第6学年 算数科学習指導案 1 単元名 「図形の拡大と縮小」 2 指導観 縮図や拡大図とは、原型の寸法を一定比で縮小、拡大して描いた図のことであり、大きさ を問題にしないで「形が同じであるかどうか」という観点から図形を考察していく。縮図や 拡大図の関係にある図形は、対応する角の大きさはすべて等しく、対応する辺の長さの比は すべて一定である。辺の長さや形の大きさに加え、角や比という新しい観点で図形を捉える ことで、これまで学習してきた平面図形についての理解をさらに深めることができる。また、 合同の意味や縮図や拡大図の意味や性質、作図の仕方を見いだすことで、縮図や拡大図を活 用して測定しにくい長さを計算で求めることができ、測定のよさを実感できることから、図 形についての見方を深めることにつながり意義深い学習である。この学習は、中学校におい て「相似な図形」の学習につながっていく。 平成26年度の標準学力調査の本校第5学年算数科の結果によると、図形領域の正答率が他 の領域に比べて大きく全国平均を下回っていた。その中でも三角形の内角の和が180度であ ることを基に、三角形の外角を求める問題や、合同な三角形の性質を利用して対応する辺の 長さを求めたりする問題の正答率が低い傾向が明らかになった。また、今年6月に行った実 態調査では、三角形の合同条件のうち、三つの辺の長さがそれぞれ等しいという条件は全員 が理解できていたが、合同条件のうち、二つの辺の長さとその間の角の大きさがそれぞれ等 しいという条件を理解できていた児童は〇%、一つの辺の長さとその両端の角が等しいとい う条件を理解していた児童は〇%にとどまった。このことから、図形の性質を見いだし、そ れを繰り返し活用する学習が必要であると考えた。 本単元では、形が同じ関係にある図形の性質を理解し、その性質を作図や測定に活用する ことを通して、縮図や拡大図について理解することをねらいとしている。そこで本単元では、 課題解決に必要な見方を見いだすために、デジタル操作シートを活用する。デジタル操作 シートとは、図形の辺の長さや角の大きさを自由に変えながら、観察したり、図形や写真に 描画できるなどの機能をもたせたデジタルコンテンツのことである。 まず、形が同じ関係にある図形の性質を理解するために、デジタル操作シート上の三角形 を縦や横に縮小、拡大させながら思考する場を設定する。そして、見いだした性質をデジタ ル操作シートの三角形を操作しながら交流する。さらに、図形カードやワークシートの三角 形を調べ、形が同じ関係にあるかどうか確かめることで、形が同じ関係にある図形の性質を 理解できるようにする。 次に、三角形や四角形の縮図や拡大図の作図ができるようにする。そのために、まず、デ ジタル操作シートに描画したり直線を引いたりしながら作図法を見いだす場を設定する。次 に、三角形や四角形の作図法をデジタル操作シートの三角形を基に発表し合う場を設定する。 そして、見いだした作図法を基に、三角形や四角形の縮図や拡大図を作図する。 さらに、形が同じ関係にある図形の性質を活用し、測定ができるようにする。そのために、 まず、写真に直線や図形を描画しながら思考する場を設定する。そして、写真と実物の長さ から縮尺を求め、実測できないものの高さや長さを計算で求める。次に、結果をデジタル操 作シート上の写真を基に発表したり、形が同じ関係にある図形の性質を測定に活用するよさ を交流したりする場を設定する。 3 目標 ○日常生活の中で縮図や拡大図の関係を見いだし、実測できない部分の長さや高さを進んで 求めようとする。 【関心・意欲・態度】 ○形が同じ関係にある図形の性質を調べ、根拠を明らかにして説明することができる。 【数学的な考え方】 ○対応する辺の長さの比や角の大きさに着目しながら縮図や拡大図をかくことができる。 【技能】 ○形が同じ関係にある図形では、対応する辺の長さの比が一定で、角の大きさがすべて等し いということを理解することができる。【知識・理解】
4 単元指導計画(総時数9時間) 段 階 配時 学習活動・内容 ねらいと主な手立て つ か む 2 1 縮小、拡大の意味を探る。 ・ 形が同じで大きさが違うという意味の 思考 ・ 形を変えずに大きさを変える方法の交 流 ・ 縮小、拡大の意味の理解 2 形が同じ関係にある図形の性質を見い だす。(本時) ・ 合同な三角形の性質の確認 ・ 形が同じ関係にある図形の性質の追究 ・ 形が同じ関係にある図形の性質の理解 ○縮小、拡大の意味を見いだすことができ るようにデジタル操作シート上の三角形 を縦や横に伸び縮みさせながら思考する 場や、結果を交流する場を設定する。 ○形が同じ関係にある図形の性質を見いだ すことができるように、デジタル操作シ ート上の三角形を縮小、拡大、重ねるな ど操作をしながら思考する場や結果を交 流する場を設定する。 ○形が同じ関係にある図形の性質を理解す ることができるように縮図や拡大図の辺 の長さや角の大きさを調べて交流する。 さ ぐ る 4 3 方眼紙に三角形や四角形の縮図や拡大 図を作図する。 ・ 作図法の思考 ・ 作図法の交流 ・ 方眼の目の数を数えて作図 4 三角形の縮図や拡大図を作図する。 ・ 合同な三角形の作図法の確認 ・ 作図法の交流 ・ 三角形の縮図や拡大図の作図 5 四角形の縮図や拡大図を作図する。 ・ 作図法の交流 ・ 四角形の縮図や拡大図の作図 6 一つの点を中心とした三角形や四角形 の縮図や拡大図を作図する。 ・ 三角形の縮図や拡大図の作図法の交流、 作図 ・ 四角形の縮図や拡大図の作図法の交流、 作図 ○縮図や拡大図の作図法を見いだすことが できるように、デジタル操作シートを活 用した操作活動や交流活動を行う。 ○合同な三角形の作図法を活用して、縮図 や拡大図の作図をすることができるよう に、合同な三角形の作図法を確認する。 ○四角形の縮図や拡大図の作図法を見いだ すことができるように、デジタル操作 シートを活用した操作活動や交流活動を 行う。 ○一つの点を中心とした、図形の縮図や拡 大図をかくことができるように、二辺と その間の角を使った作図法を想起させる。 活 用 す る 3 7 地図を基に距離を測定する。 ・ 測定法の話し合い ・ 縮尺の意味の理解 ・ 測定結果と測定法の交流 ・ 身の回りから縮図や拡大図の関係にな っているものの探索 8 身の回りのものの高さや長さを測定す る。 ・ 測定法の交流 ・ 測定 ・ 測定法と測定結果の交流 ・ 形が同じ関係にある図形の性質を活用 するよさの交流 9 単元のまとめと振り返りをする。 ○地図上の直接測ることができない距離を 縮尺を活用して計算できるという見方を 見いだすことができるように、地図上と 実際の長さを比べる場を設定する。 ○写真を基にした高さの測定法を見いだす ために身の回りの写真を基に、縮図や拡 大図の関係になっているものを見つけ、 交流する場を設定する。 ○形が同じ関係にある図形の性質を活用し て測定ができるように、測定したいもの 写真に撮り、測定法を思考し、交流する 場を設定する。 ○形が同じ関係にある図形の性質を、測定 に活用できるよさを交流する場を設定す る。 ○本単元の学習を振り返り、確認のテスト を行う。
5 本時 2/9時 〇年 〇月〇日(〇) 第〇校時 於:〇〇 6 主眼 形が同じ関係にある図形の性質を理解できるようにする。 (つかむ段階) 7 準備 ○タブレットPC(教師用〇台、児童用〇台) ○電子黒板 〇ワークシート 8 本時の展開 学習活動・内容 指導上の留意点 1 本時のめあてを確認する。 (1)前時までの学習をふりかえる。 ・合同な三角形の性質を想起する。 ・縮小した図形と拡大した図形にはど のような関係があるのか考える。 (2)本時のめあてをつかむ。 2 形が同じ関係にある図形の性質を 追究する。 (1)解決の見通しをもつ。 (2)形が同じ関係にある図形の性質を見 付ける。 〇合同な三角形の性質を想起させるために掲示物 を提示する。 〇形が同じ関係にある図形の性質に目を向けるこ とができるように、2つの図形に何かきまりは ないか問いかける。 〇どのようにしたら見付けることができるのか、 見通しをもたせるために、合同な三角形の性質 を調べた学習を想起させる。 〇多様な操作活動ができるように、形が同じで大 きさが異なる三角形が印刷されたワークシート や三角形のカード、タブレットPCを配布する。 〇後で交流することができるように、気付いたき まりはワークシートに記録できるようにする。 段 階 導 入 展 開 形が同じ関係にある図形のきまりを見付けよう 紙のカードを重ねて辺の長さや 角の大きさを比べてみよう。 定規や分度器で辺の長さや角の 大きさを比べてみよう。 縮小、拡大させながら辺の長さや角 の大きさがどうかわるか見てみたい。 図形を重ねたり、敷き詰めたり、縮小、拡 大したりして、角の大きさや辺の長さを比 べ、同じ部分と違う部分を探す。 デジタル操作シートで思考する 図形カードで思考する 図形を重ねたり、角の大きさや辺の長 さを比べたりしながら、同じ部分と違 う部分を探す。 対応する辺の長さが等しい 対応する角の大きさが等しい 合同な三角形
○自分で見いだした性質を明確にしたり、友達 の見方を聞いて自分の見方に付加修正するた めに、ペアで交流する場を設定する。 ○形が同じ関係にある図形の性質を共有理解す るために、タブレットPC画面を電子黒板に提 示し、デジタル操作シートを使って説明した り、実物投影機を使って、図形カードやワー クシートで説明する場を設定する。 ○形が同じ関係にある図形の性質を確かめるた めに、縮図と拡大図の関係にある三角形の カードやワークシートの辺の長さの比や角の 大きさを比べる場を設定する。 ○形が同じ関係にある図形の性質への理解を深 めるために、辺の長さや角の大きさという言 葉を使って、形が同じであるかどうか説明す る場を設定する。 ○形が同じ関係にある図形の性質を正しく理解 するために、キーワードを使用してまとめる 場を設定する。 ○元の図形を拡大したものを「拡大図」、縮小 したものを「縮図」ということ教える。 学習活動・内容 指導上の留意点 段 階 展 開 ま と め 3 見いだした性質を交流する。 (1)ペアで交流する。 (2)全体で交流する。 4 見いだした性質を確かめる。 (1)形が同じで大きさの異なる三角形 のカードやワークシートの三角形 を重ねたり、辺の長さや角の大き さを調べる。 (2)確かめた結果を発表する。 5 学習のまとめをする。 (1)形が同じ関係にある図形の性質を 確認する。 (2)縮図、拡大図という用語を知る。 (3)練習問題を解き、形が同じ関係に ある図形の性質の理解を深める。 ・次時は見いだした性質を基に,縮 図や拡大図の作図法を考え、作図 していくことを知る。 どの辺の長さも1:2になっているよ。 対応している角の大きさはすべて 同じになっている。 底辺も高さも同じ比になっているね。 対応している辺の長さはどこも 1:2で同じ比になっている。 2つの三角形の角を重ねるとぴったり 重なったよ。 角の大きさは同じで、辺の長さが違う。 形が同じ関係にある図形は、対応する辺の長さの 比がすべて等しく、対応する角の大きさは等しい。