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空間位相変調器を用いた光渦生成の性能評価と光渦モード分離

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Academic year: 2021

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空間位相変調器を用いた光渦生成の性能評価と光渦モード分離

岩下・小林研究室 1170083 髙嶋 悟 1. 研究背景・目的

光渦とは等位相面が螺旋状にねじれており、強度分布が ドーナツ型で中心に強度暗点をもつ光ビームである。螺旋 状の位相勾配をもつこの光渦は、多数のモードを持つため、

多重化通信、光情報処理、量子情報処理などに応用できる。

これらの応用先で光渦を利用するには、効率的かつ高精度 に生成、分離することが必要である。本研究ではビーム成 型に対する自由度が極めて高い空間位相変調器(LCOS-SLM)

を用いて光渦の生成と分離を行ない、その評価を行ったの で報告する。本稿では特に光渦分離について説明する。

2. 空間位相変調器(LCOS-SLM)による光渦分離

空間位相変調器は、反射面に液晶で構成された多数のピ クセルを有しており、電圧によって各ピクセルの屈折率を 変化させて入射ビームの位相分布を変調して任意の空間モ ードを生成できる。空間位相変調器には位相情報を入力し、

強度分布の座標変換によって光渦のモード𝑙ごとに違う位 置に集光させる。光渦ビーム断面内の極座標(𝑟, 𝜙)で振幅の 分布を表すと、

𝑓𝑙(𝑟, 𝜙) ∝ 𝑟|𝑙|e𝑟

2

2𝜎2e𝑖𝑙𝜙 (1)

と書ける。ここで𝜎 はビームの幅を表す。また、𝑙 は光渦の モードを表し、位相𝑙𝜙 がらせん状の等位相面を形成する。

𝑙 = 0 のとき通常の光ビームを表す。図 1 で明暗は強度を表 し、色は位相を表す。

図 1 光渦の強度と位相の分布

本研究では、レンズのフーリエ変換作用を利用して光の座 標変換を行い、光渦のモードごとに分離する。

図 2 対数極座標変換

図 2 のように、円形から線上の強度分布に座標変換できれ ば、モード𝑙ごとに別々の場所に集光させることができる。

光ビームの座標変換を行うために(𝑥, 𝑦)平面から(𝑢, 𝑣)平面 への対数極座標変換を考えると

(𝑢, 𝑣) = (ln √𝑥2+ 𝑦2, tan−1𝑦 𝑥) (2)

である。この変換を光学系で実装するためにレンズのフー リエ変換作用を用い、位相停留法で積分計算を解くと仮定 すると、与えるべき位相𝜑(𝑥, 𝑦)は

𝜑(𝑥, 𝑦) =𝑘

𝑓L(𝑦 tan−1𝑦

𝑥− 𝑥 ln √𝑥2+ 𝑦2+ 𝑥) (3) である。この位相を与え、レンズの焦点距離𝑓Lで観測する と、円状の強度分布から線上の強度分布へと座標変換され る。

3. 実験構成・結果

図 3 に示す実験系で𝑙 = 1, −1 の光渦分離の実験を行った。

SLM に位相𝜑(𝑥, 𝑦)を表示し、q-plate で生成した光渦ビーム に位相𝜑(𝑥, 𝑦)を与え、凹面鏡の焦点面で円状の強度分布か ら線上の強度分布に変換される。CCD カメラを用いて観測 した結果を図 4 に示す。これは位相𝜑(𝑥, 𝑦)を与えて、凹面 鏡の焦点面で観測した強度分布であり、座標変換が行われ ていることがわかる。

4. まとめと今後の予定

凹面鏡と SLM を用いて、光渦ビームから線上の強度分布 に座標変換することができたが、このままでは座標変換の ために与えた位相分布が𝑢𝑣平面の関数に変換された項と、

フーリエ変換のために加わる項が余分な項として残ってし まうため、その余分な項を消去しなければモード𝑙ごとに異 なる位置に集光させることはできない。今後の予定として、

その余分な位相項を求め、SLM で位相補正をすることで元 の光渦の位相勾配を保持したまま座標変換を行い、モード𝑙 ごとに分離する。

図 3 実験系

図 4 観測結果

参照

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