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Academic year: 2021

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第 17 回 新潟医療福祉学会学術集会

陰極経頭蓋直流電流刺激後の末梢神経電気 刺激が皮質脊髄路の興奮性に与える影響

立木翔太 1)2) 、佐々木亮樹 1)2) 、 Pham Van Manh 1)2) 、 宮口翔太 2) 、小島翔 2) 、齊藤慧 2) 、犬飼康人 2) 、 正木光裕 2) 、大鶴直史 2) 、大西秀明 2)

1) 新潟医療福祉大学大学院

2) 新潟医療福祉大学 運動機能医科学研究所

【背景・目的】皮質興奮性が低下している際には、皮質の 興奮性を戻そうとする力(ホメオスタティックなメタ可塑 性)が働く( Siebner et al.,2004 ) 。陰極経頭蓋直流電流 刺激( cathodal tDCS )は、非侵襲的に皮質の興奮性を低 下させることができる手法であり( Nitsche et al.,2000 )、

cathodal tDCS で一次運動野( M1 )の興奮性を下げた後、

末梢神経電気刺激( PES )を行うことで皮質脊髄路の興奮 性が増大しやすくなるとの仮説を立て、皮質脊髄路興奮性 に与える影響について明らかにすることを目的とした。

【方法】対象は健常成人 15 名( 22.3 ± 4.0 歳)であっ た。皮質脊髄路の興奮性評価には、経頭蓋磁気刺激によっ て誘発される運動誘発電位( MEP )を使用した。刺激部 位は左 M1 手指領域とし、右第一背側骨間筋から MEP を 導出した。磁気刺激は、介入前に約 1 mV の MEP 振幅値 を導出する強度とした。介入は cathodal tDCS 条件、 PES 条件、 cathodal tDCS 後に PES を行う ( cathodal tDCS → PES )条件とした。 Cathodal tDCS は左 M1 に陰極電極、

右眼窩上に陽極電極を貼付し、 1 mA で 10 分間行った。

PES は右手関節部の尺骨神経へ刺激頻度を 30 Hz 、強度 を 110% 運動閾値、 4 秒 on 6 秒 off の duty cycle で実施し た。 MEP は介入前( T0 )と介入直後、 10 分後、 20 分後

( T1 、 T2 、 T3 )に各 15 回計測を行った。実験手順は図 1 に示す。解析対象は、 MEP 振幅値とし、各時間で得られ た MEP 振幅の加算平均値を算出した。また、 T1 から T3 の MEP 振幅値を T0 の MEP 振幅値で正規化し( MEP ratio ) 、ウィルコクソンの符号付順位検定を用いて比較し た。有意水準は 5% とした。

【結果】 cathodal tDCS 条件において、 T2 の MEP ratio は 75.9 ± 8.1% であり T0 に比べての有意な低下が認め られた。しかし、 PES および cathodal tDCS → PES 条 件では、いずれも MEP ratio の有意な変化は認められな かった。

【考察】本研究より、 cathodal tDCS の介入終了後に MEP ratio の有意な低下が認められた。先行研究において、 M1 に対する cathodal tDCS によって皮質の興奮性低下が生

図 1 .実験手順

図 2 .各介入後の MEP ratio の経時的変化

じると報告されている( Nitsche et al.,2000 ) 。本研究に おいても、 M1 の興奮性が低下したことで介入後に MEP ratio が低下したと考えられる。一方、 PES では介入後に MEP ratio の有意な変化が認められなかった。本研究と同 様の刺激条件を用いている先行研究では、 30 分間の介入 で MEP の有意な増大を認めている。本研究では MEP

ratio の増大傾向が認められたことから、刺激時間を 30

分間にすることで MEP 増大の有意な効果が得られる可能 性があると考える。また、 cathodal tDCS 後の PES では MEP ratio の有意な変化が認められなかった。ホメオスタ ティックなメタ可塑性を誘導したと報告している先行研 究では、事前に介入した cathodal tDCS による MEP 振幅 低下が安定して持続している( Siebner et al.,2004 ) 。し かし、本研究で実施した cathodal tDCS では介入後に MEP ratio 低下の一定した持続効果が得られず、先行研究 よりも cathodal tDCS の介入効果が小さかったことが考 えられる。そのため、本研究の cathodal tDCS による M1 の興奮性低下が、ホメオスタティックなメタ可塑性を誘導 する程の皮質の興奮性低下ではなかった可能性が考えら れる。

【結論】 1 mA で 10 分間の陰極 tDCS と PES の組み合わ せではホメオスタティックメタ可塑性を利用して皮質脊 髄路興奮性を増大させることができないことが明らかに なった。

0 50 100 150

T0 T1 T2 T3

M EP r at io (% )

cathodal tDCS PES

cathodal tDCS → PES

P = 0.013

sham tDCS (10 min)

cathodal tDCS (10 min)

PES (20 min) cathodal tDCS

(10 min)

PES (20 min)

T0 T1 T2 T3

Rest TMS (20 min)

介入

P−9

参照

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