多翼 ラジアル フアンの乱流騒音 の予測
( 内径, スパ ン長 さ,スクロール広が り角お よび羽根枚数 の影響)
***雄人裕千好秀清
玉中
児林田 *********登真生健
原山
新島林
PredictionofSoundPressureLevelofTurbulentNoise foraRadialFlow Fan
(EffectsofInnerDiameterofthelmpeller,SpanLength, VoluteangleoftheCasingandNumberoftheBlades)
by
YoshioKODAMA*,NoboruSHINBARA**,HidechitoHAYASHI*
MakotoHATAKEYAMA***,KiyohiroTANAKA*andTakeoHAYASHI****
Weinvestigatedtheeffectsofthespanlength,theinnerdiameterofimpeller,thenumberofblades, thevoluteangleontheturbulentnoiseanddiscussedtheturbulentnoiseinrelationtotheflow conditionaroundrotorblades;thewakewidthandtherelativevelocities. Moreover,weexamined thevalidityofpredictedequationofturbulentnoiseforaradialfan. Asaresultitwasconcludedas follows. (1)Theturbulentnoisebecamehighasthespanlengthbecamelong,(2)The120blade impellerwasmostlow fortheturbulentnoiseamong60,120,180bladeimpellers. (3)Theturbulent noisewaslow andtheflow rateregionoflownoisewaswideastheinnerdiameterwassmall.(4)If thewakewidthandtherelativevelocityweregiven,theturbulentnoisecanbeestimatedfromequation (1)and(2)Overthewholeflow ratecontainingthelow flow rateregion.
1.ま え が さ
巽 ピッチが極 めて狭 く,翼枚数が非常 に多 いフアン は翼間の干渉 によって翼後流の拡散が促進 され るので, 羽根車 と舌部 との干渉騒音が弱 く,通常の遠心 フアン に比較 して騒音が低 い特徴が ある.著者 らはこの フア ンを多翼 ラジアル フアンと名付 け,種 々の因子が騒音 と流体力学的特性 に及 ぼす影響 について実験 的 に調べ た. その結果, この フアンは小型で ある割 には圧力が
高 く,流量が多い こと,騒音で問題 にな るのは乱流騒 音で あることを著者 らは明 らかに した1),2).今後 これ ら のフアンは小型 の乾燥器や衛生機器 あるいは複写機用 のフアンとして用い られ る可能性 が非常 に大 き く,乱 流騒音 をさらに低減 させ る必要が ある. このため本研 究で は,種 々の因子が乱流騒音 に与 える影響 について 実験的 に調べ,乱流騒音 の理論的検討 も行 った2).
乱流騒音 の予測 に関 して は後流の幅 と相対速度 の精 平成8年10月22日受理
*機械 システム工学科 (DepartmentofMechanicalSystemsEngineering)
**大学院博士課程海洋資源工学専攻 (GraduateStudent,MarineResources)
***東陶機器㈱ (TOTOLtd)
****大学院修士課程機械 システム学専攻 (GraduateStudent,DepartmentofMechanicalSystemsEngineering)
12 児玉好雄 ・新原 登 ・林 秀千人 ・畠山 真 ・田中清裕 ・林 健生 度 よい予測が必要である.多翼 ラジアル フアンの後流
の幅の予測 に関 しては前報2)ですで に導入 されてい る.
一 方,相対速度 に関 して軸流送風機3)や斜 流送風 機4)
の場合 には入 口相対 速度 を用 いてい るが, ラ ジアル フアンで はこれ を採用 して も実験値 と予測値 との一致 が悪 い.前報2)で は代 表速 度 として入 口相 対 速 度 の 80%を採用 していたが,羽根車入 口直径 の小 さな羽根 車 は80%で は流量 に よって は予測値 の実験値 に対 す る誤差が大 き くなる場合がある ことが以後 の研究の結 果明 らか になった. この ことは代表相対速度が位置 の 関数であ り, しか もその半径位置 は内径 を含 んだ式 と して与 え られなければな らない ことを示唆 している.
本研究で は種々の検討 の結果,全 ての羽根車の流量 について±3dB以 内の精度 で全帯域乱流騒 音 の予測 値 と実験値 とが一致す る半径位置 を試行錯誤 的に求 め る とともに, これ を式で表 した. この式の妥 当性 を羽 根車 内径,羽根高 さ,スクロール広が り角,羽根枚数 お よび流量 について調べた.
2.おもな記号 ao :音速 m/S β :羽根枚数
C :翼弦長 m,mm か :後流の幅 m,mm Di :羽根車 内径 m,mm Do :羽根車外径 m,mm E :音響出力 W
/ :周波数 Hz 上 :軸動力 W,kW
LR :スパ ン長 さ(羽根高 さ) m,mm
Ⅳ :回転数 rpm,rps 少o :最小可聴音圧 Pa PT :全圧上昇量 Pa
Q :フアン流量 m3/S,m3/min r :半径 m,mm
ri :羽根車 内半径 m,mm ro :羽根車外半径 m,mm Uo :羽根車外縁の周速度 m/s W :半径γにお ける相対速度 m/s
J :スパ ン方向の距離 m,mm z :音源 と観測点 との距離 m
α :スクロールケー シングの広が り角 度 β1 :相対流入角 度
β2 :相対流出角 度
か :フアン効率 ) :動力係数
β :空気 の密度 kg/m3
¢ :流量係数
Q :圧力係数
〟 :角周波数 rad/s 3.乱流騒音の理論
動翼上流 に静翼や障害物 が無 い場合,動翼 に流入す る流 れの乱 流成分 はか な り小 さい. この よ うな場 合 フアンか ら放射 され る乱流騒音 は翼後縁か ら放出 され る渦 に基づいている. この音源 に起 因す る騒音 の予測 式 は次式で与 えられ る4).
E‑HB
p L p
洲DW6dx/(2400ao3) (1)ここでEは音響 出力,Bは羽根枚数,pは空気 の密度, βは後流の幅,Wは翼 に対 す る相対速度,Jはスパ ン 方向の距離,鮎 は音速であ る.
羽根車か らZ離 れた回転軸上 の音圧 レベルSPLと式 (1)の音響 出力Eとの関係 は式(2)で与 え られ る.
spL‑10logl。(3paoE/87rZ2902) (2) ここでboは最小可聴音圧 (‑0.00002Pa)である.
式 (1)に示 した ように騒音 に関与 す るパ ラメータの う ち後流 の幅β と相対速度 肝 は特 に重要である.本研究 で は これ らを以下の方法で予測 した.
3. 1 後流の幅の予測法
式(1)中の後流 の幅 は相対座標 系 にお ける もので あ り, これ を実験的 に求 めることは非常 に困難である.
本研究 では以下 の方法で後流の幅 の算定 を試 みた.
図‑1に示す ように流れ は,負圧面側 で は流入角β1
Fig.1 Schematicdiagram oftheflow relativeto theblade
で流入 し動翼前縁 のA 点か ら通路 を通 って円弧状 に 流れ,点C よ り流出角 β2で流出す る.一方,圧力面側 では,翼面 に沿 って通路内 を流れ,点Bか ら流出角β2
で流出す る と仮定す る.β1とC2が与 えられれば,それ を満足す る円弧 はただ1つ定 ま り,半径R と点 Dが決 定 され る.点Cにおいて接線 を引 き, これ に垂線 を立 てる.この垂線 と圧力面側 の流れ と交わ る点 をEとす れば,線分CEが求 める後流の隔月である.
3. 2 相対速度の予測
式 (1)における相対速度lγとして どの半径 にお ける 値 を与 えた らよいかは今の ところ騒音の実験結果 との 整合性 に頼 らざるを得 ない.軸流送風機や斜流送風機 の場合 には入 口相対速度 を用いているが, これ を多翼 ラジアル フアンに適応 して も乱流騒音 の実験値 と予測 値 との一致 が悪 い.内径 や外 径 の異 な る種々の遠 心 フアンについて検討 した結果,乱流騒音 は入 口相対速 度 と出口相対速度 の両方 に関与 している ことが明 らか になった2)・5),6). 本研究で は試行錯誤 の結果,式 (1)の 相対速度 として式 (3)の半径位置 の相対速度 を用 いれ ば,流量,羽根枚数,翼スパ ンな どの乱流騒音 に関与 す る因子 が大幅 に変 わ って もほぼ±3dB以 内 の精 度 で乱流騒音 を予測で きることが示 された.
r‑ll.5‑((ri/ro)/2)]ri (3) 式(3)に お い て 羽 根 車 内 半 径 を riとす れ ば,Di‑ 40mm,58mm,75mmに対す る代表速度Wの半径位置 rはそれぞれr‑1.3ri,1.21ri,1.13riとな り,Diが小 さ くなるにつれてrのriに対 す る比 は大 き くな るが, 前縁か らの距離 はriが小 さいた め逆 に短 くなる.した が って,入 口相対速度 に近 い値 を とるようにな る.な 浴,相対速度 は図‑2に示す ように羽根車入 口(Wl)か ら出口 (W2)へ向かって直線的 に変化す る と仮定 した.
相対速度 を求 めるに際 して は羽根車入 口では絶対速度 は羽根 に沿 って流入 し,出 口相対速度 はスパ ン方向の 各 位 置 に お け る円 周 方 向 の4断 面 (図‑4中 のMl
〜M4)の実測値 の算術平均 を用 いた.
4.実験装置 および方法
図‑3に本研究 に用いた実験装置の概要 を示す.円周 方向の任意 の位置 で流動状 態の計測が出来 るように, 装置 の上板 にはベア リングが組 み込んで ある. フアン と吐 出管 とはテーパ管で連結 されてお り, この吐出管 には整流格子,流量測定用オ リフィスお よび静圧孔が JIS規格 に従 って設置 されてい る.流量調整 は吐 出管 末端 に設 けた コニカルダンパーを開閉 して行 った.
Jh.LIT3079^〇三二二OY
I i r ro
Radial disIaAce
Fig.2 Radialdistributionoftherelativevelocity.
riL 380 J∵ 】
∴ ・: . ∴
Fig.3 Schematicdiagramofexperimentalappara‑
tus
Fig.4 Casingusedinthisexperi一 ment.
図‑4はス クロールケー シングの概要 を示 した もの である.ケーシングはス クロール角α(‑30,4.5勺,60)の 広が り角 を有す る対数 ら線 の側壁 と平板 の上下壁 とか
14 児玉好雄 ・新原 登 ・林 秀千人 ・畠山 真 ・田中清裕 ・林 健生 ら構成 されてい る.舌部 と羽根後縁 との距離 として定
義 され る舌部 す きま として は種々のす きまを用 いて 行 った実 験 結 果 を参 照 して フアン効 率 が 最 も高 い 2mmが選定 された.羽根車 出口にお ける流動様相 は 羽根車外縁 よ り6mm大 きい円周上 の4断面 (図‑4中 のMl〜M4)をスパ ン方 向 に約2mm間 隔 の6点 で 行 った.
図‑5に供試羽根車 の概要 を示す.羽根車 は放射状 に 取付 た厚 さ0,5mmの多数 の平板 と厚 さ5mmの上下 の側壁 とか ら構成 されている.ただ し,羽根 の厚みは 羽根枚数が180枚 の場合のみ0.3mmである. なお,羽 根車 の外径 は100mmの一定 としてい る.本研 究で は, 羽 根 車 の 内径Diに つ い て は40mm,58mmお よび 75mmの3種類,羽根枚数βについては60枚,120枚 お よび180枚 の3種類 を用 いた.スパ ン長 さ(羽根高 さ) LRには20mm,40mmお よび60mmの3種類 が ある.
回転数Ⅳはいずれの場合 も5000rpmであ り,羽根車出 口にお ける周速度Uoは約26.2m/Sである.なお,入 口 相対速度 と翼弦長 に基づ くレイノルズ数 は最高効率点
において約27000である.
5.実験結果 および考察 5. 1 空力特性
図‑6か ら図‑8は本研究で用いた フアンの回転数Ⅳ
が5000rpmにお ける空力特性 の例 を示 した もので あ る.図中の 少は圧力係数,少は流量係数,)は動力係 数,再 ま電動機 と送風機の総合効率で あ り,次式で表 さ れ る.
少‑2PT/pUo2,¢‑Q/7lDoZ.RUo
A‑2L/7TPDoLRUo3,ワニQd・/) (4)
ここで凸 は送風機全圧(Pa),pは空気の密度,釧 ま流 量(m3/S),LRはスパ ン長 さ(m),Lは軸動力(W),Uo
は羽根車外縁の周速度(m/S)である.
図‑6は特性 曲線 に及 ぼす内径 の影響 を示 した もの で ある.フアンの最高効率 はDi‑40mm(●印),75mm (■印),58mm(▲印)の順 に高 くなっている.これ は内 径が小 さ くなれば,羽根車の面積比 (入 口面積/出口面 積)が小 さ くな り,前面 シュラウ ド近傍の逆流域 が増加 す ること,翼弦長が長 くなるので翼面上 の境界層が発 達す ることに因 る.一方,内径 が大 き くなる と入 口 と 出 口の速度差が小 さ くな り,また翼の面積 も小 さいので 翼 による仕事が小 さ くな るため と考 える.本研究範囲 内で はDi‑58mm が ほぼ全流量域 において効 率 や圧 力が高 く, この近傍 に最適 内径が存在す ると思われ る.
図‑7には羽根枚数が特性 曲線 に与 える影響 を示 し
4'AluGIP菅003aJnSSaJd
B)&dc
Fig.5 Impeller used in thisexperi‑ ment.
Flowcoefficient,め
Fig.6 Effectsoftheinnerdiameterofimpel‑ 1eronthecharacteristiccurves.
4'ftUeIP!苛ODGunSSOJd
Fig.7 Effectsofthenumberofbladesonthe characteristiccurves.
さJuaP苧888JnSSaJd
Fig.8EffectsofthevoluteangleofcaslngOn thecharacteristiccurves.
0.5
Spanwisedistance,X/LR
∈Eqa)届AtOuPUVL
Fig.9 Spanwise distributions ofthe width of wake
SJE
AJ倉ootO>o>葛
la庄14
12
10
8 0.5
8panwlsodlStance.X/LR
Fig.10 Spanwisedistributionsofthetypicalrela‑
tivevelocity.
SN J
Nt.hpoLa^掌葛
TatJ18 16 14 12 10 8
Fbdld血∩
叩爪山一POlrTt a叫.5' LR丘20nlTn
D0‑100mm N‑6000rpITl
B■120
一心 一一一ロー一一ロ ローー一一ローー
ー■■ー tコ 山 一‑ムー一九 一ヘ ム
ot "
0 :恥 40rnmロ :恥 75mrTl A :中軸 rTl
RearShroud Frontlhroud
0.5
Spanwisedistance,X/LR
Fig・ll Effectsoftheinnerdiameterofimpeller onthetypicalrelativevelocity.
102 103 Frequency,fHz
仰20
gpldS.lO^91巴nSSaJdpunos
Fig・12Effectsoftheinnerdiameterofimpeller onthespectraldistributions
102 103 104
Frequency,fHz
0042
gPldSJa^¢一巴nSSaJdpunos
Fig・13 EffectsofthevoluteangleofcaslngOn thespectraldistributions
てい る. フアン効率 はβ‑120(▲印)と180({印)と で は全流量域 においてほ とん ど変わ らないが,β‑60 (●印)で は圧力,効率 ともに前二者 よ り低 い. これ は 羽根枚数が少 ない と図9に示す ように後流の幅が広 く な り,羽根面上 の境界層が発達す ることに一因がある.
16 児玉好雄 ・新原 登 ・林 秀千人 ・畠山 真 ・田中清裕 ・林 健生 βが40,20,10と減少す るに従 って効率 は低下 している
し,βを300枚 と増加 させ ると若干低下 す る(図省 略). これ らの結果 を考慮 すれ ばβ‑120‑180近傍 に羽 根 枚数の最適値が存在 す ることと予測 され る.
図一8はスクロールの広が り角αが特性 曲線 にお よ ぼす影響 を3種類 のαについて例示 した もので ある.
最高効 率 はα‑4.50が60や30に比 べてわずか に高 い.
これ はαが小 さ くな る とス クロール の通路 を通 る流 速が早 くな り,摩擦損失が増大す ること,一方広 くな れば半径方向の速度差が大 き くな り,混合損失が増 え るため と考 え られ る. なお, スパ ン長 さが特性 曲線 に お よぽす影響 については文献 2)の図‑5に示 している ので ここでは省略す る.
5. 2 相対速度 と後流の幅
図‑9は後流の幅 の一例 を羽根枚数 について示 した ものである.羽根枚数が少 な くなるにつれて後流 の幅 は広 くなってお り,羽根間隔が後流の広が りを抑制 し てい ると言 える. また,後流の幅のスパ ン平均値 はほ ぼ羽根 出口におけるピッチ に等 しい.
図‑10には代表半径γにお ける相対速 度lyのスパ ン 方向分布 にお よぼす流量 の影響 をDi‑40mmにつ い て例示 している.相対速度 は全体的 には後面 シュラウ ドか ら前面 シュラウ ドへ向か うにつれて多少減少す る 傾 向が見 られ る.また,流量係数 少が大 きいほ ど相対 速度 は大 きい.騒音 は相対速度 の6乗 に比例す ること を考慮すれ ば,多翼 ラジアル フアンは 少が大 きいほ ど 騒音 は高い ことが予想 され る.
図‑11は相対速度 に与 える内直径DZの影響 を最高効 率点 について示 した もので ある.相対速度 肝 は内直径 が大 き くなる と入 口相対速度が増加 す るため代表半径 位置 にお ける相対速度 も増加 す る.
5. 3 騒音のスペ ク トル分布
図12は内直径が騒音 にお よぼす影響 を最高効率点 に ついて示 した ものである.100Hz近傍 までの周波数域 で はDS‑58mm(破線)が最 も低 いが800Hz以上 の周 波 数 で はDi‑40mm(細 い 実 線),Di‑58mm(破 線) Di‑75mm(太い実線)の順 に高 くな る.つ ま り図11で 示 した相対速度が大 きい順 に高 くなる.全帯域騒音で 比較すれば,内直径Diが75mmの フアンは40mmや 58mmの フアン よ り も6‑7.5dB高 い が,40mmと 58mmの フアンで はその差 は1.5dBでDi‑58mmの 羽根車 の方が低 い.これ は200Hz近傍 までの低周波数 域での騒音が,前者が高いためで ある.
図13にはス クロールの広 が り角αが騒音 の スペ ク
T)レ分布 にお よぼす影響が示 されてい る.800Hz近傍 を除 けば,α‑30が一番低 いが,全帯域騒音で比較すれ ば,α‑4.50が他 の二者 よ り若干低 い.800Hz近傍 の騒 音 の盛 り上が りはレベルの差 はあるが,すべての羽根 車 に見 られ ることを勘案すれば, これ は翼後縁か ら放 出 され る渦 に基づ くものではないか と思われ る.
5. 4 全帯域騒音の予測値 と実験値 との比較 図‑14は羽根車内径 を58mm,スパ ン長 を20mm,羽 根枚数 を120枚 の一定 にして,スクロールの広が り角α
を変 えた場合 の乱流騒音 の実験値 と予測値 との比較 を 全帯域音圧 レベルSPL(L)について示 した ものであ る.
この場合, もし舌部 と羽根車 との干渉 による離散周波
0.05 Flowco8ficient.¢
0.05 0.1 FTowcoeficjent,め
gPldS■一O^91OJnSS巴dpunos
55
050655
gpldSJO^a(aLnSS巴dpunosgpJdS'Ia^Ol巴nSSOJdpuコOS
55
50
0 0.05 0.1 0.15
Flowcoeficient,¢
Fig.14 EffectsofthevoluteangleofcaslngOn theoverallsoundpressurelevel.
数騒音 な どが発生 してい るときには,全帯域騒音か ら 離散周波数騒音 の音響出力 を差 し引いた もの を全帯域 乱流騒音 としている3).図中の太 い実線 は予測値 を,細 い実線 は±3dBの誤差 の範囲 を,○印 は実験 データを 示 してい る.なお,図‑14(a), (b), (C)はそれぞれα が30,4.50お よび6Qの場合 に対応 している. これ らの 図か らほ とん どのデータが±3dB以 内 に入 ってお り, 実験値 と予測値 はよい精度で一致 していることが分か
る.αが30の場合 は,音圧 レベル は流量係数 に対 して ほぼ右上が りの勾配であるが他 の二者 は最大流量か ら 流量 を絞 るに従 って次第 に低下 し,最高効率点近傍 で 最小値 を とった後,再 び増加す る傾向 を示す.最高効 率点近傍 における全帯域 の乱流騒音 の音圧 レベル はα が30,60,4.50の順 に低 く,また低騒音 の流量域がαが 4.50の ときが最 も広 く,三者の内で は低騒音 の羽根車
と言 える.
図‑15(a), (b), (C)には羽根枚数βについて全帯域 乱流騒音 の実験値 と予測値 との比較が なされている.
この場合αは4.50の一定, 内径 お よび スパ ン長 さ は 図一14と同 じである.実験値 と予測値 はよい精度で一致 している.騒音 は羽根枚数 に比例す るので,羽根枚数 が少 ない方が騒音 の面か らは有利 と考 えがちであるが, 音圧 レベル は式 (1)に示 した ように後流の幅か,羽根枚 数Bお よび相対速度Wの6乗,すなわちBDW6に比例 す るので,一概 に羽根枚数が少 ないほ ど音圧 レベルが 低 い とは言 えない.本実験結果か ら判 断すれ ば,最高 効率点 にお ける全帯域乱流騒音 は三者 とも大差 はない が,羽根枚数が120枚が最 も低 いようである.全流量域 で は羽根枚数が180,60,120枚 の順 に低 くなる.流量 に対す る傾 向 としては最高効率点で最小値 を とる曲線 を示す.
図‑16(a),(b), (C)は羽根高 さ(スパ ン長 さ)が全帯 域 乱 流騒 音 にお よぽす影 響 を羽 根 高 さh‑20,40, 60mmについて示 した ものである.いずれの場合 に も 実験値 と予測値 とは±3dB以 内の精度 で一 致 して い る. なお,一般 的 に羽根高 さが増加すれば,全帯域音 圧 レベル は増加 す るが, これは羽根高 さが増加 す るに 従 い,騒音 の放射面積 お よび乱れの強 い逆流領域が増 加 す るためである.
図‑17(a),(b),(C)は羽根車 内直径Dz.が全帯域乱流 騒 音 に及 ぼす影響 を示 した もので ある.音圧 レベ ル SPL(i)は ほ ぼ 全 流 量 域 に お い てDiが40mm, 58mm,75mmの順 に高 くなる. これ はDiが小 さ くな るほ ど代 表相対 速度 が低 くな るた めで あ る(図‑11参 照).実験値 と予測値 は この場合 も±3dB以 内精度 で 合 ってい る.
gP.1dSrJa^¢IaJnSSaJdpunosgP.1dSJJa^afaJnSSaJdpunos 050655
gpldSJa^O一望nSSaJdpunos 0
0.05 0.1 F一owcoefcient,45
Fig.15 Effectsofthenumberofbladesonthe overallsoundpressur8level.
6.結 論
本研究では羽根枚数,スパ ン長 さ,羽根車内径 お よ びスクロールの広が り角が乱流騒音 の流量特性 に及 ぼ す影響 について実験 的に究明す る とともに乱流騒音 の 予測式 の妥当性 について検討 を行 った. その結果,以 下 の結論が得 られた.
(1)スパ ン長 さが長 いほ ど騒音の放射面積 が広 くなる ため乱流騒音 は高 くなる.
(2)本研究範 囲内で は羽根枚数が120枚 の羽根車 が乱 流騒音 は最 も低 く,低騒音 の流量域 も広い.
(3)羽根車 内径が小 さいほ ど相対速度 は低 くなるので 乱流騒音 も低 くなる.
(4)本研究範 囲 内で はス クロール広 が り角 が4.50の 送風機が乱流騒音 は低 く,低騒音 の流量域 も広い.
18
050655
gpJdS盲>GIIOJnのSaJdpunosgplclS■P^alaJnSSaJdpunosgpJdS■la^9LOJnSS聖dpuコOS
児玉好雄 ・新原 登 ・林 秀千人 ・畠山 真 ・田中清裕 ・林 健生
0.05 0.1 FTowcoeficient
, ¢
0.05 0.1 F一owcoe月cient,め
0565 0
0.05 Flowcoeficient,¢
Fig.16 Effectsofthespanlengthontheoverall soundpressurelevel.
(5)式(3)で表 され る半 径 位 置 で相 対 速 度 を与 えれ ば±3dB以 内の精度 で ラジアル フアンの乱 流騒音 を 予測す ることがで きる.
おわ りに本研究 に協力 された長崎大学学部生の荒牧 栄三郎氏 に謝意 を表す.
参 考 文 献
1)児玉 ・他 4名,多翼 ラジアル フアンの流体力学的 特性 に関す る研究 (第 1報 :流体 力学 的特性 に及 ぼす羽 根車 内径,羽 根枚 数,ス クロール角 の影 響),長崎大学工学部研究報告,26‑46(1996),9‑16.
2)児玉 ・他2名,多翼 ラジアル フアンの乱流騒音 の 予測, ターボ機械,24‑8(1996),477‑483.
gpldS.fO>81巴nSS巴dPunOS
55
50
0050655
gpJdSJIO^OroJnS留JdpunosgpJdS■la^ataJnSSQJdpunos
0.05 0.1 Flowcoeficient,め
0.05 0.1 FTowcoeficient,め
0.05 0.1 F一owcoe市cient,¢
Fig.17 Effectsoftheinnerdiameterofimpeller ontheoverallsoundpressurelevel.
3)深野 ・他2名,低圧軸流送風機 の乱流騒音 につい て,機論,41‑345(1975),1479‑1488.
4)児玉 ・深野,低圧斜流送風機 の乱流騒音 の流量特 性 とその予測 (翼先端す きまによる差異),機論, 54‑500,B (1988),883‑889.
5)溝 田 ・他5名,巽付 き多層 円板 フアンの流体力学 的特性 と騒音 に関す る実験 的研究 (第1報,翼の有 無,円板 間隔,翼取付位置の影響),機論,59‑567, B(1993),3422‑3429.
6)清田 ・他5名,翼付 き多層 円板 フ アンの流体力学 的特性 と騒音 に関す る実験 的研究 (第2報,翼取付 角,円板 肉厚,円板 内径 お よび翼枚数 の影響),磯 論,59‑567,B(1993),3430‑3437.