編 集 後 記
藤原鎌足の墓が発見された︒正確には確認されたというべき
であろうか︒この古墳ー阿武山古墳ーの発見は昭和九年にさか
ごオちまのぼる︒その際︑高級な爽紆棺と共に人骨︑副葬品等が検出さ
れたのであるが︑﹁御陵﹂の可能性ありということで︑満足な
調査もしないまま再び埋め戻されたのだという︒土中に千年以
上も眠っていた有機質の遺物は︑一旦外気にふれると︑短期間
の内に見るも無残に変形・変質してしまう︒埋め戻された遺物
が良好な状態で保存されているとはとても思えない︒それはと
もかくとして︑残された資料は傷んだ写真の乾板とX線フィル
ム︒しかし︑コンピユーターを駆使した最新の科学技術と︑各
分野の専門家の協力は︑このわずかな手がかりから被葬者を見
つけ出すことに成功した︒日本人としては鎌足しかもらわなかった﹁大織冠﹂が罰副葬されていたのである︒おまけにその死因
まで明らかになった︒
人文科学の分野の研究も大きく様変りしつつある︒分析方法︑
研究システム︑いずれの側面においても新しい方向の模索を忘
れないようにしたい︒
四月から新しい名古屋校舎が発足する︒大学全体が揺れ動き
ながら︑ともかくも具体的な一歩を踏み出す︒前途多難とはい
うものの︑まあ歩きながら考えて行くこととしよう︒
今年は中田甫教授が退職される︒先生には十余年に亘って世
界文学︑ロシア語等を御指導願った︒文学論叢にも︑本号をは
じめ幾度か御執筆いただいた︒厚く御礼申し上けると共に︑益
々の御壮健と御活躍をお祈り申し上げる︒(T)
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昭和六十三年三月二十日印刷昭和六十三年三月二十五日発行
編者愛
印刷所
発行所 (非売品)
代 知
馨 大
湯 學 本 文 和 學 男 會
豊橋市東森岡
有限会社三愛企画
豊橋市町畑町
愛知大學文學會
振替名古屋三ー四五六五四
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