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複合脂質に関す.る生化学的研究

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(1)

複合脂質に関す.る生化学的研究

第9報 自三生長期にみける脂質の分析

 坂上利夫 徳嶋俊男 吉原萬雫  三成 脩 下條 貞 山木義弘

札幌医科大学生化学教室 (主任 大野教授)

     Biochemical Studies on Compound Lipides

      IX. Analysis of Gonstitue皿ts of Go皿pound.:Lipid.es       in Growing Stages of Albino Rats

      By

  TosHlo SAKAGAMI, TosHlo ToK(rsHIMA, MAMpEI Yog, HIHARA,

   OsAMu MiNARi, TADAigHi SHiMo,J6 and YosHIHIRo TsuzuKi

Department of BiochemistT・iy, Sapporo UniveTsit2J of Medicine (Chief: Prof. K OHNo)

   ゆ

緒  言

 白鼠の生長期における脂質の各種水解構成分を 薯者等により考按せられた定量法により分析し,

その生長期における意義を閑明せんとした。

実験方法

 10群の同腹の白鼠にて生後30日目に至るまで51]間隔 にてその脂質の分析を行なった。

 動物を肉挽機にて細挫し夏に海砂を加えて完全に磨細し,

50倍量のアルコール,エーテルC3:1)にて数回に分けて加 温抽出,抽出液を減圧にて濃締,再度工Pテルにて抽出す

ることにより維脂質劃分を得た。その一定1量をとり加温濃 紺せしめ3倍量のアセトン及びMgCI2の飽和溶液を1滴添 加,遠沈することによリアセトン可溶性並びに不溶劃分を 分離した。

 各劃分について次の如き分析を行った。

 総脂質劃分: 燐をFiske−Subbrow法1)l1925),コリン をBeattie法2)(19361,コラミン及びセリンを図上法3),脂 肪性アルデヒドをFeulgen法4♪l1938−39)の吉原変法5),糖 をSomogyi法6♪11930)に甚づける続木法7),スフインゴシ

ンを坂上法S)により測定した。

 アセトン可溶並びに不1容劃分:Bloor9)の酸化法により 各劃分の総量,またBlix法10)によリグリセリン量を測定

した。

       実験成績並びに考按

 脂質の分析結果は第1表(A,B)に示す如くであ

る。

 箪純脂質特に中性脂肪は出生直後の1.7%より 第5日の7%に急激に」曾:加し,第15日において

10%近くの最:高値に蓮し以後7〜8%の線を維持

する。

 複合脂貿は生後30日に至るまでほぼ一定値を維 持した(L1%)。燐脂質も全く同様の経過を示した

(0.9%)。グリセリン燐ll旨質が前者よりやや高値を 示しているのは,多量の中性脂肪の存在のために アセトン不備刻分中にも混在してきたためと老え

られる。

 レチチンは他の脂質に比してかなり顯著な変動 を示し出生直後のO.24%を最低とし,第10白に

1) Fiske−Subbarow: J. Biol. Chem. 66, 375 (1925).

.D戟@Beattie: Bioehem. J. 32, 1554 (1936).

3) 坂上: 未公干[1.

4) Feulgen: Zeit. physiol. Chem, 257, 161 (1938−39),

5)吉原:未公刊,

31.

6)Somogyi:工Biol. Chem.86,655(1930).

7,続水二未公刊.

8) 坂、L=未公干IJ.

9) Bloor: J. Biol. Chem. 82, 278 (1928).

10) Blix: Microchemica aeta 1, 75 (1937).

(2)

32 叛上・徳1鳴・吉原・三成・下條・続木 複合脂質に関する生化学的研究IX 札幌日誌1953

第1表A 白鼠成長期における脂質の分析 (体重100g毎のmg数)

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グリセリン(C)

コリン

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42.0

第1表B 白鼠成長期における脂質の分析 体重100霧毎のmg数,

     (体重は第1表Aに同じ)

生後掴数

至貫系屯};旨1改〔総、量,

中JI生)j旨n方

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総燐脂質 グリセリン燐脂質 レチチン ケプアリン プラスマロFゲン ズブインゴ脂質

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0.62%の最高値を示した。

  ケファリンはレチチンに比しては,二二でない が概むね対称的な変動を示した。即ち出生直後の

0.41%を最高値とし,第10日に028%の最低植

を示した,

 プラスマローゲン,スフ.インゴ脂質並びに糖脂 質は変動が極めて少なくほぼ一定値を維持した。

 白鼠は生後20日以後ぽ母乳に若干の燕麦を加 えて飼養せられた。生後2G日までは専ら母乳に のみその栄養を依存し,各例における脂質の分析

(3)

4巻1号 叛上・徳嶋・吉原・三成・下f条・続木  複合脂質に関する生化学的研究IX 33

結果もその個体弟は極めて少ない。しかしレチチ ン及.びケファリンにはかなりの個体艶が認められ たことは,両..者がほぼ.対称的に軽や減する事実とと

もに,生休内に二お・いて;次の反純{が1舌渡に営まれて いることを:示すものであろう。

    セリンー→コラミンOコリン

 白鼠の下血髄鞘化は生後15 H頃に始まり,40日 にしてほぼ完成せられるといわれている。この利1 経髄鞘に特に多量に包含されているプラスマロー ゲン並びにスフィンゴ脂質は,この置目皆野な変 化を示さすほぼ一定値を保ってV・ることが注口さ

れる。

 スフィンゴジンの母休が脂肪性アルデヒドとコ ラミンであるとV・う大野の仮説(1944)に酬えば,

白鼠生長期におけるスフィγゴ脂質並びにプラス マローゲンは他の脂質とともに動的牛衡にあるも のと見徹され得るであろう。

紹  括

 1)10群の同腹のt T鼠にっV・て生後30日まで 5ri間隔にて,その脂質の詳細なる分析が行われ

た。

 2)脂質の水解構成分としてグリセリン,燐,

コリン,コラミン並びにセリン,脂肪性アルデヒ ド,糖.及びスフィンゴジンが測定された。.

 3)水解構成分.の測定filli.vrL適当な因子を乗ずる ととにより中性脂肪,グリセリン燐脂質,レチチ ン,ケフアリン,プラスマローゲン,スフィンゴ 1」旨質及び糖脂質量が算出された。

 4)中性脂肪は出生.直後の1.7%より第5日に は6.5%と急激に上昇を示し,第15日に8.7%の 最高値を示し,爾後ほぼ7%の線を維持した。

      (21召禾ri 28.1.22受イ寸)

Summary

  An analysis of constituents was conducted in order  to determine the si.anificance of compound lipides in growing albino rats.

  The rats were divided into ten groups and their lipides were analized at intertials of 5 days from birth to the 30th day in each group・

  Glycerol, phosphorus, ch oline, ethanol−amine, serine, fatty aldehyde, sugar  and sphingosine produced by hydrolysis of lipides were determined directly. The values of neutral fat, glycerol−

phosphQlipid, lecithine, cephaline, plasmalogen, sphingolipid, and cerebroside were calculated.by mvltiplication of proper factors to the hydrolysate yalues.

  The results obtained from these experiments wei e as follows ; The va1ues of neutral fat was {at 1.7% on the first day and increased to 6.5/Ob/ on the 5th day a, nd showed the highest value, namely 8.7% on the ユ5th day. On the 20th, 25th, and 30th day it maintained ap−

proximately 7%.

  The values of other lipides were comparatively constant except in choline一 ,lt showed the highest value on the 15th day・ Sphingosine, sugar a. nd fatty aldehyde which have close relatioh to the nervous・ function showed constant values on the 15th or 20th day in which it was supposed that myelination of nerve was highly  active.

      (Received Jan. 22 , i953)

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