市街地周辺地区における農業的土地 利用と都市的土地利用の調整方法に 関する課題と基本的方向
斎 藤 義 則
はじめに
市街化区域,市街化調整区域のいわゆる線引き制度が新都市計画法に導入さ れて以来,市街化区域内農地の利用をめぐって様々な視点から議論が展開され てきた。土地利用計画上、都市的土地利用と農業的土地利用の無秩序な混在は 望ましくないという認識では議論の一致がみられるものの,農地の具体的な利 用については保全すべきだとする主張と都市的土地利用に転換すべきだとする 相反する主張にわかれている。これらの主張の対立は,都市計画に関連する諸 学問分野の研究者や実務担当者に限らず,広く住民の問にもみられる傾向であ る。市街化区域内農地の利用や都市的土地利用と農業的土地利用との土地利用 調整方法について広く合意形成をはかるためには,既存の相反する主張の対立 点を整理し,土地利用を調整する考え方や制度,手法の評価,検討が必要であ
る。
本稿では,市街地周辺地区における都市的土地利用と農業的土地利用の調整 をはかるための課題と基本的方向について検討することを目的として,①市街 化区域内農地利用の既存の考え方と土地利用調整のための既存の考え方と方法 の評価,検討,②市街化区域内農家の農地利用意向の分析,③都市的土地利用
と農業的土地利用の調整のための課題と基本的方向についての考察を行う。
1.都市的土地利用と農業的土地利用を調整するための既存の 考え方と制度,手法
ω 市街化区域内農地利用の考え方
昭和43年に新都市計画法が制定され,市街化区域と市街化調整区域の線引き 制度が導入されると市街化区域内農地の利用をめぐって様々な議論が展開され
てきた。この議論に拍車をかけたのが,昭和46年の税制改正による農地への宅 地なみ課税の制度化である。宅地なみ課税の制度化については賛成論と反対論
との二つに分かれ,その根底には市街化区域内農地の利用方針をめぐる基本的 な主張の相違があった。
渡辺洋三氏は宅地なみ課税の論点を賛成論と反対論に分けて以下のように整
(1)
理している。
(賛成論の立場)
④市街化区域は当然に宅地化を予定している区域であるので,農業維持のこ とを考慮する必要は少なくとも第一次的にはない。
◎税負担を強化することによって農民が土地を手放さざるを得ないようにし むけ,宅地供給の促進をはかる(税が低いと農民は地価の値上りまちで容 易に土地を手放さない)。
㊦宅地の税とくらべて農地の税がきわめて低く,都市住民と農家の課税負担 の格差が拡がっているので,このような格差・不公平を解消する必要があ
る。
㊥同様に,三大都市圏と他の大都市の間で,またA,B農地とC農地の間で,
宅地なみ課税される農地とそうでない農地との課税負担の不平等が拡がっ ているので,これを解消する必要がある。
(反対論の立場)
④国全体の農業政策の見直しが問題になっているときでもあり,都市近郊農 業の重要性(その高い生産力,都市住民への新鮮な食糧供給基地)を再検 討すべきである。
@都市の中の緑地としての農地の機能を都市計画の視点からも評価し直すべ きである。
⑤地価上昇に対する課税は譲渡所得の重課で対処すべきであって、宅地なみ 重課で対処すべきでない。
㊥生産緑地制度が不備であるため,農業を継続する意思のある農民の農地に ついて広く免税措置を受けにくい。
㊨自治体の農業緑地制度による救済も,自治体の負担を増大させるのみで,
その継続性が困難になっている。
以上の宅地なみ課税の対立する論点を市街化区域内農地の利用方針の観点か ら整理すると,賛成論が宅地供給の促進と課税負担の格差是正を重視して農地 の都市的土地利用への転換を主張しているのに対し,反対論は都市近郊農業の 食糧供給機能と都市における緑地機能を重視して農地保全を主張していると言 えよう。宅地なみ課税導入を強く主張した華山謙氏は,「『都市計画法』は,市 街化区域内の宅地の供給を促進して,地価の上昇をとめるような,なんらかの 別の手段が講じられないかぎり,スプロール現象を解消することはできず,む しろ地価上昇に伴う供給制限と宅地規模の狭小化によって,市街化区域内にと り込まれた大量の農地山林の中でのスプロールをますます促進する効果をもた
(2)
らすことになりかねない」とし,「土地保有税の強化が,土地の供給を促進す
(3》
る」と結論づけている。一方,渡辺洋三氏は,前述の論文で宅地なみ課税の対 立する論点をふまえた上で,「都市計画区域を市街化区域と市街化調整区域と の二つに分けて前者を宅地化するために農業をやめさせるという発想は,土地 が多面的使用価値をもっていることを無視した単純な考え方にもとつくもの」
であり,「都市周辺の,あるいはその内部の農地の存続を積極的にはかること が,農民の生存権的土地利用の保障になると同時に都市住民の生存権的土地利 用の保障にもなる」として都市計画法の基本的発想の転換を求めている。な お,線引き制度導入以来,都市計画分野において,制度の評価と市街化区域内 における土地利用推移の実態分析に関する研究は数多くなされているものの,
(4)
市街化区域内農地の基本的な利用方向に対する主張はあまりみられない。むし ろ線引き制度を前提とした議論が中心である。
以上の論点を線引き制度との関連で整理するとつぎの3つになる。第一は線 引き制度を前提として,市街化区域内農地を都市的土地利用に転換する手法の 開発を中心課題として論じているものである。宅地なみ課税導入を主張したグ ループの論点である。第二は線引き制度を前提としながらも,農業継続意向の
(5)
強い農家が経営する農地は積極的に保全するという立場に立つ主張である。そ
(6)
して,都市計画法の一部見直しや制度改善が必要であるという問題提起がなさ れている。第三は線引き制度そのものの根本的見直しが必要であるという論点 に立ち,農地を積極的に保全するという考え方である。しかし制度そのものの 是非とは別に,農地が都市の中に存在することの意味を各論点から比較すれ ば,都市の中に農地は必要ないとする立場と農地の多面的利用価値を重視して 都市の中にも農地が必要であるという全く相対立する立場があることは明らか
である。このように考えると,市街化区域内農地の利用をめぐる問題は,従来
(7) (8)
の都市像,地域像の設定に深く関わっている。すなわち,伝統的な都市像は第 一次産業以外の職業に従事する人々の居住地であり,都市的土地利用によって 構成される居住地であったが,昭和30年代以降のスプロール現象の進行により 都市内部に既存の農村集落がとり込まれ,その結果として都市内部にいわゆる 非都市的要素が多く付加されてきた。そのため,従来の都市像,地域像に混乱 が生じてきたと言えよう。従来の都市像に従えば,市街化区域内農地の利用に 関する問題は生じる必然性のないものであるが,現実にこれが問題となるほど に従来の都市像,地域像がゆらいでいる。このような問題提起はわずかながら 都市計画実務担当者からもなされている。蓑原敬氏は,線引き制度の諸問題を
論じたあとに「今,本当に問われているのは,手段としての制度なのか,新ら (9)
しい,都市・農村を掩iう地域像,大都市圏像なのかという基本的問題がある」
と問題提起している。
(2)用途混在,混住についての考え方
市街化区域内農地の利用問題は都市像,地域像の設定と密接に関連している ことを指摘したが,本節では,各種の土地利用の混在すなわち用途混在が都市 計画においてどのように位置づけられているかについて検討する。
用途地域制を含む地域区制は異質の土地利用間の競合と干渉を調整するため に誕生してきたものであるが,その成立は1910年のナポレオン告示にまでさか
(10)
のぼると言われている。また法的に定められたのは19世紀のアメリカが最初で あるとされている。我が国に地域地区制が導入されたのは,大正8年の都市計 画法が最初であり,住居地域,工業地域,商業地域,美観地区,風致地区など に区分されていた。その後の法改正で地域地区の種類が増え,現行都市計画法 では,住居系,商業系および工業系を基本として8種類の基本的な用途地域が
ある。
我が国における地域地区制の一貫した原理は,「土地利用における用途の純
(11)
化であり専用地区の形成」にあったと言われている。しかし,現実の市街地は 用途純化を目標とするにはあまりも複雑で,大正8年の都市計画法制定以来,
「妥協の結果として,また原理に反するものであるが必要悪的なものとして混
(12)
合地域の形成を追認」してきた。現行用途地域制も混合地域を追認した形での 建築物の用途制限がなされていることは明らかである。
一方,地域地区制における用途混合の消極的な位置づけに対して,より積極 的な位置づけをすべきだという指摘がある。北條蓮英氏は住工混合地域の調 査。分析をふまえて,「小規模で,公害発生がないか,公害対策の可能な工場の 存続をみとめ,生活環境整備を行って共存を可能にする地区」として「(住工)
(13)
混合維持地区」を設定することを提案している。また堀内亨一氏は東京都入 王子市の用途地域制の変遷を分析した上で,「この八王子市の地域指定の歴史
を振り返ってみると,昭和21年の土地利用純化を狙った細かな地域指定は明ら かに誤っていたと考えられる。土地利用の混存が自然とも考えられる発展段階 にある地方都市で,あまりにも性急な型で土地利用の純化を求めたことに無理
(14)
があった」と述べ,「土地利用の純化ができれば,建築計画上また公害行政上 に大きなメリットがあるにしても,すべての都市にあてはまる都市計画上の条 件とも考えられない。敢ていえば,土地利用が混在したまま保全をはかるべき 市街地もある」と指摘している。
つぎに混合の概念規定について検討する。北條蓮英氏は,住工混合地域の研 究において「居住機能と工業生産機能とがまじりあって共存した空間を混合地
(15)
域」と概念規定し,混合地域を具体的に把握するための検討事項として,「① 表1 混在の形態と対策の基本的考え方 (住宅 1975年5月号 PP.72より)
, も
混在の諸形態
r璽冨0 望i猿
R.°髭
毒 ●
建物内混在 敷地内混在 街区内混在 地区内混在 地域内混在
…_ 職住近妾 う 暫・ノ離
生活パターン 企飴、ピ・・言の一化 企業蕎計と家の
転集約ヒ 夕移云
純化の方策 大気汚染
環境阻害 水質汚染 要因の圏域 悪 臭 騒 音 震 動
調和の方策 目隣関係の調 .+発生源対策 発生源対策松害防止設備の共同化}
混合をみる指標,②地域把握の単位(大きさ),③混合と専用との判定基準,
④混合の粒度と分布密度等」の4つをあげている。概念規定における,「工業 生産機能」は住工混合地域を対象としているためにこのような表現を用いたも のと考えられ,混合地域の概念規定としては単に生産機能とする方が一般性が あると考えられる。また用途混合に関する研究が住工混合地域を対象として多 くなされていることの反映ともみることができよう。混合と類似した用語であ る混在の概念規定については「混合のひとつの類型であって物的施設に視点を おいた見方であり,主成分とは異質なものの存在を意味している」としている。
市街地周辺地区における都市的土地利用と農業的土地利用の混在を問題とす る場合、上記の検討事項の,②地域把握の単位(大きさ)が特に重要な検討事 項と考えられる。伝統的な都市像は,市街地における農業的土地利用の存在を 前提とはしていない。従って都市的土地利用と農業的土地利用の混在が,伝統 的都市像との関係で問題となるのは,市街地スケールもしくはそれ以下の空間 スケールにおいてである。著者は都市的土地利用と農業的土地作用との混在型 土地利用が形成されている空間単位を,①市街地スケール,②地区スケール,
(16) (17)
③街区スケールの3っに区分したが,二宮公雄氏は「住工混在地帯」における 混在の形態を,①建物内混在,②敷地内混在,③街区内混在,④地区内混在,
⑤地域内混在の5つに区分しそれぞれについての対策の基本的考え方を示して いる(図1参照)。また農村における「混住社会」化の進行という現状認識に 基づいて,伝統的な農村像の見直しと地域把握の単位を明確化する必要がある
(18)
ことも指摘されている(図2参照)。
表2 混住化現象(茨城公論恥2pp.11より)
空間オーダー 混住化レベル 変 化 主 体 「 間 変 化 1 既存の地域住民 な し
小スケール
i集落単位) 皿 地域住民の地縁・血庶メ 高密化拡大
脛 新流入住民 拡大,新居住域の形成
皿 地域住民の関係者 新居住域の形成
中スケール
i町村単位) H,皿 地域関係者と新流入Z民の混合 同 上
皿(主として) 新流入住民 大規模新居住域
i新市街地)の形成
大スケール 皿(主として) 新流入住民 既成市街地の拡大のみ
(市町村圏単位)
同 上 新規都市集積地の形成
皿 同 上 市街地の連担化
「混住社会」という用語が最初に使われたのは,昭和47年度の農業白書であ るとされており,大都市近郊の農村が「専業農家,兼業農家および非農家の混 住する地域社会に変化している」とし「農村社会の混住社会的性格の増大」が
(19)
問題にされたという。混住社会に関する研究は,農村計画分野においていくつ
(20)
かの蓄積があるが,混住社会の明確な概念規定はなされておらず,一般には
(21)
「都市的産業従事者の農村居住現象」と理解されている。すなわち,混住の要 素は農家と非農家であり,地域把握の単位は農村集落という考え方が一般的で ある。これに対し前記した土肥博至氏は「一定の地域に、多様な産業に就業す る人びと,多様な生活歴をもつ人びと,多様な生活様式をとる人びと,多様な 価値観をもっ人びとが混り合って生活している状態が混住現象であり、そうし た現象を生じている地域を混住地域(P14)」と規定し,表2に示すように,
混住現象を空間オーダー,混住レベル,変化主体,空間変化の4つの側面から 捉えることを主張している。そして「農村地域,都市地域と並ぶひとつの典型 的な地域社会(P15)」として混住地域を位置づける必要性を指摘している。
このように土肥博至氏は混住概念を広く規定し,新しい地域像を持つ社会とし て混住地域を位置づけている。著者も基本的には,土肥氏の混住地域の位置づ けの認識に立つものであるが,土肥氏の論文では,混住現象を捉える3つの空 間オーダーとその内容が既存の概念,すなわち兼業化,都市化,スプロール 化,都市圏などとどのような関係にあるのかが明確でない。例えば,集落単位,
町村単位での混住化レベル皿では新流入住民による空間の拡大と新居住域の形 成がなされるとされているが,これをスプロール現象と区別して混住化現象と 規定する理由が明確にはなっていない。また混住レベル1においては兼業化の 概念とどのように区別されるのか,市町村圏単位での混住化現象が都市圏の拡 大とどのように区別されるのかなどが明確でない。混住現象の概念規定にっい ても,要素である人の性格づけが広く,混じり具合の程度について規定がない ために,是非は別としてこの概念規定によれば,都市も農村も混住地域と規定 することが可能で,新たに混住地域を区分することが矛盾に陥いる。もし仮り に,都市化,スプロール化,都市圏などの概念が都市を中心とした見方で混住 概念が農村を中心とした見方であるとするならば,混住地域を統一した地域概 念として捉えることは困難である。ただし,混住地域を「農村地域,都市地域 と並ぶひとつの典型的な地域社会」として位置づけることの必要性の指摘は重 要である。市街地周辺地区における都市的土地利用と農業的土地利用との調整
方法を検討する場合に,農地保全をはかっていわゆる農村としての環:境を保全 するケースや農地の都市的土地利用への転換を促進し都市としての環境を形成 するケースの他に,都市的土地利用と農業的土地利用とが相互に競合せず,調 和のとれた土地利用計画を目標とするケースがあることを暗示している。
以上本節では,用途混合が都市計画においてどのように位置づけられている かという点と,伝統的な農村像に見直しを迫っている混住化の概念について既 存の考え方の概略を整理した。市街地周辺地区における都市的土地利用と農業 的土地利用との調整方法を検討する場合には,単に農地保全かそれとも農地の 都市的土地利用への転換といった二元論的な検討を越えて,伝統的な都市像,
地域像と用途混合との関係や,混住化との関係で検討し位置づける必要がある と考えられる。その際,混住概念を兼業化,スプロール化,都市圏の拡大と いった既成概念との関係を明確にする必要がある。
(3)既存の土地利用調整の考え方と制度,手法
異質な土地利用間の競合と干渉を調整するために誕生した地域地区制の発達 (22)
jについては,いくつかのすぐれた研究がある。また我が国における市街化抑 (23)
ァ制度について詳細に論述したものもある。本節では,これらの研究成果をふ まえて市街地周辺地域における都市的土地利用と農業的土地利用との調整方法 を検討する上で最も密接な関連がある市街化抑制制度に焦点をあて,この制度 が用途混合をどのように位置づけていたか,また都市像や地域像とどのような 関係にあるかを中心に検討する。そして,市街地周辺地区における土地利用の 調整方法として提案されている考え方についても評価,検討する。
石田頼房氏は前記の論文で,1945年までの我が国における市街化抑制制度の 型を以下の4つに分類している。
①都市施設境域型,即ち緑地を都市計画施設とし計画・事業決定することに より,その境域内において建築制限を課し,土地収用をおこなうもの。(以
下略)
②地域地区型,これは「緑地地域」等の名称の地域制を住居地域,工業地域,
商業地域などと並列的に,或いは別個に規定するものである。(以下略)
③農業地域型,農林業等の生産の維持発展を目標とした法制化(以下略)
④区域分型,都市計画の対象区域を,市街化の状況あるいは市街化に対する
計画的対処の方法に従って,いくつかの地域に区分する考え方(以下略)
また,市街化抑制の「理念」を以下の4つに整理している。
①無制限な市街地の拡大を抑制するという本来的な理念
②都市住民にレクリェーション等のためのオープンスペースを提供するとい う,利用緑地的理念
③対空火器陣地,防空飛行場,避難地,延焼防止等の「防空空地」理念
④農林業を保護し農林業生産を発展させるという,生産緑地的理念
一方池田孝之氏は主要な市街化規制制度として,①建築線制度,②空地地区 制度,③緑地地域制度,④新都市計画法に基づく区域区分・開発許可制度,の 4つをとりあげ,各々の制度がもつ,目的,基準,運用,実績等について詳細 に分析している(表3)。そして前者3制度の特色について,「3制度の基本 的な目的は,都市の膨張・過大化の防止と無秩序な市街化の防止にある。異 なるのは,①市街化抑制に力点をおいているもの(緑地地域制度),②計画的 な市街化に力点をおいているもの,③両者の中間にあるもの(空地地区制度)
に分かれていることである。これらのうち,空地地区制度,緑地域制度の2制 度は基本的に『区域を定めて』これらの目的を達成しようとするものである が,それに対し建築線制度は,地域の状況に応じて即地的,地区的に市街化を 規制・誘導しようとしている点に特色がある」と述べている。
以上の研究成果は,我が国の市街化抑制制度が理念と内容の双方において・
土地利用の純化を目標としたものであることを示している。しかも土地利用純 化を目標とする空間単位は市街地スケールを基本とするものであり,その意味 では伝統的な都市像,農村像を基盤とした土地利用調整の方法と考えられる。
また池田氏が指摘するように,主要な市街化規制制度が市街化抑制に力点をお くものと,計画的な市街化に力点をおくものがあることは,市街地周辺地区を 農村のまま保全するという考え方と都市的土地利用に転換するという考え方の
2つの相反する目標が根底にあることを示している。したがって我が国の市街 化抑制制度の基本的な考え方は,土地利用の純化すなわち用途混在を排除する
というものであると考えられる。
つぎに現行線引き制度の原案となった宅地審議会第6次答申「都市地域にお
表3 市街化規制制度対比表(「都市周辺市街化地域における市街地形態の計画 的規制手法に関する研究」pp.169〜170より)
i建築線制度
空地地区制度 緑地地域制度
1968年都市計画法による区域区分・開発許可
制度 1.目 的 ・建築物の位置を制限することによっ
ト,あらかじめ道
H空間を確保し,市街地の整理及び
・地区を定めて建築
ィの密度を圧え,宅地内に一定の空
nを確保すること ノよって密集市街
・非市街化地域を定めて,市街地の膨
」仰制,家屋の連
S防止,自然環境の保護及び農業の
・都市計画区域を区分して,無秩序な市街化を防止し,計画的な市街化を図る。
秩序化を図る。 地の防止,住環境 保全を図る。
の保全を図る。
2.適用区域 ・市街地建築物法適 ・(戦前)市街地建 ・戦災都市の都市計 ・都市計画区域内 用区域内 築物法適用区域内 画区域内
・(戦後)都市計画 区域内
3.計画の決定 ・地方行政官庁(東京の場合は警視庁) ・大臣決定 ・大臣決定 ・知事が計画を決定し,大臣の認可を受ける
4.規制の方法 ・建築線を画的,線 Iに指定し,建築 ィの位置,配列を ァ限する。併せて
?ケの開設を統制 キる。
・6種類(戦後は9 嵭゙)の地区を指 閧オ,地区内にお ッる建築物と敷地 ニの関係について e積率(戦後は建
・用途(農林漁業等は許容)及び建ペ
C率(10%以下の Z宅を許容)の制 タによって,地域 烽ノおける建築物
・都市計画区域を市街化区域と市街化調整
謌謔ノ2分し,市街
サ調整区域内では,農林漁業用及び例外
Iな開発(20㎞以上 ペイ率も加わる) の立地を仰制する。 の計画的なもの,市
と敷地境界線から 街化の恐れがないも
の外壁後退距離に の等)を除く,開発
よって制限し,一 行為,建築行為の全
定の空地の量と配 てを制限し.市街化
置を確保する。 区域内では,一定規
模(1,000ηの以上 の開発行為に対し,
許可制によって,適 正なものに規制,誘 導する。
5.効 果
@①規 制
@②誘 導
@③整 備
①市街化仰制として
@の効果は少く,個
@々の建築行為,開
@発行為は原則とし
①市街地を低密度に
@圧え,一定量の空
@地が確保されるこ
@とから,住環境の
①低密度の住宅立地
@は許可されるが,
@市街化仰制として
@の効果は大きい。
①ほぼ完全な非市街化
@区域の設定であり,
@市街化仰制としての
@効果は大きい。
て規制出来ない。
A市街地形成の秩序
保全としての効果をもち,市街化仰 ②区画整理の促進手
@段としても運用さ
②開発許可制度の連用により,一定の開発
化・計画化を図る 制にもいく分影響 れ,計画的市街化 を一定水準のものへ
ことが出来る。 を与える。 への誘導的効果を 誘導できる。
③道路空間の整備, ②,③特にない もつ。 ③特にない。
ある程度の土地区 ③特にない。
画整理を行うこと が出来る。
6.問 題 点 。指定運用が一方的 ・規制値と現実との 。完全な非市街化区 ・区域区分が単純化し なものとなり易い。 間にギヤップがあ 域ではなく,低密 ており,地域の特性
・私道の制限に対す る。 度の住宅立地を許 に合わせた運用がし る補償措置がない。 ・制限に応じた補償 容したため,市街 にくい。
・土地の交換分合が 舶ェ的にしかなさ
措置が撫い。・規制内容が複雑で 化への歯止めを失ってしまった。 ・建築行為,即成宅地 刹yび一定規模未満 れず,指定によっ ある。 ・縁地確保のための の開発行為が規制対 て負担の不公平, ・規制取締りの体制 財政的措置が無い。 象から除外されてお 建築不能地が生じ が充分でなく弱体 ・建ペイ率規制値の り,これによる市街
る。 であった。 設定が暖昧で,現 地形成をコントロー
・私道の新設等が法 実との 離があっ ル出来ない。(市街
的に自由である。 た。 化区域)
。形成される市街地 ・規制取締りのため ・計画的な市街化促進 の水準が必ずしも の体制が充分でな するための方策が不 良好なものとなら
ネい。 く弱体であった。 充分である。
ける土地利用の合理化を図るための対策に関する答申(昭和42年3月)」(以 下6次答申と呼ぶ)について検討する。6次答中では,「現在,都市地域にお ける土地利用計画に課せられた最大の課題は,急速な都市化に伴う土地利用の 変革に対処することであり,特に都市化が予定される地域を合む一定の都市地 域について,無秩序な市街化を抑制し,良好な都市水準を確保しつつ,望まし い都市形態を実現することである」という認識に基づき,「一定の都市地域に ついて,総合的な土地利用計画を策定し,開発許可制度によって土地利用を規 制,誘導する一方,都市施設整備のプログラムを確立し,その責任分担を明確 にすることにより,秩序ある市街地の開発を促進する等の措置を講ずる必要が ある」,としている。具体的には表4に示すように,都市地域を既成市街地,
表4 宅地審議会答申における地域区分の概要(「都市計画」119号PP.23より)
農地転用規制お
地域の属性 地域の趣旨 都市的公共投資 土地利用の規制 よび農業側から 課税の方向 の対応
連たん市街地 土地利用の純 公共施設整備 用途,密度に 農地転用の許 農地について およびこれに接 化,高度化,拠 のおくれの取戻 関し,細分化, 可を不要とする。 も宅地として評
H続しつつある地 点的再開発 し,重点的な再 合理化した地域 積極的農業投資 価して,固定資 既 域 開発事業の促進 制により,土地は行わない。 産税と都市計画
成 利用を合理化す 税を課する。未
市 る。開発行為に 利用地税の創設
街 っいては,一定 を検討する。
地 の施設水準に適
合するものに限 り許容する。
一定期間内に 積極的な市街 幹線的な公共 開発行為は 農地転用につ 固定資産税と 口計画的に市街化 地開発の促進 施設の整備を先 原則として,相 いては,開発時 都市計画税にっ 市すべき地域 行的に行う。 当規模の計画的 期を勘案して, いては,開発時
街 な開発に指向さ おおむねHと同期を勘案して,
化 せるよう規制す 様の方策を講ず おおむねeと同
地 る。建築はこの る。 様の方策を講ず
域 ような良好な宅 る。
地のみにおいて 許容する。
都市地域のう 市街地の開発 市街地として 開発行為は原 開発が許容さ 都市計画税は,
日 ち←},口,四以をできる限り抑 開発するための 則として認めな れた例外的な場 開発を許容され 市外の地域。一定 制することを基 公共投資は原則 い。ただし,自 合のほか,農地 た土地以外には 街期間市街化を抑 本方針とする として行わない ら必要ない公共 の転用は原則と 課税しない。
化制または調整す 施設を整備して して認めない。
調 る必要がある地 大規模な市街地 積極的な農業投
整域 を計画的に開発 資を行う。
地 するものは,例
域 外的に許容する
地形等から開 原則として開 開発のための 開発は抑止す 原則として農 固定資産税等 四 発が困難な地域,発を抑止する 公共投資は行わ る。土地利用に 地転用は認めな を軽減する。
保歴史,文化,風 ない 著しい支障を来 い。農業投資に
存致上保存すべき たすこととなる っいては,日と
地 地域,緑地とし ときは,買取り 同様。
域 て保存すべき地 に応ずることが
域 ある。
市街化地域,市街化調整地域および保存地域に区分し,それぞれの地域ごとに 土地利用の規制,誘導,都市施設の整備を行うというものであった。なお,昭 和41年9月1日付でだされた中間答申では開発保留地域が提案されていたが,
最終報告では削除された。現行の2区分型と6次答申の4区分型の関係を示し
たのが表5である。6次答申の内容紹介と現行制度との関係について論じたの (24)
は数多いので・ 表5 宅地審議会第六次答申と1968年法の比較 ここではこれら (都市計画113号PP.23より)
の論点について ,
1宅地審議会第六次答申1967 1968年都市計画法 は省略するが, 地 域 名 規制内容 地 域 の 概 念 区域名 規制内容
6次答申を積極
Iに評価する意 既成市街地 個別開発行ラも認める
・連坦市街地・これと接続し現に市
X化しつつあり10年 ネ内に同様になる見
見が多く,現行 込 市街化区 個別建築
の2区分型に後
゙した理由その 市街化地域
計画的かつ一定規模以
繧フ開発の ン認める
・将来一
闃匇ヤに市街
・優先的か ツ積極的ノ市街化
はかるべき地域
域
行為も認める
ものを問題視す
髟K要があると (25) 市街化調整地域 当画原則的に開発禁止 化の可
¥性あ ・当画市街サをおさ
ヲるべきn域 市街化調
計画的一 闍K模以繧フ開発 の指摘もある。
オかし,6次答 保存 地 域
開発禁止,
y地売買制
タ
・種々の条件から市街 サをさせるべきでな
「地域
整区域 は認める アとがあ
申の区域区分を
用途混在の位置づけという観点からみれば・土地利用の純化を目標としたもの であることは明らかである。昭和30年以降の急激なスプロール現象は・市街地 周辺に既スプロール地区とも言うべき・都市的土地利用と農業的土地利用との 混在した既成市街地を形成した。このような地区における土地利用計画の目標 設定は,都市的土地利用もしくは農業的土地利用との二者択一的な選択を越え て検討する必要があると考えられる。
線引き制度が新都市計画法に導入されて10年以上経過したが・制度導入の目 標とされた,無秩序な市街化を抑制し望ましい都市形態の実現は残念ながら十 分には果たされていない。このような状況に対して,市街化抑制のための新た な提案がなされている。石田頼房氏は,宅地率と基盤整備がなされているか否
難し罐麗幣雛論羅著鷺鰻畿総
運用方針を導入し,無秩序な市街化の防止と計画的市街地形成を目指している。
表6 市街化区域の再区分と計画化の手法(総合都市研究第4号pp.68より)
現行区分 カテゴリー区分 地域の性格規定 計画化の手法
連担既成市街地 基盤整備の有無にかかわらず 賴n率が一定以上の地域
保全・修復・再開発 街路,公園,下水道,公益施 一定水準以上で基盤整備の計 基盤整備済地域 設等整備済の非連担市街地
謇謳ョ理済地区,開発許可済
画条件に適合する個別建築行 地区 ラは容認
市街化区域 基盤整備がなく,宅地率が一 地域地区型市街化抑制制度を 既スプロール地域 定以下の地域 モザイク状指定
n区詳細計画的規制の下で市 街化容認
未市街化地域
i計画的市街化地域)
基盤整備がなく,ほとんど都 s的土地利用を含まない地域
区域区分型市街化抑制制度 ハ的整備をおこなった後に基 ユ整備済地域へ
2. 市街化区域内農家の農業経営状況と今後の農業継続意向
(1)調査,分析の目的と方法
市街化区域内農地の利用を検討する上で,市街化区域内の農家がどのような 農業経営を行っており,また今後どのような農業継続意向を持っているかを明
らかにすることは重要である。
本節では,①市街化区域内農家の農業経営状況,②農業継続意向,③宅地化 の進行で農業経営上困っていることと今後の対策,の3点について農家アンケ 一トから分析する。アンケート対象地区は,埼玉県草加市の旭町,金明町,清 門町で,水田と建売住宅,戸建て住宅とが混在している典型的なスプロール地 区である(図1)。対象地区は東京都心より20肋圏に位置し,東武伊勢崎線が 地区内を通っている。当地区は全域市街化区域に指定されているが,区画整理
などの基盤整備は実施されておらず,基盤末整備地区である。旭町には東武伊 勢崎線の新田駅があり,調査対象地区の中では最も早く宅地化が進行した地域 で農地の割合は相対的に低く,既スプロール地区である。清門町は線引き以前 に耕地整理がなされたが,戸建ての住宅のスプロールがかなり進行しており農 業用排水路に生活排水が流れこみ水問題が深刻化している地区である。金明町 は,農地率では清門町とほぼ同率の約5割を占め,都市的土地利用と農業的土 地利用とが相半ばする地区である。農業用排水路の汚染化はそれ程進んでおら ず,土地条件的にみた場合には農業経営継続の可能性が高い地区である。
アンケート調査は昭和52年7月に行い,アンケートの配布は1975年の農林業
償 轄, ・{療 凝灘繭瀬疑蝋、難驚…欝・墜
{擁 碧 き.
一
図1 調査対象地区
センサスに規定されている農家66戸の全戸を対象とした。有効回答数と有効回 答率は,43戸で65%である。
(2)自家農業従事者形態を軸とした農家分類と農業経営の概略 農業経営が安定的に維持されるためには,
安定的な確保,経営手段としての農地の確保,
が不可欠である。したがって農地の保全は各農家の農業経営の安定性と密接な 関連があり,特に農家の労働力が安定的に確保されるか否かによって農地が保 全されるかどうかが左右されるとも言えよう。
者形態を軸として農業経営状況を分析することにより,市街地周辺地区におい ては農業経営の異る農家層が混在していることを明らかにする。
農家の就業形態区分については農林業センサスをはじめとして,さまざまな 区分が提示されているが本稿では農業従事者の年間従事日数と年令とを組みあ わせて以下の7つに区分した。第一は,年間150日以上農業に従事する19才か
ら29才の男子がいる農家でこれを成長型と呼ぶ。第二は,年間150日以上農業 に従事する30才から44才の男子がいる農家でこれを安定型と呼ぶ。第三は,年 間150日以上農業に従事する45才から59才の男子がいる農家でこれを不安定1 型と呼ぶ。第四は,年間農業従事日数が150日未満で年令が60才未満の男子が いる農家でこれを不安定五型と呼ぶ。第五は,60才未満の女子しか農業に従事
していない農家でこれを不安定皿型と呼ぶ。第六は,男女ともに60才以上の農 業従事者のみで,そのうち男子がいる農家でこれを崩壊1型と呼ぶ。第七は,
60才以上の女子しか農業に従事していない農家でこれを崩壊∬型と呼ぶ。
調査対象地区における農業従事者形態別の農家戸数は,成長型が4戸,安定 型が8戸,不安定1型が11戸,不安定H型が8戸,不安定皿型が3戸,崩壊1 型が9戸,崩壊五型が該当なし,となっている。
表7は農業従 表7 所有農地現況
事者形態別に平 田 畑
不耕作 貸 付 計 植 木
均所有農地面積 盛 370α 168 0 27.5 565.5 0
を示したもので (4戸) 92,5α/戸 42 0 6.9 141.4 0 ある。これによ 安定 820α 213 20 11 1064 0
(8戸) 102.5α/戸 26.6 2.5 L4 133 0
れば,成長型,安
1 805α 188 55 5 1053 60
定型,不安定型, 不 (11戸) 73。26/戸 17.1 5 0.5 95.7 5.5
崩壊型の順に平 安 皿 455α 72 63 0 590 0
(8戸) 56.9α〆戸 9 7.9 0 73.8 0
均所有農地面積 定 皿 75α 58 30 0 163 35 が小さくなり, (3戸) 25α/戸 19.3 10 0 54.3 11.7
農業従事者形態 崩 1 240α 101 81 53 475 0
(9戸) 26.7α〆戸 1L2 9 5.9 52.8 0
との対応関係が 皿
みられる。すな
壊(0戸) 0 0 0 0 0 0
〆
わち,農家の労働力の量と質に応じた農業経営が行われていると考えられる。
図2は農業従事者形態別に各農家の家計収入の種類と構成比を示したもので ある。これによれば,家計収入に占める農業収入の割合が10%以下と低い農家 の割合は,安定型,不安定型,崩壊型の順に高くなる傾向を示している。逆に 言えば,家計の維持に占める農業収入の役割が高いのは,成長型,安定型に属
する農家であると言える。農外収入の種類についても農業従事者形態によって 異る傾向がみられる。成長型,安定型に属する農家がアパート経営や駐車場経 営などの比較的手間のかからない業種であるのに対して,その他の型に属する 農家はアパート経営による収入の他に給与所得を組み合わせて家計を維持して いるケースが多くみられる。このことは,成長型,安定型に属する農家の兼業 形態が世帯兼業になっていることを示しており,世帯内で農業以外の職に従事
インデツクス:
①:農業収入
②:給与収入
( ④ ⑦ ③:パート収入
盛翌
① ①
① ①
④:アパート経営収入 D:駐車場経営収入 E:自営業収入
⑦:その他(年金・利子配当など)
(
睾
⑦
甕翌
① ①
① ④ ⑤ ④ ④ ④
① 1 1 1 1
末甕
④
②④ 2④ 2④
④ ② ② ④
②
④ ④
垂) ① ①
1 ① ① 4 1 ①
④①
1
宋安 3
⑦ ⑤
5②
蛋 ①
①
④ ④ ④
④ ⑥
型 ① 4
) 1 1 1 ① 1
末安
⑤
定 ② ②
墨 ④
) ① ①
窮 ④ ② ②
② ②
肇型
①
④ ④ ④
④ ④
④ ② ②
) 1 ① ① 1 1 4 4
図2 収入形態
する世帯員とそうでない世帯員との分化の表われと考えられる。一方,
型,安定型に属する農家は,兼業農家であっても世帯内で農業に従事する世帯 員とそうでない世帯員とに分化するような兼業の業種を選択していないと考え
られる。
以上のように本調査対象地区においては,自家農業従事者形態の異る農家が 混在しており,それゆえに各農家の農業経営規模や家計収入に占める農業収入 の重要度と兼業形態が異る農家が混在していることが明らかになった。このこ
とは,市街地周辺地区における農地の都市的土地利用への転換が各農家の農業 経営や家計に与える影響は著しく異るものと考えられる。したがって,市街化 区域に設定されているからと言って,そこに含まれる農家を均一視して,
を全面的に都市的土地利用に転換するという考え方は,市街地周辺地区におけ る農業経営の特質を無視した主張と言わざるを得ない。
(3)農業継続意向と農地転用評価
表8は農業従事者形態別に農家の農業継続意向を示したものである。全体と
表8 農業継続意向
瀦 世帯主?S 祖父母?S 安定兼業がナきれば 解 ? 度自家消農地を貸しト続ける cをやりなアパート経
ェら続ける 一部の農 nを売っ ト続ける
わから
ネい 計
盛
3 1 0 0 0 0 0 0 0 0 4
(4戸)
建
3 1 0 0 0 0 0 4 0 0 8
(8戸)
1
i11戸) 0 4 0 1 1 0 0 5 0 0 11
不 ∬
(8戸) 0 3 0 0 0 0 0 0 0 5 8
安 定
皿(3戸)
0 0 0 0 i 1 0 0 0 1 3
計(22戸)
0 7 0 1 2 1 0 5 0 6 22
崩 1
i9戸) o 1 1 0 2 3 0 0 0 2 9
H(0戸)
0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
壊 計(9戸)
0 1 1 0 2 3 0 0 0 2 9
計
i43戸) 6 10 1 1 4 4 0 9 0 8 43
してみると「世帯主中心で続ける」,「アパート経営をしながら続ける」,「子 供中心で続ける」と回答した農家が25戸あり,農業継続意向は高い。「農業を やめて他の仕事をしたい」という農家は4戸にすぎない。「わからない」と回 答した農家8戸と,「安定兼業ができれば続ける」と回答した農家1戸を含め ても,農業継続に消極的な農家は13戸で,農業継続意向の高い農家戸数の約半 分である。残り5戸の農家は,「自家消費する農作物の栽培程度に続ける」が
4戸,「祖父母中心で続ける」が1戸となっており,あまり積極的ではないが 農業継続意向を示している。
つぎに農業従事者形態と農業継続意向との関係をみる。成長型,安定型,不 安定1型が,「子供中心で続ける」,「世帯主中心で続ける」,「アパート経営
をやりながら続ける」と回答した農家が多く,農業継続に対する積極的な姿勢 がうかがえる。逆に,不安定皿,皿型,崩壊1型においては,「わからない」,
「農業をやめて他の仕事をしたい」,「自家消費する農作物の栽培程度に続け る」と回答した農家が多い。
このように本調査対象地区における農家の農業継続意向は基本的に高いと言 える。このことは農家が行ってきた農地転用に対する農家自身による評価から
表9 農地転用評価
して良かった やむを得な ゥった
しなければ ヌかった
したのは全く
ク敗だった わからない 他 計 成
長 0 4 0 0 0 0 4
(4戸)
安
定 3 5 0 0 0 0 8
(8戸)
不
】[
i11戸) 3 8 0 0 0 0 11
安 皿
i8戸) 0 7 1 0 0 0 8
皿
定 (3戸)
1 2 0 0 0 0 3
計(22戸)
4 17 1 0 0 0 22
1i9戸) 1 8 0 0 0 0 9
崩 旺
i0戸) 0 0 0 0 0 0 0
壊 計
(9戸) 1 8 0 0 0 0 9
計(43戸)
8 鍵 1 0 0 0 43