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分散媒質の光干渉断層撮影における深さ分解能の向上

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Academic year: 2021

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分散媒質の光干渉断層撮影における深さ分解能の向上

1150132 岩下小林研究室 藤本

貴紀

1. 研究背景・目的

光干渉断層撮影(OCT)は、非侵襲的に生体の精密断層像を 得ることができる医療撮影技術である[1]。OCT では水やヘ モグロビンに吸収・散乱されにくく、生体組織をよく透過 する近赤外領域の広帯域光源を利用して、白色干渉計の原 理に基づき断層撮影を行う。しかし、屈折率に波長依存性 のある分散媒質に対して OCT を行うと、深さ分解能が低下 することが知られている。そこで、本研究では OCT の分散 媒質による深さ分解能の低下を計算処理により改善するこ とを目的とし実験を行う。

2. OCT の原理

OCT の原理を図1に示す。時間周期的に波長を変化させ る波長掃引光源から出た光を 2 つの経路に分け、片方は断 層画像を取得する測定対象、もう片方は固定したミラーで 反射させる。双方から返ってきた光を合波して、光検出器 (PD)を使って波長毎の干渉信号を計測する。干渉信号は反 射面の位置に対応した一定の周期を持つ。このデータをフ ーリエ変換すると反射面に対応した位置にピーク値が現 れる。複数の反射面に対してそれぞれの位置をピーク値の 場所から推定することで生体の断面の情報が取得できる。

この時の深さ分解能は光源の波長幅に比例する。

しかし、分散媒質内では屈折率に波長依存性があるため 反射面に対応する干渉信号の周期が一定でなくフーリエ 変換のピーク波形が太くなるため深さ分解能が低下する。

本研究ではこの分散による深さ分解能の低下を計算処理 を行うことにより改善する。

3. 実験構成・結果

図1に実験系を示す。光源として波長掃引光源(中心波長 1547.5nm、波長幅Δλ=77nm)を使用し、分散媒質には ZnSe(厚さ d=245mm、分散 GVD=500(𝑓𝑠)

2

/mm)を用い、これを 測定対象として挿入して干渉信号を測定する。また比較の ため分散媒質なしの場合も測定する。

図1 実験系

このデータを用い、図 2 のような計算処理を行う。原理

として分散により周波数に比例して遅延時間が広がったデ ータとは逆のマイナスの周波数で広がったデータを掛け合 わせることにより、周期を一定にして分散消去を行う。

図 2 分散消去計算処理

図 3 に実験結果を示す。分散媒質なしの分解能は 82.11μm で分散媒質ありでは 289.47μm に低下し、3.53 倍に分解能 が低下した。計算処理を行うと 107.67μm となり、計算処 理を行うことにより分解能が向上したことがわかる。

図 3 (a)分散なし (b)分散あり (c)分解能比較

図 3 比較 4. まとめと今後の予定

計算処理により分解能を向上することができた。今後 は複数反射時の分散消去を行う。

参考文献

[1]http://www.cntp.t.u-tokyo.ac.jp/oct/research/prin

ciple.html

参照

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