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著者 眞島 いづみ, 中澤 太

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Academic year: 2021

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北海道医療大学学術リポジトリ

口腔Veillonella属の重要性

著者 眞島 いづみ, 中澤 太

雑誌名 北海道医療大学歯学雑誌

巻 30

号 1

ページ 87‑87

発行年 2011‑06

URL http://id.nii.ac.jp/1145/00006518/

(2)

北海道医療大学歯学雑誌 30! 平成23年

[最近のトピックス]

口腔

Veillonella

属の重要性

眞島いづみ,中澤 太

北海道医療大学歯学部口腔生物学系微生物学分野

Veillonella属は糖非分解性の偏性嫌気性グラム陰性球

菌であり,鞭毛,芽胞,莢膜を作らない.直径が平均 0.3〜0.μm程度の小球菌である.培養中に双球菌様,

集塊状,あるいは短い連鎖状になることもある.

本菌はヘキソキナーゼ,グルコキナーゼ,フルクトキ ナーゼ等を欠くため,炭水化物を利用できないが,他の 解糖系の酵素を持っており,発育のためにある種の中間 代謝物,例えば乳酸塩,ピルビン酸塩,マロン酸塩,フ マール酸塩およびオキザロ酢酸塩などが必要である.乳 酸塩が利用されると,プロピオン酸塩,酢酸,CO及び Hなどが産生される.

Veillonella属はヒトの口腔内や種々の動物の呼吸気

道,及び腸管などに常在する.ヒトの口腔内では,歯 垢,舌苔及び唾液などが主な常在場所であるが,とくに 唾液においては通性嫌気性連鎖球菌と同数か,あるいは それ以上検出される.現在Veillonella属は11菌種が分離 同定されているが,ヒトの口腔から分離されるのは,V.

parvulaV. atypicaV. disperV. denticariosiV. rogo- saeの5菌種である.Veillonella属はシステインなどの含 硫黄化合物を還元して硫化水素を産生することから口臭 の原因菌とされ,日和見感染などにも深く関わっている との報告も多数ある.

我々の最も身近な歯科における二大感染症である齲蝕 と歯周病はいずれもバイオフィルム形成が原因となって 発症,進行する.このデンタルプラーク=バイオフィル ムという視点から見てみると,口腔細菌はバイオフィル ムの形成機序順により分類される場合もある.initial colonizerStreptococcus属 ,early colonizerの 口 腔Veil- lonella属,middle colonizerであり歯周炎の原因菌とされ Porphyromonas gingivalisFusobacterium nucleatum さらにlate colonizerで侵襲性歯周炎の原因菌とされるAg- gregatibacter actinomycetemcomitansがあげられる.すな わち,バイオフィルムの形成はVeillonella属によって開 始されると考えられている.

口腔内の細菌はそれぞれ単独でのバイオフィルム形成 量は著しく低い.しかし,口腔Veillonella属とそれぞれ

の菌種を同時に共培養すると,多くの組み合わせで形成 されるバイオフィルム量は劇的に増加する.この増加量

は口腔Veillonella属を除くそれぞれの菌種同士で共培養

したときよりも,口腔Veillonella属と同時に共培養した ときの方が,バイオフィルム形成量は非常に多い.ま た,Streptococcus属 とF. nucreatumP. gingivalisA.

actinomysetemcomitansの組み合わせで共培養している中

に,口腔Veillonella属を追加して培養するとそのバイオ

フィルム形成量は二菌種での共培養よりもさらに増加す ることが近年報告されている.このように口腔Veil-

lonella属はそのバイオフィルム形成量において中心的な

役割をはたしていると考えられている.

しかし口腔Veillonella各菌種の分布や分類,さらにそ れらの病原性などは未だに不明な点が多い.実際我々は ヒトの舌苔からVeillonella属特異的PCRプライマーに反 応し,従来の口腔Veillonella spp.特異的PCRプライマー で反応しない12株を分離している.この中にはこれまで に報告されていない口腔Veillonella属の新菌種が存在す ると考え,現在その各種遺伝子の全塩基配列を解析中で ある.

[参考文献]

1)Periasamy S. & Kolenbrander P. E. Aggregatibacter actinomycetemcomitance Builds Mutualistic Biofilm Communities withFusobacterium nucleatum and Veil- lonella. Infect. Immun. 77 : 3542−3551, 2009

2)Periasamy S. & Kolenbrander P. E. Mutualistic Biofilm Communities Develop with Porphyromonas gingivalis and Initial, Early, and Late Colonozers of Enamel. J.

Bacteriol. 191 : 6804−6811, 2009.

3)Periasamy S. & Kolenbrander P. E. Central Role of the Early Colonizer Veillonella sp. in Establishing Multis- pecies Biofilm Communities with Initial, Middle, and Late Colonizers of Enamel. J. Bacteriol. 192 : 2965−

2972, 2010

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/【K:】Server/歯学雑誌/第30巻1号   4C150 1C133/本文/087     トピ眞島 口腔Ve 1C  2011.07.20 09.41

参照

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