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光通信の教材化 小室一比古*・志賀 正章**

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(1)

光通信の教材化

小室一比古*・志賀 正章**

(1991年9月13日受理)

Light Communication as a Teaching Material

Kazuhiko KoMuRo and Masaaki SIGA

(Received September 13,1991)

は じ め に

光通信は,1970年代に実用化され,急速に発展している。今日,我々の身近にその技術が浸透し,

大きな役割を日常生活の中で果たしている例は数多くある。公衆通信システム・電力用光通信シス テム・道路用ITVシステム・鉄道用電力管理システム・光データハイウエイシステム・光ローカル エリアネットワークシステム・ITV光伝送システム・海底光通信・電力会社の電話通信網などがそ れであり,そこに使用させる光ファイバは,通信用ケーブルばかりではなく,工業用計測器,自動 車の電装部品,栽培用採光装置,医学用の胃カメラ,家庭用の採光装置や電化製品にも多く使用さ れてきている。

このように,光通信技術の実用性は,ますます増大して通信技術の中心技術となっていくととも に,電子技術の中心的分野1)になっていくと予想される。

指導要領の改訂により,技術科教育の中に情報技術が導入される現在,情報伝達と光通信の結び 付きは今以上に強くなると考えられる。したがって,光通信技術は電子技術の大きな分野であると ともに,技術と言う学問が未来志向型であることからして,光通信の基礎的しくみを技術科教育の 学習内容に導入する必要がある。

光通信技術の教材化の研究をみると,光ファイバを用いた通信の教材化への提案及び集積回路を 用いた送受機の製作が稲富・中山(1986)2)によって発表されている。つづいて,両氏(1987,

1989)3)によって,光通信にモールス電信の技術を取り入れた研究もなされている。本研究では,

基礎的な光通信のしくみの指導内容と学習の流れを構造化するとともに,実験を主体とした学習の ための教具を開発し,現行指導要領に沿った指導内容の可能性を検討する。

*茨城大学教育学部技術科(〒310茨城県水戸市文京2丁目1−1).

**R方町立山方中学校(〒319−31茨城県那珂郡山方町山方3267).

(2)

教材化への条件設定

光通信を教材化するにあたり,現行指導要領・指導書及び教科書をもとに,諸条件を設定した。

指導要領(技術・家庭科)の目標は, 「生活に必要な技術を習得させ,それを通して家庭や社会 における生活と技術との関係を理解させるとともに,工夫し創造する能力及び実践的な態度を育て る」4)とある。光通信技術が生活に必要な技術になっていることから,基礎的な光通信のしくみを 習得することは,家庭や社会生活の充実向上につながる。また,実験を主体とした授業を組むこと

よって,生徒の興味関心を高め,創造する能力や実践的な態度を育てることもできる。

指導要領の電気2の目標をみると,「増幅回路を用いた装置の設計と製作を通して,電子のはた らきと利用について理解させ,電気機器を適切に活用する能力を伸ばす」5)とある。光通信に用い る装置の基本回路は増幅回路であることから,光通信の指導は電気2の領域で行うべきである。

電気2の内容の(1)6)に,「イ 電源回路と増幅回路の仕組みを知ること」7)とあり,その内容解 説として,「増幅回路では,主として低周波増幅回路を扱い,その段数は2段までとする」8)とな

っている。また「ウ 使用目的に即して増幅回路を用いた装置の設計ができること」9)については,

「設計の意味を広くとらえ,電源電圧の変更,抵抗器の定数の変更,入力側や出力側への別な回路 の付加なども含めるものとする」1°)と解説している。このことから,増幅器は2段とし,・入力側と 出力側に光を扱う回路要素を接続すれば良いと言える。(2)11)の回路要素のはたらきと使用法につい てのところでは,発光ダイオードや光導電セルなどの光素子が使われている現在,光導電セルと同 等のはたらきをするフォトトランジスタを導入しても問題はないと考えられる。(4)12)の電気の役割 では, 「電子技術の進歩がいかに人間生活を明るくし,豊かにしてきたかを,身近な生活の中から 例をとって知らせる」13),「素子や部品の開発進歩の現状に着目させ,このことが生産生の向上や 機器の品質の向上に寄与していることを知らせる」14)では,前述のように身近な技術であり,多く の技術の中でも発展の著しい光通信を指導内容として導入することには,問題がないと考えられる。

さらに現行の技術・家庭科の教科書15)をみると,増幅回路の学習では,トランジスタを2石また は3石使用した2段増幅回路が記載されており,回路要素のはたらきの学習では,発光ダイオード や光導電セルがある。また,入力回路の学習では,光を電気に変える素子として光導電セルがあり,

出力回路の学習では,電気を光に変える素子として発光ダイオードが記載されている。設計・製作 例のところでは,光を感知して動作する回路が示されている。

以上のことから,次のように,光通信の教材化への条件を設定した。

1 増幅回路は,教科書に主に説明されている固定バイアス回路とし,増幅の段数は基本的なトラ ンジスタ1石の1段とする。

2 回路要素のはたらきでは,トランジスタに重点を置き,発光ダイオードやフォトトランジスタ は抵抗器などと同等の扱いとする。

3 学習の流れとしては,現行の流れ(増幅回路のしくみ)から発展させるようにする。

(3)

題材の構成

身近な電子機器の中から増幅器に目を向けさせ,そのしくみに関する興味関心を喚起させること を導入のねらいとして取り入れた。トランジスタのはたらきに重点を置き,特にベース回路とコレ クタ回路については,実験を中心とした学習展開を試みた。ベース電流とコレクタ電流の関係では,

単に抵抗器による電流の変化をみるばかりではなく,フォトトランジスタによる電流の変化をみさ せる指導により,光通信のしくみを理解させる第一歩とした。

次に,増幅器のしくみへと進み,入力回路では,音声や温度及び光の変化を電気信号に変えるし くみの実験を取り入れた。出力回路では,増幅された電気信号を音声や光及び力に変える内容とし た。このように,現行の指導内容と並列に光通信のしくみの指導を取り入れることで,生徒の理解 を助ける手段とした。

続いて,これまでの学習の発展として,「音声を光の信号で送るしくみ」を指導する。ここでの 内容は,音声を光の信号に変える方法と,その光の信号を再び音声に戻す方法とを考えさせ,実験 を通して理解させるものである。他の学習内容は,現行と同じとした。

図1は, 「基礎的な光通信のしくみ」の学習を取り入れた「電気2」の題材構成図で,枠で囲っ た項目が光通信に関係するところである。

いろいろな電子機器一電子機器と増幅器の必要性

u多編擦㍍ダイオードの整流作用

@       トランジスタ囎乍鷺礁鷺雛蚤羅熱、

増幅器のしくみ 電気信号の増幅      ・トランジスタ増幅回路のはたらき 入力回路のしくみ『一m:章声譲諜暴宏畿み

出力回路のしくみ『m:灘羅羅芝線,出す、,み

増幅回路のしくみのまとめ

増幅回路の応用一一ム:1;綴鑑薯欝瑠雛

電源回路      ・乾電池

・直流電源装置

設計 増幅回路を利用した鑓一ム9日戸 の信写に数るしみ

・光の信号を音声に変えるしくみ 構想のまとめ

製作 部品の検査

部品の配置 部品の取り付けと配線 ケースの加工 点検と調整

電子技術嚇と役

視E罰欄

図1題材の構成

(4)

教具の回路

1 トランジスタの基本的な増幅作用を理解させる教具(教具1)

図2が基本回路で,a−b間に信号が入るとブザーを鳴らす回路である。現行の学習内容が取り 入れられるとともに,図3のウとエの回路要素の接続により,光通信に関する部分学習ができる。

7㌣  {

50K血

a B2

10解a

b

3V

@     二

 acrylic bar

図2 教具1 の基本回路の回路図 図3 教具1に接続する回路要素

教具1と図3のウの組み合せによる実験では,光の量の違いによるブザーの鳴り方を調べる。図 4がそれである。また,図3のエを組み合わせて,発光ダイオードの光を送る実験ができる。その 図を図5に示す。発光ダイオードの光を送る方法は,光ファイバを用いた方が減衰率がきわめて少 なく望ましいが入手しにくいことやフォトトランジスタとの接続が難しいことから,簡単に入手 できる透明アクリル丸棒を使用した。透明アクリル丸棒の長さが30センチメートル以内の直線状の

ものであれば,教具1の回路では十分である。

実験台の部品配置及び回路は,図4のようにプリント基板を用いて,回路図通りとした。

耀囎騨

1雪 」() /

・撚 、・@蝿       脳細  廠

@  鑛欝㌔ 

岬難蕪 講、織

図4 フォトトランジスタを接続した実験台    図5 透明アクリル丸棒による光を送る実験

(5)

2 電気信号の増幅を理解させる教具(教具2>

教具1はトランジスタのスイッチング作用       47m a

の学習用回路であるが,図6に示す回路の教 b

具2はトランジスタの増幅作用の学習用回路

である。図6のa−b問に図7の各部品を接 3V

続すると,教具2では,マイクロフォン代用 8n lKn

10μF

のスピーカからの音声信号を,音声信号や光

の信号などにして出力できる。図8は発光ダ 10Kn イオードを接続した実験台である。

図6 教具2の送信側の回路図

      ウ

P25n 8n loon

㌔〉

 灘x

@      浄

船v

ぐ8。ryllc ba・

図7 教具2に接続する回路要素        図8 発光ダイオードを接続した実験台

図8の実験により,音声を入力した場合に,音声が光の強弱に変化していることを確認させる。

ただし,光の変化がみにくい場合には,スピーカを指で軽く叩くとみやすくなる。教具2では音声 を光に変えて送るだけであるから,図9に示す光を受ける教具3が必要である。教具2と教具3を 図7のエを用いて図10のように接続すると, 光通信の基本システムができる。

8.2m 暑25n 8n

1轄

ノ〆

       瀞

RV       一 C

d

図9 教具3の受信側の回路図 図10 光通信のしくみ実験台

(6)

送信側では,音声を電気信号に変えて増幅し,さらにそれを光に変えて,透明アクリル丸棒で送 る。受信側では,送られてきた光の信号を電気信号に変えて増幅し,その電気信号を音声信号に変 えてスピーカから音声として取り出す。透明アクリル丸棒の長さは,直線状であれば 100センチ メートル位でも通信可能である。ただし曲線状やループ状にすると,スピーカからの出力音声は小 さくなってしまう。

以上のような教具を用いた実験中心の学習により,生徒の「基礎的な光通信のしくみ」の学習は,

増幅回路の発展学習として深みを持つと考えられる。

実験授業の実践

1 電気2の指導計画

光通信の関連内容の指導は,題材の構成にあるように,トランジスタの増幅作用・入力回路・出 力回路の項目で,素子や回路の学習を通して行う。また,光通信のしくみについては,増幅回路を 利用した装置の項目で扱うようにした。以上のことを考慮して,電気2の指導を単元35時間扱いと

して,表1のように計画した。

表1 電気2の指導計画

小単 元 名 項       目 指導時数 小 単 元 名 項       目 指導時数

1 いろいろな電子 身近な電子機器を調べよう 1 [4]出力回路のしくみを調べよう 1

機器 (1/35) (13/35)

n 増幅器のしくみ [1]ダイオードとトランジスタを調べ 1 [4]出力回路のしくみを調べよう 1 よう(ダイオードのはたらき) (2/35) ②(変成器のはたらき) (14/35)

[1]ダイオードとトランジスタを調べ 1 [5]増幅回路をまとめよう 1

よう(トランジスタのはたらき) (3/35) (15/35)

[1]ダイオードとトランジスタを調べ 1 [6]増幅回路をくふうしよう 1

よう(トランジスタのはたらき) (4/35) (16/35)

[1]ダイオードとトランジスタを調べ 1     m7]直流電源の種類を調べよう 2

よう(トランジスタのはたらき〉 (5/35) (18/35)

[1]ダイオードとトランジスタを調べ 2 皿 設計 [1]増幅回路を利用した装置を考えよ 1

よう(抵抗のはたらき) (7/35) う① (19/35)

[2]電気信号の増幅について調べよう 1 [1]増幅回路を利用した装置を考えよ 1

(8/35) う② (20/35)

[2]電気信号の増幅について調べよう 1 [1]増幅回路を利用した装置を考えよ 1

(9/35) う③ (21/35)

[3]入力回路のしくみを調べよう 2 [1]構想をまとめよう 1

(11/35) (22/35)

[3]入力回路のしくみを調べよう 1

②(コンデンサのはたらき) (12〆35)

(7)

2 実験授業の実践

実験授業は,昭和62年度以降,茨城県那珂郡山方町立山方中学校3年生(男子のみ)対象に行っ てきた。図11に,「光通信の基礎的しくみ」の主となる指導の部分の学習指導案を示す。

授業後,事後テストを行い,さらに生徒の光通信の授業に対する考えを知るために感想文を書か せて,学習内容の理解度を分析した。

ね ら い 学習活動 ・内容 指導上の留意点 評   価

○本時の学習の 1 本時の学習課題を確認する。 ○光通信という最先端の技術につい ○課題に対して

めあてがわか て学習することへの意欲づけを十 意欲的である

光通信のしくみを考えよう。 分にさせる。 か。

○音声を光の信 2 音声を光の信号に変えるしく ○既習の音声を電気信号に変える方 ○自分の考えを 号に変えるし みを考える。 法(入力回路)を教具1で確認さ 持ち,グルー くみを予想で (1)入力回路のしくみを確認する せる。 プの話合いに きる (2)出力回路につなぐ電子部品を ○出力回路に目を向けさせ,その電 積極的に参加

検討する 気信号をどうしたら光の信号とし できたか。

◇グループで話し合う て取り出すことができるかを十分 考えさせる。

○出力回路につなぐ電子部品につい

てグループ毎に話合わせ,予想で

きたグループから順に確認の実験

ερ 7   c◎ を始めさせる。

7凝 y

(入力回路)

音声を電気信号に変えるしくみ

○実験により検 3 グループの話合いに基づいて ○発光ダイオードの接続の方向に注 ○発光ダイオー

証ができる 実験し,確認する。 意させる。 ・ ドの光の強弱

○スピーカから音声を入力し,それ が確認できた に応じて光の変化が見られるかど か。

うかを観察させる。

κ 耀o ○見づらい場合は,スピーカのコー

ン紙を脂で軽く叩かせる。

P 7     η

音声を光の信号として

取り出す装置

○音声を光の信 4 結果を発表して,音声を光の ○音声が発光ダイオードの光の強弱 ○音声を光の信 号に変えるし 信号に変えるしくみをまとめ という形で光の信号に変わってい 号に変えるし

くみがわかる る。 るようすを確認させる。次に,光 くみが理解で

の信号を音声に戻すしくみを考え きたか。

ることの必要性に気づかせたい。

(8)

○光の信号を音 5 光の信号を音声に変えるしく ○以前に光で電子ブザーを鳴らした ○光の信号を音 声に変えるし みを考える。 経験からフォトトランジスタが光 声に変えるし くみがわかる (1)光を受け入れ,それを電気信 に敏感に反応することを思い出さ くみが理解で

号に変える電子部品を考える せ,これを入力回路に接続すれば きたか。

(2)出力回路から音声として取り よいことに気づかせる程度とし,

出す方法を知る 音声に戻す回路は教師の説明を聞 かせるようにする。

R 7    ,3 ○音声を入力する回路のSP,T,

VR, Cの部分をフォトトランジ スタに置き換えて,光を直接電気 信号に変えて増幅し,出力回路か

γ ら音声として取り出せばよいこと

を理解させたい。

飾ゆ 7魔 ○身近な材料から透明アクリル棒を

使用するが,本来の光通信では光 光の信号を音声に変える実験 ファイバを用いることを付け加え

(3)実験により確認する る。

◇教具1と教具2を透明アクリ ○ラジカセからの音声を教具のスピ ル棒で接続し,実際に自分の 一力端子にコードで入力し,これ 声を光で送ってみる。 からは増幅器としても使用できる

ことを示す。

○光通信のしく 6 本時の学習のまとめをする。 ○学習カードはまず個人で記入させ ○光通信のしく みがわかる ◇学習カードに記入する て,その後にグループ毎に話し合 みが理解でき

◇後かたづけをする わせる。 たか。

図11 「光通信のしくみ」の指導案       再

結     果

実験授業の結果をみると,初年度においては,指導者の指導経験・教材教具の不備などから,や はり学習内容の理解度は低かった。そこで,ここでは,初年度の結果を述べて行きたい。

初年度の対象者は,3年の2・3組の合同クラス,1組の半学級クラスの合計56名である。

事後テストの結果,図12の回路要素のはたらきの問題は全員正答であった。

問1 次の部品のはたらきを線で結んでみよう。

発光ダイオード  ・         ・光の信号を電気の信号に変えるはたらき フォトトランジスタ・         ・音声を電気信号に変えるはたらき スピーカ     ・         ・電気信号を音声に変えるはたらき

・電気信号を光の信号に変えるはたらき

図12事後テストの回路要素の働きを問う問題

(9)

図13の通信のしくみの問題では,完全正答者54/56名であった。誤答のあった2名の者は,図14 中回答覧六番目の所が未記入であった。三番目と同じ答えになるはずであることから,増幅器が電 気信号を増幅することを,はっきりと理解していないことからの結果と言える。

問2 次のわくの中に信号名を入れよう。

1))mに

△mp lod g一 pt ▲rnp

})))

sp

図13事後テストの光通信のしくみを問う問題

感想文を分析してみると,「学習したことが良く理解できた」と答えた生徒は53.6%(30/56名),

「わかりやすかった」が14.3%(8/36名)であった。主な感想には次のものがある。

・トランジスタでも,増幅をするものや光を電気に変えるものがあって便利だ。

・光ではボリュームしか変えられないと思った。

・もう少し深く学習したい。

理解できなかったと答えた生徒は12.5%(7/36名),理解できなかったが興味を持ったと答え た生徒が10.6%(6/36名)であった。これらの生徒の感想には次のものがある。

・音が光になったのには驚いた。

・発光ダイオードが光りっぱなしでも音にならないのはなぜか。

・スピーカからの音がもっと大きい方がわかりやすかった。

2年目以降の結果では,ほぼ100%の理解度示した。感想文の中には,「文化の先取りをしたよう な授業であった」,「光ファイバのことをもっと深く学習したかった」などがいくつか見られるよう になった。このことは,指導者側の経験の積み重ねと,教材教具が整備されてきたこととの結果で あると言える。

光通信のしくみの学習の中で,生徒達は音声・電気信号・光の関係に非常に関心を持ったことは 確かであると言える。入手の問題があるので,光の通り道にアクリル棒を用いてあるが,光ファイ バは,最近電気機器や自動車の電装用などにも多く使用されてきているから,これを用いた教具を 用意することも可能であろう。

平成5年度から,新教育課程で実施され,今までの電気1と2の内容が一つになった「電気」と なる。しかし,内容の(2) 6)の回路要素のはたらきと使用法のところでは,発光ダイオードや光導電 セル,フォトトランジスタが含まれている。また,(3)17)の電気機器のしくみとでも,光通信が取り

(10)

上げられてもよい内容になっている。さらに,領域のまとめとしての(4)18)では,日常生活や産業と の関わりなどが内容であるから,技術の将来を見通した学習を展開するためにはこの技術は不可欠 なものである。関連として,新領域のFl青報基礎」の内容では,(3)19)のコンピュータの利用分野とい

うことで,コンピュータ通信が含まれてくる。

したがって,個々の学校の生徒の興味関心にあった教材教具を用意し,実験を中心とした学習を 展開すれば「光通信の基礎的なしくみ」の指導は現行指導要領と新指導要領の双方からはずれるこ

となく可能であると断言できる。

光通信の授業を平成元年度から取り入れた日立市の2つの中学校からも,生徒の理解が良いとの 報告がある。

1)小室一比古「電気領域における学習内容の大系化の理念」 『茨城大学教育学部教育研究所紀要』10

(1977),PP73−78.

2)稲富和夫・中山秀紀「光通信の教材化についての提案」 『第29回日本産業技術教育学会講演論文集』

(1986),P.54.

3)稲富和夫・中山秀紀「モールス電信方式について第1報」 『第30回日本産業技術教育学会講演論文集』

(1987),P.36.

稲富和夫・中山秀紀「モールス電信方式について第2報」 『第32回日本産業技術教育学会講演論文集』

(1989),P.46.

4)〜14)文部省『中学校学習指導要領』(大蔵省印刷局,1978),pp.85−90.

15)開隆堂『技術・家庭 下』(開隆堂,1989),pp.85−90.

16)〜19)文部省『中学校学習指導要領』(大蔵省印刷局,1989),pp.86−90.

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