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図3−3 「医療的ケア」の実施経験の有無

 さらに、 「医療的ケア」の実施経験を持つ234名に対して、実施し た内容を尋ねた。その結果を表3−11、及び図3−4に示す。

表341 「医療的ケア」の内容 (複数回答)

「医療的ケア」の内容  回答数    %

経管栄養(鼻腔) 115 24.7%

経管栄養(胃痩) 39 8.4%

鼻腔・口腔内吸引 129 27.7%

気管内吸引 48 10.3%

導尿 33 7.1%

薬剤吸入 41 8.8%

酸素吸入 24 5.2%

その他(*) 36 7.7%

465 100.0%

  酸素吸入

1〆1…毫罰

7.1%\蕉

    灘  雄 気管内吸引  10.3%

その他(*)

 7.7%

経管栄養

(鼻腔)

24.7%

磁土灘蓼・

鼻腔・口腔内  経管栄養

  (胃痩)

  8.4%

吸引 27.7%

図3−4 「医療的ケア」の内容

  「医療的ケア」の内容については多岐に渡っており、中でも経管栄養

(鼻腔)、鼻腔・口腔内吸引の経験者が多かったことは、学校での「医 療的ケア」の主な実施者の結果とも一致する。

尚、その他の内容については次に挙げる通りである。

 内服薬・投薬…12  アンビューバッグ…4  血便…3  座薬挿入…4  生食吸入…2  エアウェー…2

 気管切開によるカニューレ吸引…2  口腔ネラトン  胃痩ガス抜き及び残留物除去、確認  水分、薬剤注入  酸素ボンベの管理  人工呼吸器の脱着  排出指導  手圧強制排尿…各1

 同様に「医療的ケア」実施経験者234名に対し、実施に際して「誰 からその指導を受けましたか」と尋ねた。回答は複数回答である。

表3−12 「医療的ケア」の指導者 回答数    %

主治医 104 24.0%

学校医 41 9.5%

看護婦 56 12.9%

養護教諭 45 10.4%

同僚や先輩 48 11.1%

保護者 119 27.5%

その他(*) 20 46%

433 100.0%

 結果は表3−12のように、約半数は医師や看護婦などの医療の専門家

からの指導を挙げているが、「保護者」(27.5%)や「同僚や先輩」(11.1%)

といった専門家以外からの指導も挙げられていた。また、その他の回答 の中には「特に受けていない」も1名あった。

 指導者に保護者が多いのは、日常行っているケアの手技について熟知 しているためであり、主治医については、その児童・生徒の障害や健康 状態を最も把握しているためと考えられる。それに反して、学校医を指

導者と挙げているのは9.5%と低い。本来最も学校にかかわるべきはず の校医が指導者として挙げられていないことについては、校医の学校へ のかかわり方自体を問い直す必要がある。

 「医療的ケア」の指導者のその他の回答について参考資料として挙げ

ておく。

「医療的ケア」の指導者 その他  ・指導医…  6

 ・救急体制整備事業指導医…  1  ・子ども医療センターでの研修…  5  ・県指定の医療機関での研修…  2

 ・医療機関で看護婦として働いていたので…  1  ・病院勤務中…  1

 ・専門学校…  1

 ・特に受けていない…  1  ・無記入…  2

5) 「医療的ケア」実施のために整備すべき条件

 学校において「医療的ケア」を実施する条件として、いま不足してい るのは何だとお考えですか、との問いに対して記述回答を求めた。

 学校用調査、教員用調査のそれぞれ回答数の上位を占めたものを次に 挙げる。 (詳細については巻末資料を参照)

【学校用調査】

<肢体不自由単独校・知肢併置校>

・医療スタッフの充実(医師の常駐) (23件)

・教員の研修(14件)

・施設・設備の整備充実(13件)

・法的整備(12件)

・専門的知識・技術(7件)

・ゆとりある実施教員の教員数(5件)

・医療期間との連携(5件) など。

〈医療、福祉施設併設・隣設校〉

・医師、看護婦が巡回、常駐が必要(11件)

・研修の機会(11件)

・施設・設備の整備、充実(11件)

・専門的知識と技法(9件)

・法的措置、整備(8件) など。

【教員用調査】

・医師、看護婦などの医療スタッフの配置(126件)

・「医療的ケア」に対する専門的な知識と技術(109件)

・「医療的ケア」についての研修(94件)

・法的整備、責任の所在(37件)

・教員同士の意識の理解(36件)

・医療機関との連携(29件)

・行政のバックアップ(27件)

・システムの確立(23件)

・設備の充実(12件) など。

 学校用調査、教員用調査のいずれも上位を占めた回答は、 「医師、

看護婦などの医療スタッフの配置や充実」、 「教員の研修」に関する 内容のもの及び「法的整備、責任の所在」であった。また、教員用調 査では、「教員同士の意識の理解」も上位に挙げており、学校内で「医 療的ケア」の関してはさまざまなとらえ方がある中で、何とか教職員 間のコンセンサスを形成し、学校全体のものとして取り組もうとする 教員の意識を読み取ることができる。

(2)学校外の医療機関とのかかわり

 「医療的ケア」の実施状況の調査から、学校における「医療的ケア」

は地域により偏りはあるにせよ全国的に行われており、その内容も多岐 に渡っていた。また、教職員がかかわるケースも多く、特に肢体不自由 単独校や知肢併置校では、近距離に医療機関がない学校もあり、緊急時 の対応に苦慮する場合も多い。そこで、ここでは学校外の医療機関との 連携の現状を明らかにして課題を探っていきたい。

1)主治医との連携について

 児童・生徒の主治医とはどのような時にどのような方法で連携を取っ ていますかという質問に対しての回答は表3−13、14のようになった。

表3−13 主治医との連携の機会

回答数   %

定期的に連絡の機i会を持つ 21 15.4%

年度当初に連絡の機会を持つ 15 11.0%

必要なときに連絡の機会を持つ 93 68.4%

ほとんど機会を持たない 3 22%

その他 1 0.7%

無回答 3 2.2%

136 1000%

 主治医との連携の機会では、 「必要なときに連絡の機会を持つ」が 68.4%と最も多く、 「定期的に」、 「年度当初に」と続く。 「ほとんど 機会を持たない」という回答は3校(2。2%)のみであり、ほとんどの 学校は多かれ少なかれ主治医との連絡の機会を持っている。

 主治医との連携の方法では、表3−14のように、 「こちらから相手の 方に出向く」が最も多く(69校、50.7%)、ついで「保護者を通して」

の43校31.6%であった。

    表3−14 主治医との連携の方法

回答数   %

こちらから相手の方に出向く 69 50.7%

相手に来てもらう 0 0.0%

電話で話す 4 2.9%

保護者を通して 43 31.6%

文書でのやりとり 10 7.4%

その他 7 5.1%

無回答 3 2.2%

136 100.0%

 知りたい情報や伝えたい情報を「保護者を通して」間接的に連携する ことは、情報の伝達に正確さを欠くことも考えられる。主治医との連携 に限ったことではないが、こういつた場合には直接の連携が望まれる。

 また、 「主治医に望むことはどのようなことですか」という問いに 対しては、表3−15のように、 「障害や疾病についてわかりやすく説明

してほしい」が最も多く(18.6%)、 「学校現場を理解してほしい」

(17.6%)、 「相談できる時間をとってほしい」 (17。3%)と続いて

いる。

表3−15 主治医への希望 (複数回答)

回答数   %(*)

目談できる、嗜 とってほしい 53 17.3%

緊急時に対応してほしい 45 14.7%

障害や疾病についてわかりやすく説明してほしい 57 18.6%

医療的ケアについての研修を実施してほしい 35 11.4%

学校医と連携をとってほしい 41 13.4%

学校現場を理解してほしい 54 17.6%

その他 13 4.2%

無回答 8 2.6%

306 100.0%

(*) %は全回答数に対する割合

 その他の記述回答には、 「特になし」 「ほぼ満足している」と現状 での主治医との連携に満足している回答もあったが、 「学校との連携 の必要性を理解してほしい」、 「治療方針を変更するときは説明がほ

しい」等のさらに深い主治医とのかかわりを求める意見もあった。

2)緊急時における近隣の医療機関との連携について

 緊急時の対応について、近隣の医療機関と提携したり依頼したりし ていますかという問いに対しての回答は、表346の通りである。

 全体では112校(82.5%)の学校が緊急時に備え、近隣の医療機関 と提携したり依頼したりしている。

表346 緊急時の対応についての医療機関との連携 (N=136)

はい    いいえ   無回答    計 医療・福祉施設

ケ設、隣設校

 45

W3.3%

  7

P3.0%

 2

R.7%

  54

P00.0%

肢体単独・知肢 ケ置校

 67

WL7%

 15

P8.3%

 0

O.0%

  82

P00.0%

 また、 「どのような医療機関と提携したり依頼したりしていますか」

という問いには表3−17の通り、医療・福祉施設併設・隣設校では約6

割を越える学校が自校の併設・隣設の医療機関と提携や依頼をしており、

肢体不自由単独・知肢併置校では9割を越える学校が学校の近隣の医 療機関となっている。

表3−17 提携・依頼の相手 (N罵112)

近隣の医療機関 併設の医療機関  その他    計 医療・福祉施設

ケ設、隣設校

 l1

Q44%

 29

U44%

  5 PLl%

  45

P00.0%

肢体単独・知肢

ケ置校

 62

X2.5%

 l

k5%

 4

U.0%

  67

P00.0%

 さらに、どのような機会に連携を取っていますか、の問いに対しては、

表3−18に示すとおり、ここでも主治医との連携と同様に、 「必要なと きに連絡の機会を持つ」が第1位に挙げられ(48.2%)、次いで、 「定 期的に連絡の機会を持つ」 (29。5%)であった。

表3−18 連携の機会 (N=112)

回答数    %

定期的に連絡に機会を持つ 33 29.5%

年度当初に連絡の機会を持つ 22 19.6%

必要なときに連絡の機会を持つ 54 48.2%

その他 3 2.7%

112 100.0%

 「学校の近隣の医療機関に望むことはどのようなことですか」という 問いに対しては、設置形態に関わらず「緊急時に対応をお願いしたい」

を第1に挙げ、 「障害児理解を深めてほしい」 「障害児教育に詳しい医 師の配置」など障害児医療に対して専門的なかかわりを求める意見も多 かった(記述回答は巻末の資料参照)。

 近隣の医療機関に障害児医療の専門医が少なく、また、診察を断られ るケースも報告されていることから、何らかの行政施策が望まれる。

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