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Vol.26 , No.1(1977)075増田 英男「華厳教学における「無礙」の解釈の問題点 (二)」

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Academic year: 2021

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(1)

(二)

前 回 は 事 事 無 擬 の 究 極 と も い う べ き ﹁ 主 伴 具 足 ﹂ に つ い て 考 察 し た が、 今 回 は 事 事 無 擬 ・ 理 事 無 磯 の 全 体 に 通 ず る ﹁ 相 即 相 入 ﹂ を 取 り あ げ て、 そ の 解 釈 を め ぐ る 問 題 点 を 検 討 し た い と 思 う。 ﹁ 相 即 相 入 ﹂ と は 無 擬 を 本 体 的 側 面 と 作 用 的 側 面 と に 分 け た も の で あ る。 即 ち 相 異 差 別 ・ 対 立 矛 盾 の 関 係 に あ る 一 切 法 が、 そ の ま ま で 本 体 的 に は 互 に 融 即 し て 即 同 一 味 ・ 不 二 一 体 で あ り ( 相 即)、 ま た 作 用 的 に は 互 に 融 通 し て 一 方 が 他 方 を 包 み 他 方 が 一 方 の 中 に 入 る と と も に、 逆 に 他 方 が 一 方 を 包 摂 し 一 方 が 他 方 に 帰 入 し て ( 相 入) 全 く 無 磯 自 在 で あ る と い う こ と で あ る。 こ の そ の ま ま で と い う こ と が 大 事 な 所 で、 つ ま り 何 ら の 手 続 き も 媒 介 も 経 ず、 何 ら の 変 革 も 進 展 も 要 せ ず、 差 別 対 立 が 差 別 対 立 の ま ま で 直 ち に 即 同 無 擬 ・ 摂 入 無 礫 で あ る と い う こ と、 即 ち 差 別 対 立 と 相 即 相 入 と は 全 く 非 過 程 的 同 時 円 成 的 に 一 つ で あ る と い う こ と、 こ こ に 相 即 相 入 の 本 質 的 意 味 が あ る。 こ の よ う な 対 立 即 無 擬 と し て の 相 即 相 入 の 原 理 は、 も と も と 論 理 的 思 弁 的 な 分 析 推 論 の 結 果 で は な く、 論 理 思 弁 を 超 え た 体 験 的 覚 証 に 基 づ く も の、 い わ ゆ る 海 印 三 昧 同 時 嫡 現 の 法 に ほ か な ら ず、 こ れ を 幽 玄 壮 大 な 文 学 的 表 現 を も つ て 直 接 に 描 写 し た の が 華 厳 経 に ほ か な ら ぬ。 華 厳 教 学 も ま た 相 即 相 入 の 同 時 円 成 を 説 き、 そ の 行 的 実 践 的 な 観 法 を 重 ん ず る が、 一 面 に お い て こ れ を 種 々 の 角 度 か ら 分 類 組 織 し、 さ ら に こ れ が 成 立 し 得 る 理 由 を 知 的 教 理 的 に 解 明 せ ん と し て 論 理 的 思 弁 的 な 分 析 推 論 を 展 開 す る。 し か し 分 析 推 論 に よ る 解 釈 は 必 然 種 々 の 問 題 を 孕 ん で く る の で あ る。 ﹁ 相 即 相 入 ﹂ の 論 理 的 解 釈 は 法 蔵 の 教 学 が 最 も 詳 し い。 即 ち ﹃ 五 教 章 ﹄ に お い て は、 十 玄 縁 起 無 擬 法 門 に つ き ﹁ 縁 に 随 い 因 に 約 し て 教 義 を 弁 ず る ﹂ の 初 に、 十 数 の 喩 を 用 い つ つ 相 ( 1 ) 即 相 入 の 理 を 解 説 し、 ﹃ 探 玄 記 ﹄ 巻 一 に お い て は、 十 玄 門 を 喩 説 し た 後 に ﹁ 無 擬 の 十 由 ﹂ を あ げ、 そ の 第 一 の ﹁ 縁 起 相 由 故 ﹂ の 条 に つ い て 更 に 十 義 を 説 く 中 に 相 即 相 入 の 理 を 詳 説 し ( 2 ) て い る。 い ず れ も 同 体 と 異 体 と に 分 け て 説 い て い る が、 相 即 相 入 を 可 能 な ら し め る 理 由 根 拠 を 解 説 す る 論 理 そ の も の は 両 華 厳 教 学 に お け る ﹁ 無 凝 ﹂ の 解 釈 の 問 題 点 ( 二) ( 増 田)

(2)

-291-華 厳 教 学 に お け る ﹁ 無 擬 ﹂ の 解 釈 の 問 題 点 ( 二) ( 増 田) 者 に 共 通 で あ る。 そ れ は 縁 起 の 各 項 に お け る 体 ( 本 体) の 空 有 と 用 ( 作 用) の 有 力 無 力 と を 取 り あ げ、 体 の 空 有 に よ つ て 相 即 を、 用 の 有 力 無 力 に よ つ て 相 入 を 解 明 せ ん と す る も の で あ る。 ま ず 体 の 空 有 に つ い て は、 自 が も し 空 な る と き は 他 は 必 ず 有 と な つ て 自 は 他 に 即 し、 逆 に 自 が も し 有 な る と き は 他 は 必 ず 空 と な つ て 他 が 自 に 即 す る。 自 他 が 共 に 有 な る こ と も 共 に 空 な る こ と も 論 理 上 不 可 能 で あ る か ら、 自 他 は 必 ず 交 互 に 有 と な り 空 と な つ て こ こ に 相 即 の 義 が 成 り 立 つ。 次 に 用 の 有 力 無 力 に つ い て は、 自 が も し 有 力 な る と き は 自 が 能 動 者 と な つ て 他 を 成 ず る に よ り、 他 は 無 力 と な つ て 自 に 摂 せ ら れ 自 中 に 入 り、 逆 に 自 が 無 力 な る と き は 自 は 受 身 と な つ て 他 に 成 ぜ ら れ る に よ り、 他 が 有 力 と な り 能 動 者 と な つ て 自 を 摂 し 自 は 他 中 に 入 る。 自 他 が 共 に 有 力 な る こ と も 共 に 無 力 な る こ と も 論 理 上 許 さ れ な い か ら、 自 他 は 必 ず 交 互 に 有 力 と な つ た り 無 力 と な つ た り し て こ こ に 相 入 の 義 が 成 立 す る。 自 と 他 と の 間 に お け る 如 く 一 と 多 と の 間 に お い て も 全 く 同 様 で あ る。 か く て 一 切 法 が 本 体 上 有 と な つ た り 空 と な つ た り、 作 用 上 有 力 と な つ た り 無 力 と な つ た り、 交 互 に 入 れ 代 る こ と に よ つ て 相 即 相 入 が 成 立 す る と い う の で あ る。 つ ま り こ の 論 法 は、 一 切 法 が あ た か も 交 互 に 上 下 隠 顕 す る 釣 瓶 の 二 つ の 水 桶 の 如 く、 一 方 が 有 な ら ば 他 方 は 空、 一 方 が 有 力 な ら ば 他 方 は 無 力 と い う 具 合 に 相 互 交 代 的 関 係 に あ る こ と を 説 き、 こ の 有 と 空、 有 力 と 無 力 の 相 互 交 代 的 な 相 対 論 理 に よ つ て 相 即 相 入 の 理 を 解 説 せ ん と す る も の で あ る。 と こ ろ で 相 即 相 入 に お け る こ の 相 互 交 代 論 理 の 背 後 に は、 そ の 法 理 的 根 源 と し て ﹁ 縁 起 因 門 六 義 法 ﹂ が あ り、 さ ら に そ の 背 後 に は 因 果 法 則 に 関 す る ﹁ 四 不 生 ﹂ の 論 理 が あ る。 四 不 生 -即 ち 不 自 生 ・ 不 他 生 ・ 不 共 生 ・ 不 無 因 生 の 四 句 ( 3 ) は、 古 く 阿 含 経 に 十 二 縁 起 に 関 連 し て 説 か れ、 竜 樹 に よ つ て ( 4 ) 空 観 の 論 理 と し て そ の 否 定 的 側 面 が 強 調 せ ら れ、 無 著 ・ 世 親 等 に よ つ て 否 定 面 と 共 に 肯 定 的 側 面 が 開 示 せ ら れ た の で あ る (5 ) が、 華 厳 教 学 は こ れ を 引 き 継 ぎ つ つ 更 に こ れ を 論 理 化 し、 因 ( 自) と 縁 (他) と の 間 に 力 用 の 有 無 に よ る 全 奪 全 摂 的 相 関 関 係 と、 依 待 の 有 無 に よ る 相 資 相 応 的 相 関 関 係 と を 設 定 し ( 6 ) た。 ま ず 因 縁 全 奪 の 関 係 に つ い て は、 因 が 全 有 力 な る と き は 縁 は 必 ず 全 無 力 と な つ て 因 中 に 摂 せ ら れ ( 不 他 生)、 逆 に 縁 が 全 有 力 な る と き は 因 は 必 ず 全 無 力 と な つ て 縁 中 に 摂 せ ら れ る ( 不 自 生)。 も し 因 と 縁 と が 同 時 に 全 有 力 な ら ば ﹁ 因 の 果 と 縁 の 果 ﹂ と い う 二 つ の 果 が 生 じ て ﹁ 多 果 ﹂ の 不 合 理 を 犯 す こ と に な る か ら、 両 者 共 に 全 有 力 な る こ と は 論 理 上 許 さ れ ず ( 不 共 生)、 ま た 両 者 共 に 全 無 力 な ら ば 果 を 生 じ 得 な い か ら こ れ も 論 理 上 許 さ れ な い ( 不 無 因 生)。 次 に 因 縁 相 資 の 関 係 を 分 析 す る と、 因 の 立 場 か ら は 待 縁 と 不 待 縁 の 関 係 が 考 え ら れ、 縁 の 立 場 か ら は 待 因 と 不 待 因 の 関 係 が 考 え ら れ る。 こ れ

(3)

-292-ら の う ち 待 縁 ・ 待 因 は 因 と 縁 と が 互 に 相 別 れ 相 対 立 し つ つ 互 に 相 手 を 依 待 す る 相 資 相 応 の 関 係 で あ つ て ﹁ 異 体 ﹂ の 立 場 で あ り、 不 待 縁 ・ 不 待 因 は か か る 相 資 相 応 の 可 能 根 拠 と し て 因 中 に 縁 の 契 機 を 含 み 縁 中 に 因 の 契 機 を 含 む 一 面 の 存 す る 点 を 取 り 出 し て、 こ れ を 互 に 相 手 を 依 待 し な い 関 係 と し て 別 立 し た も の で あ つ て ﹁ 同 体 ﹂ の 立 場 で あ る。 さ て 以 上 の 如 く 分 析 へ せ ら れ た 因 縁 全 奪 と 因 縁 相 資 の 関 係 を、 因 の 立 場 を 中 心 と し て 綜 合 す る と、 因 の 有 力 と 無 力 ・ 待 縁 と 不 待 縁 の 組 み 合 せ と し て 四 通 り の 場 合 が 生 ず る が、 そ の う ち 因 無 力 不 待 縁 は 論 理 上 成 立 不 可 能 で あ る か ら 省 き、 残 り の 三 通 り ( 因 有 力 不 待 縁 ・ 因 有 力 待 縁 ・ 因 無 力 待 縁) に つ い て 更 に 因 の 体 を そ れ ぞ れ 空 と 有 と に 分 て ぱ 六 通 り の 定 式 が 成 立 す る。 こ れ が 即 ち 縁 起 因 門 六 義 法 で あ る。 以 上 の 如 く 体 の 空 有 と 用 の 有 力 無 力 の 相 互 交 代 に よ り ﹁ 相 即 相 入 ﹂ を 解 説 す る 論 法 は、 因 門 六 義 法、 の 成 立 過 程 に お い て、 と く に 因 と 縁 と の 有 力 無 力 を 説 く 因 縁 全 奪 の 論 理 の 中 に 展 開 せ ら れ、 根 源 的 に は 古 来 の 四 不 生 の 論 理 の 発 展 系 列 の 中 ( 7 ) か ら 生 れ て き た 考 え 方 で あ る。 こ の 考 え 方 は、 四 不 生 の 論 理 や 因 門 六 義 法 に 明 ら か に 見 ら れ る よ う な 四 句 分 別 的 な 分 析 論 理 で あ り、 形 式 的 合 理 性 に 貫 ぬ か れ た 悟 性 知 的 論 理 で あ つ て、 常 識 的 に は 解 り 易 い が、 い わ ば 華 厳 の 無 擬 法 界 を 単 な る 常 識 世 界 に 引 き 戻 し た よ う な も の で あ つ て、 無 擬 本 来 の 意 味 は す で に 失 わ れ て い る と 見 ね ば な ら ぬ。 華 厳 無 擬 の 本 質 的 意 味 は、 こ れ ま で の 発 表 で も 度 々 論 じ た 如 く、 絶 対 に 対 立 矛 盾 す る も の が そ の ま ま で 相 互 に 円 融 無 磯 で あ る と い う 点 に あ る。 こ こ で ま ず 何 よ り も 肝 要 な の は 絶 対 の 矛 盾 対 立 と い う こ と で あ る。 そ れ は あ た か も 両 刃 鋒 を 交 え た よ う な、 双 方 と も 一 歩 も 引 け ぬ 厳 し い 対 立 で あ る。 上 述 の 相 互 交 代 論 に 於 て 成 立 不 可 能 と さ れ た ﹁ 有 と 有 ﹂ な い し は ﹁ 有 力 と 有 力 ﹂ の 対 立 こ そ、 ま さ に 究 明 解 決 せ ら れ る べ き 肝 要 の 課 題 で な け れ ば な ら ぬ。 然 る に こ れ を ﹁ 一 方 有 な ら ば 他 方 は 空、 一 方 有 力 な ら ば 他 方 は 無 力 ﹂ と い う よ う に 相 互 に 交 代 し 得 る と す る な ら ば、 矛 盾 対 立 は 初 か ら 否 認 あ る い は 回 避 せ ら れ て い る こ と に な る。 ま た そ こ で は 対 立 す る 双 方 が、 先 後 時 を 異 に し て 互 に 交 代 出 没 す る の で あ る か ら、 こ れ に よ る 対 立 の 解 決 も 間 延 び の し た 先 後 的 過 程 的 な も の と な り、 華 厳 本 来 の 直 下 的 同 時 円 成 的 な 契 機 は 失 わ れ て し ま う。 畢 寛 こ れ は 本 来 体 験 的 覚 証 の 内 実 で あ る 華 厳 無 擬 の 真 理 を、 分 析 的 相 対 的 な 悟 性 知 の 論 理 に よ つ て 説 明 し よ う と す る 無 理 の 結 果 で あ ろ う。 更 に 注 意 す べ き こ と は、 相 互 交 代 論 に お い て 説 か れ る 空 と 有 ・ 無 力 と 有 力 と が 明 ら か に 相 対 的 概 念 で あ る と い う 点 で あ る。 即 ち 空 ( 無) は 有 の 単 な る 否 定 と し て、 有 に 対 立 す る 相 対 空 ( 無) で あ り、 有 は 空 ( 無) の 単 な る 否 定 と し て、 空 ( 無) に 対 立 す る 相 対 有 で あ る。 相 対 的 空 有 た る 以 上、 有 は 空 ( 無) に 華 厳 教 学 に お け る ﹁ 無 擬 ﹂ の 解 釈 の 問 題 点 ( 二) (増 田)

(4)

-293-華 厳 教 学 に お け る ﹁ 無 擬 ﹂ の 解 釈 の 問 題 点 ( 二) (増 田) 対 立 す る と と も に、 そ れ ぞ れ の 有 は 自 か ら の 有 性 を 固 執 し て 他 の 有 と 互 に 対 立 す る。 従 つ て 有 と 有 と の 対 立 は、 両 者 が 有 た る ま ま で は 解 消 せ ず、 一 方 が 有 た る 己 を 屈 し て 空 ( 無) と 成 ら ね ば な ら な い。 甲 が 有 な ら ば 乙 は 空 ( 無) に 成 り、 乙 が 有 な ら ば 甲 が 空 ( 無) に 成 る、 と い う 具 合 に 互 に 変 成 し 譲 り 合 う こ と が 必 要 と な り、 そ の 間 に 相 互 交 代 の 先 後 的 過 程 を 要 す る こ と と な る。 し か し か か る 相 対 的 空 有 観 を 超 え て、 有 即 空 ・ 空 即 有 と い う 真 空 妙 有 観 に 立 つ な ら ば、 対 立 す る 両 有 は 相 互 交 代 を 待 た ず そ の ま ま で 直 ち に 相 即 相 入 無 擬 自 在 た り 得 る で あ ろ う。 こ れ こ そ 華 厳 無 擬 の 本 旨 に か な う も の で あ り、 華 厳 教 学 の 相 即 相 入 論 の 中 に は、 簡 潔 な が ら こ の 消 息 を 伝 え る 文 も 含 ま れ て い る の で あ る。 例 え ば ﹃ 五 教 章 ﹄ に 異 体 相 即 相 入 を 説 く 中 に ﹁ 有 無 無 有 無 二 故、 是 故 常 相 即。 ⋮ ⋮ 有 ( 8 ) 力 無 力 無 力 有 力 無 二 故、 是 故 常 相 入。 ﹂ と あ り、 ﹃ 探 玄 記 ﹄ 巻 四 に 縁 起 相 由 を 説 く 中 に ﹁ 由 一二 一 縁 中 空 有 不 二 一故、 不 レ 壊 レ 自 而 即 レ 他。 ⋮ ⋮ 於 二 一 一 縁 中 幅各 由 二 有 力 無 力 不 二 一 故、 ( 9 ) 不 レ 壊 レ 在 レ 外 而 恒 相 入。 ﹂ と あ る の が そ れ で あ る。 こ の 説 き 方 考 え 方 は、 空 ( 無) を 有 無 の 対 立 を 超 え た 絶 対 の 空 と 見 る 真 空 観 に 立 脚 す る 立 場 で あ り、 般 若 経 以 来 の 真 空 観 に つ な が る 立 場 で あ る。 こ れ に 対 し、 相 互 交 代 的 相 即 相 入 論 の 考 え 方 は、 空 ( 無) を 有 と 対 立 す る も の と 見 る 相 対 空 観 に 立 脚 す る 立 場 で あ り、 般 若 経 さ か の ぼ つ て は 原 始 経 典 以 来 の 縁 起 空 観 に つ な が る 立 場 で あ る。 か く て 空 観 に 於 け る 二 つ の 立 場、 即 ち 相 対 空 観 (縁 起 空 観) と 絶 対 空 観 ( 真 空 観) と が、 華 厳 教 学 に 於 け る 無 擬 の 解 釈 の 中 の 二 つ の 考 え 方、 即 ち 相 互 交 代 的 な 相 対 無 擬 観 と 同 時 円 成 的 な 絶 対 無 擬 観 と を 導 き 出 す 根 源 的 前 提 と な つ て い る こ と が 洞 察 せ ら れ る の で あ る が、 こ の 無 擬 の 根 拠 と し て の 空 観 の 問 題 に つ い て は、 次 回 以 後 に お い て 改 め て 考 察 し た い と 思 う。 1 大 四 五503b-4 cf. 遊 心 法 界 記 ﹄ 大 四 五646c ﹃ 三 宝 章 ﹄ 大 四 五620ab. 2 大 三 五124bc. cf, 173ab, 620a. 3 例 え ば ﹃ 雑 阿 含 ﹄ 巻 十 二、 縮 蔵 八546b. 4 ﹃ 中 論 ﹄ 因 縁 品 3 偶、 大 三 〇2b. cf. Prasannapada Poussin ed. p. 12 ﹃ 十 二 門 論 ﹄ 観 作 者 門、 大 三 〇165c. 5 ﹃ 顕 揚 聖 教 論 ﹄ 巻 一 四、 大 三 一、551a ﹃ 十 地 経 論 ﹄ 巻 八、 大 二 ハ H170b. 6 ﹃ 探 玄 記 ﹄ 巻 = 二、 大 三 五315ab ﹃ 五 教 章 ﹄ 巻 四、 大 四 五 502abc. ﹃ 十 二 門 論 宗 致 義 記 ﹄ 巻 下、 大 四 二228bc. cf. 智 撮 ﹃ 五 十 要 問 答 ﹄ 下、 大 四 五531bc. ﹃ 捜 玄 記 ﹄ 巻 三 下、 大 三 五 66abc. 7 坂 本 幸 男 ﹃ 華 厳 教 学 の 研 究 ﹄p. 571-598. 湯 次 了 栄 ﹃ 華 厳 学 概 論 ﹄p. 113-122. 8 大 四 五503b. 9 大 三 五173b

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