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解析 II ・講義ノート

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Academic year: 2021

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解析 II ・講義ノート

第14

(2021 126()配信分)

(2)

§14. 相補公式の証明

 相補公式の証明は、解析IIの範囲を逸脱してしまうのですが、

気になる人もいるのではと思いますので、一応お話しておきます。

 期末試験前の大変な時期と思いますので、忙しい人は今回パスしてもらって 構いません。

  1

2 x < 1 ( 0 2x 1 < 1 ) について示せば十分です。基本 関係式でy = 1 x とおけば、

Γ(x)Γ(1 x) = B(x, 1 x)Γ(1) = B(x, 1 x)

= 2 Z π/2

0 sin2x1 θ cos2(1x)1 θdθ

= 2 Z π/2

0 sin2x1 θ cos12x θdθ

= 2 Z π/2

0 tan2x1 θdθ

(3)

ですが、ここで t = tan θ と置換すると、0 θ < π 2 0 t < +, dt = (1 + tan2 θ)dθ より = dt

1 + t2 なので Γ(x)Γ(1 x) = 2 Z +

0

t2x1 1 + t2dt

となります。

 ところが、この被積分関数は、0 < 2x 1 < 1 のとき、一般に

は原始関数を初等関数で表すことはできません。しかし、後に複 素解析で学ぶ、留数定理を用いた定積分の計算法を適用すること ができます。その詳細をここでお話することはできませんが、計 算の流れだけご紹介しておきましょう。

(4)

 まず、複素関数

f(z) = z2x1 z2 + 1

を考えます。(この x z の実部ではありません。)

 この関数は複素平面の上半平面(虚部が正の部分)ではi 以外の

点で、また実軸上でも 0 以外の点で、複素関数の意味で微分可能

(正則)で、i では極と呼ばれる特異点を持ちます。これは i の近

くで、 1

z i の定数倍で近似されるくらいの意味で考えておいて 下さい。

 この定数を f(z) z = i における留数と呼びます。そして i

回りを(他の特異点の周囲を避けて) 左回りに一周する閉曲線に沿 う f(z) の線積分の値がこの留数の 2πi 倍になると言うのが留数 定理の主張です。

(5)

 ここで閉曲線のとり方を限定していないのは、線積分の値がそ のとり方に依らないためです。この事実はコーシーの積分定理か らの帰結なのですが、この講義の言葉で説明すると、f(z) の実部

虚部共に調和関数なので、グリーンの定理より従う事実と言うこ とになります。

 その留数ですが、極限計算を用いた公式により、次のように求 められます。

limzi

(z i)(z2x1)

z2 + 1 = lim

zi

z2x1

z + i = i2x1

2i = e(2x1)πi/2 2i

(6)

 または、 1

z2 + 1 の部分分数分解 1

z2 + 1 = 2i

z i +

i 2

z + i

より

z2x1

z2 + 1 = 2iz2x1 z i +

i

2z2x1 z + i

で、ここで右辺第1項の分子にz = i を代入しても

−i

2z2x1

z=i

= −i

2i2x1 = i2x1

2i = e(2x1)πi/2 2i

のように同じ値が得られます。

 こちらの計算の方が、i の近くで、 1

z i の定数倍で近似される

ことが理解しやすいでしょう。

(7)

 ここで、中心が i で半径が ϵ (0, 1) の円周 Cϵ : z = i + ϵe (0 θ 2π)

に沿って 1

z i を線積分すると、dz = ϵie より

Z

Cϵ

dz

z i = Z

0

ϵie

ϵe = Z

0 idθ = 2πi

が成り立つことから、i の近くでその留数倍で近似されるf(z)

線積分は、ϵ に依らず留数の 2πi

Z

Cϵ f(z)dz = 2πi e(2x1)πi/2

2i = πe(2x1)πi/2

になるのですが、この事実をきちんと理解するには、テイラー展 開を一般化したローラン展開を理解する必要があるため、ここで はこれ以上の説明は省略し、直観的理解にとどめたいと思います。

(8)

 さて、次に1 < R < + に対し、次の線分または曲線を順につ ないでできる閉曲線をCR とします。

CR,1 : z = t ( 1

R t R), CR,2 : z = Re (0 θ π), CR,3 : z = t (−R t ≤ − 1

R), CR,4 : z = 1

R ei(πθ) (0 θ π)

すると、留数定理により次が成り立ちます

Z

CR f(z)dz = 2πi e(2x1)πi/2

2i = πe(2x1)πi/2

(9)

0× - x y 6

i

C

- R -

I

CR,3

CR,4

CR,1

CR,2

1

R R

i R

iR

R1

R

6Cϵ

 さらに右辺の値は R に依らないので、

Rlim+

Z

CR f(z)dz = πe(2x1)πi/2

も成り立ちます。

(10)

 ここで実はz = Re に対して

|f(z)| = |(Re)2x1|

|(Re)2 + 1| R2x1 R2 1

さらにdz = Rie より|dz| = Rdθ なので

Z

CR,2 f(z)dz ZC

R,2 |f(z)||dz| ≤ Z0π R2x1

R2 1 Rdθ

= π R2x

R2 1 0 (R +)

より

Rlim+

Z

CR,2 f(z)dz = 0

が言えます。

(11)

 またz = 1

R ei(πθ) に対して

|f(z)| = |(R1 ei(πθ))2x1|

|(R1 ei(πθ))2 + 1| R2x+1

1 R12 R2x+3 R2 1

さらにdz = 1

R (−i)ei(πθ) より|dz| = 1

R なので

Z

CR,4 f(z)dz ZC

R,4 |f(z)||dz| ≤ Z0π R2x+3 R2 1

1

R

= π R2(1x)

R2 1 0 (R +)

より

Rlim+

Z

CR,4 f(z)dz = 0

も言えます。

(12)

 一方、実軸の閉区間上での積分の極限は、広義積分の定義その ものなので

Rlim+

Z

CR,1 f(z)dz = Z +

0

t2x1

1 + t2dt,

Rlim+

Z

CR,3 f(z)dz = Z 0

−∞

t2x1 1 + t2dt

が成り立ちます。

(13)

 ただし、CR,3 では t < 0 なので、t2x1 は実数の範囲では定義

されません。ここでは

t2x1 = {(1)(−t)}2x1 = {eπi(−t)}2x1 = e(2x1)πi(−t)2x1

と考えます。そして −t = s と置換すれば、−∞ < t 0 + > s 0, −dt = ds より

Z 0

−∞

t2x1

1 + t2dt = e(2x1)πi Z 0

−∞

(−t)2x1 1 + (−t)2dt

= e(2x1)πi Z 0

+

s2x1

1 + s2(−ds)

= e(2x1)πi Z +

0

s2x1 1 + s2ds

となります。

(14)

 これらをまとめると、

Rlim+

Z

CR f(z)dz = Z +

0

t2x1

1 + t2dt + Z 0

−∞

t2x1 1 + t2dt

= (1 + e(2x1)πi) Z +

0

t2x1 1 + t2dt

を得ます。

(15)

 以上より

Γ(x)Γ(1 x) = 2Z +

0

t2x1 1 + t2dt

= 2

1 + e(2x1)πi lim

R+

Z

CR f(z)dz

= 2

1 + e(2x1)πi πe(2x1)πi/2 = 2π

1+e(2x1)πi e(2x1)πi/2

= 2π

e(2x1)πi/2 + e(2x1)πi/2

= π

cos (2x21)π = π

cos πx π2

= π

sin πx

で、相補公式を得ます。

(16)

第13回練習課題の解答

Γ(x)Γ(y) = 4 Z +

0 eu2u2x1du Z +

0 ev2v2y1dv

= 4 lim

a1+0 lim

b1+

Z b1

a1 eu2u2x1du

× lim

a2+0 lim

b2+

Z b2

a2 ev2v2y1du

= 4 lim

a1+0 lim

b1+ lim

a2+0 lim

b2+

Z b2 a2

Z b1

a1 eu2v2u2x1v2y1dudv

(被積分関数が正値なので、ここでは極限をとる順序について、気を付ける必要 はありません。)

(17)

 ここで(u, v) = (r cosθ, r sin θ) と変数変換(置換)すれば、

0 < r < +∞, 0 < θ < π

2 0 < u < +∞, 0 < v < +, ヤコビ行

列式は r ですが、さらに任意の0 < a1 < b1, 0 < a2 < b2 に対し、

{(r cos θ, r sin θ) | a3 r b3, a4 θ b4}

⊂ {(u, v) | a1 u b1, a2 v b2}

⊂ {(r cos θ, r sin θ) | a3 r b3, a4 θ b4}

を満たす0 < a3 < a3 < b3 < b3 , 0 < a4 < a4 < b4 < b4 < π

2 がと

れて、さらに

a3 +0, b3 +∞, a4 +0, b4 π

2 0

= a1 +0, b1 +∞, a2 +0, b2 +

= a3 +0, b3 +∞, a4 +0, b4 π

2 0

を満たすので、

(18)

= 4 lim

a3+0 lim

b3+ lim

a4+0 lim

b4π/20

Z b4 a4

Z b3

a3 er2(r cosθ)2x1(r sin θ)2y1rdrdθ

= 4 lim

a3+0 lim

b3+ lim

a4+0 lim

b4π/20

Z b4 a4

Z b3

a3 er2r2x+2y1 cos2x1 θ sin2y1 θdrdθ

= 4 lim

a3+0 lim

b3+

Z b3

a3 er2r2(x+y)1dr

× lim

a4+0 lim

b4π/20

Z b4

a4 cos2x1 θ sin2y1 θdθ

= 4 Z +

0 er2r2(x+y)1dr Z π/2

0 cos2x1 θ sin2y1 θdθ

= Γ(x + y)B(x, y)

参照

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