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表紙、裏表紙写真は『源氏鬢鏡』(愛知県立大学附属
図書館蔵)。刊本。全二巻。大本。上巻二十九丁、下巻
三十四丁。小嶋宗賢、鈴村信房編。素栢跋。度々市兵衛
出版。万治三年(一六六〇)跋。
室町期に成立した源氏物語の梗概書『源氏小鏡』をさ
らに要約した簡潔な梗概に、鶏冠井令徳門の俳人である
編者らが、俳諧発句と絵を添えて平易に源氏物語五十四
帖の解説をした絵俳書。『源氏物語絵抄』、『金玉源氏絵
宝枕』、『源氏道芝』などの諸本がある。諸本の多さから、
この作品が広く受け入れられていたことがわかる。
本書は、巻末に作者系譜を付す。野々口立圃の『おさ
な源氏』の種本であり、さらに『京羽二重』の素材となっ
たという指摘もある。
影印として、国立国会図書館蔵本を底本とした『源
【表紙・裏表紙解説】
あいち国文第9号氏物語の探究 六』(風間書房、一九八一)がある。翻刻には『古典俳文学大系一 貞門俳諧集一』(集英社、
一九七〇)と『批評集成・源氏物語一 近世前期篇』(ゆ
まに書房、一九九九)があるが、どちらも愛知県立大学
附属図書館蔵本を底本として使用している。
本書から、表紙には第四帖『紅葉賀』、裏表紙には第
七帖『賢木』をそれぞれ使用した。『紅葉賀』には京都
の俳人馬渕宗畔の俳句「たちかはる風や紅葉の賀くの
舞」、『賢木』には同じく京都の俳人で『犬子集』作者で
もある松江重頼の俳句「をのつから榊の花や四手の帋」
がそれぞれ添えられている。
愛知県立大学貴重書コレクション(
http://opac1.aichi- pu.ac.jp/kicho/index.html
)で閲覧することができる。(文責:熊澤美弓)