学 位 論 文 審 査 要 旨 公開審査日 2013 年 10 月 23 日(水)
報告番号: 乙 第 2062 号 氏名: 光岡 かおり
論文審査
担当者 主査 教授 山本謙吾 印
副査 教授 河島尚志 印
副査 教授 林由起子 印 審査論文の題目:短時間等尺性膝関節伸展運動時における筋酸素動態と疲労耐性との関連
著 者:光岡 かおり、木目 良太郎、長田 卓也、村瀬 訓生、勝村 俊仁 掲載誌:脈管学 53:93-98(2013)
論文要旨:
最大短時間等尺性膝関節伸展運動時における筋酸素動態と局所の疲労耐性との関連について検討す ることを目的として、持久系トレーニング(ET)を定期的に行っている健常女性 7 名(平均年齢 21±1 歳)
を対象に,右膝関節の最大等尺性伸展運動を 30 秒間持続させ,伸展トルクを筋力測定装置により,また 右大腰直筋の組織酸素化指標(TOI)を近赤外分光法装置(NIRS)により測定した。30 秒間の運動を 10 秒ごとに初期,中期,後期に分け,トルク減少率(Fr),初期における TOI 低下率,および運動後再酸 素化時間(Tr)を算出し,各値間に関してピアソンの相関係数を求めた。
その結果、運動初期の TOI 低下率と Fr との間に有意な負の相関(r=-0.76,p<0.05)が,運動後の Tr と Fr との間に正の相関傾向(r=0.74,p=0.056)がそれぞれみられた。
本対象者において,局所の疲労耐性が高い者は,運動初期の脱酸素化が大きく,運動後の再酸素化も 速いことが示された。
審査過程:
1.対象が女性でトレーニングを行っている者のみである理由に関して質問があり妥当な解答が得られ た。
2.大腿直筋を検査対象に選択した理由に関して質問があり妥当な解答が得られた。
3.同一患者で異なる筋肉での評価の意義に関する質問があり妥当な解答が得られた。
4.検査の再現性に関する質問があり妥当な解答が得られた。
5.性差、年齢、体重、筋肉組成などの違いによる結果の差異に関する質問があり妥当な解答が得られた。
6. 局所の疲労耐性が高い者は運動初期の脱酸素化が大きくなる理由に関する質問があり妥当な解答が 得られた。
7.本研究結果の臨床応用に関する質問があり妥当な解答が得られた。
価値判定:
本研究は最大短時間等尺性膝関節伸展運動時における筋酸素動態と局所の疲労耐性との関連を検証し、
局所の疲労耐性が高い者は,運動初期の脱酸素化が大きく,運動後の再酸素化も速いことを明らかにし たもので、運動器疾患の術後の筋力回復過程などを定量化し、リハビリテーションプログラムの構築に も貢献するものと考えられ、学位論文としての価値を認める。