教育経営研究 第6号 2aX)・3
ボランテ ィア活動を生 か した 心の教育の意義 と課題
‑ 中学 ・高校 におけ る実践 事例 を中心 と して‑
高 賢 一
は じめに
心の教育が叫ばれて久 しいが,今,なぜ改めて心の教育が問われているかについ ては答 えを出す まで もない。学校 においては, これ まで心の教育が十分ではなかっ た とい う指摘 もあるが,何 らかの形で心の教育の実践 はみ られた ものの,十分 な成 果が上が らなかった とい うのが実情ではないだろうか。現行の学習指導要領 は,本 来豊かな体験 を通 して児童 ・生徒の人間形成 を図ることを意図 して作成 されたはず である。 しか し,現実 には受験競争 に伴 う知識の詰め込み教育,都市化 ・過疎化の 進行,核家族化,少子化,物質的豊か さ等が先行 あるいは優先 されたために,子 ど もの生活体験が不足 し,人間関係 の希薄化が進行す るなど,子 どもを取 り巻 く生活 環境が大 きく変化 した。
この ような情勢の中,体験活動 を重視す ることによって,子 どもが主体的に生 き る力 を身につけることがで きるように,学校 においては,教科の学習 をは じめ全 て の教育活動 に取 り組 むことが重要な課題 となっている。 体験活動の宝庫 ともいえる 学校行事 を通 して得 た喜びや充実感等が,教科の学習や学校外での 自主的な活動 に 対する興味 ・関心 を高めることになる。今 日,体験活動の教育的意義が再確認 され, 学校 における教育活動, とりわけボランテ ィア活動の重要性が叫ばれている。筆者 は, これ まで教育相談,学習 (倫理)指導,ボランテ ィア活動の三つの視点か ら心 の教育 を検討 して きた。
(1) 本稿では,研究実践例の分析や筆者の勤務校 におけるJRC部の顧問体験 やボラ ンテ ィア体験等 を踏 まえなが ら,体験活動の一環 としてのボランテ ィア活動の意義 を明 らか にす る とともに,ボランテ ィア活動 を生か した心の教育の実践事例 につい
たか ・けんいち/石川県立鈴島高等学校
キーワー ド/生 きる力,体験活動,豊かな人間性の育成
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高 /ボランティア活動 を生か した心の教育の意義 と課題
て検討する。 なお,学校 におけるボランテ ィア活動の具体的な進め方等 については, 別の機会 に検討 したい。
Ⅰ 心の教育の とらえかた
心 の教育 は,人間の精神の育成 にかかわる教育であ り,いかに生 きるか を基本 と した意志力の教育 といえるが,学校現場 において心の教育 をどの ようにとらえ, ど の ような方法で実践す るかについて模索 されている。 なお,筆者 は,心の教育 に対(2) す る識者の見解や研究実践等 について, 日本学校教育学会第13回研 究大会 において 研究発表 を試みたが,改めて整理 してみたい。
まず,中央教育審議会の第2次答 申においては,子 どもたちに 「生 きる力」 を育 むことをめ ざ して,子 どもたちの個性尊重 を基本 としなが ら,「生 きる力」の核 とな る豊 かな人間性 を指摘 している。 ①美 しい ものや 自然 に感動する心 などの柔 らかい 感性 ,② 正義感や公正 さを重 ん じる心,③生命 を大切 に し,人権 を尊重す る心 など 基本 的 な倫理観 ,④他 人 を思 いや る心や社会貢献の精神 ,⑤ 自立心 , 自己抑制力, 責任感,⑥他者 との共生や異質なものへの寛容,の六つである。
心 の教育の可能性 に関す る識者の見解 は分かれるが,本稿 では心の教育 は可能で あることを前提 としなが ら論究す る。宇井治郎 は,心 の教育 を次の ようにとらえて いる。 今, ここで 「心」 とは何 か を自問 してみて も,幅広 く多様 な観点か らとらえ る必要があ り,納得 のい く答 えを用意す ることはで きない としなが らも,生徒指導 上の課題 を吟味 した うえで,重視 したい心 を4つ指摘 している。
1番 目は,「自分 自身を見つめる心」である。 自分 自身 を振 り返 り, 自己を見つめ る心が,その人 に固有 な生 きる力 を生み出すか らである。2番 目は,「相手 を思いや る心」 である。 思いや りの心 は,知的に学 んで理解 しただけでは実践す る力 にはな りに くい。相手の気持 ちや心の動 きは, 自分の体験 と重ね合わせて真の理解 となる。
3番 目は,「いの ちを大切 にす る心」 である。 どんなに感情が激昂 して も,「人間 を 傷 つけることは絶対 に許 されない」 とい う人間存在 の根源 に関わる価値意識 を育て る必要がある。4番 目は,「集団や社会 に尽 くそ うとする心」である。 人間は一人で は生 きられない ことへの理解 を深め,社会や他者 に役立 とうとする社会的 ・道徳的(3) な価値意識 を育てることが強 く求め られているか らである。
一方,梶 田叡‑は,心の教育 を次の ようにとらえている。「心」 とい うことでいわ れる感性や共感性 ,気持 ちの動 きや思考の動 き, さらには責任感等 々は,基本的 に は自ら形成 されてい くものであって,外 か ら教 え込 んで もどうに もな らない とい う 面がある。 親や教 師が,最後 まで責任 を持 って子 どもの心 を育 てていける ものでは な く,手 ども自身が 自分の責任 と努力で 自己 を育て, 自己 を形成 していかねばな ら
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ない。 しか し,子 どもが 自己 を育成 し,形成するうえでの場の設定や きっかけづ く りなどは,親や教師が支援する必要がある。
加 えて,支援す るうえでの課題 として,①美 しい もの,感動的なもの との出会い,
② 固定概念 ・既成概念へ のゆ きぶ り,③ 課題研 究や読書等へ の没頭,④安易 に迎 合 ・同調 しない姿勢の習慣づけ,⑤異質な感覚や発想 に気づ き,相互 に尊重 し合 う 話 し合い,⑥ 自分の活動や気づ きの振 り返 りや 自己評価,⑦ 自分の実感 ・納得 ・本 音の世界の探究,⑧ 困難で嫌 なことか ら逃げないで,真 っ向か ら取 り組 む対処的姿
(4) 勢の習慣づけ,の8点 をあげている。
字井 は,最近の中学生や高校生の引 き起 こす凶悪事件 は,人間 らしく生 きるため の心が耕 されていない ことを指摘 しているが,「生 きる力」の土台 となる 「心の教育」
の 「心」 を具体的に提示 しているところに特徴がある。 梶 田は,子 どもの 「心」 を 教育す るのではな く,子 どもの 自己育成や 自己形成 を支援するのが学校や家庭の役 割である と指摘 している。子 どもの 自主性や主体性 を奪 って きた学校や家庭の在 り 方 を問い直 している ともい え よう。物が豊 かで便利 な生活 は,子 どもたちに他律 的 ・依存的な生活態度 を形成 させ,子 どもたちが直接かかわる体験的な活動 を奪 っ て きた実態がある。 現実の子 どもたちが育つ環境 に目を向けるとき,学校が何 をな すべ きか,何がで きるか を問い直す必要があるといえるが,その点で字井や梶 田の 指摘 は示唆 に富 んでいると思われる。
この ように,心の教育 については百花瞭乱の状況 を呈 しているが,学校現場 にお いては,それぞれの学校や子 どもの実態 など,‑さまざまな要因が絡み,心の教育の とらえ方や実践方法 に違いがみ られるのは当然であろう。中央教育審議会の答 申に おいては,心の教育 を進めるうえでの手だてや環境づ くり等が提示 されているもの の,心の教育その ものに関する明確 な定義は見当たらない。ただ し,「生 きる力」に ついての定義, さらに 「生 きる力」の核 となる豊かな人間性 に関する定義がみ られ る。心 の教育 における 「心」は,後者の定義の中に示唆 されていると筆者は とらえ ている。つ ま り,①美 しい ものや 自然 に感動する心 などの柔 らかな感性,②正義感 や公正 さを重ん じる心,③生命 を大切 に し,人権 を尊重する心 など基本的な倫理観,
④他人 を思いや る心や社会貢献の精神,⑤ 自立心, 自己抑制力,責任感,⑥他者 と の共生や異質なものへの寛容,の6つである。
字井が重視す る4つの心 は具体的で説得力があ り,梶 田が指摘する子 ども自身に よる自己育成や 自己形成 も重要である。 中教審が提示する 「生 きる力」の核 となる 6つの豊かな人間性 は,宇井や梶 田の指摘 を包摂 ・整理するもの と筆者は とらえて いる。 そ こで,少 な くとも学校 においては 「心」の教育 をどの ように実践す るか と い うことが大 きな課題 となる。 現行の学校教育の枠組みの中で心の教育 を実践す る 場合,学習指導要領 に記 されている各教科等の 目標 と内容 を心の教育の視点で確認
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し,それ を用 いることが基本 となる。 したが って,抽象的表現の多い学習指導要領 の記述 を子 どもの具体的な生活 レベルの事実 にもどし,それ を教 師が共通の課題 と
して認識する必要があろう。
ここで重要 なのは,子 どもの 「心」 を一方的 に教育す るのではな く,子 どもの主 体性や 自主性 を奪 って きた家庭や地域社会,あるいはこれ までの学校教育の在 り方 について も再検討す る必要がある とい う点であろう。 今 日の閉塞 した社会や学校 に おいて, どの ように して子 どもの 自主性や主体性 を取 り戻すべ きか,い くつかの有 効 なアプローチの一つ と して 「体験活動」が重要視 されている。 心の教育 は,学校 は もちろんの こと,家庭や地域社会, さらに社会全体で取 り組 むべ きものであるが, 大人社会のモ ラル低下や社会秩序 の乱れ等が指摘 される中で,子 どもたちに どんな 心の教育がで きるのか疑問視する声 も少 な くない。
Ⅰ 体験活動 としてのボ ランテ ィア活動の意義
第15期 中央教育審議会の答 申では,いかに社会が変化 しようとも主体的に 「生 き る力」 を身につける教育 を実現す る必要がある としている。加 えて,① 自分で課題 を見つけ, 自らよ り良 く問題 を解決す る力,②他人 を思いや る心や感動す る心 など の豊 かな人間性 ,③健康や体力, を 「生 きる力」である として, これ らをバ ランス(5) よ く育 んでい くことが重要である, と指摘 している。そ う した 「生 きる力」 を育成 す るためには,学校 における自然体験,勤労体験 ,ボランテ ィア活動 などの体験活 動 をいかに有意義 な もの にす るかが問われているが,体験活動 は,ただ単 に体験 の 機会 を与 えさえすればよい とい うもので もない。
例 えば,勤労体験活動 として学校 でお米づ くりなどが行 われるが,1回目の活動 で田植 えを して,2・回 目で稲刈 りを し,3回 目で収穫 したお米 を給食の ご飯 に した り,餅米 をついてお餅 に して食べ ることな どは,ほん とうの 「生 きる」体験活動 と いえるだろ うか。田植 えや稲刈 りなどを経験 した子 どもが少 ないか皆無 に等 しい と すれば,そ う した経験 自体が立派 な生活体験 といえるか もしれないが,お膳立てが で きた うえでの体験 は,「生 きる」体験活動 とはならないであろう。施肥,水の管理, 除草,農薬散布 な どを他人 に任せ て,育 った稲 を子 どもの手で刈 り取 る とい う体験 には生活の連続性が ない。生活の連続性 を持 たせ ることは時間的 にも物理的に も容 易ではないが,テ レビや ビデオなど,何 らかの方法で生活の連続性 を補 って こそ生
きる体験 とな りうるのではなかろうか。
ところで,数ある体験活動のなかで,今 日と くにボランテ ィア活動が重視 される のはなぜ だろうか。物質的 に豊 かな生活 に生 まれ育つ と,何 とな く楽 を して生 きて ゆけるよう な錯覚 にとらわれることがある。 その結果,今 日の子 どもたちには,穂
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極的にた くましく生 きようとす る力の欠けた無気力, 自分 さえよければ他人は どう で もよい といった無関心, 自分の属 している集団や共同体の中で果たそ うとしない 無責任 ,美 しい ものや気高い もの・に触れて も心が動かない無感動, 日常の基本的な 生活習慣 さえ身についていない無作法, 自分が人間 としていかに生 きるべ きかにつ いて自覚 しない無 自覚 などがみ られる。 こうした憂慮すべ き状況 を克服するために, 自発性,無償性,公共性,先駆性 あるいは創造性 といった条件 を備 えたボランテ ィ ア活動が重要視 されている。
坂本昇一は,体験活動の基本的な考 え方 について,「体験活動の本体は,F生 きるl 体験である。 F生 きる』 とい うことは,生活のすべてを自分で行 うこと,そ して,そ れを自分で考えて,決めて実行することである。 とうぜ ん,『生 きることJは,他人 と自分 とを Fかかわ らせ る』 ことである。 この Fかかわるj ことが体験の本質にな る。 これが経験 と違 うところである。 自然 とかかわる自然体験,人 とかかわるボラ
(6) ンテ ィア体験が今求め られている」と述べている。
流出重油の回収 ボランティア活動 に参加 した本校生徒の多 くは, 自分が社会や他 の人々,あるいは自然 によって 生か されていることを知 った とき,は じめて 自分 を 生かす ことがで きることに気づいた ようである。坂本の指摘や重油回収 ボランテ ィ ア活動 に実際に参加 した生徒の反応 などか ら,体験活動 においては自然 と自分 をか かわ らせ ること,人 と自分 をかかわ らせ ること,社会 と自分 をかかわ らせ ることが 重要なポイン トになっていることが看取で きる。
Ⅲ ボ ラ ンテ ィア活 動 を生 か した心 の教 育 の 実 践 事 例
ボランテ ィア活動 を生か した心の教育 を論究するうえで,生徒会 を中心 とした盛 (7)
岡市立厨川中学校 におけるボランテ ィア活動 とJRC (青少年赤十字)部 を中心 と した本校のボランティア活動の実践事例 を考察 したい。
1 盛岡市立厨川中学校 におけるボランテ ィア活動
盛 岡市立厨川中学校 の箱石順一郎教諭 は,生徒会活動 を中心 に心の交流 をめ ざ し (8)
た当校のボランテ ィア活動 を報告 している。 ボランテ ィア活動のね らい と位置づけ は次の3点である。
1点 目は,教育 目標お よび望 ましい生徒像 として,「心豊かに,進 んで奉仕 に努め る生徒」を掲げ,その具現化のために,奉仕的体験 を通 して内面に根 ざした積極性, 主体性 ,他人 に対す る思いや りの心 などを培 うことである。2点 目は,社会的有用 感 をもたせ,人間 としての在 り方生 き方 を考 えさせ るために,奉仕的活動の発表機 会や賞揚の場 を積極的に設け,実践意欲 を高め,‑豊かな心の育成 を図ってい くこと
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である。3点 目は,生徒の 自発的 ・自主的な活動 こそがね らい を保障す る とい う考 え方か ら,生徒会活動 を軸 に指導 ・援助 を行い,集団的 ・ダイナ ミックな取 り組み により感動や感性 を高め,豊かな人間性 を形成することである。
生徒会 を中心 としたボランテ ィア活動の柱 は,大 き く次の3つである。 1つ 日の (9)
柱 は, フィリピン救済募金活動 を発展 させたスカラシ ップ募金, フィリピンの子 ど もたちが学習することがで きる施設の建設など, フィリピン関係の活動である。2 つ 目の柱 は,障害者施設への協力援助活動や地域老人 クラブ との交流活動 など,也 域 ボランテ ィア活動である。 3つ目の柱 は,特殊教育学級 との交流学習である。
当校 では,フィリピンで発生 した大地震 に対す る生徒会執行部 による救済募金活 動 を契機 として,ボランテ ィア活動がス ター トしている。 こう した募金活動 に対 し て, フィリピン最大のボランテ ィア団体か らの感謝状 ならびに国旗 を届 けて くれた 盛 岡福祉バ ンクの職員,マニラで貧困に苦 しむ人々の救済に尽力 している神父が来 校 し,感謝の言葉 と感動的な講演が全校生徒 に喜びと誇 りを与 えている。その こと が契機 とな り, フィリピンに対するボランテ ィア活動が さらに深 まり, フィリピン の学校 との姉妹校締結が実現 し,生徒会執行部6人が姉妹校 との交流に現地 を訪問 している。 この ように,子 どもたちの感動 と喜 びがボランテ ィア活動 をよ り広め, そ して深める原動力 となっている。平成3年か らの数年間,生徒会活動の中心的活 動 としてボランテ ィア活動 に取 り組 んで きたが,単 なる活動 だけで終わるのではな く,活動 を通 して,人間 としての在 り方生 き方 につながる 「心」の問題 として考 え ようとする姿勢が子 どもたちに育ったことが報告 されている。
箱石教諭 は, この ような教育活動が展開で きた要因 として,① ボランテ ィア活動 に対 して,強い 目的意識 を明確 にもって取 り組めるようになったこと,②努力 した 成果 を実感で きたこと,③ さまざまな人々と出会い,多 くの感動体験がで きたこと,
④周囲か ら適切 な評価 を受 け, 自信 と誇 りをもったこと,⑤一人 ひとりが社会的有 用感 をもったこと,⑥ ボランテ ィア活動 を成 し遂げた成果 とその感動 を共有するこ
とにより,連帯感 と意欲 を高めることがで きたこと,をあげている。
加 えて,今後の課題 として,① 当校のボランテ ィア活動 を支 えて きた考 え方や活 動の流れが立 ち消 えない ようにすること,② そのためには,教職員が常 に 「何のた めの活動か」とい う目的や意識 を生徒 に吟味 させ なが ら,ボランテ ィア活動の本質 を見据 え,生徒が継続的に取 り組めるように支援 してい く必要性 を指摘 している。
2 石川県立輪島高校 におけるボランテ ィア活動
平成3年4月,本校が 「石川県ボランテ ィア活動普及推進協力校」に指定 された ことに伴 い,奉仕活動 を主体 とするJRC (青少年赤十字)部が発足 し,筆者が顧 問 に就任 した。JRC部の活動 は,文化系部活動の一環 として行 われるものである
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が,活動のね らい として,①奉仕 的活動 を通 して,生徒 の内面 に根 ざ した 自発性や 公共性 ,思いや りの心 を発掘す る,② 人間 としての在 り方生 き方 を考 えさせ るため に,社会的有用感や実践意欲 を高め,感謝の心や奉仕の心 など,豊 かな心 の育成 を はかる, を掲 げた。ボランテ ィア活動普及事業協力校 に指定 されたことに伴 うJR C部の発足であ り,ス ター トの動機 は消極的であったが,予想 に反 してボランテ ィ ア活動 に関心のある生徒が次 々 と部員 として集 ま り,そ う した生徒 の意欲 ・創意 ・ 工夫 によ り,活動 の輪が広が っていった。発足以来,先進実践校 の活動 を参考 に し つつ,公衆 トイ レの清掃活動や環境美化運動,各種募金活動,老人福祉施設‑ の慰 問な ど, さまざまなボランテ ィア活動 に挑戦 した。
牛乳パ ックリサ イクル運動,使用済みテ レカ回収運動,献血運動 など,全校生徒 を巻 き込 んだ活動 に も工夫 を重ねた。進学校 としての本校 に馴染 まなかったボラン テ ィア活動 に対 して批判的な 目もあったが,心 の教育 を重視す る学校長の理解 と協 力 に支 え られた。文化祭では,熱意ある部長の発想で 「JRCカ レー」なるメニュ ーで模擬店 を開いた ところ好評 を博 し,その収益金 の一部がユニセ フ募金 に充て ら れる とい うエ ピソー ドもあった。ボ ランテ ィア活動 に関す る情報提供 な どを目的 と した 「JRCだ よ り」の発行,あるいはJRC部のボランテ ィア活動 に対す る情熱 に動 か され,進学 目標達成 を至上命題 として きた教職員や生徒 の価値観 に広が りが み られるようになった。生徒の体験 日誌や作文等 に目を通す と,「思いや りの心」や
「奉仕の心」など,学習や成績のほかにもっ と大切 な ものがあること,つ ま り心の開 港 にも目を向ける生徒が増 えて きたことが看取で きる。
平成9年1月早 々,ロシアタンカー 「ナホ トカ号」か らの重油流出事故が発生 し, 日本海側 の海岸 , と りわけ若狭湾や加賀海岸 ,能登外 浦海岸 (能登半 島国定公 園) な どに重油が漂着す る とい う惨事 に直面 し,福 井県民や石川県民 は大 きな衝撃 を受 けた。 しか し,県内は もちろんの こと,全 国各地か ら参集 した多 くのボラ ンテ ィア が重油の回収作業 に取 り組 んだ。
筆者 の勤務校 において も, この ような事態 を憂慮 し,JRC部が 中心 となって, 教職貞の有志や校 内の希望生徒 とともに重油回収 ボランテ ィア活動 に参加 した。 自
らの意志 で重油 回収 ボランテ ィアに参加 した生徒 は延べ70人であったが,実際 に参 加 した生徒 は約50名である。 この活動 は,平成9年 1月中旬か ら2月上旬 にかけて の週末 (土曜か 日曜,午前か午後の3時間) に実施 されたが,合計3回にわたるボ ランテ ィア活動 に3回 とも参加 した生徒 もいれば,2回あるいは 1回のみ参加 した 生徒 もいる。 参加 回数 に関係 な く, こうした活動 に1回で も参加 した生徒50名 に対 して事後の アンケー ト調査 を実施 したが,アンケー トの内容お よび結果 は以下の と お りである。
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1.重油回収ボランテ ィアに参加 した理由は何 ですか ? (複数回答可)
① 少 しで もきれい に したいか ら (40人),② 少 しで も役 に立 ちたいか ら (34人),
③多 くの人達 と一緒 にボランテ ィア活動 を したかったか ら (28人),④ 友達 に誘わ れたか ら (11人),⑤何 とな く (5人),⑥ その他 (暇だったか ら1人)
2.参加 して良 かった と思いますか ?
① 良かった (47人),②後悔 している (2人),③ わか らない (1人)
3.参加 してどんなことを感 じま したか ?
① 自然破壊の現実 を実感 した (45人),② ボランテ ィア活動 に参加 している とい う 実感がわいた (46人),③参加 している人々の姿 に感動 した (32人),④ 自分が役 にたっている とい う実感がわいた (38人),⑤ 自然の美 しきのあ りがたみ を感 じた (35人),⑥ ただ疲れただけで何 も感 じなかった (7人),⑦ その他 (最初 はやる気 十分 だったが,疲れて くる と事故 をお こ した タンカーに腹が立 って きた/ これだ
け海が汚染 される と,能登観光 に相当なダメージを与 えると思 った)
4.ボランテ ィアに参加 して得 られたもの は何 ですか ?
① 自然 を大切 に思 う心 (43人),②郷土 を愛す る心 (40人),③ 人々が協力す るこ との大切 さ (38人),④ 自分が役 に立 っている とい う実感 (34人),⑤ ボランテ ィ ア活動 の大切 さ (38人),⑥ ボランテ ィア活動 を した後 のすがすが しさ (31人), (丑その他 (学校 の勉 強では得 られない もの/小 さな力が大 きな力 になること/逮
くか ら参加 したボランテ ィアの人々に対す る感謝の気持 ち等/石川県 にはボラン テ ィア活動 は根づかない といわれたが,そ うでない ことがわかった)
5.も し,このような事故が再び発生 した ら,参加 しますか ?
(∋参加 したい (45人),②参加 した くない (1人),(彰わか らない (4人)
アンケー トの結果か ら,恵 まれた 自然環境 の中で生活 して きた ことに対す る感謝 の気持 ち,身近 な自然 を保全す ることの重要性 などを再認識す る生徒 が多かったこ とが明 らかになった。 さらに,美 しい 自然 に対す る畏敬 の念,ボランテ ィアに参加 した他 の人々に対す る感謝の心,郷土 を愛す る心, 自然 と共生す ることの意義 など を強 く意識 した ことが看取 で きよう。生徒 とともにボランテ ィア活動 を進めるにつ れて,全 国に誇 る美 しい海岸が汚染 されたことに対す る怒 りや絶望感,全 国か ら参 集 したボランテ ィアの人 々に対す る驚 きや感謝の気持 ちな どが錯綜 し, 目に涙 を浮 かべ る生徒 も少 な くなかった。
愛す る郷土の海岸が汚染 される とい う信 じが たい現実 に直面 した ものの, こう し た活動 を通 して,ボランテ ィア活動の重要 な精神 とされている自発性 ,無償性,公 共性 ,創造性 な どが培 われた もの と思 われる。 その後,活動の輪 を広 げ ようとい う ムー ドが高 ま り,学校 における心の教育の一環 と して,全校生徒が重油回収 ボラン
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テ ィア活動 に取 り組 む計画が立案 されたが,予定 よ り早 く回収作業の終息宣言が出 されたために, この計画 を実行す るには至 らなかった。 しか しなが ら, この計画の 実施 にあた り,∫RC部 は,全校生徒や教職月 を対象 に した事前学習の役割の一端 を担 うことにな り,ボランテ ィア活動の指導性 を発揮 した。環境汚染 とい う不幸 な 出来事ではあった ものの,ボランテ ィア活動の本質に触れる貴重な体験であった。
現在,JRC部が とくに力 をいれているのは,毎週月曜 日と木曜 日の放課後 に実 施 している市内老人福祉施設でのボランテ ィア活動である。活動時間帯の関係 によ り,お年寄 りの話 し相手や食事の介護補助 など,入居 している老人 に接する機会は 乏 しい ものの,主 として苑内 レクリエーシ ョンや各種行事 に伴 う装飾等の企画 ・運 営 ・実施 についての補助的活動 を行 っている。本校 か ら施設 まで徒歩で約30分 くら い要す るが,雨の 日も,風の 日も,そ して雪の 日も施設 まで直接 自分の足 を運ぶ こ とによって,ボランテ ィア活動の精神 あるいは条件の1つである 「自発性」を培 う ことがで きる。 約15名ばか りの部員が施設での奉仕活動 に取 り組 んでいるが,2年 前か らこうした精神 を厳格 に受 け継いでいる。 福祉施設での奉仕活動 は,重油回収 ボランテ ィア活動 に比べ ると地道な活動か もしれないが,「お年寄 りが喜ぶ姿」を肌 で感 じとりなが ら,「少 しで も役 にたっている」 とい う社会的有用感 を身につけてい る点で, この活動の意義は大 きい と思われる。
なお,平成3年 4月に創部 された JRC部の活動が評価 され,次の ような感謝状 や功労賞 を受賞 している。
平成5年3月,能登鉄道株式会社 よ り,輪 島駅構 内の公衆 トイ レなどの清掃美化 奉仕活動 に対 して感謝状 を授状。同8年8月,テ レビ金沢株式会社 よ り,24時間テ レビ募金活動 に対 して感謝状 を授状。同9年11月,石川県知事 より,老人福祉施設 での奉仕活動 に対 して 「石川県青少年ボランテ ィア賞」を受賞。同9年12月,輪 島 警察署 より,交通事故防止 に関す る協力奉仕活動 に対 して感謝状 を授状。同10年ll 月, 日本青少年研究所 よ り, これ まで取 り組 んで きた奉仕活動 に対 して 「い きい き 活動優秀活動賞」 を受賞。同10年12月,北陸中 日新聞社会事業団 よ り,過去お よび 現在のボランテ ィア活動 に対 して 「中 日あおば賞」 を受賞。
上述の ように,2つの実践事例 を検討 してみたが,いずれの学校 において も,体 験活動の1つであるボランテ ィア活動 と心の教育 に関連性があることが看取で きよ
う。厨川中学校 においては生徒会が中心 となって,輪島高校 においてはJRC部が 中心 となってボランテ ィア活動 に取 り組 んでいる。 いずれ も最初は一部の生徒 を中 心 とした活動であったが,生徒会執行部あるいは部員の熱意 などによ り,全校 に活 動の輪が広がっている。体験活動の一環 としてのボランテ ィア活動 に終わるのでは な く,活動 を通 して人間 としての在 り方生 き方 につながる 「心」の問題 を考 えよう
とする姿勢 も生徒 に育 った もの と思われる。
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Ⅳ 今後の課題 と展望
横 山利弘 は,学校 で心 の教育 を充実 させ るため には,学校全体 に心 に視 点 を当て た教育観 の共有が必 要であること, さらに, 日常生活 において実践 で きる道徳性 を 育 むため には,① 学校教育 に多様 な実践体験活動 を取 り入れること,② 家庭 お よび
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地域社会 との連携 を図 る こと,の2つ を指摘 している。 横 山が指摘 す る ように,心 の教育 を充実 させ るため には多様 な実践活動 を取 り入れ るこ とが重要であ り,直接 体験 の機会が乏 しくなっている多 くの子 どもたちに とって, ボラ ンテ ィア活動体験 は,人 間 と してのかけが えの ない 自分 自身の生 き方 についての 自覚 を深 める うえで 貴重 な機 会 となるであろ う。 ボ ランテ ィア活動の具体的 な進 め方 については,他 の 実践例 や文献等 に譲 ることとす るが,ボ ランテ ィア活動体験 を生 か した心 の教 育 を 進め る うえで留意すべ き課題がある。
1点 目は, 自発性 を重視 す るボ ランテ ィア活動 ではあ るが,子 どもたちに 「役 に 立 ちたい」とい う意識があるか とい う問題 である。 平成11年6月上旬 ,本校 (輪 島 高校)の新入生 (160名) を対象 に,ボ ランテ ィア活動 に関す るア ンケー ト調査 を実 施 した。その結果か ら,約8割の生徒 に 「ボ ランテ ィア活動 をさせ られた」 とい う 意識が強い ことが明 らか になった。本校 だけの傾 向 とは思 われ ないが,ボ ランテ ィ ア活動 の輪 を広 めた り,深 めた りす る場合 ,あるいはボ ランテ ィア活動 を通 して人 間 と しての在 り方生 き方の問題 を考 えさせ る場合, こう した 「させ られた」とい う 意識 か ら,いかに 「自ら進 んでや っている」「何 かの役 に立 ちたい」 とい う自発性 や 社会的有用感 を持 たせ るかが重要 な課題 となろ う。
2点 目は,心 の教育 を進め るにあたって,学校 に多様 な体験 活動 を取 り入れ るこ とに異論 はないが,かつて批判 された 「這 い まわる経験 主義教 育」に陥 らない よう に留意す ることが大切 である。 経験主義教育 に間違 いがあったのではな く,経敬 の プロセス を無視 して,単 に経験活動 をさせ ただけになった点 に間違 いがあった とい われてい る。 こう した状 況 に陥 らないため には,子 どもたちが経験 で得 た もの を振 り返 り,それ を価値へ と抽象化 して内面的な自覚 に至 るように支援 する必要がある。
3点 目は,ボ ランテ ィア活動 の評価 に関す る問題 であ る。 この間題 に関 しては識 者の見解が分 かれ る ところであるが,本校 において も今後検討 を要す る課題 である。
評価必 要論 としては,① ボ ランテ ィア活動者が, 自分 自身の活動 をよ り良 くす る ことを目的 と した もの,② ボ ランテ ィア活動 を社 会的 に広 く推奨す ることを目的 と した もの, に大別 で きよう。論議の的 となるのは後者の社会的推奨の立場 であるが, 子 どもたちが,将来の市民 と してボランテ ィア活動者 にな りうる契機づ くりとして, ボ ランテ ィア学習 を学校 で どの ように具現化 で きるかが問われている。子 どもたち
教育経営研究 第6号 2α相・3
の活動 や体験 を優劣や序列で決 めつ けるのではな く, きっかけ と して学 んだ こ とを 認め る評価が必要であ り,その充実のため に自己評価 の工夫が求め られている。
筆者 は,平成11年8月6日〜 7日一に上越教育大学 で開催 された 日本学校教育学会 第14回大会 において,「実践者か ら学ぶボランテ ィア活動」とい うテーマで研究発表 を試みた。平成11年6月上旬 ,本校 の新入生全員 (4クラス160人) を対象 にボラン テ ィア活動 に関す るア ンケー ト調査 を実施 した ところ,新入生の約85%が,小学校 や 中学校 において何 らかの形 で ボ ラ ンテ ィア活動 を経験 してい る こ とが判 明 した。
さ らに,ボラ ンテ ィア活動 に対 しては肯定 的なイメージ (自発性 や無償性等)が強 い ものの,実際 にボランテ ィア活動 をや ってみた感想 としては,「させ られた」ある いは 「きつい」な どとい う印象が強い こ とが判明 した。肯定的 なイメージ と消極 的 あ るい は否定 的な感想 , この2つのギ ャップをどの ように とらえ, どの ように縮 め てい くかが大 きな課題 として 浮上 した。
そ こで,平成11年6月下旬 ,新 入生全員 を対象 とした倫理 の授 業 において,ボ ラ ンテ ィア活動の意義や精神 ,進 め方 な ど,ボランテ ィア活動 に関す る基礎学習 を行 い,その うえでボランテ ィア活動 の意義や精神 に肉迫す る小学生の体験発表文 を活 用 した ところ,生徒 の反響が予想外 に大 きかった。授業後のアンケー トでは,「ボラ ンテ ィア活動 に対す るイメー ジが大 き く変 わった」が全体の約64%,あ るいは 「構 えるこ とな く,身近 な ところか らボランテ ィア活動 をや ってみたい」と回答 した生 徒 は105人,授 業前の73人 に比べ る と32人増加 してい ることが判明 した。小学校や中 学校 においては,体験 重視 のあ ま り一般 的にボラ ンテ ィア活動 の意義 や精神 ,進 め 方等 につ いての基礎 的 な知識 や学習が不足 した まま,老 人福 祉施設 を訪 問 した り, 重油 回収 ボ ランテ ィア活動 な どに取 り組 む子 どもたちが多 いため,ボラ ンテ ィア活 動 に対す る誤解や偏見,消極的な感想等 を持 ちやすいので はなかろ うか。
高等学校 においては,小学校 や 中学校 時代 に感 じたボランテ ィア活動 に対す る消 極 的 な感想 や イメー ジをいか に積極 的な もの に変 え られ るか によって,一部の生徒 が行 うボ ランテ ィア活動 をで きるだけ多 くの生徒 が参加す るボ ランテ ィア活動 に発 展 させ ることがで きるか否かが決 まる とい って も過言ではない。そのため には,ボ ランテ ィア活動 に対す る事前学習や動機 づ けが不可欠であろ う。 なお,上述 の小学 生の体験発表文 は,本校 1年生のボランテ ィア活動 に対 す るイメー ジを変化 させ た り,ボ ラ ンテ ィア活動へ の意欲 を喚起す るな ど,生徒 の心 をゆ きぶ る効果がみ られ た ことか ら,い わゆる進学校 ではない普通科高校 や職業科高校 に もア ンケー ト調査 を依頼 し, こう した小学生の体験発表文の効用性 について検討 中である。
【註】
(1) 平成 3年 4月にJRC (青少年赤十字)部が発足 し,筆者が顧問に就任 した ものの,それ ま
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高/ボランティア活動を生かした心の教育の意義と課題 でJRC部の顧問経験 はな く,暗中模索の状態でス ター トした。 しか し,ボランテ ィア活動 に 強い関心 を示す生徒が入部 し積極的に取 り組んだため,ボランテ ィア活動 を 「や らされている」
とい う消極的な雰囲気 にはならなかった。
当部の顧問 としては■,指導的な立場 とい うよりも,生徒 とともに活動する姿勢 を大切 に した。
平成 6年 4月か ら同 8年 3月まで上越教育大学大学院に留学 した 2年間を除いて,現在 も当部 の顧問 を担当 している。 6年間にわたってJRC部の顧問 を担当 して きたが, この間,ボラン テ ィア活動 を通 して成長 していった生徒 を見守 って きた。 JRC部 に入部 した生徒 の多 くは, 福祉関係,医療関係,教育関係等の上級学校 に進学 した り,そ う した関係の仕事 に就いている 卒業生が多い。
(2)平成10年8月1日 (土)か ら2日 (日)の2日間にかけて,埼玉短期大学 において当学会第 13回大会が開催 されたが,「学校 における心の教育 に関する研究」 とい うテーマで 自由研究発 表 を行 った。筆者の発表 に関する質疑が多 く,戸惑 うことも多かったが,会員が共有で きる研 究 に発展 させて欲 しい とい う要望があ り,本稿では,ボランテ ィア活動の視点か ら心の教育 を 検討することに した。
(3)宇井治郎 「生 きる力の中核 として心 をどうとらえるか」尾木和英編 FQ&A「心の教育」 を め ざす学校教育』教育開発研究所,1998年,pp.16‑190
(4)梶 田叡 ‑ 「感性 と共感性 を育 て るため に」学事 出版 編 『月刊 高校教 育11月号』1997年, pp.20‑230
(5)平成9年6月,「21世紀 を展望 した我が国の教育の在 り方 について」 と題 した中央教育審議 会第2次答 申,同10年3月,その中間報告が発表 された。 さらに,同年6月,3月に公表 され た中間報告の追加が発表 された。
(6)坂本昇一 「今求め られている体験活動 とはどの ようなものか」宮川八岐編 F体験 ・ボランテ ィア活動の考 え方 ・進め方』教育開発研究所,1997年,pp.8‑90
(7) ∫RCは,JuniorRedCross(青少年赤十字)の頭文字 をとった略字であるが,国際赤十字社
、の流れを くむ ものである。
(8)箱石順一郎 「心の交流 をめ ざしたボランテ ィア活動」宮川八岐編 F体験 ・ボランテ ィア活動 の考 え方 ・進め方』教育開発研究所,1997年,pp.162‑1660
(9)年間15,000円 を負担することで,現地の子 ども1人の就学 を援助す る制度である。 1年間に 要する学費 と,子 どもが1年間に街頭で稼 ぐと予想 される金額の合計が15,000円 くらいになる
とい う試算である。
(10)横 山利弘 「心の教育 を学校教育で どの ように充実 をはかるか」尾木和英編 FQ&A「心の教 育」 をめ ざす学校教育』教育開発研究所,1998年,pp.25‑280