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2.6.1 緒言 で認められ, 腸閉塞及び腸管穿孔を含む重篤な副作用例も報告されている [10] また, セベラマー塩酸塩は消化管内で胆汁酸を吸着するため, 脂溶性ビタミンの吸収阻害を引き起こす可能性が示唆されている [11,12] 更に, 塩酸塩であることから, 高塩素性代謝性アシドーシスを引き起

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2.6.1

緒言

血清リン濃度は主にリンの消化管からの吸収,骨からの遊離・骨への取り込み及び腎臓から尿 中への排泄により調節されている。消化管からのリンの吸収には活性型ビタミン D が,骨からの リンの遊離並びに腎臓からのリン排泄には副甲状腺ホルモン(Parathyroid hormone:PTH)が関与 し,血清リン濃度の恒常性が維持されている[1]。食事により摂取したリンの 60-70%が消化管より 吸収され,同量のリンが尿中排泄を受けるため,腎臓は最も重要な血中リン濃度の恒常性維持器 官である。そのため,腎機能が低下した慢性腎臓病(Chronic Kidney Disease:CKD)患者は,腎 臓からのリン排泄が低下して,しばしば高リン血症を発症する[2,3]。 成人の正常な血清リン濃度は,2.5-4.5 mg/dL の範囲内であり,4.5 mg/dL を越えると高リン血症 と診断される。慢性腎臓病に伴う高リン血症では,血清リン濃度や血清カルシウム・リン(Ca×P) 積の上昇によってリン酸カルシウムが軟部組織(血管壁,心臓弁膜,関節周囲,結膜,皮下,腎 臓等)に沈着する異所性石灰化が生じる。血管石灰化は動脈硬化を亢進させる。透析患者におい て,冠動脈疾患の罹患率は約 40%であり,冠動脈疾患の罹患率や死亡リスクは血清 Ca×P 積の上 昇に関連することが知られている[4,5]。 また,CKD に伴う高リン血症においては,ビタミン D の活性化障害による血清カルシウム濃度 低下及び副甲状腺に対するリンの直接的な作用[6]を介して PTH の分泌を亢進し,二次性副甲状腺 機能亢進症(Secondary hyperparathyroidism:SHPT)が誘発される[7]。 SHPT は異所性石灰化の原因ともなるほか,貧血の増悪や心筋障害等への関与も示唆されている [8]。更に,SHPT では骨からのカルシウム遊離が促進され,骨ミネラル代謝異常を生じ,その結 果,線維性骨炎を誘発し,骨痛,骨折,関節痛等を引き起こす。骨ミネラル代謝異常は従来腎性 骨異栄養症(renal osteodystrophy:ROD)と呼ばれていたが,現在,骨の病変を生ずるだけでなく, 血管を含む全身の石灰化を介して,生命予後にも影響を及ぼす病態として,「慢性腎臓病に伴う骨

ミネラル代謝異常(CKD-mineral and bone disorder:CKD-MBD)」という概念でとらえられるよう になった[9]。以上の背景から,高リン血症の治療は CKD 患者の骨ミネラル代謝異常や生命予後 の改善のために極めて重要である。 現在,透析患者における高リン血症の治療としては,リン摂取制限,透析によるリンの効率的 な除去に加え,リン吸着薬による薬物治療が行われている。リン摂取制限は,リンが蛋白質に多 く含まれるために栄養障害を生じる可能性があり,リンの摂取量を推奨レベル(日本腎臓学会で は 700 mg/日以下,K/DOQI ガイドラインでは 800-1000 mg/日)に制限することは困難である。 また,血液透析あるいは腹膜透析によるリンの除去には限界があることから,ほとんどの透析患 者における高リン血症治療及び血清リン濃度のコントロールは,リン摂取制限に加えて,消化管 でのリン吸収を抑制する経口リン吸着薬により行われている。 2003 年に国内において承認されたセベラマー塩酸塩は,消化管内でリン酸を吸着し体内へのリ ン吸収を抑制することで血清リン濃度を低下させる非吸収性のカチオン性ポリマーであり,高リ ン血症治療に使用されている。しかしながら,便秘,便秘増悪や腹部膨満感等の副作用が高頻度

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で認められ,腸閉塞及び腸管穿孔を含む重篤な副作用例も報告されている[10]。また,セベラマー 塩酸塩は消化管内で胆汁酸を吸着するため,脂溶性ビタミンの吸収阻害を引き起こす可能性が示 唆されている[11,12]。更に,塩酸塩であることから,高塩素性代謝性アシドーシスを引き起こす 可能性も指摘されている[13]。 ビキサロマーは米国 ILYPSA 社(現 Amgen 子会社)において創製された非吸収性のアミン機能 性ポリマーであり,消化管内でリン酸を吸着し体内へのリン吸収を阻害することによって,血清 リン濃度を低下させる。ビキサロマーは浸潤可能最大分子量が小さい特性を有することから,胆 汁酸の吸着が少なく,脂溶性ビタミンの吸収阻害を引き起こしにくいと考えられる。また,ビキ サロマーはセベラマー塩酸塩よりも膨潤の程度が小さいことから,セベラマー塩酸塩で認められ ている消化器系副作用が発現しにくい可能性が考えられる。更に,ビキサロマーは塩素を含まな いことから,代謝性アシドーシスを発現する懸念はないと期待される。 今回の申請にあたり,セベラマー塩酸塩との作用比較を含めて,ビキサロマーの薬理学的,薬 物動態学的及び毒性学的特性を明らかにする目的で各種試験を実施した。 Cl O y N N NH2 N H2 NH2 NH2 x 図 2.6.1- 1 ビキサロマーの構造式

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参考文献

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Global Outcomes (KDIGO). Definition, evaluation, and classification of renal osteodystrophy: a position statement from Kidney Disease : Improving Global Outcomes (KDIGO). Kidney Int 2006;69:1945-53

10. 栗原怜,鈴木正司,二瓶宏,秋澤忠男,衣笠えり子,折笠秀樹ら.血液透析患者の高リン血症に

対するリン結合剤 PB-94(Sevelamer Hydrochloride)の効果 -第Ⅱ相用量設定試験- 腎と透 析 2003;55:221-38

11. Braunlin W, Zhorov E, Guo A, Apruzzese W, Xu Q, Hook P et al. Bile acid binding to sevelamer HCl. Kidney Int. 2002;62:611-9

12. Renagel Full Prescribing Information (Package Insert). http://www.renagel.com/docs/renagel_pi.pdf 13. Brezina B, Qunibi WY, Nolan CR. Acid loading during treatment with sevelamer hydrochloride:

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目次

2.6.2 薬理試験の概要文...2 2.6.2.1 まとめ...3 2.6.2.2 効力を裏付ける試験...6 2.6.2.3 副次的薬理試験...27 2.6.2.4 安全性薬理試験...27 2.6.2.5 薬力学的薬物相互作用試験...28 2.6.2.6 考察及び結論...29

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2.6.2

薬理試験の概要文

本項で使用した略号及び用語の定義一覧を表2.6.2-1 に示す。 表2.6.2- 1 略号及び用語の定義一覧

略号及び用語 定義

AUC Area under the plasma concentration-time curve:血漿中濃度-時間曲線下面積 Ca×P 積 Calcium-phosphorus product:カルシウム・リン積

CKD Chronic kidney disease:慢性腎臓病

MES 2-Morpholinoethane sulfonic acid:2-モルフォリノエタンスルホン酸

pH 水素イオン濃度指数

PTH Parathyroid hormone:副甲状腺ホルモン

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2.6.2.1 まとめ

ビキサロマーは米国ILYPSA 社(現 Amgen 子会社)において創製された非吸収性のアミン機能 性ポリマーであり,消化管内でリン酸を吸着することにより体内へのリン酸吸収を阻害し,血清 リン濃度を低下させる。今回の申請にあたり,セベラマー塩酸塩との作用比較を含めて,ビキサ ロマーの薬理学的特性を明らかにする目的で,以下の各種試験を実施した。 効力を裏付ける試験として,血漿リン濃度及びCa×P 積低下作用,二次性副甲状腺機能亢進症 (Secondary hyperparathyroidism:SHPT)改善作用,SHPT に伴う血管石灰化及び腎性骨異栄養症 の抑制作用,血液pH,重炭酸イオン濃度に対する影響を検討した。ビキサロマーのリン酸吸着特 性の評価として,リン酸吸着様式及びリン酸吸着作用への各種イオンの影響を検討した。更には リン酸以外の吸着特性の評価として,胆汁酸吸着能及び各種イオン吸着能を検討するとともに, 浸潤可能最大分子量,膨潤指数に関しても検討した。なお,一部試験では,セベラマー塩酸塩の 作用に関しても検討した。 安全性薬理試験は,コアバッテリー試験及び補足的安全性薬理試験いずれも,安全性薬理試験 ガイドラインに準拠し,医薬品の安全性に関する非臨床試験の実施の基準(GLP)適合試験とし て実施した。 以下に,本薬の効力を裏付ける試験及び安全性薬理試験の成績をまとめた。 効力を裏付ける試験 血漿リン濃度及びCa×P 積低下作用 高リン食摂餌5/6 腎臓摘出 CKD ラットにおいて,ビキサロマーは 3%の混餌投与により,血漿 リン濃度(AUC 値)及び Ca×P 積(AUC 値)を有意に低下させた。また,アデニン誘発 CKD ラッ

トにおいて,ビキサロマー及びセベラマー塩酸塩はいずれも3%の混餌投与により血漿リン濃度 (AUC 値)を有意に低下させた。 SHPT 改善作用 高リン食摂餌5/6 腎臓摘出 CKD ラットにおいて,ビキサロマーは 3%の混餌投与により,血漿 PTH 濃度(AUC 値)及び副甲状腺重量比を有意に低下させた。 アデニン誘発CKD ラットにおいて,ビキサロマーは 3%の混餌投与により,血漿 PTH 濃度(AUC 値)及び副甲状腺重量比を有意に低下させた。 血管石灰化抑制作用 ビタミンD 負荷アデニン誘発 CKD ラットにおいてビキサロマーは 2%混餌投与により,大動脈 中のカルシウム量を有意に低下させた。

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腎性骨異栄養症進展抑制作用 アデニン誘発CKD ラットにおいて,ビキサロマー及びセベラマー塩酸塩はいずれも 3%混餌投 与により,大腿骨の空隙面積率及び線維化面積率を低下させた。類骨面積率に対しては,ビキサ ロマー及びセベラマー塩酸塩投与による有意な変化は認められなかった。 血液pH,重炭酸イオン濃度に対する作用 アデニン誘発CKD ラットにおいて,ビキサロマーは 3%混餌投与により,病態対照群で低下し た血液重炭酸イオン濃度及び血液pH を改善した。一方,セベラマー塩酸塩は 3%混餌投与により, 血液pH 及び重炭酸イオン濃度の低下を改善させなかった。なお,セベラマー塩酸塩投与群では 血液塩素イオン濃度の有意な上昇が認められた。 吸着特性 1.リン酸吸着能 (1)吸着特性 ビキサロマーのリン酸溶液中のリン酸に対する最大吸着能,吸着定数及びHill 係数は,それぞ れ,6.49 mmol/g,2.72 (mmol/L)-1及び0.49 であった。 (2)pH の影響 ビキサロマーのリン酸吸着作用はpH により変動し,pH 6.09 で最大値(4.32 mmol/g)を示した。 (3)無機イオンの影響 各種陽イオン及び1 価の陰イオンはビキサロマーのリン酸吸着能にほとんど影響を与えなかっ た。各種2 価の陰イオンはビキサロマーのリン酸吸着能を低下させた。 (4)ヒト消化物及びヒト消化物類似組成液におけるリン酸吸着能 標準流動食を健康成人に摂取させた後に空腸より採取した消化物におけるビキサロマー及びセ ベラマー塩酸塩のリン酸吸着能(平均値)はそれぞれ,1.6 及び 0.7 mmol/g であった。また,ヒト 消化物と同濃度のリン酸,胆汁酸,脂肪酸,クエン酸を含むヒト消化物類似組成液におけるビキ サロマー及びセベラマー塩酸塩のリン酸吸着能はそれぞれ,1.45 ± 0.14,及び 0.74 ± 0.15 mmol/g であった。 2.尿中・糞中リン排泄作用 高リン食摂餌正常ラットにおいて,ビキサロマーは0.3~9%混餌投与により,またセベラマー 塩酸塩は3~9%混餌投与により,用量に応じて尿中リン排泄量を減少させ,糞中リン排泄量を増 加させた。

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3.胆汁酸,無機イオン,リン酸以外の陰イオン吸着作用 (1)胆汁酸吸着作用 胆汁酸溶液中における,ビキサロマーのグリココール酸,タウロコール酸,グリコデオキシコー ル酸,タウロデオキシコール酸,グリコケノデオキシコール酸,及びタウロケノデオキシコール 酸に対する最大吸着能は,3.77~5.24 mmol/g の範囲にあった。また,セベラマー塩酸塩の各種胆 汁酸に対する最大吸着能は9.61~12.32 mmol/g の範囲にあった。 (2)無機イオン吸着作用 ビキサロマーはいずれの陽イオンもほとんど吸着しなかった。ビキサロマーは1 価の陰イオン をリン酸と同程度吸着したが,リン酸共存下では吸着能が大きく低下した。ビキサロマーは2 価 の陰イオンをリン酸と同程度吸着し,リン酸共存下においても,その吸着能に変化は認められな かった。 (3)リン酸以外の陰イオン吸着作用 標準流動食を健康成人に摂取させた後に空腸より採取した消化物におけるビキサロマーのクエ ン酸,胆汁酸,脂肪酸及びリン脂質の吸着能(平均値)はそれぞれ,0.32,<0.2,<0.1 及び 0.03 mmol/g であった。また,これらに対するセベラマー塩酸塩の吸着能(平均値)はそれぞれ,0.39,1.5,7 及び0.19 mmol/g であった。 4.糞中胆汁酸・脂肪酸排泄作用 高リン食摂餌正常ラットにおいて,ビキサロマーは0.3~9%混餌投与により,糞中胆汁酸排泄 に影響を与えなかった。糞中脂肪酸排泄に関しては9%においてのみ有意な増加が認められたが, その程度は軽度であった。また,セベラマー塩酸塩は3~9%混餌投与により,糞中胆汁酸排泄及 び糞中脂肪酸排泄を用量に応じて増加させた。 浸潤可能最大分子量 ビキサロマーの浸潤可能最大分子量はセベラマー塩酸塩より小さかった。 膨潤指数 ビキサロマー及びセベラマー塩酸塩の膨潤指数はそれぞれ,2.15 及び 8.10 水(g)/ポリマー(g) であった。 安全性薬理試験 安全性薬理試験として,中枢神経系,呼吸器系,胃腸管系に及ぼす影響をラットで,心血管系 に及ぼす影響をイヌで評価した。いずれの試験も単回経口投与で実施した結果,ラット及びイヌ でそれぞれ6000 及び 2000 mg/kg までビキサロマーの影響は認められなかった。

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2.6.2.2 効力を裏付ける試験

2.6.2.2.1 効力を裏付ける薬理試験

2.6.2.2.1.1 血漿リン濃度及び Ca×P 積低下作用 2.6.2.2.1.1.1 高リン食摂餌 5/6 腎臓摘出 CKD ラット ··· 添付資料4.2.1.1-1 高リン食摂餌5/6 腎臓摘出 CKD ラットを用いてビキサロマーの血漿リン濃度及び Ca×P 積低下 作用を検討した。このモデルは,外科的に機能ネフロン数及び腎予備能を減少させることで腎機 能を低下させ,その後の糸球体障害により病態が進行する代表的なCKD モデルである[1]。 雄性Wistar ラットの左腎臓の 2/3 を切除した 1 週間後に右腎を摘出した(5/6 腎臓摘出)。5/6 腎 臓摘出2 週間後より,高リン食(リン含量:1.63%)摂餌を開始し,高リン食摂餌開始の 1 週間後 からビキサロマーの3%混餌投与を 30 日間行った。投与開始日及び投与後 7,14,21,28 日に採 血を行い,血漿リン濃度及びカルシウム濃度を測定した。血漿リン濃度及びCa×P 積に対するビ キサロマーの作用は,投与開始から28 日目までの AUC 値をそれぞれ求めて評価した。偽手術群 (Sham)は腎を体外に露出して戻す操作のみ実施し,正常食で飼育した。

病態対照群(Control)の血漿リン濃度(AUC 値)及び Ca×P 積(AUC 値)は,Sham 群と比較

して有意な上昇が認められた。ビキサロマーは3%混餌投与により,これらの値を有意に低下させ た(図2.6.2-1,図 2.6.2-2)。 -28 -21 -14 -7 0 7 14 21 28 4 5 6 7 8 9 10 11 12 Sham Control ビキサロマー混餌食(3%) リン混餌食(1.63%) 投与開始後日数(日) ビキサロマー (3%) 血 漿 リ ン 濃 度 ( m g/ dL ) 0 100 200 300

**

## Sham Control ビキサロマー (3%) 血 漿 リ ン 濃 度 A U C0 -2 8 ( m g da y/ dL )

(A)

(B)

図2.6.2-1 高リン食摂餌 5/6 腎臓摘出 CKD ラットにおけるビキサロマーの血漿リン濃度低下作用 (A)経時変化,(B)AUC 値 ビキサロマー投与開始日から 28 日までの AUC 値を算出して評価した。例数は, 偽手術群(Sham)及びビキサロマー投与群は 12 例,病態対照群(Control)は 11 例。各値は平均値±標準誤差を示 す。**は Sham 群に,また,##Control 群に対する有意差を示す(**: P<0.01,##: P<0.01,Student の t 検定)。

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-28 -21 -14 -7 0 7 14 21 28 20 40 60 80 100 120 140 ShamControl ビキサロマー (3%) リン混餌食(1.63%) ビキサロマー 混餌食(3%) 投与開始後日数(日) 血 漿 C a P(m g 2 /d L 2 ) 0 1000 2000 3000

**

## Sham Control ビキサロマー (3%) 血 漿 C a PA U C 0-2 8 (m g 2d ay /d L 2)

(A)

(B)

図2.6.2-2 高リン食摂餌 5/6 腎臓摘出 CKD ラットにおけるビキサロマーの血漿 Ca×P 積低下作用

(A) 経時変化,(B)AUC 値 ビキサロマー投与開始日から 28 日までの AUC 値を算出して評価した。例数は,偽 手術群(Sham)及びビキサロマー投与群は 12 例,病態対照群(Control)は 11 例。各値は平均値±標準誤差を示す。 **は Sham 群に,また,##Control 群に対する有意差を示す(**: P<0.01,##: P<0.01,Student の t 検定)。

(添付資料4.2.1.1-1,図 3 を改変) 2.6.2.2.1.1.2 アデニン誘発 CKD ラット 1 ··· 添付資料4.2.1.1-2 アデニン誘発CKD ラットを用いてビキサロマーの血漿リン濃度及び血漿 Ca×P 積低下作用を検 討した。このモデルは,投与したアデニンが尿細管で不溶性の2,8-ジヒドロキシアデニンとして 結晶化して腎障害を生じ,高リン血症とともに腎性骨異栄養症を呈するモデルである[2,3]。 雄性Wistar ラットにアデニン硫酸塩 600 mg/kg を 10 日間経口投与した。その 11 日後よりビキ サロマーの0.3%又は 3%混餌投与を 27 日間行った。採血は投与開始 3 日前及び投与後 4,11,18, 25 日に行い,血漿リン濃度及びカルシウム濃度を測定した。血漿リン濃度及び Ca×P 積に対する ビキサロマーの作用は,投与開始3 日前から投与後 25 日までの AUC 値をそれぞれ求めて評価し た。

病態対照群(Control)の血漿リン濃度(AUC 値)及び Ca×P 積(AUC 値)は,正常群(Normal)

と比較して有意な上昇が認められた。ビキサロマーは3%混餌投与により,これらの値を有意に低

(11)

-28 -21 -14 -7 0 7 14 21 28 0 2 4 6 8 10 12 14 16 18 Normal Control ビキサロマー(0.3%) ビキサロマー (3%) Adenine ビキサロマー混餌食(0.3% or 3%) 投与開始後日数 (日) 血 漿 リ ン 濃 度 ( m g/ dL ) 0 100 200 300 400



## Normal Control 0.3 3 (%) ビキサロマー 血 漿 リ ン 濃 度 A U C (-3) -2 5 ( m g da y/ dL )

(A)

(B)

図2.6.2-3 アデニン誘発 CKD ラットにおけるビキサロマーの血漿リン濃度低下作用

(A)経時変化,(B)AUC 値 ビキサロマー投与開始 3 日前から投与後 25 日までの AUC 値を算出して評価した。 例数は,全群8 例。各値は平均値±標準誤差を示す。**は正常群(Normal)に,また,##は病態対照群(Control) に対する有意差を示す(**: P<0.01,Student の t 検定。##: P<0.01,Dunnett 検定)。 (添付資料4.2.1.1-2,図 2 を改変) -28 -21 -14 -7 0 7 14 21 28 0 50 100 150 Normal Control ビキサロマー(0.3%) ビキサロマー (3%) Adenine ビキサロマー混餌食 (0.3% or 3%) 投与開始後日数(日) 血 漿 C a P (m g 2/d L 2) 0 1000 2000 3000



## Normal Control 0.3 3 ビキサロマー (%) 血 漿 C a PA U C (-3) -2 5 ( m g 2 d ay /d L 2 )

(A)

(B)

図2.6.2-4 アデニン誘発 CKD ラットにおけるビキサロマーの血漿 Ca×P 積低下作用

(A)経時変化,(B)AUC 値 ビキサロマー投与開始 3 日前から投与後 25 日までの AUC 値を算出して評価した。 例数は,全群8 例。各値は平均値±標準誤差を示す。**は正常群(Normal)に,また,##は病態対照群(Control) に対する有意差を示す(**: P<0.01,Student の t 検定。##: P<0.01,Dunnett 検定)。 (添付資料4.2.1.1-2,図 2 を改変) 2.6.2.2.1.1.3 アデニン誘発 CKD ラット 2 ··· 添付資料4.2.1.1-4 アデニン誘発CKD ラットを用いて,ビキサロマー及びセベラマー塩酸塩の血漿リン濃度に対す る作用を検討した。

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雄性Wistar ラットにアデニン硫酸塩 600 mg/kg を 10 日間経口投与した。その 11 日後よりビキ サロマー又はセベラマー塩酸塩のそれぞれ3%混餌投与を 29 日間行った。採血は投与開始前日及 び投与後7,14,21,28 日に行い,血漿リン濃度を測定した。血漿リン濃度に対するビキサロマー 及びセベラマー塩酸塩の作用は,投与開始前日から投与後28 日までの AUC 値をそれぞれ求めて 評価した。 病態対照群(Control)の血漿リン濃度(AUC 値)は,正常群(Normal)と比較して有意に上昇 が認められた。ビキサロマー及びセベラマー塩酸塩はいずれも3%の混餌投与により,血漿リン濃 度(AUC 値)を Normal 群とほぼ同じレベルに低下させた。(図 2.6.2-5)。 -28 -21 -14 -7 0 7 14 21 28 0 5 10 15 20 25 Normal Control ビキサロマー (3%) セベラマー塩酸塩 (3%) Adenine ビキサロマー or Sev. HCl 混餌食 (3%) 投与開始後日数(日) 血 漿 リ ン 濃 度 ( m g/ dL ) 0 200 400 600 $$ Normal Control ビキサロマー セベラマー塩酸塩 ## ** 3% 3% 血 漿 リ ン 濃 度 A U C (-1) -2 8 ( m g da y/ dL )

(A)

(B)

図2.6.2-5 アデニン誘発 CKD ラットにおけるビキサロマー又はセベラマー塩酸塩の血漿リン濃度 低下作用 (A)経時変化,(B)AUC 値 図中の Sev. HCl はセベラマー塩酸塩を示す。ビキサロマー投与開始前日から投与 後28 日までの AUC 値を算出して評価した。例数は,正常群(Normal),ビキサロマー投与群,セベラマー塩酸塩 投与群は各8 例,病態対照群(Control)は 7 例。各値は平均値±標準誤差を示す。**は Normal 群に,また,##$$ Control 群に対する有意差を示す(**: P<0.01,##: P<0.01,$$:P<0.01,Student の t 検定)。 (添付資料4.2.1.1-4,図 2 を改変) 2.6.2.2.1.2 二次性副甲状腺機能亢進症改善作用 2.6.2.2.1.2.1 高リン食摂餌 5/6 腎臓摘出 CKD ラット ··· 添付資料4.2.1.1-1 高リン食摂餌5/6 腎臓摘出 CKD ラットでは血漿 PTH 濃度の上昇と副甲状腺重量の増加が認め られ,SHPT を生じる。 本モデルを用いて,ビキサロマーの血漿PTH 濃度及び副甲状腺重量比(副甲状腺湿重量/体重) に対する作用を検討した。 5/6 腎臓摘出 2 週間後より,高リン食(リン含量:1.63%)摂餌を開始し,高リン食摂餌開始の 1 週間後からビキサロマーの 3%混餌投与を 30 日間行った。採血は投与開始日及び投与後 7,14,

(13)

21,28 日に行い,血漿 PTH 濃度を測定した。投与後 29 日に副甲状腺を摘出し,副甲状腺重量比 を算出した。血漿PTH 濃度に対するビキサロマーの作用は,投与開始から 28 日までの AUC 値を 求めて評価した。偽手術群(Sham)は腎を体外に露出して戻す操作のみ実施し,正常食で飼育し た。

病態対照群(Control)では Sham 群と比較して,血漿 PTH 濃度(AUC 値)が有意に上昇し,副

甲状腺重量比が有意に増加した。ビキサロマーは3%の混餌投与により,これらの値を有意に減少 させた。(図2.6.2-6)。 0 25000 50000 75000 100000 125000 150000

**

# Sham Control ビキサロマー (3%) 血 漿 P T H濃 度 A U C 0-28 ( pgd ay /m L ) 0 1 2 3 4 5 6

**

## Sham Control ビキサロマー (3%) 副 甲 状 腺 重 量 / 体 重 (m g/ k g)

(A)

(B)

図2.6.2-6 高リン食摂餌 5/6 腎臓摘出 CKD ラットにおけるビキサロマーの(A)血漿 PTH 濃度低 下作用,及び(B)副甲状腺重量比低下作用 血漿PTH 濃度はビキサロマー投与開始日から 28 日までの AUC 値を算出して評価した。例数は,偽手術群(Sham) 及びビキサロマー投与群は12 例,病態対照群(Control)は 11 例。各値は平均値±標準誤差を示す。**は Sham 群 に,また,#Control 群に対する有意差を示す(**: P<0.01,#: P<0.05,##: P<0.01,Student の t 検定)。 (添付資料4.2.1.1-1,図 2 を改変) 2.6.2.2.1.2.2 アデニン誘発 CKD ラット ··· 添付資料4.2.1.1-2 アデニン誘発CKD ラットを用いて,ビキサロマーの血漿 PTH 濃度及び副甲状腺重量比(副甲 状腺湿重量/体重)に対する作用を検討した。 雄性Wistar ラットにアデニン硫酸塩 600 mg/kg を 10 日間経口投与した。その 11 日後よりビキ サロマーの0.3%又は 3%混餌投与を 27 日間行った。採血は投与開始 3 日前及び投与後 4,11,18, 25 日に行い,血漿 PTH 濃度を測定した。投与後 26 日に副甲状腺を摘出し,副甲状腺重量比を算 出した。血漿PTH 濃度に対するビキサロマーの作用は,投与開始 3 日前から投与後 25 日までの AUC 値を求めて評価した。 病態対照群(Control)では正常群(Normal)と比較して,血漿 PTH 濃度(AUC 値)が上昇し, 副甲状腺重量比が有意に増加した。ビキサロマーは3%の混餌投与により,これらの値を有意に減 少させた(図2.6.2-7)。

(14)

0 40000 80000 120000 160000



## Normal Control 0.3 3 (%) ビキサロマー 血 漿 P T H濃 度 A U C (-3) -2 5 ( p g da y/ m L ) 0 2 4 6 8



# Normal Control 0.3 3 (%) ビキサロマー 副 甲 状 腺 重 量 / 体 重 (m g/ k g)

(A)

(B)

図2.6.2-7 アデニン誘発 CKD ラットにおけるビキサロマーの(A)血漿 PTH 濃度低下作用,及び (B)副甲状腺重量比低下作用 血漿PTH 濃度は投与開始 3 日前からビキサロマー投与後 25 日までの AUC 値を算出して評価した。例数は,全群 8 例。各値は平均値±標準誤差を示す。**は正常群(Normal)に,また,###は病態対照群(Control)に対する有 意差を示す(**: P<0.01,Student の t 検定。#: P<0.05,##: P<0.01,Dunnett 検定)。 (添付資料4.2.1.1-2,図 4 を改変) 2.6.2.2.1.2.3 アドリアマイシン投与 5/6 腎臓摘出 CKD ラット ··· 添付資料 4.2.1.1-17(参) アドリアマイシン投与5/6 腎臓摘出 CKD ラットを用いて,ビキサロマーの血清リン濃度,Ca×P 積及びPTH 濃度に対する作用を検討した。 雄性SD ラットに 5/6 腎臓摘出処置を行い,その 2 週間後にアドリアマイシンを静脈内投与した。 アドリアマイシン静脈内投与した日から高リン食(1%)を給餌し,ビキサロマーの 7%混餌投与 を30 日間行った。 投与後15 日において,ビキサロマーは病態対照群に比較して,血清リン濃度,カルシウム濃度, Ca×P 積及び PTH 濃度を有意に改善した。 2.6.2.2.1.3 血管石灰化抑制作用 2.6.2.2.1.3.1 ビタミン D 負荷アデニン誘発 CKD ラット ··· 添付資料4.2.1.1-3 ビタミンD 負荷アデニン誘発 CKD ラットは血漿リン濃度の上昇に加えて血管石灰化を生じる モデルである。このモデルを用いてビキサロマーの血管石灰化抑制作用を検討した。 雄性Wistar ラットにアデニン硫酸塩 600 mg/kg を 10 日間経口投与し,アデニン硫酸塩最終投与 日,及びその1,4,6 日後に活性型ビタミン D3(アルファカルシドール)0.3 μg/kg の経口投与を 行った。アデニン硫酸塩投与終了翌日からビキサロマーの2%混餌投与を 30 日間行った。採血は 投与開始3 日前及び投与後 7,14,21,28 日に行い,血漿リン濃度及びカルシウム濃度を測定し

(15)

た。投与後29 日に大動脈(左頸動脈に分枝する部位から大腿動脈に分枝する部位まで)を摘出し た。大動脈のカルシウム含量を血管石灰化の指標として測定した[4]。 病態対照群(Control)では正常群(Normal)と比較して,血漿リン濃度(AUC 値),血漿 Ca×P 積(AUC 値)及び大動脈のカルシウム含量が有意に増加した。ビキサロマーは 2%の混餌投与に より,これらの値を有意に減少させた(図2.6.2-8,図 2.6.2-9)。 0 100 200 300 400 ** ## Normal Control ビキサロマー(2%) 血 漿 リ ン 濃 度 A U C (-3) -2 8 (m g da y/ dL ) 0 1000 2000 3000 4000 ** ## Normal Control ビキサロマー(2%) 血 漿 C a PA U C (-3) -2 8 (m g 2 d ay /d L 2)

(A)

(B)

図2.6.2-8 ビタミン D 負荷アデニン誘発 CKD ラットにおけるビキサロマーの(A)血漿リン濃度 低下作用及び(B)血漿 Ca×P 積低下作用 投与開始3 日前からビキサロマー投与後 28 日までの AUC 値を算出して評価した。例数は,全群 8 例。各値は平 均値±標準誤差を示す。**は正常群(Normal)に,また,##は病態対照群(Control)に対する有意差を示す(**: P<0.01, ##: P<0.01,Student の t 検定)。 (添付資料4.2.1.1-3,図 2,3 を改変)

0

200

400

600

800

*

#

Normal

Control

ビキサロマー(2%)

(

g

/g

湿

)

図2.6.2-9 ビタミン D 負荷アデニン誘発 CKD ラットにおけるビキサロマーの大動脈カルシウム含 量に対する作用 例数は,全群8 例。各値は平均値±標準誤差を示す。*は正常群(Normal)に,また,#は病態対照群(Control)に 対する有意差を示す(*: P<0.05,#: P<0.05,Student の t 検定)。 (添付資料4.2.1.1-3,図 5 を改変)

(16)

2.6.2.2.1.4 腎性骨異栄養症進展抑制作用 2.6.2.2.1.4.1 アデニン誘発 CKD ラット 1 ··· 添付資料4.2.1.1-2 アデニン誘発CKD ラットを用いて,ビキサロマーの腎性骨異栄養症進展抑制作用を検討した。 雄性Wistar ラットにアデニン硫酸塩 600 mg/kg を 10 日間経口投与した。その 11 日後よりビキ サロマーの0.3%又は 3%混餌投与を 27 日間行い,投与最終日に大腿骨を採取した。採取した大腿 骨組織サンプルについて骨形態計測を行い,皮質骨面積に対する線維化面積率,空隙面積率,類 骨面積率を算出した。 病態対照群(Control)の線維化面積率及び空隙面積率は,正常群(Normal)と比較して有意に 上昇した。ビキサロマーは3%の混餌投与により,Control 群に比較して空隙面積率を有意に低下 させ,線維化面積率も低下させた(図2.6.2-10)。本試験では類骨面積率に関して,Control 群で Normal 群に比較して有意な増加が認められなかった。 0 2 4 6 Normal Control 0.3 3 (%) ビキサロマー

線 維 化 面 積 率 (% ) 0 2 4 6 8 10 12 Normal Control 0.3 3 (%) ビキサロマー



# 空 隙 面 積 率 (% ) (A) (B) 図2.6.2-10 アデニン誘発 CKD ラットにおけるビキサロマーの(A)大腿骨の線維化面積率,(B) 空隙面積率に対する作用 例数は,全群8 例。各値は平均値±標準誤差を示す。*,**は正常群(Normal)に,また,#は病態対照群(Control) に対する有意差を示す(*: P<0.05,**: P<0.01,Student の t 検定。#: P<0.05,Dunnett 検定)。 (添付資料4.2.1.1-2,図 5 を改変) 2.6.2.2.1.4.2 アデニン誘発 CKD ラット 2 ··· 添付資料4.2.1.1-5 アデニン誘発CKD ラットを用いて,ビキサロマー及びセベラマー塩酸塩の腎性骨異栄養症進展 抑制作用を検討した。 雄性Wistar ラットにアデニン硫酸塩 600 mg/kg を 10 日間経口投与した。その 11 日後より,ビ キサロマー又はセベラマー塩酸塩のいずれも3%混餌投与を 29 日間行い,投与最終日に大腿骨を 採取した。採取した大腿骨骨組織サンプルについて骨形態計測を行い,皮質骨面積に対する線維 化面積率,空隙面積率,類骨面積率を算出した。

(17)

病態対照群(Control)の線維化面積率及び空隙面積率は,正常群(Normal)と比較して有意に 上昇した。ビキサロマー及びセベラマー塩酸塩はそれぞれ3%の混餌投与により,空隙面積率及び 線維化面積率を有意に低下させた(図2.6.2-11)。類骨面積率に関しては,Control 群で Normal 群 に比較して有意に増加したが,ビキサロマー及びセベラマー塩酸塩投与による有意な変化は認め られなかった。 0 2 4 6 8 ** ## $$ Normal Control セベラマー塩酸塩 3% 3% ビキサロマー 線 維 化 面 積 率 ( % )

(A)

(B)

0 5 10 15 ** ## $$ Normal Control 3% 3% セベラマー塩酸塩 ビキサロマー 空 隙 面 積 率 (% ) 図2.6.2-11 アデニン誘発 CKD ラットにおけるビキサロマー及びセベラマー塩酸塩の大腿骨の(A) 線維化面積率,(B)空隙面積率に対する作用 例数は,正常群(Normal),ビキサロマー投与群,セベラマー塩酸塩投与群は各 8 例,病態対照群(Control)は 7 例。各値は平均値±標準誤差を示す。**は Normal 群に,また,##$$Control 群に対する有意差を示す(**: P<0.01, ##: P<0.01, $$:P<0.01,Student の t 検定)。 (添付資料4.2.1.1-5,図 1 を改変) 2.6.2.2.1.5 血液 pH,重炭酸イオン濃度に対する作用 2.6.2.2.1.5.1 アデニン誘発 CKD ラット ··· 添付資料4.2.1.1-6 アデニン誘発CKD ラットを用いて,ビキサロマー又はセベラマー塩酸塩の血液 pH,重炭酸イ オン濃度に対する作用を検討した。 雄性Wistar ラットにアデニン硫酸塩 600 mg/kg を 10 日間経口投与した。その 8 日後に頸動脈に カニューレを挿入し背部に留置した。更に3 日経過後からビキサロマー又はセベラマー塩酸塩の いずれも3%混餌投与を 8 日間行い,投与後 4,7 日に無麻酔下でカニューレより動脈血を採取し た。 投与後4 日において病態対照群(Control)の血液 pH,重炭酸イオン及び塩素イオン濃度は,正 常群(Normal)と比較して有意に低下し,血液アニオンギャップは,Normal 群と比較して有意に 増加した。投与後7 日において,Control 群の血液重炭酸イオン濃度は Normal 群に比較して有意 に低下し,血液pH 及びアニオンギャップは Normal 群と比較してそれぞれ低下傾向,増加傾向を 示した。ビキサロマーは,Control 群で低下した血液 pH 及び血液重炭酸イオン濃度を改善した。 セベラマー塩酸塩には,このような作用は認められなかった。セベラマー塩酸塩は血液塩素イオ

(18)

ン濃度を有意に増加させたが,ビキサロマー投与では変化が認められなかった。なお,ビキサロ マー及びセベラマー塩酸塩はControl 群で上昇した血漿リン濃度を有意に低下させた(図 2.6.2-12, 表2.6.2-2)。 7.25 7.35 7.45 7.55 7.65 * Normal Control 3% 3% セベラマー塩酸塩 ビキサロマー 血 液 p H 0 10 20 30 40 * # Normal Control 3% 3% セベラマー塩酸塩 ビキサロマー 血 液 重 炭 酸 イ オ ン (m m ol /L )

(A)

(B)

(C)

(D)

Day 4

Day 7

7.25 7.35 7.45 7.55 7.65 # Normal Control ビキサロマー セベラマー塩酸塩 3% 3% 血 液 p H 0 10 20 30 40 ** Normal Control ビキサロマー セベラマー塩酸塩 3% 3% 血 液 重 炭 酸 イ オ ン (m m ol /L ) 図2.6.2-12 アデニン誘発 CKD ラットにおけるビキサロマー及びセベラマー塩酸塩の(A)血液 pH(Day 4),(B)血液 pH(Day 7),(C)血液重炭酸イオン濃度(Day 4),(D)血液 重炭酸イオン濃度(Day 7)に対する作用

例数は,Day 4 は,正常群(Normal)は 4 例,病態対照群(Control)は 7 例,ビキサロマー投与群は 5 例,セベラ マー塩酸塩投与群は8 例。Day 7 は,Normal 群は 4 例,Control 群は 3 例,ビキサロマー投与群は 4 例,セベラマー 塩酸塩投与群は4 例。値は平均値±標準誤差を示す。*,**は Normal 群に,また,#Control 群に対する有意差を

示す(*: P<0.05,**:P<0.01,#: P<0.05,Student の t 検定)。

(19)

表2.6.2-2 アデニン誘発 CKD ラットにおけるビキサロマー及びセベラマー塩酸塩の血液及び血漿 パラメーターに対する作用(投与後4 日,7 日) Day 4 Day 7 P (mg/dL) AG (mmol/L) Cl -(mmol/L) P (mg/dL) AG (mmol/L) Cl -(mmol/L) Normal 5.38 ± 0.12 10.9 ± 1.2 101.5 ± 1.0 5.81 ± 0.04 15.9 ± 0.3 98.3 ± 0.5 Control 12.74 ± 1.21** 20.1 ± 2.2* 96.4 ± 0.8** 12.38 ± 1.89** 21.1 ± 2.7 95.7 ± 2.7 ビキサロマー 6.15 ± 0.63## 18.2 ± 1.4 96.0 ± 1.7 4.65 ± 0.25## 14.2 ± 1.3 95.8 ± 1.2 セベラマー塩酸塩 4.70 ± 0.24$$$ 19.0 ± 1.7 103.5 ± 0.6$$$ 4.10 ± 0.38$$ 17.9 ± 2.4 102.5 ± 0.9$ P:リン,AG:アニオンギャップ,Cl-:塩素イオン

例数は,Day 4 は,正常群(Normal)は 4 例,病態対照群(Control)は 7 例,ビキサロマー投与群は 5 例,セベラ マー塩酸塩投与群は8 例。Day 7 は,Normal 群は 4 例,Control 群は 3 例,ビキサロマー投与群は 4 例,セベラマー 塩酸塩投与群は4 例。値は平均値±標準誤差を示す。*,**は Normal 群に,また,##$$$$$$Control 群に対す

る有意差を示す(*: P<0.05,**: P<0.01,##: P<0.01,$:P<0.05,$$:P<0.01,$$$:P<0.001,Student の t 検定)。

(20)

2.6.2.2.2 吸着特性

2.6.2.2.2.1 リン吸着能

2.6.2.2.2.1.1 吸着特性 ··· 添付資料4.2.1.1-7 種々の濃度のリン酸溶液における,ビキサロマーのリン酸吸着特性を検討した。

リン酸濃度0.5,1,2,5,10,20,40,及び 60 mmol/L を含む 100 mmol/L MES 溶液とビキサ ロマー(1 mg/mL)を混和し,37°C で 30 分間振とうした。上清中のリン酸濃度を非結合リン酸濃 度(Ppost)として測定した。ビキサロマーと混和する前の溶液のリン酸濃度(Ppre)と(Ppost)か

ら,リン酸吸着能(q)を算出した。(Ppost)に対して(q)をプロットし,以下の Hill 吸着等温式

に対する非線形回帰により,最大吸着能(Qmax),吸着定数(k)及び Hill 係数(n)を算出した(図

2.6.2-13)。最大吸着能,吸着定数及び Hill 係数の平均値及び 95%信頼区間はそれぞれ,6.49 (5.70-7.29) mmol/g,2.72(0.58-4.86) (mmol/L)-1,及び0.49(0.34-0.64)であった。

吸着能 = (Ppre-Ppost)/polymer

Hill の吸着等温式:

 

 

n post n n post n max

P

k

1

P

k

Q

q(mmol/g)

0

20

40

60

0

2

4

6

8

非結合のリン酸濃度

(mmol/L)

(m

m

ol

/g

)

図2.6.2-13 ビキサロマーのリン酸吸着のHill プロット 図中の各点は,triplicate の各値を表す。 (添付資料4.2.1.1-7,図 3 を改変)

(21)

2.6.2.2.2.1.2 pH の影響 ··· 添付資料4.2.1.1-8(参) リン酸濃度20 mmol/L を含む各種緩衝液(pH 3.5-10.1)とビキサロマー(2.5 mg/mL)を,室温 で1 時間振とうし,上清中のリン濃度を測定した。上清中及びビキサロマーと混和する前の溶液 のリン濃度から,リン酸吸着量を算出した。 ビキサロマーのリン酸溶液中のリン酸吸着能はpH 4~6 では pH 上昇とともに増加し,pH 6 付 近で最大に至った(pH 6.09 のとき 4.32 mmol/g)。pH 6~10 では pH の上昇に伴って吸着能は低下 し,pH 10.1 ではほとんどリン酸吸着は認められなかった(図 2.6.2-14)。

4

5

6

7

8

9

10

11

-1

0

1

2

3

4

5

Formate

MES

HEPES

CHES

pH

(

m

m

ol

/g

)

図2.6.2-14 様々なpH の緩衝液におけるリン酸吸着能 各点は,平均値±標準偏差を示す(n=1~2)。各 pH における反応には以下の緩衝液を用いた。pH3.5~5.5:ギ酸 (formate)緩衝液,pH5.9~6.7:MES(2-モルフォリノエタンスルホン酸)緩衝液,pH7.5~8.2:HEPES(2-[4-(2-ヒドロキシエチル)-1-ピペラジニル]エタンスルホン酸)緩衝液,pH9.1~10.1:CHES(2-シクロヘキシルアミノエ タンスルホン酸)緩衝液 (添付資料4.2.1.1-8,図 1 を改変) 2.6.2.2.2.1.3 無機イオンの影響 ··· 添付資料4.2.1.1-9 10 mmol/L 各陽イオン又は陰イオン及び 10 mmol/L リン酸を含む 100 mmol/L 緩衝液とビキサロ マー(1 mg/mL)を混和し,37°C で 30 分間振とうし,上清中のリン酸濃度を測定した。上清中及 びビキサロマーと混和する前の溶液のリン酸濃度から,リン酸吸着能を算出した。

陽イオン及び1 価の陰イオンはビキサロマーのリン酸吸着能にほとんど影響を与えなかった。2

(22)

表2.6.2-3 各種陽/陰イオンのリン酸吸着への影響 イオン種 各種イオン存在下 各種イオン非存在下 リン酸吸着能 (mmol/g) pH リン酸吸着能 (mmol/g) pH 陽イオン K+ 4.79 ± 0.03 6.21 4.65 ± 0.05 6.20 Na+ 4.72 ± 0.03 6.22 4.68 ± 0.07 6.19 Ca2+ 4.58 ± 0.02 5.75 4.49 ± 0.02 5.75 Mg2+ 3.99 ± 0.06 6.24 4.22 ± 0.01 6.20 Mn2+ 4.91 ± 0.02 4.99 4.85 ± 0.01 5.00 Fe2+ 3.59 ± 0.03 3.65 3.31 ± 0.05 3.68 Cu2+ 2.58 ± 0.02 3.43 2.67 ± 0.02 3.45 Zn2+ 4.07 ± 0.02 3.71 3.61 ± 0.03 3.77 Co2+ 5.05 ± 0.05 5.51 4.63 ± 0.02 5.57 1 価 陰イオン NO3- 4.39 ± 0.06 6.22 4.96 ± 0.03 6.26 I- 4.08 ± 0.03 6.26 Cl- 4.61 ± 0.03 6.23 2 価 陰イオン SO42- 1.83 ± 0.02 6.24 MoO42- 2.51 ±0.04 6.21 SeO42- 2.03 ± 0.02 6.27 CrO42- 2.30 ± 0.08 6.26 表中の各値は,triplicate の平均値±標準誤差を示す。 (添付資料4.2.1.1-9,表 2 を改変) 2.6.2.2.2.1.4 ブタ消化物(十二指腸吸引液)及びブタ消化酵素分解液におけるリン酸吸着作 用 ··· 添付資料 4.2.1.1-16(参) 標準流動食を正常ブタに摂取させた後,十二指腸より消化物(十二指腸吸引液)を採取した。 この消化物にビキサロマー又はセベラマー塩酸塩を最終濃度2.5 mg/mL になるように添加し,室 温で30 分振とう後に遠心した。上清中及びリン酸吸着剤と混和する前の消化物のリン酸濃度から, リン酸吸着能を算出した。また,標準流動食をpepsin,pancreatin,ブタ胆汁抽出物で消化分解し, ブタ消化酵素分解液を調製した。このブタ消化酵素分解液を用いて,ビキサロマー及びセベラマー 塩酸塩のリン酸吸着能を同様に検討した。 ビキサロマー及びセベラマー塩酸塩のブタ消化物におけるリン酸吸着能はそれぞれ,1.04 ± 0.02 及び1.24 ± 0.00 mmol/g であった。また,ビキサロマー及びセベラマー塩酸塩のブタ消化酵素分解 液におけるリン酸吸着能はそれぞれ,1.09 ± 0.02~1.19 ± 0.01,及び 1.45 ± 0.05 mmol/g であった。 2.6.2.2.2.1.5 ヒト消化物(空腸吸引液)におけるリン酸吸着作用 ··· ··· 添付資料 4.2.1.1-11(参) 標準流動食を健康成人に摂取させた後,空腸より消化物(空腸吸引液)を採取した。この消化 物にビキサロマー又はセベラマー塩酸塩を最終濃度2.5 mg/mL になるように添加し,室温で 2 時

(23)

間振とう後に遠心した。上清中及びリン酸吸着剤と混和する前のヒト消化物のリン酸濃度から, リン酸吸着能を算出した。 ビキサロマー及びセベラマー塩酸塩のリン酸吸着能はそれぞれ,1.6 及び 0.7 mmol/g であった (表2.6.2-4)。 表2.6.2-4 ヒト消化物(空腸吸引液)におけるビキサロマー及びセベラマー塩酸塩のリン酸吸着能 ビキサロマー セベラマー塩酸塩 リン酸吸着能 (mmol/g) 1.6 0.7 表中の各値は,duplicate 又は triplicate の平均値を示す。 (添付資料4.2.1.1-11,表を改変) 2.6.2.2.2.1.6 ヒト消化物類似組成液におけるリン酸吸着作用 ··· 添付資料 4.2.1.1-12(参) ヒト消化分解物と類似濃度のオレイン酸(30 mmol/L),タウロコール酸ナトリウム(5 mmol/L), クエン酸(1.5 mmol/L),リン酸(6.5 mmol/L)を含む MES 緩衝液(pH 6.2)にビキサロマー又は セベラマー塩酸塩を最終濃度2.5 mg/mL になるように添加し,室温で 2 時間振とう後遠心した。 上清中及びリン吸着剤と混和する前の溶液のリン酸濃度から,リン酸吸着能を算出した。 ビキサロマー及びセベラマー塩酸塩のリン酸吸着能はそれぞれ,1.45 ± 0.14 及び 0.74 ± 0.15 mmol/g であった(表 2.6.2-5)。 表2.6.2-5 ヒト消化物類似組成液におけるビキサロマー及びセベラマー塩酸塩のリン酸吸着能 ビキサロマー† セベラマー塩酸塩‡ リン酸吸着能 (mmol/g) 1.45 ± 0.14 0.74 ± 0.15 表中の各値は,平均値±標準偏差を示す。(†:n=8,‡:n=5) (添付資料4.2.1.1-12,表を改変) 2.6.2.2.2.2 尿中・糞中リン排泄作用 2.6.2.2.2.2.1 高リン食摂餌正常ラットにおける尿中・糞中リン排泄作用 ··· ··· 添付資料 4.2.1.1-13(参) SD ラットに高リン食(正常食に NaH2PO4を2%添加)を 7 日間(day 1~7)与えた。4 日目よ り0.3~9%のビキサロマー又は 3~9%のセベラマー塩酸塩を混餌投与(day 4~7)し,day 4~7 ま で24 時間ごとに尿,糞を採取した。 尿中リン排泄量はday 4~7 のサンプルを,糞中リン排泄量は day 5~7 のサンプルを測定した。 ビキサロマー及びセベラマー塩酸塩は非投与群に比較して,用量に応じて尿中リン排泄量を減少 させ,糞中リン排泄量を増加させた。これらの作用は同濃度の混餌量では同程度であった(図 2.6.2-15,図 2.6.2-16)。

(24)

非投与 3% 9% 0.3% 1% 3% 9% セベラマー塩酸塩 ビキサロマー 尿 中 リ ン 排 泄 量 (m g/ d ay ) 図2.6.2-15 高リン食摂餌正常ラットにおけるビキサロマー及びセベラマー塩酸塩の尿中リ ン排泄作用 Day 4~7 に 24 時間ごとに尿を採取し,尿中リン濃度を測定し,day 4~7 の平均値を算出した。例数は,全群 7 例。 各値は平均値±標準偏差を示す。*,**は非投与群に対する有意差を示す(*: P<0.05,**: P<0.01,一元配置分散分 析を行い,その後Dunnett の多重比較検定を行った)。 (添付資料4.2.1.1-13,図 2 を改変) 非投与 3% 9% 0.3% 1% 3% 9% セベラマー塩酸塩 ビキサロマー 糞 中 リ ン 排 泄 量 (m m ol /d ay ) 図2.6.2-16 高リン食摂餌正常ラットにおけるビキサロマー及びセベラマー塩酸塩の糞中リ ン排泄作用 Day 4~7 に 24 時間ごとに糞を採取し,糞中リン濃度を測定し,day 5~7 の平均値を算出した。例数は,全群 7 例。 各値は平均値±標準偏差を示す。*,**は非投与群に対する有意差を示す(*: P<0.05,**: P<0.01,一元配置分散分 析を行い,その後Dunnett の多重比較検定を行った)。 (添付資料4.2.1.1-13,図 3 を改変)

(25)

2.6.2.2.2.3 胆汁酸,無機イオン,リン酸以外の陰イオン吸着作用

2.6.2.2.2.3.1 胆汁酸吸着作用 ··· 添付資料 4.2.1.1-10 種々の濃度の胆汁酸溶液における,ビキサロマーの胆汁酸吸着特性を検討した。

胆汁酸濃度1,5,10,15,及び 30 mmol/L を含む 100 mmol/L MES 溶液とビキサロマー又はセ ベラマー塩酸塩(1 mg/mL)を混和し,37°C で 24 時間振とうした。上清中の胆汁酸濃度を非結合 胆汁酸濃度(Ppost)として測定した。ビキサロマー又はセベラマー塩酸塩と混和する前の胆汁酸濃

度(Ppre)と(Ppost)から,胆汁酸吸着能(q)を算出した。(Ppost)に対して(q)をプロットし,

以下のHill 吸着等温式に対する非線形回帰により,最大吸着能(Qmax)を算出した。ビキサロマー のグリココール酸,タウロコール酸,グリコデオキシコール酸,タウロデオキシコール酸,グリ コケノデオキシコール酸,タウロケノデオキシコール酸に対する最大吸着能の平均値及び95%信 頼区間はそれぞれ,4.65(4.58~4.72),4.67(4.51~4.84),3.94(3.78~4.09),5.24(4.96~5.51), 3.91(3.74~4.08),3.77(3.55~3.98) mmol/g であった。セベラマー塩酸塩の各種胆汁酸に対す る最大吸着能の平均値及び95%信頼区間はそれぞれ,10.90(10.25~11.54),11.02(10.41~11.63), 10.04(9.49~10.60),12.32(11.43~13.20),9.61(9.21~10.01),9.68(9.19~10.17) mmol/g で あった(表2.6.2-6)。

吸着能 = (Ppre–Ppost)/polymer 濃度

Hill の吸着等温式:

 

 

n post n n post n max

P

k

1

P

k

Q

q(mmol/g)

表2.6.2-6 ビキサロマー及びセベラマー塩酸塩の各種胆汁酸に対する最大吸着能 胆汁酸† 最大吸着能 (mmol/g) GC TC GDC TDC GCDC TCDC ビキサロマー [4.58-4.72]4.65 [4.51-4.84]4.67 [3.78-4.09]3.94 [4.96-5.51]5.24 [3.74-4.08]3.91 [3.55-3.98]3.77 セベラマー塩酸塩 [10.25-11.54]10.90 [10.41-11.63]11.02 [9.49-10.60]10.04 [11.43-13.20]12.32 [9.21-10.01]9.61 [9.19-10.17]9.68 胆汁酸†:GC:グリココール酸,TC:タウロコール酸,GDC:グリコデオコシコール酸,TDC:タウロデオキシ コール酸,GCDC:グリコケノデオキシコール酸,TCDC:タウロケノデオキシコール酸 Hill 吸着等温式を用いた非線形回帰により算出した最大吸着能を示す。各値は,3 試行の平均値を表す。[ ]内の数 字は95%信頼区間を示す。 (添付資料4.2.1.1-10,表 1,2 を改変) 2.6.2.2.2.3.2 無機イオン吸着作用 ··· 添付資料4.2.1.1-9 10 mmol/L 各陽イオン又は陰イオンを含む 100 mmol/L 緩衝液とビキサロマー(1 mg/mL)を混 和し,37°C で 30 分間振とうし,上清中及びビキサロマーと混和する前の溶液のイオン濃度から,

(26)

各イオン吸着能を算出した。加えて,各陽イオン又は陰イオン吸着能をリン酸(10 mmol/L)の存 在下においても測定し,リン酸吸着への影響を検討した。 ビキサロマーは,いずれの陽イオンもほとんど吸着しなかった。ビキサロマーは1 価の陰イオ ンをリン酸と同程度吸着したが,リン酸存在下では吸着能が大きく低下した。ビキサロマーは2 価の陰イオンをリン酸と同程度吸着し,リン酸存在下においても,その吸着能に変化は認められ なかった(表2.6.2-7)。 表2.6.2-7 各種陽/陰イオンの吸着能(リン酸非存在下又はリン酸存在下) イオン 種 各種イオン溶液 リン酸(10 mmol/L)存在下 イオン吸着能 (mmol/g) pH イオン吸着能 (mmol/g) pH 陽イオン K+ -0.11 ± 0.02 6.21 -0.03 ± 0.03 6.21 Na+ 0.01 ± 0.06 6.21 0.04 ± 0.05 6.22 Ca2+ -0.01 ± 0.01 6.22 -0.09 ± 0.04 5.75 Mg2+ 0.01 ± 0.05 6.22 -0.15 ± 0.05 6.24 Mn2+ -0.20 ± 0.09 6.21 -0.01 ± 0.07 4.99 Fe2+ 0.75 ± 0.06 5.16 0.71 ± 0.13 3.65 Fe3+ 1.51 ± 0.10 2.62 - -Cu2+ -0.23 ± 0.21 3.95 0.70 ± 0.11 3.43 Zn2+ -0.15 ± 0.04 5.33 0.38 ± 0.01 3.71 Co2+ -0.12 ± 0.02 6.21 0.16 ± 0.08 5.51 1 価 陰イオン NO3- 3.78 ± 0.05 6.22 0.66 ± 0.06 6.22 I- 4.95 ± 0.02 6.22 1.71 ± 0.27 6.26 Cl- 3.24 ± 0.09 6.22 0.34 ± 0.18 6.23 2 価 陰イオン SO42- 4.60 ± 0.03 6.29 4.07 ± 0.05 6.24 MoO42- 6.14 ± 0.03 6.30 5.20 ± 0.09 6.21 SeO42- 4.68 ± 0.02 6.30 3.01 ± 0.00 6.27 CrO42- 8.10 ± 0.08 6.30 6.20 ± 0.02 6.26 リン酸 (参考値) HPO4 2- 4.96 ± 0.03 6.26 - -各値は,triplicate の平均値±標準誤差を示す。 (添付資料4.2.1.1-9,表 1 を改変) 2.6.2.2.2.3.3 ヒト消化物(空腸吸引液)におけるリン酸以外の陰イオン吸着作用 ··· ... 添付資料4.2.1.1.-11(参) 標準流動食を健康成人に摂取させた後,空腸より消化物(空腸吸引液)を採取した。この消化 物にビキサロマー又はセベラマー塩酸塩を最終濃度2.5 mg/mL になるように添加し,室温で 2 時 間振とう後に遠心した。上清中及びリン吸着剤と混和する前のヒト消化物の各種陰イオン濃度か ら,各種陰イオン吸着能を算出した。

(27)

ビキサロマーのリン酸に比較して分子量の大きなクエン酸,胆汁酸,脂肪酸及びリン脂質に対 する吸着能はそれぞれ,0.32,<0.2,<0.1 及び 0.03 mmol/g であった。一方,セベラマー塩酸塩 の吸着能はそれぞれ,0.39,1.5,7 及び 0.19 mmol/g であった(表 2.6.2-8)。 表2.6.2-8 ヒト消化物(空腸吸引液)におけるビキサロマー及びセベラマー塩酸塩のリン酸以外の 陰イオン吸着能 陰イオン ビキサロマーの吸着能 (mmol/g) セベラマー塩酸塩の吸着能 (mmol/g) クエン酸 0.32 0.39 胆汁酸 <0.2 1.5 脂肪酸 <0.1 7 リン脂質 0.03 0.19 表中の各値は,duplicate 又は triplicate の平均値を示す。 (添付資料4.2.1.1-11,表を改変) 2.6.2.2.2.4 高リン食摂餌正常ラットにおける糞中胆汁酸・脂肪酸排泄作用··· ··· 添付資料 4.2.1.1-13(参) SD ラットに高リン食(正常食に NaH2PO4を2%添加)を 7 日間(day 1~7)与えた。4 日目よ り0.3~9%のビキサロマー又は 3~9%のセベラマー塩酸塩を混餌投与(day 4~7)し,day 4~7 ま で24 時間ごとに尿,糞を採取した。

糞中胆汁酸はday 6 及び day 7 のサンプルを,糞中脂肪酸は day 6 のサンプルを測定した。ビキ サロマーは非投与群に比較して,糞中胆汁酸排泄にはいずれの用量でも影響を与えなかったが, 糞中脂肪酸排泄は最高用量(9%)においてのみ有意な増加が認められたが,その程度は軽度であっ た。一方,セベラマー塩酸塩は糞中胆汁酸排泄及び糞中脂肪酸排泄を用量に応じて増加させた(図 2.6.2-17,図 2.6.2-18)。

(28)

非投与 3% 9% 0.3% 1% 3% 9% セベラマー塩酸塩 ビキサロマー ***P<0.001 糞 中 胆 汁 酸 排 泄 量 (m g/ d ay ) 図2.6.2-17 高リン食摂餌正常ラットにおけるビキサロマー及びセベラマー塩酸塩の糞中胆 汁酸排泄作用 Day 4~7 に 24 時間ごとに糞を採取し,糞中胆汁酸濃度を測定し,day 6 及び 7 の平均値を算出した。例数は, 全群7 例。各値は平均値±標準偏差を示す。***は非投与群に対する有意差を示す(***: P<0.001,一元配置分散分 析を行い,その後Dunnett の多重比較検定を行った)。 (添付資料 4.2.1.1-13,図 4 を改変) 非投与 3% 9% 0.3% 1% 3% 9% セベラマー塩酸塩 ビキサロマー 糞 中 脂 肪 酸 排 泄 量 (m g/ d ay ) 図2.6.2-18 高リン食摂餌正常ラットにおけるビキサロマー及びセベラマー塩酸塩の糞中脂 肪酸排泄作用 Day 4~7 に 24 時間ごとに糞を採取し,day 6 の糞中脂肪酸濃度を測定した。図中の例数は,全群 7 例。各値は平 均値±標準偏差を示す。*,**は非投与群に対する有意差を示す(*: P<0.05,**: P<0.01,一元配置分散分析を行い, その後Dunnett の多重比較検定を行った)。 (添付資料4.2.1.1-13,図 5 を改変)

(29)

2.6.2.2.3 浸潤可能最大分子量

2.6.2.2.3.1 ビキサロマー及びセベラマー塩酸塩の浸潤可能最大分子量 添付資料4.2.1.1-14 200~500 mg 程度のビキサロマー又はセベラマー塩酸塩を正確に秤量し,サイズの異なるプロー ブ(PEG 又は PEO)溶液と混合し,4 日間攪拌した。攪拌後の溶液からフィルターを用いてポリ マーを分離し,濾液中のプローブ濃度を測定した。また,ポリマーと混合前のプローブ溶液の濃 度についても測定した。 これらの濃度から,以下の式1 及び式 2 を用いて,プローブが浸潤し得る細孔の体積(浸潤可 能細孔度率)を算出した。浸潤可能細孔度率と用いたPEG の分子量の関係から浸潤可能最大分子 量を求めた。 ビキサロマー及びセベラマー塩酸塩のポリマー内に浸潤可能な最大分子量はそれぞれ,200 及 び1200 Da であった(表 2.6.2-9)。 Vna= msw+

sw after before

m

P

C

C

V

1

式1 msw:ポリマーが吸収した水分重量 Cbefore:緩衝液のみポリマーの細孔に入り込んだときのポリマーの外部に存在するプローブ濃度 Cbefore= C0・

P

m

V

V

sw

C0:調製したときのプローブ濃度 Cafter:反応後の上清中のプローブ濃度 V:ポリマーに添加する緩衝液量 P:ポリマー重量 V/P はすべての実験で,ビキサロマーの場合:5 mL/g,セベラマー塩酸塩の場合:15 mL/g 浸潤可能細孔度率 =

max

1

max PEG na na na na

V

V

V

V

・100 式 2 max na

V

:総細孔体積 1 PEG na

V

:最小のプローブ(101Da の PEG(PEG1))を使用したとき,プローブが浸潤可能なポ リマーの細孔の体積 表2.6.2-9 ビキサロマー及びセベラマー塩酸塩の浸潤可能最大分子量 ビキサロマー セベラマー塩酸塩 浸潤可能最大分子量 (Da) 200 1200 表中の各値は,duplicate の平均値を示す。 (添付資料4.2.1.1-14)

(30)

2.6.2.2.4 膨潤指数

2.6.2.2.4.1 ビキサロマー及びセベラマー塩酸塩の膨潤指数 ··· 添付資料 4.2.1.1-14 約2 g のビキサロマー又はセベラマー塩酸塩を正確に秤量し, 40 mL の水を添加し,室温で 2 時 間撹拌した。その後,約1 g の,水分を含んだビキサロマー又はセベラマー塩酸塩を正確に秤量 し,130°C で乾燥させた。乾燥により失われた重量を水分吸収量とした。ビキサロマー若しくは セベラマー塩酸塩1 g あたりの水分吸収量(g)を膨潤指数とした。 ビキサロマー及びセベラマー塩酸塩の膨潤指数はそれぞれ,2.15,8.10 水(g)/ポリマー(g) であった(表2.6.2-10)。 表2.6.2-10 ビキサロマー及びセベラマー塩酸塩の膨潤指数 ビキサロマー セベラマー塩酸塩 膨潤指数 (水(g)/ポリマー(g)) 2.15 8.10 表中の各値は,duplicate の平均値を示す。 (添付資料4.2.1.1-14,表 2 を改変)

2.6.2.3 副次的薬理試験

副次的薬理試験に該当する試験は実施しなかった。

2.6.2.4 安全性薬理試験

安全性薬理試験は,コアバッテリー試験及び補足的安全性薬理試験いずれも,安全性薬理試験 ガイドラインに準拠し,医薬品の安全性に関する非臨床試験の実施の基準(GLP)適合試験とし て実施した。

2.6.2.4.1 コアバッテリー試験

2.6.2.4.1.1 中枢神経系に及ぼす影響 ··· 添付資料4.2.1.3-1 ビキサロマーを0.5%カルボキシメチルセルロース水溶液に懸濁し,100,800 及び 6000 mg/kg の投与量で1 群雄 6 例の Wistar ラットに単回経口投与した。対照群には 0.5%カルボキシメチルセ ルロース水溶液を同様の方法で投与した。Irwin の方法を用いて投与後 0.5,1,2,4 及び 6 時間に 一般状態及び行動を観察した。 いずれの投与量においても一般状態及び行動への影響は認められなかった。 2.6.2.4.1.2 呼吸器系に及ぼす影響 ··· 添付資料4.2.1.3-2 ビキサロマーを0.5%カルボキシメチルセルロース水溶液に懸濁し,100,800 及び 6000 mg/kg の投与量で1 群雄 6 例の Wistar ラットに単回経口投与した。対照群には 0.5%カルボキシメチルセ

(31)

ルロース水溶液を同様の方法で投与した。一回換気量,呼吸数及び分時換気量を投与前約1 時間 から投与後4 時間まで測定した。測定はホールボディプレチスモグラフィ法を用いた。 100 及び 800 mg/kg 群において一回換気量,呼吸数及び分時換気量への影響は認められなかった。 6000 mg/kg 群において呼吸数の減少傾向,あるいは一回換気量の統計学的に有意な増加が認めら れたが,いずれも軽度な変化であり,生物学的意義はないと判断された。 2.6.2.4.1.3 心血管系に及ぼす影響 ··· 添付資料4.2.1.3-3 ビキサロマーを0.5%カルボキシメチルセルロース水溶液に懸濁し,2000 mg/kg の投与量で雄 4 例のビーグル犬に単回経口投与した。対照群には0.5%カルボキシメチルセルロース水溶液を同様 の方法で投与した。無麻酔下にテレメトリーシステムにより,投与前,投与後30 及び 45 分,1 から12 時間まで 1 時間おきに血圧,心拍数及び心電図を測定した。また,投与後 1,2 及び 4 時 間に一般状態を観察した。投与はラテン方格デザインにより,7 日間以上の間隔で 4 回のセッショ ンに分けて実施したが,2 回目のセッションの投与が適切に行われたことが立証できなかったた め,当該セッションを評価から除外し,残る3 回のセッションを用いて評価した。 2000 mg/kg 群において血圧,心拍数及び心電図に変化は認められなかった。 なお,ビキサロマーは経口投与により生体内に吸収されないため,in vitro において心血管系に 対する影響を検討する試験は実施しなかった。

2.6.2.4.2 補足的安全性薬理試験

2.6.2.4.2.1 胃腸管系に及ぼす影響 ··· 添付資料4.2.1.3-4 ビキサロマーを0.5%カルボキシメチルセルロース水溶液に懸濁し,100,800 及び 6000 mg/kg の投与量で1 群雄 5 あるいは 6 例の Wistar ラットに単回経口投与した。対照群には 0.5%カルボキ シメチルセルロース水溶液を,陽性対照群には0.5%カルボキシメチルセルロース水溶液に溶解し た75 mg/kg のモルヒネを同様の方法で投与した。投与後 1 時間に生理食塩液に懸濁した 5%活性 炭を経口投与し,活性炭投与後25 分に小腸を摘出して活性炭の移動距離を測定した。また,同時 に内容物を含む胃の重量を測定した。 6000 mg/kg 群において内容物を含む胃重量の増加が認められたが,この変化は投与した大量の 薬物量及び投与液の粘度を反映した結果と考えられた。いずれの投与量においても,胃腸管輸送 能への影響は認められなかった。75 mg/kg モルヒネを投与した陽性対照群では,活性炭の移動距 離の減少と内容物を含む胃重量の増加が認められた。

2.6.2.5 薬力学的薬物相互作用試験

薬力学的薬物相互作用試験に該当する試験は実施しなかった。

表 2.6.2- 1 略号及び用語の定義一覧
表 2.6.2-2 アデニン誘発 CKD ラットにおけるビキサロマー及びセベラマー塩酸塩の血液及び血漿 パラメーターに対する作用(投与後 4 日,7 日) Day 4 Day 7 P (mg/dL) AG (mmol/L) Cl  -(mmol/L) P (mg/dL) AG (mmol/L) Cl  -(mmol/L) Normal 5.38 ± 0.12 10.9 ± 1.2 101.5 ± 1.0 5.81 ± 0.04 15.9 ± 0.3 98.3 ± 0.5 Control 12.74 ± 1.
表 2.6.2-3 各種陽/陰イオンのリン酸吸着への影響 イオン種 各種イオン存在下 各種イオン非存在下 リン酸吸着能 (mmol/g) pH リン酸吸着能(mmol/g) pH 陽イオン K + 4.79 ± 0.03 6.21 4.65 ± 0.05 6.20Na+4.72 ± 0.036.224.68 ± 0.076.19Ca2+4.58 ± 0.025.754.49 ± 0.025.75Mg2+3.99 ± 0.066.244.22 ± 0.016.20Mn2+4.91 ± 0.024.994.85

参照

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