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地域様式1 学 位 論 文 内 容 の 要 旨

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Academic year: 2021

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地域様式1

学 位 論 文 内 容 の 要 旨

論文提出者氏名 髙橋 憲人

(論文題目)

芸術教育のエコロジカルアプローチ

――身ぶり,肌理,コレスポンダンスに着目した地域芸術実践のデザイン――

(内容の要旨)

近年,参加型アート(Participatory Art)における日本独自の形態である「アートプ ロジェクト」が注目されている。アートプロジェクトの特徴は,「共創(アーティスト と参加者が共に創りあげる)」にあるといわれる。しかし,参加者が制作プロセスに深 くコミットしてはいるものの,活動のプランの大枠は招聘されたプロフェッショナルな 芸術家によって予め定められており,プロジェクトの多くがフェスティバル型とでもい うべき非日常のイベントと化している。本研究は,既存のアートプロジェクトに対し,

地域住民の日常生活における環境との関わりを基盤とした,包摂的(inclusive)な地域 芸術実践のデザインを目的とする。その際に重要となるのが,外部からやってきたアー ティストの眼差しではなく,内住者(地域住民)の目線で知覚された環境である。ある 特定の環境を捉えるために,都市デザインやパブリックアート等の文脈で使われること ばに「ランドスケープ(landscape)」があるが,このことばは一般的に,対象から一定 の距離を保った眺望というニュアンスで使われている。しかし,ジョン・スティルゴー らの近年の研究から,本来「ランドスケープ」とは,そこで生きる内住者の身ぶりと環 境の流動とが織り成す動的な場を指していたことが分かる。このような,環境と内住者 との動的な関わりを捉えるエコロジカルなアプローチのために,ジェームズ・ギブソン の生態学的知覚論と,それを発展させたティム・インゴルドのライン学+気象学を,テ クスティリティに焦点を当て分析した。

また,芸術を流動する環境のなかでの素材とつくり手とのコレスポンダンスと考える インゴルドの芸術論,芸術を身ぶりあるいはその痕跡と捉えるロラン・バルトの芸術批 評を参照し,サウンドアートや鈴木ヒラクのドローイングの実践を分析することで,芸 術における〈知覚すること〉と〈つくること〉の相即を見出した。さらに,R・マリー・

シェーファーのサウンドスケープ思想,それに基づく教育実践サウンド・エデュケーシ ョンが〈聴くこと〉と〈音をつくること〉の相即へと人々を誘うための思想・実践であ ることを,シェファーの主著『世界の調律』の文献調査を中心に明らかにした。サウン ド・エデュケーションのエコロジカルな枠組みをモデルとすると,日常の知覚における

〈観ること〉と〈つくること〉の相即を基盤とした視覚芸術の実践が導き出せる。そう して導き出した環境のテクスチャに着目した地域芸術ワークショップを,弘前大学の教 養教育科目の受講者たちを対象に試行した。ワークショップに対するリアクションペー パー,期末課題として受講者たち自らがデザインした芸術実践を分析した結果,受講者 たちが〈観察すること〉と〈つくること〉の相即を体験し,そこでの発見が彼らの日常 生活にも広がっていったことが確認できた。

キーワード:ランドスケープ,サウンドスケープ,テクスチャ,テクスティリティ,コ レスポンダンス,エコロジー,地域アート

※11ポイント,1行38字,1頁38行

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