.
...
一般の閉曲面をファイバーとする 2 次元ブレイドにつ いて
石地知興
東京工業大学大学院理工学研究科修士2年
2016
年
12月
21日
結び目の数学
IXお断り
「一般の閉曲面をファイバーとする
2次元ブレイドについて」というタイ
トルで講演を申し込んだ
.しかしその後境界を持つコンパクト曲面に関し
ても同様のことが成立することが分かった
.したがって
,講演は後者の内
容で行った
.「一般のコンパクト曲面をファイバーとする
2次元ブレイド
について」や「
2次元ブレイドの一般化」などをタイトルとするのがふさ
わしい内容である
.このスライド以外は全て講演で使用したものである
.きっかけ
きっかけ
今日の話
1.
非分岐な
Σ-2次元ブレイドがなす群
2. 2
次元ブレイドとしては同値ではないが
,S2-2次元ブレイドとしては同 値になる例
3.
偶数次数の
S2-2次元ブレイドの不変量
←−Lefschetz fibrationから
多様体は
C∞多様体
,多様体間の写像は
C∞級
今日の話
1.
非分岐な
Σ-2次元ブレイドがなす群
2. 2
次元ブレイドとしては同値ではないが
,S2-2次元ブレイドとしては同 値になる例
3.
偶数次数の
S2-2次元ブレイドの不変量
←−Lefschetz fibrationから
多様体は
C∞多様体
,多様体間の写像は
C∞級
今日の話
1.
非分岐な
Σ-2次元ブレイドがなす群
2. 2
次元ブレイドとしては同値ではないが
,S2-2次元ブレイドとしては同 値になる例
3.
偶数次数の
S2-2次元ブレイドの不変量
←−Lefschetz fibrationから
多様体は
C∞多様体
,多様体間の写像は
C∞級
今日の話
1.
非分岐な
Σ-2次元ブレイドがなす群
2. 2
次元ブレイドとしては同値ではないが
,S2-2次元ブレイドとしては同 値になる例
3.
偶数次数の
S2-2次元ブレイドの不変量
←−Lefschetz fibrationから
多様体は
C∞多様体
,多様体間の写像は
C∞級
2 次元ブレイド
D21,D22:2
次元円盤
,pr2 :D12×D22−→D22:
第
2成分への射影
, Xm={x1, x2,· · · , xm} ⊂intD12..
定義
(2次元ブレイド
) .....
2
次元ブレイドとは
D12×D22にプロパーに埋め込まれたコンパクト有向 曲面
Sで
,次の条件を満たすもの
:(1)pr2|S:S −→D22
は単純分岐被覆
. (2)∂S=Xm×∂D22.Σ-2 次元ブレイド
Σ = Σpg(g≥0, p≥0)
または
Σ =Ngp(g≥1, p≥0).D2:2
次元円盤
Xm={x1, x2,· · · , xm} ⊂intΣ.
.
定義
(Σ-2次元ブレイド
) .....
Σ-2
次元ブレイドとは
Σ×D2にプロパーに埋め込まれたコンパクト有向 曲面
Sで
,次の条件を満たすもの
:(1)pr2|S:S −→D2
は単純分岐被覆
. (2)∂S=Xm×∂D2..
注意
..
...
Σ = Σ10=D2
の場合が普通の
2次元ブレイド
.例
Xm×D2
は
Σ-2次元ブレイド
Σ-2 次元ブレイドの同値関係
S,S′:Σ-2
次元ブレイド
.
定義
(同値
)..
...
S
と
S′が同値
⇔def次の条件
(1),(2),(3)を満たすアンビエントアイソト
ピー
{hu : Σ×D2 −→Σ×D2}u∈[0,1]が存在する
: (1)h0=idΣ×D2, h1(S) =S′.(2){hu}u∈[0,1]
はファイバーを保つ
i.e.∃
アンビエントアイソトピー
{hu :D2 −→D2}u∈[0,1] s.t.hu◦pr2 =pr2◦hu(∀u∈[0,1]).
(3)∀u∈[0,1],hu|Σ×∂D2 =idΣ×∂D2.
[S]:S
の同値類とする
.
定義
(自明な
Σ-2次元ブレイド
) .....
Xm×D2
と同値な
Σ-2次元ブレイドを自明な
Σ-2次元ブレイドという
Σ-2 次元ブレイドの積
S1,S2:Σ-2
次元ブレイド
D2
をプロパーな弧によって二つの
2-diskに分ける
;D2 =E1∪E2. D2と
E1を微分同相写像
f1 :D2−→E1によって同一視
D2
と
E2を微分同相写像
f2 :D2−→E2によって同一視
.;S1⊂Σ×E1,S2 ⊂Σ×E2.
;
曲面
S1∪S2は
Σ-2次元ブレイド
.
定義
..
...
曲面
S1∪S2を
S1·S2と書き
,S1と
S2の積と呼ぶ
. [S1]·[S2] = [S1·S2]と定義すると
well-defined.非分岐 Σ-2 次元ブレイドのなす群
Cm(intΣ):intΣ
の順序のない配置空間
.
定理
(I.)..
...
次数
mの非分岐
Σ-2次元ブレイド全体は積に関して群となる
.その群は
π2(Cm(intΣ), Xm)と同型になる
.上の群を
Bm(Σ)で表す
.非分岐 Σ-2 次元ブレイドのなす群
.
系
(I.) .....
Bm(Σ0)∼=Bm(S2)∼=
{Z (m= 1,2) {0} (m≥3), Bm(Σg)∼={0}(∀m, g≥1),
Bm(N1)∼=Bm(RP2)∼=
{Z (m= 1) {0} (m≥2), Bm(Ng)∼={0}(∀g≥2,∀m≥1),
Bm(Σpg)∼={0}(∀m≥1,∀g≥0,∀p≥1), Bm(Ngp)∼={0}(∀m≥1,∀g≥1,∀p≥1).
B
1(S
2)( ∼ = Z ) の生成元
B
2(S
2)( ∼ = Z ) の生成元
証明の概略
.
定理
(I.再掲
)..
...
次数
mの非分岐
Σ-2次元ブレイド全体は積に関して群となる
.その群は
π2(Cm(intΣ), Xm)と同型になる
.証明の概略
次数
mの非分岐
Σ-2次元ブレイド
S ;φS : (D2, ∂D2)−→(Cm(intΣ), Xm)∈π2(Cm(intΣ), Xm) (φs(x) =pr1(S∩pr−21(x)))
[φ]∈π2(Cm(intΣ), Xm)) ;
次数
mの非分岐
Σ-2次元ブレイド
Sφ :=∪x∈D2(φ(x)× {x})
S
2-2 次元ブレイドのブレイドモノドロミー
S:
次数
mの
S2-2次元ブレイド
,∆(S)⊂intD2:
分岐点集合
, q0∈∂D2:基点
,γ : (I,{0,1})−→(D2−∆(S), q0) :q0
を基点とするループ
,とする
.すると
,次の
Cm(S2)のループ
lγを考えることができる
.lγ : (I,{0,1})−→(Cm(S2), Xm) (lγ(x) =pr1(S∩pr−21(x))).
;
ρS :π1(D2−∆(S), q0)−→π1(Cm(S2), Xm)(∼=Bm(S2)) (ρS([l]) = [lγ])
を考えることができる
. ρSは
well-definedで
,準同型写像となる
.S
2-2 次元ブレイドのブレイドモノドロミー
.
定義
..
...
準同型
ρS :π1(D2−∆(S), q0)−→Bm(S2)を
Sのブレイドモノドロミー
という
.S
2-2 次元ブレイドチャート
.
定義
(S2-2次元ブレイドチャート)
.....
次数
m≥3の
S2-2次元ブレイドチャートとは有限グラフ
Γ⊂intD2で 次の条件を満たすもの
:(1)
全ての辺は向きづけられ
,整数
{1,2,· · · , m−1}でラベルづけされて いる
.(2)1
価
,4価
,6価
,2(m−1)価の頂点がある
. 1価頂点を黒頂点という
. 6価 頂点と
2(m−1)価頂点を白頂点という
.(3)
各
6価頂点は図のようである
.(|i−j|= 1) (4)各
4価頂点は図のようである
.(|i−j|>1) (5)各
2(m−1)価頂点は図のようである
(1)6
価頂点
(2)4価頂点
(3)2(m−1)価頂点
S
2-2 次元ブレイドチャートのブレイドモノドロミー
次数
m≥3の
S2-2次元ブレイドチャート
Γ;ブレイドモノドロミー
ρΓ..
定義
..
...
曲線
α : [0,1]−→D2が
Γに関して一般の位置にある
⇔def(1) α([0,1])∩V(Γ) =ϕ.
ただし
V(Γ)は
Γの頂点集合
.(2) α−1(Γ) ={t1,· · · , ts} ⊂int[0,1].
ただし
α−1(Γ) =ϕも認める
. (3) ∀j∈ {1,· · · , s},∃tjの開近傍
U(tj) s.t. α|U(tj)ははめ込みかつ
,Γの 辺と
α(tj)にて横断的に交わる
.α: [0,1]−→D2
が
Γに関して一般の位置にあるとき
,交叉語
wΓ(α)を次
のように定義できる
.S
2-2 次元ブレイドチャートのブレイドモノドロミー
これを
Γに関する
αの交叉語という
. wΓ(α)で表す
. ∆(Γ):黒頂点集合
. l: [0,1]−→(D2−∆(Γ), q0):Γに関して一般の位置にあるループ
..
定義
..
...
準同型写像
ρΓ:π1(D2−∆(Γ), q0)−→Bm(S2) (ρΓ([l]) =wΓ(l))を
S2-2次元ブレイドチャート
Γのブレイドモノドロミーという
.S
2-2 次元ブレイドとチャート
.
定理
(I.)..
...
任意の次数
3以上の
S2-2次元ブレイド
Sに対して
,S2-2次元ブレイド
チャート
Γが存在して
ρΓ=ρSとなる
.逆に任意の
S2-2次元ブレイド
チャート
Γに対して
,S2-2次元ブレイド
Sが存在して
,ρS =ρΓとなる
. S2-2次元ブレイドチャート
Γにより定まる
S2-2次元ブレイドを
S(Γ)で
表す
.2 次元ブレイドと S
2-2 次元ブレイド
.
定義
(2次元ブレイドチャート
) .....
次数
mの
2次元ブレイドチャートとは有限グラフ
Γ⊂intD2で次の条件 を満たすもの
:(1)
全ての辺は向きづけられ
,整数
{1,2,· · · , m−1}でラベルづけされて いる
.(2)1
価
,4価
,6価の頂点がある
. 1価頂点を黒頂点という
. 6価頂点を白頂 点という
.(3)
各
6価頂点は図のようである
.(|i−j|= 1) (4)各
4価頂点は図のようである
.(|i−j|>1)(1)6
価頂点
(2)4価頂点
2 次元ブレイドと S
2-2 次元ブレイド
.
注意
..
...
2
次元ブレイドチャートに関してもそのブレイドモノドロミーが
S2-2次
元ブレイドチャートの場合とまったく同様に定義される
.定理も同様に成
立する
.2 次元ブレイドと S
2-2 次元ブレイド
チャート
Γ1,Γ2を考える
.(m≥3).1 12 m-1 m-1 2 1
(1)Γ1
1
(2)Γ2
.
定理
(I.)..
...
S(Γ1)
と
S(Γ2)は
2次元ブレイドとしては同値ではないが
,S2-2次元ブレ
イドとしては同値になる
.証明の概略
(S(Γ1)
と
S(Γ2)が
S2-2次元ブレイドとして同値であること
)次のチャートムーブとアンビエントアイソトピーによる
.1 1 2 m-1 m-1 2 1
1 1 2 m-1 m-1 2 1
CⅠ-move
ambient isotopy
1 1 2 m-1 m-1
12 CⅠ-move
1
Lefschetz fibration との結びつき
Σg:
種数
gの有向閉曲面
. .定義
(Lefschetz fibration) .....
M:
コンパクト有向
4次元多様体
B:コンパクト有向
2次元多様体とする
.全射
f :M −→Bが
Lefschetz fibration⇔def(1)f−1(∂B) =∂M,
(2)f
の任意の臨界点
p∈intMに対して
,pの座標近傍
(U, φ)と
f(p)の座 標近傍
(V, ψ)が存在して
(ψ◦f◦φ−1)(z1, z2) =z12+z22となる
.(3)
どのファイバーも
(±1)球面を含まない
. Mを全空間
,Bを底空間
,fを射影という
..
注意
..
...
ここでは
achiral Lefschetz fibrationを単に
Lefschetz fibrationと呼んで
いる
.Lefschetz fibration との結びつき
Mg:Σg
の写像類群
∆:f
の臨界値集合
;f|f−1(B−∆):f−1(B−∆)−→B−∆はファイバー束
;
基点
b0 ∈B−∆と向きを保つ微分同相写像
Φ0 : Σg −→f−1(b0)をと るとモノドロミー表現
ρf :π1(B−∆, b0)−→ Mgを考えることができる
. .定義
(Lefschetz fibrationのモノドロミー表現)
..
...
ρf :π1(B−∆, b0)−→ Mg
を
Φ0に関する
fのモノドロミー表現という
. .定義
(Lefschetz fibrationの同型
)..
...
f :M −→B,f′ :M′ −→B′
を
Lefschetz fibrationとする
.fと
f′が同型
(isomorphic)
であるとは
,向きを保つ微分同相写像
H :M −→M′,h:B−→B′
が存在して
,f′◦H =h◦fとなるときにいう
.Lefschetz fibration との結びつき
.
補題
..
...
次数が偶数の
S2-2次元ブレイド
Sに対して
S上分岐する
2重分岐被覆
α:M −→S2×D2が存在する
.ただしここで
Mは
4次元多様体である
.さらに
,Mは微分同相の差を除いて一意である
..
命題
..
...
pr2◦α:M −→D2
は種数
m−1の
Lefschetz fibrationである
.Lefschetz fibration との結びつき
.
補題
(I.)..
...
S1
と
S2を次数
2m≥6の
S2-2次元ブレイドとする
. f1 :M1 −→D2, f2 :M2 −→D2をそれぞれ
S1,S2から定理のようにして定まる
Lefschetz fibrationとする
.もしも
S1と
S2が同値であるならば
,f1と
f2は同型に なる
.ι∈ Mm−1:hyperelliptic involution
.
補題
(I.)..
...
S
を次数
2m≥3の
S2-2次元ブレイドとする
. Γを
Sのチャート表示とす
る
. f :M −→D2を
Sに対して定まる
Lefschetz fibrationとする
. ρfを
fのモノドロミー表現とする
.このとき
,Γが持つ
2(2m−1)価頂点の個数
が偶数ならば
ρf(∂D2) = [id]となり
,奇数ならば
ρf(∂D2) =ιとなる
.Lefschetz fibration との結びつき
.
定理
(I.)..
...
S1,S2
を次数
2m≥6の
S2-2次元ブレイドとする
.Γ1,Γ2を
S1,S2の チャート表示とする
.もしも
S1と
S2が同値であるならば
,Γ1と
Γ2がもつ
2(2m−1)価頂点の個数の偶奇は等しい
..Proof.
..
...
S1
と
S2が同値であるとする
.このとき
S1,S2から定まる
Lefschetzfibrationf1,f2
は同型である
.もし
,Γ1と
Γ2がもつ
2(2m−1)価頂点の偶
奇が異なるとすると
,(Γ1 :偶数
,Γ2:奇数とする
.)ρf1(∂D2) = [id],ρf2(∂D2) =ι