 教諭. 保護者. 無回答. その他. 計. 医療・福祉施設 2. 15. ケ設・隣設校. 1. 17. 15. 1. 3. 54. 82 136. 肢体単独・知肢. ケ置校 計. 36. 8. 2. 5. 26. 0. 5. 51. 10. 3. 22. 41. 1. 8. 表3−7 導尿 してい. ネい. 養護教諭. 教諭. 看護婦. 保護者. その他. 無回答. 計. 医療・福祉施設 15. 1. 2. 12. 7. 14. 3. 54. 38 53. 8. 1. 5. 13. 5. 9. 3. 17. 12 19. 27. 8. 82 136. ケ設・耳鼻校 肢体単独・知肢. ケ置校 計. 注:その他には「自己導尿」が含まれている. 表3−8 薬剤吸入 してい. ネい. 養護教諭 看護婦. 教諭. 保護者. その他. 無回答. 計. 医療・福祉施設. ケ設・隣設校. 31. 2. 0. 12. 5. 1. 49 80. 7. 2. 4. 14. 9. 2. 16. 19. 3. 54. 1. 5. 2. 8. 82 136. 肢体単独・知肢. ケ置校 計. 41.
(47) 表3−9 酸素吸入 してい. ネい. 養護教諭. 教諭. 看護婦. 保護者. 無回答. その他. 計. 医療・福祉施設. ケ設・隣三校 肢体単独・二二. ケ置校 計. 31. 1. 0. 11. 7. 1. 3. 54. 43 74. 4. 3. 3. 1. 5. 5. 3. 14. 23 30. 2. 8. 82 136. 「医療的ケア」の実施者について総合的に言えることは、肢体不自由 単独・知肢併置校においては、いずれの「医療的ケア」の内容も保護者 が最も多く実施しており、施設併設・隣設校においても、主な実施者の 上位を占めていることである。このことからも必要時に備え付き添って いなければならない保護者の負担の重さが伺われる。. また、教員が実施する内容については、経管栄養(鼻腔)や鼻腔・口 腔内吸引が多いが、これは比較的危険度の低いケアであるためであろう。. 4) 教員の「医療的ケア」の実施経験 あなたは「医療的ケア」を実施したことがありますか、の問いに対す. る回答を表3−10及び図3−3に示した。720名中234名、30%を越える 教員が過去の経験も含め「医療的ケア」の実施経験を持っていた。. 表3−10. 蟹. 「医療的ケア」実施経験の有無. 回答数 ある ない 無回答. %. ある 32.5%. 234 32.5% 447 62.1% 39 5,4%. ll欝1. 檎響{難欝. 計720100,0%. なし 醗・謹璽醸一二’ぜ 62.1%. 図3−3 「医療的ケア」の実施経験の有無. 42.
(48) さらに、 「医療的ケア」の実施経験を持つ234名に対して、実施し た内容を尋ねた。その結果を表3−11、及び図3−4に示す。. 表341 「医療的ケア」の内容 「医療的ケア」の内容. 回答数. 経管栄養(鼻腔) 経管栄養(胃痩). 鼻腔・口腔内吸引 気管内吸引 導尿 薬剤吸入 酸素吸入. (複数回答). %. 115 39 129 48 33. 27.7%. 41. 8.8%. 24.7% 8.4%. 10.3% 7.1%. 24 36. その他(*). 5.2% 7.7%. 465. 計. 100.0%. その他(*). 酸素吸入. 7.7%. 経管栄養. 1〆1…毫罰 7.1%\蕉 灘. (鼻腔). 24.7%. 磁土灘蓼・. 雄. 経管栄養 (胃痩). 8.4%. 気管内吸引. 鼻腔・口腔内. 10.3%. 吸引 27.7%. 図3−4 「医療的ケア」の内容. 「医療的ケア」の内容については多岐に渡っており、中でも経管栄養. (鼻腔)、鼻腔・口腔内吸引の経験者が多かったことは、学校での「医 療的ケア」の主な実施者の結果とも一致する。. 43.
(49) 尚、その他の内容については次に挙げる通りである。. 内服薬・投薬…12 座薬挿入…4. アンビューバッグ…4. 生食吸入…2. 血便…3. エアウェー…2. 気管切開によるカニューレ吸引…2 口腔ネラトン 胃痩ガス抜き及び残留物除去、確認 酸素ボンベの管理. 水分、薬剤注入. 人工呼吸器の脱着. 排出指導. 手圧強制排尿…各1. 同様に「医療的ケア」実施経験者234名に対し、実施に際して「誰 からその指導を受けましたか」と尋ねた。回答は複数回答である。. 表3−12 「医療的ケア」の指導者 回答数. 主治医 学校医 看護婦 養護教諭 同僚や先輩 保護者 その他(*) 計. %. 104 41 56. 24.0%. 45 48 119 20 433. 10.4%. 9.5%. 12.9%. 11.1%. 27.5%. 46% 100.0%. 結果は表3−12のように、約半数は医師や看護婦などの医療の専門家 からの指導を挙げているが、「保護者」(27.5%)や「同僚や先輩」(11.1%). といった専門家以外からの指導も挙げられていた。また、その他の回答 の中には「特に受けていない」も1名あった。. 指導者に保護者が多いのは、日常行っているケアの手技について熟知 しているためであり、主治医については、その児童・生徒の障害や健康. 状態を最も把握しているためと考えられる。それに反して、学校医を指. 44.
(50) 導者と挙げているのは9.5%と低い。本来最も学校にかかわるべきはず の校医が指導者として挙げられていないことについては、校医の学校へ のかかわり方自体を問い直す必要がある。. 「医療的ケア」の指導者のその他の回答について参考資料として挙げ ておく。. 「医療的ケア」の指導者 その他. ・指導医…. 6. ・救急体制整備事業指導医…. 1. ・子ども医療センターでの研修… ・県指定の医療機関での研修…. 5 2. ・医療機関で看護婦として働いていたので… ・病院勤務中… ・専門学校…. 1 1. ・特に受けていない…. ・無記入…. 1. 1. 2. 5) 「医療的ケア」実施のために整備すべき条件. 学校において「医療的ケア」を実施する条件として、いま不足してい るのは何だとお考えですか、との問いに対して記述回答を求めた。. 学校用調査、教員用調査のそれぞれ回答数の上位を占めたものを次に 挙げる。 (詳細については巻末資料を参照). 【学校用調査】. <肢体不自由単独校・知肢併置校> 45.
(51) ・医療スタッフの充実(医師の常駐) (23件). ・教員の研修(14件). ・施設・設備の整備充実(13件) ・法的整備(12件) ・専門的知識・技術(7件). ・ゆとりある実施教員の教員数(5件) ・医療期間との連携(5件) など。. 〈医療、福祉施設併設・隣設校〉 ・医師、看護婦が巡回、常駐が必要(11件) ・研修の機会(11件). ・施設・設備の整備、充実(11件) ・専門的知識と技法(9件). ・法的措置、整備(8件) など。. 【教員用調査】. ・医師、看護婦などの医療スタッフの配置(126件) ・「医療的ケア」に対する専門的な知識と技術(109件) ・「医療的ケア」についての研修(94件) ・法的整備、責任の所在(37件) ・教員同士の意識の理解(36件) ・医療機関との連携(29件) ・行政のバックアップ(27件) ・システムの確立(23件). ・設備の充実(12件) など。 46.
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