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アメリカの「外国腐敗行為防止法」の検証 : 一九八八年改正までの展開: 沖縄地域学リポジトリ

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改正までの展開

Author(s)

中原, 俊明

Citation

琉大法学 = RYUDAI LAW REVIEW(48): 293-326

Issue Date

1992-03-30

URL

http://hdl.handle.net/20.500.12001/10062

(2)

アメリカの「外国腐敗行為防止法」の検証(中原俊明) 293 『はじめに

米国では、一九七七年に外国腐敗行為防止法(吾の句・§圏○・H2耳勺日・鹿(臘諺許)、以下単にFCPAと略

称する)が制定された。もっと具体的にいえば、W・プロキシマイャー議員の提案した上院三○五号法案が議会

を通過し、同年一二月一九日にカーター大統領の署名によって法律となったのであった。その立法促進の直接的

契機となったのは、一九七○年代に露呈した米国企業による大規模な国内における違法政治献金、及び海外での

賄賂、政治献金、その他の不正支出問題であった。これらの腐敗的現象は、単に散発的な事例の偶然の集積では

なく、深く構造的なものに根ざすと認識されて、最終的に立法による防止策が講じられたのであった。米国の政

治的風土の持つひとつの良さは、この種の社会的害悪が顕在化したとき、国民の意思や素朴な正義感情が、議員 立法という仕組みを通じて、素早く制定法に結実しやすい点であろう。しかし、そのことは反面において、やや

もすると世論や選挙民を意識することに急で、法技術的な面で拙速さを残すというリスクに通じていることも否

定し難い。FCPAもそうであったかどうか(その種の批判が根強いことも確かである)はしばらく措くとして、 制定後十年以上も経過すれば、FCPAをめぐる環境にもさまざまな変化を生じ、見直しの機運が出てきたとし

アメリカの「外国腐敗行為防止法」の検証

’一九八八年改正までの展開I

中原俊明

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ても怪しむべきことではないのかもしれない。このような状況を反映して一九八八年には、実際に大規模な改正 も行われている。ただそれは、七○年代の大きな試練の後、清く正しく、そして孤高な道をあえて行くという立 法当初の姿勢からは後退という印象をぬぐえない。その背後では、せっかく襟を正そうとした米国企業の活動を 尻目に、いぜんとしてダーティーなフリーハンドを駆使して、利益追求をしてやまない他国企業のあり方が、米 国企窒お間に危機感を増大させ、規制緩和へ向け圧力をかけさせたという一面も見逃せない。

箪者は、かってFCPA制定前後の経緯について少しく調査をし報告をする機会があった胸、本稿は、同法が、

その後アメリカの企業の活動にいかなるインパクトを与え、いかなる問題提起で挑戦を受け、そしていかに改正 が加えられたか、等について、いわばフォローァップを試みるものである。 二、FCPA成立の背景とその内容 FCPAの成立と、その内容について、さきの拙稿にも書いたが、それとの重複を避けつつ、ここでは最小限 度必要なことを整理しておきたい。 いわゆるウオーターゲイト事二件を契機にSECの試みた調査で明かになったところによると、四○○社以上の

米“企業が、」砕外の政府関係者や政党へ支払った賄賂や政治献金の総額は、三億ドルとも四億ドルともいわれ麺・

その国内的、対外的な影響は予想以上に深刻なものがあった。例えば、ウイザスプー墓麩によれば、一一一つの局

面で重大な影響があったとする。即ち、第一に、政治外交的場面では、日本、イタリー、オランダ、中南米諸国 の政権を危機に瀕せしめたし、また、不正支出を受領した国々において、平素から米作蘂がその国の政治制度に 腐敗的な影響を与えているという急進派の主張を裏付ける結果となり、総体的に米国の威信の低下を招来し、第

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アメリカの「外国腐敗行為防止法」の検証(中原俊明) 295 抜本的対応として、 賄賂規制法である。 それは海外取引の安定性に影響を与え、また国内会社が海外取引で健全な競争の代わりにかかる行為をなすので 原理を本質的に破壊するものである。外国公務員への賄賂は、本来会社の取引猶得を有利にすべく行われている。 製品の販売は、その価格と品質、そしてサービスに基づいて行われることが基本である。企業賄賂は、この基本 行・住宅・都市問題委員会の表現を借りると、「企業賄賂は悪しきビジネスである。我が自由市場制度の下で、 したことを意味する、と指摘した。FCPAを制定したときの議会の認識も、これに近い。すなわち、上院の銀 由企業制の観念に違背し、市場秩序を危うくしており、品質と価格による公正な競争という原理が支配力を喪失 経営者の信望をも失墜させた。第三に、経済的視点からは、取引の維持、獲得のためになされた不正支出が、自 二に社会的な面では、道義にも反するこれら違法不正支出が、米企業全体の評判と、特に関係した会社のトップ (5) あれば、国内の競争風土にも影響をもたらす」と述べている。

海外における企業賄賂の歴史は、十七世紀にさかのぼるといわれている胸、それにも拘わらず、実はFCPA

以前には、海外賄賂を直接規制する法律は存在しなかったので、当初、議会もSECも既存の法制度(例えば、 証券諸法下のデイスクロージャー等)の枠組みの中で何らかの手がかりを求めて苦慮する羽目となった。結局、 抜本的対応として、新規立法に踏みきらざるをえなかったわけで、従ってFCPAはアメリカの歴史上初の海外 FCPAは、政府公務員に対し、その影響力をねらって金銭の支払いをなすことは普遍的に禁止されるべき悪 (の己)であるとする米国民が強く抱いている信条の表現であり、米企業が外国の公務員にかかる支払いをなす

のを禁ずることによって、その信条を「国際化」したも唾、と意味づけられた。

次にFCPAの内容を概観する。それは大きく一一つの部分から成り立っているが、第一は、会計処理条項

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(シ・8目冒、mの。戯・目)であり、第一一には賄賂禁止条項(し目‐国1ヶのqmのo武・口)である。

前者の会計処理条項は、FCPAの一○二鍵によって、’九三四年証券取引所法の一三条b項を改正したもの

で、おおよそ次のように規定する(筆者の仮訳、以下同様)。 「すべての証券発行者は、

㈲その発行者の財産の取引及び処分につき、合理的に詳細(ご『8m・ロ昌一のこの§])、正確、かつ公正に

これを反映する帳簿、記録、勘定を作成し保存するとともに、⑧次のことを合理的に保証(8口の。:この

“の②胃:8m)するのに十分な内部会計管理(「員の目巴少o8目昌moop庁同・一い)制度を創設し維持する。

⑪取引が経営者の一般的、または個別的な授権に従って行われたこと

⑪取引が、⑪一般に承認された会計原則もしくは他の適用さるべき基準に従って財務書類の作成を可能

とし、⑪財産に対する責任性(goo目←呂嘗ご)の維持に必要なものとして記録されていること

価財産へのアクセスが、経営者の一般的もしくは個別な授権に従ってのみ、許容されること

肋記録された財産に対する責任性(Po8目官冨】ご)が、合理的な間隔において現存する財産と比較さ

れ、いかなる齪鶴に関しても、適切なアクションがとられること

この厳格な会計処理条項は、国際的取引に従事しているか否かを問わず、証券取引所法一二条による登録会社と

一五条⑥項の要報告会社のすべてを適用対象としてお頤、会計管理制の確立によって、会社財産の使途に関し、

経営者の認識を正確に確保するとともに、その財産の処分を追跡できるようにする目的をも(乎

次に、後者の賄賂禁止条項は、FCPA一○一一一条で、公開会社を前提に、証券取引所法に、’一一○条Aを挿入す

るとともに、FCPA一○四条では証券取引所法の適用のない国内企業に同趣旨の規制を及ぼすものであるが、

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297 アメリカの「外国腐敗行為防止法」の検証(中原俊明) 三、会計条項の問題点 本条は、一見、不正支出の問題とは、無関係に思われるけれども、しかし、実は議会としては、不正支出の根

絶はこれによってはじめて達成できるとの認識であった。何となれば、不正支出の財源は、帳簿の粉飾で巧妙に

その両規定の内容はおおむね次のとおりである。 「すべての証券発行者(肘切巨の『)または国内企業(□◎日の②威・8百8目の)(およびそのために行筋一する{憧員、

取締役、従業員、代理人、株主を含加)は、取引の姉道凹、または維持につき発行者等を有莉だすべく、そ

の職権の行使に影響を与え、または影響力の行使を誘導する目的をもって、外国の公務員(閉・風圏 ・患。E)、外国の政党もしくはその串瞠貝、または政党の立候補者に対し、金銭の提供、支払、支払約束、 支払委任、または、有価物の提供、》贈与、贈与約束、贈与委任を行うために、郵便もしくは州際通商の手 段を不正(8『目已])に利用することを違法とする」「」佃人にたいしても、かかる金銭または有価物の 全部、もしくは一部が、一厚接または間接に、外国の公務員、政党、その役職者、もしくは政党の立堕腺補者

へ提供、》贈与またはその亜約束がなされることを認識(百.三目、)し、または認識すべき理由を有し(高く旨、

『の闇・口8斤ロ・ざ)つつ」、前記の行為を行うことをも禁止してい誕・

この条項に関し、議会としては、国内の郵便詐欺法の文言と結びつけることによって、国際取引にも、本法を 可及的広》煕田に適用することを意図した、つまり、既存の法でカバーできない新しい詐欺(ご§守口日)に柔軟

に対応できる性質を利用したわけであ麺・

次に、会計処理条項と、賄賂禁止条項に分けて、それぞれに提起された問題点を検討してみる。

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造成されたいわゆる裏金(の]巨呂冒且、)であり、その仕組みは会計専門家でさえ容易に発見できないことが少

なくなかったとい元。だから、この会計条項に対して、「公開会社の管理運営機構(m・ぐの『gp8)に新しい局

(焔) 面が開けた」とする積極的評価がなされたのも当然であった。

他方、指摘された問題点は、大きく三つに集約することができ麺・第一に法遵守に伴うコストの問題、第二に

FCPAの下での開示基準としての「重要性」(日日且P]ご)の問題、第一一一に刑事処罰の問題、である。 第一に、何ゆえに法遵守にコストがかかるか、また実際にかかったのか、についてみてみよう。FCPA以後、 多くの企業ではかなり厳しい内部管理制度を採用し、監査委員会の活性化も図られた。しかし、それは会計条項 の文言のあいまいさ(旨いご]:mgmの)とも深い関連を有していた。例えば、そこで要求される「合理的詳細」 「合理的な保証」といった表現については、具体的なガイドラインを欠き、おまけに明文上悪意(の鳥貝の『)の 要件も存在しないので、結局、生じうる民事刑事の厳しい制裁を回避するため、会社としては大事をとって、費 用をかけても完壁を期す努力をせざるをえない傾向になるという。これを裏づけるひとつの実証的なデータとし て、一九八一年に合衆国一般会計事務所(ご目詳の」の冒言の②○のロの日]シC8g←旨函○閾・の)が議会へ提出した調査 報告書(以下、GAO報告書という)があるが、それによると、アンケートに回答した会社の五六、四%が法遵 守の費用の方が受けた利益を上回ったとしており、また、回答した会社の七二%が、FCPAのゆえに会計や監 査関係費用が一割も増大した、と認めている。 第二の、FCPAの下で何が開示されるべきかの基準として、「重要性」については、会計条項に明記されて いないため、企業界や、法曹関係者の間にもその解釈について食い違いを生むことになった。例えば、全米法曹 協会(ABA)の会社及び会計法部会は、FCPAの立法事情からみて、当然「重要性基準」は存在すると主張

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アメリカの「外国腐敗行為防止法」の検証(中原俊明) 299 四、賄賂禁止条項の問題点 アメリカでは、国内における企業の政治献金も、公務員(己巨冒・・閾・旨])への賄賂も連邦の制定法上は、禁

止されてい璽・しかし海外での賄賂や政治献金に関しては、いわば法の空白状態になっていたわけで、本条によっ

第一一一の、刑事制裁の問題とは、前述の「悪意」(の臼の日の『)の要件の不明確さともあいまって、故意によらな い、軽微な、技{肺的な過ちに対しても、刑事罰が課される可能性があるという不合理が指摘されてきた。例えば、 うっかり帳簿に不実記載をしてしまったという場苔が考えられるが、SECは、この問題に関し、やや一貫性を 欠く対応がみられ、例えば、’九七九年一一月一五日の通牒一五、五七○号では、の日の目←の『の要件はFCPAと 両立せず、議会もかかる要件を意図しなかったし、不注意な過ちは「合理的詳細」基準でカバーされる、との見 解を出したが、八一年一月一一九日の別の通牒三四’’七’五○○号では、SECが訴追対象とするのは、「故意

に」会計条項その他証券諸法の規定に違反した者だけ、ともいっているからであ麺・会計条項違反の刑事罰は、

証券取引所法所定の一万ドルまたは五年以下の懲役とな麺。また、SECが刑事訴追を勧告するのは、よほどの

事例(岳の曰。⑨←②の回・色⑰P己の四の、]・口の8mの、)だとされてはいるものm、ことの性質上主観的な裁量の余地が

大きく、企業関係者の懸念を払拭しえてなかった。

であることを示し極。

ぎるとみて、法のねらいによりよく適合し、かつ文言上も根拠を持つのは、「合理性」(『8m・ロ:]①。①mの)基準ぎるとみて、法のね壱’ 性基準を否定した。SECは、内部管理制度の基準としての「重要性」は、文言も存在せず、また内容上も狭す したのに対し、GAOの報告書では、FCPAの目的が、投資家保謹でなく賄賂防止にあるという理由で、重要

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て初めてこれを「刑事犯罪化」した。 なお、本条の意味については、契約の獲得のための支払などに比べ、外交上の利益を損なった点で、政治献金 の方がはるかに重大な影響をもたらしたので、あくまで政治献金禁止の方に本来的なねらいがあるとみる立場も

あ蕊・規制の対象は、証券取引所法上の「発行者」それ以外の「国内企業」及びこれら代表者、代理人などであ

る。本条の違反が成立するための鑓逮妥件は、上記の者が、取引の獲得また勝維持をはかる目的で、外国の公務 員(命。『の】、ロ・愚:]い)や政党などに対し、不正に(8月巨已島)に、金銭その他の有価物を提供、贈与もしく はその約束をなすべく、外国または州際通商の手段を利用することであるが、それに加え、いずれ外国公務員や 政党などに渡ることを認議し(百.宕旨、)、もしくは認議すべくして(盲ぐ目、『のmmop8百.薯)第三者にこれ らを交付する場合も同様である。本条違反に対する罰則は、発行者、国内企業につき一○○万ドル以下の罰金、 これらの役員、代理人、》畦暴員などにつき、一万ドル以下の罰金または五年以下の懲役刑(もしくは両刑)が規

定されてい蕊・提起された問題点は多岐にわたる蝿、その根源を辿ると、概念規定の「不明確さ」に帰着するよ

うである。用語については、ある程度法自体で定義をしてあるが、それでもなお問題を残しており、先に引用し たGAO報告でも、賄賂禁止条項があいまいで、混乱の原因をなしていることを認めた回答が全体の七割を占め たという。そのいくつかの例を拾ってみていく。 第一に、賄賂の受領者として「外国公務員」があげられている。余り疑問の余地はなさそうであるが、しかし、 例えば、外国の国有企業の職員、あるいは公務員と民間企業の二つの地位を併有している者、がこれに該当する

のかどうか、必ずしも明らかでな踵。最も大きな問題は、但書から派生する。すなわち、但書では、その職務が

「本曹(的に補助的または事務的」(①の②の昌巴]]且己切言の同旨]・『。}の『】8])な場苔を除外して、そのような外国公務

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301 アメリカの「外国腐敗行為防止法」の検証(中原俊明) 員に対する、いわば、潤滑油的な支払金(駐s]】←鼻旨函◎円周8mのg]日呂寸、)の交付を許容していると理解さ れている(ただし、米国内ではこれも違法である)。その典型的な例として、積み荷のバナナが腐敗する前に、 必専曇蘋の迅速な処理を促すために税官吏へ二○ドルの支払いをする祖五口があげられるが、実際には、補助的ま たは事務的という基準だけでは、明快に答えのでないケースも多々予想される。こうしたあいまいさは、結局会 社を自己規制させ、議会が本来禁ずることを全く意図しなかった行為までも広く抑制することを指摘した上で、

問題の根源は、支払の受領者を基準とした点にあり、むしろ目的を基準とすべきことを示唆する灘がある。

さらに、第二の例は「不正に」(8月巨耳]])という概念である。立法府の示した解釈によると、その支払は受 領者をして、支払者に取引を不当に(胃目、目]])差し向けしめるよう誘導すべく意図されたものでなくては ならない、つまり、受領者に不当に影響を与えようという悪しき動機(:]日。ごくの)の存在を前提としている

という。こうして、一見明らかな説明にもかかわらず、実務上では連邦の役人が通常の社交的な贈答や、営業上

の支出までこの法規を適用した例があることからもわかるように、所詮解釈の相違は不可避、と批繩ざれている。

第一一一に、第一一一者を介した不正支出の侭笈ロ、支払者揃》の責任要件のひとつとしての「認識可能性」(官ご】pmH8m・ロ

8百・薯)の問題があるが、おそらく最も議論の多い点だと思われる。この一室視は、他の国内法に一一九箇所存在

するが、国内の賄賂禁止法にはない、といわれ蘂2碑外での賄賂や政治献金が、代理人、二人岑社、コンサルタン

ト、など第一一一者の介在によって行われたという多くの事実にかんがみ、支払企業、及びそP世員らの責任強化を 目的とした規定である。その第三者を通じて、本来のターゲットたる人物や団体の手に渡ることを「認識」

(百・三旨、)しつつ、支払った場苔の責任については、余り問題とされないが、そうではなく「認識すべくして」

(認識せず)不正支出がなされたという』場合については、議論の余地を残している。さまざまの不満や批判があ

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る蝿、その内容は、例えば、なぜ国内での賄賂禁止法にもないような厳格な基準に服さねばならないのか、先例

やガイドラインもなく内容の不明確なまま責任を問うのは不合理である、それは本来の「認識」をどの程度下回 ればよいものか、いかなる証拠で、誰が、これを立証するのか、仮に訴追された側にその不存在を立証させると いうのであれば、不合理である、海外の代理人などは通常独立して活動しており、米国企業のコントロールが及 んでないことも少なくないのに、それでも知っておるべきだったというのは酷である、等々。そして、ハイピー 論文に至っては、「要するに、この基準は、所詮基準ではない。だから、FCPAの園8m・自佇◎百・三という要

素を改正すべきだという点でほとんど異論がないのも別に驚くに当たらな蝿」と手厳しい・

思うに、この概念自体は証券晒困聯法(例えば一九一一一四年法ルール一四e----③)はもとより、ほかの法一関域で もひろく認められ、例えば、契約法、代理法、不法行為法などのりステートメントにも登場しているといわれる ので、必ずしも、著しく唐突で不当というわけではない、ともいえる。また、FCPA制定当初の意図や社会的 背景からも、米国の会社がこの第三者を介した不正支払をなしていながら、問題にされた時点で、「麺襲樫がなかっ たという口実で、責任回避できる道をふさぐ必要性に、さほど異論があったとも思えない。ちなみに、FCPA 自体は、議会の両党議員の間に、「まれなるコンセンサス」と「珍しく少ない議至唖の中で、成立した法律であっ た。しかし、その後に批判的な空気が、急速に酸成されたきたのは、海外取引に従事する企業にとって、手足を しばられたような実感となっていたFCPAに対する反感あるいは輸出障害論(の弓・『匡呂旨→・円)と深くかか わっており、その中でも「認議すべくして」という条項のもつあいまいさは、際立って批判の標的とされてきた。 後述するいくつかの改正案や、八八年改正でも、この点が常に重要な論点をなしたのもそれなりの理由があった。 第四に、法の執行態勢に関わる問題も指摘されてきた。ここでは、会計規定も含めて、FCPAの執行(のロ-

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アメリカの「外国腐敗行為防止法」の検証(中原俊明) 303 由。『8日の己)・規制ないし監督(8函巨]目・ロ)の法的メカニズムとその実態に関し、提起された問題を整理する。 まず、公開会社を前提とする会計処理条項に関しては、SECが専属的な法執行責任を有する。他方、賄賂禁 止条項のうち、一○三条(証券取引所法上の発行者が対象)に関しては、SECが民事の執行及び監督責任を持 ち、司法省が刑事の執行責任機関となっている。そして、一○四条二○三条非適用の国内企業が対象)では、 司法省に民・刑事の執行責任を付与している。こうして二つの連邦の機関が関与することで、構造を複雑にし、

実際にもFCPAの条文の解釈で対立を生じたり、並行調査(ロロ『口]]の]旨く田高且。p)や一一重執行(目色]

呂命・目の日の具)という手続的な問題をも派生させ麺・

それは、例えばこんな形で現れる。カーター大統領の設置したタスクフォースからの勧告もあって、司法省か ら法のあいまいさを補完するため何らかのガイドラインを出すべし、との空気が強まったとき、司法省自体は、 消極的であった。その代わり、’九八○年三月に同省では賄賂禁止条項に限ってのFCPA審査手続(罰:の二 勺8.a員の)を制定した。これによると、企業がこれから予定している取引に関し、法抵触の有無について不安 があれば、事前に司法省の意見を求めることができる。しかし、折角の制度も法の不明確性を補完する上で有効 に機能しているという評価は受けてなく、また予期に反してさほど活用もされていないようである。その背後に は種々の陸路が指摘されており、例えば、審査申立手続の煩頃、司法省のもつ審査拒否の裁量権、のほかに審査 結果通知(・ロ目・ロ]の耳閂)が他の機関に対しなんら拘束力を有しないといった問題がある。つまり、仮に申立 当事者にとって有利な結果(つまり、司法省としてなんらアクションをとらないという内容)の通知を受けても、 それはあくまでも司法省との関係に止まり、他の機関、例えばSECなどに対しては拘束力を持たないことにな

る。FCPAの下での二重の法執行制度は、企業の側からみると、司法省の通知だけではまだ安心できず、別に

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五、FCPAによる訴追事例 次にSECと司法省の両輕螺闘がFCPAによって“付与された執行責任を遂行すべく、白撞仔的にどんな事例につ いて民事、刑事の提訴をしたのか、それに対し裁判所がどう反応したのかについて、クロノロジカルに萱十のケー スを拾い上げて簡単に見ておく。

まず、第一に一九七八年の、「SEC対アミネックス資源会社事蝿」で、これはFCPAのもとで始めてSEC

が提訴したケースといわれる。同社は、ニュー・ヨークのマジソン街に蛍藁の本拠を置くデラウェア州の会社で、 その普通株式はSECに登録され、店頭売買されていた。営業活動としては、石炭の採掘をしたり、その権莉を 賃貸したりいていたが、社長、副社長、関連エム壽社なども巻き込んで、少なくとも一二四万ドルにのぼる不正支 出(ただし二碑外不正支出ではない)をなし、帳簿や記録上もこれを隠蔽する記入をなしたばかりでなく、SE Cへ提出すべき報告書類(フォーム一○Kその他)にも本質的に虚偽あるいは誤導的な記載をしたとして、FC PAの会》訂処理条項や証券取引所法の詐欺禁止、鈎笙ロ条項等の違反により、提訴されたものである。輪筈が同意 したので、藝瀦到所は、SECの主張を全面的に認めて、違法行為に対する暫定的な停止命令を出したほか、(璽乎

報は、原則として「情報の自由に関する法律」の適用をうけ、公開されることにな蕊・

なものが含まれていたことが、後日判頭『すれば、訴追されるというリスクがあるほか、そのように開示された情 点ですべて関連のある重要な情報を開示するという義務づけがあることである。もし、その開示に虚偽や不正確

たケースもあ蕊・さらにつけ加えるならば、制度運用上のもうひとつの難点として、審査申立人には、申立の時

SECのチェックをもクリアせねばならないことを意味する。なお、この制度の有効性に対して裁判所が承認し

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アメリカの「外国腐敗行為防止法」の検胚(中原俊明) 305 法上の救済措置として、会社財産に対する信託の設定、暫定的な財産管理人の任命などを行っている。

第二に、一九七八年の「SEC対ケイテイー会社鬮蝿」では、被告ケイテイー社及びその役員らが、インドネ

シアの国有の石油・ガス会社「パータミァ」との間で、一一一十年間にわたる契約を鍵得するために第三者(代理人

およびコンサルタント)を通じて賄賂を交付(約束)し、かつそれが帳簿、諸報告書にも正確、公正に記入され

ていなかったとして、SECがFCPA一○二条(会計処理条項)、及び一○三条(賄賂禁止条項)、証券取引所

法の詐欺禁止、委任状勧誘条項等の違反で訴追したケースである。事件は同意判決で終結したが、イリノイ州の

連邦地裁は、FCPA違反行為に対し永久的差止命令を出すとともに、事実を調査して勧告を出すために、同会

社内に特別委員会の設置をも命じた。本件には、いくつかの興味深い論点が含まれていた。例えば、いわゆる第

三者賄賂なので、被上因齊社側にその第三者を経由して、早晩インドネシア政府の役人の手に渡るという認識ある

いは認識可能性(8口の。□一・百・二)が存在していたか、その行為自体はFCPA制定前であり、同法施行後現

実に賄賂交付はなかったとされるが、それでもFCPAの適用があるのか、等々の問題、である。残念ながら、 裁判所による意見表明の機会は失われた。

第三に、「SEC対インターナシ富ナル・システム・エンド・コントロール社事蝿」がある・SECの訴状

によると、同社及びその子会社が、契約確保を目的として、諸外国における要人に対し、約一一一一一○万ドルにのぼ

る不正支出を行ったのを始め、取締役が夏期滞在用に利用する目的でアイルランドでなした不動産購入とその維

持のための一○○万ドル余の支出、それらの帳簿、財務諸表への粉飾記入、SECへ提出すべき書類(八K、年

次報告書、等)への不開示、十年間にわたる財産の過大評価、未実現利益の計上、その他の行為により、証券取

引所法一条⑪項、一三条③項、同⑪項②号、等に違反し、FCPAの要求する内部会計管理制度の設定・維持を

(15)

怠った、として訴追されている。 裁判所は、同意判決により、違反行為を禁止する命令を発するとともに、会社に改めて海外不正支出の正確な 開示を行わせるため、新たに監査委員会の設置を命じた。

第四に、「SEC対ぺイジ航空会社事蝿」がある。一回社は、グラマン社製造の重役専用ジェット機の販売会社

であるが、FCPA制定の前後にかけて、主として第一一一冊更勾(例えば、ガボン共和国、マレーシア、モロッコ、 ウガンダ、等)への航空総莞り込みを成功させるため、政府高官をターゲットにして不正支出を行ったり、ある 政府(ウガンダ)の首長へキャデラックを贈与したり、逆に外国政府から二人呑社が現金を受領したり、していな がらその事実につきぺイジ社の帳簿上では粉飾処理がなされていたとして、SECによってFCPAの会計処理 条項(一○二条)違反として提訴された。結果は、同意判決によって、違法一画為の永久的禁止と、{回社の年次報 告の修正と、特別ね賞が任命されて会計帳簿の再検査のうえ〈裁判所とSECに対する正確な鞠筈が命ぜられた。

第五に、「SEC対クラーク石油精製〈霊垈學蝿」がある。本件では、会社が中近東からの原油購入に当たり、

その価額の割引を得るため、子会社を経由してアブダビ国の首長と政府高官に約一一一百万ドルの不正支出をなし、 帳簿の粉飾処理も行ったというケースである。これも同寿偶刊沃だったので、第三者賄賂に一睾求される鋪生息側の主 観的要件(認識、または認識可能性の有無)につき裁判所の判蒔疋接する機会は、先送りとなった。

第六に、「合衆国対ケニー・インターナショナル会社事蝿」がある。クック諸島の政府との間に、切手の独占

的販売契約を交わしていたケニー社では、社長であるF・B・ケニーが中心となり、その契約の更新をねらって、 同諸島の首相で与各へ党首のヘンリー卿を通じ、その政府の決定に対し同覚及び自凹此の影響力行使を誘導すべく、 六機の民間航空機をチャーターして、投票する支持者の輸送をなし、三一一一万七千ドルの運賃を同社が支出する合

(16)

アメリカの「外国腐敗行為防止法」の検証(中原俊明) 307 意を交わした、というものである。本件では、SECではなく司法省がFCPAの賄賂禁止条項二○四条)違 反を理由として、刑事、民事両方の訴追をしたが、民事事件はここでも同意判決で違反行為の永久的禁止と、前 記金額の同諸島の政府への支払いを命ぜられて決着がつき、刑事事件の方は、五万ドルの罰金刑が言い渡された。 以上は、いずれも七○年代のケースであったが、大まかな特徴としては、SECによる執行権限の発動が比較 的活発であること、訴追内容を肯定も否定もせず、ただ請求された措置について同意するいわゆる「同意判決」 (8口、の目:。円のの)で終結した事例がほとんどであること、等が指摘できよう。おそらく、SECにとって執行 責任は果たしたことになろうし、訴追された企業にとっても、争えば長引く訴訟手続と正規の判決を敬遠して、 迅速な解決という道を意識的に選択したのではないかと思われる。 つぎに八○年代のケースをみておく。

第七に、「SEC対サム・ウオーレス会社事楠」をとりあげる。同社は、国内外で機械工業関係の取引を手広

く営む△豆性であるが、一九八○年にその子会社の社長を介してトリーーダド・トパゴのレーシング団体の議長であ るハローラン氏にたいし、レーシング施設の建設契約を穫得できるようその影響力の行使をねらって、約一四○ 万ドルの不正支出をなし、しかも会社の帳簿上ではこれを記入してなかった。そこで、SECはその支払が郵便 という手段で行われた点も考慮に入れ、FCPA一○三条③項1及び3号違反として提訴したものである。本件 も同意判決により、違法行為の禁止命令が発せられた。

第八に、「合衆国対C・E・ミラー社事椀」がある・同社はタービン圧縮装置の製造業を営むカリフォニャ州

の会社であるが、もうひとつのテキサス州の会社青櫨械の販売、リース業を営むクロフォード社が、そのヱム呑社 を経由してメキシコの国営の石油会社(勺のす。]の臣日冨の己8p.m.・『勺の日の〆)に対するタービン圧縮装置の売り

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込みに関連して、不正支出をなした際、これを教唆・輔助(巴&己囚ゅ己各の尊冒函)する立場で関わり、かつそ の見返りにミラー社自身も八千万ドル近い製造工程の契約の受注に成功したとされて、FCPAの賄賂禁止条項 違反として、同社及び社長が司法省によって起訴された(むろんクロフォード社も別途起訴された)。被告人は 有罪を認め、罰金刑を言い渡された。

第九に、「合衆国対マクリーン事蝿」がある。第八のケースと関係するが、これはFCPAのエッカート修正

条項(雪の鷺(。}(②})が争点になったものである。勺の日の澆へのタービン圧縮装置の売り込みに関連して、メキシ コの公務員への贈賄工作をなしたハーベスター社と一緒に起訴された副社長のマクリーンにつき、ハーペスター 社が有罪判決を受けていないのに、教唆・輔助犯として責任を問えるかという点が問題となった。エッカート修 正条項では、発行者(または国内企業)が、賄賂禁止条項を侵したと認定されたとき(開◎目:。高く①乱。]胃の□)、 その従業員、代理人も刑罰に服する旨の規定がある。本件では、会社が訴答の合意(□]のロ潟同の①日の昇)で訴追 できなくなった以上、マクリーンの訴追も不可能、と判断された。

第一○に、一九八三年の「SEC対ワールドワイド・コイン・インベストメント事蝿」がある・本件は、海外

賄賂という要素を含んではいないが、FCPAの会計処理条項違反事件としては、おそらく初めて裁判所が本格 的に取り組み、そしていくつかの重要な論点に関して判断を示した事例として、筆者の知るかぎり最も注目に値

するものである。事実関係も問題点も、複雑多岐にわたるが、FCPAに関する部分に焦点を当てながら紹介す

ると、ワールドワィド社(ハンプリック社長)は、デラウェア州で設立された会社で、普通株式はSECに登録

され、八一年まではボストンの証券取引所に上場されていた。その営業活動はアトランタを中心として、貴金属

金貨銀貨、希少貨幣、ある時期まではカメラの部分なども含め、卸、小売りを行っていたところ、一九七九年夏

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309 アメリカの「外国腐敗行為防止法」の検証(中原俊明)

に元連邦の銀行検査官やGMの監査人、ニューヨーク証券取引所のブローカー・ディーラー等の経歴をもつへイ

ルらのティクオーバーにあって支配権が移った。ところがテイクオーバー以前には適正な処理がなされていたが、

それ以後、商品の管理も帳簿処理も甚だ杜撰となった。例えば、新たに雇い入れられた経理責任者は、高校も出

てなく、そのポストへの適格を裏づける唯一の経験といえば、五カ月の職業訓練学校での教育と、七年間の木材

会社での経理事務経験だけであった。彼女はこうしてワールドワイド社の経理を任され、SECへ提出する一○

K、一○Qなどの報告書の作成の責任さえも負わされた。また、セールス担当者は、上司、あるいは他の従業員

の監督を一切受けることなく、自分だけの判断で、コインなどの商品の売買、小切手の振出しをなし、帳簿上の

財産評価も悪意的になされていた。商品である金銀のコイン等の保管状態も袋づめにして、監視人のいない状態

で廊下や施錠のない部屋に放置されたままであったし、取引の証拠書類もほとんど作成されず、従業員による商

品の不当処分があっても発見できない状態であった。たまりかねた外部監査役が、警告書を提出するがこれも無

視された。SECは、同社に内部会計管理体制が欠如しているとの認識のもとに、会社とともに、ヘイルら関係

者個人をも相手取って、FCPA及び証券取引所法違反で訴追に踏みきった。これに対し、被告側も正面から争っ

たが、その主張は、大きく二つの点に分けられる。第一に、SECは「悪意」(、日の日の円)を立証する賀任があ

り、第二に、コスト・ベネフットの考慮を無視した内部会計制の要求は、結局会社を破壊する、とした。

判決は、第一点につき、FCPAの会計条項が悪意の要件を含んでいると理解することは、証券取引所法一一一一

条⑪②伽の規定(ここでは文言上議会がかかる要件を課すことを意図した形跡がない)と両立しない。のみなら

ず、不注意であれ、意図的であれ、過ちは会社財産の不当支出を生ずるわけで、議会はこれを防止しようとした・

意図の立証の困難さが法執行を著しく困難にするので、悪意の要件は不適当である、と述べた。

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第二点に関しては、内部会計管理制度は、普通の会社にみられる会計システムとは区別されるもので、その存

否の決め手は組織的構造(・品目鬮豆・ロP]の一日・冨同の)である、それは、職員の資質、権限や責任委譲の程度、

態様、内部の予算、財務範選口書の内容、両立不能な清騒一を分けるチェック。アンド・バランス制、などを含む。

そして、FCPAの内部管理条項が命じていると推測されうる事項として、次の六項目をあげる。①すべての会

社が、信頼できる職員を有し、そのうちある者は保証契約がなされ、全員が監督に服しておるべきこと、②〉会計

機能は分離され、諸手続はエラーと異常の防止のために策個足され、両立しえない機一能の乱用という誘惑を回避す るため、帳簿作成、商ロ聖自理、権限授与、営業など主要な》椴能を別々の人が担当するようにすること、③取引が 授権されたとおりに実行されていることにつき、合理的な保証が維持されるべきこと、④瞥]理を容易にするため、 取引は会社の会計帳簿に正確に記載されるべきこと、その際、帳簿記入のための標準化された手続を要すること、 また、例外的な記入事項は、定期的に調査されるべきこと、(u篝社財産へのアクセスは、許可された職員のみに 限られること、⑥苔理的な西回隔で、資産の現実の在庫と会計帳簿との比較照合がなされるべきこと、その頻度は、

要するコストと、関係する財産の重要度で決ま麺・更に、抄筈のコスト・ベネフット論の抗弁に対しては、それ

を重要としつつも、ワールドワイド社の没落をもたらしたのが、商品に対する管理の欠如と不適切な会計処理で あったことは争いの余地がなく、いかに小さい組織であれ、FCPAの条項を無視してはならないのであり、コ インやメダルや地金といった流動的な商品を扱う商売にとってかかる内部管理の必要性は、常識の命ずるところ 本件では、積極的な帳簿粉飾なり、会社財産の悪用といった事、実はなかったとはいえ、経営内容が余りにもず さんに過ぎ、裁判所としても、「悪意」の立証塗睾求して責任なしという結論に至る事態を何としても避ける、 でもある、と述べた。

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311 アメリカの「外国腐敗行為防止法」の検証(中原俊明) という配慮をしたとも思われるが、この判砺『は、へ蓬〈や関係者にどんなインパクトを及ぼしたのであろうか。こ れ程までに極端な事例で初めてSECはアクションを起こすことを知って安心したのであろうか、あるいはまた、 FCPAの会計処理条項に基づく責任が、悪意を要せず認められるという部分によって不安が増幅されたのであ ろうか。多分後者ではないかと推測する。何となれば、その後も「悪意」の襄件を追加すべしという議論はます ます強まっていったからである。 以上、取り上げたケースは、必ずしも網羅的でもなければ、アップツーデイトな追跡を行ったものでもなく、 はなはだ不完全たるを免れないけれども、これらの動向(の員on8日のヨロo陣・ロ)の中から、SECや司法省の 法執行努力の状況をある程度読み取ることができるように思われる。 の昌・旬8日の昌口◎鹿◎口について、事件の数を念頭におきつつ、一方では、活発とみる立場もあるし、逆に低調

ととらえる人もあ麺が、後者では、その一豊凶を法自体のもつ弱点、すなわち、文言の「あいまいさ」に求めるよ

うである。内容的にみると、FCPAの強硬な執行というよりも、むしろソフトな定着を意図しているように考 えられる。同法の定める罰則は、前述のとおり、証券発行者や国内企業にたいし、’○○万ドルの飼金、その役 員、取締役などの但笈ロに一万ドルの罰金、または五年以下の懲役(もしくはその両刑)となっており、比較的厳 しいという印象を与える(⑫忌邑画くワ}{】)乏亘》(函)莇畠虜(。}{ご‐(函〉)。しかし、ある論者が指摘したとおり、

「どの事件でも罰金を命ぜられたり、刑務所へ送られたりという制裁を課された例はなかつ極」らしい。すなわ

ち、実際に提訴された事件の多くは、有罪の訴答(函巳]ご已一のP)、ないし同意判決(8口、の員旦の。『の①)で違法行 為の永久的(または暫定的)差止命令、監査季昌委の設置と正確な釦望曇提出の義務づけ、など極めて常識的か つ穏便な解決が図られている。この傾向は、FCPA制定当初からのSEC関係者の発言にあらわれた意図には

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あったとされ麺。

六、FcPAへの評価と改正の動き FCPAに対する評価は、おおむね、プラス面では、作窒〈賄賂という不正の抑制に有効に機能したとされた反 面で、マイナス面では、そのあいまいな文言と厳しい制裁が相まって、米国企業の海外での取引活動を萎縮させ、 結果的に海郡型旧場を狭めた、とされている点で、さほど異論はなさそうである。いわば、FCPAが両刃の剣の 働きをした、ということであろう。そして後半のマイナス面の是正を求める声が法改正の必要を説き、その具体 的な動きへと直結していく。先に引用した一九八一年のGAO郵筈書は、FCPAの米企業への影響調査を主た る目的としたものだが、そこで回答した企業によって強く指摘された「不明確性」曾界坪的な内容は次の五点で

符苔しているように思われ麺。

しかしもう一方で、これではの昌◎副8日の員の実効性に疑問があるという批判もあったし、何よりも、FCPA のもつ解釈上の問題点が、法廷で顕在化する機会を得ないまま(もっとも、例外的に、前述のワールド・ワイド 事件では、悪意の要件、内部会計管理の要件をめぐってそれなりに有益な司法判断を引き出すことになったが) 推移したという一面も否めない。不十分なリサーチで、断定的に言うことはむろんできないが、これまでみた限 りで、FCPAに関する判例は、質量ともに、確かな流れとして定着したという状況には遠く、まだ流動的、あ るいは生成中という印象が強い。 ①海外の代理人の行動に対して、会社が負うべき責任の程度 ②「外国公務員」の定義

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313 アメリカの「外国腐敗行為防止法」の検証(中原俊明) ⑤「認識可能性」(『・田・口8百・三)条項の文言 実はこれらの問題点がその後に現れるいくつかのFCPA改正試案、法案の主要な柱をなすのである。 その改正の動向の主なものを簡箪に取り上げてみる。

FCPA施行の一年後あたりからこ砕外取引の落ち込みが深刻となり、それが作蓬〈界にFCPA改正の圭公口唱

を巻き起こすことになる。これに後押しされて、初めての改正案(上院ニセハ三号議案)がシャフィー議員によっ

て出されたのが、一九八○年であった。しかしその際は時機を失し、翌年に再度ほぼ同じ内容で提案されたのが

上院七○八号議案であった。それは、「腐敗行為」などというマイナス・イメージの表現を去って、FCPAの

表題自体も「作蓬〈活動記録法」(団巨②旨のの“勺『P・丘・の⑩P且”の・・aシ◎庁)に一鑿里するというものだった。シャフイー

議員はこういい切った。「もし我々が米国企業堰砕外で糟極果敢、競争的であってほしいというのであれば、不

必要な障害や制約で妨害してはならな蝿」と。その主な改正点は、会計処理条一狽中では、「合理性基準」につき、

コスト・ベネフット分析の配慮を加味しつつ、明確化し、発行者の責任の前提として「悪意」(、。§§)の要

件を明定し、同時に誠実な努力(、。。」由巴竪の鴎・鳥)の抗弁が立証できれば、違反がなかったものとして扱わ

れることとした。賄賂禁止条項では、FCPAに関するSECの塾灯権限を廃止し、刑事民事の執行責任を司法

省に一元化するとともに、「外国公務菖巳など用語の定義を手直しし、また「認識可能性」基準を撤廃し、適用

除外となるべき支払を五つの場各に拡大して明記した。そして、国際取引の行動基準の国際的取極めにむけて、

大統領に交洗開始と、その経過釦些口書の提出を義務づけることも忘れなかった。この議案は、一九八一年十一月

④SECと司法省の競合管轄 ③ある支払が違法な賄賂か、合法的な潤滑油的支出か

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七、’九八八生改正の経過 単独でFCPAそのものを改正するという試みは、結局成功しなかった。その原因は、種々あるようであるが、

ひとつには議会内、特に下院に改正反対の人々がいたことと、取り扱う丞首量三特に下院のエネルギー及び通商

委員会と外交委員会間)の管轄をめぐる対立などがあげられる。そこで改正推進派は、新たな方策を考え出した

わけであるが、それは世論受けのする大型法案とドッキングするという方法であった。ある時期には、一九八五

年の輸出管理法案(回〆已・同一苣日目の甘昌・ロシ・←シ日の且日の昇。、辱畠、)に含められたり、ある場合には、一

九八六年の民主的指導協議総合貿易法案(□§。。『目○房目胃の三CO・目・】]○日ロ旨、弓『且の囚]])の一部に

加えられたりもした。しかし、決定的なチャンスは、一九八八年の総合貿易法案(○日己巨⑩早目の⑪目○・ヨー

ロの昌弓のロの、、シ3.筥温、)によってもたらされた。米国経済に深刻な影響を与えている貿易赤字問題を背景に、

輸出実績の回復という至上命令が追い風となっている中で、貿易法という大型法案に便乗する形でFCPA改正

も意外にすんなりと運んだ。改正推進派のリーダーであるJ・ハインッ議員は、いみじくもいった、「我々は、

輸出実績の向上の障害物を除去するためにもっとしっかり取り組まねばならない、その中には輸出業者に不利益

か不幸か、この一連の改正の試みは、その時点では、ついに結実するに至らなかったのである。

抜き(函貝冒、)にするということが言い過ぎであれば、深刻に弱体化するも函」と評される内容であった。幸

号(ミヵ法案)、第二七五四号(ウオース法案)なども出されたが、いずれにも共通するのは、「FCPAを、骨

た。そして、次の会期の冒頭に、七○八号は上院四一四号議案に衣替えして再提出されたほか、下院では第一一一五七

に上院を通過し、下院に送付されたが、そこでは同内容の下院第二五三○議案が成立せ彌、結局日の目を見なかっ

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315 アメリカの「外国腐敗行為防止法」の検証(中原俊明) 八、改正法の主要な内容

本改正法は、「総合貿易・競争法」のタイトル噸として成立したが、従前のFCPAと比較して、重要な変

更を生じた部分をピックアップしながら、紹介する。 まず、会計処理条項に関しては、三点が重要であろう。 第一点は、従来からあいまいと指摘されてきた「合理的」という基準を明確化したことである。つまり、FC

PA一○二条中にある「合理的に詳細に」とか「合理的に保証する」という文言を指す。改正法の五○○二条佃

廊で「自らの事項の処理において思慮ある職員(己『且の日・崖・区、)を満足させる詳細さとその程度の保証を意

味する」と規定する。上院の原案には、コスト・ベネフィット論も加味していたが、これは最終的に削られ、

已目:日日目基準で一本化されたようである。こうして重要性基準の有無についての争いも、事実上SEC

として、FCPAの制定後初の改正が実現したのである。次にその内容をみていこう。

再び恥辱を受けることになる苑」。こうして、かなり政治的な背景も作用しながら一見、無関係な貿易法の一環

そのFCPAを骨抜きにするものだ。その意味するところは、将来、広範囲の賄賂によって我が国の外交政策が

難しいのではないか」「FCPAは、過去十一年間米国企業による海外での賄賂を抑制してきたが、この改正は

た委員会によって推進されているが、それがFCPAの死であることに気づくのは、マスコミにも一般国民にも

のように述べた。「:激しい議論の的になったこの大型貿易法案(匡品骨の←『且の豆]])の詳細を検討してき

他方、FCPAの生みの親ともいうべきプロキシマイャー上院議員は、むろん、改正に反対の立場をとり、次

を与えているFCPAの不明確性も含まれ蕊」と・

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の主張に沿って決着したとみられる。

第二点は、証券発行者が少数株主である場合の子会社の経理の関する責任の明確化であ蕊・規定を要約的に紹

介すると、子会社の議決権株の五○%以下を有する発行者は、子会社の内部会社管理制について、発行者のおか れた状況下で合理的な限度で、善意でその影響力を行使しておれば、免賀される、というものである。少数株主 の影響力に過大な期待をすべきでないとの配慮による。これにより、海外二人室社への会計条項の適用の有無につ いての疑問も、解消したこととなる。

第三点は、刑事責任の前提として、「悪意」の要件を明通したことである。

つまり内部会計管理制度の維持、帳簿の作成、等の僻怠や粉飾行為が「悪意で」(百・昌口、]弩)なされたとき

にのみ、刑事責任を課すとなっている。これは、先にふれたワールドワイド社事件の判決で、「悪意」の要件が

否定されたことと無関係ではないであろうし、後述の賄賂禁止条項中の「認識可能性基準」の削除とも軌を一に

する。実際には、これが規制の緩和という効果を持つことは、否定することができない。 次に、賄賂禁止条項に関しての改正は、やはり多岐にわたるが、大きく六つの点が言及に値しよう。

第一に、許容される支出類型の拡大化と明確化である。例えば、従来外国公務員や政党関係者などへの支払に

つき、その受領者の職務が「本質的に補助的または事務的」であれば、潤滑油的な支出として許されることが、

立法事情と解釈により肯定されていたが、この点に関し、憂響巾的な職務熱口口局(局・旨どの函・くの日日・口目]口目・口)

を容易にし、確保するため」ならば、適用されないことが明文化され煙・その他、米国内法上禁止されていても、

受領者の属する国の「成文法規上合法」であるときや、商品の展示、販売促進に関連した旅費、宿泊費の支給な

ども「合理的、かつ善意の支出」であれば、有効な抗弁事由として承認された。また構成要件の一つである「取

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アメリカの「外国腐敗行為防止法」の検証(中原俊明) 317 引の穫得または維持のため」(いわゆる目の日用mご色『ご◎の①一用←)については、法の文言はそのままであるが、 議会の解釈として、課税優遇措置を求めるような場合を含むこと、逆にロビー活動等正当な行為にはおよばず、

したがって許容されることが確認され燭ので、、今後、立法事情として解釈の指針となろう。この部分も明確に

はなったが、規制の弛緩という効果を生むことは明らかである。 第二に、第三者賄賂の場合の主観的責任要件の修正がある。すなわち、「認識可能性」(8陽・ロ庁・百・乏)に 基づく責任であるが、これは前述のとおり、元来、第三者(代理商など)に支払をなし、それがいずれ外国公務 員等へ渡るという認識を意図的に回避して責任を免れようとするのを防止するねらいがあったし、また文言のあ いまいさはむしろ賄賂や疑わしい支出の抑制に有効だとする考えにも支えられていた。しかし、改正推進派は、 それが会社や取締役などに不当に過大な責任を負わしめ、海外での企業活動全体を停滞させると批判してきた。 これは、削除すべしという議論や、存置するにせよ修正すべしという議論があった。後者では、例えば、同8m。ご

←◎百.二に代えて、「無謀な無視」(『の鳥]冊の]]&閏の恩&)とか、「適切な注意(旨の」罵函のロ。①)の抗弁」な

(“) ども示唆されたが、結局、その文言を削除し、「認識して」(戸口・二目、」])という一語だけで、認識するのを意 図的に避けた廻笈ロ(」の]】冒凰の】囮。『目。。)を含むことを両院合同暴酋云云のレポートで確認して解決し、定義規 定の中に「犯罪成立のため、ある事情の存在の認識が要件とされている場合には、その者がかかる事実の存在し ないことを実際に信じていない限り、その事実の存在の蓋然性(冨晋官oggご)に気づいていたことが立証 されればよい」とした(『臣』‐号}{三(函)亘)。しかし、蓋然性の存在に気付いていたとか、故意に知ることを回 避したという立証困難な問題を残したままで、実際にどれほど歯止めとして機能するのか疑問であるし、結局第 三者賄賂に対する従来の規制が、ここでも大きく後退したことは確かであろう。

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九、改正法の具佐的適用例 こうしてみると、随所に大きな一窯化が看取されるが、では具体的な場面でどんな行為が許容され、どんな行為

が禁ぜられ、またそのどちらとも判断できない行為もあるのか、賄賂禁止条項を中心に、若干の設例で整理して

第三点として、さきに紹介した「合衆国対マクリーン」事件の争点となったエッカート条項(雪の丘‐国(す}〈②}) の削除である。その結果、今後は発行者、国内企業の有罪を前提にせずに、その役員、取締役、などの訴追が可 能となるのでこの点は責任の厳格化といえる。 第四点は、先にふれた司法省の審査手続きをこの法律の中に盛り込んだことである。 その際、司法長官の出す審査通知(。p己。p]の尊のH)に、被審査行為の合法性推定の効果を与えた点や、出され た情報の公開につき申請人の同意を条件とした点などは、これを利用する企業側にとって、一定の前進である。

第五点は、国際的取決めに関する条項の新設であ麺・具体的にOECD諸国に対して、交渉を開始するよう大

統領に義務づけている。

第六点は、罰則の強化であ麺。すなわち、従前は証券発行者と国内企業につき一○○万ドル、それらの役員、

取締役、株主、従業員、代理人等につき一万ドルの罰金であったが、今回、前者が二○○万ドル、後者が一○万

ドルにそれぞれ引き上げられた。

みよ}犯。

アメリカのA会社から、従業員のBが販路拡大の用務を帯びて、C国へ派遣されたと仮定しよう。

①BがC国で新製品の販売を前提に展示会を開催し、同国の政府関係者を招待し、その交通費(場合によって

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アメリカの「外国腐敗行為防止法」の検証(中原俊明) 319 は宿泊費も)支給することはどうか。FCPAの観点からは、「不正に」という文脈がなく、「合理的、かつ善 意の支出」であれば、A社は訴追時に抗弁(口患圓昌『の」の命のロの①)として許容される。但し、その国の法令上 それが違法である現苔は、おそらく別であろう。 ②C国の企業界の常識に習って、世話になる政治家へ挨瀞)代わりに若干の政治献金をすることはどうか。A社 の側で、FCPAのビジネス・パーパス・テストをクリアできるか、C国の法律が明文でそれを許容しているか どうかが鍵になろう。例えば、日本の政治資金規正法第二二条の五のように、明文で禁止してあるような場合に は一切許されない。法が沈黙しているときも同様である。慣習法や判例法で承認しているときはどうか。文理解 釈上は否定されるが、しかしいずれ拡大解釈の余地がないとはいえまい。 ③C国での展示会用に送った商品が、すでに到着しているが、税関の諸手続きが完了せず、船から陸揚げがで きない状況のところ、C国では手続きを早めるのに若干の金品を担当職員へ渡すのが常識化している塲苔、A社 はBからの進言にしたがって、それをしてよいか。 これは、改正法のHC巨冒の、◎ぐの『ロョの口目]口・は。□に該当すると思われるので、おそらく可能となろう。 ④A社が従業員でなく、海外代理人Dを利用したとして、Dが実績を上げて見せるから、といって法外な手数 料を要求してきたので、A社はその理由を確かめたところ、Dは、その全額を自分が取得するつもりはなく、市

場関係をスムーズにするための必要費であるとだけ答えた。実際にもA社の予想をはるかに越える実績が上がっ

た。しかし、A社は別のルートからC国では商売①成功には有力政治家への献金や政府役人への賄賂が常識だと

知らされ類。これはA社の第三者賄賂が成立するか、特に「認識」要件(ここでは、蓋然性の予知)の有無が微

妙に問題となる事例である。この担笈ロ違法ではないとの解釈もありえようが、デコッセ・カッチャー論文では、

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ろ、結びにかえて 一九八八年改正は、すでに見たとおり、規定の明確化によって、失われた米卜秦の国際》塚手刀を回復させ、そ のような手かせ、足椥のない他国企棄と対等のフッティングを確保するという、かなり政治的、経済的な文脈の

中で推進された。その内容は、企業責任という観点からは、厳格化という側面もあったが、やはり、規制緩和と

いう局面の方が強くでたように思われる。それは改正反対派がFCPAを骨抜きにし、海外不正支出に再度道を

開くもの、と批判したほどであった。それだけに今後の展開には大きな関心を向けたいと思う。改正法では、こ

れを国際的取極めにすることまで予定しており、日本としても、遠からず、避けて通れない課題となることは確

かである。後退したとはいえ、FCPAの存在はいぜんとして積E禅的評価に耐えるものであり、その国際化の必

要も大である。十数年前に書いた小論の終わりで述べたことを引用して、結びにしたい。「アメリカの努力を孤

立させず、徒労に終わらせず、そして究極には自由主義経済への信頼と希望をつなぎとめるために、関係各国が

こぞってグローバル・クリーン・アップに協力することが必要であ蕊」・

(」①垣笘o骨・・、。) 諸般の状況からA社は、違法支払の蓋然性について告知を受けていた可能性があるとみて責任を肯定的に解する ようであり、筆者もそれを妥当と考える。 改正法は、確かに明確性という点で前進があったし、それだけ法の予測可能性をも高めたといえる。しかしま だ判断の微妙な場合を生ずる余地は少なくないと思われる。今後、時間の経過の中で、司法省の審査手続の実績

や判例の蓄積を通し垂その辺は解決されるかもしれないが、あいまいさのもつ抑制機能も全面否定されるべきで

はないと思う。

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321 アメリカの「外国腐敗行為防止法」の検証(中原俊明) (註) (1)勺巨ご’田・Z・爵-国]四・宮の-9.]程、(。。&[牌の」g]、p.m.。.⑫『函』□‐]一P『、寓)。 (2)一九七七年度私法学会報告、及び拙稿「米企業の海外不正支出をめぐる法規制Iその模索と展開の軌跡を追う-(|) (二)(三)」民商法雑隣、七九巻二、三、四号(一九七八~九年)。 (3)拙稿、前掲、七九巻二号一六六頁。]・言.、目opp・量。烏ご苛一囚讐⑩匂。⑩、⑩僑冒。。、貝貝刀自§8の』9%日訂 一mのp、sき『』、司月蔑日』切目■《』ロ、(』・』z弓・』・冒己F・P且国巨の.g輿ロ・画(』の馬). (4)囚・少・富岳。『助ロCOPミミ§8.百具。。割》。、P風:②‐○.局ヨョ§且河免mEp風:ミロ【←の胃①②②團買。②§(』⑮、 罫⑮河。、鳥首。。、貝貝、:(8の」旦旦ごヨショ鈩同pご亀の、ヨロ◎嵐pmoごぽ・国の『・認]》題画⑩:8.(邑囹). (5)ののロ日の円のロ・Z。.]]←》『の已凰員の。甘]①ゴロ・の。。。□のoopm・扉少qHPzの君、今田9. (6)拙稿、前掲、七九巻二号、一六八頁。 (7)因.シ・勺・同同日P‐CO風P白岡・」日§&量咀暮の国。「鳥首。。『貝凰刀日・騨烏②』g&ご『可、88§”夢⑩ 量(の日訂②旦暮⑩、p巴》留因巨伺の『の■・因の『・畠詔》(]垣忠)。 (8)]函p.m.○・⑫昌曰豆{画}. (9)なお、本条の適用対象として、明文にはない海外子会社が含まれるか否かにつき、争いがあるが、全米法曹協会 (ABA)は、原則的に否定し、SECや有力学脱は肯定している。、のの》勺・閂・四目〕すのH、陣、←日切印の『》吾の旧賀「。[ 。。『己。『g①。河OEpm叩句【。このHpmo帛勺pHの。一口。。切回す、】&PN】○.旬己◎司巴】opmEpQの『の冨冒8円鵯田口勇「のロの日或○口]}] (追記)この拙文の執筆に際し、研修先の神戸大学・神崎克郎教授、同図書館、資料室等に大層お世話になった ほか、御自分の近著の抜刷をはじめ、有益な資料や情報を送って下さったコネチカット大学祠・閂・囚ロョヶの『頭法 学部長、因・三厩§目教授のご好意も忘れられない。併せて深甚の謝意を表したい。

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