山形大学紀要(医学)第 26 巻第 1 号をお届け致します。今回は、新設の臨床腫瘍学分野に赴任 された吉岡孝志教授と看護学科叶谷由佳教授のグループからの2編が掲載されています。吉岡教 授の論文は、癌に対する薬物療法の効果判定におけるPETの有用性について論じたもので、私の 関係する頭頸部癌の領域でもPETは益々重要性を増してきていますので、興味深く拝見しました。
叶谷教授のグループからの2編は、退院支援に関して検討したものとラオスにおける母子保健に ついて論じたものです。後者の原稿にA3版に目一杯書かれたとても大きな表がありましたので、
B5版の誌面に収まるのか心配でしたが、うまく収まった様で安堵致しました。
紀要に掲載した論文が、業績として一段下に見られることにも原因があるのですが、近年、
益々退任教授や新任教授の書かれた論文など依頼原稿の誌面に占める割合が高くなって来ている 様です。業績集をみると各教室から発表される論文数が大きく減少している様子はありませんの で、研究のactivityが低下している訳ではない様です。やはり上記のことが、一般投稿原稿の少 なくなっている主な理由なのだと思います。
今は丁度、学位審査の季節です。審査対象となる論文の原稿の殆どは当該分野の医学雑誌に投 稿する原著論文の形式で書かれています。即ち、不要な部分は省いて書かれてあり、共著者のあ る場合もあります。しかし、個人的には「thesis」と言うのは、単著であるべきであり、研究テー マに関して著者の当該分野に関する知識を全てひけらかして事細かに記述すべきものであると 思っています。時には、「thesis」の内容から複数の原著論文が書けるほどの豊富な内容を含ん でいる論文であるのが学位論文として理想的なのだと思います。その様なものであれば、紀要に 掲載されたとしても二重投稿の問題はクリア出来るわけですので、「学位論文は全て紀要に掲載 すべし」と言う様な規定を作ることも可能なのではないでしょうか。その場合、随分とボリュー ムが大きくなりますが、冊子の出版を止め、電子ジャーナルのみとしてしまうことも可能なので はないでしょうか。以上のことは紀要編集委員会における重要な検討事項のひとつであろうと思 います。
編集委員長 青柳 優(平成20年1月20日記)
編 集 後 記