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光渦の干渉を用いた散乱媒質の回転速度測定

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Academic year: 2021

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高知工科大学システム工学群光エレクトロニクス専攻 学士論文要旨 2018 年 2 月 13 日

光渦の干渉を用いた散乱媒質の回転速度測定

1180008

糸井 奎太

(岩下小林研究室)

(指導教員 小林 弘和 准教授)

1. 研究背景・目的

レーザードップラー速度計は、移動物体に照射した光波の ドップラーシフトを検出することで、非接触に物体の移動速 度を測定する技術である。レーザーを用いるメリットとして は、非接触により測定物体への影響が少なく、高温、微小な 速度測定が可能で、反射があればよいので素材を選ばない点 が挙げられる。

本研究は、直線運動ではなく回転運動をしている物体の速 度を、レーザー光の回転ドップラーシフトを用いて検出する ことを目的とする。

2. 光波に対するドップラー効果の原理

図1(a)ドップラーシフト (b)回転ドップラーシフト 図1(a)に示すように速度𝑣で動いている物体に周波数𝑓0 光を入射させたとき、散乱光の周波数はドップラー効果によ り𝛥𝑓 = 𝑣sin𝜃/𝜆だけ偏移する。ここでλは波長、

𝜃は入射角で

ある。しかし、光ビーム断面内で回転する運動の物体を考え ると、移動方向と光の進行方向が垂直になり𝜃=0 となるため

Δ𝑓 = 0となる。したがって、光ビームの断面内で回転するよ

うな物体の速度は通常の光ビームでは検出できない。そこで𝑙 重の螺旋状に伝搬する光渦を用いることで図 1(b)に示すよう に角度𝜃 = 𝑙𝜆/2𝜋𝑟で光線が入射する状況を作る。このとき回 転速度𝑁 (周/s)に対してドップラーシフト𝛥𝑓 = 𝑙𝑁を生み出 すことができる。実験では回転方向の異なる光渦(+𝑙と

− 𝑙)

を回転する散乱板に入射することでΔ𝑓 = 2𝑙𝑁の信号を得る。

図 2 実験系(PBS:偏光ビームスプリッター、PD:フォトダ イオード)

図 3(a)PBS2 を透過した光強度分布(水平偏光) (b)PBS2 で反射した光強度分布(垂直偏光)

図4N = 0.1(周/s)のときの(a)時間と電圧の関係(b)フ ーリエ変換

3. 実験構成・結果

図 2 に実験系を示す。光源として HeNe レーザー (中心波長 633nm)を使用し、ビームエキスパンダーでビーム径を拡大さ せる。1/2 波長板は偏光ビームスプリッター(PBS1)に通過す る水平偏光のパワーを調節する。光渦リターダーにより光線 を±2 重螺旋状にし、回転運動を再現した散乱物質に入射して 透過した光をレンズで集光する。その後 PBS2 で水平偏光と垂 直偏光に分離し、それぞれの光強度を差動フォトダイオード で観測する。図 3(a)に PBS2 を透過した水平偏光の光強度 分布図 3(b)に PBS2 で反射された垂直偏光の光強度を示す。

1 周で 4 回の強度変化があるため、

Δ𝑓 = 4𝑁が観測されるはず

である。図 4(a)に 1 回転の周期を 10 秒としたときのオシロ スコープで観測される反射光強度の時間変化、またその結果 をフーリエ変換したものを図 4(b)に示す。1 周期に相当する 0.1Hz に対して 4 倍の 0.4Hz の地点でピークが観測された。

4. まとめ

光ビームを散乱媒質の中心に通し、2 重螺旋における光の ドップラーシフトを用いて回転物体の速度測定を行うことが できた。螺旋の数が多くなると観測されるビート周波数も大 きくなることから、精度が高まると考える。今後の展望とし ては実験構成の縮小を図り、血液の流れの測定など、直接触 れることができない流れの計測への貢献が期待される。

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