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高橋義文氏による「ニーバーの宗教改革論 : ニーバー『人間の運命』 第7章「近代文化における人間の運命をめぐる論争 : 宗教改革」に学ぶ」報告(科学研究費補助金「ラインホールド・ニーバーの宗教・社会・政治思想の研究」第1回研究会) 利用統計を見る

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高橋義文氏による「ニーバーの宗教改革論 : ニー バー『人間の運命』 第7章「近代文化における人間 の運命をめぐる論争 : 宗教改革」に学ぶ」報告(

科学研究費補助金「ラインホールド・ニーバーの宗 教・社会・政治思想の研究」第1回研究会)

著者 鈴木 幸

雑誌名 聖学院大学総合研究所Newsletter

巻 Vol.23

号 No.3

ページ 31‑32

URL http://id.nii.ac.jp/1477/00002715/

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Title

高橋義文氏による「ニーバーの宗教改革論 : ニーバー『人間の運命』

第7章「近代文化における人間の運命をめぐる論争 : 宗教改革」に学ぶ」

報告(科学研究費補助金「ラインホールド・ニーバーの宗教・社会・政治 思想の研究」第1回研究会)

Author(s)

鈴木, 幸

Citation

聖学院大学総合研究所 Newsletter, Vol.23-No.3, 2014.3 : 31-32

URL

http://serve.seigakuin-univ.ac.jp/reps/modules/xoonips/detail.php?item_i d=4955

Rights

聖学院学術情報発信システム : SERVE

SEigakuin Repository and academic archiVE

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報 告

 2013年11月11日(月)聖学院本部新館 2 階会議 室において、2013年度第 1 回目「ラインホールド・

ニーバー」研究会が開催された。この研究会は日 本学術振興会科学研究費補助金の基盤研究(B)「ラ インホールド・ニーバーの宗教・社会・政治思想 の研究」(課題番号:23320025、研究代表:髙橋義 文)の助成で開催され、総合研究所のラインホー ルド・ニーバー研究会との共催で行われた。聖学 院大学大学院教授、髙橋義文氏より「ニーバーの 宗教改革論」と題して、翻訳中のニーバーの主著『人 間の運命』から、第 7 章「近代文化における人間 の運命をめぐる論争─宗教改革」についてご報告 いただいた。参加者は18名であった。以下に概要 を記す。

 第 7 章は「人間の運命」をめぐる論争を、「宗教 改革」から考察した章である。ニーバーによると、

贖われた人の生にも罪がつきまとうという事実を、

キリスト者の良心が初めて気づいた歴史的な場が 宗教改革であるという。また、内在する力として の恵みと外からの力としての恵みについての聖書 的な逆説を、宗教改革が破壊しがちであった点を 批判している。そこで、ニーバーの理解とは異な るルターとカルヴァンの宗教改革理解について、

ニーバーはそれぞれの評価できる点と問題点を展 開することで、講論を深めていく。

 ルター思想については、恵みの逆説を捉え、ア ガペーの自由・恵みの優位性を強調した点を評価 する。問題点としては、静寂主義に陥る傾向や、

聖化の思想に基づいた恵みの分析、敗北主義に終 わる社会・文化論、そして社会倫理の分野におけ る相対的正義達成のための一貫した基準がない点 を挙げて考察している。

 一方、カルヴァン思想に関しては、キリスト者 に残る罪や、律法の概念に一貫性があることを評 価している。問題点としては、カルヴァンの宗教 思想が新しい道徳主義と律法主義の危機に陥る点 や、罪概念を問題にしている点、欠如している愛 の概念の深みと憐れみ、律法主義になりがちで、

反啓蒙主義に陥りやすい律法の理解と聖書主義に ついて考察している。

 ニーバーは、宗教改革がルネサンスに敗北した と考えるが、その一因は、ルターの敗北主義とカ ルヴァンの反啓蒙主義的傾向にあるという。そこ で求められるのが、宗教改革とルネサンスの新し い総合であり、キリスト教の歴史解釈の最終的な 鍵といえるキリスト教の贖罪論が重要になるとい う。

 以上、第 7 章を解説した上で、宗教改革が取り 組んだ課題の難しさと、ニーバーの理解はエルン スト・トレルチに影響を受けていると考えざるを 得ない点、そして第 7 章はニーバーの宗教改革論 の一部に過ぎないことが、髙橋氏により考察された。

 発表後の質疑応答では、H. リチャード・ニーバー のいう 5 つの類型から考えると、ラインホールド は、『人間の運命』にかぎれば 4 つ目の「矛盾にお けるキリストと文化」に当てはまること、また宗 教改革がルネサンスに敗北した意味や、第 6 章で 扱われているルネサンスの勝利について、啓蒙主

科学研究費補助金「ラインホールド・ニーバーの宗教・社会・政治思想の研究」第1回研究会

髙橋義文氏による「ニーバーの宗教改革論─ニーバー『人間の運命』

第7章 「近代文化における人間の運命をめぐる論争─宗教改革」に学ぶ─」報告

研究会風景

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義をルネサンスに入れることができるかどうか、

17世紀イングランドの評価についてといった議論 が活発に交わされた。

(文責:鈴木 幸[すずき・みゆき]聖学院大学基 礎総合教育部ポストドクター)

発題者:髙橋義文教授

参照

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