言語発達遅滞が顕著な精神遅滞児にかかわる縦断的研究(IV) : 野外活動を通して言語表現を促す指導
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(2) . 平成 3年7月. 北海道教育大学紀要 (第1部C) 第42巻 第1号 i Sect i l lof Hokkaido Universi ty of Educat jouma on ( on I C) Vo .42 .I , No. Jul y ,1991. 言語発達遅滞が顕著な精神遅滞児も I こかかわる縦断的研究 ( V) --野外活動を通して言語表現を促す指導-- 森. A. 範. 行. Longi ly Retarded tudinaI Study on the ハなental i h D l S d h d 1V) Wt e aye Peec an Language (. Ch i l d. -- The Exercise of VerbaI Expression through outdoor Activities ■- iyuki MORI Nor. 目. 次. 1. は じめ に -- ‐…- ‐ ‐ ‐… …‐… … … … …-… …- -…・ ・ ‐… … … … … … …--… 113. 1 1 . 事例の概要 ………………………………………-…………………… 114 1) 生育歴 2) 家族 3) 学校等 m‐ 指導 …………………………………………-……‐ ‐…………………・1 1 5 1) 目標 2) 期間・回数 3) 方法 4) 内容 { 1 )外出にかかわる指導 ( 2 )ゲーム的課題 5) 指導内容と逸脱行動 6) 指導の結果 l v 心理検査結果の推移と考察 …………………… - … … ”1 17 ‐ V‐ おわりに ……………………………………………… … - ・ 1 2 1. 引用文献 …… … - - - ……………………… 121 指導記録 (抜粋) - - - - ………………………・1 2 2. 1. は じ め に. 筆者はこの数年来, 言葉の遅れを主訴とした一人の精神遅滞児とかかわっ てきた. 森( 19 89-3). は, 母子分離不安の強い精神遅滞幼児に子供中心の遊戯療法を行い, 社会性の発達を促した. 引き 続き森 ( 1 989-1 ) は, 本 鴇ことっ て比較的抵抗感の少ないITPA 言語学習能力診断検査 (以後, 0 113.
(3) . 森. 範 行. ITPA と記す)の視覚-運動回路を中心に課題を設定し, 指導を行っ た. 指導の効果 は, 直接指導し. た課題の到達状況のみならず, 心理検査の得点上にも現れており, 視覚課題の処理能力が促進され たと考えられた. 19 91 ) は, 懸案の言語指導を開始した. ところが, 本児は, 当初構音障害を主訴として各種 森( 治療機関をまわっ てきた経緯があるため, 言語的課題には極度に回避的である. したがっ て, 比較 的抵抗感が少なく, 指導が効果的であっ た視覚-運動回路を活用して指導した. 指導内容は, 視覚 的に呈示できる動作表現と形容表現に限定した. しかしながら, 言語活動が本来聴覚-音声回路を 介して機能することを考えると, 視覚呈示を徐々 にf tする必要がある. adeou 今回は, 地域の生活場面から題材を引き出すようにし, 野外に連れ出して話題が豊富になるよう に工夫した. 野外活動を核に事前指導と事後指導を付随させ, 動機づけを高め, かつ定着をはかる よう配慮した. 指導の評価は個々 の指導内容の定着を調べると共に, 指導の前後に心理検査を施行 することにより, 一般的な発達水準を評定することによっ て行い, 指導方法との関連を検討する.. n. 事例の概要 A子. 女児. 0月生 (指導開始時9才, 小学4年) 昭和53年1. 1) 生育歴 1989一3, 1989一10 森( ) を参照のこと‐. 2) 家族 父, 母, 兄, A子の4人家族. 父親 ( 38才) は土建業を営んでおり, 夜も帰宅が遅く, A子と接 39才) がA子にかかりっ きりで, 過保護, 過干渉の傾向が する時間はあまりない. その分, 母親 ( 強かっ た. 幼児期よりA子の治療と養育にかけずりまわっ てきており, 軽度の二分脊椎と夜尿症と の関連を心配して現在でも年に1度首都圏の専門病院を訪れている. 心配性の母親であり, 当初は学力の面でも他児との差が開いていくことに焦りを感じており, 家 庭学習で無理に追い付かせようとした時期もあっ た.思い通りの効果 があがらなかっ たこともあり, 現在は精神遅滞児としての実態を受け入れられるように変わっ てきている. 大学生の家庭教師をつ けて国語と算数を勉強させることもなくなっ た. 父親は, 当初から精神遅滞児としてA子を受け入れてきたが, 母親と対照的に甘やかす傾向があ る.. 兄 は中学1年で, 最寄りの市 立中学校に通っ ている.. 3) 学校等 ミッ ショ ン系の私立小学校に入学して4年目である. 3, 4年生合わせて10名程度の複式学級に ) に示すとおりである. 1 989一1 0 在籍する. 入学後の経緯 は, 森 ( , 1991 担任教師によると, A子は発言したい, 認めてもらいたいという欲求 は強い. 授業でもよく手を 挙げるが, 答えるときにはどうしても言葉に詰まっ てしまう. 他児に助 けてもらっ てうまく答えら れると満足する. 図工な どではきれい, 上手などの判断ができるようになっ た. 自分の作品の評価 ができるようになると, 下手だから, 描けないという理由で自分ではやらずに他児の手伝いをした がるようになっ たが, 他児からはかえっ て迷惑がられている. 同級生からは相手にされず, 休み時 間は1, 2年生と遊びたがるが, 振る舞いが乱暴なのでトラ ブルを起こしがちである. 114.
(4) . I 言語発達遅滞が顕著な精神遅滞児にかかわる縦断的研究 ( V). 教科の学習 は限界にきているが,学校側では本児のために特別の教材を用意する余裕はないので, 本校の非常勤教師が週1回A子の指導を個人的に引き受けて, 生活に密着した図工と料理の指導を 行っ ている. 担任教師はA子に対しては学校生活 のルールを指導することに重点を置いている. そ の結果, 授業中の私語や 勝手な振る舞いはみられなくなっ たとのことである.. m. 指. 導. 1) 目標 聴覚-音声回路全般の処理能力を発達させることを主な目標とする.バランスの上からは特に「こ とばの表現」 と 「文の構成」 の発達が望まれる. 特に, 以前から最も低い発達水準にある 「言葉の 表現」 についての指導手順 は, 事物の多様な属性に着目させ, さらに言語表現にまで高めること で あ る.. 2) 期間, 回数 昭和63年1 0月から平成元年1 2月までの1年2カ月間. A子 の病気等で中断があり, 計31回の 指導に留まっ た. 3) 方法 指導は, 野外指導を除いて, 原則として週2回, 1回20分間, A子の自宅で行っ た. 指導は2名 で担当し, 一方が指導しているときは他方は補助とA子の行動観察を行っ た‐ 観察記録は課題の性 質と集中度との関係を調べるためである. 言語表現と活動範囲を広 げるため, 野外活動を指導の中心に据えた. 外出先は, 自宅から徒歩で 行けるところから始め, 公的交通機関を利用しなければならない範囲にまで拡大した. その際, 事 前と事後の指導を付随させた. 悪天候やA子の体調不調等により外出できない場合には自宅でゲー ム的課題を行っ た.. 4) 内容 A子の活動性を活用するため, 教材を野外に求め, A子の生活場面に近いところから比 較的遠い ところまでを設定した. 事前と事後に使用 した教材 は, 柚木, 阿部 ( ) を参考に, 自作した. 1987 視覚呈示は組織的には行わなかったが,写真や VTR 等の視聴覚教材を事前と事後の指導に活用した . 自宅でのゲーム的課題とは, A子を中心に数名で順に答を言っ て勝敗を競うものであり, 課題と して はGu i l f 1967 ) の思考の操作に着目して, 収束的課題と発散的課題に分けて行っ た. ord ‐P .( ,J A子は指導者役をやりたがるので (森, 1991 ) , あえて問題を出す役もやらせた. ( 1 )外出にかかわる指導 i) 事前指導 外出先の地図, ガイ ドブック, 写真, VTR 等を用いて興味を喚起し, 関連する ごっ こ遊びを行っ た. 例えば, A子は公的交通機関をほとんど利用したことがないので, バス ごっ こを行い, 整理券 の取り方, 料金の払い方等を指導した. a) 外出 ①散歩 (公衆電話, 郵便局, 郵便 ポスト, 自動販売機, スー パーマーケッ ト, 公園の遊具) 予め下見しておいたコース (A子の自宅から往復20分程度) を散策する 散策しながら目に入る . 事物や現象について予め課題として準備しておいた話題を出し, あるいは突発的出来事やA子 の関 心を引いた事物を中心に, 様々な観点から会話を発展させた. その際, 知覚像と言語表 現, 行動と 11 5 ‐.
(5) . 森. 範 行. 言語表現を具体的場面で結 びつけ, 事物の多様な側面に気 づかせ, 言語表現にまで発展させるよう に援助した. その時々の場面で, 話題にした事物の写真を撮り, 事後指導に役立てた. ②バスの利用 (函館空港) A子はスクールバスで通学して おり, 家庭では自家用車を利用する ことが多く, 公的交通機関を 利用した経験はほとんどなかっ た. そこで, バスの乗り方を指導 しながら空港へ行き, 新奇性のあ るものを話題にし, 同時に写真と VTR を撮り, 事後指導に使用 した.. ③路面電車の利用 (函館公園) A子の体調不全のため, 事前指導のみで中止.. ④JRの利用 (大沼公園) A子の体調不全のため, 事前指導のみで中止. i i i ) 事後指導 ①散策した自宅周辺の地図を作り, 見聞きした事物や現象を思い出させ, 表現力を定着させるよう に し た‐. ②写真を見た順番に並べ換えさせたり, VTR を見せながら再度定着をはかっ た. ③絵日記を書かせた. 飛行機などの絵は描く が, 文字は書きた がらないので, A子に話を作らせ,. 指導者が代筆した. ( 2 )ゲーム的課題 i) 収束的課題 3つの属性を示す言葉から特定の事物に思考 を収束させる課題である. 具体例は, 指導記録に示 す.. ”) 発散的課題 特定の属性に該当する事物 をできるだけ多く考えだす課題である. 具体例は, 指導記録に示す.. 5) 指導内容と逸脱行動 ) の表2と同じ様式で毎回の指導内容と逸脱行動を記録した. 今回も, 森 ( 1 98 9一1 0 課題に対する回避行動は, 自宅での指導において は絵日記をつけるときや話 がうまくできないと きにトイ レに逃げる行動等で示された. 野外では質問にうまく答 えられないと 「知らない」 と言っ て走りだすことが多かっ た. 転換行動は, 絵日記にお いて文字を書くべきところに数字 を書いたり, 好みの男性アイ ドルの名 前を書いてほしがることに示された. また,VTR を課題から離れて操作しようとする ところにも示 さ れ た.. 被転導行動は, 自宅において は教材のカセ ッ トレコーダーやスーパーマーケッ トで買っ たチョコ レートに注意を奪われることの他, 外出したときには公園での遊 びに夢中になっ て課題から離れた り, 空港では玩具売場に釘付けになっ て玩具を買う ようにせがんだりしたことに示された. 指導者に対する攻撃行動 は多く はないが, A子の意に添わない指導 が長引いたりすると, 乱暴な 口 を き い た り, た た い た り す る こ と が あ っ た.. 1 989一3) の遊戯療法の中で頻 愛着行動 は, 本を読んでくれている指導者に寄り添っ たり, 森 ( 発したマ ッサー ジを指導者に行っ たりしたところに示された. 気分イライラ行動は, ほとんどみられなくなっ た. 全体として, 室内においては逸脱行動 は減少してきているが, 今回取り入れた野外指導の場合は 局外刺激 が多く, また回避し得る範囲も広いので, 言語表現を求める課題では特に逸脱が多くなっ た. 116.
(6) . I V) 言語発達遅滞が顕著な精神遅滞児にかかわる縦断的研究 (. 6) 指導の結果 指導開始当初に比べるとそれまで言えなかっ た事物の名称をはっ きり言えるよう になっ たことの 他, 関心が広がっ た. 例え ば, 地図, 自動販売機, スーパ ーマーケッ トなど繰り返し体験させたも のは生活経験として定着したものと思われる. 事物の多様な面に着目させることについては, 以前と同じバス停の写真を見ても, 下の方に付い ている広告にも言及するな ど, 細かな点まで着目できるよう になってきた. また, ヘルメ ッ トが写っ ている写真を見て 「先生, バイク持っ ているの?」 と尋ねるなど, 関連 する事物にまで連想が広がるようになっ てきた. 事物の多様な面に気 づいたり, 連想を発展させたり, それをある程度言語表現できるようになっ 2 ) の形成と活性化を, 少なくとも直接指導し 98 たことは, 意味ネ ッ トワーク (山ロde r son .R ‐ ,j ,1 た内容に関しては, 促進したのではないかと推測される.. I V . 心理検査結果の推移と考察 ここで報告する検査項目は, TK 式田研・田中ビネー知能検査(以後, ビネー検査と記す),ITPA, 新版S‐M社会生活能力検査 (以後, S‐M検査と記す) である. ビネー検査, ITPA, S-M検査は毎回施行している. 今回の指導前(CA:9才2カ月)と指導後 (CA:11才2カ月) の結果の概要を表1に示す‐ 表1 発達の概要 (下段は増分を示す) 。. ミ名. TK式田中ビネー検査 MA. IQ. S‐M社会生活能力. ITPA 検査 P LA. PLQ. SA. 4才1 0月. 1 1才02月. 5才08月. 51. 6才0 2月. 55. 9才0 2月. 81. +2年0 0月 +0年1 0月. -2. 十0年09月. -4. +0年0 4月. -15. 53. 5才0 5月. 59. 8才1 0月. SQ. 9才02月. 96. MA, PLA, SA ともにこの2年間に各々10カ月, 9カ月, 4カ月増加したが,IQ, PLQ, SQ は 991 ) 大きな伸 いずれも低下しており, 発達の速度が低下していることを示す‐ 特に, 前回 (森, 1 びを示したSQ の低下が著しい. 「 「 ビネー検査において今回初めて合格したものは, 「数概念」 (4才級) , 数概念」 (5才級) , 絵の 「 「 「 不合理囚」 (6才級) , 打数かぞえ」 (6才級) , 文の記憶」 (7才級)であっ た. ひもとおし一 (5 才級) は正解であるが, よそ見をして制限時間を8秒超過したため不合格であっ た. 検査時におい て は以前と同様, 注意の維持が困難で, 途中で立ち歩いたり(回避行動) , よそ見をしたり(被転導 「 行動) 物をいじ たりする ( 転換行動 ) ことが多く のよう に, 合否に影 翠響する場 ひもとおし っ 一 , , 「 合もあっ た. ひし形模写」(6才級)は依然不合格であるが, 今回は白紙を手本の上に置いてトレー ス した. A子 は課題解決を失敗しなかっ たようにみせかけるための特有の 「要領の良さ」 もしく は 防衛様式を学んでいるよう だ. このように, 自力で解決できそうにもないときに他の手がかりで答 を得よう とする方略は, A子が普通児の中にあっ て形式的には同等に扱われていること関連するも のと思われる. ITPA の プロフィ ールは, 図1の PLA 表示 (CA が9才を越えたのでSS 表示はできない) に示 すように,指導の前後ともに同様のパターンを描いている.聴覚-音声回路の得点が落ち込むパター 117.
(7) . . 範 行. 森. ン は, 森 ( ) か ら 一 貫 し て い る. 1989- 3, 1989一10 , 1991. 2年以上の伸びを示した下位検査項目は, 伸びの大きい順に, 「ことばの理解」 (2年3カ月) と 「絵さがし一 (2年1カ月以上) であっ た 他方 今回の指導の中心であっ た 「ことばの表現」 には , . )を 全く変化がみられなかっ た. A子にとっ て 「ことばの表現」 は心的努力 (Kaml 3 eman ,197 ,D. 要するために今回の指導はむしろ受容のレベルを活性化したものと推測される. 「絵さがし」はA子 が最も好む課題のひとつであり, かつて指導したことがある(森, 1989一10 ) . 今回は組織的には指 「 導しなかっ たにもかかわらず, 上限(9才4カ月以上)に達した. 数の記憶」では逆に得点が下がっ たが, 最大5桁 (5チャ ンク) であることには変わりなく, 今回は注意の維持にムラがあっ たこと を示す.. 発 達 年 令. 暦. 年 4‐6 4-O 3-6. 形 の記 憶. / / ′ /. /. ′ 、 ′ \ / 、 ノ / ね\ v ^. ′ / .. \ \ゞ/ /. 葵. /. / d. 、 /\ ′ \ ′. 顔 、. /\\ / \、. ′ ′ ′. /、 ′ 〃. 7. \. \\. \*\. ふ. ′. ′ ′ \ /. \V / ′ 、/ \. グ. y. 、 ダ \\ 、. \. \. / \、. /. / /. / 、ス 、. ▲. ↑. CA:11才2か月 X- - - - - ※. X. / P. L 、 、. \. 数 の 記 憶. ◎\. \、 濠-. 準. 配列記憶能力. 構 成 能 力. CA :9才2か月 O. 、、. 水. 絵 さ が し. 5-O. 動. 文 の 構 成. 5‐6. 点 自. 動作 の表 現. 6-O. 得. 表 現 能 力. \ 、 、. 6‐6. A. 準. SA. 、 1 、 、. 7‐6 7‐0. P. とばの表現. MA. 絵 の 類 推. 8‐O. 田 中 社会生 ビネー 活能力. T. 水. 連 合 能 力 とばの類 推. 8‐6. TK式 S‐M. 受 容 能 力 絵 の理 解. 9-O. 令 律. 9‐6. 他の 検 査. とばの理解. 学習年令 眼. 年 令 10‐6 lo‐0. I 象. 表. 》. ″ /. \/ x. W ー、. 3‐O. 図1 ITPA言語学習能力診断検査 PLA(言語学習年令)の推移 表2に示すように, この2年月 間での伸 びは聴覚-音声回路の PLA で8カ月,視覚-運動回路の では9カ月の伸びを示したにす ぎず, 森 ( 1991 ) に比べて伸 び率は低下した. 両回路の差はさらに 1カ月間大きくなり, 聴覚-音声回路の発達水準 は視覚-運動回路に比べて2年低い水準に留まっ ている. 今回の指導も, どちらかというと視覚-運動回路を活性化したということができる. 指導 目標のひとつとした 「文の構成」 は, 11カ月の伸びを示したが, 指導目標の中心とした 「ことばの 表現」 は, 「動作の表現」 と共に全く変化がなかっ た. 当初の目標にもかかわらず, むしろ視覚-運 動回路の方が発達したが, これは, A子が言語表現を課題化することを避け, 結果的に視覚教材を 課題化することになっ たことに関連するものと思われる. 118.
(8) . 言語発達遅滞が顕著な精神遅滞児にかかわる縦断的研究 ( I V). 表2 回路別PLA の平均値 ( ) は標準偏差 下段は増分を示す. 路 壷\ミ. 聴覚一音声回路. 視覚-運動回路. 差 (前項-後項). 9才02月. 4才10月 ( 1 0 ) .6. 6才0 9月 ( ) 15 ‐1. -1年11月. 11才02月. 5才06月 ( 26 3 ) .. 7才0 6月 ) ( 18 .3. -2年00月. +0年08月. +0年0 9月. -0年0 1月. +2年00月. 表3 は過程別 PLA を示す.受容能力と連合能力 は伸びを示したが, 表現能力 は全く変化を示さな かっ た. 受容能力が1年7カ月も伸びたのは, 特に 「ことばの理解」 の伸びによる. 連合能力の伸 びは8カ月 に留まっ たが, 両回路間のバラツキは少ない. 類推 は抽象的な概念操作を要する課題で あり, 精神遅滞児にとっ ては最も困難なものであり, 著しい発達は見込まれないが, バランス は良 いと思われる. 両回路間のバラツキが大きいのは表現能力であり, 「動作の表現」が高い発達水準を 示すのに対して, 「ことばの表現」 が最も低い水準を示すことが注目される. 表3 過程別PLA の平均値 ( ) は標準偏差 下段は増分を示す. 程 壷\ぎ. 受容能力. 連合能力. 表現能力. 9才0 2月. 6才0 5月 4 ( 1 ) .0. 4才0 6月 ( 1‐5 ). 5才09月 ( 2 5‐ 5 ). 1 1才0 2月. 8才0 0月 ) (6‐0. 5才0 2月. (2‐5). 5才09月 ( 2 ) 5 .5. +1年07月. +0年08月. 0年0 0月. 十 2年0 0月. 表4は水準別 PLA を示す. 表象水準で9カ月, 自動水準で7カ月の伸びを示した. 森( 1 989-10 ) 以降表象水準より自動水準 の方が優位 であり, 今回も自動水準の方が7カ月分優位 であるが, 両水 準間の差が2カ月分少なくなっ た. 「文の構成」 は11カ月の伸びを示したが, 「絵さがし一 の伸びは それを上回るため, 回路間の差 は一層大きくなっ た. 表4 水準別PLA の平均値. 準 ヨ\ミ c. ( ) は標準 一差 下. は. を示す. 表象水準. 自動水準. 差 (前項-後項). 9才0 2月. 5才0 6月 ( 1 9 ) ‐4. 6才0 3月 ( 12 ) .2. -0年09月. 11才0 2月. 6才03月 ( 21 3 ) -. 6才1 0月 ( ) 18 -6. -0年07月. +0年09月. +0年07月. 十0年0 2月. +2年0 0月. S‐M検査のSA はこの2年間で4カ月 間しか伸 びず, SQ も9 6から81に低下した. 領域別 プロ フ ィ ー ル は図 2 に示す. 119.
(9) . 森 領. 立 爺‐ “島 動. 移. ー. 領 域 別 社 会 生 活 年 令. 域. 身. s H. L。c。m。 i。n t 薬. 作. Q. occup i at 。n. c もも蓄ぎ 集 団 参 加. s. 範 行. 2 3 5 7 4 8 1 6 9 lo ll 12 13 14 15才 Lー 1 , 1 ー 1 量 1 , 1 ー 1 ー 1 - 1 , l t l , 1 賦 l t l , i. ,,,, , -. / //. - ,,,. CA:9才2か月 e. ズき《. 型 富ぶ然 ,. l- 1董 ー f l ー - 1 1■. 9 .‘.1 1l. 〆 CA:11才2か月 ×- - - 〆. /. /. h↓・ 1 … 1 1I. /. ′「. ,. し,「 , - , ー , - , - , , , , 1, 1, ー , ー , ー , ー , L 一 n′t. \ , ,, , ,. ,, ,, , , ,, ,, , , ,. Socialization. s o. / / ・一. ,,,, -. -. . , ,, , , , , , , 一 , ,. ,, ,, , , , 一 , , , ,. 図2 新版S‐M社会生活能力検査 領域別SA(社会生活年令)の推移 表5に示すように, 今回1年以上伸びた領域 は 「作業 (0)」 のみであり, 逆に 「移動 (L)」 は 1 991 ) から引き続き行われている教師宅での個別指導の効 低下した. 「作業 (0)」 の伸 びは, 森 ( 果と思われる. 教師宅では主に家庭科 (料理等) の指導を受けており, A子 はお茶を入れたり, ナ イフや包丁を使っ て果物や野菜の皮をむいたり, 簡単なおかずを作ることは可能である. この 「作 SH)」 はCA を上回る. 「意志交換 (C)」 ではテレ 業 (0)」 と既に上限に達している 「身辺自立 ( ビの内容を友達と話し合えるようになっ たが, 本を読んで理解すること, 簡単な文章を書くこと, 人の話を終りまで静かに聞くことなどはできない. 「移動 (L)」 の低下は, 初めてのところへは歩 いて20分くらいの範囲であっ て, 道順を教えられても行きたがらなくなっ たことによる. 今回の散 歩による指導が, かえっ てA子の依存性を高めたことが懸念される. 今回の指導にもかかわらず, バスを一人で利用できるまでには至っ ていない. 今後は家庭でも公的交通機関を利用する機会を増 やす必要があろう. 表5 S-M社会生活能力検査 領域別SA(社会生活年令)の推移 ↑は以上 右欄は増分を示す. 120. 生活年令 (CA). 2月 9才0. 1 1才0 2月. +2年0 0月. 社会生活年令( SA). 8才1 0月. 2月 9才0. +0年04月. ) 社会生活指数( SQ. 96. 81. -15. 身辺自立 ( SH). 12才06月↑. 1 2才0 6月↑. +0年00月↑. 移動 (L). 8才04月. 7才0 5月. -0年1 1月. 作業 (0). 10才10月. 2才00月 1. 2月 +1年0. 意志交換 (C). 7才0 2月. 7才0 8月. +0年0 6月. 集団参加 (S). 7才11月. 8才07月. 8月 +0年0. 自己統制 ( SD). 8才06月. 8才0 6月. +0年0 0月.
(10) . I V) 言語発達遅滞が顕著な精神遅滞児にかかわる縦断的研究 (. V. お わ り に 本児の活動性に着目 して野外活動を中心に言語課題を設定し,言語表現を活性化しようと試みた. 視覚呈示を徐々 にf tする ために, 組織的には視覚呈示を行わ なかっ たが、 本児 は視覚-運動 adeou 回路の方 が処理が容易に進むために言語的に課題化することは困難であっ た. 今回は最も不得意な 言語の表現能力を高 めることにより, 能力間のバラツキを減らそうと試みたが, 直接指導した内容 について はある程度の定着を示したとはいえ, 一般化には至らなかっ たといえよう. 指導の目標と 0カ月) との差が4年3カ月も した 「ことばの表現」 (3才7カ月) と他方の 「動作の表現」 (7才1 あり, しかも, この2年間で全く変化しなかっ たことは, 「9才レベルの壁」 (佐藤・吉江・岡田, 1982 ) を思わせる. 今回の指導が一般化に至らず, 十分な効果を上 げられなかっ た理由として, 第1に指導が中断し たりして十分な指導回数を得られなかっ たこと, 第2に本児が失敗経験の多い言語表現を回避した こ と 第 3 に 「9才レベルの壁」 とかかわっ て年令的に臨界期のピークを過ぎていること, 第4に ,. ) の構造化に困難 があるか 980 本児の認知特性として, 基本的にネッ トワーク (Ande r son ‐R. ,J ,1 )は, 言語生成の過程を構成 -- 変形 -- ( 1 980 もしれないことな どが考えられる‐ Ande r son .R‐ ,j 実行に分けているが, それによると本児は何を言う かを決定する構成の段階で既につまづいている ように思われる. 今後は指導法と理論との詳細な検討が必要であろう.. <引用文献> i l ions ive Psycho 1. Ander i t i nPany t simP1 cat ogy andi son り Q . ,1980 , ▽. 日. Freeman and Co - R.:Coき ,J. 8 2 富田達彦 (訳):認知心理学概論, 誠信書房, 19 . l l l igence l ford 2. Gui . , MacGraw-Hi ,1973 .P.:The nature ofhumanintel ,J i i H l l 1 9 7 ( N f f P ‐ 3 tent i d D :A 3‐ Kahneman t t 鷲 t ten on an e o , ren ce a , on-- orman . , D‐ A‐: Memow and at , . E ) t f i ( 2 d d (監 9 i i i W i l & S 1 7 6 ;富田達彦 Anint d t j t t h o l n r ma o n r o c e s s n n n o e o n s ro uc on o uma n P g y ‐ , . ,. 8 ) 訳):記憶の科学, 紀国屋書店, 197 4. 森 範行:言語発達遅滞が顕著な精神遅滞児にかかわる縦断的研究 (1) --遊戯療法による社会性の発達と構 98 9-3‐ 音の改善, 北海道教育大学紀要第一部C (教育科学編) , 39 , 2, 1 1 1 ) --視覚-運動機能の指導, 北海道教 5. 森 範行:言語発達遅滞が顕著な精神遅滞児にかかわる縦断的研究 ( 989-1 0 育大学紀要第一部C (教育科学編) , 40 , 1, 1 . 6‐ 森 範行:言語発達遅滞が顕著な精神遅滞児にかかわる縦断的研究 (皿) --視覚呈示による動作と形容表現を 1 9 9 促す指導, 北海道教育大学紀要第一部C (教育科学編) , 2, 1 , 41 . 8 7‐ 佐藤泰正, 吉江信夫, 岡田 明 (編):視覚聴覚障害事典, 岩崎学術出版社, 197 ‐ 98 7 8‐ 柚木 酸, 阿部直美 (編著):表現力を育てる (1) --発達をふまえて, コレール社, 1 ‐. <付. 記>. この報告は, 日本特殊教育学会第28回大会( 1 9 90 )において発表したものに加筆したものである‐ 当時の養護学校. 教員養成課程4年目学生, 橋本真子さん(現青森県森田養護学校教諭) , 横田佳代さん(現社会福祉法人北海道立太陽 の園指導員) , 清水泰仁君 (現石狩町立若葉小学校教諭) , 吉野隆宏君 (現星置養護学校しりべし学園分校教諭) には 指導を担当してもらった. 記して感謝の意を表します‐ (本学助教授 函館分校). 121.
(11) . 森. 範 行. 指導記録(抜粋). 1 )外出 (散歩:日の出公園) ( 指導者の発言と指導. A子の発言と行動. (往 路). 信号です. 信号っ て どう してあるの? 信号には青と黄色とあと?. 赤. 赤はどうするの?. 止まる.. 黄色 はどうするの?. 注意. 青はどうするの?. 進む.. 向こうの黄色いやつ (バス停) はなんて書いて ある ? ,. 知らない (走りだす).. 知らない. 的場町, 函館バス どこ行くの? (走りだす). これは何ですか?. 郵便ポスト. 何色ですか?. 赤 に 決 ま っ て い る で し ょ.. なんて書いてあるの?. 函館市内. 変な車 (事故車) ある.. 交通事故で壊れている.. 車がどうなっ ているの?. ノごラ ンノミラ ン. ここに何があっ たの?. エンジン, 運転手 (走りだす). (公 園). こっ ち側に何見える? ス タ ン ドっ て な に す る と こ ろ ?. 何で車に油入れる の?. (公園に着くと, 指導者の質問を無視して, す べり台などの遊びに夢中になる.) 海, スタ ンド, 山 油, 車 知らない.. (ス ー パ ー マ ー ケ ッ ト) ジ ュ ース, どこ へ 行 っ た ら 買 う の ?. 何本買いますか?. 中で, セーコーマートの中で. 4本. ジュ ース飲む人?. はい (ジュースを飲む). 固いですか?. 固くないだろ. おしり. ここ (底) どこですか? (復 路). A子ち ゃ ん, この病院行っ たことある?. 122. 盲腸, お兄ちゃ ん (自宅方向に走りだす).
(12) . I V) 言語発達遅滞が顕著な精神遅滞児にかかわる縦断的研究 (. 2 ( )事前指導 (バス利用 :函館空港). A子の発言と行動. 指導者の発言と指導 (バス ごっ こは既に何度か行っ ている) 空港に着いたら何買うの?. お も ち ゃ, ジ ュ ー ス 飲 み. 上の方に行けば何が見えますか?. 飛行機. 帰りは?. コレート買っ て, 屋上を見ます. バスに乗っ て帰る.. 私 はお も ち ゃ を買 っ て,ジ ュ ー ス 飲 み し て,チ ョ. どこで降りるのですか? 何番だっ た?. 函館空港, ちがう金掘町(地図を見て確認する) 19番 (バスの時間の確認もする). 3 )外出 (バス利用:函館 空港) (. A子の発言と行動. 指導者の発言と指導 (歩行中) どこから乗るのですか?. 堀川町. ドアがあいたら何取るの?. 紙、. 何番のバス?. 19番 (パ ス に て). (混んでいたため, 発問しなかっ た.) (空 港 に て). どこに行くの?. 飛行機. 飛行機 どうするの?. 見に行く.. 誰乗っ てるの?. (答えず). 人何人いる?. 3 人, 4人. 長いもの何?. わ か ら な い‐. 何か見えない? ぐる ぐる 回 っ て い る の は ?. 見えない. (答えず, 逸脱). どこ行くの?. ジュース (おもち ゃ 売場に行く) お も ち ゃ ほ し い, 買 っ て よ. 買 う と 言 っ た し ょ.. (その後, ジュースを買っ て飲む). (復路のバスにて) (ゲーム的課題を行っ た) 123.
(13) . 森. 範 行. ( 4 )事後指導 (バス利用:函館空港). 指導者の発言と指導. A子の発言と行動. VTR を見せてから) ( どこ に 行 っ た の ?. 飛行場. 誰 といっ た の ?. ひとりだけ, 橋本先生, 鈴木先生, なんだっ たつ け, きたないじじい, 横田先生, 清水先生, 吉. 野先生 合わせて何人?. 4人. 函館空港まで何で行きましたか?. 歩いて. 歩いて どこまで行っ た?. 金掘町. その後何で行っ た?. ノぐス. 行きのバスと帰りのバス,どちらがたくさん乗っ ていた?. 行 丁き のノぐス. 座れなかっ た先生は誰?. 鈴木先生, こいつ. バスに乗るとき何取っ た?. 紙. 行きのバスで何かやりましたか?. やらない. バスから降りるとき, どうした?. (逸脱した後) お金. 函館空港, 何のために行っ たの? 何番のバス?. バスに乗るため, 飛行機見に行っ たの.. 着いたらどこへ行っ た?. (逸脱). 飛行機の他に何かあっ た?. 竹コ プター, ヘリコプター. 飛行機を見た後, 何しましたか? 帰りのバスで何しましたか?. ジュース, お土産物. 忘 れち や っ た.. あれ, あほ (逸脱) わ か っ た, クイ ズ. 何でレコード買わなかっ た. 楽しかっ たことは何ですか? . (写真の配列;7枚, お話づくり) バラバラなので,順番 どおりに並べてください.. ん一とですね, おもちゃ 買えなかっ たこと. (並べる)家にいて, 歩いていっ て, 堀川 町行っ て, 見てからバスに乗っ て, 見て帰っ てきた. (帰りのバスの写真で間違う). (3つの言葉をつなぐ) 私・バス・函館空港. 私はバスで函館空港に行きました.. 私・バス・言葉遊び. 私はバスに乗りました. そして言葉遊びをしま し た.. 私・函館空港・飛行機 私・函館空港・ジュース 124. 私は函館空港の飛行機に見ました. 私は函館空港のジュースを飲みました..
(14) I V) 言語発達遅滞が顕著な精神遅滞児にかかわる縦断的研究 (. 自分で好きなように作っ てみてください.. 私 は函館空港の飛行機に見 ました. それから函 館空港のバスに乗りました. それからジュース を飲みました.. 楽しかっ たことは?. ジ ュ ー ス を 飲 ん だ こ と, お も ち ゃ を買 え な か っ た こ と.. 今度お金持っ てくるからね.. ( 5 )収束的課題 役割を交替 してA子も問題を出す役をしているが、 それについては省 略する.. A子の発言と行動. 指導者の発言と指導 ス リ ー ヒ ン トクイ ズ を し ま す.. 耳 が長くて・目が赤くて・ ピョ ンピョ ン跳ぶも の. うさ ぎ. 赤 く て ・ 丸 く て ・ お い しい も の. ドー ナ ッ ツ, り ん ご. のりもの・タイ ヤがついていて・一人乗り. 降参, 自転車. あたたかくて ・毛糸でできていて・手につ ける もの. 包帯, 手袋. 赤くて・細長くて・馬が食べるもの. にんじん. のりもの・羽が付いていて・飛ぶもの. 飛行機. 動物園にいて ・おなかに袋があって・飛 び跳ね る. ラ ッ コ, あ か ち ゃ ん, 鳥, 馬. 茶 色 く て ・ で こ ぼ こ し て い て ・ カ レ ー ライ ス に 入っているもの. 肉, にんじん, しいたけ, いも(逸脱) , 関係な い よ.. 針があっ て’カチカチなっ て・数字がある 黄色くて・細長くて, 皮をむいて食べるもの 先生がいて・勉強するところで・毎日行くとこ ろ. 先生, 数字の押し方, 時計 みかん・やっ ぱりみかん・バナナ. 教室. 125.
(15) . 森. 範 行. ( 6 )発散的課題 特定の概念に該当する事物 の名前を順番に言う.. 指導者の発言と指導. A子の発言と行動. 光 GENj lの名前. 諸星君 (わからない鈴木 に教える). 果物. メ ロ ン, ノぐナ ナ. 丸いも の. ボール, レコー ド, 机のノ ブ, あの黒いの 電 , 球, 椅子のあれ (下の車) , マイク, ハ ンドル. 動物の名前. うさ ぎ, ねこ, ぶた, 髭付いている動物, パ ン ダ, にわとり, しまうま, 怪獣, ゴリラ, ライ オ ン, タ コ. 固いもの. 乗り物. 石, これ(テレ ビの枠) , 椅子のここ(金属部) , 窓, じゅうたんの下 自動車, バイク, 飛行機, 消防車, シグマ (自 家用車 の商標) , 二段バス, ロープウェイ, 自転 車, ブラ ンコ. 赤いもの. 風船, 口紅, 箱の赤いも の, 郵便ポスト, 消火 器, リ ボ ン, あ か ず き ん, ペ リ カ ン の 口, 屋 根. 126.
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